日常のこととかオリジナル小説のこととか。
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ashita
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女性
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地主(土地貸してます)
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漫画やアニメを見るのが好きです。最推しはフーディーニ ♡
自己紹介:
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ブログ、もう書かないと思ってました。
けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。
ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。
小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。
よろしくお願い致します。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
お知らせ。
イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。
また、「カラクリよろずや」にて無料のフリーイラスト素材配布もはじめました✩.*˚
フリーイラスト素材も増やしていく予定です(*'ᴗ'*)
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。
ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。
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X @kigenzen1874
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けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
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現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
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〈資格履歴〉
2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格
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〈資格証明バナー〉

2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
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〈資格証明バナー〉

純愛偏差値 未来編 一人称版 55話
《ナミネ》
ラルクは森の湖にいる昔のセレナールさんに復讐をした。けれど、セレナールさんはエミリさんから皇太子様を奪い、2年後、紀元前村に行き、カラクリ家で過ごすという、元々の歴史通りになった。また、ラルクとは教師時代にラルクの猛アタックで交際している。
歴史とは何て奇妙にできているのだろう。
無理矢理変えても元に戻ってしまう。
歴史は絶対に変えられないように出来ているのだろうか。
それにしても一つだけ腑に落ちない。
どうして、エミリさんは現世でアランさんと交際しているのだろうか。やっぱりラルクが歴史を変えてしまったことと何か関係しているのだろうか。
落ち武者さんは伝説上級武官試験に合格したものの、ラルクは伝説には辿り着けず、特殊武官止まりだった。また、ズームさんは時計騎士試験に合格し、現世でも時計騎士を目指すらしい。
けれど、問題はラルクだ。復讐を終えて吹っ切ったはずなのに……違っていた。ラルクの根底の中ではまだ折り合いが付けられていないのかもしれない。だとしたら、ラルクはまだ正気に戻っていない可能性もある。私が何度も励ましてもラルクは私を目の敵にした。いったいどうしたらいいの。
落ち武者さんの誕生日はもうすぐだ。
セレナールさんとカナエさんもセナ王女の別荘で一緒に誕生日会を開く。あ、せっかくズームさんと知り合ったんだし、誘ってみよう。
「あの、30日に落ち武者さんとセレナールさん、カナエさんの誕生日会がセナ王女の別荘で開かれるんですけど、ズームさんも来ませんか?」
え、またこの間……。
「行きます」
声ちっさ!でも、来るんだ。
「あ、一応王室のパーティーなので、フォーマルとか……」
「持ってます」
「で、ですよね」
あんなでっかい家に住んでるんだから、パーティーに着ていく服なんかいっぱいあるか。
その時、ヨルクさんが番人部屋から戻って来た。
「ナミネ、時計騎士試験受かったよ」
え!ヨルクさんが!?私のほうが訓練いっぱいして来たのに。
「な、何回で合格したんですか?」
「1回だよ」
1回!?私なんて7回受けたのに!
「あんた、意外に反射神経良いんだな」
