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日常のこととかオリジナル小説のこととか。
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ashita
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性別:
女性
職業:
地主(土地貸してます)
趣味:
漫画やアニメを見るのが好きです。最推しはフーディーニ ♡
自己紹介:
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ブログ、もう書かないと思ってました。

けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。

小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。

純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。

元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。

ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。

小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。

よろしくお願い致します。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

お知らせ。

イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。

また、「カラクリよろずや」にて無料のフリーイラスト素材配布もはじめました✩.*˚

フリーイラスト素材も増やしていく予定です(*'ᴗ'*)

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。

ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。

小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。

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X @kigenzen1874

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〈資格履歴〉

2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格

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〈資格証明バナー〉

鉛筆デッサンマスター®認定試験資格取得証明
絵画インストラクター資格資格認定証
宝石鑑定アドバイザー資格認定試験資格取得証明
鉱石セラピスト資格資格保持証明
茶道アドバイザー資格認定試験資格取得証明
お点前インストラクター資格資格認定証
着物マイスター®資格認定試験資格取得証明
着付け方インストラクター資格資格認定証
サイキックアドバイザー®資格資格証明
サイキックヒーラー資格資格保持証明
アンガーカウンセラー®資格資格保持証明
アンガーコントロール士資格資格認定証
漢方コーディネーター®資格認定試験資格保持証明
薬膳調整師®資格認定試験資格保持証明
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純愛偏差値 未来編 一人称版 82話

《ナミネ》

「ねえ、ラルク。メロンがあるよ」
「全部採取しろ!メロンは重たいからナミネが持て!僕はイチゴを持つ。それから、天候が悪くなってきている。メロン採取したら、戻るぞ!」
「うん、分かった」
私は急いでメロンを取りに行った。けれど、メロンはいくつもの木に絡まりついていた。これでは間に合わない。私は百人一首を投げ木に絡まりついたメロンのつるを切り、扇子で持ってきた袋に入れた。
「みんなそろそろ帰るぞ!」
ラルクの言った通り今にも雨が降りそうだ。私たちは崖を下り、タルリヤさんの家に走った。

