日常のこととかオリジナル小説のこととか。
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ashita
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地主(土地貸してます)
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漫画やアニメを見るのが好きです。最推しはフーディーニ ♡
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ブログ、もう書かないと思ってました。
けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。
ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。
小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。
よろしくお願い致します。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
お知らせ。
イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。
また、「カラクリよろずや」にてフリーイラスト素材について考えるブログはじめました✩.*˚
不定期に更新していく予定です。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。
ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。
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X @kigenzen1874
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けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。
ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。
小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。
よろしくお願い致します。
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お知らせ。
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〈資格履歴〉
2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格
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〈資格証明バナー〉

2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2012年10月25日
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2025年01月20日
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→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
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〈資格証明バナー〉

純愛偏差値 未来編 一人称版 11話
《ヨルク》
ラルクの一言で、ナミネは次々に同年代の見知らぬ人に告白をしに行った。私は慌ててナミネを連れ戻しに行った。
「あの、すみません、何でもありません」
どうにかナミネを席に座らせたものの、ラルクの余計な一言でナミネはまた見知らぬ人に声をかけに行こうとした。私はもう今しかタイミングがないと思い、土壇場でナミネの手を掴んで立ち上がった。
「ナミネ、私と結婚を前提に交際して欲しい」
唐突過ぎたのは分かっている。けれど、私は、この食事会という日を逃したくなかった。ナノハナ家に縁談用紙を預けるのではなく、直接告白してナミネの気持ちを確認したかったのだ。
「ほう、ヨルクさんは私に興味をお持ちかな?」
ナミネも も立ち上がった。そして、ナミネは真剣に私を見た。
「正直、恋愛感情があるわけではないけれど、未来の結婚相手として結婚を前提に交際して欲しい。ナミネはこのままラルクと交際を続けても口を挟まないしナミネの気になる人に対しても口を挟まなければ、ナミネのプライベートにも口を挟まない。出来れば今すぐ返事が欲しい」
ナミネはラルクのことが好きだからナミネを好きだと言う勇気がなかった。気持ちはちゃんと伝えるべきだっただろうか。それでも交際をしたい意思はちゃんと伝えた。
ナミネは一度私が掴んだ手を離し、私の両手を握り、再び真剣に私を見た。
「ふむふむ、つまり、ゆくゆくは私とヨルクさんは、結婚をするというわけですかな?」
ナミネはどう思ったのだろう。どう感じたのだろう。
「そういうことになる」
やっぱり、またラルクが好きだからと断られてしまうのだろうか。もう少し告白を遅らせるべきだっただろうか。それでも、縁談の返事が全くないことは、やっぱり気になったし、ナミネから直接どう考えているのかすぐに知りたかったのである。
「分かりました。その話、お受けしますぞ!」
え、告白を受け入れてくれた?ナミネは私と交際してくれるの?
ナミネは私の両手を離した。そして私は、支配人に預けていた菜の花とかすみ草の花束と小さい箱をナミネに渡した。
ナミネは箱を開けた。ナミネが星型のサファイアのネックレスを手に取ると私はナミネにネックレスを付けた。
「あ、ありがとうございます」
ナミネが私と交際してくれた。私は心の中で舞い上がった。けれど、周りの意見は厳しかった。
「ねえ、おかしくない?ナミネってラルクと交際してるんでしょ?なのにヨルクとも交際するの?そんなの二股じゃない!祝福出来ないわ」
二股など。ナミネはそのようなことをする女子ではない。私もラルクとセレナールさんが、ほぼ交際状態なのにナミネとラルクが交際をしているというのは少し変だと感じていた。
「あの、セナ王女……」
ラルクが何か言おうとしたのをナミネは遮った。
「ドキドキするから……ヨルクさんといるとドキドキするからヨルクさんからの告白を受け入れたんです!皆さんもドキドキして、その人と一緒にいたいと思うから交際するんじゃないんですか?」
ナミネ……。私は完全な片想いだと思っていたけれど、ナミネは私に少しでも気持ちがあったんだね。この場で嬉し泣きをしてしまいそう。ナミネ、可愛すぎる。抱き締めたくてたまらない。
私は、レストランでナミネと交際しはじめたことを何度も繰り返し考えては幸せな気持ちでいた。
けれど、そんな幸せは、あっという間に崩れてしまった。私とナミネが交際をしはじめた2日後の夜、ナミネはカラクリ家の近くの川に身を投げたのだった。
私とラルクは救急車を呼び、私はナミネに付き添い、ラルクはクレナイ家運転手の車で月城総合病院に向かった。
月城総合病院は、いつの間にか若先生のハル院長に変わっていた。ハル委員長はショウゴ先生の同級生でハルミ先生の元教え子らしい。
ハル委員長は言った。
「解離性愛情欠落症候群の可能性が高いと思う。境界性人格障害や機能不全家族、見捨てられ不安、全般性不安障害に重なる症状はそれなりにあるけれど、ナミネの場合は、姉の死という悲しい体験をし、それを1人で抱えているうちに、自分は1人だと自分を愛してくれる人は誰もいないと強度に考え込むようになったんじゃないのかな。
今のナミネの欠けたものを補えるのはヨルクだと思う。何も特別なことをしなくたって構わない。
それに、ナミネの気持ちが完全にヨルクに向いた時、ナミネは今の大きな不安の波からかなり解放されると思うよ。
入院はナミネとナミネの家族が話し合ってすることも出来る。でも、ナミネは登校を選ぶだろうね。
ヨルクもカサンドラ症候群にならないように、あまり気を張り詰めず、ゆっくりナミネを見守って」
解離性愛情欠落症候群……。はじめて聞く病名である。誰からも可愛がられてきたナミネが、自殺未遂をするほど愛情に飢えていただなんて……。ナミネを救いたい。ナミネに元気になって欲しい。
ナミネ、私を置いて行かないで……。ナミネがいなければ、私には何も残らない。
その時、ナミネは目を覚ました。
「ここはどこですかな?」
「ナミネ!どうして川に身を投げたの?」
私は泣きながらナミネを抱き締めた。
「川に身を投げた……?私が……?何も覚えていないです」
覚えてない……?ナミネの意思ではないのか?
「ナミネは今、或いは普段何を感じているかな?」
ハル委員長の問いかけにナミネはしばらく考えている様子だった。
「私、誰にも愛されないんです。前世でもです。私は好きな人とは一緒になれず、別の人と結婚したものの、殴る蹴るのDVや浮気を毎日され、毎日罵られました。私と結婚した人はモラハラ男ばかりだったんです」
ナミネがそんな男とばかり結婚していただなんて知らなかった。そんなことなら、一生ナミネを待ち続けるべきだった。
「そっか。ナミネは前世を覚えているんだね。そこでの酷い生活の記憶にずっと悩まされてきたのかな。最近、ヨルクと交際したみたいだけど、幸せじゃないのかな?」
ナミネはやはり、ラルクとの交際を望んでいるのだろうか。私ではナミネを幸せには出来ないのだろうか。
「いやな夢は度々見ます。ミドリお姉様の夢も。私には好きな人がいます。いくつかの前世でその人を好きでした。でも、その人には常に好きな人がいたんです。好きな人がいるのに、ヨルクさんといるとドキドキするんです。ヨルクさんと一緒にいたいし、かつて愛し合っていた気がするんです。ヨルクさんといると幸せな気持ちになれます。確実な答えは出ないままヨルクさんと交際してしまいましたが、交際したいんです!」
ナミネの心の中はラルクのみというわけではなかったのか。ナミネが私と交際したいと思ってくれているなら、私は全力でナミネを愛したい。
「そっか。お姉さんのことは本当に何て言ったらいいのか上手な言葉が見つからないけれど、いつかは今とは違うナミネになってお姉さんのことも少しずつ薄らいでいくと思うよ。ヨルクに気持ちがあるなら俺はヨルクとこのまま交際していていいと思う。どちらにしても、曖昧な今のナミネはこれから1つになってくよ。ただ、自分の意思ではないとしても命を絶とうとしたのは事実だから、今後は週3回カウンセリングに来てくれるかな?」
「分かりました」
ハル委員長はカウンセリング予約用紙をナミネに渡した。
その後、私は少しでもナミネのことを知るために解離性愛情欠落症候群の本を買って読んだ。しかし、ナミネはその後も何度か無自覚で川に身を投げ、その度に月城総合病院に運ばれたのであった。
ナミネは、遠い前世、ラルクと少しでも一緒にいるためにミナクお兄様に嫁ぎ、ラルクの死後から7年後の42歳の時に、川に身を投げて自殺をしたと話してくれた。無意識に川に身を投げてしまうのは、ラルクと添い遂げられなかった未練があるからだろうか。
私はナミネを刺激しないように、セリルさんに相談しながらナミネに接した。セリルさんからのメールではこう書かれていた。(メールは一部)
『ヨルクと交際した安心感で、今まで1人で張り詰めていた糸がプツンと切れてしまったのかもしれないね。でも、これは悪いことではなくて、心の膿を出す時期だと僕は思うんだ』
心の膿……。私から見ても今のナミネは多くの問題を抱えすぎていると思う。
ナミネを助けたい。ナミネとの交際を出来るだけ楽しいものにしたい。私はナミネを苦しみから救い出し、ナミネと必ず結婚すると決めたのである。
……
あとがき。
走り書きでは、この場面は、ヨルクと口論になったナミネがラブホテルの4号室で首吊りをし、月城総合病院に運ばれ、ヨルクはナミネへの『好き』の感情は薄れたものの、ナミネを助けたいという設定だった。
でも、ここでは、まだ番人も出ていないし、走り書きでのルームシェアもしていない。
あくまで純愛偏差値なので、純愛でいこうと、整理していくつもりです。
《ヨルク》
ラルクの一言で、ナミネは次々に同年代の見知らぬ人に告白をしに行った。私は慌ててナミネを連れ戻しに行った。
「あの、すみません、何でもありません」
どうにかナミネを席に座らせたものの、ラルクの余計な一言でナミネはまた見知らぬ人に声をかけに行こうとした。私はもう今しかタイミングがないと思い、土壇場でナミネの手を掴んで立ち上がった。
「ナミネ、私と結婚を前提に交際して欲しい」
唐突過ぎたのは分かっている。けれど、私は、この食事会という日を逃したくなかった。ナノハナ家に縁談用紙を預けるのではなく、直接告白してナミネの気持ちを確認したかったのだ。
「ほう、ヨルクさんは私に興味をお持ちかな?」
ナミネも も立ち上がった。そして、ナミネは真剣に私を見た。
「正直、恋愛感情があるわけではないけれど、未来の結婚相手として結婚を前提に交際して欲しい。ナミネはこのままラルクと交際を続けても口を挟まないしナミネの気になる人に対しても口を挟まなければ、ナミネのプライベートにも口を挟まない。出来れば今すぐ返事が欲しい」
ナミネはラルクのことが好きだからナミネを好きだと言う勇気がなかった。気持ちはちゃんと伝えるべきだっただろうか。それでも交際をしたい意思はちゃんと伝えた。
ナミネは一度私が掴んだ手を離し、私の両手を握り、再び真剣に私を見た。
「ふむふむ、つまり、ゆくゆくは私とヨルクさんは、結婚をするというわけですかな?」
ナミネはどう思ったのだろう。どう感じたのだろう。
「そういうことになる」
やっぱり、またラルクが好きだからと断られてしまうのだろうか。もう少し告白を遅らせるべきだっただろうか。それでも、縁談の返事が全くないことは、やっぱり気になったし、ナミネから直接どう考えているのかすぐに知りたかったのである。
「分かりました。その話、お受けしますぞ!」
え、告白を受け入れてくれた?ナミネは私と交際してくれるの?
