忍者ブログ
日常のこととかオリジナル小説のこととか。
カレンダー
01 2026/02 03
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
プロフィール
HN:
ashita
Webサイト:
性別:
女性
職業:
地主(土地貸してます)
趣味:
漫画やアニメを見るのが好きです。最推しはフーディーニ ♡
自己紹介:
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

ブログ、もう書かないと思ってました。

けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。

小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。

純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。

元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。

ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。

小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。

よろしくお願い致します。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

お知らせ。

イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。

また、「カラクリよろずや」にて無料のフリーイラスト素材配布もはじめました✩.*˚

フリーイラスト素材も増やしていく予定です(*'ᴗ'*)

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。

ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。

小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

X @kigenzen1874

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
ブログ内検索
QRコード
フリーエリア
〈資格履歴〉

2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
〈資格証明バナー〉

鉛筆デッサンマスター®認定試験資格取得証明
絵画インストラクター資格資格認定証
宝石鑑定アドバイザー資格認定試験資格取得証明
鉱石セラピスト資格資格保持証明
茶道アドバイザー資格認定試験資格取得証明
お点前インストラクター資格資格認定証
着物マイスター®資格認定試験資格取得証明
着付け方インストラクター資格資格認定証
サイキックアドバイザー®資格資格証明
サイキックヒーラー資格資格保持証明
アンガーカウンセラー®資格資格保持証明
アンガーコントロール士資格資格認定証
漢方コーディネーター®資格認定試験資格保持証明
薬膳調整師®資格認定試験資格保持証明
[228] [227] [226] [225] [224] [223] [222] [221] [220] [219] [218
純愛偏差値 未来編 一人称版 84話

《ナミネ》

「あんたら抜け駆けして修行までしてたのかよ。だから、家事1つ出来なかった強気なナミネが、いきなり家事出来るようになったんだな」
「あ、抜け駆けとかそういうのではないです!ナルホお兄様があんな状態だったので、行き場がなく、ラルクと折り鶴に乗っていたら、森の湖南町に着いてたんです」
落ち武者さんて兄弟いるのに、いつも寂しがり屋さんだ。それも過去の風邪の悪化が原因だろうか。その時、誰か1人でも落ち武者さんの傍にいてたらよかったのに。
「とにかく、妖精村戻ったら、そのじいさんとこ行く」
「あ、はい。そういえば、森の湖南町は天然記念物でダンゴロさんが所有しているそうです」
神様が所有者というのも意外だけれど、そうまでして残しておく理由があるんだろうな。
「へえ、エロじじいが所有者ってわけか。だったら、あのレストランがあるのも理解出来るな」
「今後は、師範の奥様の家に通いましょう。ここでの暮らしのヒントが得られるかもしれません」
「だね〜!やっぱり、ここは達人の知恵が大事だよね」
「あんたらは果物係で忙しいだろうから、僕が頻繁に行く」
まさかの落ち武者さんが抜け駆け!タルリヤさんの家のご飯が食べれたものではないからって、おばあさんの家で食べるのだろうか。
「落ち武者さん、私の分のお菓子も残しておいてください」
「あんた、僕が長居するとでも思ってんの?一目惚れカラルリの作業もあるから、市場に寄ったあと、挨拶程度に寄るだけだけど?」
ああ、そうか。落ち武者さんは、カラルリさんと一緒に加熱作業するんだった。

