日常のこととかオリジナル小説のこととか。
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ashita
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地主(土地貸してます)
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漫画やアニメを見るのが好きです。最推しはフーディーニ ♡
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ブログ、もう書かないと思ってました。
けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。
ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。
小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。
よろしくお願い致します。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
お知らせ。
イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。
また、「カラクリよろずや」にて無料のフリーイラスト素材配布もはじめました✩.*˚
フリーイラスト素材も増やしていく予定です(*'ᴗ'*)
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。
ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。
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X @kigenzen1874
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けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
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〈資格履歴〉
2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格
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〈資格証明バナー〉

2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
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→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
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→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
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〈資格証明バナー〉

純愛偏差値 未来編 一人称版 80話
《ナミネ》
紀元前村の蓮華町に来て2日目。
遠い昔の紀元前村にはトイレはなかったが、今は蓮華町に関しては政府から一家庭につき、1つの簡易トイレが配布されている。と言っても、その簡易トイレは、私たちが非常用に持って来たものとそんなに変わりはなく、溜まってきたら自分たちで処分しなければならない。具体的に蓮華町には、まとめてゴミを捨てる場所があり、たまに政府がそのゴミたちを処理しに来るらしい。
ちなみに、蓮華町だけはテレビも固定電話も携帯電話もエアコンも存在しない。公衆電話さえもないのである。
交番はあるが、いざとなった時は連絡も出来ないのだ。病院だって同じ。どれだけ命の危機が迫っていても救急車とか存在しないゆえ、自力で病院まで行くしかない。
みんな起きてきた。電気毛布がないせいか、少し寒そうだ。
「皆さん、おはようございます。今日は市場の下見に行きます。ただ、妖精村のスーパーとは違い、品物には限りがあるので、着替えも、みんな分は買えないと思います。
洗濯に関してはヨルクさんに教えて貰ってください。洗う時も流す時も必ずラタイに入れてください。川の水はこの町の皆さんの飲水ですので。後、布ナプキンに関しては各自で洗濯をお願いします。
それと、果物はドライフルーツに、魚は干物にすると日持ちがよくなると思いますが皆さんはどう思いますか?」
「そうね。縮むけど、毎日の食事は必要だし、私はそれで構わないわ」
「僕もそのほうが効率がいいと思います」
「まあ、取ってきてもそのままにしてたら腐るしな」
(省略)
これでドライフルーツと干物の件はまとまった。かつて無人島に漂流した人が、釣った魚を干物にして生き延びたドキュメンタリーを見たことがある。
「ドライフルーツにすることは構わないけど、果物はここでは貴重だから、ここの食事と共に食べてもらうわ」
リリカさんは、やはり厳しい。けれど、ドライフルーツだけを食べていたら食糧はすぐに尽きてしまう。やむを得ない。
「はい、それで構いません」
私は同意したが、何人か反対意見が出た。
その時、セレナールさんがお腹を押えた。
「お腹が痛いわ。誰か痛み止め分けてくれないかしら」
