忍者ブログ
日常のこととかオリジナル小説のこととか。
カレンダー
01 2026/02 03
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
プロフィール
HN:
ashita
Webサイト:
性別:
女性
職業:
地主(土地貸してます)
趣味:
漫画やアニメを見るのが好きです。最推しはフーディーニ ♡
自己紹介:
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

ブログ、もう書かないと思ってました。

けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。

小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。

純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。

元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。

ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。

小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。

よろしくお願い致します。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

お知らせ。

イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。

また、「カラクリよろずや」にて無料のフリーイラスト素材配布もはじめました✩.*˚

フリーイラスト素材も増やしていく予定です(*'ᴗ'*)

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。

ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。

小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

X @kigenzen1874

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
ブログ内検索
QRコード
フリーエリア
〈資格履歴〉

2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
〈資格証明バナー〉

鉛筆デッサンマスター®認定試験資格取得証明
絵画インストラクター資格資格認定証
宝石鑑定アドバイザー資格認定試験資格取得証明
鉱石セラピスト資格資格保持証明
茶道アドバイザー資格認定試験資格取得証明
お点前インストラクター資格資格認定証
着物マイスター®資格認定試験資格取得証明
着付け方インストラクター資格資格認定証
サイキックアドバイザー®資格資格証明
サイキックヒーラー資格資格保持証明
アンガーカウンセラー®資格資格保持証明
アンガーコントロール士資格資格認定証
漢方コーディネーター®資格認定試験資格保持証明
薬膳調整師®資格認定試験資格保持証明
[225] [224] [223] [222] [221] [220] [219] [218] [217] [216] [215
純愛偏差値 未来編 一人称版 81話