タルリヤさんの家に戻るとリリカさんがいた。
「あ、リリカさんー!」
「ナミネ、それどうしたの?ラルク、どこでもらったの?落ち武者さん失礼なことしてない?」
ヨルクさんていつもこう。ヨルクさんには近所の人付き合いというものがないのだろうか。
「あんた、何で僕だけに言うのさ。ばあさん家でもらってきたんだよ」
「その家どこ?今すぐお礼に行ってくる」
はあ、ヨルクさんて、ちょっともらってきただけで悪いことしたような言い方で何だかモヤモヤする。それに、おばあさんは完全に他人というわけではないのに。
「市場の近くのログハウスっぽいとこだけど?」
「分かった、ちょっと行ってくる」
ヨルクさんはそそくさに市場方面へ向かって行った。
そういえば、みんなもうサバイバル服からガーゼ服になってるから、男性陣はステテコみたいで、めちゃくちゃダサイ。ヨルクさんなんか、スポーツタイプのパンツじゃなく、いつものダサイパンツ映ってて余計にダサイ。けれど、遠い昔、アランさんのセイさんはパンツしか履いてなかったんだっけ。何だか、男性陣には目も向けられないよ。
「あ、リリカさん。市場の近くに住むおばあさんから、小麦粉と卵とココナッツオイルもらってきました。これでホットケーキが作れると思うんです。なので、ナヤセス殿とロォラさんに作ってもらえたらと思いまして……」
もうあの不味い魚料理は食べたくない。ちゃんとした人に了解をして欲しい。
「まあ、こんなに!お礼はヨルクが行ったから問題ないわね。みんな!ナミネとラルクとセルファが貴重な食糧もらってきてくれたわよ!ここで何もしてない人は、いい加減、トイレのものゴミ捨て場に持って行きなさい!」
あのゴミ、まだ残ってるんだ。こんなだとどうせ、女子トイレは便器も汚れてるんだろうな。
「じゃあ、ホットケーキは私とナヤセスで作る」
はあ、これでやっとまともなご飯が食べられる。
「ナミネ、僕が料理してる姿、写真に撮ってくれないかな?」
「ラハルのことなら私がするわよ!」
これは推しというより、なんと呼ぶべきなのだろうか。2.5次元の普段接することも出来ない芸能人が目の前にいるもんな。
「あ、どれも貴重な食糧ですので、焦がさないようお願いします」
「ああ、分かってる」
「ナミネ、僕の手料理楽しみにしててね」
ナヤセス殿は私の頭を撫でた。
「はい」
そこへズームさんが来た。
「喜んでいるところ申し訳ないのですが、湖の魚を毎日釣り続けていたら、そろそろ魚がいなくなってきました。なので、明日、僕は、町の職人さんに携帯浄水器と万が一の時のための点滴を1つずつ注文しに行こうかと思います。無論点滴の針は、この町の技術ではある程度は太いでしょうけど。納得いく商品であれば、今後のために追加注文するつもりです。その後は僕は石鹸を作ります。手洗い、食器洗い、洗濯に必要でしょうから」
そうか、職人さんに作ってもらう方法があったか。特に携帯浄水器は非常事態に必要になってくる。そういえば、未来医師の学び舎でも似たようなシーンがあったなあ。
「え、ええ、お願いするわ。みんな聞いたかしら?することがなくなれば、次のことを考える。それが出来ないとここでは生きていけないわよ?セレナールとアヤネ、ミネスは明日から何をするのかしら?自力で崖を登っても構わないのよ?」
何もしてない人は、セレナールさんとミネスさん、アヤネさんの3人だ。せめて、トイレのゴミ捨てだけでもしてくれたらかなりマシなのに。
「へえ、お兄ちゃんみたいに頭脳戦はまかり通るってわけ。この家には人参がある。市場でも安値で売ってる。どうせ腐っているんだったら別の用途にしたほうが効率はよくなると思う。私は薄い紙、つまりトイレットペーパーの代用品を作る。そうすれば、コストもかなり削減出来る。文句ある?」
ミネスさんはズームさんに似て頭脳明晰だ。ここではズームさん同様頭脳戦でチームワークに乗るつもりか。何だか悔しい。いくら、武士としての力量があっても、頭脳明晰な人は体力使わずに色んなことが出来てしまう。あっ、でも、火を通す過程はどうするのだろう。
「ですが、野菜をギリギリまで煮るのはどうするのですか?」
「ナミネっておバカさんね。お兄ちゃんが数式書けるように私も書けるの。あと、電池の使わない押すだけミキサーを私も職人にオーダーする」
電池を使わない押すだけミキサー。妖精村だとそれなりに出回っている。それなら職人も作れるかもしれない。
「じゃあ、ミネスはトイレットペーパーの代用品製作をお願いするわ。アヤネとセレナールはどうするのかしら?」
「み、水汲みをします」
「それは毎朝ナミネがしてるわ!」
2人は黙り込んでしまった。
「あの、何もしないのでしたら、トイレ掃除とかトイレのゴミを流石に捨ててもらえませんか?」
「何よ!ナミネがやりなさいよ!」
「あのですね……」
「ナミネ、もういいわ。放っておきましょう」
本当何なの。果物係はただでさえ崖を登る命懸けの役割なのに。トイレのゴミ捨てなんて命全然かけないじゃん。
あれ、ビニール袋に入れたおばあさんの手作りクッキーがなくなってる。
「ねえ、ラルク。おばあさんの手作りクッキーなくなってるよ」
「クッキーだけなら諦めろ!」
「本当に次から次へと問題起こるわね!」
その時、ヨルクさんが戻って来た。え、何持ってるの?またもらってきたのだろうか。
「ナミネ、ただいま。銀のリンゴもらってきたよ」
何故ヨルクさんだけ特別なものをもらえるのだろう。ナヤセス殿はヨルクさんに近付いた。
「ヨルク、成分調べていいかな?」
「はい、どうぞ」
落ち武者さんが写真を撮ったあと、ナヤセス殿は銀のリンゴの成分を調べはじめた。
崖の上の果樹園は毎日変わっている。けれど、特別なものは頻繁には手に入らないだろう。1世紀おきとか、それよりもっと見ることが出来ないかもしれない。
トイレ行かなきゃ。私はトイレに走った。