セレナールさんは、森の湖で何も学習していなかったのだろうか。ミネスさんは痛み止めを飲んでいる。
「あの、痛み止めは1人1人分ですので、どうしても痛いなら病院で薬を処方してもらうしかないと思います」
セレナールさんは準備不足が多い。これではいつまで身体がもつか分からない。
「ねえ、セレナールって、どういうつもりでここに来たの?あなた何にもしてないじゃない!ハッキリ言って迷惑だわ!」
やはりセナ王女はサバイバルに慣れているゆえ、慣れてない人の気持ちが分からなくて、すぐに攻撃してしまう。
「痛み止めはカナエのを使ってください」
カナエさんはセレナールさんに痛み止めを渡した。同時にリリカさんは、ため息をついた。
「迷惑かけるだけかけて何もしない人は帰って欲しいわ」
「ごめん、リリカ。やれることはやるわ」
とりあえず、セレナールさんの生理痛はこれで治まる。これだけの気温差だから仕方ないかもしれない。
「あと、トイレですが、これは絶対に必要ですので、男子用、女子用を2つずつテントを組み立てその中に入れませんか?溜まって来たら、溜まった時にした人が捨てに行くのはどうでしょう?」
「私は構わないわ」
リリカさんはOKと。
「では、テントと簡易トイレを組み立ててから市場に行きましょう」
私は、ここでの朝食を食べ終わった。やっぱり、何日も前の冷蔵庫に入れていない煮物は、食べる人が殆ど少ない。でも、食べないと体力がもたなくなる。今日中にドライフルーツを作らなければ。
「ラルク、テント張るよ」
私たちは簡易トイレを4つ組み立て、テントを張りはじめた。やはり、ここでも動かない人がいる。無理にしろとは言わないが洗い物1つしない人はどうするのだろう。
とりあえずテントは、私とラルク、落ち武者さん、ズームさん、委員長、ユメさんで張り終えた。そこに2つずつ簡易トイレを入れて完了っと。
「あの、言わせてもらいますが、ここではチームワークが必要です。協力しない人がいるなら、その人の日常品の配布は削減させてもらいます」
「私、生理痛で動けなかっただけだから」
「でしたら、今後はみんなが取ってきた果物と名前、薬草と名前、その効力をナヤセス殿のメモ書きを見て、このノートにイラスト付きで清書してもらえませんか?」
これくらいはしてもらわないと正直、1日何もしないでは、果物を取ってきたチームとそのうち口論になってしまう。
「分かった。それはやる」
あれ、ヨルクさんは朝食に手もつけていない。どうしたのだろう。
「ヨルクさん、どうかしましたか?」
「昨日の夕ご飯を無理して食べたら夜中からお腹痛くて……」
私はため息をついた。どうして、次から次へと問題が出てくるのだろう。
「今テントを張りましたのでトイレに行ってください。青が男性用です」
ヨルクさんは走ってテントに向かった。
「最初に言っておきますが、今のヨルクさんのような症状が起きたら下痢止めは禁忌です。けれど、食事を取らなければ体力が落ちます。私も薬草を取りに行きますので、お腹を壊した人のために、柴胡、半夏、桂枝、黄芩、人参、芍薬、生姜、大棗、甘草を煎じます」
お腹を壊した時に、それを薬で止めてしまうのは返って逆効果だ。柴胡、半夏、桂枝、黄芩、人参、芍薬、生姜、大棗、甘草を調合したものは現代で言うところの柴胡桂枝湯である。下痢をした後に飲むと次第に腹痛はなくなり、下痢もそのうちに繰り返さなくなる。ここでは、数日前の煮物を食べてお腹を壊す人もそれなりにいるだろう。そして、その煮物に使われている野菜は最初から殆ど腐っている。
「ナミネはナミネでやることがあるので、薬に関してはカナエとナルホが煎じて、瓶に入れ、それぞれの用途をシールで貼っておきます」
確かに、私とラルクはこの町の全体像を確認しなければならない。薬草のことはカナエさんとナルホお兄様に任せよう。
「では、薬草のことはカナエさんにお任せします」
その時、ヨルクさんが戻ってきた。
「ヨルクさん、具合はどうですか?」
「まだ少し違和感がある気がする」
そう、ひとたびお腹を壊せば、全体の体力が奪われてしまう。私は箱ごと持って来た柴胡桂枝湯をひと袋ヨルクさんに渡した。
「今日は市場の下見がありますので、これ飲んでください」
「うん、ごめんナミネ」
柴胡桂枝湯は、20分もあれば効果が出て、そこそこ体力がある人なら活動も出来るようになる。ひと袋さえ貴重だけれど、今後はカナエさんとナルホお兄様が煎じてくれる。
「ねえ、彼氏だからって特別扱いするのはおかしいと思うの。セレナールが苦しんでいる時は病院に行けと言ったのに、酷くない?」
セナ王女はとことん揚げ足を取る。
「お言葉ですが、生理痛と下痢は違いますよね。セナ王女は漏らしながら過ごせと仰るのですか?それ、隣人に怒られますよ?」
「な、何よ!特別扱い反対よ!」
その時、アルフォンス王子、ミネルナさん、ミネスさんが腹痛を訴えた。ミネスさんはさっき痛み止め飲んでいたから、やはり朝食が当たってしまったのか。やむを得ない。私は3人に柴胡桂枝湯を渡した。
「トイレは行ってきてください」
柴胡桂枝湯はいつ飲んでも構わない。トイレの前でも後でも。けれど、早く薬草を入手しなければ、私の柴胡桂枝湯だけでは足りなくなってしまう。それこそ病院に行かなくてはならない。
「カナエさん、すみませんが、今日の市場見学は行かずに薬草を取ってきてもらえないでしょうか?」
「分かりました。痛み止めと腹痛に効く薬を作るのです」
「ナミネ、心配はいらないよ。薬は何種類か煎じておくから。ナミネは市場の下見行っておいで」
2人には別の日に市場に行ってもらおう。今はすぐに薬草が必要な状況だ。
「すみません、お願いします」
