日常のこととかオリジナル小説のこととか。
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ashita
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女性
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地主(土地貸してます)
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漫画やアニメを見るのが好きです。最推しはフーディーニ ♡
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ブログ、もう書かないと思ってました。
けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。
ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。
小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。
よろしくお願い致します。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
お知らせ。
イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。
また、「カラクリよろずや」にて無料のフリーイラスト素材配布もはじめました✩.*˚
フリーイラスト素材も増やしていく予定です(*'ᴗ'*)
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。
ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。
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X @kigenzen1874
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けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
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ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。
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〈資格履歴〉
2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格
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〈資格証明バナー〉

2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格
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〈資格証明バナー〉

純愛偏差値 未来編 一人称版 34話
《ヨルク》
一度壊れたものは二度と元には戻らない。
ナミネが私に買ってくれたスフェーンのネックレスのように。せっかくナミネが買ってくれたのに、私はナミネに酷いことを言ってナミネを傷付け怒らせてしまった。もう一度、ナミネが私にスフェーンのネックレスを買ってくれた時に時間を巻き戻したい。今でもバラバラになったスフェーンを思うと涙が止まらない。
どうしてナミネにウザイと言ってしまったのだろう。後悔してもしきれない。そして、私は気付いた。いかなる時も気を緩めてはいけないのだと。傷を背負ったナミネと交際していくには、適当な言葉や適当な態度でナミネを傷付けてはいけない。
あの後も、ナミネに何度も謝った。ナミネは
『ウザイって暴言ですよね?いやなことがあればすぐに言葉の暴力ですか?優しい言葉で意見を言うことさえ出来ないのですか?ヨルクさんの出方次第では破談します』
と言った。
私はナミネの正論に返す言葉もなかった。
あの時、優しい言葉でナミネに意見をしていれば、ナミネは気分を害さずスフェーンは壊されなかった。ウザイだなんて誰が言われてもいやな気持ちになる。あの時の私はナミネは怒らないだろうとナミネとちゃんと向き合わずに、ウザイと言ってナミネをあしらった。何度自分を責めても自分を許せなかった。私は壊されたスフェーンを思い出すたび、何度も嗚咽をあげて泣いた。
誓約書を守ると決めたのに、どうして守れないのだろう。ナミネとは絶対に別れたくない。破談にされないためにも、ナミネには二度と適当な態度であしらわず、ちゃんと話し合うことを心に誓った。
けれど、ナミネはまた私を試すはずだ。忘れた頃にも試すだろう。それに打ち勝たなければ破談にされてしまう。
昼休み。
私たちはいつもの広場に集まった。
「私のお母様とクレナイ家のお母様が皇帝陛下の刻印付きで皆さんに誓約書を渡したと思います。これを破れば皆さんは皇室で罰を受けることになるでしょう。これも全て皆さんが自分のことしか考えず全て私に丸投げした結果です。それでは、今から誓約書を実際に守れるのか試します」
やっぱりナミネは相当怒っている。今までのみんなの態度に。そして、ラルクが無理矢理ナミネを囮にしたことに。
ナミネは、クラフ、ユメさん、ミナクお兄様、落ち武者さん、カラン王子を除くみんなに羽子板で思いっきり脇腹を叩いた。物凄い電流が身体を走る。耐えきれない。
「1人でも蹲れば、蹲まらなくなるまで行います」
みんなは何も言わず耐え抜いた。
「あ、それとセレナールさんの使用済み靴下、全てのクラスの教壇に名前書いて置いておきました。セレナールさんて汗かくと物凄い体臭なんですね。ほら、セナ王女、嗅いで見てください」
