日常のこととかオリジナル小説のこととか。
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ashita
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地主(土地貸してます)
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漫画やアニメを見るのが好きです。最推しはフーディーニ ♡
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ブログ、もう書かないと思ってました。
けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。
ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。
小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。
よろしくお願い致します。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
お知らせ。
イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。
また、「カラクリよろずや」にて無料のフリーイラスト素材配布もはじめました✩.*˚
フリーイラスト素材も増やしていく予定です(*'ᴗ'*)
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。
ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。
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X @kigenzen1874
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けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
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〈資格履歴〉
2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格
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〈資格証明バナー〉

2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
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→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
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→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
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2025年07月01日
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2025年08月04日
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〈資格証明バナー〉

純愛偏差値 未来編 一人称版 79話
《ナミネ》
ヨルクさんが、ひょんなことから誤ってステリンさんのキュート動画を保存したことから、セナ王女がもう反論し、私たちは落ち武者さんから勧められたフェアリー知恵袋を見た。
けれど、見れば見るほど、いやがる女性にとっては不利な気もしてきた。ミナクさんとカンザシさんが戻ったところで……。
「では、落ち武者さん、この中で誰がキュート動画を見ているのかフェアリーングかけてください」
私は落ち武者さんに真相を確かめるようお願いをした。落ち武者さんはこの場にいる全員にフェアリーングをかけた。
「じゃ、聞く。この中でキュート動画見てるヤツは手を上げろ!」
ふむふむ、アルフォンス王子、カラルリさん、ミナクさん、委員長、カンザシさん、ラハルさん、ミツメさん、ロォハさんが手を挙げた。
もう殆どじゃん。
あれ、ヨルクさんは手を挙げてない。
「ヨルクさんは手を挙げてませんなあ。誰の何を見ているのですか?」
「顔だけヨルク、あんた誰の何見てんだ」
「ナナクサガユさんと、カロナーラさん、ヨツキさんのグラドル動画」
ナナクサガユさんは、あの太った人だよね。カロナーラさんとヨツキさんを調べてみたら、そこそこ美人。そして巨乳。3人とも高校生か。
「顔だけヨルク、その動画見てどう感じてるんだよ」
この時、ヨルクさんが『何故私にばかり聞く』と思っていることなど誰も知らなかった。
「水着着た姿でプール泳いでたり、海辺走っているところ、寝転ぶところとか綺麗で興奮する。でも、動画だと物足りない。別に推しでもないし」
何かヨルクさんてよく分からない。私のこと好きっていつも言ってるのに、結局美人好きじゃん。
「じゃ、彼氏がキュート動画見ること反対なヤツは手を挙げろ」
えっと、セナ王女、アヤネさん、カナエさん、ロナさん、リリカさんか。
「キュート動画、グラドル動画見てるヤツは彼女がいやだと言ったらどうすんだ?」
「私はそういうのは束縛だと思うし、見続ける」
アルフォンス王子は話し合いもしないのか。
「彼女には見ないって言ってコッソリ見る」
カラルリさん、それいつかバレるよ。
「彼女には携帯のバグだと言って誤魔化す」
ミナクさんも、バレるよ。
「話し合います」
委員長ってやっぱり真面目だな。