ヨルクさんも、ミネスさんも、アルフォンス王子も、ミネルナさんも体調は落ち着いてきたみたいだ。出発するとするか。市場はここから700mくらいのところにあるからすぐに着くだろう。
朝早くに来たつもりだけど、人は少しいる。この町も24時間営業なのだろうか。
「あ、タルリヤさん、蓮華町は24時間営業ですか?」
「交番はそうだけど、市場は夕方には店仕舞いするし、他のとこもね。病院は一応時間外診療はやってるけど」
夕方には店仕舞いか。少し早い気もする。その日取ってきた肉や魚を売り出すと同時に買わないと品切れになってしまう。いや、肉や魚は野菜に比べたら随分高い。買う人いるのだろうか。
「タルリヤさん、肉や魚は野菜に比べたらかなり高いですが、どうしてでしょうか?市場には果物や薬草は売られていないのですか?」
「ここの土は使えないものばかりで、政府から肥料は配布されてないんだ。だから、いくら種を撒いても、その野菜は新鮮なものには育たず今の市場で売っているようなものしかない。米も同じ。それに対して肉や魚は猟師や漁師が毎日新鮮なものを取ってくるから、その分値段が高いんだ。買う人はたまに果物や薬草をここに売りに来て、お金にして買ってる。売れなかった肉や魚は毎日酒場で猟師や漁師の友達が食べてるよ」
米と野菜は殆ど食べれないものばかりというわけか。それでも、お金がないからみんな傷んだ米と野菜を買うしかないのか。
それに対して、猟師や漁師は毎日新鮮な肉と魚を食べることが出来る。ただ、肉は明らか1人分なのにイノシシの肉は1つ60000円、鹿の肉は1つ50000円とこんなのぼったくりだ。干した魚は1つ20000円だけれど、それでも高い。これが手間賃というヤツなのだろうか。
「極端ですね。けれど、果物や薬草を取りに行ける人がいるのですね」
「まあね。ほんの僅かしかいないけど、そういう人のみが肉や魚を食べられるんだよね」
「そうですか。ここでは米や野菜がダメな分、新鮮な肉や魚は貴重なのですね」
値段的に納得いかないけど、ここでは一人一人が工夫して生きていかなきゃいけない。結局、ここでも腕の立つ人しかまともな食事は出来ないのか。
「おっちゃん、私昨日ここに来たばかりで何も分からないんだよな。仲間もご飯殆ど食べれてなくて困ってるんだ。肉と干し魚、もっと負けてくんないか?」
「お嬢ちゃん、こっちも商売だからね。まけることは出来ないよ」
「けどさ、売れ残った分って勿体なくないか?干し魚はともかく、肉は日持ちしないだろ?別にここに売り出されてないものじゃなくても構わないから、端っこの切り落とした店には売り出されてない肉だけでも分けてくれないか?」
確かに妖精村でも、牛の肉は形の整った部分だけ売り出され、切り落としのものは捨てられている。
「お嬢ちゃん、詳しいねえ。ここに並んでない切り落としのものは10000円にしとくよ。いつも市場に並んでないのはこういうのだよ」
市場の主は切り落とした肉をロォラさんに見せた。それにしても本来捨てるものを10000円だなんて高すぎる。
「うーん、やっぱり切り落としたものはやめておく。イノシシはこっちとこっち、鹿はこっちとあっちの肉をまけてほしい!」
どうして急に考えを変えたのだろう。ここに売られている肉を安く買い占められたら得なのに。けれど、ロォラさんは既に4つを手に取っている。
「どうしてこの4つなのかな?」
「売れ残った肉食べて食中毒起こした人いるんじゃないか?この4つ以外は十分に加熱がされていない。その場合、寄生虫が肉の中にいたり、熱や吐き気、腹痛などを起こすE型肝炎ウイルスもいる。その他、酷い腹痛や血便、死ぬ恐れがある腸管出血性大腸菌も存在している。それは全て十分な加熱がされていないからだ。だから、この4つ以外は買わない」
専門家でもないのに、どうしてこんなに詳しいのだろう。
「こりゃたまげた。おっちゃんの負けだ。イノシシの肉は1つ20000円、鹿の肉は1つ8000円、干し魚は1つ5000円。これ以上はまけられないよ」
「じゃあ、イノシシの肉2つ、鹿の肉2つ、干し魚全部買う」
ロォラさん、大きく出た。でも、正しい判断だと思う。ただでさえ高い肉と干し魚が値引きされて、更にはロォラさんの目利きで肉は全て十分に加熱されている。ここで買ったほうが有利だと思う。落ち武者さんがみんなに現金渡しているし。
「あいよ、全部で116000円だよ」
ロォラさんは、主にお金を渡した。
「また来る」
「はあ、今日は店仕舞いだな。余った肉は加熱しないと」
市場の主は肉たちを引き上げはじめた。
「ロォラ、あんた詳しいな。確かにあんたの選んだののみが安全な肉だ」
「小さい頃から商店街のおじさんの店、たまに手伝ってるからな」
ロォラさんて以外。私も商店街のおじさん、おばさんには随分可愛がられてきたけど、ロォラさんは商店街のお店の手伝いまでしてたのか。
「今後はあんたが市場に買い出しに行け!」
「え、でも洗濯物が……」
「他のヤツにやらせる」
「分かった。市場には私が行く」
下見だけのつもりだったけど、ロォラさんのおかげで肉と干し魚の確保は出来た。
「とても美人ですね」
え、今度は何?
「あら、引っ越してきたのかしら?」
「いえ、友達の家にしばらくお世話になることになりました。ここの男性用と女性用の下着と服、もう少し安くしてもらえませんか?」
今度はロォラさんに続いてミナクさんが値切りをしている。
「うーん、こっちも商売だからねえ」
「そこを何とかお願いします。あなたのような美しいお姉さんがいるなら、私は毎日ここへ通います」
ミナクさんは、1輪の薔薇を市場の女主に渡した。てか、その薔薇どこから出てきたの?