ナミネはセレナールさんの使用済み靴下をセナ王女に投げた。
「うっ、臭すぎる。無理だわ」
セナ王女は隣のアルフォンス王子に渡した。セレナールさんは涙を流していた。けれど、誰も助けようとはしなかった。
「ヨルクさん、クラスメイトの生理の女子のパンツを奪ってきました。後で返しておいてください」
追い剥ぎか。ナミネは私にクラスメイトの生理のついた下着を投げた。めちゃくちゃ気持ち悪い。触りたくない。
「うん、分かった。後で返しておくね」
ここでナミネの機嫌を損ねさせるわけにはいかない。私は生理のついた下着をビニール袋の中に入れた。
「皆さんの自分さえ良ければいい思考にも苛立っていますが、ラルクのセレナールさん救出囮作戦は許しがたいものです。この先ラルクの発言によってはセレナールさんの未来の保証はありません」
セレナールさんは何も言えずその場に泣き崩れていた。
「それと、今セレナールさんのクラスメイト全員にセレナールさんとラルクのFメモリイ動画を送りました。クラスメイトも喜ぶことでしょう」
やっぱりラルクがナミネに囮をさせたことでナミネの病状はかなり悪化している。セレナールさんの携帯にはいっぱい着信音が鳴り、そのたびにセレナールさんは怯えた。
「あんたら無様だな。散々強気なナミネに助けられておいて、礼も何もせず文句ばかり言って強気なナミネ追い詰めたからこうなったんだろうがよ!せいぜい、強気なナミネの気が済むまで耐え抜くんだな!」
「ナミネ、ごめんなさい。わざとあなたを悪く言ったわけじゃないの。ただ、ラルクと仲良くして欲しかったの」
その瞬間、ナミネは熱湯をセレナールさんにかけた。セレナールさんは悲鳴をあげた。そこへナヤセスさんが駆け付け、セレナールさんの手当をした。
「カナエさんはセレナールさんにアルフォンス王子と別れてと言われた時は別れなかったのに、いざ自分が同じ立場になればセレナールさんにラルクと別れろと言いましたよね?」
「ナミネ、あの時はカナエも混乱していました」
「言い訳しないでください!!」
ナミネはカナエさんのネックレスとブレスレットを壊すと、呼び出しカードでヨナラタスさんを呼んだ。
「カナエさんを女ウケしないデブ大学生にイジワルさせてください」
「分かった」
「やめるのです!カナエは言い訳なんかしていません!」
その瞬間、3人の大学生がカナエさんをイジワルした。
「カナエ!!」
「来ないでください!!!」
カナエさんはアルフォンス王子を拒絶するなり泡を吹いて倒れた。ナミネはカナエさんに水をかけてカナエさんの意識を取り戻させた。
「カナエさん、回された気分はどうですか?」
カナエさんは震えながら何も言わなかった。
「では次にセレナールさんの第3を傷付けてみましょう。では、ラルク、これをセレナールさんに使用してください」
「待って!私は第2もまだなの!」
「言い訳しないでください!」
ラルクは無言でセレナールさんに私が渡したものを使用した。
「痛い!いやぁああああああ!!!!」
「そこまでだ!」
ヨナラタスさんがストップをかけた。
「セレナールの第3が割れた。このままだと5分後に突然死する」
「なるほど、セレナールさんとラルクは100%の愛情ではなかったわけですね。では、ヨナラタスさん、第3にヒビが入った程度に戻しておいてください」
「分かった」
セレナールさんは大量に出血をしていた。
「これで分かりましたか?恩を仇で返せばこうなるんです。人を陥れたら自分が陥れられるのです。二度と私を陥れないでください」
みんなは何も言わなかった。ナミネの心の傷は思ったより深い。というより、元々ある傷にラルクがナミネに追い打ちをかけて、逃げ場のなくなったナミネは、みんなに何倍返しもしたのだろう。
「ナミネ、やりすぎじゃないか?」
「委員長も同じことしたよね?委員長は良くて私はダメなの?ユメさん襲わせちゃおうかな」
「ごめん……、ユメのことは傷付けないでほしい」
「委員長ってワガママだね。たかが数人程度にユメさん襲われただけで、サユリさんに仕返しして。私はラルクに50人のところに無理矢理突っ込ませられたのに。50人に襲われそうになったのに。ムカつく。ここにいる女性陣みんな50人にイヤガラセさせようかな」
「ナミネ、僕が悪かった!ナミネが囮になってる間何も出来なかった。みんな何もしなかった。罰を受けるのは当然だと思う。でも、ユメだけはどうか見逃して欲しい」
本当、ナミネが50人もの伝説初級武官に襲われそうになっている間、みんなどうして助けようともせず傍観していたのだろう。
自分さえ良ければそれでいい。
それがナミネの心に火に油を注いだんだ。
「では今後も抜き打ちテストは定期的に行います。恩を仇で返したなら、もっと苦しんでください。もっと傷ついてください」
そう言うとナミネは去って行った。
あの後、セレナールさんはハルミ先生の車で月城総合病院に行った。手術は成功したが、ラルクに第3を破られたショックでラルクとの今後の関係に亀裂が入るかもしれない。
カナエさんがナミネの命令でヨナラタスさんが連れて来た大学生にイジワルされたことは、その直後、ナミネがヨナラタスさんに、なかったことにさせたみたいだが、カナエさんの中で記憶は残りカナエさんはアルフォンス王子をまた避けはじめた。アルフォンス王子はやっとカナエさんと元の中になれたのに、また悲しみの渦に包まれた。
私はクラスメイトに下着を返したら、履くものもなく血は流れるばかりで汚れてしまったと引っぱたかれた。
5限目をサボって廊下を歩いていたらナミネが誰かと理科室に入って行った。心配になった私は理科室の扉を少し開けて中の様子を伺った。
「このようなことをして、あなたは幸せになれましたか?逆に恨みやその他いやな感情のほうが大きくなったのではないでしょうか?」
「そうかもしれません……でも、あの時は仲間に裏切られたショックで混乱しました」
「靴下はともかくとして、動画は名誉毀損に値します。いつ誰に訴えられても仕方ないでしょう」
セレナールさんの知り合いだろうか?