「殴ります」
カンザシさんって何もかもめちゃくちゃ。
「僕も束縛はいやだし、お互いのプライベートには入り込まない関係でいたい」
ラハルさんらしい意見と言ったらそうだけど、以前交際していた彼女とはどうだったんだろう。
「話し合うしかないなあと思います」
ミツメさんも意外に真面目。
「一定の期間やめて、コッソリ再開する」
ロォハさんてそういう人だったんだ。
「私はやめるかな。ナミネのほうが大事だし」
だったら、何故見ている。
「じゃ、あんたら他に言いたいことあるか?」
「ハッキリ言ってミナクには裏切られたわ!ミナクはそういうの見てないと思ってた!それに今ここで白黒ハッキリさせたい!」
いきなり話題が逸れた。もうミナクさんの心は戻ってこないのに……。でも、私も同じ状況ならしがみつくと思う。
「セナ王女とは別れたので、これ以上話すことはありません」
あれだけ大々的な告白しておいて、別れる時は一方的だなんて、セナ王女が納得するはずないのに。
「なんで別れたいんだよ?理由言え!」
「セナ王女のこと女として見れなくなった。魅力感じないというか……。ミネスを見てはじめて、これが本当の恋だと気づいて、セナ王女とはこれ以上は交際出来なくなった」
女として見れない。女が1番言われたくないこと。私も同じこと言われたら新しい子恨むと思う。
「あんまりだわ……。ミナクのこと信じていたのに、こんな形で裏切られて……。ミネスが憎い!ミネスをめちゃくちゃにしてやりたい!」
やっぱりそうなってしまうのか。
「甘えセナ、あんた、お子ちゃまミネスに危害加えて幸せになれんのかよ!」
「なれない。でも、どうしたらいいか分からないの。愛を失うって耐えきれない……」
「あんたならいくらでもいるだろ」
「いるけど、遠い昔のような大恋愛がしたいの!」
何か、ややこしい展開になって来た。確かに、あの時の2人は誰が見ても羨むカップルだった。2人とも思いやりあったし。でも、現世ではそうではない。あの頃の2人はもうどこにもいない。
その時、ヨルクさんが膝の上に私を乗せて抱き締めた。私は手足をバタバタさせた。落ち武者さんはフェアリーングを解いた。
「顔だけヨルク、あんた何してんのさ」
「あ、ごめん。ボーッとしてた」
私はヨルクさんから降りて、運ばれてきた食事を食べはじめた。私はゴールドにグラタンを食べさせた。
「じゃ、今からステリン懲らしめる」
どうするのだろう。私は落ち武者さんの横に行った。落ち武者さんはステリンさんのフェアリーZ広場にアクセスした後、2つ目の投稿の画像をすり替えた。落ち武者さんはステリンさんにメールをした。
『ステリン、言いにくいんだけど、フェアリーZ広場の2番目の投稿、不味いんじゃないかな?』
即ステリンさんから返信が来た。
『え、嘘!めちゃくちゃショック!私、清純派でやってるのに……どうしよう』
『こればかりはどうしようもないと思うけど?』
その後、ステリンさんはフェアリーZ広場に鍵をかけた。これでステリンさんも自信なくしたかも。
この夜、私はヨルクさんとゴールドと一緒に寝た。石鹸と紅葉の香りに包まれた夜。とても幸せな夜であった。
その後、やはりセナ王女はミネスさんを目の敵とし、ミナクさんとの別れを認めることはなかった。アルフォンス王子は何度もカナエさんに復縁を迫るものの、もうカナエさんはナルホお兄様との新しい道を歩みはじめている。
そして、いよいよタルリヤさんの実家である紀元前村の蓮華町に行く日がやって来た。私たちは森の湖に行った時のような重装備で挑むことになっていた。私はサバイバル服に着替えると髪をポニーテールに結んだ。重装備とはいえ、いつ家に戻れるか分からないし、服も1つしか換えは持つことが出来ない。非常食も恐らく足りないだろう。向こうでも食事は出るが、食べれたものではない。遠い昔ではアランさんと皇太子様が何日も前の腐りかけた野菜たちを煮込んだご飯は受け付けなかった。恐らく、メンバーの何人かは向こうで出されるご飯は食べられないだろう。現代離れするため、精神的なケアも必要だ。
私たちは、タルリヤさんも含めナノハナ家で集合すると、4班に分けてヘリコプターで紀元前村まで移動した。やはり国境を超えるわけだから4~5時間は移動にかかった。
紀元前村の蓮華町に着くと、一度ヘリコプターはナノハナ家に戻した。
タルリヤさんから聞いてはいたが、本当に当時のままだった。家は、レンガで積み上げられた洞窟のようなところで、ところどころ空き家はあるが、とてもじゃないけど、現代の家とは思えない。女性はガーゼ布で作られたまるで下着のようなワンピースを着ていて、男性はステテコのようなものを着ていた。
ふとヨルクさんを見るとゲンナリしている。
「では、皆さん、説明します。
私たちは旅行に来たのではありません。この地はもはやサバイバルです。それでも来たのはタルリヤさんが本当に現代も遠い昔である古代と変わらぬ暮らしをしているかを確認するためです。
私たちは非常食を持ってきましたが、ここでも食事は出ます。しかし、何日も前の余り物の煮物です。
ここでは、女性は家事をし、男性は食糧を捕獲しに行く毎日です。市場では野菜などは売っていますが、殆ど傷んでいます。
果物はあの向こうに見える左の崖の上にあります。薬草は右の崖の上にあります。しかし、あの崖を登り、多くの男性が今でも転落して亡くなっています。
言うまでもなく、ここには洗濯機など存在しません。みんな川で洗濯をしています。着替えは毎日は出来ないでしょう。市場で売っている服は町の住民を見れば分かるでしょう。
寝所は適当に空き家を使いましょう。公衆浴場は存在しますが、ここから3km先です。無駄な体力を使うことはオススメ出来ないので、手持ちの拭くだけシートで身体を拭くか、川で手持ちの石鹸で洗ったほうが効率的でしょう。
感染症は今でもたまにあります。不織布マスクがなくなれば布マスクを使ってください。ここではケガをしても救助隊はいませんのでそのつもりでいてください。医師は存在します。
最初に言っておきますが、ここでの仲間割れは厳禁です!