「もう、仕方ないわねえ。全て半値にするわ。これ以上はダメよ」
「では、全て買います」
ミナクさんは女主にお金を渡した。これで、全員とはいかないけど、着替えを入手することが出来た。
「うーん、出来たら全員分欲しいな。なあ、ここにある原反って売り物なのか?」
少し色褪せている。けれど、原反なんて買ってどうするのだろう。
「売り物よ。昨日入ってきたものだけど、状態が良くないから今なら5000円ね」
「だったら、買う!あ、その30番の糸もお願い」
ロォラさんは女主にお金を渡した。
「あの、その原反どうするんですか?」
「みんなの下着と服作るんだ」
ロォラさんて裁縫出来るんだ。何だか人って見かけによらないな。
「あ、ロォラさん、下着と服作りは私がやります。ロォラさんは市場に行かなければ行けないので」
「分かった。じゃあ頼む。私も市場から戻って来たら作業する」
これで、裁縫はロォラさんとヨルクさんがすることになったけれど、その分、洗濯係が減ってしまった。あ、塩と砂糖買っておかなきゃ。
「おじさん、塩と砂糖ください」
「お嬢ちゃん可愛いね、特別に半額にしておくよ」
「ありがとうございます!では、200gずつお願いします!」
「全部で2000円だね」
私は主にお金を支払った。
「あんたずる賢いな」
「えっ、私何してません」
遠い昔は、感染症が流行った時に、塩と砂糖がなくなり経口補水液が作れなくなった。けれど、みんなで協力して代用品を作って患者に与えたらしい。こんな環境だからいつ感染症が流行るか知れたもんじゃない。確保しておくものは確保しておかないと。
「あの、肉と干し魚はあまりに高すぎます。私たちも果物と薬草を売ったほうがいいと思うのです。無論、私やラルクが狩りに行ってもいいですが。あと、洗濯係が少なすぎるのも問題かと」
「そうね。流石に、あの値段では、頻繁には買えないわね。やむを得ない。果物と薬草は隣人に配布する頻度を減らして市場に売るわ!あと、手の空いてる人は洗濯係に回ってちょうだい!それから、今日、安全な肉を入手出来たのはロォラの手柄だから今後、ここで役に立てない人は肉も干し魚も抜きよ!」
やっぱりリリカさんが仕切ると、みんな引き締まる。何人か反論の声もあるが、リリカさんは方針を変えない。肉だって買えたのもかなり少ないし、何もしない人が食べるとチームワークが乱れてしまう。
「では、釣りは僕がやります」
え、ズームさんが?何かいい釣竿でも持ってきたのだろうか。
「とりあえず、下見はこのくらいにして帰るわよ」
リリカさんの声と共に、みんなはタルリヤさんの家に戻りはじめた。
ふう、あの値段をみたせいか下見だけで精神的に疲れた気がする。
「あ、塩と砂糖は経口補水液に使ってください」
私はリリカさんに塩と砂糖を渡した。
「ナミネは気が利くわね。みんな、ここではチームワークが大切よ!常にメンバーのことを考えながら動いて!」
その時、セレナールさんが、タライに水を入れず、川でそのまま布ナプキンを洗いはじめた。私たちはセレナールさんにかけよった。
「あの、セレナールさん、それこの町の人全員の飲水なんです!どうしてタライに入れてくれなかったんですか!血の流れた水なんか飲めないじゃないですか!」
私はセレナールさんから布ナプキンを取り上げた。
「何よ!洗濯機ないし分からなかったんだから仕方ないでしょ!いちいち怒らないでよ!」
その瞬間、リリカさんがセレナールさんを引っぱたいた。
「あなた何てことをしてくれたの!これじゃあ、町の人の反感買うだけじゃないの!あなた1人でどうにかしなさい!」
「待って、リリカ!悪気はなかったのよ!許して!」
けれど、時すでに遅し。隣人の人が気づきはじめ、こちらに向かって石を投げはじめた。
「私たちの飲み水返せ!この泥棒グループが!」
川の水はセレナールさんの血で汚れて、しばらく飲むことは出来ない。隣人が怒るのも無理はない。とりあえず、氷の舞を使って汚れた水を全て取り除かないと。
「ラルク!」
「ああ、やるか」
私とラルクは氷の舞を使って川を凍らせた。凍らせた川はラルクが扇子でゴミ捨て場に放り投げた。あれ、川の水が流れない。
「あの、タルリヤさん、川の水はいつ流れますか?」
「一度止めたから5日は流れないよ」
5日。これでは間に合わない。食べ物なら2〜3週間食べなくても人は生き延びれるが、水は4~5日飲めなければ命を落としてしまう。私たちはサバイバル2日目で命の危機に晒されてしまった。
……
あとがき。
今回もナミネ視点です。
魚にもアニサキスはありますが、まあここでは干し魚なのでアニサキスの危険性は殆どないとして、鹿やイノシシの肉は怖いですね。加熱不足が原因で死に至ることもあるので。