《ナミネ》

市場から戻るなり、セレナールさんがいきなり、布ナプキンを川で洗いはじめた。そして、その川の水はこの町の人の飲み水で、隣人から反感を買い、私たちは石を投げ付けられる事態となってしまった。
咄嗟にラルクと私は使えなくなった川の水を氷の舞で凍らせ、ゴミ捨て場に捨てたものの、次にこの川が流れるのは5日はかかるらしい。これでは間に合わない。隣人の命さえも危なくなってしまった。
隣人の怒りは収まらなく、私たちは森林の結界をかけて身を守り、結界がかけられない者には結界の使える人が譲渡した。けれど、セレナールさんのことは誰も助けず、隣人が投げる石は全てセレナールさんに当たってしまったのである。
「あの、非常事態ですので、果物と薬草は隣人に全て渡すしかないと思うのです。カナエさん、すみませんが……」
あれ、既に何個か調合してある漢方薬がある。
桂枝、茯苓、牡丹皮、桃仁、芍薬。これを調合したものが現代で言うところの桂枝茯苓丸。葛根湯、麻黄、生姜、大棗、桂枝、芍薬、甘草。これを調合したものが現代で言うところの葛根湯だ。柴胡桂枝湯もある。その他にも安中散や麻黄湯などがある。薬はこれだけあれば、それなりの期間は足りるだろう。
けれど、問題は水だ。水がなければ、生きられない。
「あの、洗濯なら、飲み水ではなく、隣の身体を洗い流している人が使っている湖の水を使えば良かったのではないでしょうか」
そっか。アヤネさんの言う通りかもしれない。私の判断ミスだ。
「ナミネ!あなたのせいよ!あながこの川の水使えって言ったから使ったんじゃない!飲み水どうしてくれるのよ!」
「セレナール!いい加減にしなさい!川と水は1つの橋でしか繋がっていない。効率が悪いわ!それに、ちゃんとタライに入れて洗えばこんなことにはならなかった!責任転嫁も甚だしいわね!」
リリカさんは庇ってくれているけれど、橋もそんなに長くはないし、湖の水を使っていれば、この事態は防げたのかもしれない。セレナールさんが橋を渡ってまで水の水を使っていればの話だけれど。けれど、今は隣人の怒りを沈めるために、果物と薬草を配らないと。
「私の判断ミスかもしれません。でも、今は隣人の怒りを沈めるためにも果物と薬草を全て配布しましょう」
リリカさんはため息をついた。
「やむを得ないわね」
リリカさんは紙飛行機をいくつか飛ばした。少しするとこの町の人が集まって来た。リリカさんは飲み水の事情を説明し、町の人に謝りながら果物と薬草を配布した。そして、セレナールさん以外も謝りながら町の人に果物と薬草を配布したのである。町の人たちは川の水が流れるまではお酒でしのぐと言って戻って行った。とりあえず隣人の怒りを沈めることは出来た。けれど、問題は、せっかく取ってきた果物と薬草がこちらにはゼロになってしまったということだ。
「あの、私の責任なので、今から水分が中にある果物を取ってきます」
「あら、今回の件ってセレナールの責任じゃないかしら?私たちが取ってきた果物までなくなって、責任取るならセレナールだと思うわ」
セナ王女は川で直接洗濯をしたセレナールさんが悪いと位置付けている。
「そうね、私もセレナールの責任だと思うわ。それに、アヤネも無責任なこと言わないでくれるかしら。湖で水浴びしている人はボートのロープ巻いているじゃない。それだけでも、あの湖は泳げない人が入れば溺れることが目に見えているじゃない」
「申し訳ありません。そこまで考えが及びませんでした」
アヤネさんは悪くない。けれど、ミネスさんだって早朝にタライ使っていたのに、飲み水だと私説明したのに、それで洗うセレナールさんは周りのことが考えられていない。
「背に腹はかえられません。あの湖の水を携帯浄水器で飲みましょう。5日ならもつはずです」
とは言ってみたけれど、まさかの2日目で携帯浄水器を使うだなんて先が思いやられる。
「やむを得ないわね。けれど、携帯浄水器は2つしか持ってきていない。後のことを考えなければいけないわね」
「私、携帯浄水器なんて持ってきてないわ!」
どうしてメモで渡したものをセレナールさんは殆ど持っていないのだろう。何故、リュックに入れてこなかったのだろう。
「あの、セレナールさん、私とラルク、必要なものメモして渡しましたよね?布ナプキンにしてもそうですが、どうして必要なものを持ってきていないのですか?」
「だって、布ナプキンなんて普段使わないし、サバイバルグッズなんてどこで売っているか分からないもの。それを書かなかったナミネが悪いわ!」
また責任転嫁。分からないなら聞けばいいのに。携帯浄水器は1人2つしか持っていない。その1つをセレナールさんに渡してしまえば明らか効率が悪くなってしまう。5日。だったら……。
「あの、5日でしたら、1つの携帯浄水器を4人で使いませんか?」
リリカさんも、他の人もため息をついた。
「本当にセレナールのせいで迷惑だわ。とりあえず5日だから1人1つ使うのは勿体ない。ナミネの言うように1つを数人で使うしかないわね。ヨルク、今日はロォラが買ってきた肉を1つ使って料理作ってちょうだい。あとは氷の舞で冷凍して森林の結界かけるから」
「分かりました。ナミネ、行ってくるね」
「はい」
こんなに明日からの5日を長いと思ったことがこれまでにあっただろうか。いつも当たり前にあるものがないということは、こんなにも不便なことだったんだ。
「セレナールさん、ちょっとリュックの中身見せてください」
私は半ば無理矢理セレナールさんのリュックを開いた。えっと、ハンカチに、ポイントカード、財布、コードレスヘアアイロン、少女漫画、手帳、ボールペン、折りたたみ傘、ビタミンサプリ、ドリスポ、便秘薬。え、ビタミンサプリにドリスポ、便秘薬!?
「皆さん、見てください!セレナールさんのリュックからビタミンサプリとドリスポ、便秘薬が出てきました!ドリスポは500mlが4本もあります!」
「ちょっとやめてよ!これ私のなんだから!」
セレナールさんがリュックを取り戻そうとする中、私はセレナールさんのリュックをリリカさんに渡した。
「携帯浄水器の使用は禁止!5日間、みんなで4本のドリスポでしのぐわ!それと、ビタミンサプリと便秘薬も没収!」
これで携帯浄水器は使わなくて済んだ。けれど、ゼロになった果物と薬草は取りに行かないと。
「では、明日はヨルクさんとロォラさんが縫い物をするとして、ゼロになった果物と薬草を取りに行くことに集中しましょう!崖を登れない人は洗濯をしてください。私が湖の水を何個かのタライに入れておきますので。洗剤はタルリヤさんの家のものを水で薄めて使ってください」
洗濯は、ナヤセス殿、ロォハさん、タルリヤさん、エルナさん、カラン王子、ユメさん、委員長がすることになった。私はその分のタライに水を入れるだけ。あれ、アヤネさんは何をするのだろう。
「あの、アヤネさんは何をするのですか?」
「えっと、洗い物をします」
「では、お願いします」
その時、セレナールさんがまた生理痛を訴えはじめた。セレナールさんて古代の身体のはずなのに、どうしてこんなに痛むのだろう。
「今回の件、セレナールのせいなんだから、カナエの薬は使わないで」
やっぱり仲間割れがはじまった。リリカさんは正論しか言わないけれど、セナ王女はどこか支配的で、これではチームワークが乱れてしまう。
「セナさんの気持ちは分かります。けれど、誰にでも間違いはあります。カナエはセレナールに薬を与えます。薬草はまた明日ナルホと取ってきますし」
「みんな真剣にやっているのにセレナールだけ問題起こして何もしないなんて、私認められないわ」
セナ王女の言い分も分かるけど、痛いのを放っておくと余計に悪化してしまう。