ナミネは私の両手を離した。そして私は、支配人に預けていた菜の花とかすみ草の花束と小さい箱をナミネに渡した。
ナミネは箱を開けた。ナミネが星型のサファイアのネックレスを手に取ると私はナミネにネックレスを付けた。
「あ、ありがとうございます」
ナミネが私と交際してくれた。私は心の中で舞い上がった。けれど、周りの意見は厳しかった。
「ねえ、おかしくない?ナミネってラルクと交際してるんでしょ?なのにヨルクとも交際するの?そんなの二股じゃない!祝福出来ないわ」
二股など。ナミネはそのようなことをする女子ではない。私もラルクとセレナールさんが、ほぼ交際状態なのにナミネとラルクが交際をしているというのは少し変だと感じていた。
「あの、セナ王女……」
ラルクが何か言おうとしたのをナミネは遮った。
「ドキドキするから……ヨルクさんといるとドキドキするからヨルクさんからの告白を受け入れたんです!皆さんもドキドキして、その人と一緒にいたいと思うから交際するんじゃないんですか?」
ナミネ……。私は完全な片想いだと思っていたけれど、ナミネは私に少しでも気持ちがあったんだね。この場で嬉し泣きをしてしまいそう。ナミネ、可愛すぎる。抱き締めたくてたまらない。
私は、レストランでナミネと交際しはじめたことを何度も繰り返し考えては幸せな気持ちでいた。
けれど、そんな幸せは、あっという間に崩れてしまった。私とナミネが交際をしはじめた2日後の夜、ナミネはカラクリ家の近くの川に身を投げたのだった。
私とラルクは救急車を呼び、私はナミネに付き添い、ラルクはクレナイ家運転手の車で月城総合病院に向かった。
月城総合病院は、いつの間にか若先生のハル院長に変わっていた。ハル委員長はショウゴ先生の同級生でハルミ先生の元教え子らしい。
ハル委員長は言った。
「解離性愛情欠落症候群の可能性が高いと思う。境界性人格障害や機能不全家族、見捨てられ不安、全般性不安障害に重なる症状はそれなりにあるけれど、ナミネの場合は、姉の死という悲しい体験をし、それを1人で抱えているうちに、自分は1人だと自分を愛してくれる人は誰もいないと強度に考え込むようになったんじゃないのかな。
今のナミネの欠けたものを補えるのはヨルクだと思う。何も特別なことをしなくたって構わない。
それに、ナミネの気持ちが完全にヨルクに向いた時、ナミネは今の大きな不安の波からかなり解放されると思うよ。
入院はナミネとナミネの家族が話し合ってすることも出来る。でも、ナミネは登校を選ぶだろうね。
ヨルクもカサンドラ症候群にならないように、あまり気を張り詰めず、ゆっくりナミネを見守って」
解離性愛情欠落症候群……。はじめて聞く病名である。誰からも可愛がられてきたナミネが、自殺未遂をするほど愛情に飢えていただなんて……。ナミネを救いたい。ナミネに元気になって欲しい。
ナミネ、私を置いて行かないで……。ナミネがいなければ、私には何も残らない。
その時、ナミネは目を覚ました。
「ここはどこですかな?」
「ナミネ!どうして川に身を投げたの?」
私は泣きながらナミネを抱き締めた。
「川に身を投げた……?私が……?何も覚えていないです」
覚えてない……?ナミネの意思ではないのか?
「ナミネは今、或いは普段何を感じているかな?」
ハル委員長の問いかけにナミネはしばらく考えている様子だった。
「私、誰にも愛されないんです。前世でもです。私は好きな人とは一緒になれず、別の人と結婚したものの、殴る蹴るのDVや浮気を毎日され、毎日罵られました。私と結婚した人はモラハラ男ばかりだったんです」
ナミネがそんな男とばかり結婚していただなんて知らなかった。そんなことなら、一生ナミネを待ち続けるべきだった。
「そっか。ナミネは前世を覚えているんだね。そこでの酷い生活の記憶にずっと悩まされてきたのかな。最近、ヨルクと交際したみたいだけど、幸せじゃないのかな?」
ナミネはやはり、ラルクとの交際を望んでいるのだろうか。私ではナミネを幸せには出来ないのだろうか。
「いやな夢は度々見ます。ミドリお姉様の夢も。私には好きな人がいます。いくつかの前世でその人を好きでした。でも、その人には常に好きな人がいたんです。好きな人がいるのに、ヨルクさんといるとドキドキするんです。ヨルクさんと一緒にいたいし、かつて愛し合っていた気がするんです。ヨルクさんといると幸せな気持ちになれます。確実な答えは出ないままヨルクさんと交際してしまいましたが、交際したいんです!」
ナミネの心の中はラルクのみというわけではなかったのか。ナミネが私と交際したいと思ってくれているなら、私は全力でナミネを愛したい。
「そっか。お姉さんのことは本当に何て言ったらいいのか上手な言葉が見つからないけれど、いつかは今とは違うナミネになってお姉さんのことも少しずつ薄らいでいくと思うよ。ヨルクに気持ちがあるなら俺はヨルクとこのまま交際していていいと思う。どちらにしても、曖昧な今のナミネはこれから1つになってくよ。ただ、自分の意思ではないとしても命を絶とうとしたのは事実だから、今後は週3回カウンセリングに来てくれるかな?」
「分かりました」
ハル委員長はカウンセリング予約用紙をナミネに渡した。
その後、私は少しでもナミネのことを知るために解離性愛情欠落症候群の本を買って読んだ。しかし、ナミネはその後も何度か無自覚で川に身を投げ、その度に月城総合病院に運ばれたのであった。
ナミネは、遠い前世、ラルクと少しでも一緒にいるためにミナクお兄様に嫁ぎ、ラルクの死後から7年後の42歳の時に、川に身を投げて自殺をしたと話してくれた。無意識に川に身を投げてしまうのは、ラルクと添い遂げられなかった未練があるからだろうか。
私はナミネを刺激しないように、セリルさんに相談しながらナミネに接した。セリルさんからのメールではこう書かれていた。(メールは一部)
『ヨルクと交際した安心感で、今まで1人で張り詰めていた糸がプツンと切れてしまったのかもしれないね。でも、これは悪いことではなくて、心の膿を出す時期だと僕は思うんだ』
心の膿……。私から見ても今のナミネは多くの問題を抱えすぎていると思う。
ナミネを助けたい。ナミネとの交際を出来るだけ楽しいものにしたい。私はナミネを苦しみから救い出し、ナミネと必ず結婚すると決めたのである。
……
あとがき。
走り書きでは、この場面は、ヨルクと口論になったナミネがラブホテルの4号室で首吊りをし、月城総合病院に運ばれ、ヨルクはナミネへの『好き』の感情は薄れたものの、ナミネを助けたいという設定だった。
でも、ここでは、まだ番人も出ていないし、走り書きでのルームシェアもしていない。
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純愛偏差値 未来編 一人称版 10話
《ヨルク》
私はナミネのことがずっと好きだった。いくつもの前世で想いは届かなかったが、今この瞬間、やっとナミネと交際することが出来た。
片想いだと思っていたけれど、ナミネも完全に私に気持ちがないわけではないようだし、ナミネには少しずつ私のことを好きになってもらえばいい。そう思っている。
小さい頃から妹のようにずっと可愛がってきたナミネ。中学生になって、すっかり大人っぽくなって、髪を下ろしたドレス姿なんか可愛くて可愛くて仕方がない。出来ることなら今すぐ抱き締めたい。
ナミネとのカップル日記もすることが出来たし、ナミネも投稿してくれて、ナミネと1つのことを共有出来るのは本当に嬉しい限りである。
「ねえ、アルフォンス、カップル日記くらいしてあげてもいいじゃない。これじゃあ、ユメさんが可哀想だわ!」
「交際しているからといって、何もみんなと同じことをしなければいけないわけではないだろう」
アルフォンス王子はユメさんを好きではないということか。だったら、何故交際などしている。これではユメさんに失礼だ。私はアルフォンス王子を疑った。
ナミネはカップル日記の他のメンバーの投稿を見ているようだ。私も見てみた。
セレナールさんはラルクとのツーショットを投稿していた。
『大好きなラルクとの食事会』
セナ王女もカラルリさんとのツーショットを投稿している。
『カップル日記をはじめてみた。
カラルリとは最近交際しはじめた。
50本の薔薇の花束とダイヤモンドのネックレスをくれて幸せ。カラルリとはいつかの前世でも交際していたし、その時も50本の薔薇の花束をくれた。運命を感じる。
カラルリとは一生離れない』
カラルリさんは料理を投稿していた。
『セナさんとは一目惚れで交際した。
セナさんを見ていると常にドキドキするし、この気持ちは一生変わらないだろう。
私はセナさんん大切にすると誓う』
本当にカップル日記に書いてあることが実現されればいいのだが。私は現世でも、『時間が経てば飽きてくるというか、だんだん交際当初の気持ちが薄らいで、ちょっと倦怠期』と言っているクラスメイトもいる。人は、時間が経ち親睦を深めたら恋から愛に変わるなどと戯言を言うが、結局のところ、自分がどうしたいかではないだろうか。
相手のいい面を見て好きになり交際しても、近い存在になるからこそ、相手のいやな面も知ることになる。それを上手く受け止め、互いの欠けている部分を補い合ったり支え合いながらも好き合うから交際というものは長続きするものだと思う。
そのためには、強い心が必要になってくる。
私は決してナミネを手放したりはしない。
やっとの思いで交際まで交際まで辿り着けたのに、手放せるわけがない。
「私も交際してるならカップル日記くらいしてあげてもいいと思うんです。好きだから2人で1つのことを共有したくなりませんか?好きだから2人の想い出を残したくありませんか?」
「あのさ、ナミネはそれでいいかもしれないけど、私はいやだからやらない。人のこととやかく言わないでくれる?」
「すみません……ユメさんが可哀想だったもので……」
「カップル日記1つやらないなんて、本当に好きなのかしら?私はアルフォンス王子がユメさんを好きなふうには見えません!」
このメンバーのことは殆ど知らないが、みんな個性が溢れているというか、何となく、強者と弱者に別れているような気がする。
「ラルク、はい、あーん」
「カラルリ、はい、あーん」
ラルクはセレナールさんが口元に持っていった料理を嬉しそうに食べていた。弟のデレデレしているところを見ていると情けなくなる。けれど、ラルクのほうが強いし、私がどれだけ訓練をしてもラルクに届かないのは確か。
その時、ナミネが無言でハンバーグをそのまま私の口に詰め込んだ。私は思わずむせた。
「ナミネ、一気に詰め込まないで」
「はい」
ナミネはセナ王女とセレナールさんを真似たのだろうか。だとしたら嬉しいが、いざ交際してみると、ナミネのことがよく分からない。1番知っているはずなのに、分からなくなってしまうのだ。
「ねえ、もう帰らない?ユメさんとアルフォンス王子のゴタゴタに巻き込まれるのはごめんだし……」
セレナールさんはこんなに強気な人なのだろうか。それとも、バックにラルクが着いているからか?