「私もやりたくてしたんじゃありません!もうどうしようもないんです!人の汚さに触れるたびに傷付き、人の裏切りに触れるたびに苛立ってコントロール出来なくなるんです!」
ナミネ、いっぱい辛かったんだね。心の中ではいつも『助けて』と叫んでいたんだね。婚約者としてもっと相応しい人間になるから。必ずナミネを悲しみの渦から救ってみせるから。
「そうですか。あなたのプライベートなことは分かりませんが、回復にはそれなりの時間がかかるでしょう。それは5年後、10年後、或いは1年後、いつかは誰にも分かりません。仲間のことはもう助けないで構いません。それが発端なのですから。寧ろこれからは、あなたが傍観者となってください。今のあなたは幸せなことのみをすることに集中してください。わざわざ周りを混乱させるようなことをするのはオススメ出来ません。人を傷つければ多かれ少なかれ自分も傷つきますので」
いくら正論でも、今のナミネにはそんなの通用しない。ナミネは普通には生きられない。
「分かりました……」
「今回は動画も全学年の携帯から削除しましたし、あなたを見逃しますが、次に同じことをしたら通報します。場合によっては少年院行きになるでしょう。セレナールさんを病院送りにしてますし。誓約書も僕が皇帝陛下に書いてもらったものに変わります」
「はい……」
新しい誓約書?ここからでは見えない。皇帝陛下に書いてもらえるだなんて貴族なのだろうか?
「話は以上です。後は当事者で話し合うなりなんなりしてください。僕はあくまで1年5組を守ることが今の仕事ですので」
「助けてください……」
「これが僕の連絡先です。話くらいしか聞けないでしょうけど、連絡したいと思ったらしてきてください」
名刺だろうか?何かをナミネに渡している。
「ありがとうございます……」
男子生徒が理科室を出ようとしていたから、私は慌てて理科室の横に回った。男子生徒が去った後、私は理科室に入った。
「ナミネ!」
「ヨルクさん!」
私はナミネを抱き締めた。
「ヨルクさん、私に未来はないかもしれない。少年院送りになるかもしれない」
「絶対そんなことさせないから!私がナミネを守り切る!」
その時、ナミネの携帯が鳴り、ナミネは携帯を開いた。ナミネは驚いている様子だった。
「ナミネ、どうしたの?」
するとナミネは、私に携帯画面を見せた。ヨナラタスさんからだった。
『初代天使村でナミネたヨルクは結婚するが、結婚して3年後、ヨルクは謎の突然死をし、ショックを受けたナミネは3ヶ月後に自殺した。ナミネはそれがトラウマとなり、天使村時代の大半、結婚後はヨルクへの想いに耐えきれず入退院を繰り返し、若くして衰弱死していた。現世でもヨルクがいなくなる不安からヨルクを縛り付け、仲間に危害を加えている』
そんな……。私が原因でナミネはずっと病んできただなんて……。だから、最後の天使村でナミネは私を好きにならないよう番人にお願いをしたのか。でも、突然死ってなんだろう。殺されたのだろうか。それとも自ら命を絶ったのだろうか。いや、ナミネを置いて死ぬはずがない。だとしたら、やっぱり暗殺とかだろうか。
「ナミネ、私はもう死なないからね。一緒に遠い昔の幸せ取り戻そうね」
「ヨルクさん……」
ナミネの菜の花の香り。小さい頃から大好きだった。ナミネを不幸になんかさせない!時間をかけてでもナミネに幸せな世界を見せる!