女子トイレの便器は誰かのもので汚れている。どうして汚した人は綺麗にしないのだろう。もう片方のトイレは何もないから私はもう片方のトイレを使った。
やっぱり布ナプキンだと紙のナプキンと違って早いめに変えないといけない。けれど、背に腹はかえられない。私は布ナプキンを変えると汚れた布ナプキンをビニール袋に入れてトイレを出た。

「ナミネ、それ洗っておくね」
「はい、お願いします」
私はヨルクさんに汚れた布ナプキンを渡した。
「ねえ、布ナプキンって自分で洗うんじゃなかったの?ナミネだけ特別扱いなんて卑怯だわ」
セナ王女はちょっとしたことに反応する。
「あの、今だから言いますが、女子トイレの便器が汚れているんです。今から落ち武者さんにフェアリーングかえてもらいましょうか」
「イジメはやめてください!」
犯人はアヤネさんだったのか。
「あの、アヤネさん。自分のもの自分で綺麗に出来ないんですか?」
「私じゃありません」
「では、落ち武者さんにフェアリーングかけてもらいます」
「やめてください!どうしてイジメるんですか!」
アヤネさんは羞恥心からか泣きはじめた。泣いたってどうにもならないのに。ただ、どうして自分で汚したものは自分で元通りにしないのか。その精神が理解し兼ねる。
「アヤネはトイレ掃除しないなら今日のホットケーキは抜き!クッキー盗んだアルフォンス王子もね」
「証拠でもあるのかよ」
「私もセルファにフェアリーングかけてもらおうかしら」
「ロクなご飯食べれてなかったから思わず食べてしまった。今回だけは許して欲しい」
落ち武者さんがいると、みんな自白する。けれど、クッキーだって貴重な食糧なのに。それを1人で全部食べるなんてやっぱり許せないよ。