「そうね、私も2人で話し合うしかないと思うわ」
セレナールさんとセナ王女は立ち上がった。
「待ってよ!みんなで私を助けてよ!」
ユメさんはずっと泣いていた。
「ねえ、どうする?ラルク」
その瞬間、私は、『何故ラルクに聞く』という言葉を必死に抑えた。せっかくナミネと交際出来たのにつまらぬ嫉妬で水の泡にさせるわけにはいかない。
「2人で話し合うしかないな。他者が何言ってもどうせ聞かないだろ」
「私だったらいやだな。交際してるのに、こうまでも意見が食い違って泣く羽目になるだなんて」
「仕方ないだろ!明らかアルフォンス王子はユメさんのこと好きじゃないんだしさ」
「ナミネ、私はちゃんとナミネの意見聞くし、極力ナミネに寄り添いたいと思ってる」
「はい」
私の思いはちゃんと伝わったのだろうか。私はナミネを悲しませたくないし、ナミネを心から幸せにしたいと思っている。
その時、デザートが運ばれて来た。
セナ王女とカラルリさん、セレナールさんとラルクはデザートと共にツーショットを撮っている。
「ナミネ、私たちも撮ろうか」
「はい」
私とナミネもデザートと共にツーショットを撮った。私はナミネとのツーショットを待ち受けにすると共に、カップル日記に投稿をした。すると先にナミネの投稿があった。
『デザートを撮るヨルクさん』
「ナミネ、ツーショットはどうしてるの?」
「個人日記に投稿しています」
「そっか」
私は少し安心した。ナミネは私とのツーショットなどいらないのかと思っていた。けれど、ナミネはちゃんと綴ってくれていたんだ。
セナ王女もカラルリさんとのツーショットを投稿していた。
『いつまでもラブラブ』
「ナミネ、半分ずつ分けようか」
「はい」
私はケーキを半分ずつ分けて互いのお皿に載せた。ナミネは美味しそうにケーキを食べていた。可愛すぎる。どうしようもなくナミネが愛おしい。
「ねえ、ラルク、ユメさんとアルフォンス王子だけここで話し合ってもらって他のメンバーは移動しない?」
「そうだな。もうデザートも食べ終わったし、動けるメンバーだけでも移動すっか」
ユメさん、カラン王子、カナエさん以外は立ち上がった。
「確かにユメさんとアルフォンス王子様の問題であることは変わりません。けれど、カナエは泣いているユメさんを放っておいて、幸せな人だけ先に行くのは間違っていると思うのです。ユメさんが悲しんでいるなら、せめて傍にいてあげませんか?」
「あら、カナエ。いい子ぶっちゃって。毎回毎回、何かあれば私の救出は後回し。あの時、カナエとアルフォンス王子に別れてと叫んでも、あなたたちは私を捨てたじゃない!」
セレナールさんはカナエさんに水をかけた。
「セレナール、やめるのです!カナエはセレナールを助けました!どうしてカナエを恨むのですか!」
「私は毎回このメンバーで集まっては、みんなのイジメの対象にされていた。本当に苦痛で仕方なかったわ!何度訴えても分かってもらえないし、みんなで私を無視するし、悪者にするし。あの時、カナエがアルフォンス王子と別れなかった時点でカナエは卑怯なのよ!ねえ、この時のカナエ、笑えるわ」
セレナールさんはカナエさんに何やら映像を見せているようだった。私のところからは何の映像かよく分からなかった。けれど、カナエさんの叫び声が聞こえてきていた。
「やめるのです!カナエをイジメないでください!」
「こっちのセリフよ!あの時、アルフォンス王子と別れてくれれば私は、あんなふうにはなっていなかったわ!カナエ、よーく見なさい!これが救われないあなたの姿よ!」
その瞬間、カナエさんはセレナールさんを引っぱたいた。ナミネは無言で私の袖を掴んだ。
「ナミネ、今揉めているし、座ってようね」
けれど、ナミネは首を横に振った。そして、ラルクは2つの扇子を重ね合わせパチンと鳴らせた。
「カナエ先輩、今何しました?」
「ラルク、落ち着いて。先にカナエさんに水かけたのはセレナールさんだよ」
「ラルク!カナエはいやなもの見せられました!」
「聞いていると、みんなグルだったわけですね。3分与えます。カナエ先輩を説得してください。説得し切れなければ、セレナール先輩が所有している裏切りの証拠をセイさんのお母様に見せます」
「待って!母さんは関係ないわ!」
「僕は説得してと言っています。ナミネ、3分で説得しきれなければセイさんの家に電話しろ!」
「分かったよ、ラルク」
私は目の前で起きていることが全く分からなかった。たかが、痴話喧嘩で、親を呼び出す?正直くだらない。それを自分の弟がしようとしているだなんて、私は弟の性格さえも知らなかったのか。
もうため息しか出なかった。
「ラルク、何言ってるの?ちょっとした喧嘩じゃない。どうしてセイさんの家に電話するとか言うの?」
「ナミネ、ヨルクお兄様を黙らせろ」
「ヨルクさん、今のラルクに何を言っても届きません。ラルクはセレナールさんに危害が及ぶと前が見えなくなるのです」
「ナミネはラルクの言いなりなの?くだらない」
その瞬間、私はラルクの扇子の操作によって、隣の机にぶつかり、机が倒れ、料理が全部台無しになってしまったのだ。
私が立ち上がると私の前にナミネがいた。
「申し訳ありません。ご注文した料理は再度注文し、お代はこちらで払いますので、どうかお許しください」
「こんなことされて許せるわけないわ!」
隣のテーブル客はナミネを突き飛ばしたが、ナミネは縦に向けた扇子を床に付けるとバランスを取った。
「あの、ぶつかったのは私なのでここのお代は私が支払います。彼女には手を出さないでください」
「はあ?謝って済む問題かよ!」
ラルクの行動で完全にキレてしまった客は私を殴ろうとしたが、ナミネが扇子で止めた。そして、ナミネは扇子で客の肩を叩いた。客は身体に痛みが走ったのかその場に蹲った。
「お代は支払うと言っているでしょう!これ以上暴力行為をしようものなら、もうお代も支払いません!」
「わ、分かった!お代だけ支払ってくれればそれでいい!」
私は、客にお代を支払った。
「行きましょう、ヨルクさん」
「待って!こんなの間違ってる!ナミネはラルクの言うことなら何でも聞くの?それ対等じゃないよね?」
「対等かそうでないかではありません!セレナールさんがアルフォンス王子に突き飛ばされた時、ラルクはカラルリさんとアルフォンス王子を300m上の崖から突き落とそうとしました。ラルクが本気で怒れば誰も手が付けられないんです」
私は頭が真っ白になった。いつも人より何倍も余裕のあるラルクがセレナールさんのこととなれば、手がつけられなくなるだなんて。とてもじゃないけど、信じられなかったのである。
「時間切れです。ナミネ、セイさんの家に電話かけろ!」
「ラルク、1度だけ許してあげて」
「ナミネがかけないなら僕がかける」
私がラルクから携帯を奪い取ろうとした時、コノハ家の長女であるレイカさんがラルクの携帯を奪い取った。
「何してるのかしら?」
「レイカさん、セレナールからカナエに水をかけて、カナエが見たくない映像を見せてカナエがセレナールを叩くとラルクが激怒したんだ」
カラルリさんは訴えかけた。
「あんたたち本当馬鹿ね」
「僕はまだ許してません!」
ラルクが花札を取り出した瞬間、ラルクはレイカさんによって拘束された。一瞬の出来事だった。正直、レイカさんの動きは目に追えなかった。噂には聞いていたものの、レイカさんの右に出るものはいないと言うのは本当だろうか。
ナミネは泣きながらラルクを抱き締めた。
「ラルク、死ぬ時は一緒だよ。でも、セレナールさんは生きてる。生きてるんだよ。私がラルクを守るから、もう気を張り詰めないで」
「ナミネ、悪かった。突然頭に血が上ってどうにも出来なかった」
「ラルク、私はラルクを愛してるよ。世界に2人だけになってもラルクと生き延びるよ」
ナミネはラルクの拘束を解いた。私は咄嗟に嫉妬したが、ナミネとラルクの間には愛情以上の何かがある。何かは分からないけど、私はこの時はじめてナミネとラルクの正確な関係を知ったかもしれない。
「あんたたち、仲良くするのよ」
そう言い残し、レイカさんは去って行った。また、ユメさんとアルフォンス王子のことはカナエさんの説得でアルフォンス王子が折れ、カップル日記をすることとなった。
……
あとがき。
率直に時間軸の部分だけ書き直しました。
カップル日記もセナたちが転校してから1年後にはじめるのですが、一人称版ではセナとカラルリが付き合ってすぐのほうが効率いいかと思ったのです。
色々変わることは多々ありますが、それでも純愛偏差値です。頑張って書いていきます。
《ヨルク》
私はナミネのことがずっと好きだった。いくつもの前世で想いは届かなかったが、今この瞬間、やっとナミネと交際することが出来た。
片想いだと思っていたけれど、ナミネも完全に私に気持ちがないわけではないようだし、ナミネには少しずつ私のことを好きになってもらえばいい。そう思っている。
小さい頃から妹のようにずっと可愛がってきたナミネ。中学生になって、すっかり大人っぽくなって、髪を下ろしたドレス姿なんか可愛くて可愛くて仕方がない。出来ることなら今すぐ抱き締めたい。
ナミネとのカップル日記もすることが出来たし、ナミネも投稿してくれて、ナミネと1つのことを共有出来るのは本当に嬉しい限りである。
「ねえ、アルフォンス、カップル日記くらいしてあげてもいいじゃない。これじゃあ、ユメさんが可哀想だわ!」
「交際しているからといって、何もみんなと同じことをしなければいけないわけではないだろう」
アルフォンス王子はユメさんを好きではないということか。だったら、何故交際などしている。これではユメさんに失礼だ。私はアルフォンス王子を疑った。
ナミネはカップル日記の他のメンバーの投稿を見ているようだ。私も見てみた。
セレナールさんはラルクとのツーショットを投稿していた。
『大好きなラルクとの食事会』
セナ王女もカラルリさんとのツーショットを投稿している。
『カップル日記をはじめてみた。
カラルリとは最近交際しはじめた。
50本の薔薇の花束とダイヤモンドのネックレスをくれて幸せ。カラルリとはいつかの前世でも交際していたし、その時も50本の薔薇の花束をくれた。運命を感じる。
カラルリとは一生離れない』
カラルリさんは料理を投稿していた。
『セナさんとは一目惚れで交際した。
セナさんを見ていると常にドキドキするし、この気持ちは一生変わらないだろう。
私はセナさんん大切にすると誓う』
本当にカップル日記に書いてあることが実現されればいいのだが。私は現世でも、『時間が経てば飽きてくるというか、だんだん交際当初の気持ちが薄らいで、ちょっと倦怠期』と言っているクラスメイトもいる。人は、時間が経ち親睦を深めたら恋から愛に変わるなどと戯言を言うが、結局のところ、自分がどうしたいかではないだろうか。
相手のいい面を見て好きになり交際しても、近い存在になるからこそ、相手のいやな面も知ることになる。それを上手く受け止め、互いの欠けている部分を補い合ったり支え合いながらも好き合うから交際というものは長続きするものだと思う。
そのためには、強い心が必要になってくる。
私は決してナミネを手放したりはしない。
やっとの思いで交際まで交際まで辿り着けたのに、手放せるわけがない。
「私も交際してるならカップル日記くらいしてあげてもいいと思うんです。好きだから2人で1つのことを共有したくなりませんか?好きだから2人の想い出を残したくありませんか?」
「あのさ、ナミネはそれでいいかもしれないけど、私はいやだからやらない。人のこととやかく言わないでくれる?」
「すみません……ユメさんが可哀想だったもので……」
「カップル日記1つやらないなんて、本当に好きなのかしら?私はアルフォンス王子がユメさんを好きなふうには見えません!」
このメンバーのことは殆ど知らないが、みんな個性が溢れているというか、何となく、強者と弱者に別れているような気がする。
「ラルク、はい、あーん」
「カラルリ、はい、あーん」
ラルクはセレナールさんが口元に持っていった料理を嬉しそうに食べていた。弟のデレデレしているところを見ていると情けなくなる。けれど、ラルクのほうが強いし、私がどれだけ訓練をしてもラルクに届かないのは確か。
その時、ナミネが無言でハンバーグをそのまま私の口に詰め込んだ。私は思わずむせた。
「ナミネ、一気に詰め込まないで」
「はい」
ナミネはセナ王女とセレナールさんを真似たのだろうか。だとしたら嬉しいが、いざ交際してみると、ナミネのことがよく分からない。1番知っているはずなのに、分からなくなってしまうのだ。
「ねえ、もう帰らない?ユメさんとアルフォンス王子のゴタゴタに巻き込まれるのはごめんだし……」
セレナールさんはこんなに強気な人なのだろうか。それとも、バックにラルクが着いているからか?