放課後、セレナールさんの送り届けの途中で武官がカナエさんとセレナールさん、セナ王女、ユメさんに襲いかかった。ナミネは襲われる前に逃げ切って少し離れたところから何もせずみんなが襲われている様子を傍観している。私も助ける気にはなれず、何もしなかった。けれど、どうしてラルクはセレナールさんを助けないのだろう。
セナ王女はどうにか自力で脱出したものの、残りの3人はもう間に合わないというところまで来ている。
「ラルク、助けて!」
「やめるのです!」
「いやー!助けてー!」
クラフはユメさんを助けようとしたが、武官に突き飛ばされてしまった。ダメだ、間に合わない。
「カナエがアルフォンス王子と別れたら解放する」
やっぱり、カナエさんが標的だったのか。けれど、どうして第1王子より第5王子のアルフォンス王子がここまで重視されるのだろう。それも庶子なのに。
「カナエ、アルフォンス王子と別れて!」
「カナエ、お願い!アルフォンス様と別れて!」
「カナエは別れません!」
カナエさんもギリギリなのに、それでも別れないだなんて……。もう間に合わないというところで、武官たちは突然去って行った。
「ナミネ、どうして助けてくれなかったのよ!傍観は犯罪よ!警察行きましょうか!」
セレナールさんはナミネの腕を掴んだ。ナミネはセレナールさんを背負い投げした。
「ナミネ、どうしてカナエを助けてくれなかったのですか!仲間を見殺しにする気ですか!ナミネはイタズラ魔と同じです!」
「ナミネ、酷いわ!自分さえ助かればそれでいいの?」
セレナールさんもカナエさんもユメさんも、ナミネが襲われている時は何もしなかったのに、いざ自分が襲われたら揃ってナミネのみのせいにする。何て卑怯な人たちなのだろう。
「ユメ、やめよう。ナミネが襲われた時、僕たちは何も出来ずナミネ1人が対処したんだ。もうナミネは誰も助けない」
「クラフ!仲間を見捨てるなんて犯罪よ!訴えてやる!」
本当にムカつく!どうしてみんなナミネだけを責めるの!
「ナミネ、どうしてカナエだけでも助けてくれなかった!セレナールやユメさんは見捨ててもカナエだけは助けるべきだろう!このことはお父様に報告する!罰を受けるがいい」
その時、セレナールさんとカナエさんの携帯が鳴った。2人は携帯を開いた。
「ナミネ、ごめんなさい。さっきは襲われたばかりで気が立っていたわ。許して」
「ナミネ、ごめんなさいです。カナエも襲われて混乱していました」
さっきとは真逆の反応。いったい何があったのだろう。その時キクスケさんからメールが来た。
『ナミネさんは高等部 1年5組の委員長であるロングさんに録音を送信しました。その結果、ロングさんはセレナールさんとカナエさんに侮辱罪に該当し、刑法で有罪になれば少年院送りになる可能性もあると注意をしました。
しかし、ユメさんとアルフォンス王子を説得する人はいないので、ナミネさんはイジメまがいのことにあうかもしれません』
あの人は委員長だったのか。それにしても、ユメさんもアルフォンス王子もなんて汚い人なのだろう。
「ナミネ、警察行くわよ!」
「やめて!ユメさん!そんなことしたら、私たち少年院送りになっちゃう」
「やめるのです、ユメさん!カナエは犯罪者になりたくありません!」
「お父様には報告した。F938があるからカナエは少年院送りにはならない。ナミネ、カナエを救わず傍観していた罪を償うがいい。少年院に入るのはナミネだ!」
本当何なの!いざとなればナミネを責めて。ナミネは何もしてないじゃない!
「あんたら、自分らの状況分かってんのか?姉さんのクラスの委員長は既に強気なナミネの無罪を皇帝陛下に認めさせている。ユメと平凡アルフォンス、あんたもう終わりだ。今頃ナノハナ家の家族が王室に抗議してるだろうな」
「ねえ、ロングさんて貴族なの?」
「GMグループの御曹司だ!」
GMグループ。シューカツするなら誰もが憧れる大企業。そんなお偉いさんの息子だったのか。皇帝陛下の名前を出された途端ユメさんとアルフォンス王子は黙り込んだ。けれど、アルフォンス王子のせいで王室は窮地に立たされることになる。
その後、ナノハナ家のお母様が直接王室に出向き、国王にあの時の録音を聴かせ、セイさんの母親を裁判にかけるしアルフォンス王子を皇帝陛下によって廃位にさせると怒鳴り、国王は王室の3分の1の財産をナノハナ家に渡した。
その結果、王室は酷く傾き、国王が変わるとも噂された。セナ王女たちの別荘は売りに出され、カラン王子は王妃の実家が契約した別荘に住むものの、セナ王女とアルフォンス王子は築30年の2DKのアパート住まいとなった。