では、タルリヤさん、どうして今や先進国の紀元前村が、このように古代の暮らしのままなのか説明をお願いします」
みんなを見るととても真剣な表情をしている。そして、サバイバル経験のない者は怯えている。もしものことがあれば、ヘリコプターを要請して妖精村に帰ってもらうしかない。ここは森の湖の時とは訳が違う。
「古代紀元前村は、どこも同じ暮らしをしていた。けれど、次第に時は流れ、次第に紀元前村は発展していった。でも、ここだけは、ずっと変わらなかった。町長が建築士を要請しても拒まれ、今でも町を変えることは出来ずにいる。その訳は、古代より少し先に身分制度が人によって作られてしまったからだ。当時、蓮華町に存在した皇室も今は都会に引っ越している。貴族はこことは比べ物にならないくらい豪華な生活をしている。一般市民だって普通の暮らしをしている。けれど、この町は気付けば村八分と呼ばれるようになっていた。最先端技術が進む中、ここだけ時間が止まっているんだ。学校なんてお金がなくて通えないし、そもそもここには職業そのものが存在していない。医師はいるけれど、感染症が起きた時は病院に患者は入り切らず多くの患者が外でワラのシートの上で苦しんでいる。そして、この蓮華町だけ恋愛感情を知る人間は殆どいなくて、合意で男女は交わっている。中には無理矢理する人もいる。2020年なのに、こんな暮らしに耐えきれず、僕は妖精村に引っ越したんだ」
時代の流れで、ここだけ差別を受けてしまったのか。けれど、この現実を皇帝陛下は完全に無視している。ここは誰が見ても酷い暮らしだ。村八分というより、日本村で言うところの部落だろうか。いや、それよりも酷い。何もかもが発展しているこの時代に古代の暮らしをしている町が存在しているだなんて、妖精村では考えられない。いや、妖精村も私が知らないだけで、こういった町が存在しているのかもしれない。
「そうでしたか。この町だけが差別を受けるようになってしまったのですね。この時代で学校も行けず職業もないと、まさに古代的な暮らしのループですね。タルリヤさんには妖精村で大学まで通って青春を謳歌してもらいたいと思います。では、次にかつてここに来たことのあるカナエさんの話を聞きましょう」
「カナエは、応援として遠い昔、この紀元前村に来ました。つまり、来るのは二度目ですが、暮らしが全く当時のままです。
服装に関してはカナエは着物、セレナールはドレスで来ましたが、動きやすさを重視するなら市場で売っているワンピースがちょうど良かったです。ですが、ここの暮らしは決して楽なものではありませんでした。カナエは薬草をエミリは果物を取りに行き、それを他の住民の人たちに配りました。返ってくるものは数日前の手料理でしたが、カナエたちは隣人と仲良くすることを重視したのです。人は1人では生きていけません。感染症が起きた時は、果物や薬草を分けた隣人たちも手伝ってくれました。カナエとしては、今回も果物や薬草は隣人の人に分け、隣人たちと仲良くしたいと思っています」
今着ているサバイバル服は軽くて動きやすい。防水にも長けているから川の中にもそのまま入ることが出来る。サバイバル服だけはなくしてはいけないと思う。けれど、古代にそのようなものはなかった。ここでは着るものも何着か必要になってくる。
果物や薬草を市場で売らず隣人に分け与えるのは正しいかもしれない。市場に出回れば、買えない人も出てきて諍いになりかねない。2020年現代も隣人との交流は必要だろう。
「皆さん、聞きましたか?カナエさんによると、この町は遠い昔と少しも変わっていないそうです。私も、取ってきた果物や薬草は市場で売るより隣人に分け与えたほうが効率がいいと思います。
ただ、今着ているサバイバル服は軽くて動きやすく、防水にも優れているので、絶対になくさないようにしてください。
それと、サバイバルとはいえ、向き不向きがあります。出来ないことを無理にしなくても構いません。果物や薬草を取りに行ける人は取りに行き、市場に買い出しに行く人、川で洗濯する人、食器の洗い物をする人、川で魚を取る人、山でキノコなどを取る人、それぞれがそれぞれに合ったことをしてください。
では、まず手始めに、ここに置かれたタルリヤさんのお家のご飯を残さず食べてください」
洗濯や洗い物は危険度が少ないだろう。果物や薬草も私やラルク、カナエさんが入れば十分だろう。けれど、市場にはまず新鮮な食べ物など置かれていないだろう。
「不味い!」
「うっ、無理だわ」
「このようなもの食べれるわけがない」
「臭いが既に無理です」
(以下略)
やはり、サバイバルに適していない人のほうが断然的に多い。えっと、完食できたのは、タルリヤさん以外だと、私とラルク、落ち武者さん、カナエさん、カラルリさん、カラン王子、ミナクさん、ナルホお兄様、ナヤセス殿、リリカさん、ナナミお姉様か。
かつて食べていたセレナールさんは現世では食べられず、サバイバルに強いセナ王女とアルフォンス王子も食べられないか。
「カラン王子は、どうやって食べ切れたのですか?」
「僕は小さい頃、母と共にこのような町の支援をしていました。母は言ってました。出された食事は町の人の精一杯のおもてなしだから食べるようにと」
人は地位や名誉、お金で決まるものではない。親が子を正しく導けば、その子は良き方向に育つ。カラン王子は次の国王と言っても過言ではない。
「聞きましたか、ヨルクさん。ここの食事はこの町の人にとっては欠かせないものなのですよ」
「何故、私のみに言う」
「本当に情けないわね。ヨルクもそうだけど、セレナールは一度ここに来ているのに食べられないし、セナ王女は育ちの悪さで食べれないなんて。クレナイ家に相応しくないわ」
うわー、リリカさん厳しい。ズームさんのためとはいえ、セレナールさんが少しでも変わろうとしないとラルクとは釣り合わない。もう昔とは違うんだ。
「では、今日は果物のある場所を見に行き、明日は市場に買い足しに行こうと思います。果物のある場所は皆さん行かれますか?」