「そうね、私も2人で話し合うしかないと思うわ」
セレナールさんとセナ王女は立ち上がった。
「待ってよ!みんなで私を助けてよ!」
ユメさんはずっと泣いていた。
「ねえ、どうする?ラルク」
その瞬間、私は、『何故ラルクに聞く』という言葉を必死に抑えた。せっかくナミネと交際出来たのにつまらぬ嫉妬で水の泡にさせるわけにはいかない。
「2人で話し合うしかないな。他者が何言ってもどうせ聞かないだろ」
「私だったらいやだな。交際してるのに、こうまでも意見が食い違って泣く羽目になるだなんて」
「仕方ないだろ!明らかアルフォンス王子はユメさんのこと好きじゃないんだしさ」
「ナミネ、私はちゃんとナミネの意見聞くし、極力ナミネに寄り添いたいと思ってる」
「はい」
私の思いはちゃんと伝わったのだろうか。私はナミネを悲しませたくないし、ナミネを心から幸せにしたいと思っている。
その時、デザートが運ばれて来た。
セナ王女とカラルリさん、セレナールさんとラルクはデザートと共にツーショットを撮っている。
「ナミネ、私たちも撮ろうか」
「はい」
私とナミネもデザートと共にツーショットを撮った。私はナミネとのツーショットを待ち受けにすると共に、カップル日記に投稿をした。すると先にナミネの投稿があった。
『デザートを撮るヨルクさん』
「ナミネ、ツーショットはどうしてるの?」
「個人日記に投稿しています」
「そっか」
私は少し安心した。ナミネは私とのツーショットなどいらないのかと思っていた。けれど、ナミネはちゃんと綴ってくれていたんだ。
セナ王女もカラルリさんとのツーショットを投稿していた。
『いつまでもラブラブ』
「ナミネ、半分ずつ分けようか」
「はい」
私はケーキを半分ずつ分けて互いのお皿に載せた。ナミネは美味しそうにケーキを食べていた。可愛すぎる。どうしようもなくナミネが愛おしい。
「ねえ、ラルク、ユメさんとアルフォンス王子だけここで話し合ってもらって他のメンバーは移動しない?」
「そうだな。もうデザートも食べ終わったし、動けるメンバーだけでも移動すっか」
ユメさん、カラン王子、カナエさん以外は立ち上がった。
「確かにユメさんとアルフォンス王子様の問題であることは変わりません。けれど、カナエは泣いているユメさんを放っておいて、幸せな人だけ先に行くのは間違っていると思うのです。ユメさんが悲しんでいるなら、せめて傍にいてあげませんか?」
「あら、カナエ。いい子ぶっちゃって。毎回毎回、何かあれば私の救出は後回し。あの時、カナエとアルフォンス王子に別れてと叫んでも、あなたたちは私を捨てたじゃない!」
セレナールさんはカナエさんに水をかけた。
「セレナール、やめるのです!カナエはセレナールを助けました!どうしてカナエを恨むのですか!」
「私は毎回このメンバーで集まっては、みんなのイジメの対象にされていた。本当に苦痛で仕方なかったわ!何度訴えても分かってもらえないし、みんなで私を無視するし、悪者にするし。あの時、カナエがアルフォンス王子と別れなかった時点でカナエは卑怯なのよ!ねえ、この時のカナエ、笑えるわ」
セレナールさんはカナエさんに何やら映像を見せているようだった。私のところからは何の映像かよく分からなかった。けれど、カナエさんの叫び声が聞こえてきていた。
「やめるのです!カナエをイジメないでください!」
「こっちのセリフよ!あの時、アルフォンス王子と別れてくれれば私は、あんなふうにはなっていなかったわ!カナエ、よーく見なさい!これが救われないあなたの姿よ!」
その瞬間、カナエさんはセレナールさんを引っぱたいた。ナミネは無言で私の袖を掴んだ。
「ナミネ、今揉めているし、座ってようね」
けれど、ナミネは首を横に振った。そして、ラルクは2つの扇子を重ね合わせパチンと鳴らせた。
「カナエ先輩、今何しました?」
「ラルク、落ち着いて。先にカナエさんに水かけたのはセレナールさんだよ」
「ラルク!カナエはいやなもの見せられました!」
「聞いていると、みんなグルだったわけですね。3分与えます。カナエ先輩を説得してください。説得し切れなければ、セレナール先輩が所有している裏切りの証拠をセイさんのお母様に見せます」
「待って!母さんは関係ないわ!」
「僕は説得してと言っています。ナミネ、3分で説得しきれなければセイさんの家に電話しろ!」
「分かったよ、ラルク」
私は目の前で起きていることが全く分からなかった。たかが、痴話喧嘩で、親を呼び出す?正直くだらない。それを自分の弟がしようとしているだなんて、私は弟の性格さえも知らなかったのか。
もうため息しか出なかった。
「ラルク、何言ってるの?ちょっとした喧嘩じゃない。どうしてセイさんの家に電話するとか言うの?」
「ナミネ、ヨルクお兄様を黙らせろ」
「ヨルクさん、今のラルクに何を言っても届きません。ラルクはセレナールさんに危害が及ぶと前が見えなくなるのです」
「ナミネはラルクの言いなりなの?くだらない」
その瞬間、私はラルクの扇子の操作によって、隣の机にぶつかり、机が倒れ、料理が全部台無しになってしまったのだ。
私が立ち上がると私の前にナミネがいた。
「申し訳ありません。ご注文した料理は再度注文し、お代はこちらで払いますので、どうかお許しください」
「こんなことされて許せるわけないわ!」
隣のテーブル客はナミネを突き飛ばしたが、ナミネは縦に向けた扇子を床に付けるとバランスを取った。
「あの、ぶつかったのは私なのでここのお代は私が支払います。彼女には手を出さないでください」
「はあ?謝って済む問題かよ!」
ラルクの行動で完全にキレてしまった客は私を殴ろうとしたが、ナミネが扇子で止めた。そして、ナミネは扇子で客の肩を叩いた。客は身体に痛みが走ったのかその場に蹲った。
「お代は支払うと言っているでしょう!これ以上暴力行為をしようものなら、もうお代も支払いません!」
「わ、分かった!お代だけ支払ってくれればそれでいい!」
私は、客にお代を支払った。
「行きましょう、ヨルクさん」
「待って!こんなの間違ってる!ナミネはラルクの言うことなら何でも聞くの?それ対等じゃないよね?」
「対等かそうでないかではありません!セレナールさんがアルフォンス王子に突き飛ばされた時、ラルクはカラルリさんとアルフォンス王子を300m上の崖から突き落とそうとしました。ラルクが本気で怒れば誰も手が付けられないんです」
私は頭が真っ白になった。いつも人より何倍も余裕のあるラルクがセレナールさんのこととなれば、手がつけられなくなるだなんて。とてもじゃないけど、信じられなかったのである。
「時間切れです。ナミネ、セイさんの家に電話かけろ!」
「ラルク、1度だけ許してあげて」
「ナミネがかけないなら僕がかける」
私がラルクから携帯を奪い取ろうとした時、コノハ家の長女であるレイカさんがラルクの携帯を奪い取った。
「何してるのかしら?」
「レイカさん、セレナールからカナエに水をかけて、カナエが見たくない映像を見せてカナエがセレナールを叩くとラルクが激怒したんだ」
カラルリさんは訴えかけた。
「あんたたち本当馬鹿ね」
「僕はまだ許してません!」
ラルクが花札を取り出した瞬間、ラルクはレイカさんによって拘束された。一瞬の出来事だった。正直、レイカさんの動きは目に追えなかった。噂には聞いていたものの、レイカさんの右に出るものはいないと言うのは本当だろうか。
ナミネは泣きながらラルクを抱き締めた。
「ラルク、死ぬ時は一緒だよ。でも、セレナールさんは生きてる。生きてるんだよ。私がラルクを守るから、もう気を張り詰めないで」
「ナミネ、悪かった。突然頭に血が上ってどうにも出来なかった」
「ラルク、私はラルクを愛してるよ。世界に2人だけになってもラルクと生き延びるよ」
ナミネはラルクの拘束を解いた。私は咄嗟に嫉妬したが、ナミネとラルクの間には愛情以上の何かがある。何かは分からないけど、私はこの時はじめてナミネとラルクの正確な関係を知ったかもしれない。
「あんたたち、仲良くするのよ」
そう言い残し、レイカさんは去って行った。また、ユメさんとアルフォンス王子のことはカナエさんの説得でアルフォンス王子が折れ、カップル日記をすることとなった。
……
あとがき。
率直に時間軸の部分だけ書き直しました。
カップル日記もセナたちが転校してから1年後にはじめるのですが、一人称版ではセナとカラルリが付き合ってすぐのほうが効率いいかと思ったのです。
色々変わることは多々ありますが、それでも純愛偏差値です。頑張って書いていきます。
純愛偏差値 未来編 一人称版 9話
《ナミネ》
今日は、先日、妖精村学園の高等部に転校してきたカラン王子の食事会。カラン王子はセナ王女とアルフォンス王子の弟君に当たる。ただ、お母様は王妃なのである。
ヨルクさんは来るのだろうか。
一応、メールでは
『食事会には行く』
と一言来ていたけれども。
私の胸はソワソワしていた。
ラルクが死ぬほど好きなのに。後追い自殺までしたのに。ヨルクさんと一緒にいると幸せでドキドキして、まるで、1つの青春をしているようだった。
私はセナ王女のパーティーで着たのと同じドレスを着て、髪はセナ王女の別荘のパーティーとは違って、長い髪を下ろして巻いて、ハーフアップにし、かすみ草のバレッタで止めた。
準備が出来ると、私はナノハナ家運転手の車で、五つ星ホテルのレストランに向かった。
レストランに入ると、ヨルクさんとユメさんとカラン王子がいた。私は嬉しくてヨルクさんに駆け寄った。
「ヨルクさん、来てくれたんですね!」
「この前(助けてくれた)礼だ」
私はカラン王子を見た。
「はじめまして。ナノハナ家 4女のナミネと申します。セナ王女とアルフォンス王子とは仲良くさせてもらっています。カラン王子とも仲良くなりたいのでよろしくお願いします」
「はじめまして。カランです。姉と兄から聞いていましたが、可愛らしい方ですね。こちらこそ仲良くしていただけると嬉しいです。今日は僕の奢りですので好きなものをたくさん食べてください」
「ありがとうございます」
私はヨルクさんの隣に座った。
フォーマル姿のヨルクさんカッコよすぎる!私はヨルクさんを見つめた。するとヨルクさんと目が合って私は目を逸らした。
「ナミネにしては早いな」
「ラルク、セレナールさんのお迎え行ってたの?」
「ああ、クレナイ家の車でだけどな」
そして、セナ王女、カラルリさん、カナエさん、アルフォンス王子も揃った。
「ねえ、ラルク、何食べる?」
「ナミネ、バイキングも食べるんだろ。だったら軽いものにしとけよ」
「うーん、分かった」
私はメニューを見たけどよく分からなかったのである。するとヨルクさんが、自分はオムライスコースにするから、私はバイキングのみにするよう言って、私はそうすることにした。
「ヨルクさんは、こういうお店、よく来るんですか?」
「全く行かない」
「あ、今日は皆さん、おめかししてますね」
「私は王室でいた時と何ら変わらないけどね」
セナ王女の発言に私は苦笑した。
「カナエは未来の旦那様のために張り切りました!」
「カナエさん、今から結婚考えているのですか?」
「そういうわけではありませんが、もし、この先、カナエを愛してくれる人と出会えたらカナエは誠心誠意、その方に尽くしたいと思っています」
「カナエさんは変わりませんな」
カナエさんは、キクリ家のお嬢様として生まれたものの、小さい頃から使用人と同じように下働きをしていて、家事のエキスパートで、今はキクリ食堂の中級料理人の指導をしているのである。
「カナエと結婚する人は幸せだな」
「アルフォンス王子様こそ、素敵な方なのでカナエはユメさんが羨ましいです」
カナエさんて、多くの縁談も来てるし、家事は完璧に熟すし、可愛いし、女の子らしいけど、こういうところアザトイんだよなあ。アルフォンス王子もアルフォンス王子で、どうして、気持ちもないのにユメさんと交際したのだろう。
「あ、セナ王女とカラルリさんは交際したばかりでラブラブですか?」
「めちゃくちゃラブラブよ!カラルリったら、ずっと私にくっついてくるの」
「セナさんは初恋の人だし、正直セナさん以上の人はいないと思っている」
「いいなあ……私なんか好きな人には気づいてもらえないし、ドキドキする人には冷たくされるし、私も縁のある人と交際して、楽しい中学生活送りたいです」
私は思わず本音が出てしまった。カラルリさんの告白とセナ王女の返事は、もはや誰もが羨むカップルの誕生だったわけだし、私はただただ羨ましくてしかなかったのだ。
その時、フリードリンクにトロピカルウォーターが追加された。
「ねえ、ラルク、トロピカルウォーターが追加されたよ。行こうよ」
「そうだな。一応入れておくか」
私とラルクはフリードリンクのところへ向かった。その時、私はセレナールさんが不安げにしていることを全く知らなかったのである。
トロピカルウォーターを入れた私とラルクは席に戻った。
「はい、ヨルクさんの分です」
「欲しいと言った覚えはない」
「そうですか。では、私が2杯飲みます」
「いらないとも言ってない」
そう言うとヨルクさんはトロピカルウォーターを飲みはじめた。私は不安になっていた。今のヨルクさんが分からない。昨日、ナノハお姉様から、ヨルクさんは今も私に縁談を持って来ていると聞いたけれど、だったら、どうしてこんなに冷たいの?
遠い前世では、お嫁さんが何しようと全部許していたのに。ヨルクさんに冷たくされた私は椅子をラルクの方に近付けた。
その時、みんなが注文した料理が運ばれて来た。
「ラルク、バイキング行こうよ」
「そうだな。ナミネ、あんま入れすぎんなよ」
「じゃあ、ラルクが入れてよ」
「ナミネの分は私が入れる」
そう言うとヨルクさんは立ち上がった。
「あ、いえ、自分で入れるのでヨルクさんは座っててください」
私が言うもののヨルクさんはバイキングのほうへ向かってしまった。
「ラルク、セレナールさんとはどう?」
「順調だと思うけどな」
「そっか、良かったね」
「ナミネさあ、こういう場をもっと活用したらどうだ?」
「え、でも、ラルク、前に私の好きな人一緒に探してくれるって言ったよね?」
「無駄話はそこまでにして!戻るよ!」
ただ、ラルクと話していただけなのに、ヨルクさんは勝手に怒って席に戻って行った。私も渋々席に戻った。すると、椅子が元に戻してあったのである。支配人が戻したのだろうか。
ヨルクさんは私の好きなものを綺麗に盛り付けてあった。私は思わず写真に撮った。
「皆さんはSNSとかやってますか?私はネットを通さない個人日記をしています」
「カナエは何もしてません」
「私も特にしてないな」
カナエさんとアルフォンス王子は特に何もしてないようだった。
「私とカラルリはカップル日記はじめたの」
カップル日記とは、互いの電話番号を入れて、パートナーの日記と連携し、どちらも綴れるようになっていた。また、他のカップルの電話番号を入力したら、フレンドとなり、フレンドになったカップルは、他のカップル日記を閲覧することが可能なシステムアプリである。
「カップル日記かあ。時代ですな。私も彼氏がいたらやってみたいです!」
そして、私は立ち上がって、さっきラルクの言っていたことを実行に移した。近くのテーブルの同い年くらいの男の子に声をかけてみた。
「はじめまして!ナノハナ家 4女のナミネです。良かったら交際しませんか?」
その後も私が同年代の男の子に話しかけていると、ラルクとヨルクさんが連れ戻しに来た。
「ねえ、どういうこと?私の知らないところで浮気してたの?」
「違うよ!はじめて見る子だよ!」
「君、可愛いね。連作先教えてよ」
「彼女とは別れるつもりだったから、今からフリーだよ」
「あの、すみません、何でもありません」
そう言うとヨルクさんは私の手を引っ張り席に座らせた。
「ナミネさあ、なんでいきなり告白なんだよ」
「だって、ラルクがこういう場を活用しろって言ったんじゃん」
「そういう意味で言ったんじゃなくてさ。僕は友達を作れって意味で言ったんだよ」
「分かった。じゃあ、もう一度行ってくるよ」
その時、ヨルクさんが私の手を掴んだ。そして立ち上がった。
え、今度は何?私また怒られるの?