「時計騎士は、日常的に買い出しや料理、掃除、洗濯などの家事をしている人のほうが時間に正確だから受かる率が高いんですよ」
そうだったのか。ヨルクさんは規則正しい生活送ってるもんな。ヨルクさんは時計騎士するのだろうか。
「ヨルクさんは、時計騎士になるんですか?」
「ならないよ。ナミネが持ってるから体験してみた。これで、ナミネとお揃いの資格が出来たね」
はあ、ラルクは伝説に辿り着けままだというのに、ヨルクさんはちゃっかり時計騎士の資格取っちゃって。
「あ、落ち武者さんは時計騎士はどうするんですか?」
「考えてないけど?まずは夢騎士優先だし」
「ラルクがこんな状態ですし、夢騎士試験は遅らせますか?」
「あんた、なんでラルクに合わせんのさ。受けれる時に受けとかないでいつ受けんのさ。ラルクに合わせて今度はあんたが受けられない状況もあるかもしんないんだぞ!あんたも近々受けとけ!」
そういうものか。私は今は受けれる状態だけど、いざラルクが受けられる状態になって私が受けられなかったら意味ないもんな。ここは、自分軸か。
「ねえ、どうして落ち武者さんがいるの?」
そっか。セナ王女とナルホお兄様、ズームさん以外は帰ったんだっけ。
「村八分の家に帰れるかよ!」
「ねえ、ラルク。ラルクは今は受けなくていいよ。武官に拘ることないと思うしさ。ラルクは教師目指してるんだもん」
「ナミネ、馬鹿にするのもいい加減にしろ!」
ラルクは私を突き飛ばした。私はラルクを花札で拘束し、岩の結界をかけ、畳に着地した。
「解!」
「ラルク、これが今のラルクの実力なんだよ。現実と向き合いなよ!セレナールさんの残像ばっか見てると、いつまでも特殊武官止まりだよ!」
「ナミネ、今のラルクを追い詰めるのは逆効果だよ」
ナルホお兄様は結界を解いた。ラルクは泣きながら2階へ行った。
「あんたら、時計騎士の制服着て並べよ。記念写真撮ってやる」
せっかくだから撮ってもらおうかな。私は廊下で着替えるとまた第4居間に入り、ズームさんとヨルクさんの真ん中に立つと落ち武者さんがシャッターボタンを押した。私はまた廊下でルームウェアに着替え直した。
「ナミネ、今日は何食べたい?」
「じゃ、オムライス」
「落ち武者さんに聞いてないんだけど!」
「私、食欲ないのでいいです」
とてもじゃないけど、こんな時に自分だけ楽しむ気分にはなれなかった。
「ヨルク、今夜はクレナイ食堂の料理頼んでくれるかな?」
「うん、分かった」
ヨルクさんは、使用人にクレナイ食堂の料理を人数分頼んだ。
「じゃ、強気なナミネ、風呂行くぞ」
「あ、はい」
「ねえ、落ち武者さん、ナミネは私の彼女なんだけど。ナミネ、一緒にお風呂入ろうね」
「はい」
私はヨルクさんに手を引っ張られ、お風呂に向かった。
お風呂ではヨルクさんが私を抱き締めた。
「久しぶりですね」
「うん」
ヨルクさんの紅葉の香りが強くなる。私はヨルクさんの首に腕を回し、何度もヨルクさんを好きだと言った。何か、息切れしてる。疲れてるのかな。
「ごめん」
え、なんで謝るの?
「ヨルクさんって、いつも弱気ですね!」
「ナミネがラルクのことばかりだから嫉妬した。ナミネと2人になりたかった」
「私だってそうです!ラルクのことは、落ち武者さんと3人で資格取ろうって話していましたので。別に特別扱いとかそんなんじゃありません」
特別扱いじゃないんだけどさ。ラルクとは、同学年でずっと一緒だったから、心配なんだよね。
「うん、そっか。ナミネ、酷いこと言ってごめんね」
「別に気にしてません」
もうっ、ヨルクさんて、すぐに泣くんだから。私はヨルクさんを抱き締めた。私とヨルクさんはしばらく抱き締め合っていた。
お風呂から上がり、第4居間に行くと、ニンジャ妖精さんとラハルさんがいた。てか、なんでいるの!?
「突然、記憶がなくなって、戻ると同時にナミネさんに連絡したけれど、繋がらなかったので心配で来ました」
連絡……?私は携帯を見た。メール206件……。怖っ!
「あ、すみません。私も記憶なくしてて、その後も色々バタバタしていたんです」
「そうでしたか。無事で良かったです」
カンザシさんは私を抱き締めた。うっ、汗ばんだタバコの臭い……。気絶しそう。その時、ラハルさんが、私からカンザシさんを離してくれた。
「カンザシ!僕は仕事全て終わらせて来たけど、カンザシはロクにレッスンもしないまま数日過ごし、ナミネにメールしてばかりで、ナミネからメールが来ないから来たんだろ」
「ラハルー!来てくれたのね。今日は私の部屋に泊まって」
リリカさん、ラハルさんがいるとすぐに来る。
「いや、今日は契約したアパートに帰るよ」
泊まらないんだ。てことは、ニンジャ妖精さんも?
「ナミネさん、今日は同じ部屋に泊まります!」
えええええ!なんでそうなるの?メールなんて見てる暇なかったし、ずっとラルクのこと心配だったのに。
「すみません。クレナイ家に来た時はヨルクさんの部屋に泊まってるんです」
てか、アパートに帰らないの?何のために契約したの?
「クレナイ家も広いね。両親何してるの?」
「サラリーマンしてます」
「建築士よ」
……。ヨルクさんてサバイバルになったら孤立しそう。
「あ、建築士でした」
「へえ、お父さん頑張ってるんだ」
「クレナイ家のお父様は愛妻家です!」
「ナミネも直球だねえ」
実際ナノハナ家だけなんだよね。庶子がいるの。キクリ家もカラクリ家もコノハ家も浮気なんかしてない。
「あ、ズームさんとこは愛妻家ですか?」
「知りません」
必要なこと以外は答えてくれないの?それとも、お金持ちあるあるの不倫三昧とか?