みんな気になるのか、果物のある場所はタルリヤさんの案内の元、メンバー全員が向かいはじめた。
話には聞いていたが、とても険しい崖だ。未経験者はまず登れない。この崖をエミリさんはカギのみを使ってタルリヤさんを背負いながら登って行ったのか。
「先程も話したように、この崖を登り多くの男性が転落死しました。折り鶴は使ってもらっても構いませんが、怖い人は下で待っていてもらって構いません。写真を撮ってきますので」
「えー、行きたい!」
「うーん、ではラルクに背負ってもらってください」
やはり、これだけ急なほぼ直面の長い崖でも、その上が気になるのだろう。
その時、セナ王女が命綱もロープもなしでカギのみで崖を登りはじめた。
「今のセナ王女の登り方が、当時エミリさんが登っていた方法です。登り方は皆さんお得意な方法でどうぞ」
さて、私はお武家特殊ワイヤーで登ろう。
「ヨルクさんは登らないのですか?」
「……」
何故何も言わないのだろう。
「あ、では、お先に行ってます」
「待って!置いていかないで!」
まさか登れないのだろうか。ヨルクさんは優しい。でも、とても女々しい。
「仕方ないですね。しっかり捕まっていてください」
「うん、ごめん」
私はヨルクさんを背負うと特殊ワイヤーを気に巻き付け上に登った。私とラルク、落ち武者さんは登れない人のために、何度か登り下りした。
まるで、アダムとイブの果樹園だ。
「はい、ここはエミリさんとタルリヤさんが愛し合った場所です」
「あんた、なんで余計なこと言うのさ」
「ここに、多くの果物が存在しているのは、殆どの人が日常的に諦めているからです。だから、果物はそのまま残っています。崖を登り下り出来る人は、持って来た袋に果物を詰めてください」
ここで何人か何もせず座っている人がいる。まあ、初日だからいっか。
「あのさ、何もしてない人って、自力で崖も登ってないよね?楽してると思わないの?」
やはり指摘する者は指摘するか。アルフォンス王子こそ、昔の力量は持ち合わせていないのに。
「ラハルは何もしなくていいわ!」
ここで生まれる変な差別。リリカさんはどこまでもラハルさん推しなんだな。
「じゃあ、ラハル以外動いてくんない?」
カナエさんと別れたからアルフォンス王子はいつもより苛立っている。
「あ、写真を取るだけでも構いません。今日は下見ですので、果物見ているだけでも大丈夫です。ラハルさんはまたドラマの題材にでもしてください」
「ナミネ、監督みたい」
「えへへ」
ここは私の思い出の場所ではないけれど、かつてカラクリ家にいた人の大切な思い出の場所だから。一度来てみたかったんだよね。
えっと、ズームさんは地図を描いているのか。めちゃくちゃ細かっ!
「生理が来ちゃった」
「私も」
ミネスさんとセレナールさんが突然のハプニング。1日目でサバイバル服を汚すのは良くない。
「誰か、パンツ貸していただける方いますか?」
「あんた、それズレてるだろ」
その時、カナエさんが木の下にある大きな草をちぎった。
「この草は吸収性があります。一時的に使用してください。けれど、帰ったら持って来た布ナプキンに付け替えてください」
「分かった」
「私、ナプキン持って来なかった」
「セレナールってどれだけ人に迷惑かけたら気が済むのかしら?貧乏なくせにお嬢様気取りもいいところね」
やっぱり、不慣れな人がいるとセナ王女みたいに目の敵にする人も出てくる。
「あ、布ナプキンなら市場にもあるので明日買ってください。それと、夜は絶対に崖は登らないでください。夜は真っ暗になり気温もかなり下がります。どれだけ慣れていても夜の崖登りは危険ですのでしないでくださいね。
ナヤセス殿、どうですかな?」
「正直驚いたよ。古代のままの町が現代にもあるだなんて。目を疑った。でも、この果樹園はとても見事だと思う。当時の状態がそのまま残っているからなのか、無農薬で妖精村にはない特殊な成分も入っている。医者志望として来てよかった」
ナヤセス殿はここに来てから果物の成分を調べている。また月城総合病院に情報提供するのだろうか。ナヤセス殿は都会の病院からもオファーが来ているが、何もなかった頃、ハル院長の研究チームに入れてもらい、命をつなぎとめたことで、ナヤセス殿は将来の就職先は月城総合病院1本しか考えていないのである。
「それは良かったですな。薬草が生えている場所もここと似たようなところなので、興味があるならカナエさんに連れて行ってもらってください」
「薬草はカナエとナルホが取ってきますので、見学希望者は着いてきてください」
カナエさんとナルホお兄様はとにかく植物や薬草に詳しい。正直、交際して良かったのかもしれない。
「僕も行きたい」
「ロォハが行くなら私も行く」
「なあ、ズームも行かないか?」
「言われなくても行く!」
「でしたら、私も行きたいです」
ロォハさんにミネルナさん、ズームさん、ロォラさん、アヤネさん。薬草見学チームも随分集まった。
「では、市場を見た次の日を予定していますので、紙に名前を書いてカナエに渡してください。カナエとナルホが連れて行きます」
座っている人もいたけれど、果物は随分集まった。これを隣人に分けて隣人と仲良くなれればベストだ。
「では、日が暮れる前にタルリヤさんの家に戻りましょう」
私とラルクと落ち武者さんは果物を先に下ろした後、下りれないメンバーを下に下ろして行った。
タルリヤさんの家に着く頃には陽が傾いていた。
「あ、今後ですが、崖も登れなくて釣りも出来ない人は、お皿洗い、洗濯に回ってもらっていいですか?」
「いやよ、私、遠い昔も何もしてなかったから」
「私もいや!洗濯とか気持ち悪い」
セレナールさんとミネスさんは何もしない気でいるのだろうか。セナ王女だって今後は果物取りに行くというのに。
「私は構わないわ」
「僕とユメも大丈夫」
「私も別に構わないが」
エルナさんと、委員長、ユメさん、ロォラさん。少し少ないけど、頼むしかないか。
「ではお願いします。足りなければ、私とラルクも洗濯物をします」