「ナミネ、私と結婚を前提に交際して欲しい」
け、結婚!?ヨルクさんが私と……?どうしていきなり?ヨルクさん、私に冷たいのに。
「ほう、ヨルクさんは私に興味をお持ちかな?」
私も立ち上がった。そして、ヨルクさんに手を掴まれたままヨルクさんと向き合った。
「正直、恋愛感情があるわけではないけれど、未来の結婚相手として結婚を前提に交際して欲しい。ナミネはこのままラルクと交際を続けても口を挟まないしナミネの気になる人に対しても口を挟まなければ、ナミネのプライベートにも口を挟まない。出来れば今すぐ返事が欲しい」
恋愛感情があるわけではないって何?恋愛感情のない私と結婚したいってどういうこと?正直、私には理解が追いつかなかった。でも、今すぐ返事をしなければ、このチャンスは逃してしまう。
私は一度ヨルクさんに掴まれた手を離し、ヨルクさんの両手を握り、真剣にヨルクさんを見た。
「ふむふむ、つまり、ゆくゆくは私とヨルクさんは、結婚をするというわけですかな?」
「そういうことになる」
多分、私の答えは決まっていた。最初から決まっていたんだと思う。ラルクを死ぬほど好きながら、ヨルクさんと交際だなんて狡いのは100も承知だけれど、私はヨルクさんをキープしたいわけでもなく、ただ彼氏が欲しいからでもなく、ヨルクさんと一緒にいたいのだ。
「分かりました。その話、お受けしますぞ!」
私はヨルクさんの両手を離した。すると、ヨルクさんは、支配人に預けていただろう菜の花とかすみ草の花束と小さい箱を私に渡した。
私は箱を開けた。すると、星型のサファイアのネックレスが入っていた。私が身につけようとすると、ヨルクさんが付けてくれた。
「あ、ありがとうございます」
「ねえ、おかしくない?ナミネってラルクと交際してるんでしょ?なのにヨルクとも交際するの?そんなの二股じゃない!祝福出来ないわ」
そっか。表向きにはラルクとは交際しているわけだから、いくらヨルクさんと交際しても、みんなからしてみたら二股になってしまうのか。そこまで考えてなかった。
「あの、セナ王女……」
ラルクが何か言おうとしたのを私は遮った。
「ドキドキするから……ヨルクさんといるとドキドキするからヨルクさんからの告白を受け入れたんです!皆さんもドキドキして、その人と一緒にいたいと思うから交際するんじゃないんですか?」
「ナミネ、ハッキリ言うけど、私はセナさんに一生ドキドキしてるけど、大抵のカップルは交際当初のドキドキ感なんて一定期間経てばなくなる。ナミネはイケメンなヨルクに一時的にドキドキしてるだけじゃないのか?そんな交際、私は続かないと思うけどね。ヨルクだって、いつかはナミネに飽きる」
せっかくヨルクさんと交際したのに誰も祝福してくれない。みんなの言い分は分からないでもないけど、私だって、必死にラルクとセレナールさんの幸せを応援してるつもり。それに、カラルリさんは一生セナ王女にドキドキしてるって言ってたけど、未来のことなんて、どうして今ハッキリと言えるの?
「カナエは、ヨルクがいいと言うのならナミネとヨルクの交際は悪いことではないと思います。ヨルクは昔からナミネのことを1番に可愛がっていましたし」
「あら、そうかしら。そのヨルクは、恋愛感情はないって言ってたわよ。恋愛感情がないのに交際だなんて、まるで女遊びね」
「ヨルクさんを悪くいうのはやめてください!結婚というのは、互いに愛情を分け合っていくんです。ヨルクさんは、何度も私に縁談を持って来てくれていました。小学生の頃からずっとです!姉のことがあってから、両親は縁談を私に伝えませんでしたが、今でもナノハナ家に来て、私に縁談を持ってくる時点でヨルクさんは私と交際したいんです!それに、私、ヨルクさんから『好き』って言ってもらいました!」
ヨルクさんを悪く言われ、私はムキになった。ヨルクさんは確かに小学生の頃、私が
『ヨルクさんは私のこと好きですか?』
と聞くと、ヨルクさんは
『うん、好き!凄く好き!ナミネと結婚したい!』
って言っていた。
それに、好きじゃないなら、今も私に縁談なんか持ってこない。
「じゃあ、ナミネの二股が問題ね。2人の男と交際だなんて、おふざけもいいとこね」
やっぱり、セナ王女はどこまでも攻撃してくる。どうして?カラルリさんと幸せじゃないの?
「あの、やめてもらえませんか?私は軽い気持ちでナミネに告白したのではありません。皆さんがどう解釈されようと、ナミネと交際したいから告白したんです。ナミネは二股出来るような子ではありません」
ヨルクさん……。私、きっとヨルクさんのこと好きになるよ。ラルクのことどうしてこんなに好きでたまらないのか分からない。ヨルクさんといると、安心したりドキドキするのも分からない。でも、私はヨルクさんと幸せになる。
「カラルリ、カップル日記ダウンロード出来た?」
「出来たよ、セナさん」
「ナミネは個人日記してるの?」
「はい、写真と共に日記をつけています」
私はヨルクさんに、個人日記を見せた。
「そっか、じゃあ私もする」
ヨルクさんは個人日記をダウンロードした。
「ナミネ、カップル日記もしよう」
「カップル日記ですか?でも、ヨルクさんは個人日記もするんですよね?2つも大変じゃないですか?」
「個人日記はナミネがしてるから。カップル日記はどちらが綴ってもいいなら私が書くし、ナミネは無理して書かなくていいよ」
ここへ来た時は冷たかったヨルクさんが、今は温かい。いったいどうしてなのだろう。私はヨルクさんを小さい頃から知っている。でも、全てを知らない。また冷たくなったりするのかな。それでも、私はヨルクさんと交際していたい。
「分かりました。カップル日記します!」
私とヨルクさんはカップル日記をダウンロードし、互いの電話番号を入れて連携をした。すると、セナ王女とカラルリさん、セレナールさんとラルクからフレンド申請があった。私は全てを許可した。
ヨルクさんは私とのツーショットを撮るとカップル日記に投稿した。
『2019年7月17日。
ナミネと交際をはじめた。
はじめての記念写真。
ナミネ、告白受け入れてくれてありがとう』
クールで人を寄せ付けないヨルクさんがカップル日記だなんて、私はとても驚いていた。けれど、それだけ私を大切にしてくれているのかもしれない。小さい頃からずっと。
だから、セナ王女に負けたりしない。私とヨルクさんの関係はセナ王女とカラルリさんの関係よりずっと長いんだから。
そして、私は個人日記にヨルクさんとのツーショットを載せ、カップル日記にはヨルクさんがサラダを食べている写真を載せた。
個人日記には
『今日、突然ヨルクさんから告白をされた。
私はそれを受け入れた。
ヨルクさんを大切にしたいし、ヨルクさんと一緒にいたい。ヨルクさんと一緒にいると、とても落ち着く。
これって恋なのかな?
でも、今の私はとても幸せなのである』
と書き、カップル日記には
『サラダを食べるヨルクさん』
と書いた。
「あ、ラルクとセレナールさんもカップル日記はじめたんだね」
「うん、セレナール先輩に勧められてダウンロードした」
「アルフォンス様、私とカップル日記してください」
「ごめん、それは出来ない」
その瞬間、ユメさんは大泣きをした。私とヨルクさんの交際よりユメさんとアルフォンス王子の交際の方が問題あるじゃん。
それに交際しているのにカップル日記1つしたくないだなんて、あんまりだと私は思ったのである。
……
あとがき。
走り書きではナミネとヨルクが交際した日は9月17日ですが、そこまで待っていると話が進まないので、早めちゃいました!
果たしてナミネはセナにラルクとは交際していないと話すのでしょうか?
カラルリは本当に一生セナにドキドキしているのかな?
私個人としてはナミネとヨルクをどこまでも応援したいです!
この話、まだ続けようと思いますが、長くなったので一旦切りました。
《ナミネ》
今日は、先日、妖精村学園の高等部に転校してきたカラン王子の食事会。カラン王子はセナ王女とアルフォンス王子の弟君に当たる。ただ、お母様は王妃なのである。
ヨルクさんは来るのだろうか。
一応、メールでは
『食事会には行く』
と一言来ていたけれども。
私の胸はソワソワしていた。
ラルクが死ぬほど好きなのに。後追い自殺までしたのに。ヨルクさんと一緒にいると幸せでドキドキして、まるで、1つの青春をしているようだった。
私はセナ王女のパーティーで着たのと同じドレスを着て、髪はセナ王女の別荘のパーティーとは違って、長い髪を下ろして巻いて、ハーフアップにし、かすみ草のバレッタで止めた。
準備が出来ると、私はナノハナ家運転手の車で、五つ星ホテルのレストランに向かった。
レストランに入ると、ヨルクさんとユメさんとカラン王子がいた。私は嬉しくてヨルクさんに駆け寄った。
「ヨルクさん、来てくれたんですね!」
「この前(助けてくれた)礼だ」
私はカラン王子を見た。
「はじめまして。ナノハナ家 4女のナミネと申します。セナ王女とアルフォンス王子とは仲良くさせてもらっています。カラン王子とも仲良くなりたいのでよろしくお願いします」
「はじめまして。カランです。姉と兄から聞いていましたが、可愛らしい方ですね。こちらこそ仲良くしていただけると嬉しいです。今日は僕の奢りですので好きなものをたくさん食べてください」
「ありがとうございます」
私はヨルクさんの隣に座った。
フォーマル姿のヨルクさんカッコよすぎる!私はヨルクさんを見つめた。するとヨルクさんと目が合って私は目を逸らした。
「ナミネにしては早いな」
「ラルク、セレナールさんのお迎え行ってたの?」
「ああ、クレナイ家の車でだけどな」
そして、セナ王女、カラルリさん、カナエさん、アルフォンス王子も揃った。
「ねえ、ラルク、何食べる?」
「ナミネ、バイキングも食べるんだろ。だったら軽いものにしとけよ」
「うーん、分かった」
私はメニューを見たけどよく分からなかったのである。するとヨルクさんが、自分はオムライスコースにするから、私はバイキングのみにするよう言って、私はそうすることにした。
「ヨルクさんは、こういうお店、よく来るんですか?」
「全く行かない」
「あ、今日は皆さん、おめかししてますね」
「私は王室でいた時と何ら変わらないけどね」
セナ王女の発言に私は苦笑した。
「カナエは未来の旦那様のために張り切りました!」
「カナエさん、今から結婚考えているのですか?」
「そういうわけではありませんが、もし、この先、カナエを愛してくれる人と出会えたらカナエは誠心誠意、その方に尽くしたいと思っています」
「カナエさんは変わりませんな」
カナエさんは、キクリ家のお嬢様として生まれたものの、小さい頃から使用人と同じように下働きをしていて、家事のエキスパートで、今はキクリ食堂の中級料理人の指導をしているのである。
「カナエと結婚する人は幸せだな」
「アルフォンス王子様こそ、素敵な方なのでカナエはユメさんが羨ましいです」
カナエさんて、多くの縁談も来てるし、家事は完璧に熟すし、可愛いし、女の子らしいけど、こういうところアザトイんだよなあ。アルフォンス王子もアルフォンス王子で、どうして、気持ちもないのにユメさんと交際したのだろう。
「あ、セナ王女とカラルリさんは交際したばかりでラブラブですか?」
「めちゃくちゃラブラブよ!カラルリったら、ずっと私にくっついてくるの」
「セナさんは初恋の人だし、正直セナさん以上の人はいないと思っている」
「いいなあ……私なんか好きな人には気づいてもらえないし、ドキドキする人には冷たくされるし、私も縁のある人と交際して、楽しい中学生活送りたいです」
私は思わず本音が出てしまった。カラルリさんの告白とセナ王女の返事は、もはや誰もが羨むカップルの誕生だったわけだし、私はただただ羨ましくてしかなかったのだ。
その時、フリードリンクにトロピカルウォーターが追加された。
「ねえ、ラルク、トロピカルウォーターが追加されたよ。行こうよ」
「そうだな。一応入れておくか」
私とラルクはフリードリンクのところへ向かった。その時、私はセレナールさんが不安げにしていることを全く知らなかったのである。
トロピカルウォーターを入れた私とラルクは席に戻った。
「はい、ヨルクさんの分です」
「欲しいと言った覚えはない」
「そうですか。では、私が2杯飲みます」
「いらないとも言ってない」
そう言うとヨルクさんはトロピカルウォーターを飲みはじめた。私は不安になっていた。今のヨルクさんが分からない。昨日、ナノハお姉様から、ヨルクさんは今も私に縁談を持って来ていると聞いたけれど、だったら、どうしてこんなに冷たいの?