夕方になり、みんなはテントに入り、ロォラさんとナヤセス殿のホットケーキを食べることになった。ホットケーキは家で食べるのより半分小さい大きさだけれど、ここでは貴重な食べ物だ。
ちなみに、ラハルさんはラストのホットケーキの焼く姿をリリカさんにバッチリ撮ってもらったらしい。
トイレ汚したままのアヤネさんの分はないけれど、これでやっと美味しい料理が食べられる。私はホットケーキにハチミツをかけた。美味しい……。これで料理係が決まれば、あの不味い魚料理から開放される。そうだ、こういう手段もあった。
「あの、今後の料理係ですが、洗濯係の人がローテーションするのはどうでしょう?」
ローテーションなら、毎日作らなくてもいい。みんなはどう考えるだろう。
「本来なら何もしてない人に作ってもらいたいところだけど、貴重な食糧を無駄にするわけにもいかないし、私はそれで構わないわ」
よし!リリカさんのOKが出た。あとは、洗濯係の人の気持ちだ。
「ええ、そうするわ。毎日じゃないなら、そこまで疲れないだろうし」
「僕も少しずつ料理学びながら作る」
「料理経験は殆どないですが僕も頑張ります」
「ああ、私もそれで構わない」
「親の料理しか見てなかったけど僕なりにやってみるよ」
「ナミネ、美味しい料理作るからね」
やった!洗濯係はみんな賛成してくれた!これで、貴重な食糧に関しては美味しい料理を味わえる。ありがとう、みんな。
「ありがとうございます。掛け持ちは辛いかもしれませんが、お願いします。もし、担当の日、具合が悪い人は無理せず、次の日の担当者に作ってもらってください」
魚はもう湖に殆どいないから、今後は市場に売り出されないだろうし、ここにある分だけだけど、干物なら普通に食べれると思う。それに、果物に肉もあるから、ここの料理に加えたら栄養も取れるだろう。何より、市場で小麦粉が手に入れば、ココナッツオイルでホットケーキが作れるのは大きな収穫だ。ホットケーキは卵がなくても作れるし、今後の貴重な食べ物の1つになると思う。まあ、ここには牛乳もベーキングパウダーもないし、卵もないと家で食べるようなホットケーキとはまた違うけど、それでも美味しく食べれるのはとても嬉しい。それに小麦粉は色んな料理が出来る。クッキーもそうだし、ナンとか、ドーナツ、蒸しパン。おやきなんて小麦粉と塩があれば作れる。調味料はここで全ては揃えられないけど、小麦粉は、ここでは欠かせない。
「あ、落ち武者さん、明日、市場で追加で小麦粉と砂糖と塩を買ってきてもらえませんか?小麦粉があれば、ドーナツや蒸しパン、ナンなど幅広いものが作れます。小麦粉と塩だけあれば、おやきを作ることも出来ます。今後、小麦粉はここでかなり役立ってくれると思うのです」
「りょーかい。じゃあ、小麦粉と砂糖、塩に加え、ズームの石鹸作りの油と灰買ってくる」
「石鹸作りの材料は、既に揃えてあります」
「あんた、仕事早いな」
ズームさんは、市場で油を買いに行き、灰は何度か焚き火を起こしたあとのものをかき集めたらしい。手作り石鹸は、普通は灰ではなく、荷性ソーダか精製水が使われるが、ここには当然のごとくそれがない。ちなみに、古代では荷性ソーダか精製水の代わりに灰を使っていたそうだ。石鹸て古代からあったんだなあ。そして、ズームさんは四角い容器も持って来ているから石鹸作りの準備は万全だ。
「あ、ハチミツもお願いします」
「それなんだけど、うちにあるのは何世紀も前のもので、今はハチ1匹ここにはいないから、ハチミツは市場にはもう売り出されてないんだ」
えええええ!あれ、何世紀も前のものだったの?全然気づかなかった。次からは砂糖かけて食べよう。
「そうですか。逆に存在しなくなったものもあるのですね」
これが時代というヤツだろうか。それにしてもハチがいないだなんて実に不可思議だ。
その時、ヨルクさんが私にストールのようなものをかけた。
「ありがとうございます、ヨルクさん」
そうか、昼間はそれなりの気温を保っているけれど、今は冬で夜はマイナス20度を超えることもある。女性陣はノースリーブのワンピースだし、男性陣は長袖とはいえ、そもそもガーゼ布自体が薄い。けれど、ここで冬物のコートを手に入れるにはそれこそイノシシを捕まえなければならない。今は、ヨルクさんが作ってくれたガーゼ布二枚重ねのストールでしのぐしかない。あれ、ちょっと待てよ。
「あの、崖の上の果樹園が毎日変わるなら綿が生えていることもあるかもしれませんよね?綿が手に入れば、それをガーゼ布に入れてケープを作るのはどうでしょう?」
「それもなんだけどね、果樹園はあくまで食べられる果物しか生えてないんだよ。あるとしたら薬草のほうだろうけど、僕は遠い昔からここで綿を見たことがないんだよね」
えっ、ありそうなのにないのか。綿を収穫すれば、ケープ的なコートが作れるのに、残念。
「そうでしたか。ここの服は生地が薄いですし、コートがないと暮らしも大変ですね」
確かに古代に贅沢なものなんてないか。ここでの期待はあまりよくない。気を引き締めなければ。
「ねえ、ラルク。アヤネさんね、便器に大っきいの付けたんだよ。これで愛しのズームさんに嫌われたね」
「ナミネ、食事中に言うなよ!」
「どうしてイジメるんですか!」
アヤネさんは泣きながらテントを出た。私は今度はズームさんの膝に頭を乗っけて上目遣いでズームさんを見た。
「ズームさん、ロォラさんの手料理食べれて幸せですね。ロォラさんは家事かなり出来ます。お嫁さんにしたくなった?なった?」
「ロォラのことは女としては見れません。僕はかつてのあなた以上の恋愛をしたことはありませんよ」
えっ、私のどこがいいのだろう。それに、ロォラさんとズームさんて息ピッタリで恋人みたいなのに。
「とりあえず、女子トイレの便器が汚れたままだなんて、ありえなさすぎるわ。それに、もうすぐビニール袋も変えないといけないのに。何もしない人はどうして何もしないのかしら。セレナール!明日、トイレ掃除しなさい!しないと、食事は抜きよ!」
私は起き上がり、再びヨルクさんの横に座った。
そうなんだよね。このままだと、テントから溢れてしまいそうだ。
「リリカ、流石に汚いものは触れないわ!」
「ゴム手袋持ってきたじゃない!」
「持って来てない!」
はあ、セレナールさんは、どうして必要なものは全て置いてきたのだろう。ここでの暮らしも少しずつ慣れはじめ、食糧も確保出来るようになって来た。けれど、何もしない人や女子トイレの問題は少しも解決しない。どうしたものか。