「あの、このまま痛みを放っておくとよくないです。ここはカナエさんの薬を飲ませていただけないでしょうか?」
セナ王女は無言で席を立った。セレナールさんはカナエさんがコップに入れた痛み止めを飲んだ。そう、ここでは顆粒ではなく、煎じ薬は全て水を混ぜたものが瓶に入れられているのである。まるで、妖精村半ばみたいだ。
その時、ヨルクさんがご飯を運んで来た。みんなで分けるとなると肉も小さくなるけれど、仕方ない。肉と、干し魚と、玉子巻き?どうして卵があるのだろう。
「あの、卵はどうされたんですか?」
「市場から帰る途中、おばあさんからもらったよ」
「そうですか」
市場には卵なんて売られてなかった。誰かがニワトリを飼っているのだろうか。あれ、何となくラハルさんの肉だけ大きい気がする。
「ラハル、いっぱい食べて」
「リリカ、僕だけ特別扱いしなくていいよ」
何かあってもラハルさんだけは救われる。真っ先に。
「ねえ、私の肉は?」
「ないに決まってるじゃない」
やはり、セレナールさんは肉なしか。それでも、干し魚と玉子巻きはある。ただ、どうしてもこの家で出された煮物も食べないとお腹がすいて仕方ない。僅かなものでは全くエネルギーに繋がらない。それでも、ここの煮物を食べない人が多い。
「ふぅ、食べたあ。では、アヤネさん、お皿洗いお願いします」
「わ、分かりました」
返事はしたものの、アヤネさんはみんなが食べ終わった食器を片付ける気配がない。私はしばらく様子を見てみた。しかし、30分経ってもアヤネさんは洗い物をする気配はなかった。
「あの、アヤネさん、食器洗ってもらえませんか?」
「すみません……出来ません……」
え、何それ。自分で洗い物するって言ったじゃない。
「アヤネさん、私がやります」
「ヨルクさん、甘やかさないでください!アヤネさん、自分からすると言ったのにどうしてしないんですか?みんなそれぞれの役割をしているんです!何もしないで、ご飯食べるなんて贅沢です!アヤネさんが責任を持って食器を洗ってください」
本当訳わかんないよ。貴族だからって何もしなくていいの?ここはサバイバルなんだよ。
「ここで出される食事には虫も入っていますし、殆どの方が残されています。気持ち悪くて触れないです」
「あの、アヤネさん……」
「ナミネ、もういいわ。食器洗いしないのなら、次の日も同じ食器使うことになるわね。それも、煮物残した人のはそのまま。やりたくなければ、やらなくていいわ。食器はこのままここに置いておきましょう」
リリカさんは、やっぱりクレナイ家の長女なだけあるなあと思う。ここで洗わなければ、メンバーに袋叩きされるのは目に見えている。それに、食器は一日一日洗わないと、余計に汚れが溜まってしまう。
「い、いやです!同じ食器を使うだなんて!誰か洗ってください!」
ここでアヤネさんが駄々をこねるだなんて。本当信じられない。
「ねえ、どうする?ラルク」
「まあ、アヤネさんは洗わないだろうな」
だよね。全く洗う気配ないし。
「なあ、アヤネ。ここではチームワークが大切なんだ。アヤネだけ何もしないでは迷惑だし、今後、アヤネだけには果物と薬草は与えないが」
「私たち、今後、与えられた仕事を熟さなければならないのよ!アヤネが何もしないなら誰が洗い物するのよ!」
「アヤネ、みんなはそれぞれの役割をしています。それを虫1つでワガママ言うのはカナエも間違っていると思います」
「アヤネ、私とクラフは洗濯しないといけないし、1番楽な洗い物をしないでは流石に困るわ」
「アヤネ、あんた何様だ!金持ちなら何もしなくていいのかよ!」
案の定、アヤネさん叩きがはじまった。そして、誰もアヤネさんの代わりに洗い物をする人はいない。
「イジメないでください。私は悪いことはしていません」
「は?とことん苛立たせる女だな!5分以内に洗い物をしないなら、湖に落としてやる!」
アルフォンス王子が強行手段を主張した。
「や、やります!」
やっと、やると言った。
「では、お願いします」
「あの、どうすればいいのでしょうか?」
貴族はみんなこうなのだろうか。
「まず、余った食事はタライに入れます。次に別のタライに湖の水を入れて、スポンジに洗剤を付けて食器を洗ってください。次に食事を入れたタライと食器を洗ったタライの中のものをゴミ捨て場に入れます。次に、湖で新しい水をタライに入れて食器を洗い流してください。食事を入れたタライは別のスポンジで洗って、また湖でタライに水を入れて洗い流して終わりです。何度も湖に行くのが面倒なら、一度に必要分のタライに水を入れてください」
「あの、メモに書いてください」
「自分で書いてください!」
アヤネさんは貴族だから、身の回りのことは全て使用人にしてもらっているのだろう。けれど、ここでは与えられた役割はしてもらわないと困る。
「今日のところは私が教えるわ」
うーん、エルナさんは洗濯係なのにな。でも、ここは頼るしかない。
「あ、では、すみませんが、お願いします」
エルナさんは1つ目のタライに余った食事を入れ、湖に行くと複数のタライに水を入れ、川の前で食器を洗った。そして、2つのタライの中のものをゴミ捨て場に捨てに行き、食器を洗い流し、食事の入っていたタライを別のスポンジで洗い、水で洗い流した。アヤネさんは何もせず見ているだけだった。こんなことでは先が思いやられる。
「余った食事を入れるタライには文字を書いておいたわ」
「ありがとうございます。アヤネさん、明日も何もしないなら湖に落ちてもらいます!」
「明日はやります!だから、これ以上私をイジメないでください」
アヤネさんの言い方癪に障る。
「アヤネ、あんたその態度なんだよ!強気なナミネは明日は果物収穫しに行くんだ!洗い物がいやなら強気なナミネと役割変われ!その代わり崖は自力で登れ!」
「どうしてイジメるんですか!あなた方が慣れているからって、そういうものの言い方酷いです」
アヤネさんは泣きはじめた。確かに私もキツく言い過ぎたかもしれない。でも、虫ひとつで動こうとしなかったアヤネさんに苛立った。
「ムカつくわ。今すぐ湖に放り投げてやる!」
セナ王女がキレた。
「本当に明日からはやります!もうイジメないでください!」
その瞬間、セナ王女はアヤネさんを持ち上げ、湖に放り投げた。凄い腕力だ。サバイバルはただでさえストレスが溜まるから、一人一人の言動が誰かを苛立たせることもある。今回のがその例だろう。
「助けてください!私泳げないんです!」
アヤネさんは湖から叫んだ。カナエさんは走って湖まで行き、湖に飛び込んでアヤネさんを救出した。サバイバル服は防水だから身体は濡れてないだろう。けれど、髪は濡れてしまった。
2人が戻って来たところでリリカさんが立ち上がった。
「アヤネ、やりたくないならやらなくていいわ。でも、食器は誰も洗わない。次の日も同じ食器を使うだけだから」
「お願いですからイジメないでください!!」
「イジメ?私はやりたくなければやらなくていいと言っただけよ?」
「それがイジメだと言っているのです!このような経験がお在りの方は余裕でしょうけど、素人にとっては何もかも分からないんです!それを責め立てて庶民は穢らわしいです!」
ダメだ、アヤネさんがキレてしまった。アヤネさんは洗い物ひとつ出来ないから、エルナさんを洗濯係から外して洗い物係に回ってもらったほうがいいのだろうか。
「へえ、それがあなたの言い分なのね。じゃあ、洗い物は放置しておけば?私はもう知らないわ」
もはや、これも経験だろう。洗い物をしなければどうなるか身をもって知ってもらうしかない。そして、メンバーの反感を買ってもらうしかない。それがアヤネさんの選んだことなのだ。