遠い前世では、お嫁さんが何しようと全部許していたのに。ヨルクさんに冷たくされた私は椅子をラルクの方に近付けた。
その時、みんなが注文した料理が運ばれて来た。
「ラルク、バイキング行こうよ」
「そうだな。ナミネ、あんま入れすぎんなよ」
「じゃあ、ラルクが入れてよ」
「ナミネの分は私が入れる」
そう言うとヨルクさんは立ち上がった。
「あ、いえ、自分で入れるのでヨルクさんは座っててください」
私が言うもののヨルクさんはバイキングのほうへ向かってしまった。
「ラルク、セレナールさんとはどう?」
「順調だと思うけどな」
「そっか、良かったね」
「ナミネさあ、こういう場をもっと活用したらどうだ?」
「え、でも、ラルク、前に私の好きな人一緒に探してくれるって言ったよね?」
「無駄話はそこまでにして!戻るよ!」
ただ、ラルクと話していただけなのに、ヨルクさんは勝手に怒って席に戻って行った。私も渋々席に戻った。すると、椅子が元に戻してあったのである。支配人が戻したのだろうか。
ヨルクさんは私の好きなものを綺麗に盛り付けてあった。私は思わず写真に撮った。
「皆さんはSNSとかやってますか?私はネットを通さない個人日記をしています」
「カナエは何もしてません」
「私も特にしてないな」
カナエさんとアルフォンス王子は特に何もしてないようだった。
「私とカラルリはカップル日記はじめたの」
カップル日記とは、互いの電話番号を入れて、パートナーの日記と連携し、どちらも綴れるようになっていた。また、他のカップルの電話番号を入力したら、フレンドとなり、フレンドになったカップルは、他のカップル日記を閲覧することが可能なシステムアプリである。
「カップル日記かあ。時代ですな。私も彼氏がいたらやってみたいです!」
そして、私は立ち上がって、さっきラルクの言っていたことを実行に移した。近くのテーブルの同い年くらいの男の子に声をかけてみた。
「はじめまして!ナノハナ家 4女のナミネです。良かったら交際しませんか?」
その後も私が同年代の男の子に話しかけていると、ラルクとヨルクさんが連れ戻しに来た。
「ねえ、どういうこと?私の知らないところで浮気してたの?」
「違うよ!はじめて見る子だよ!」
「君、可愛いね。連作先教えてよ」
「彼女とは別れるつもりだったから、今からフリーだよ」
「あの、すみません、何でもありません」
そう言うとヨルクさんは私の手を引っ張り席に座らせた。
「ナミネさあ、なんでいきなり告白なんだよ」
「だって、ラルクがこういう場を活用しろって言ったんじゃん」
「そういう意味で言ったんじゃなくてさ。僕は友達を作れって意味で言ったんだよ」
「分かった。じゃあ、もう一度行ってくるよ」
その時、ヨルクさんが私の手を掴んだ。そして立ち上がった。
え、今度は何?私また怒られるの?
「ナミネ、私と結婚を前提に交際して欲しい」
け、結婚!?ヨルクさんが私と……?どうしていきなり?ヨルクさん、私に冷たいのに。
「ほう、ヨルクさんは私に興味をお持ちかな?」
私も立ち上がった。そして、ヨルクさんに手を掴まれたままヨルクさんと向き合った。
「正直、恋愛感情があるわけではないけれど、未来の結婚相手として結婚を前提に交際して欲しい。ナミネはこのままラルクと交際を続けても口を挟まないしナミネの気になる人に対しても口を挟まなければ、ナミネのプライベートにも口を挟まない。出来れば今すぐ返事が欲しい」
恋愛感情があるわけではないって何?恋愛感情のない私と結婚したいってどういうこと?正直、私には理解が追いつかなかった。でも、今すぐ返事をしなければ、このチャンスは逃してしまう。
私は一度ヨルクさんに掴まれた手を離し、ヨルクさんの両手を握り、真剣にヨルクさんを見た。
「ふむふむ、つまり、ゆくゆくは私とヨルクさんは、結婚をするというわけですかな?」
「そういうことになる」
多分、私の答えは決まっていた。最初から決まっていたんだと思う。ラルクを死ぬほど好きながら、ヨルクさんと交際だなんて狡いのは100も承知だけれど、私はヨルクさんをキープしたいわけでもなく、ただ彼氏が欲しいからでもなく、ヨルクさんと一緒にいたいのだ。
「分かりました。その話、お受けしますぞ!」
私はヨルクさんの両手を離した。すると、ヨルクさんは、支配人に預けていただろう菜の花とかすみ草の花束と小さい箱を私に渡した。
私は箱を開けた。すると、星型のサファイアのネックレスが入っていた。私が身につけようとすると、ヨルクさんが付けてくれた。
「あ、ありがとうございます」
「ねえ、おかしくない?ナミネってラルクと交際してるんでしょ?なのにヨルクとも交際するの?そんなの二股じゃない!祝福出来ないわ」
そっか。表向きにはラルクとは交際しているわけだから、いくらヨルクさんと交際しても、みんなからしてみたら二股になってしまうのか。そこまで考えてなかった。
「あの、セナ王女……」
ラルクが何か言おうとしたのを私は遮った。
「ドキドキするから……ヨルクさんといるとドキドキするからヨルクさんからの告白を受け入れたんです!皆さんもドキドキして、その人と一緒にいたいと思うから交際するんじゃないんですか?」
「ナミネ、ハッキリ言うけど、私はセナさんに一生ドキドキしてるけど、大抵のカップルは交際当初のドキドキ感なんて一定期間経てばなくなる。ナミネはイケメンなヨルクに一時的にドキドキしてるだけじゃないのか?そんな交際、私は続かないと思うけどね。ヨルクだって、いつかはナミネに飽きる」
せっかくヨルクさんと交際したのに誰も祝福してくれない。みんなの言い分は分からないでもないけど、私だって、必死にラルクとセレナールさんの幸せを応援してるつもり。それに、カラルリさんは一生セナ王女にドキドキしてるって言ってたけど、未来のことなんて、どうして今ハッキリと言えるの?
「カナエは、ヨルクがいいと言うのならナミネとヨルクの交際は悪いことではないと思います。ヨルクは昔からナミネのことを1番に可愛がっていましたし」
「あら、そうかしら。そのヨルクは、恋愛感情はないって言ってたわよ。恋愛感情がないのに交際だなんて、まるで女遊びね」
「ヨルクさんを悪くいうのはやめてください!結婚というのは、互いに愛情を分け合っていくんです。ヨルクさんは、何度も私に縁談を持って来てくれていました。小学生の頃からずっとです!姉のことがあってから、両親は縁談を私に伝えませんでしたが、今でもナノハナ家に来て、私に縁談を持ってくる時点でヨルクさんは私と交際したいんです!それに、私、ヨルクさんから『好き』って言ってもらいました!」
ヨルクさんを悪く言われ、私はムキになった。ヨルクさんは確かに小学生の頃、私が
『ヨルクさんは私のこと好きですか?』
と聞くと、ヨルクさんは
『うん、好き!凄く好き!ナミネと結婚したい!』
って言っていた。
それに、好きじゃないなら、今も私に縁談なんか持ってこない。
「じゃあ、ナミネの二股が問題ね。2人の男と交際だなんて、おふざけもいいとこね」
やっぱり、セナ王女はどこまでも攻撃してくる。どうして?カラルリさんと幸せじゃないの?
「あの、やめてもらえませんか?私は軽い気持ちでナミネに告白したのではありません。皆さんがどう解釈されようと、ナミネと交際したいから告白したんです。ナミネは二股出来るような子ではありません」
ヨルクさん……。私、きっとヨルクさんのこと好きになるよ。ラルクのことどうしてこんなに好きでたまらないのか分からない。ヨルクさんといると、安心したりドキドキするのも分からない。でも、私はヨルクさんと幸せになる。
「カラルリ、カップル日記ダウンロード出来た?」
「出来たよ、セナさん」
「ナミネは個人日記してるの?」
「はい、写真と共に日記をつけています」
私はヨルクさんに、個人日記を見せた。
「そっか、じゃあ私もする」
ヨルクさんは個人日記をダウンロードした。
「ナミネ、カップル日記もしよう」
「カップル日記ですか?でも、ヨルクさんは個人日記もするんですよね?2つも大変じゃないですか?」
「個人日記はナミネがしてるから。カップル日記はどちらが綴ってもいいなら私が書くし、ナミネは無理して書かなくていいよ」
ここへ来た時は冷たかったヨルクさんが、今は温かい。いったいどうしてなのだろう。私はヨルクさんを小さい頃から知っている。でも、全てを知らない。また冷たくなったりするのかな。それでも、私はヨルクさんと交際していたい。
「分かりました。カップル日記します!」
私とヨルクさんはカップル日記をダウンロードし、互いの電話番号を入れて連携をした。すると、セナ王女とカラルリさん、セレナールさんとラルクからフレンド申請があった。私は全てを許可した。
ヨルクさんは私とのツーショットを撮るとカップル日記に投稿した。
『2019年7月17日。
ナミネと交際をはじめた。
はじめての記念写真。
ナミネ、告白受け入れてくれてありがとう』
クールで人を寄せ付けないヨルクさんがカップル日記だなんて、私はとても驚いていた。けれど、それだけ私を大切にしてくれているのかもしれない。小さい頃からずっと。
だから、セナ王女に負けたりしない。私とヨルクさんの関係はセナ王女とカラルリさんの関係よりずっと長いんだから。
そして、私は個人日記にヨルクさんとのツーショットを載せ、カップル日記にはヨルクさんがサラダを食べている写真を載せた。
個人日記には
『今日、突然ヨルクさんから告白をされた。
私はそれを受け入れた。
ヨルクさんを大切にしたいし、ヨルクさんと一緒にいたい。ヨルクさんと一緒にいると、とても落ち着く。
これって恋なのかな?
でも、今の私はとても幸せなのである』
と書き、カップル日記には
『サラダを食べるヨルクさん』
と書いた。
「あ、ラルクとセレナールさんもカップル日記はじめたんだね」
「うん、セレナール先輩に勧められてダウンロードした」
「アルフォンス様、私とカップル日記してください」
「ごめん、それは出来ない」
その瞬間、ユメさんは大泣きをした。私とヨルクさんの交際よりユメさんとアルフォンス王子の交際の方が問題あるじゃん。
それに交際しているのにカップル日記1つしたくないだなんて、あんまりだと私は思ったのである。
……
あとがき。
走り書きではナミネとヨルクが交際した日は9月17日ですが、そこまで待っていると話が進まないので、早めちゃいました!
果たしてナミネはセナにラルクとは交際していないと話すのでしょうか?
カラルリは本当に一生セナにドキドキしているのかな?
私個人としてはナミネとヨルクをどこまでも応援したいです!
この話、まだ続けようと思いますが、長くなったので一旦切りました。
純愛偏差値 未来編 一人称版 8話
《ヨルク》
あのパーティーの後、ナミネはクレナイ家に来た。けれど、ナミネはラルクを好きだし、何度ナノハナ家に縁談を持って行っても返事1つくれず、私はナミネに冷たく接してしまっていた。
あの日、私はナミネに直接本心を聞くつもりでパーティーに参加したが、ミドリさんのことでナミネは大泣きし、私はそっとナミネの手に菜の花とかすみ草の花束を握らせクレナイ家に戻って行った。
クレナイ家に戻ると、ナミネは私の部屋の畳の上で眠っていて、咄嗟に私はナミネを布団に寝かせた。
ナミネのことは、ナミネが1歳の頃から妹のように可愛がってきたし、とにかくナミネのことは可愛くて可愛くて仕方ない。
私が2歳の頃、私はナミネの姉であるナノハさんに懐いていたが、ナミネを見た瞬間、心を奪われた。
その時、ナノハさんは『ヨルクが望めばナミネと結婚出来る』と言っていた。私はナミネと結婚したくて、今でも縁談を持って行っている。
あの後、もう一度ナミネに会いたくて、星型のルビーのネックレスを買って何度もナノハナ家の前で待っていたがナミネとは会えず、ナミネのクラスに行ってもナミネはいなかったのである。弟のラルクによるとナミネはしばらく学校を休んでいたらしい。
お昼休み、いつものように1人お弁当を食べていたら、ナミネが私のクラスである2年5組に来た。
「ヨルクさん、この前、本を持って帰ってしまったので返しに来ました」
その瞬間、私の席にクラスメイトたちが集まってきた。
「ヨルクって恋愛に興味ないフリして、ちゃっかり彼女作ってんのかよ」
「彼女ではない」
「てか、この子可愛くね?何年生?」
「1年生です!」
「彼氏いるの?」
「募集中です!」
募集中……?いくら私が縁談を持って行っても何の返事もないのに……。募集中だなんてふざけないで!