「ナミネさん、少し2人になれませんか?」
カンザシさんは、どうして私との距離を縮めようとするのだろう。いくら実の兄でも、何だか気まずいよ。
「すみません、私、ラルクのことが心配なんです」
私は落ち武者さんの腕を組んだ。
「リーダー!ここのところずっと、共演した女持ち帰ってるのに、まだ足りないんですか?」
カンザシさんて、女にだらしないんだ。何かやだな。
「シュリに頼まれただけだ!僕は何もしてない!」
「カンザシ、お前本当に最低だな」
「でも、ホイホイ着いてく女も女だよね」
私は無意識に言葉に出てしまっていた。
「ナミネはしっかりしてるけど、大抵の共演者はカンザシに誘われたら、すぐに着いていくんだ。マスコミの目だってあるし、何より他のメンバーが可哀想に思うよ」
まあ、カンザシさんの容姿なら女も着いていくよね。特に若い子は。
「ふむふむ、カンザシさんは手馴れているというわけですな。けれど、女はカンザシさんの容姿しか見てませんぞ」
「ナミネさん、本当にシュリに頼まれたんです」
シュリさん可哀想。
「しかし、それが本当なら女子が可哀想ですぞ。カンザシさんとの一夜を期待して入ったホテルの中には他の男がいた。もはや詐欺ですな」
「カンザシ、本当にいい加減にしろよ。カンザシみたいなのがいるから、同年代の他のグループも警戒されてるんだ」
デビューしたらデビューしたで、上玉の女に溺れたというわけか。昔の都会に染まる田舎育ちの男みたいだな。
「リーダー、流石に女遊びはもうやめてください!僕は真剣に芸能界に入ったんです!」
その瞬間、カンザシさんはミツメさんを殴ろうとしたがミツメさんは避けた。
「もう何を言ってもダメだな。ナミネ、僕も心配だったよ。でも、ちゃんと記憶覚えてて良かった。その髪型、前よりずっと似合ってる」
「ありがとうございます、ラハルさん。長いのも手入れが面倒で、思い切って美容院行ったんです」
ヨルクさんからも褒められたし、セミロングにして良かった。
「リーダー、リーダーならもっと真面目にやってください!だいたいナミネさんはリーダーにとってなんなんですか?」
「ナミネさんのことは記憶失う前に抱いた!」
どうして嘘つくかなあ。そんなのみんな信じないだろうに。
……。って、ニンジャ妖精さん、私のこと見てる!?
「いけませんなあ、嘘は。私はまだ中学生ですぞ」
「カンザシ、本当にナミネを抱いたのか?」
って、なんで私カンザシさんに抱かれたことになってるの!?
「抱いた!ナミネさんはじめてだったから、時間かけた!」
「カンザシ、お前!」
ラハルさんはカンザシさんを殴ろうとしたが、逆にカンザシさんがラハルさんを殴ろうとし、ミツメさんが止めた。
「ナミネ、カンザシさんと関係持ったの?」
何故、騙されやすい。
「どうして、こうも騙されやすいんですか!ついこないだまで生理だったのに、関係なんか持てるわけないでしょう!」
ラハルさんも信じ込んでるし、どうなってるの?私って、そんなに軽い女に見えるの?いやだな。誤解されたくない。
「カンザシ!まだ中学生なナミネを弄んだのか?」
「ナミネさんのことは真剣に抱いた!ナミネさんは右に身体を捩らせやすくて、潤んだ目になってた!終わるまで頬を赤らめながら恥じらい美しい声を出していた!」
なるほど。前世の時のことを明確に覚えているというわけか。けれど、こんなところで嘘つくなんて酷すぎる。
「あんたらさ、強気なナミネがカンザシに抱かれたと思ってんのかよ!」
うんうん、その調子。私の無実晴らして!って、なんで押し倒すの?