翌日、私は早朝に起き、昨日言った洗濯係用の水をタライに入れ、叩き棒と洗濯板を置いておいた。洗濯は2人1組でやってもらおう。タライにも限りがあるし。
少しするとみんな起きてきて席についた。
「川の横にタライに水を入れておきました。洗濯は基本、2人1組で行ってください。洗濯の仕方はエルナさんに聞いてください。明日からは洗濯係の皆さんが水を入れてくださいね」
「ええ、分かったわ」
「うん、そうするよ」
私はいつもの煮物を食べ終わると、扇子でお茶碗をタライに入れると、そのまま湖まで持っていき、お茶碗を洗って机に戻した。扇子を扱える人は私と同じことをした。それだけアヤネさんの信用は落ちているのだ。
「ナミネ、気を付けて行ってきてね」
「はい」
食べ終わるとみんなはそれぞれの配置についた。
「あ、落ち武者さん、今日の市場の様子見てきてもらえませんか?」
「りょーかい」
市場といえども、スーパーのように毎日同じ品物が並んでいるとは限らない。果物係はそれなりにいるから、落ち武者さんに行ってもらうことにした。
薬草係はカナエさんとナルホお兄様と少ないけれど、ここは詳しい人に任せるしかない。ナヤセス殿とロォハさんは毎日は体力的に行けないらしい。それに2人には何かあった時に患者を診てもらわないと。
ミネスさんは町の偵察に言ったけれど、ミネルナさんとセレナールさん、アヤネさんは何もしていない。本当こういうの困る。けれど、私ももう果物を入手して来ないと。
そして、私とラルク、リリカさん、ナナミお姉様、セナ王女、アルフォンス王子、カラルリさん、ミナクさん、それに加えタルリヤさんは果物がある崖へと向かった。