ここで、おじいさんの修行が役に立つ。
「あのさ、ナミネとラルクには鹿とか捕まえてきて欲しいんだけど」
「この町には猟師がいますので、肉類なら市場で高値で買えます」
アルフォンス王子は何故1日目からチームワークを乱すのだろう。何だかいやだな。
「あ、では、この町の地図を配りますのでなくさないでください」
私はみんなに地図を配った。1日目はどうにか終わったけれど、この先が心配だ。大きくチームワークが乱れないといいのだが。
果物はリリカさんが管理しているため、無闇に食べられず、夕ご飯はみんな殆ど食べれなかった。
私とラルク、落ち武者さん、エルナさん、ヨルクさんは空き家に入った。
……
あとがき。
セルファではなく、珍しくナミネが今回はリーダー。
果たして、このサバイバルで、みんなは何を得られるのだろう。
……
この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
《ナミネ》
ヨルクさんが、ひょんなことから誤ってステリンさんのキュート動画を保存したことから、セナ王女がもう反論し、私たちは落ち武者さんから勧められたフェアリー知恵袋を見た。
けれど、見れば見るほど、いやがる女性にとっては不利な気もしてきた。ミナクさんとカンザシさんが戻ったところで……。
「では、落ち武者さん、この中で誰がキュート動画を見ているのかフェアリーングかけてください」
私は落ち武者さんに真相を確かめるようお願いをした。落ち武者さんはこの場にいる全員にフェアリーングをかけた。
「じゃ、聞く。この中でキュート動画見てるヤツは手を上げろ!」
ふむふむ、アルフォンス王子、カラルリさん、ミナクさん、委員長、カンザシさん、ラハルさん、ミツメさん、ロォハさんが手を挙げた。
もう殆どじゃん。
あれ、ヨルクさんは手を挙げてない。
「ヨルクさんは手を挙げてませんなあ。誰の何を見ているのですか?」
「顔だけヨルク、あんた誰の何見てんだ」
「ナナクサガユさんと、カロナーラさん、ヨツキさんのグラドル動画」
ナナクサガユさんは、あの太った人だよね。カロナーラさんとヨツキさんを調べてみたら、そこそこ美人。そして巨乳。3人とも高校生か。
「顔だけヨルク、その動画見てどう感じてるんだよ」
この時、ヨルクさんが『何故私にばかり聞く』と思っていることなど誰も知らなかった。
「水着着た姿でプール泳いでたり、海辺走っているところ、寝転ぶところとか綺麗で興奮する。でも、動画だと物足りない。別に推しでもないし」
何かヨルクさんてよく分からない。私のこと好きっていつも言ってるのに、結局美人好きじゃん。
「じゃ、彼氏がキュート動画見ること反対なヤツは手を挙げろ」
えっと、セナ王女、アヤネさん、カナエさん、ロナさん、リリカさんか。
「キュート動画、グラドル動画見てるヤツは彼女がいやだと言ったらどうすんだ?」
「私はそういうのは束縛だと思うし、見続ける」
アルフォンス王子は話し合いもしないのか。
「彼女には見ないって言ってコッソリ見る」
カラルリさん、それいつかバレるよ。
「彼女には携帯のバグだと言って誤魔化す」
ミナクさんも、バレるよ。
「話し合います」
委員長ってやっぱり真面目だな。
「殴ります」
カンザシさんって何もかもめちゃくちゃ。
「僕も束縛はいやだし、お互いのプライベートには入り込まない関係でいたい」
ラハルさんらしい意見と言ったらそうだけど、以前交際していた彼女とはどうだったんだろう。
「話し合うしかないなあと思います」
ミツメさんも意外に真面目。
「一定の期間やめて、コッソリ再開する」
ロォハさんてそういう人だったんだ。
「私はやめるかな。ナミネのほうが大事だし」
だったら、何故見ている。
「じゃ、あんたら他に言いたいことあるか?」
「ハッキリ言ってミナクには裏切られたわ!ミナクはそういうの見てないと思ってた!それに今ここで白黒ハッキリさせたい!」
いきなり話題が逸れた。もうミナクさんの心は戻ってこないのに……。でも、私も同じ状況ならしがみつくと思う。
「セナ王女とは別れたので、これ以上話すことはありません」
あれだけ大々的な告白しておいて、別れる時は一方的だなんて、セナ王女が納得するはずないのに。
「なんで別れたいんだよ?理由言え!」
「セナ王女のこと女として見れなくなった。魅力感じないというか……。ミネスを見てはじめて、これが本当の恋だと気づいて、セナ王女とはこれ以上は交際出来なくなった」
女として見れない。女が1番言われたくないこと。私も同じこと言われたら新しい子恨むと思う。
「あんまりだわ……。ミナクのこと信じていたのに、こんな形で裏切られて……。ミネスが憎い!ミネスをめちゃくちゃにしてやりたい!」
やっぱりそうなってしまうのか。
「甘えセナ、あんた、お子ちゃまミネスに危害加えて幸せになれんのかよ!」
「なれない。でも、どうしたらいいか分からないの。愛を失うって耐えきれない……」
「あんたならいくらでもいるだろ」
「いるけど、遠い昔のような大恋愛がしたいの!」
何か、ややこしい展開になって来た。確かに、あの時の2人は誰が見ても羨むカップルだった。2人とも思いやりあったし。でも、現世ではそうではない。あの頃の2人はもうどこにもいない。
その時、ヨルクさんが膝の上に私を乗せて抱き締めた。私は手足をバタバタさせた。落ち武者さんはフェアリーングを解いた。
「顔だけヨルク、あんた何してんのさ」
「あ、ごめん。ボーッとしてた」
私はヨルクさんから降りて、運ばれてきた食事を食べはじめた。私はゴールドにグラタンを食べさせた。
「じゃ、今からステリン懲らしめる」
どうするのだろう。私は落ち武者さんの横に行った。落ち武者さんはステリンさんのフェアリーZ広場にアクセスした後、2つ目の投稿の画像をすり替えた。落ち武者さんはステリンさんにメールをした。
『ステリン、言いにくいんだけど、フェアリーZ広場の2番目の投稿、不味いんじゃないかな?』
即ステリンさんから返信が来た。