「きゃはは!落ち武者さん、くすぐったい!」
でも、やっぱり落ち武者さんの身体冷えてる。病気なのだろうか。私は落ち武者さんの背中をさすった。
「あんた、何してんのさ」
「落ち武者さんの身体冷えてるから温めてるんです!」
小さい時に大きな病気でもしたのかな。
「分かったか!こんな無邪気なヤツが処女奪われてるわけないだろ!」
何か微妙な言い方だけど、みんな信じてくれた雰囲気。ヨルクさん以外は。
「カンザシ!なんで嘘ついた!」
「本当に抱いたんだ!」
もうカンザシさんが分かんない。外で散々女遊びしてるのに、どうして私と関係持っただなんて言うのだろう。
「リーダー!いい加減にしてください!完全な片想いじゃないですか!実ることのない恋のせいでこっちはどれだけ迷惑しているか!」
「ナミネさんとは両想いだ!」
何なんだろう、この会話。何だかカンザシさんのこといやになってきた。ミツメさんは頭に血が登ったのか、カンザシさんを軽く殴った。
「ミツメ、お前、誰に向かって殴った!」
えっと、今度は正拳か?違う、禁止技だ!私と落ち武者さんは、ミツメさんを扇子で吹き飛ばした。
「どうして僕を攻撃したんですか!悪いのはリーダーでしょう!」
「あんた、禁止技は反則だ」
ミツメさんがニンジャ妖精さんのメンバーに加わってからは1番強いのはミツメさんになった。けれど、さっきのは知っていて喉を狙ったのだろうか。
「でも、僕もカンザシが悪いと思う。現にミツメが来てから、みんなへの暴力は格段に減ったし。格闘とか分からないけど、ミツメがいないと、みんな毎日カンザシに殴られていたと思うんだ」
難しいな。それなら普通の技で負かせば良かったのに。
この時の私は知らなかった。かつて、ミツメさんが大会で濡れ衣を着せられ失格になったことを。今でもミツメさんは、その時のことを恨みながら生きているということを。
私の疑いは落ち武者さんによって晴れたものの、ミツメさんは、あの後、何度もカンザシさんから責められた。私はヨルクさんの部屋でヨルクさんにカンザシさんと関係を持ったと思われ泣かれ、信じてもらえるまでかなり時間がかかった。ヨルクさんは、カンザシさんが私との前世を覚えていたことに気づかなかったらしい。
そして、いよいよ落ち武者さんの誕生日が来た。
セナ王女の別荘のパーティー会場には多くの貴族が来ていた。そして、何故かニンジャ妖精さんとラハルさんも来ていた。
私の時はプレゼントもらっていなかったから、私はセレナールさんとカナエさんにはチロルチョコを1つずつ渡した。
ラルクとは、気まずい関係が続いていて殆ど私が一方的に話しかける関係だった。それでも私は、ラルクは回復に向かっていると信じていたのだ。
エミリさんとアランさんはまるで恋人であるかのように手を繋いでいた。今の時代では不釣り合いな関係。
少しすると、信じられない光景を私は目にすることになる。
皇太子様が来たと思えば、セレナールさんの元に駆け寄った。
「セレナール、遅れてごめん」
「皇太子様……」
愛想を尽かしたラルクにすがっていたのは、ついこないだのことなのに。セレナールさんは、新たな駒を動かした。
セレナールさんと皇太子様は、パーティー会場の前で、マイク越しに語り合った。
「セレナール、遅くなったけど、誕生日おめでとう」
皇太子様は300本のレインボーの薔薇の花束と共にフェアリールナの紫色の月のネックレスが入った箱をセレナールさんに渡した。セレナールさんは、箱を開くなり皇太子様に抱き着いた。
「皇太子様、ありがとう!」
皇太子様はセレナールさんをお姫様抱っこした。
「みんな、聞いて欲しい。僕はクラスメイトのセレナールと交際をはじめた。セレナールは、心が清らかで誰にでも優しくて純粋で、どんな逆境にも打ち勝つ。そんな美しいセレナールに僕は惹かれた。セレナールを一生大切にする」
エミリさんがアランさんと交際しているカラクリはこういうことだったのか。
「私も、皇太子様の無垢な愛情に包まれてとっても幸せ。聞こえてる?ラルク!ラルクのことは弟のように可愛がってきた。だから、今1番祝福して欲しい。伝説武官試験落ちたことは私も本当に悲しいわ。でも、ラルクならやれる!頑張って!皇太子様とは互いに一目惚れだった。でも、その2つにない縁(えにし)を私は大切にしたい。皇太子様、愛してるわ!」
ラルクを名指しにして辱めるなんて、許せない。けれど、セレナールさんは強力なバックを手に入れた。こんなにも恐ろしい女を私は見たことがない。
私だけじゃない。グループのみんなが驚いていた。
「まさかセレナールがレナードと付き合うなんて」
「何だか腑に落ちないわ」
「エミリが可哀想なのです」
みんな負けごとを言うことしか出来ない。でも、悔しい。遠い昔、ラルクを騙したのに、現世でも騙していただなんて……。
「ラルク、あんなの気にすることないよ。長続きしないよ。そのうちエミリさんに打ちのめされるよ」
「ああ、あんな女だとは思わなかった。僕はまんまとあの容姿に騙されていたんだ」
ラルク、元に戻ったの?セレナールさんと皇太子様は、会場の拍手と共にこっちに向かって来た。
「セレナール、おめでとう」
「ありがとう、セナさん。ラルク、伝説武官落ちたくらいで落ち込むな!」
マイクで会場のみんなに聞こえるように言うだなんて。この女、どういう神経してるの?