まだ雨は降っていない。降り出したら、濡れちゃ行けないものは家に入れないと。
「ナヤセス殿、これは市場に売りに行く用ですので、原型を崩さず成分調べてください」
「このようなイチゴは生まれてはじめて見た。新種だ。すぐに調べる」
新種。一つだけしかなかったってことは、滅多に生えないのだろうか。
「ナミネさん、魚釣れましたよ」
「ありがとうございます」
って、多っ!!これだけあれば、干し魚には困らないだろう。それにしても、どうやってこれだけの魚釣ったのだろう。
「あ、リリカさん。ズームさんが、魚釣ってくれました。一部を市場に売って一部は焼いて食べて、あとは干し魚にしてもいいですか?」
「ええ、ズームが釣ったものだからそれで構わないわ。けれど、もうすぐ雨が降るから、イチゴも魚も氷の舞で保存して、明日市場に売りに行くわ」
雨が降ると色々厄介だ。
「分かりました」
イチゴはナヤセス殿が成分を調べるのを待つとして、今日食べる魚以外は氷の舞で冷凍して森林の結界をかけた。これで、盗まれることもなし。
「ナミネ、これでいい?」
「あ、ミネスさんは偵察に行かれてましたね。では、ありがたく……」
細かっ!ミネスさんも、ズームさんに似て、絵の才能があるのか。とりあえず私はミネスさんの描いた絵を写真に撮った。後でみんなに赤外線送信しよう。
「落ち武者さん、市場はどうでしたか?」
落ち武者さんは写真を私に見せた。肉や干し魚、野菜はあるものの、やっぱり昨日と違っている。ほぼ腐っている米が大々的に売り出されていて、まさかの煮物が売られている。肉と干し魚は今日はやたら少ない。衣類も殆どない。これでは戦後の配給より酷い。
「これはもはや市場とは呼べませんね」
「本当の古代ではこれが通用してたんだろうね?」
確かに本当の古代では当たり前のように買う人がいただろう。けれど、現代では値段に差があったり、腐ったものでも値上がりしているから、殆どは売れ残り捨てることになるだろう。
「ナミネ、服も下着も縫ったよ。市場で売られていたように全てフリーサイズだから、みんな着れると思う。胸の大きな人でも」
最後の言葉がめちゃくちゃ余計すぎる。ヨルクさんみたいに気の利いた言葉ひとつ言えない人がどうして女の子からモテるのだろう。
「ありがとうございます、ヨルクさん、ロォラさん。今日の作業は終えてください。もうすぐ雨が降りますので」
「ああ、分かった」
ロォラさんとヨルクさんは、持って来たソーイングセットに針と糸をしまい、布を片付け、作った着替えを空き家に入れた。
「洗濯係の人は今すぐ洗濯物を空き家に入れてください!」
「ええ、分かったわ」
「うん、そうする」
「了解」
(以下略)
「で?今日何もしなかった人は今後どうするおつもりですか?ミネルナさん、アヤネさん、セレナールさん」
その瞬間、アルフォンス王子が今朝余った煮物をアヤネさんの頭にかけた。
「おい、何もしてないヤツ!こっちは、必死で果物取ってきたんだ!それなのに、食器がこのままってどういうことだ!」
アルフォンス王子は怒りに身を任せ、ミネルナさんとセレナールさんの頭にも余った煮物をかけた。が、ロォハさんがミネルナさんを庇った。
「アルフォンス王子、ミネルナには薬草の研究を手伝ってもらう。それで許して欲しい」
「分かった。何かしら役割をするならそれでいい。けれど、あとの2人はここでずっと何もしないつもりか!」
アルフォンス王子はもう一度、セレナールさんとアヤネさんの頭に余った煮物をかけた。腐っているとはいえ、タルリヤさんのお母様が作ってくれたのに、怒りに身を任せ人にかけるだなんて胸が痛む。そりゃ、私も何もしてない人に苛立ちはあるけれど。
「ナミネ、1番大きいテント張るぞ!」
「分かった!ラルク!カナエさん、すみませんがセレナールさんとアヤネさん、ロォハさんの汚れを落としてもらえませんか?」
テントはみんなで入る。汚されるわけにはいかない。
「分かりました。カナエに任せてください!」
「カナエ、甘やかすことないわ。ロォハのだけ落としてちょうだい」
「しかし、リリカさん、テントが汚れると後々厄介です」
「2人には空き家に入ってもらえばいいだけよ」
ここではリリカさんには逆らえない。可哀想だけれど、ここで役に立てないのなら、テントでの会議に加わったところで結局メンバーの怒りを買うだけだろう。
「おい、ナミネ、早くしろ!」
「うん、今する!」
私とラルクは、ラルクの持って来た1番大きなテントを張りはじめた。ズームさん、ナナミお姉様、落ち武者さん、エルナさん、カラン王子、ユメさん、委員長も手伝ってくれて完成。
テントはとても大きくて、団体で来た私たちみんなが寝泊まり出来る大きさだった。こういう時、妖精村のデザイナーさんは凄いなあて感じさせられる。
「ナミネ、成分取れたから返すよ」
「はい」
私はナヤセス殿から受け取った金のイチゴを氷の舞で冷凍し、森林の結界をかけると、魚と金のイチゴをヨルクさんたちと寝泊まりしている空き家に置いた。
そして、今夜食べる魚を持ってテントに入った。
「はあ、疲れた。ええと、では、これが今夜食べる魚です。次に、今日ミネスさんが町を……」
「その前に言うことがあるわ」
私が話している途中でリリカさんが、それを遮った。そして、突然、大雨が降り出した。