「いい加減にしてくれる?本1つで赤の他人のナミネにクラスまで来られるの迷惑だし、とっとと自分のクラス戻ってくれる?」
「それはないだろ、ヨルク。なあ、連絡先教えてくれない?」
「はい、私今恋愛のことで悩んでいるのですが、恋愛相談に乗ってくれる人のみ連絡先交換しましょう!」
何それ。私がこんなにもナミネを想っているのに、ナミネはどこまでもラルクなの?それに恋愛相談って何?ナミネってラルクと交際してるよね。私はかなり苛立っていた。
「本当、いい加減にして!その本あげるから、早く戻って!」
「それ決めるのはヨルクさんではありません!私です!」
「ハッキリ言って迷惑」
私はナミネの手を掴みクラスから出した。
「ヨルクさん、また来ます」
「もう来ないで!」
私は苛立ちながら席に戻った。
すると、ある手紙が置かれてあった。ナミネからだった。
『ヨルクさんへ
セナ王女とアルフォンス王子の弟君に当たるカラン王子が妖精村学園に引っ越してきました。カラン王子は食事会を開くそうです。
ヨルクさんも参加しませんか?
ナミネ』
手紙と共に、ナミネの仕事用の名刺も入っていた。そこにはナミネの携帯番号とアドレスも乗っていた。私は、カラン王子の食事会でナミネに告白をすると決めたのである。
その夜、商店街のスーパーに買い出しに行くと、武官に囲まれた。私は買い物袋を下に下ろし、扇子を取り出した。私が扇子を開こうとした瞬間、私は花の舞 第10で身体ごと突き飛ばされてしまった。倒れた私に武官は剣を突き付けた。
その時、ナミネが扇子で武官を吹き飛ばし、花札で武官を拘束したのである。
「ヨルクさん、大丈夫ですか!?」
ナミネは、うずまきキャンディを舐めていた。私は無言で立ち上がり、吹き飛ばされた商品を一つ一つ袋に入れはじめた。するとナミネが扇子を使い、まとめて商品を袋に入れたのであった。
まさか、あの小さくて可愛くてか弱いナミネが、ラルクと同様の力を持っていただなんて……。
中学生になり、可愛さも増して、特殊武官レベルの力量があるナミネなら私でなくてもいっぱいる。私は自信をなくすものの、それでも、それでも、私はナミネを待ち続けた。全ては覚えていないが、たくさんの前世、紅葉橋でナミネをずっとずっと待っていた。紅葉橋の後のことは覚えていないが、現世はナミネが振り向いてくれるまで、ずっと待つと決めているのである。
「私は何ともない」
「ヨルクさん、送っていきます」
「別に女に送られる筋合いはない」
「そうですか」
ナミネは、うずまきキャンディを舐めながら通り過ぎようとした。その瞬間、私はナミネの手を握っていた。
「私が送る」
「はい」
ナミネと私はナノハナ家に向けて歩き出した。やっぱりナミネは可愛くて可愛くて仕方ない。もし、叶うならナミネとちゃんと恋人になりたい。ラルクを忘れろとは言わない。少しずつ私を好きになってくれれば……。
「ヨルクさんはお友達がいないのですか?」
「友達など必要ない」
「ナミネは武官を目指しているのか?」
「はい、ミドリお姉様のこともありますし、生きていくには強さが必要だと思いました」
ミドリさんのことは、私も登場小学生だったし、家族から聞いた程度だったけれど、最近改めてパソコンで検索した時は思っていた以上に無惨な死に方で、私はナミネをかなり心配した。
ナミネの力になりたい。ナミネに元気になって欲しい。ナミネを支えたい。
食事会でフラれても私は現世ではナミネを待ち続けることを決意した。
ナノハナ家にナミネを送り届け、クレナイ家に戻った瞬間、声がした。振り向くとナミネが手を振っていた。
「ヨルクさん、頑張ってください!」
「ナミネ……!」
私は今すぐナミネに告白をしたかったが、ネックレスも花束も持っていなくて食事会まで我慢することにした。
……
あとがき。
ナミネの片想いにヨルクの片想い。めちゃくちゃ切ないです。でも、だんだん変わってくることもあるかもしれません。
詳しくは書けませんが、運命ではなく、作っていくんです。ナミネにもヨルクにも、その力はあります。
ナミネとヨルクが結ばれる日が来るといいですね。
《ヨルク》
あのパーティーの後、ナミネはクレナイ家に来た。けれど、ナミネはラルクを好きだし、何度ナノハナ家に縁談を持って行っても返事1つくれず、私はナミネに冷たく接してしまっていた。
あの日、私はナミネに直接本心を聞くつもりでパーティーに参加したが、ミドリさんのことでナミネは大泣きし、私はそっとナミネの手に菜の花とかすみ草の花束を握らせクレナイ家に戻って行った。
クレナイ家に戻ると、ナミネは私の部屋の畳の上で眠っていて、咄嗟に私はナミネを布団に寝かせた。
ナミネのことは、ナミネが1歳の頃から妹のように可愛がってきたし、とにかくナミネのことは可愛くて可愛くて仕方ない。
私が2歳の頃、私はナミネの姉であるナノハさんに懐いていたが、ナミネを見た瞬間、心を奪われた。
その時、ナノハさんは『ヨルクが望めばナミネと結婚出来る』と言っていた。私はナミネと結婚したくて、今でも縁談を持って行っている。
あの後、もう一度ナミネに会いたくて、星型のルビーのネックレスを買って何度もナノハナ家の前で待っていたがナミネとは会えず、ナミネのクラスに行ってもナミネはいなかったのである。弟のラルクによるとナミネはしばらく学校を休んでいたらしい。
お昼休み、いつものように1人お弁当を食べていたら、ナミネが私のクラスである2年5組に来た。
「ヨルクさん、この前、本を持って帰ってしまったので返しに来ました」
その瞬間、私の席にクラスメイトたちが集まってきた。
「ヨルクって恋愛に興味ないフリして、ちゃっかり彼女作ってんのかよ」
「彼女ではない」
「てか、この子可愛くね?何年生?」
「1年生です!」
「彼氏いるの?」
「募集中です!」
募集中……?いくら私が縁談を持って行っても何の返事もないのに……。募集中だなんてふざけないで!
「いい加減にしてくれる?本1つで赤の他人のナミネにクラスまで来られるの迷惑だし、とっとと自分のクラス戻ってくれる?」
「それはないだろ、ヨルク。なあ、連絡先教えてくれない?」
「はい、私今恋愛のことで悩んでいるのですが、恋愛相談に乗ってくれる人のみ連絡先交換しましょう!」
何それ。私がこんなにもナミネを想っているのに、ナミネはどこまでもラルクなの?それに恋愛相談って何?ナミネってラルクと交際してるよね。私はかなり苛立っていた。
「本当、いい加減にして!その本あげるから、早く戻って!」
「それ決めるのはヨルクさんではありません!私です!」
「ハッキリ言って迷惑」
私はナミネの手を掴みクラスから出した。
「ヨルクさん、また来ます」
「もう来ないで!」
私は苛立ちながら席に戻った。
すると、ある手紙が置かれてあった。ナミネからだった。
『ヨルクさんへ
セナ王女とアルフォンス王子の弟君に当たるカラン王子が妖精村学園に引っ越してきました。カラン王子は食事会を開くそうです。
ヨルクさんも参加しませんか?
ナミネ』
手紙と共に、ナミネの仕事用の名刺も入っていた。そこにはナミネの携帯番号とアドレスも乗っていた。私は、カラン王子の食事会でナミネに告白をすると決めたのである。
その夜、商店街のスーパーに買い出しに行くと、武官に囲まれた。私は買い物袋を下に下ろし、扇子を取り出した。私が扇子を開こうとした瞬間、私は花の舞 第10で身体ごと突き飛ばされてしまった。倒れた私に武官は剣を突き付けた。
その時、ナミネが扇子で武官を吹き飛ばし、花札で武官を拘束したのである。
「ヨルクさん、大丈夫ですか!?」
ナミネは、うずまきキャンディを舐めていた。私は無言で立ち上がり、吹き飛ばされた商品を一つ一つ袋に入れはじめた。するとナミネが扇子を使い、まとめて商品を袋に入れたのであった。
まさか、あの小さくて可愛くてか弱いナミネが、ラルクと同様の力を持っていただなんて……。
中学生になり、可愛さも増して、特殊武官レベルの力量があるナミネなら私でなくてもいっぱいる。私は自信をなくすものの、それでも、それでも、私はナミネを待ち続けた。全ては覚えていないが、たくさんの前世、紅葉橋でナミネをずっとずっと待っていた。紅葉橋の後のことは覚えていないが、現世はナミネが振り向いてくれるまで、ずっと待つと決めているのである。
「私は何ともない」
「ヨルクさん、送っていきます」
「別に女に送られる筋合いはない」
「そうですか」
ナミネは、うずまきキャンディを舐めながら通り過ぎようとした。その瞬間、私はナミネの手を握っていた。
「私が送る」
「はい」
ナミネと私はナノハナ家に向けて歩き出した。やっぱりナミネは可愛くて可愛くて仕方ない。もし、叶うならナミネとちゃんと恋人になりたい。ラルクを忘れろとは言わない。少しずつ私を好きになってくれれば……。
「ヨルクさんはお友達がいないのですか?」
「友達など必要ない」
「ナミネは武官を目指しているのか?」
「はい、ミドリお姉様のこともありますし、生きていくには強さが必要だと思いました」
ミドリさんのことは、私も登場小学生だったし、家族から聞いた程度だったけれど、最近改めてパソコンで検索した時は思っていた以上に無惨な死に方で、私はナミネをかなり心配した。
ナミネの力になりたい。ナミネに元気になって欲しい。ナミネを支えたい。
食事会でフラれても私は現世ではナミネを待ち続けることを決意した。
ナノハナ家にナミネを送り届け、クレナイ家に戻った瞬間、声がした。振り向くとナミネが手を振っていた。
「ヨルクさん、頑張ってください!」
「ナミネ……!」
私は今すぐナミネに告白をしたかったが、ネックレスも花束も持っていなくて食事会まで我慢することにした。
……
あとがき。
ナミネの片想いにヨルクの片想い。めちゃくちゃ切ないです。でも、だんだん変わってくることもあるかもしれません。
詳しくは書けませんが、運命ではなく、作っていくんです。ナミネにもヨルクにも、その力はあります。
ナミネとヨルクが結ばれる日が来るといいですね。
純愛偏差値 未来編 一人称版 7話
《ラルク》
セナ王女の別荘のパーティーからナミネは10日ほど学校を休んでいる。見舞いに行った時は元気そうにしていたけど、いったいナミネに何があったのだろう。僕はナミネのことが心配で仕方なかった。
みんなで博物館には来てみたものの、ナミネがいないとやはり心細い。何かあれば、僕が全員を救うしかない。
「ラルク、迷子にならないよう手を繋ぎましょうね」
セレナール先輩は笑顔だった。そして、恐らく、僕との遠い前世を覚えている。僕は殆ど確信していた。
以前、セレナール先輩は、『この博物館で襲われたのだけど、カナエに敵ごと岩の結界をかけられ、逃げられたくなったの』と話してくれたことがある。
前世とか現世などは言わなかったが、確かにこの博物館だと言っていた。
カナエ先輩はどうしてセレナール先輩ごと結界に閉じ込めたのだろう。セレナール先輩が孤立していた話が本当なら、やはり、力の強い者同士で結託している可能性も高い。だったら、尚更僕がセレナール先輩を守らないと。
「ラルク、恐竜よ。大きいわね」
「はい、僕、恐竜好きです!」
セナ王女とカラルリ先輩は交際したこともあってか、仲良く手を繋いでいた。アルフォンス王子もユメ先輩よりカナエ先輩のことを気遣っているし、何だかユメ先輩が可哀想になってくる。
セレナール先輩が恐竜を見ていると、上級武官が現れた。ナミネがいないこんな時に。僕は真っ先にセレナール先輩を安全な場所に避難させた。
カラルリ先輩は真っ先にセナ王女をアルフォンス王子は真っ先にカナエ先輩に駆け寄った。またもやユメ先輩が孤立してしまったのである。
遠い前世のセレナール先輩は、今のユメ先輩と同じような状況だったかと思うと胸が痛んだ。
僕とセレナール先輩は、しばらく様子を伺っていた。カラルリ先輩は上級武官から取り押さえられる中、セナ王女は素早く脱出し、カラルリ先輩の拘束を解いた。アルフォンス王子もカナエ先輩を救出した後、ギリギリのユメさんを救出した。