「セレナール先輩、皇太子様との交際おめでとうございます。心から祝福します」
え、今セレナールさんの下腹部に2回針を刺した後、即抜いた?私は周りを見渡した。見ている人はいない。ズームさんとナルホお兄様は遠くにいる。でも、ここでラルクの味方したら私も共犯者になってしまう。
「ナミネ、ジュースだよ」
「あ、ありがとうございます」
私は震えた手でヨルクさんからジュースを受け取った。
ラルクの復讐は終わっていなかった。いや、セレナールさんが新たな駒を動かしたことによる抵抗なのかもしれない。
「ナミネさん、2人きりで話がしたいです」
タイミングが悪すぎる。
「すみません。せっかくパーティーに来たので私、パーティーを楽しみたいんです。落ち武者さん、お誕生日おめでとうございます」
私は落ち武者さんに抱き着いた。
「そうですよね。では夜に」
「すみません、今日はここに泊まるんです」
「え……」
「てか、あんたいつまでこうしてるつもりだよ。プレゼント寄越せ」
落ち武者さんは気付いているのだろうか。気付いていないなら言うべき?言わないべき?いや、言うしかない。
「落ち武者さん、話があるんです」
「ナミネさん、だったら、僕との時間を優先してください」
「でも、今日は落ち武者さんの誕生日だから、落ち武者さんを優先させてください」
「ナミネさん、15分だけでいいんです!」
どうして邪魔するの?カンザシさんって自分のことしか考えてない。昔の私はどうしてこんな人と交際していたのだろう。
「リーダー!もうやめてください!女ならいくらでもいるでしょう!」
ミツメさんがカンザシさんを引き止めている間に私は落ち武者さんの手を引っ張って猛スピードでパーティー会場を出た。
私は霧の結界と壁の結界をかけた。
「あんた、何なのさ」
「ラルクが、セレナールさんの下腹部2箇所に針を刺してたんです!」
「悪いけど、セレナールを助ける真似は許さないわ」
リリカさん!いつの間に入り込んでいたのだろう。リリカさんは岩の結界をかけた。
「強気なナミネ、結界解け!」
「リリカさん、このまま放っておけば、復讐は繰り返されます。そんなのラルクのためになりません!セレナールさんは必ず皇太子様と別れます!」
リリカさんとは敵同士になりたくない。
「おい、早く解け!!」
「はあ、分かったわ」
リリカさんは結界を全て解いた。その瞬間、アルフォンス王子とセナ王女が私と落ち武者さんにF938を見せた。
「リ、リリカさん……?」
そんな、事前に連絡し合っていたのか。
「悪いけどセレナールにはこのまま苦しんでもらうわ」
「ですが、なんの針か分からないことには、皆さんににメリットかデメリットか分かりません」
「だったら、ナミネが確認して来い!」
F938を使って私を脅すだなんて、何て卑怯なの。私は小さい紙飛行機をみんなにバレないようにズームさんに飛ばした。
「アルフォンス王子、私に命令しないでください!」
「ナミネ、何してるの?」
「顔だけヨルク!姉さんがラルクに針刺された!」
「え……」
……
あとがき。
もし、セレナールがレナードと交際していなければ、ラルクは何もしなかったのだろうか?
ラルクの闇堕ちはいつまで続くの?
キリのない展開。
果たして、セレナールは助かるのか?