「果物係、薬草係は大がかりだから、休んでいても無理もないけど、テントを張る時、手伝わなかった人はどうしてかしら?」
その時、セレナールさんとアヤネさんが入って来た。2人とも、市場のワンピースに着替えていて、頭にはヨルクさんかロォラさんが作っただろうヘアキャップをしている。雨で髪を洗い流したのだろうか。ロォハさんはサバイバル服が汚れただけだから、汚れはすぐに取れたわけか。
「ごめん、ここの暮らしをどうしても妖精村のみんなにも知ってもらいたくて、写真撮ったり紙にまとめてた」
「ラハルはいいのよぉ。他の人は理由行ってくれるかしら?」
ひぇー、ラハルさんだけ特別扱い。けれど、確かにここの暮らしを妖精村の人たちにも知ってもらう必要はあると思う。
「悪い、せっかく作った着替えだから濡れないようにヨルクと空き家に持って行ってた」
「それならテントは張れなくて当然ね。ハッキリ言うわ!ミネルナ!セレナール!アヤネ!あなたたち本当に何もしないのね!今夜は3人が魚料理作ってちょうだい」
え、料理の出来ない人に魚を裁かせるの?もう生のものがそのまま出てくること目に見えている。あれ、セレナールさん、指定の下着着ていない。事前に白いスポーツタイプの下着って言っておいたのに。まあ、下着はミナクさんが買ったのとヨルクさんとロォラさんの手作りがあるから、今後はそれを着てもらえばいいか。けれど、今のだとガーゼ布薄いからワンピースからピンク色のレースの下着見えている。アルフォンス王子とカラルリさんガン見してるし。
「ちょっとヨルクさん、どこ見てるんですか!」
「え、疲れてボーッとしてただけだよ」
「セレナール、どうして指定の下着着てこなかったのかしら?」
やっぱり下着は白でかつスポーツタイプのものでないと目立って仕方がない。
「何も聞かされてなかったのよ」
また責任転嫁。流石に気分を害してしまった。
「あの、セレナールさん、私、みんなの前でちゃんと言いました!」
私は証拠映像を見せた。
「わ、忘れてしまったのよ!」
聞いてないだの、忘れただの、都合が悪くなったらすぐに意見変えて、そういう態度、苛立つ。
「ちょっとヨルクさん、いちいち見ないでください!セクハラですよ!」
「え、さっきから何の話?」
そっか。ヨルクさんは常にあのダサイ下着しか着てないから話の内容が分からないのか。
「ですから、ここには白いガーゼ服しかないから、下着はスポーツタイプのものを着てくるように行ったんですけど、セレナールさんが別のもの着てきたんです」
ヨルクさんはチラッとセレナールさんを見て目を逸らした。
「そ、そっか」
「リリカ、今後はミネルナには薬草の研究を手伝ってもらうから、今日の夕ご飯作りだけで許してもらえないかな?」
「分かったわ。けれど、ロォハもミネルナも実際に現地に行くことが条件よ」
「分かった。カナエとナルホに連れてもらう」
これで、今後のミネルナさんの役割は決まった。
「それじゃあ、ミネルナ、セレナール、アヤネはタルリヤの家に行って魚を調理してくれるかしら?」
「でも、雨が……」
雨くらい何だって言うの。タルリヤさんの家、すぐそこじゃない。それにこの3人、本当にちゃんと料理出来るのだろうか。
「あの、一つだけ魚の捌き方の見本を見せますので、この手順でやってください」
私はサバイバルナイフを取り出し、魚を机に置くとウロコから落としはじめた。
「まず、このようにウロコを落としてください。次に頭を切り取り、内蔵は必ず抜き取って湖の水でしっかり洗います」
私は扇子で大きめの茶碗を湖まで運ばせ水を入れると、その水で魚を洗った。
「次はお腹に包丁を入れスライスさせ、背側も同じようにします。最後に魚を裏返し、今度は表とは逆の順番、背側、腹側と包丁を入れ、これで三枚おろしです。この作業をした後、みんな分の量に切って焼くなり(湖の水で)煮るなりしてください。セレナールさんは持ち前の千里眼でアニサキスを取り除いてください」
私はサバイバルナイフを消毒液につけ、布で拭き、机も同じように拭いた。そして、扇子で茶碗をタルリヤさんの家に戻した。
「ナミネ、カッコイイ」
「ナミネ、魚捌けるの?」
ここで、おじいさんの修行が役に立って良かった。
「3人とも見た?残りの2匹の魚もナミネがやった通りに捌いてちょうだい!」
ミネルナさんとセレナールさん、アヤネさんは魚2匹と私が三枚おろしにした魚をタルリヤさんの家に持って行った。果たしてどんな料理になるのだろうか。その時、ヨルクさんが私の肩を揉んだ。
「お疲れ様、ナミネ」
「ありがとうございます、ヨルクさん」
ふう、このままヨルクさんにもたれかかっていたい。恐らく今日の夕ご飯に使った魚3匹は無駄になるだろう。それでも、チームワークの乱れがどれだけサバイバルに不利になるのか、3人にはちゃんと学習して欲しい。リリカさんもそれが目的で敢えて3人に料理させたのだと思う。
1時間ほど経っただろうか。ミネルナさんとセレナールさん、アヤネさんが魚料理を持って来た。
「セレナールとアヤネは着替えててサバイバル服着てたの私だけだったから、私が湖まで水を汲みに行ったわ。魚のことは2人に任せてた」
なるほど。ミネルナさんは孤立しないためにも敢えて最初に自分の無実を語ったわけか。それにしても、魚のスープ?私、ちゃんと裁き方教えたのに、横にブツ切りになってるし、ウロコも取れてないし、完全に生の部分がある。まさかとは思って見てみたら、アルフォンス王子のところに内蔵が入っていた。