その後、ズームさんは町の職人さんに携帯浄水器と点滴をオーダーで作ってもらった。携帯浄水器はペットボトルのように大きく容器は重たいが、湖の水で試したらちゃんと使えたのである。また、点滴はやはり針に関しては限界があったが、ナヤセス殿が着いて行き、直接目にして使えるものと判断し、ズームさんは携帯浄水器と点滴を追加で15個注文した。そして、予定通り、油と灰、水で順調に石鹸を作りはじめている。
ミネスさんも宣言した通り、職人さんにオーダーした押すだけミキサーが出来上がるなり、他はタルリヤさんの家にあるものでトイレットペーパーの代用品である薄い紙を作りはじめたのである。ミネスさんもズームさんに似て手先が器用で、ペラペラの紙が仕上がっていった。まさに神業。これでトイレットペーパーは市場で買わなくて済む。といっても、ここの暮らしは古代並ゆえ、分厚く固い紙がずさんに巻かれているだけなのだ。それゆえ、ミネスさんが作った薄紙のほうが使いやすいのである。
料理係は、洗濯係から毎日1人料理し、次の日には別の人が料理をするというローテーション型になり、普段料理をしていない人はヨルクさんやロォラさんに学び苦戦しながらも美味しい料理を作ってくれている。
カラルリさんは、炎の舞を使い、果物をドライフルーツに、残った魚を干し魚に、加熱不十分の市場の肉を十分に加熱したり干し肉を落ち武者さんの指示の元、休憩を挟みながら量産してくれている。
何もしない2人や女子トイレの問題は相変わらずだが、ここで生活するものがどんどん増えていっている。順調にことは運んでいっているかのように思えた。けれど、カラルリさんの件もあり、私は気を抜けなかった。出来れば私も薬草のほうを見てみたいが、果物係のワイヤーを使って登っている人が心配だ。ナルホお兄様とカナエさんは毎日ワイヤーを点検しているから大丈夫だろうけど、果物係のほうは点検していない人のほうが多い。また事故が起きなければいいのだが。