口は災いの元と言うが、私はもはや誰にも同情することは出来なかった。ナミネが笑顔でいてくれたらそれでいい。他の人なんてどうにでもなればいい。ナミネと2人で幸せを築く。
「ヨルクさん、お腹すきました」
「今作るからね、ナミネ」
私とナミネを抱きしめた後、ナノハナ家のキッチンで夕ご飯を作りはじめた。
後で知った話だが、皇帝陛下とナノハナ家のお母様は同級生で、皇帝陛下はナノハナ家のお母様に片想いをし続けていたらしい。
……
あとがき。
なかなか人のことまでまわりませんよね。
《ヨルク》
一度壊れたものは二度と元には戻らない。
ナミネが私に買ってくれたスフェーンのネックレスのように。せっかくナミネが買ってくれたのに、私はナミネに酷いことを言ってナミネを傷付け怒らせてしまった。もう一度、ナミネが私にスフェーンのネックレスを買ってくれた時に時間を巻き戻したい。今でもバラバラになったスフェーンを思うと涙が止まらない。
どうしてナミネにウザイと言ってしまったのだろう。後悔してもしきれない。そして、私は気付いた。いかなる時も気を緩めてはいけないのだと。傷を背負ったナミネと交際していくには、適当な言葉や適当な態度でナミネを傷付けてはいけない。
あの後も、ナミネに何度も謝った。ナミネは
『ウザイって暴言ですよね?いやなことがあればすぐに言葉の暴力ですか?優しい言葉で意見を言うことさえ出来ないのですか?ヨルクさんの出方次第では破談します』
と言った。
私はナミネの正論に返す言葉もなかった。
あの時、優しい言葉でナミネに意見をしていれば、ナミネは気分を害さずスフェーンは壊されなかった。ウザイだなんて誰が言われてもいやな気持ちになる。あの時の私はナミネは怒らないだろうとナミネとちゃんと向き合わずに、ウザイと言ってナミネをあしらった。何度自分を責めても自分を許せなかった。私は壊されたスフェーンを思い出すたび、何度も嗚咽をあげて泣いた。
誓約書を守ると決めたのに、どうして守れないのだろう。ナミネとは絶対に別れたくない。破談にされないためにも、ナミネには二度と適当な態度であしらわず、ちゃんと話し合うことを心に誓った。
けれど、ナミネはまた私を試すはずだ。忘れた頃にも試すだろう。それに打ち勝たなければ破談にされてしまう。
昼休み。
私たちはいつもの広場に集まった。
「私のお母様とクレナイ家のお母様が皇帝陛下の刻印付きで皆さんに誓約書を渡したと思います。これを破れば皆さんは皇室で罰を受けることになるでしょう。これも全て皆さんが自分のことしか考えず全て私に丸投げした結果です。それでは、今から誓約書を実際に守れるのか試します」
やっぱりナミネは相当怒っている。今までのみんなの態度に。そして、ラルクが無理矢理ナミネを囮にしたことに。
ナミネは、クラフ、ユメさん、ミナクお兄様、落ち武者さん、カラン王子を除くみんなに羽子板で思いっきり脇腹を叩いた。物凄い電流が身体を走る。耐えきれない。
「1人でも蹲れば、蹲まらなくなるまで行います」
みんなは何も言わず耐え抜いた。
「あ、それとセレナールさんの使用済み靴下、全てのクラスの教壇に名前書いて置いておきました。セレナールさんて汗かくと物凄い体臭なんですね。ほら、セナ王女、嗅いで見てください」
ナミネはセレナールさんの使用済み靴下をセナ王女に投げた。
「うっ、臭すぎる。無理だわ」
セナ王女は隣のアルフォンス王子に渡した。セレナールさんは涙を流していた。けれど、誰も助けようとはしなかった。
「ヨルクさん、クラスメイトの生理の女子のパンツを奪ってきました。後で返しておいてください」
追い剥ぎか。ナミネは私にクラスメイトの生理のついた下着を投げた。めちゃくちゃ気持ち悪い。触りたくない。
「うん、分かった。後で返しておくね」
ここでナミネの機嫌を損ねさせるわけにはいかない。私は生理のついた下着をビニール袋の中に入れた。
「皆さんの自分さえ良ければいい思考にも苛立っていますが、ラルクのセレナールさん救出囮作戦は許しがたいものです。この先ラルクの発言によってはセレナールさんの未来の保証はありません」
セレナールさんは何も言えずその場に泣き崩れていた。
「それと、今セレナールさんのクラスメイト全員にセレナールさんとラルクのFメモリイ動画を送りました。クラスメイトも喜ぶことでしょう」
やっぱりラルクがナミネに囮をさせたことでナミネの病状はかなり悪化している。セレナールさんの携帯にはいっぱい着信音が鳴り、そのたびにセレナールさんは怯えた。
「あんたら無様だな。散々強気なナミネに助けられておいて、礼も何もせず文句ばかり言って強気なナミネ追い詰めたからこうなったんだろうがよ!せいぜい、強気なナミネの気が済むまで耐え抜くんだな!」