《ナミネ》
ラルクは森の湖にいる昔のセレナールさんに復讐をした。けれど、セレナールさんはエミリさんから皇太子様を奪い、2年後、紀元前村に行き、カラクリ家で過ごすという、元々の歴史通りになった。また、ラルクとは教師時代にラルクの猛アタックで交際している。
歴史とは何て奇妙にできているのだろう。
無理矢理変えても元に戻ってしまう。
歴史は絶対に変えられないように出来ているのだろうか。
それにしても一つだけ腑に落ちない。
どうして、エミリさんは現世でアランさんと交際しているのだろうか。やっぱりラルクが歴史を変えてしまったことと何か関係しているのだろうか。
落ち武者さんは伝説上級武官試験に合格したものの、ラルクは伝説には辿り着けず、特殊武官止まりだった。また、ズームさんは時計騎士試験に合格し、現世でも時計騎士を目指すらしい。
けれど、問題はラルクだ。復讐を終えて吹っ切ったはずなのに……違っていた。ラルクの根底の中ではまだ折り合いが付けられていないのかもしれない。だとしたら、ラルクはまだ正気に戻っていない可能性もある。私が何度も励ましてもラルクは私を目の敵にした。いったいどうしたらいいの。
落ち武者さんの誕生日はもうすぐだ。
セレナールさんとカナエさんもセナ王女の別荘で一緒に誕生日会を開く。あ、せっかくズームさんと知り合ったんだし、誘ってみよう。
「あの、30日に落ち武者さんとセレナールさん、カナエさんの誕生日会がセナ王女の別荘で開かれるんですけど、ズームさんも来ませんか?」
え、またこの間……。
「行きます」
声ちっさ!でも、来るんだ。
「あ、一応王室のパーティーなので、フォーマルとか……」
「持ってます」
「で、ですよね」
あんなでっかい家に住んでるんだから、パーティーに着ていく服なんかいっぱいあるか。
その時、ヨルクさんが番人部屋から戻って来た。
「ナミネ、時計騎士試験受かったよ」
え!ヨルクさんが!?私のほうが訓練いっぱいして来たのに。
「な、何回で合格したんですか?」
「1回だよ」
1回!?私なんて7回受けたのに!
「あんた、意外に反射神経良いんだな」
「時計騎士は、日常的に買い出しや料理、掃除、洗濯などの家事をしている人のほうが時間に正確だから受かる率が高いんですよ」
そうだったのか。ヨルクさんは規則正しい生活送ってるもんな。ヨルクさんは時計騎士するのだろうか。
「ヨルクさんは、時計騎士になるんですか?」
「ならないよ。ナミネが持ってるから体験してみた。これで、ナミネとお揃いの資格が出来たね」
はあ、ラルクは伝説に辿り着けままだというのに、ヨルクさんはちゃっかり時計騎士の資格取っちゃって。
「あ、落ち武者さんは時計騎士はどうするんですか?」
「考えてないけど?まずは夢騎士優先だし」
「ラルクがこんな状態ですし、夢騎士試験は遅らせますか?」
「あんた、なんでラルクに合わせんのさ。受けれる時に受けとかないでいつ受けんのさ。ラルクに合わせて今度はあんたが受けられない状況もあるかもしんないんだぞ!あんたも近々受けとけ!」
そういうものか。私は今は受けれる状態だけど、いざラルクが受けられる状態になって私が受けられなかったら意味ないもんな。ここは、自分軸か。
「ねえ、どうして落ち武者さんがいるの?」
そっか。セナ王女とナルホお兄様、ズームさん以外は帰ったんだっけ。
「村八分の家に帰れるかよ!」
「ねえ、ラルク。ラルクは今は受けなくていいよ。武官に拘ることないと思うしさ。ラルクは教師目指してるんだもん」
「ナミネ、馬鹿にするのもいい加減にしろ!」
ラルクは私を突き飛ばした。私はラルクを花札で拘束し、岩の結界をかけ、畳に着地した。
「解!」
「ラルク、これが今のラルクの実力なんだよ。現実と向き合いなよ!セレナールさんの残像ばっか見てると、いつまでも特殊武官止まりだよ!」
「ナミネ、今のラルクを追い詰めるのは逆効果だよ」
ナルホお兄様は結界を解いた。ラルクは泣きながら2階へ行った。
「あんたら、時計騎士の制服着て並べよ。記念写真撮ってやる」
せっかくだから撮ってもらおうかな。私は廊下で着替えるとまた第4居間に入り、ズームさんとヨルクさんの真ん中に立つと落ち武者さんがシャッターボタンを押した。私はまた廊下でルームウェアに着替え直した。
「ナミネ、今日は何食べたい?」
「じゃ、オムライス」
「落ち武者さんに聞いてないんだけど!」
「私、食欲ないのでいいです」
とてもじゃないけど、こんな時に自分だけ楽しむ気分にはなれなかった。
「ヨルク、今夜はクレナイ食堂の料理頼んでくれるかな?」
「うん、分かった」
ヨルクさんは、使用人にクレナイ食堂の料理を人数分頼んだ。
「じゃ、強気なナミネ、風呂行くぞ」
「あ、はい」
「ねえ、落ち武者さん、ナミネは私の彼女なんだけど。ナミネ、一緒にお風呂入ろうね」
「はい」
私はヨルクさんに手を引っ張られ、お風呂に向かった。
お風呂ではヨルクさんが私を抱き締めた。
「久しぶりですね」
「うん」
ヨルクさんの紅葉の香りが強くなる。私はヨルクさんの首に腕を回し、何度もヨルクさんを好きだと言った。何か、息切れしてる。疲れてるのかな。
「ごめん」
え、なんで謝るの?