テントに入っていても今日は随分と寒い。私は寝袋の中に入りながら干し魚を食べた。
「強気なナミネ、あんた、それは流石にやりすぎだろ」
「あ、はい……焚き火起こしてきます」
私は寝袋から出て外で焚き火を起こした。すると、みんなも焚き火に当たりに来た。こういう日のタルリヤさんの家のご飯を食べるのはキツイものがある。それでも、食べないと。
その時、上空から強い音がした。
えっ、芸能事務所のヘリコプター!?ヘリコプターが着陸するとカンザシさんとミツメさんが下りてきた。
「あの、どうして来たんですか?」
「ナミネさんが、ここにいると聞いていても経ってもいられなくて来てしまいました」
とは言うものの、2人とも私服だ。でも、バッチリとコートを着ている。
「最初に言っておくわ!ここは電気もガスも水道も何もない。21世紀にして古代の暮らしのまんまなの。だから、私たちは、それぞれ役割を決めて暮らしてる。あなたたちも今すぐ帰らないのなら何かしらしてちょうだい。あと、ここで暮らすならヘリコプターは戻すことよ」
ミツメさんはともかくとして、カンザシさんが出来ることなんてあるのだろうか。
「分かりました。ヘリコプターは戻します」
ミツメさんはヘリコプターを戻した。
「ナミネさん、差し入れです」
「ありがとうございます、ミツメさん」
私はミツメさんから、差し入れを受け取った。
「果物係はそろそろ行くわよ!」
「あ、すみません。私はもう行かなくてはならないので、分からないことがあれば、ここに残っている人に聞いてください」
「ナミネさん、気をつけてください」
カンザシさんは私を抱き締めた。
「だ、大丈夫です。ここに来てずっとやっていることですし」
私はカンザシさんを振りほどくと、果物係のメンバーと共に崖に向かった。

何故かカンザシさんが着いてきた。
「あの、下で待っていてもらえませんか?」
「僕も果樹園を見たいです」
うーん、1人背負えば下りる時、果物があるから困る。でも仕方ないか。
「分かりました。しっかり捕まっていてください」
私はカンザシさんを背負うと伝説ワイヤーをいつものように上に引っかけ、登りはじめた。中間地点まで来た時、アルフォンス王子が突然崖から転落した。私は咄嗟に伝説ワイヤーから手を離しカンザシさんを背負ったまま飛び降りた。どうにかアルフォンス王子を受け止められたものの、アルフォンス王子は酷く混乱している。私は伝説ワイヤーを回収した。
ふと上を見るとアルフォンス王子の伝説ワイヤーが崖の中間地点より上のほうで止まっている。突然止まった伝説ワイヤーを思わず離してしまったのだろうか。そもそも、どうしてこれまで使えた伝説ワイヤーが途中で動かなくなったのだろう。私は扇子でアルフォンス王子の伝説ワイヤーを回収した。
「あの、アルフォンス王子が崖から転落しました。なので、アルフォンス王子をタルリヤさんの家に連れて行きます」
「分かったわ!ナミネも今日は休みなさい!帰ったら会議よ!」
「はい、分かりました」
私はカンザシさんを下ろすとアルフォンス王子を背負い、トボトボとタルリヤさんの家に向かって歩きはじめた。

……

あとがき。

女子トイレの問題、どうにかならないんですかね。

そういえば、古代にも小麦粉はありますよね。石臼というものを使って作っているそうですね。小麦粉がなくなっても、小麦を入手出来たらナミネたちの小麦粉は確保出来そう。

それにしても、今度はアルフォンス王子が転落。
いったいどうしたものか。

……

この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
PR
Copyright (C) 2009 雨の音を聴きながら, All right Resieved.
*Powered by ニンジャブログ *Designed by 小雷飛
忍者ブログ / [PR]