「ナミネ、ごめんなさい。わざとあなたを悪く言ったわけじゃないの。ただ、ラルクと仲良くして欲しかったの」
その瞬間、ナミネは熱湯をセレナールさんにかけた。セレナールさんは悲鳴をあげた。そこへナヤセスさんが駆け付け、セレナールさんの手当をした。
「カナエさんはセレナールさんにアルフォンス王子と別れてと言われた時は別れなかったのに、いざ自分が同じ立場になればセレナールさんにラルクと別れろと言いましたよね?」
「ナミネ、あの時はカナエも混乱していました」
「言い訳しないでください!!」
ナミネはカナエさんのネックレスとブレスレットを壊すと、呼び出しカードでヨナラタスさんを呼んだ。
「カナエさんを女ウケしないデブ大学生にイジワルさせてください」
「分かった」
「やめるのです!カナエは言い訳なんかしていません!」
その瞬間、3人の大学生がカナエさんをイジワルした。
「カナエ!!」
「来ないでください!!!」
カナエさんはアルフォンス王子を拒絶するなり泡を吹いて倒れた。ナミネはカナエさんに水をかけてカナエさんの意識を取り戻させた。
「カナエさん、回された気分はどうですか?」
カナエさんは震えながら何も言わなかった。
「では次にセレナールさんの第3を傷付けてみましょう。では、ラルク、これをセレナールさんに使用してください」
「待って!私は第2もまだなの!」
「言い訳しないでください!」
ラルクは無言でセレナールさんに私が渡したものを使用した。
「痛い!いやぁああああああ!!!!」
「そこまでだ!」
ヨナラタスさんがストップをかけた。
「セレナールの第3が割れた。このままだと5分後に突然死する」
「なるほど、セレナールさんとラルクは100%の愛情ではなかったわけですね。では、ヨナラタスさん、第3にヒビが入った程度に戻しておいてください」
「分かった」
セレナールさんは大量に出血をしていた。
「これで分かりましたか?恩を仇で返せばこうなるんです。人を陥れたら自分が陥れられるのです。二度と私を陥れないでください」
みんなは何も言わなかった。ナミネの心の傷は思ったより深い。というより、元々ある傷にラルクがナミネに追い打ちをかけて、逃げ場のなくなったナミネは、みんなに何倍返しもしたのだろう。
「ナミネ、やりすぎじゃないか?」
「委員長も同じことしたよね?委員長は良くて私はダメなの?ユメさん襲わせちゃおうかな」
「ごめん……、ユメのことは傷付けないでほしい」
「委員長ってワガママだね。たかが数人程度にユメさん襲われただけで、サユリさんに仕返しして。私はラルクに50人のところに無理矢理突っ込ませられたのに。50人に襲われそうになったのに。ムカつく。ここにいる女性陣みんな50人にイヤガラセさせようかな」
「ナミネ、僕が悪かった!ナミネが囮になってる間何も出来なかった。みんな何もしなかった。罰を受けるのは当然だと思う。でも、ユメだけはどうか見逃して欲しい」
本当、ナミネが50人もの伝説初級武官に襲われそうになっている間、みんなどうして助けようともせず傍観していたのだろう。
自分さえ良ければそれでいい。
それがナミネの心に火に油を注いだんだ。
「では今後も抜き打ちテストは定期的に行います。恩を仇で返したなら、もっと苦しんでください。もっと傷ついてください」
そう言うとナミネは去って行った。
あの後、セレナールさんはハルミ先生の車で月城総合病院に行った。手術は成功したが、ラルクに第3を破られたショックでラルクとの今後の関係に亀裂が入るかもしれない。
カナエさんがナミネの命令でヨナラタスさんが連れて来た大学生にイジワルされたことは、その直後、ナミネがヨナラタスさんに、なかったことにさせたみたいだが、カナエさんの中で記憶は残りカナエさんはアルフォンス王子をまた避けはじめた。アルフォンス王子はやっとカナエさんと元の中になれたのに、また悲しみの渦に包まれた。
私はクラスメイトに下着を返したら、履くものもなく血は流れるばかりで汚れてしまったと引っぱたかれた。
5限目をサボって廊下を歩いていたらナミネが誰かと理科室に入って行った。心配になった私は理科室の扉を少し開けて中の様子を伺った。
「このようなことをして、あなたは幸せになれましたか?逆に恨みやその他いやな感情のほうが大きくなったのではないでしょうか?」
「そうかもしれません……でも、あの時は仲間に裏切られたショックで混乱しました」
「靴下はともかくとして、動画は名誉毀損に値します。いつ誰に訴えられても仕方ないでしょう」
セレナールさんの知り合いだろうか?