「ミネルナは仕方ないとして、あのさ、ナミネの捌き方ちゃんと見てなかったわけ?」
「見たつもりです」
ダメだ。アルフォンス王子めちゃくちゃ怒ってる。このテントを汚されるわけにはいかない。
「あの、誰か体力の余ってる方、空き家で焚き火起こし魚を焼いてもらえませんか?」
「その必要はないわ。やる気のない者がチームにいると、どれだけチームワークが乱れるか知ってもらいたかったの。魚3匹無駄になったけど、これが今日の夕ご飯よ」
やっぱりリリカさんは厳しい。でも、ここで甘やかしてしまえば、やる気のない人は余計に甘えてしまう。
「リリカさん、アルフォンス王子のは内蔵だけですがどうしますか?」
「それも経験のうちね」
うわー、内蔵なのに交換なしか。リリカさんの指示だし、私は見て見ぬふりをしてしまった。その瞬間、アルフォンス王子はアヤネさんに魚の内蔵を投げつけようとした。私は扇子で魚の内蔵をテントの外に出した。
「あの、アヤネさんもセレナールさんも、ご自分のこの料理食べれますか?食べてみてもらえませんか?」
「それは出来ないです」
「ねえ、どうしてミネルナさんは咎められないわけ?理不尽じゃない!」
やはりそうなるか。人に出しておきながら自分は食べない。だったら、どうしてもっと丁寧に料理してくれなかったのだろう。もう指摘する気にもなれない。
私は無言で魚を他のお皿に移し、お箸で皮を取ると、炎の舞で魚を十分に加熱した。これで食べられる。ラルクと落ち武者さんも同じことしてる。
「あ、ヨルクさん、それ生の部分あるので食べないでください」
私はヨルクさんの分も炎の舞で魚を加熱した。本当は剣の舞は真剣勝負に使われるものなんだけどな。こういうところで使うとは思ってもみなかった。
「ありがとう、ナミネ」
私は加熱した魚を食べた。うっ、ハチミツで味付けしてある。料理の出来ない人の料理は恐ろしい。それでも魚は栄養になる。
「あ、落ち武者さん、今後は市場で敢えて加熱不十分な肉を安値で買ってきてもらえませんか?ここで加熱し直したらいいと思うんです」
「りょーかい」
ロォラさんは初日に安全な肉を買ったけれど、それではコストが高くつく。炎の舞を使える人なら加熱し直せる。これで、今後は果物、薬草、魚、肉の確保は出来そうだ。
「なあ、私は物事には限界があると思う。せっかくズームが釣った魚をこんな風に無駄にして少しも悪いと思わないのか?それも作った本人が残すなんて、おかしいと思う」
ついにロォラさんが啖呵をきった。
「私、料理出来ないんです」
「私も出来ないわ」
それがこの2人のいいわけか。見苦しい。
「私は出来る出来ないを言ってるんじゃない。ナミネは捌き方の見本を見せている。その通りにやれば火は通ったはずだ。ちゃんと見ていないこと。料理をする時も食べる人の気持ちを全く考えてない。ただ、与えられた役目を終わらせることしか考えてない3人に問題があると私は言ってるんだ」
「あの、料理が出来るからって出来ない人をそうやって悪く言っていいのでしょうか?上から目線ではなく、対等に話すことから学ばれたほうがいいと思います」
アヤネさんって、いざと言う時はそうやって相手の言葉潰す人なんだ。
「私は対等に話している。魚はここでは貴重なのに、これはあんまりだ。それを少しも反省しないところが学習不足だと思う」
「貧乏人は普段調理しにくいものしか買えないんですね」
貧乏人?貴族だからって言っていいことと悪いことがある。
「アヤネ、お前何様だ!」
アルフォンス王子はアヤネさんを殴り付けた。
「やめてください!」
それに続くかのようにセナ王女はセレナールさんを殴り付けた。
「痛い!何するの!」
セレナールさんとアヤネさんは殴られた反動でバランスを崩し、地面に叩き付けられてしまった。
「ねえ、ラルク、カラルリさん、魚焦がしてるよ」
「ナミネさ、今それどころじゃないだろ」
「ロォラ、食べれるところだけ食べよう」
「分かったよ、兄貴」
「ラハル、私の分もあげる」
リリカさんはどこまでもラハルさんには甘い。
武士なのに、炎の舞がちゃんと使えない。
ロクに料理も出来ない。
崖を登れるからって上から目線で人を殴りつける。
ここのチームワークはめちゃくちゃだ。
セナ王女は何だかんだで炎の舞で加熱し、魚を食べた。
「うっ、不味すぎる。本当に苛立たせる人たちね」
「あ、ヨルクさん、すみませんが、生焼けの人の魚を炎の舞で加熱してもらえませんか?」
「……」
え、この無言は何?私は繰り返し言おうとした。
「10までしか出来ない……」
10……。それでは十分に加熱が出来ない。今日のところは魚は諦めてもらうしかない。私やラルクは果物採取のため、体力を無駄に使うことは出来ない。けれど、このままでは食事の取れない人が出てきてしまう。
「エルナさん、すみませんが洗濯係から洗い物係に変わってもらえないでしょうか?今日はこの大雨ですので洗い流す程度で構いません」
このまま誰も洗い物をしないのでは、流石に食器に汚れが溜まって、新しい料理を入れられない。誰かにやってもらわないと。
「分かったわ」
エルナさんは、タライに余った料理を入れると、雨水でお皿を洗い流して机に重ねて置いた。
そして、結局この日は、みんな機嫌を損ねたまま、このテントの中で休むこととなった。