「ヨルクさんって、いつも弱気ですね!」
「ナミネがラルクのことばかりだから嫉妬した。ナミネと2人になりたかった」
「私だってそうです!ラルクのことは、落ち武者さんと3人で資格取ろうって話していましたので。別に特別扱いとかそんなんじゃありません」
特別扱いじゃないんだけどさ。ラルクとは、同学年でずっと一緒だったから、心配なんだよね。
「うん、そっか。ナミネ、酷いこと言ってごめんね」
「別に気にしてません」
もうっ、ヨルクさんて、すぐに泣くんだから。私はヨルクさんを抱き締めた。私とヨルクさんはしばらく抱き締め合っていた。
お風呂から上がり、第4居間に行くと、ニンジャ妖精さんとラハルさんがいた。てか、なんでいるの!?
「突然、記憶がなくなって、戻ると同時にナミネさんに連絡したけれど、繋がらなかったので心配で来ました」
連絡……?私は携帯を見た。メール206件……。怖っ!
「あ、すみません。私も記憶なくしてて、その後も色々バタバタしていたんです」
「そうでしたか。無事で良かったです」
カンザシさんは私を抱き締めた。うっ、汗ばんだタバコの臭い……。気絶しそう。その時、ラハルさんが、私からカンザシさんを離してくれた。
「カンザシ!僕は仕事全て終わらせて来たけど、カンザシはロクにレッスンもしないまま数日過ごし、ナミネにメールしてばかりで、ナミネからメールが来ないから来たんだろ」
「ラハルー!来てくれたのね。今日は私の部屋に泊まって」
リリカさん、ラハルさんがいるとすぐに来る。
「いや、今日は契約したアパートに帰るよ」
泊まらないんだ。てことは、ニンジャ妖精さんも?
「ナミネさん、今日は同じ部屋に泊まります!」
えええええ!なんでそうなるの?メールなんて見てる暇なかったし、ずっとラルクのこと心配だったのに。
「すみません。クレナイ家に来た時はヨルクさんの部屋に泊まってるんです」
てか、アパートに帰らないの?何のために契約したの?
「クレナイ家も広いね。両親何してるの?」
「サラリーマンしてます」
「建築士よ」
……。ヨルクさんてサバイバルになったら孤立しそう。
「あ、建築士でした」
「へえ、お父さん頑張ってるんだ」
「クレナイ家のお父様は愛妻家です!」
「ナミネも直球だねえ」
実際ナノハナ家だけなんだよね。庶子がいるの。キクリ家もカラクリ家もコノハ家も浮気なんかしてない。
「あ、ズームさんとこは愛妻家ですか?」
「知りません」
必要なこと以外は答えてくれないの?それとも、お金持ちあるあるの不倫三昧とか?