『え、嘘!めちゃくちゃショック!私、清純派でやってるのに……どうしよう』
『こればかりはどうしようもないと思うけど?』
その後、ステリンさんはフェアリーZ広場に鍵をかけた。これでステリンさんも自信なくしたかも。
この夜、私はヨルクさんとゴールドと一緒に寝た。石鹸と紅葉の香りに包まれた夜。とても幸せな夜であった。
その後、やはりセナ王女はミネスさんを目の敵とし、ミナクさんとの別れを認めることはなかった。アルフォンス王子は何度もカナエさんに復縁を迫るものの、もうカナエさんはナルホお兄様との新しい道を歩みはじめている。
そして、いよいよタルリヤさんの実家である紀元前村の蓮華町に行く日がやって来た。私たちは森の湖に行った時のような重装備で挑むことになっていた。私はサバイバル服に着替えると髪をポニーテールに結んだ。重装備とはいえ、いつ家に戻れるか分からないし、服も1つしか換えは持つことが出来ない。非常食も恐らく足りないだろう。向こうでも食事は出るが、食べれたものではない。遠い昔ではアランさんと皇太子様が何日も前の腐りかけた野菜たちを煮込んだご飯は受け付けなかった。恐らく、メンバーの何人かは向こうで出されるご飯は食べられないだろう。現代離れするため、精神的なケアも必要だ。
私たちは、タルリヤさんも含めナノハナ家で集合すると、4班に分けてヘリコプターで紀元前村まで移動した。やはり国境を超えるわけだから4~5時間は移動にかかった。
紀元前村の蓮華町に着くと、一度ヘリコプターはナノハナ家に戻した。
タルリヤさんから聞いてはいたが、本当に当時のままだった。家は、レンガで積み上げられた洞窟のようなところで、ところどころ空き家はあるが、とてもじゃないけど、現代の家とは思えない。女性はガーゼ布で作られたまるで下着のようなワンピースを着ていて、男性はステテコのようなものを着ていた。
ふとヨルクさんを見るとゲンナリしている。
「では、皆さん、説明します。
私たちは旅行に来たのではありません。この地はもはやサバイバルです。それでも来たのはタルリヤさんが本当に現代も遠い昔である古代と変わらぬ暮らしをしているかを確認するためです。
私たちは非常食を持ってきましたが、ここでも食事は出ます。しかし、何日も前の余り物の煮物です。
ここでは、女性は家事をし、男性は食糧を捕獲しに行く毎日です。市場では野菜などは売っていますが、殆ど傷んでいます。
果物はあの向こうに見える左の崖の上にあります。薬草は右の崖の上にあります。しかし、あの崖を登り、多くの男性が今でも転落して亡くなっています。
言うまでもなく、ここには洗濯機など存在しません。みんな川で洗濯をしています。着替えは毎日は出来ないでしょう。市場で売っている服は町の住民を見れば分かるでしょう。
寝所は適当に空き家を使いましょう。公衆浴場は存在しますが、ここから3km先です。無駄な体力を使うことはオススメ出来ないので、手持ちの拭くだけシートで身体を拭くか、川で手持ちの石鹸で洗ったほうが効率的でしょう。
感染症は今でもたまにあります。不織布マスクがなくなれば布マスクを使ってください。ここではケガをしても救助隊はいませんのでそのつもりでいてください。医師は存在します。
最初に言っておきますが、ここでの仲間割れは厳禁です!
では、タルリヤさん、どうして今や先進国の紀元前村が、このように古代の暮らしのままなのか説明をお願いします」
みんなを見るととても真剣な表情をしている。そして、サバイバル経験のない者は怯えている。もしものことがあれば、ヘリコプターを要請して妖精村に帰ってもらうしかない。ここは森の湖の時とは訳が違う。
「古代紀元前村は、どこも同じ暮らしをしていた。けれど、次第に時は流れ、次第に紀元前村は発展していった。でも、ここだけは、ずっと変わらなかった。町長が建築士を要請しても拒まれ、今でも町を変えることは出来ずにいる。その訳は、古代より少し先に身分制度が人によって作られてしまったからだ。当時、蓮華町に存在した皇室も今は都会に引っ越している。貴族はこことは比べ物にならないくらい豪華な生活をしている。一般市民だって普通の暮らしをしている。けれど、この町は気付けば村八分と呼ばれるようになっていた。最先端技術が進む中、ここだけ時間が止まっているんだ。学校なんてお金がなくて通えないし、そもそもここには職業そのものが存在していない。医師はいるけれど、感染症が起きた時は病院に患者は入り切らず多くの患者が外でワラのシートの上で苦しんでいる。そして、この蓮華町だけ恋愛感情を知る人間は殆どいなくて、合意で男女は交わっている。中には無理矢理する人もいる。2020年なのに、こんな暮らしに耐えきれず、僕は妖精村に引っ越したんだ」
時代の流れで、ここだけ差別を受けてしまったのか。けれど、この現実を皇帝陛下は完全に無視している。ここは誰が見ても酷い暮らしだ。村八分というより、日本村で言うところの部落だろうか。いや、それよりも酷い。何もかもが発展しているこの時代に古代の暮らしをしている町が存在しているだなんて、妖精村では考えられない。いや、妖精村も私が知らないだけで、こういった町が存在しているのかもしれない。
「そうでしたか。この町だけが差別を受けるようになってしまったのですね。この時代で学校も行けず職業もないと、まさに古代的な暮らしのループですね。タルリヤさんには妖精村で大学まで通って青春を謳歌してもらいたいと思います。では、次にかつてここに来たことのあるカナエさんの話を聞きましょう」
「カナエは、応援として遠い昔、この紀元前村に来ました。つまり、来るのは二度目ですが、暮らしが全く当時のままです。
服装に関してはカナエは着物、セレナールはドレスで来ましたが、動きやすさを重視するなら市場で売っているワンピースがちょうど良かったです。ですが、ここの暮らしは決して楽なものではありませんでした。カナエは薬草をエミリは果物を取りに行き、それを他の住民の人たちに配りました。返ってくるものは数日前の手料理でしたが、カナエたちは隣人と仲良くすることを重視したのです。人は1人では生きていけません。感染症が起きた時は、果物や薬草を分けた隣人たちも手伝ってくれました。カナエとしては、今回も果物や薬草は隣人の人に分け、隣人たちと仲良くしたいと思っています」