世界のどこかでも紀元前村の蓮華町のような暮らしをしている人はいるのでしょうか。(ニュース見てないので分からないですが)
……
この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
《ナミネ》
紀元前村の蓮華町に来て2日目。
遠い昔の紀元前村にはトイレはなかったが、今は蓮華町に関しては政府から一家庭につき、1つの簡易トイレが配布されている。と言っても、その簡易トイレは、私たちが非常用に持って来たものとそんなに変わりはなく、溜まってきたら自分たちで処分しなければならない。具体的に蓮華町には、まとめてゴミを捨てる場所があり、たまに政府がそのゴミたちを処理しに来るらしい。
ちなみに、蓮華町だけはテレビも固定電話も携帯電話もエアコンも存在しない。公衆電話さえもないのである。
交番はあるが、いざとなった時は連絡も出来ないのだ。病院だって同じ。どれだけ命の危機が迫っていても救急車とか存在しないゆえ、自力で病院まで行くしかない。
みんな起きてきた。電気毛布がないせいか、少し寒そうだ。
「皆さん、おはようございます。今日は市場の下見に行きます。ただ、妖精村のスーパーとは違い、品物には限りがあるので、着替えも、みんな分は買えないと思います。
洗濯に関してはヨルクさんに教えて貰ってください。洗う時も流す時も必ずラタイに入れてください。川の水はこの町の皆さんの飲水ですので。後、布ナプキンに関しては各自で洗濯をお願いします。
それと、果物はドライフルーツに、魚は干物にすると日持ちがよくなると思いますが皆さんはどう思いますか?」
「そうね。縮むけど、毎日の食事は必要だし、私はそれで構わないわ」
「僕もそのほうが効率がいいと思います」
「まあ、取ってきてもそのままにしてたら腐るしな」
(省略)
これでドライフルーツと干物の件はまとまった。かつて無人島に漂流した人が、釣った魚を干物にして生き延びたドキュメンタリーを見たことがある。
「ドライフルーツにすることは構わないけど、果物はここでは貴重だから、ここの食事と共に食べてもらうわ」
リリカさんは、やはり厳しい。けれど、ドライフルーツだけを食べていたら食糧はすぐに尽きてしまう。やむを得ない。
「はい、それで構いません」
私は同意したが、何人か反対意見が出た。
その時、セレナールさんがお腹を押えた。
「お腹が痛いわ。誰か痛み止め分けてくれないかしら」
セレナールさんは、森の湖で何も学習していなかったのだろうか。ミネスさんは痛み止めを飲んでいる。
「あの、痛み止めは1人1人分ですので、どうしても痛いなら病院で薬を処方してもらうしかないと思います」
セレナールさんは準備不足が多い。これではいつまで身体がもつか分からない。
「ねえ、セレナールって、どういうつもりでここに来たの?あなた何にもしてないじゃない!ハッキリ言って迷惑だわ!」
やはりセナ王女はサバイバルに慣れているゆえ、慣れてない人の気持ちが分からなくて、すぐに攻撃してしまう。
「痛み止めはカナエのを使ってください」
カナエさんはセレナールさんに痛み止めを渡した。同時にリリカさんは、ため息をついた。
「迷惑かけるだけかけて何もしない人は帰って欲しいわ」
「ごめん、リリカ。やれることはやるわ」
とりあえず、セレナールさんの生理痛はこれで治まる。これだけの気温差だから仕方ないかもしれない。
「あと、トイレですが、これは絶対に必要ですので、男子用、女子用を2つずつテントを組み立てその中に入れませんか?溜まって来たら、溜まった時にした人が捨てに行くのはどうでしょう?」
「私は構わないわ」
リリカさんはOKと。
「では、テントと簡易トイレを組み立ててから市場に行きましょう」
私は、ここでの朝食を食べ終わった。やっぱり、何日も前の冷蔵庫に入れていない煮物は、食べる人が殆ど少ない。でも、食べないと体力がもたなくなる。今日中にドライフルーツを作らなければ。
「ラルク、テント張るよ」
私たちは簡易トイレを4つ組み立て、テントを張りはじめた。やはり、ここでも動かない人がいる。無理にしろとは言わないが洗い物1つしない人はどうするのだろう。
とりあえずテントは、私とラルク、落ち武者さん、ズームさん、委員長、ユメさんで張り終えた。そこに2つずつ簡易トイレを入れて完了っと。
「あの、言わせてもらいますが、ここではチームワークが必要です。協力しない人がいるなら、その人の日常品の配布は削減させてもらいます」
「私、生理痛で動けなかっただけだから」