その後、酷い大雨が止むと、果物、薬草、魚を落ち武者さんが市場で高値で売ってきてくれて、加熱不十分の肉をかなり値切りして安値で買って来てくれた。こちらの食糧は隣人にも分けるから少なくはなるけれど、食糧と薬は確保出来るようになって来たと思う。
日にちが経ち、滞っていた、この町の人の飲み水である川も流れるようになり、私たちはまた水を飲めるようになり、命を繋ぎ止められることも出来た。
ミネルナさんもロォハさんの研究の手伝いをし、ちゃんと役割をするようになったし、ナヤセス殿もたびたび薬草の研究をするようになった。
けれど、セナ王女、アルフォンス王子の双子はアヤネさんとセレナールさんを何かと責め立てる。
チームワークは乱れているものの、順調に進んでいるかのように思えていた。
けれど、それは私の思い込みでしかなかった。

ある日、いつものように果物係で急な崖を登っている時、カラルリさんのお武家オリジナルワイヤーが崖の真ん中で切れてしまい、カラルリさんは、そのまま真っ逆さまに転落して行った。私は咄嗟に伝説ワイヤーから手を離し、崖から飛び降り、カラルリさんを受け止めた。
私はカラルリさんを地面に寝かせ、カラルリさんの持っていた途切れたオリジナルワイヤーを見た。原因はカラルリさんの点検不足だった。急な崖とはいえ、ちゃんとしたオリジナルワイヤーなら、ある程度の重力は持ち堪えることが出来る。けれど、サバイバルゆえ、出来れば特殊ワイヤーを使って欲しかった。それも点検不足なら意味がないけれど。私はナルホお兄様に安全のことを指摘され、特殊ワイヤーから伝説ワイヤーに切り替えた。
私がカラルリさんを上に連れて行くことも出来るが、今日のところは戻ってもらおう。
「あの、カラルリさんが崖から転落してしまったので、私はカラルリさんを連れてタルリヤさんの家に戻ります。すみませんが、今日の収穫お願いします」
「分かったわ!ナミネ、あなたも今日は休みなさい」
リリカさんは周りをよく見ている。いくら体力のある人でも、たまに休みを挟まなければ長くは続けられない。
「はい、ありがとうございます!」
「本当、カラルリは使えないな」
「いっそ、カラルリを果物係から外すべきだと思うわ」
やっぱり、こういう時でもセナ王女とアルフォンス王子は慈悲なしだ。
「セナ王女、アルフォンス王子、そのことは帰って皆さんが集まってから話し合いたいと思っています!カラルリさん、行きましょう」
声をかけたものの、カラルリさんは横たわったままだった。私はカラルリさんを背負って、とぼとぼとタルリヤさんの家に向かった。