「私もやりたくてしたんじゃありません!もうどうしようもないんです!人の汚さに触れるたびに傷付き、人の裏切りに触れるたびに苛立ってコントロール出来なくなるんです!」
ナミネ、いっぱい辛かったんだね。心の中ではいつも『助けて』と叫んでいたんだね。婚約者としてもっと相応しい人間になるから。必ずナミネを悲しみの渦から救ってみせるから。
「そうですか。あなたのプライベートなことは分かりませんが、回復にはそれなりの時間がかかるでしょう。それは5年後、10年後、或いは1年後、いつかは誰にも分かりません。仲間のことはもう助けないで構いません。それが発端なのですから。寧ろこれからは、あなたが傍観者となってください。今のあなたは幸せなことのみをすることに集中してください。わざわざ周りを混乱させるようなことをするのはオススメ出来ません。人を傷つければ多かれ少なかれ自分も傷つきますので」
いくら正論でも、今のナミネにはそんなの通用しない。ナミネは普通には生きられない。
「分かりました……」
「今回は動画も全学年の携帯から削除しましたし、あなたを見逃しますが、次に同じことをしたら通報します。場合によっては少年院行きになるでしょう。セレナールさんを病院送りにしてますし。誓約書も僕が皇帝陛下に書いてもらったものに変わります」
「はい……」
新しい誓約書?ここからでは見えない。皇帝陛下に書いてもらえるだなんて貴族なのだろうか?
「話は以上です。後は当事者で話し合うなりなんなりしてください。僕はあくまで1年5組を守ることが今の仕事ですので」
「助けてください……」
「これが僕の連絡先です。話くらいしか聞けないでしょうけど、連絡したいと思ったらしてきてください」
名刺だろうか?何かをナミネに渡している。
「ありがとうございます……」
男子生徒が理科室を出ようとしていたから、私は慌てて理科室の横に回った。男子生徒が去った後、私は理科室に入った。
「ナミネ!」
「ヨルクさん!」
私はナミネを抱き締めた。
「ヨルクさん、私に未来はないかもしれない。少年院送りになるかもしれない」
「絶対そんなことさせないから!私がナミネを守り切る!」
その時、ナミネの携帯が鳴り、ナミネは携帯を開いた。ナミネは驚いている様子だった。
「ナミネ、どうしたの?」
するとナミネは、私に携帯画面を見せた。ヨナラタスさんからだった。
『初代天使村でナミネたヨルクは結婚するが、結婚して3年後、ヨルクは謎の突然死をし、ショックを受けたナミネは3ヶ月後に自殺した。ナミネはそれがトラウマとなり、天使村時代の大半、結婚後はヨルクへの想いに耐えきれず入退院を繰り返し、若くして衰弱死していた。現世でもヨルクがいなくなる不安からヨルクを縛り付け、仲間に危害を加えている』
そんな……。私が原因でナミネはずっと病んできただなんて……。だから、最後の天使村でナミネは私を好きにならないよう番人にお願いをしたのか。でも、突然死ってなんだろう。殺されたのだろうか。それとも自ら命を絶ったのだろうか。いや、ナミネを置いて死ぬはずがない。だとしたら、やっぱり暗殺とかだろうか。
「ナミネ、私はもう死なないからね。一緒に遠い昔の幸せ取り戻そうね」
「ヨルクさん……」
ナミネの菜の花の香り。小さい頃から大好きだった。ナミネを不幸になんかさせない!時間をかけてでもナミネに幸せな世界を見せる!