「でしたら、今後はみんなが取ってきた果物と名前、薬草と名前、その効力をナヤセス殿のメモ書きを見て、このノートにイラスト付きで清書してもらえませんか?」
これくらいはしてもらわないと正直、1日何もしないでは、果物を取ってきたチームとそのうち口論になってしまう。
「分かった。それはやる」
あれ、ヨルクさんは朝食に手もつけていない。どうしたのだろう。
「ヨルクさん、どうかしましたか?」
「昨日の夕ご飯を無理して食べたら夜中からお腹痛くて……」
私はため息をついた。どうして、次から次へと問題が出てくるのだろう。
「今テントを張りましたのでトイレに行ってください。青が男性用です」
ヨルクさんは走ってテントに向かった。
「最初に言っておきますが、今のヨルクさんのような症状が起きたら下痢止めは禁忌です。けれど、食事を取らなければ体力が落ちます。私も薬草を取りに行きますので、お腹を壊した人のために、柴胡、半夏、桂枝、黄芩、人参、芍薬、生姜、大棗、甘草を煎じます」
お腹を壊した時に、それを薬で止めてしまうのは返って逆効果だ。柴胡、半夏、桂枝、黄芩、人参、芍薬、生姜、大棗、甘草を調合したものは現代で言うところの柴胡桂枝湯である。下痢をした後に飲むと次第に腹痛はなくなり、下痢もそのうちに繰り返さなくなる。ここでは、数日前の煮物を食べてお腹を壊す人もそれなりにいるだろう。そして、その煮物に使われている野菜は最初から殆ど腐っている。
「ナミネはナミネでやることがあるので、薬に関してはカナエとナルホが煎じて、瓶に入れ、それぞれの用途をシールで貼っておきます」
確かに、私とラルクはこの町の全体像を確認しなければならない。薬草のことはカナエさんとナルホお兄様に任せよう。
「では、薬草のことはカナエさんにお任せします」
その時、ヨルクさんが戻ってきた。
「ヨルクさん、具合はどうですか?」
「まだ少し違和感がある気がする」
そう、ひとたびお腹を壊せば、全体の体力が奪われてしまう。私は箱ごと持って来た柴胡桂枝湯をひと袋ヨルクさんに渡した。
「今日は市場の下見がありますので、これ飲んでください」
「うん、ごめんナミネ」
柴胡桂枝湯は、20分もあれば効果が出て、そこそこ体力がある人なら活動も出来るようになる。ひと袋さえ貴重だけれど、今後はカナエさんとナルホお兄様が煎じてくれる。
「ねえ、彼氏だからって特別扱いするのはおかしいと思うの。セレナールが苦しんでいる時は病院に行けと言ったのに、酷くない?」
セナ王女はとことん揚げ足を取る。
「お言葉ですが、生理痛と下痢は違いますよね。セナ王女は漏らしながら過ごせと仰るのですか?それ、隣人に怒られますよ?」
「な、何よ!特別扱い反対よ!」
その時、アルフォンス王子、ミネルナさん、ミネスさんが腹痛を訴えた。ミネスさんはさっき痛み止め飲んでいたから、やはり朝食が当たってしまったのか。やむを得ない。私は3人に柴胡桂枝湯を渡した。
「トイレは行ってきてください」
柴胡桂枝湯はいつ飲んでも構わない。トイレの前でも後でも。けれど、早く薬草を入手しなければ、私の柴胡桂枝湯だけでは足りなくなってしまう。それこそ病院に行かなくてはならない。
「カナエさん、すみませんが、今日の市場見学は行かずに薬草を取ってきてもらえないでしょうか?」
「分かりました。痛み止めと腹痛に効く薬を作るのです」
「ナミネ、心配はいらないよ。薬は何種類か煎じておくから。ナミネは市場の下見行っておいで」
2人には別の日に市場に行ってもらおう。今はすぐに薬草が必要な状況だ。
「すみません、お願いします」
ヨルクさんも、ミネスさんも、アルフォンス王子も、ミネルナさんも体調は落ち着いてきたみたいだ。出発するとするか。市場はここから700mくらいのところにあるからすぐに着くだろう。
朝早くに来たつもりだけど、人は少しいる。この町も24時間営業なのだろうか。
「あ、タルリヤさん、蓮華町は24時間営業ですか?」
「交番はそうだけど、市場は夕方には店仕舞いするし、他のとこもね。病院は一応時間外診療はやってるけど」
夕方には店仕舞いか。少し早い気もする。その日取ってきた肉や魚を売り出すと同時に買わないと品切れになってしまう。いや、肉や魚は野菜に比べたら随分高い。買う人いるのだろうか。
「タルリヤさん、肉や魚は野菜に比べたらかなり高いですが、どうしてでしょうか?市場には果物や薬草は売られていないのですか?」