そして、上級武官は警備員に引き渡されたのである。
これで一安心と思いきや、ユメ先輩が泣きはじめた。
「どうしていつも私ばかり後回しするのよ!アルフォンス様の彼女は私じゃない!どうしてカナエから助けるのよ!」
「私はカナエのこともユメさんのことも平等に救ったつもりだ」
「あら、明らかユメさんが後だったじゃない。普通彼女より他の女の子を先に助けるかしら?」
遠い前世のセレナール先輩は虫一匹殺せない優しい人だと噂に聞いていたが、どうやら現世ではそうではないらしい。セレナール先輩は、ひたすらアルフォンス王子とカナエ先輩を攻撃していた。
「僕も、彼女を放置するのはおかしいと思います」
「ラルク、セレナールにも何度も話しているが、私はユメさんを放置したつもりはない」
そんな戯言通るとでも思っているのだろうか。誰が見てもカナエ先輩とアルフォンス王子は両想いなのに。ユメ先輩はカナエ先輩を引っぱたいた。
「この泥棒猫!」
「ユメさん、やめてくれない?カナエに落ち度はない」
「どうしてカナエなのよ!どうしてアルフォンス様はいつも私を先に助けてくれないのよ!」
「私もユメさんが可哀想だと思うわ。アルフォンス、ハッキリして!ユメさんを本当に好きなの?」
アルフォンス王子は黙り込んだ。ここでカナエ先輩が好きだと言ったほうが、これ以上ユメ先輩を傷つけることはないだろうに。
そして、この日はユメ先輩の精神面も考え、早めに切り上げた。
数日後、ナミネは登校した。
放課後、僕たちは教壇の下にいた。
「ねえ、ラルク、恋愛感情ってどんなものなの?」
「うーん、セレナール先輩に対しては、一目惚れだったから、心の春が来たというか、セレナール先輩(先生)を見ているだけで幸せだった」
「ドキドキするの?」
「そりゃあ、恋愛感情だからな。てか、なんでここなんだよ!」
ナミネは購買で買ったアンパンを食べ始めた。正直、ナミネって恋愛とは無縁だったし、好きな人もいなさそうだし、恋愛を知らないのだと僕は思った。
「ナミネはさ、ドキドキする人とかいないのかよ?」
「ラルク」
「なんで僕なんだよ!」
「あのね、ラルク、私も前世思い出したよ。妖精村半ばの遠い前世。ラルクが好きで、少しでもラルクと一緒にいたくて、ミナクさんに嫁いだのだけど、生活費は1円ももらえず、毎日殴る蹴るのDV受けてたの」
まさか、前世を覚えていないと言っていたナミネが前世を思い出したのか?きっかけは?ナミネの突然の発言に僕はかなり混乱した。
ミナクお兄様は確かに今もDVをしている。けれど、少なくとも現世ではナミネのことは実の妹のように可愛がっていたはずなのだけど。
「ナミネ、夢でも見てたんじゃないのか?」
僕はナミネに前世を思い出して欲しくなかった。ナミネにこれ以上は苦しんで欲しくなかったからだ。
「ううん、前世なの。セナ王女の別荘のパーティーで誰かが私に菜の花とかすみ草の花束を渡したの。私、遠い前世でヨルクさんから全く同じもの渡されてる。ね、このメッセージカードの筆跡見て。ヨルクさんの筆跡と全く同じじゃない?」
「確かに、ヨルクお兄様の筆跡だ」
だとしたら、ヨルクお兄様は、あのパーティーに来たのか?全然姿見えなかったぞ。
「ねえ、ラルク。ラルクがね流行病で35歳で死んだ後、私、その7年後に川に身を投げて自殺したんだよ」
享年35歳。そこまで知っているのか。やはり、ナミネも前世を思い出しはじめているのかもしれない。けれど、どうして、あの日、あのパーティーてヨルクお兄様がナミネに菜の花とかすみ草の花束を渡したのかはさっぱり分からない。
「ナミネは今でも僕のこと好きなのか?」
「うーん、好きは好きだけど、ラルクのことライバルっていうか、そんな感じだよ。あのね、死ぬほど好きな人がいるのに、他の人にドキドキすることってある?」
「そりゃあ、綺麗な人、イケメンな人見りゃあ、誰だって多少はドキドキするんじゃないか?」
「そっか、そうだよね」
ナミネは何となく、まだ納得していないようだった。まさか、ナミネに好きな人がいるのだろうか?僕はセレナール先輩しか見てないはずなのに、小さい頃からずっと一緒だったナミネのことを心配せざるを得なかった。
僕はセレナール先輩を家に送り届けるため、ナミネといつもの集合場所に向かった。
……
あとがき。
ちょいネタバレ……やっぱり辞めておきます。ラルクをずっと想い続けるナミネ。その一方で、ラルクはセレナールのことしか見ていない。それを知っていながら、ナミネはどこまでもラルクを助けるのである。
けれど、ナミネはどうしてヨルクのことを気にするのだろう?ヨルクはどうして小学生の時に、ナミネに縁談を持っていったのだろう。
まだまだ純愛偏差値ははじまったばかり。色んなところ省略しちゃってるけど、走り書きと並行しながら、一人称版も書くよ!
けれど、レストランでナミネは好きな人がいるとハッキリ言っているのに、それに気づかないラルクって、どこか鈍い笑
《ラルク》
セナ王女の別荘のパーティーからナミネは10日ほど学校を休んでいる。見舞いに行った時は元気そうにしていたけど、いったいナミネに何があったのだろう。僕はナミネのことが心配で仕方なかった。
みんなで博物館には来てみたものの、ナミネがいないとやはり心細い。何かあれば、僕が全員を救うしかない。
「ラルク、迷子にならないよう手を繋ぎましょうね」
セレナール先輩は笑顔だった。そして、恐らく、僕との遠い前世を覚えている。僕は殆ど確信していた。
以前、セレナール先輩は、『この博物館で襲われたのだけど、カナエに敵ごと岩の結界をかけられ、逃げられたくなったの』と話してくれたことがある。
前世とか現世などは言わなかったが、確かにこの博物館だと言っていた。
カナエ先輩はどうしてセレナール先輩ごと結界に閉じ込めたのだろう。セレナール先輩が孤立していた話が本当なら、やはり、力の強い者同士で結託している可能性も高い。だったら、尚更僕がセレナール先輩を守らないと。
「ラルク、恐竜よ。大きいわね」
「はい、僕、恐竜好きです!」
セナ王女とカラルリ先輩は交際したこともあってか、仲良く手を繋いでいた。アルフォンス王子もユメ先輩よりカナエ先輩のことを気遣っているし、何だかユメ先輩が可哀想になってくる。
セレナール先輩が恐竜を見ていると、上級武官が現れた。ナミネがいないこんな時に。僕は真っ先にセレナール先輩を安全な場所に避難させた。
カラルリ先輩は真っ先にセナ王女をアルフォンス王子は真っ先にカナエ先輩に駆け寄った。またもやユメ先輩が孤立してしまったのである。
遠い前世のセレナール先輩は、今のユメ先輩と同じような状況だったかと思うと胸が痛んだ。
僕とセレナール先輩は、しばらく様子を伺っていた。カラルリ先輩は上級武官から取り押さえられる中、セナ王女は素早く脱出し、カラルリ先輩の拘束を解いた。アルフォンス王子もカナエ先輩を救出した後、ギリギリのユメさんを救出した。
そして、上級武官は警備員に引き渡されたのである。
これで一安心と思いきや、ユメ先輩が泣きはじめた。
「どうしていつも私ばかり後回しするのよ!アルフォンス様の彼女は私じゃない!どうしてカナエから助けるのよ!」
「私はカナエのこともユメさんのことも平等に救ったつもりだ」
「あら、明らかユメさんが後だったじゃない。普通彼女より他の女の子を先に助けるかしら?」
遠い前世のセレナール先輩は虫一匹殺せない優しい人だと噂に聞いていたが、どうやら現世ではそうではないらしい。セレナール先輩は、ひたすらアルフォンス王子とカナエ先輩を攻撃していた。
「僕も、彼女を放置するのはおかしいと思います」
「ラルク、セレナールにも何度も話しているが、私はユメさんを放置したつもりはない」
そんな戯言通るとでも思っているのだろうか。誰が見てもカナエ先輩とアルフォンス王子は両想いなのに。ユメ先輩はカナエ先輩を引っぱたいた。
「この泥棒猫!」
「ユメさん、やめてくれない?カナエに落ち度はない」
「どうしてカナエなのよ!どうしてアルフォンス様はいつも私を先に助けてくれないのよ!」
「私もユメさんが可哀想だと思うわ。アルフォンス、ハッキリして!ユメさんを本当に好きなの?」
アルフォンス王子は黙り込んだ。ここでカナエ先輩が好きだと言ったほうが、これ以上ユメ先輩を傷つけることはないだろうに。
そして、この日はユメ先輩の精神面も考え、早めに切り上げた。
数日後、ナミネは登校した。
放課後、僕たちは教壇の下にいた。
「ねえ、ラルク、恋愛感情ってどんなものなの?」
「うーん、セレナール先輩に対しては、一目惚れだったから、心の春が来たというか、セレナール先輩(先生)を見ているだけで幸せだった」
「ドキドキするの?」
「そりゃあ、恋愛感情だからな。てか、なんでここなんだよ!」
ナミネは購買で買ったアンパンを食べ始めた。正直、ナミネって恋愛とは無縁だったし、好きな人もいなさそうだし、恋愛を知らないのだと僕は思った。
「ナミネはさ、ドキドキする人とかいないのかよ?」
「ラルク」
「なんで僕なんだよ!」
「あのね、ラルク、私も前世思い出したよ。妖精村半ばの遠い前世。ラルクが好きで、少しでもラルクと一緒にいたくて、ミナクさんに嫁いだのだけど、生活費は1円ももらえず、毎日殴る蹴るのDV受けてたの」
まさか、前世を覚えていないと言っていたナミネが前世を思い出したのか?きっかけは?ナミネの突然の発言に僕はかなり混乱した。
ミナクお兄様は確かに今もDVをしている。けれど、少なくとも現世ではナミネのことは実の妹のように可愛がっていたはずなのだけど。
「ナミネ、夢でも見てたんじゃないのか?」
僕はナミネに前世を思い出して欲しくなかった。ナミネにこれ以上は苦しんで欲しくなかったからだ。
「ううん、前世なの。セナ王女の別荘のパーティーで誰かが私に菜の花とかすみ草の花束を渡したの。私、遠い前世でヨルクさんから全く同じもの渡されてる。ね、このメッセージカードの筆跡見て。ヨルクさんの筆跡と全く同じじゃない?」
「確かに、ヨルクお兄様の筆跡だ」
だとしたら、ヨルクお兄様は、あのパーティーに来たのか?全然姿見えなかったぞ。
「ねえ、ラルク。ラルクがね流行病で35歳で死んだ後、私、その7年後に川に身を投げて自殺したんだよ」
享年35歳。そこまで知っているのか。やはり、ナミネも前世を思い出しはじめているのかもしれない。けれど、どうして、あの日、あのパーティーてヨルクお兄様がナミネに菜の花とかすみ草の花束を渡したのかはさっぱり分からない。
「ナミネは今でも僕のこと好きなのか?」
「うーん、好きは好きだけど、ラルクのことライバルっていうか、そんな感じだよ。あのね、死ぬほど好きな人がいるのに、他の人にドキドキすることってある?」
「そりゃあ、綺麗な人、イケメンな人見りゃあ、誰だって多少はドキドキするんじゃないか?」
「そっか、そうだよね」
ナミネは何となく、まだ納得していないようだった。まさか、ナミネに好きな人がいるのだろうか?僕はセレナール先輩しか見てないはずなのに、小さい頃からずっと一緒だったナミネのことを心配せざるを得なかった。
僕はセレナール先輩を家に送り届けるため、ナミネといつもの集合場所に向かった。
……
あとがき。
ちょいネタバレ……やっぱり辞めておきます。ラルクをずっと想い続けるナミネ。その一方で、ラルクはセレナールのことしか見ていない。それを知っていながら、ナミネはどこまでもラルクを助けるのである。
けれど、ナミネはどうしてヨルクのことを気にするのだろう?ヨルクはどうして小学生の時に、ナミネに縁談を持っていったのだろう。
まだまだ純愛偏差値ははじまったばかり。色んなところ省略しちゃってるけど、走り書きと並行しながら、一人称版も書くよ!
けれど、レストランでナミネは好きな人がいるとハッキリ言っているのに、それに気づかないラルクって、どこか鈍い笑