あれ、初日に来た時と何かが違うような気がする。私は携帯で撮った写真を見た。えっ、初日にはない果物があったり、木の位置も何か変わってる。どういうこと?
「あの、タルリヤさん、これが初日に来た時の写真ですが、今日来たら全然違いますよね」
「僕は崖を登れないから、ここの事情は殆ど知らないんだ。けれど、昔ここに来ていた人の記録によると、ここは毎日何かが変わっているらしい」
木とか固定されているのに、毎日変わっている?どうしてだろう。
「その記録って今も見れますか?」
「何世紀も昔のだからどうだろう。僕は新聞で読んだだけだからね」
何世紀も昔なら残っている可能性は低いし、探している時間もない。今は、4日後に流れる川の水のためにも体力は温存しないと。
「そうですか」
あれ、イチゴがある。この寒い冬だというのに。
「ねえ、ラルク、イチゴがあるよ」
「ナミネ、イチゴは潰れやすいから、箱に入れろ!」
「うん。そうするね。あっ!金のイチゴ!」
この果樹園は一体何なのだろう。金のイチゴなんてはじめて見る。私は写真に撮った。
「金のイチゴ!?食べてみたいわ!」
「セナ王女、悪いけど、そのイチゴはナヤセスに成分調べてもらったら市場に売りに出すわ」
そうだよね。今後のことを考えると、果物や薬草を売った終わったお金で肉を買わないと。ていうか、イチゴが生えているってことは、ここの土持って帰れば、新鮮な野菜を育てることが出来るのではないだろうか。
「あの、イチゴの生えているところの土を持って帰れば、畑で新鮮な野菜が作れるのではないでしょうか?」
「そのことなんだけど、研究者によると、ここの果樹園は乱してはいけないらしい。果物の採取はしても問題ないけど、ここの土や果物の木ごと持って帰った人はみんなその日のうちに突然死してるんだ」
この果樹園、ますます分からなくなってきた。土くらい持って帰ったっていいと思うのに。毎日果物が入れ替わって、土ひとつ持って帰ることが出来ない。この果樹園には絶対何か秘密が隠されている。
川の件が収まれば、薬草のところも見に行く必要がある。
「そうですか。土さえも持って帰れないのですね。良きものを町の人に与えられないと、暮らしはなかなか変わりませんね」
私は3つの箱にイチゴを入れ終わった。念の為、金のイチゴだけ、プラスチックの小さい容器に入れた。
「そうだね。果物は市場には滅多に出されないし、ここまで来れる人がそもそも殆どいない。結局、ここでまともな暮らしは出来ないんだよね」
15年間も現世でここに暮らしていただなんて。タルリヤさんには同情してしまう。人口は増えても、若い者は学校に行くことさえ出来ない。そんなことでは、この町は進化しない。
ここへは来たけれど、ここを変えることは出来ない。私は、いや私だけではない。みんなは結局傍観者であることをもどかしく感じているだろう。

あれ、端っこのほうにメロンがある。

……

あとがき。

いつも波乱万丈ですが、ここに来てからは更に波乱万丈……。

……

この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
PR
Copyright (C) 2009 雨の音を聴きながら, All right Resieved.
*Powered by ニンジャブログ *Designed by 小雷飛
忍者ブログ / [PR]