「ここの土は使えないものばかりで、政府から肥料は配布されてないんだ。だから、いくら種を撒いても、その野菜は新鮮なものには育たず今の市場で売っているようなものしかない。米も同じ。それに対して肉や魚は猟師や漁師が毎日新鮮なものを取ってくるから、その分値段が高いんだ。買う人はたまに果物や薬草をここに売りに来て、お金にして買ってる。売れなかった肉や魚は毎日酒場で猟師や漁師の友達が食べてるよ」
米と野菜は殆ど食べれないものばかりというわけか。それでも、お金がないからみんな傷んだ米と野菜を買うしかないのか。
それに対して、猟師や漁師は毎日新鮮な肉と魚を食べることが出来る。ただ、肉は明らか1人分なのにイノシシの肉は1つ60000円、鹿の肉は1つ50000円とこんなのぼったくりだ。干した魚は1つ20000円だけれど、それでも高い。これが手間賃というヤツなのだろうか。
「極端ですね。けれど、果物や薬草を取りに行ける人がいるのですね」
「まあね。ほんの僅かしかいないけど、そういう人のみが肉や魚を食べられるんだよね」
「そうですか。ここでは米や野菜がダメな分、新鮮な肉や魚は貴重なのですね」
値段的に納得いかないけど、ここでは一人一人が工夫して生きていかなきゃいけない。結局、ここでも腕の立つ人しかまともな食事は出来ないのか。
「おっちゃん、私昨日ここに来たばかりで何も分からないんだよな。仲間もご飯殆ど食べれてなくて困ってるんだ。肉と干し魚、もっと負けてくんないか?」
「お嬢ちゃん、こっちも商売だからね。まけることは出来ないよ」
「けどさ、売れ残った分って勿体なくないか?干し魚はともかく、肉は日持ちしないだろ?別にここに売り出されてないものじゃなくても構わないから、端っこの切り落とした店には売り出されてない肉だけでも分けてくれないか?」
確かに妖精村でも、牛の肉は形の整った部分だけ売り出され、切り落としのものは捨てられている。
「お嬢ちゃん、詳しいねえ。ここに並んでない切り落としのものは10000円にしとくよ。いつも市場に並んでないのはこういうのだよ」
市場の主は切り落とした肉をロォラさんに見せた。それにしても本来捨てるものを10000円だなんて高すぎる。
「うーん、やっぱり切り落としたものはやめておく。イノシシはこっちとこっち、鹿はこっちとあっちの肉をまけてほしい!」
どうして急に考えを変えたのだろう。ここに売られている肉を安く買い占められたら得なのに。けれど、ロォラさんは既に4つを手に取っている。
「どうしてこの4つなのかな?」
「売れ残った肉食べて食中毒起こした人いるんじゃないか?この4つ以外は十分に加熱がされていない。その場合、寄生虫が肉の中にいたり、熱や吐き気、腹痛などを起こすE型肝炎ウイルスもいる。その他、酷い腹痛や血便、死ぬ恐れがある腸管出血性大腸菌も存在している。それは全て十分な加熱がされていないからだ。だから、この4つ以外は買わない」
専門家でもないのに、どうしてこんなに詳しいのだろう。
「こりゃたまげた。おっちゃんの負けだ。イノシシの肉は1つ20000円、鹿の肉は1つ8000円、干し魚は1つ5000円。これ以上はまけられないよ」
「じゃあ、イノシシの肉2つ、鹿の肉2つ、干し魚全部買う」
ロォラさん、大きく出た。でも、正しい判断だと思う。ただでさえ高い肉と干し魚が値引きされて、更にはロォラさんの目利きで肉は全て十分に加熱されている。ここで買ったほうが有利だと思う。落ち武者さんがみんなに現金渡しているし。
「あいよ、全部で116000円だよ」
ロォラさんは、主にお金を渡した。
「また来る」
「はあ、今日は店仕舞いだな。余った肉は加熱しないと」
市場の主は肉たちを引き上げはじめた。
「ロォラ、あんた詳しいな。確かにあんたの選んだののみが安全な肉だ」
「小さい頃から商店街のおじさんの店、たまに手伝ってるからな」
ロォラさんて以外。私も商店街のおじさん、おばさんには随分可愛がられてきたけど、ロォラさんは商店街のお店の手伝いまでしてたのか。
「今後はあんたが市場に買い出しに行け!」
「え、でも洗濯物が……」
「他のヤツにやらせる」
「分かった。市場には私が行く」
下見だけのつもりだったけど、ロォラさんのおかげで肉と干し魚の確保は出来た。
「とても美人ですね」
え、今度は何?
「あら、引っ越してきたのかしら?」
「いえ、友達の家にしばらくお世話になることになりました。ここの男性用と女性用の下着と服、もう少し安くしてもらえませんか?」
今度はロォラさんに続いてミナクさんが値切りをしている。
「うーん、こっちも商売だからねえ」
「そこを何とかお願いします。あなたのような美しいお姉さんがいるなら、私は毎日ここへ通います」
ミナクさんは、1輪の薔薇を市場の女主に渡した。てか、その薔薇どこから出てきたの?