放課後、セレナールさんの送り届けの途中で武官がカナエさんとセレナールさん、セナ王女、ユメさんに襲いかかった。ナミネは襲われる前に逃げ切って少し離れたところから何もせずみんなが襲われている様子を傍観している。私も助ける気にはなれず、何もしなかった。けれど、どうしてラルクはセレナールさんを助けないのだろう。
セナ王女はどうにか自力で脱出したものの、残りの3人はもう間に合わないというところまで来ている。
「ラルク、助けて!」
「やめるのです!」
「いやー!助けてー!」
クラフはユメさんを助けようとしたが、武官に突き飛ばされてしまった。ダメだ、間に合わない。
「カナエがアルフォンス王子と別れたら解放する」
やっぱり、カナエさんが標的だったのか。けれど、どうして第1王子より第5王子のアルフォンス王子がここまで重視されるのだろう。それも庶子なのに。
「カナエ、アルフォンス王子と別れて!」
「カナエ、お願い!アルフォンス様と別れて!」
「カナエは別れません!」
カナエさんもギリギリなのに、それでも別れないだなんて……。もう間に合わないというところで、武官たちは突然去って行った。
「ナミネ、どうして助けてくれなかったのよ!傍観は犯罪よ!警察行きましょうか!」
セレナールさんはナミネの腕を掴んだ。ナミネはセレナールさんを背負い投げした。
「ナミネ、どうしてカナエを助けてくれなかったのですか!仲間を見殺しにする気ですか!ナミネはイタズラ魔と同じです!」
「ナミネ、酷いわ!自分さえ助かればそれでいいの?」
セレナールさんもカナエさんもユメさんも、ナミネが襲われている時は何もしなかったのに、いざ自分が襲われたら揃ってナミネのみのせいにする。何て卑怯な人たちなのだろう。
「ユメ、やめよう。ナミネが襲われた時、僕たちは何も出来ずナミネ1人が対処したんだ。もうナミネは誰も助けない」
「クラフ!仲間を見捨てるなんて犯罪よ!訴えてやる!」
本当にムカつく!どうしてみんなナミネだけを責めるの!
「ナミネ、どうしてカナエだけでも助けてくれなかった!セレナールやユメさんは見捨ててもカナエだけは助けるべきだろう!このことはお父様に報告する!罰を受けるがいい」
その時、セレナールさんとカナエさんの携帯が鳴った。2人は携帯を開いた。
「ナミネ、ごめんなさい。さっきは襲われたばかりで気が立っていたわ。許して」
「ナミネ、ごめんなさいです。カナエも襲われて混乱していました」
さっきとは真逆の反応。いったい何があったのだろう。その時キクスケさんからメールが来た。
『ナミネさんは高等部 1年5組の委員長であるロングさんに録音を送信しました。その結果、ロングさんはセレナールさんとカナエさんに侮辱罪に該当し、刑法で有罪になれば少年院送りになる可能性もあると注意をしました。
しかし、ユメさんとアルフォンス王子を説得する人はいないので、ナミネさんはイジメまがいのことにあうかもしれません』
あの人は委員長だったのか。それにしても、ユメさんもアルフォンス王子もなんて汚い人なのだろう。
「ナミネ、警察行くわよ!」
「やめて!ユメさん!そんなことしたら、私たち少年院送りになっちゃう」
「やめるのです、ユメさん!カナエは犯罪者になりたくありません!」
「お父様には報告した。F938があるからカナエは少年院送りにはならない。ナミネ、カナエを救わず傍観していた罪を償うがいい。少年院に入るのはナミネだ!」
本当何なの!いざとなればナミネを責めて。ナミネは何もしてないじゃない!
「あんたら、自分らの状況分かってんのか?姉さんのクラスの委員長は既に強気なナミネの無罪を皇帝陛下に認めさせている。ユメと平凡アルフォンス、あんたもう終わりだ。今頃ナノハナ家の家族が王室に抗議してるだろうな」
「ねえ、ロングさんて貴族なの?」
「GMグループの御曹司だ!」
GMグループ。シューカツするなら誰もが憧れる大企業。そんなお偉いさんの息子だったのか。皇帝陛下の名前を出された途端ユメさんとアルフォンス王子は黙り込んだ。けれど、アルフォンス王子のせいで王室は窮地に立たされることになる。
その後、ナノハナ家のお母様が直接王室に出向き、国王にあの時の録音を聴かせ、セイさんの母親を裁判にかけるしアルフォンス王子を皇帝陛下によって廃位にさせると怒鳴り、国王は王室の3分の1の財産をナノハナ家に渡した。
その結果、王室は酷く傾き、国王が変わるとも噂された。セナ王女たちの別荘は売りに出され、カラン王子は王妃の実家が契約した別荘に住むものの、セナ王女とアルフォンス王子は築30年の2DKのアパート住まいとなった。
口は災いの元と言うが、私はもはや誰にも同情することは出来なかった。ナミネが笑顔でいてくれたらそれでいい。他の人なんてどうにでもなればいい。ナミネと2人で幸せを築く。
「ヨルクさん、お腹すきました」
「今作るからね、ナミネ」
私とナミネを抱きしめた後、ナノハナ家のキッチンで夕ご飯を作りはじめた。
後で知った話だが、皇帝陛下とナノハナ家のお母様は同級生で、皇帝陛下はナノハナ家のお母様に片想いをし続けていたらしい。
……
あとがき。
なかなか人のことまでまわりませんよね。
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