今着ているサバイバル服は軽くて動きやすい。防水にも長けているから川の中にもそのまま入ることが出来る。サバイバル服だけはなくしてはいけないと思う。けれど、古代にそのようなものはなかった。ここでは着るものも何着か必要になってくる。
果物や薬草を市場で売らず隣人に分け与えるのは正しいかもしれない。市場に出回れば、買えない人も出てきて諍いになりかねない。2020年現代も隣人との交流は必要だろう。
「皆さん、聞きましたか?カナエさんによると、この町は遠い昔と少しも変わっていないそうです。私も、取ってきた果物や薬草は市場で売るより隣人に分け与えたほうが効率がいいと思います。
ただ、今着ているサバイバル服は軽くて動きやすく、防水にも優れているので、絶対になくさないようにしてください。
それと、サバイバルとはいえ、向き不向きがあります。出来ないことを無理にしなくても構いません。果物や薬草を取りに行ける人は取りに行き、市場に買い出しに行く人、川で洗濯する人、食器の洗い物をする人、川で魚を取る人、山でキノコなどを取る人、それぞれがそれぞれに合ったことをしてください。
では、まず手始めに、ここに置かれたタルリヤさんのお家のご飯を残さず食べてください」
洗濯や洗い物は危険度が少ないだろう。果物や薬草も私やラルク、カナエさんが入れば十分だろう。けれど、市場にはまず新鮮な食べ物など置かれていないだろう。
「不味い!」
「うっ、無理だわ」
「このようなもの食べれるわけがない」
「臭いが既に無理です」
(以下略)
やはり、サバイバルに適していない人のほうが断然的に多い。えっと、完食できたのは、タルリヤさん以外だと、私とラルク、落ち武者さん、カナエさん、カラルリさん、カラン王子、ミナクさん、ナルホお兄様、ナヤセス殿、リリカさん、ナナミお姉様か。
かつて食べていたセレナールさんは現世では食べられず、サバイバルに強いセナ王女とアルフォンス王子も食べられないか。
「カラン王子は、どうやって食べ切れたのですか?」
「僕は小さい頃、母と共にこのような町の支援をしていました。母は言ってました。出された食事は町の人の精一杯のおもてなしだから食べるようにと」
人は地位や名誉、お金で決まるものではない。親が子を正しく導けば、その子は良き方向に育つ。カラン王子は次の国王と言っても過言ではない。
「聞きましたか、ヨルクさん。ここの食事はこの町の人にとっては欠かせないものなのですよ」
「何故、私のみに言う」
「本当に情けないわね。ヨルクもそうだけど、セレナールは一度ここに来ているのに食べられないし、セナ王女は育ちの悪さで食べれないなんて。クレナイ家に相応しくないわ」
うわー、リリカさん厳しい。ズームさんのためとはいえ、セレナールさんが少しでも変わろうとしないとラルクとは釣り合わない。もう昔とは違うんだ。
「では、今日は果物のある場所を見に行き、明日は市場に買い足しに行こうと思います。果物のある場所は皆さん行かれますか?」
みんな気になるのか、果物のある場所はタルリヤさんの案内の元、メンバー全員が向かいはじめた。
話には聞いていたが、とても険しい崖だ。未経験者はまず登れない。この崖をエミリさんはカギのみを使ってタルリヤさんを背負いながら登って行ったのか。
「先程も話したように、この崖を登り多くの男性が転落死しました。折り鶴は使ってもらっても構いませんが、怖い人は下で待っていてもらって構いません。写真を撮ってきますので」
「えー、行きたい!」
「うーん、ではラルクに背負ってもらってください」
やはり、これだけ急なほぼ直面の長い崖でも、その上が気になるのだろう。
その時、セナ王女が命綱もロープもなしでカギのみで崖を登りはじめた。
「今のセナ王女の登り方が、当時エミリさんが登っていた方法です。登り方は皆さんお得意な方法でどうぞ」
さて、私はお武家特殊ワイヤーで登ろう。
「ヨルクさんは登らないのですか?」
「……」
何故何も言わないのだろう。
「あ、では、お先に行ってます」
「待って!置いていかないで!」
まさか登れないのだろうか。ヨルクさんは優しい。でも、とても女々しい。
「仕方ないですね。しっかり捕まっていてください」
「うん、ごめん」
私はヨルクさんを背負うと特殊ワイヤーを気に巻き付け上に登った。私とラルク、落ち武者さんは登れない人のために、何度か登り下りした。
まるで、アダムとイブの果樹園だ。
「はい、ここはエミリさんとタルリヤさんが愛し合った場所です」
「あんた、なんで余計なこと言うのさ」
「ここに、多くの果物が存在しているのは、殆どの人が日常的に諦めているからです。だから、果物はそのまま残っています。崖を登り下り出来る人は、持って来た袋に果物を詰めてください」
ここで何人か何もせず座っている人がいる。まあ、初日だからいっか。
「あのさ、何もしてない人って、自力で崖も登ってないよね?楽してると思わないの?」
やはり指摘する者は指摘するか。アルフォンス王子こそ、昔の力量は持ち合わせていないのに。
「ラハルは何もしなくていいわ!」
ここで生まれる変な差別。リリカさんはどこまでもラハルさん推しなんだな。
「じゃあ、ラハル以外動いてくんない?」
カナエさんと別れたからアルフォンス王子はいつもより苛立っている。
「あ、写真を取るだけでも構いません。今日は下見ですので、果物見ているだけでも大丈夫です。ラハルさんはまたドラマの題材にでもしてください」
「ナミネ、監督みたい」
「えへへ」
ここは私の思い出の場所ではないけれど、かつてカラクリ家にいた人の大切な思い出の場所だから。一度来てみたかったんだよね。
えっと、ズームさんは地図を描いているのか。めちゃくちゃ細かっ!