「あんたらどうしたのさ」
あ、落ち武者さん帰って来てたんだ。
「カラルリさんが崖から転落したんです。咄嗟に私が受け止めましたが、原因はオリジナルワイヤーの点検不足です」
「栄養失調だね?」
「栄養失調だね」
落ち武者さんとナヤセス殿が同時に言った。栄養失調?カラルリさんは、ここで出されている煮物も食べているのに。それなのに栄養失調?
「あの、カラルリさんはここで出されている煮物も食べています。栄養失調というのはおかしくないですか?」
「ナミネ、いくら煮物を食べていても、その素材は腐っている。それを体内に入れたとしてもエネルギーにはならないんだよ」
そういうことか。ここの煮物はいくら食べても空腹を満たすだけで、何の力にもならないのか。
「姉さんの持ってたビタミンサプリでも飲ませて寝かせとけ」
私はリリカさんに事情を書いた紙飛行機を飛ばした。リリカさんからは1錠だけならビタミンサプリを使ってもいいと返事が来た。私はカラルリさんにビタミンサプリを1錠飲ませたあと、テントに運び、ワラの上に寝かせた。
みんなが帰って来たら、今後のカラルリさんの役割をどうするかの会議だ。私は複雑な気持ちでいた。

……

あとがき。

うーん、アヤネとセレナールは何だか可哀想。2人の今後の役割はどうなるのだろう?

けれど、せっかく町の人の飲み水である川も流れ、それぞれの役割が馴染んできたところなのに、今度はカラルリが崖から転落。

先が思いやられます。

……

この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
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