「もう、仕方ないわねえ。全て半値にするわ。これ以上はダメよ」
「では、全て買います」
ミナクさんは女主にお金を渡した。これで、全員とはいかないけど、着替えを入手することが出来た。
「うーん、出来たら全員分欲しいな。なあ、ここにある原反って売り物なのか?」
少し色褪せている。けれど、原反なんて買ってどうするのだろう。
「売り物よ。昨日入ってきたものだけど、状態が良くないから今なら5000円ね」
「だったら、買う!あ、その30番の糸もお願い」
ロォラさんは女主にお金を渡した。
「あの、その原反どうするんですか?」
「みんなの下着と服作るんだ」
ロォラさんて裁縫出来るんだ。何だか人って見かけによらないな。
「あ、ロォラさん、下着と服作りは私がやります。ロォラさんは市場に行かなければ行けないので」
「分かった。じゃあ頼む。私も市場から戻って来たら作業する」
これで、裁縫はロォラさんとヨルクさんがすることになったけれど、その分、洗濯係が減ってしまった。あ、塩と砂糖買っておかなきゃ。
「おじさん、塩と砂糖ください」
「お嬢ちゃん可愛いね、特別に半額にしておくよ」
「ありがとうございます!では、200gずつお願いします!」
「全部で2000円だね」
私は主にお金を支払った。
「あんたずる賢いな」
「えっ、私何してません」
遠い昔は、感染症が流行った時に、塩と砂糖がなくなり経口補水液が作れなくなった。けれど、みんなで協力して代用品を作って患者に与えたらしい。こんな環境だからいつ感染症が流行るか知れたもんじゃない。確保しておくものは確保しておかないと。
「あの、肉と干し魚はあまりに高すぎます。私たちも果物と薬草を売ったほうがいいと思うのです。無論、私やラルクが狩りに行ってもいいですが。あと、洗濯係が少なすぎるのも問題かと」
「そうね。流石に、あの値段では、頻繁には買えないわね。やむを得ない。果物と薬草は隣人に配布する頻度を減らして市場に売るわ!あと、手の空いてる人は洗濯係に回ってちょうだい!それから、今日、安全な肉を入手出来たのはロォラの手柄だから今後、ここで役に立てない人は肉も干し魚も抜きよ!」
やっぱりリリカさんが仕切ると、みんな引き締まる。何人か反論の声もあるが、リリカさんは方針を変えない。肉だって買えたのもかなり少ないし、何もしない人が食べるとチームワークが乱れてしまう。
「では、釣りは僕がやります」
え、ズームさんが?何かいい釣竿でも持ってきたのだろうか。
「とりあえず、下見はこのくらいにして帰るわよ」
リリカさんの声と共に、みんなはタルリヤさんの家に戻りはじめた。
ふう、あの値段をみたせいか下見だけで精神的に疲れた気がする。
「あ、塩と砂糖は経口補水液に使ってください」
私はリリカさんに塩と砂糖を渡した。
「ナミネは気が利くわね。みんな、ここではチームワークが大切よ!常にメンバーのことを考えながら動いて!」
その時、セレナールさんが、タライに水を入れず、川でそのまま布ナプキンを洗いはじめた。私たちはセレナールさんにかけよった。
「あの、セレナールさん、それこの町の人全員の飲水なんです!どうしてタライに入れてくれなかったんですか!血の流れた水なんか飲めないじゃないですか!」
私はセレナールさんから布ナプキンを取り上げた。
「何よ!洗濯機ないし分からなかったんだから仕方ないでしょ!いちいち怒らないでよ!」
その瞬間、リリカさんがセレナールさんを引っぱたいた。
「あなた何てことをしてくれたの!これじゃあ、町の人の反感買うだけじゃないの!あなた1人でどうにかしなさい!」
「待って、リリカ!悪気はなかったのよ!許して!」
けれど、時すでに遅し。隣人の人が気づきはじめ、こちらに向かって石を投げはじめた。
「私たちの飲み水返せ!この泥棒グループが!」
川の水はセレナールさんの血で汚れて、しばらく飲むことは出来ない。隣人が怒るのも無理はない。とりあえず、氷の舞を使って汚れた水を全て取り除かないと。
「ラルク!」
「ああ、やるか」
私とラルクは氷の舞を使って川を凍らせた。凍らせた川はラルクが扇子でゴミ捨て場に放り投げた。あれ、川の水が流れない。
「あの、タルリヤさん、川の水はいつ流れますか?」
「一度止めたから5日は流れないよ」
5日。これでは間に合わない。食べ物なら2〜3週間食べなくても人は生き延びれるが、水は4~5日飲めなければ命を落としてしまう。私たちはサバイバル2日目で命の危機に晒されてしまった。
……
あとがき。
今回もナミネ視点です。
魚にもアニサキスはありますが、まあここでは干し魚なのでアニサキスの危険性は殆どないとして、鹿やイノシシの肉は怖いですね。加熱不足が原因で死に至ることもあるので。
世界のどこかでも紀元前村の蓮華町のような暮らしをしている人はいるのでしょうか。(ニュース見てないので分からないですが)
……
この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
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