「生理が来ちゃった」
「私も」
ミネスさんとセレナールさんが突然のハプニング。1日目でサバイバル服を汚すのは良くない。
「誰か、パンツ貸していただける方いますか?」
「あんた、それズレてるだろ」
その時、カナエさんが木の下にある大きな草をちぎった。
「この草は吸収性があります。一時的に使用してください。けれど、帰ったら持って来た布ナプキンに付け替えてください」
「分かった」
「私、ナプキン持って来なかった」
「セレナールってどれだけ人に迷惑かけたら気が済むのかしら?貧乏なくせにお嬢様気取りもいいところね」
やっぱり、不慣れな人がいるとセナ王女みたいに目の敵にする人も出てくる。
「あ、布ナプキンなら市場にもあるので明日買ってください。それと、夜は絶対に崖は登らないでください。夜は真っ暗になり気温もかなり下がります。どれだけ慣れていても夜の崖登りは危険ですのでしないでくださいね。
ナヤセス殿、どうですかな?」
「正直驚いたよ。古代のままの町が現代にもあるだなんて。目を疑った。でも、この果樹園はとても見事だと思う。当時の状態がそのまま残っているからなのか、無農薬で妖精村にはない特殊な成分も入っている。医者志望として来てよかった」
ナヤセス殿はここに来てから果物の成分を調べている。また月城総合病院に情報提供するのだろうか。ナヤセス殿は都会の病院からもオファーが来ているが、何もなかった頃、ハル院長の研究チームに入れてもらい、命をつなぎとめたことで、ナヤセス殿は将来の就職先は月城総合病院1本しか考えていないのである。
「それは良かったですな。薬草が生えている場所もここと似たようなところなので、興味があるならカナエさんに連れて行ってもらってください」
「薬草はカナエとナルホが取ってきますので、見学希望者は着いてきてください」
カナエさんとナルホお兄様はとにかく植物や薬草に詳しい。正直、交際して良かったのかもしれない。
「僕も行きたい」
「ロォハが行くなら私も行く」
「なあ、ズームも行かないか?」
「言われなくても行く!」
「でしたら、私も行きたいです」
ロォハさんにミネルナさん、ズームさん、ロォラさん、アヤネさん。薬草見学チームも随分集まった。
「では、市場を見た次の日を予定していますので、紙に名前を書いてカナエに渡してください。カナエとナルホが連れて行きます」
座っている人もいたけれど、果物は随分集まった。これを隣人に分けて隣人と仲良くなれればベストだ。
「では、日が暮れる前にタルリヤさんの家に戻りましょう」
私とラルクと落ち武者さんは果物を先に下ろした後、下りれないメンバーを下に下ろして行った。
タルリヤさんの家に着く頃には陽が傾いていた。
「あ、今後ですが、崖も登れなくて釣りも出来ない人は、お皿洗い、洗濯に回ってもらっていいですか?」
「いやよ、私、遠い昔も何もしてなかったから」
「私もいや!洗濯とか気持ち悪い」
セレナールさんとミネスさんは何もしない気でいるのだろうか。セナ王女だって今後は果物取りに行くというのに。
「私は構わないわ」
「僕とユメも大丈夫」
「私も別に構わないが」
エルナさんと、委員長、ユメさん、ロォラさん。少し少ないけど、頼むしかないか。
「ではお願いします。足りなければ、私とラルクも洗濯物をします」
ここで、おじいさんの修行が役に立つ。
「あのさ、ナミネとラルクには鹿とか捕まえてきて欲しいんだけど」
「この町には猟師がいますので、肉類なら市場で高値で買えます」
アルフォンス王子は何故1日目からチームワークを乱すのだろう。何だかいやだな。
「あ、では、この町の地図を配りますのでなくさないでください」
私はみんなに地図を配った。1日目はどうにか終わったけれど、この先が心配だ。大きくチームワークが乱れないといいのだが。
果物はリリカさんが管理しているため、無闇に食べられず、夕ご飯はみんな殆ど食べれなかった。
私とラルク、落ち武者さん、エルナさん、ヨルクさんは空き家に入った。
……
あとがき。
セルファではなく、珍しくナミネが今回はリーダー。
果たして、このサバイバルで、みんなは何を得られるのだろう。
……
この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
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