「ナミネさん、少し2人になれませんか?」
カンザシさんは、どうして私との距離を縮めようとするのだろう。いくら実の兄でも、何だか気まずいよ。
「すみません、私、ラルクのことが心配なんです」
私は落ち武者さんの腕を組んだ。
「リーダー!ここのところずっと、共演した女持ち帰ってるのに、まだ足りないんですか?」
カンザシさんて、女にだらしないんだ。何かやだな。
「シュリに頼まれただけだ!僕は何もしてない!」
「カンザシ、お前本当に最低だな」
「でも、ホイホイ着いてく女も女だよね」
私は無意識に言葉に出てしまっていた。
「ナミネはしっかりしてるけど、大抵の共演者はカンザシに誘われたら、すぐに着いていくんだ。マスコミの目だってあるし、何より他のメンバーが可哀想に思うよ」
まあ、カンザシさんの容姿なら女も着いていくよね。特に若い子は。
「ふむふむ、カンザシさんは手馴れているというわけですな。けれど、女はカンザシさんの容姿しか見てませんぞ」
「ナミネさん、本当にシュリに頼まれたんです」
シュリさん可哀想。
「しかし、それが本当なら女子が可哀想ですぞ。カンザシさんとの一夜を期待して入ったホテルの中には他の男がいた。もはや詐欺ですな」
「カンザシ、本当にいい加減にしろよ。カンザシみたいなのがいるから、同年代の他のグループも警戒されてるんだ」
デビューしたらデビューしたで、上玉の女に溺れたというわけか。昔の都会に染まる田舎育ちの男みたいだな。
「リーダー、流石に女遊びはもうやめてください!僕は真剣に芸能界に入ったんです!」
その瞬間、カンザシさんはミツメさんを殴ろうとしたがミツメさんは避けた。
「もう何を言ってもダメだな。ナミネ、僕も心配だったよ。でも、ちゃんと記憶覚えてて良かった。その髪型、前よりずっと似合ってる」
「ありがとうございます、ラハルさん。長いのも手入れが面倒で、思い切って美容院行ったんです」
ヨルクさんからも褒められたし、セミロングにして良かった。
「リーダー、リーダーならもっと真面目にやってください!だいたいナミネさんはリーダーにとってなんなんですか?」
「ナミネさんのことは記憶失う前に抱いた!」
どうして嘘つくかなあ。そんなのみんな信じないだろうに。
……。って、ニンジャ妖精さん、私のこと見てる!?
「いけませんなあ、嘘は。私はまだ中学生ですぞ」
「カンザシ、本当にナミネを抱いたのか?」
って、なんで私カンザシさんに抱かれたことになってるの!?
「抱いた!ナミネさんはじめてだったから、時間かけた!」
「カンザシ、お前!」
ラハルさんはカンザシさんを殴ろうとしたが、逆にカンザシさんがラハルさんを殴ろうとし、ミツメさんが止めた。
「ナミネ、カンザシさんと関係持ったの?」
何故、騙されやすい。
「どうして、こうも騙されやすいんですか!ついこないだまで生理だったのに、関係なんか持てるわけないでしょう!」
ラハルさんも信じ込んでるし、どうなってるの?私って、そんなに軽い女に見えるの?いやだな。誤解されたくない。
「カンザシ!まだ中学生なナミネを弄んだのか?」
「ナミネさんのことは真剣に抱いた!ナミネさんは右に身体を捩らせやすくて、潤んだ目になってた!終わるまで頬を赤らめながら恥じらい美しい声を出していた!」
なるほど。前世の時のことを明確に覚えているというわけか。けれど、こんなところで嘘つくなんて酷すぎる。
「あんたらさ、強気なナミネがカンザシに抱かれたと思ってんのかよ!」
うんうん、その調子。私の無実晴らして!って、なんで押し倒すの?
「きゃはは!落ち武者さん、くすぐったい!」
でも、やっぱり落ち武者さんの身体冷えてる。病気なのだろうか。私は落ち武者さんの背中をさすった。
「あんた、何してんのさ」
「落ち武者さんの身体冷えてるから温めてるんです!」
小さい時に大きな病気でもしたのかな。
「分かったか!こんな無邪気なヤツが処女奪われてるわけないだろ!」
何か微妙な言い方だけど、みんな信じてくれた雰囲気。ヨルクさん以外は。
「カンザシ!なんで嘘ついた!」
「本当に抱いたんだ!」
もうカンザシさんが分かんない。外で散々女遊びしてるのに、どうして私と関係持っただなんて言うのだろう。
「リーダー!いい加減にしてください!完全な片想いじゃないですか!実ることのない恋のせいでこっちはどれだけ迷惑しているか!」
「ナミネさんとは両想いだ!」
何なんだろう、この会話。何だかカンザシさんのこといやになってきた。ミツメさんは頭に血が登ったのか、カンザシさんを軽く殴った。
「ミツメ、お前、誰に向かって殴った!」
えっと、今度は正拳か?違う、禁止技だ!私と落ち武者さんは、ミツメさんを扇子で吹き飛ばした。
「どうして僕を攻撃したんですか!悪いのはリーダーでしょう!」
「あんた、禁止技は反則だ」
ミツメさんがニンジャ妖精さんのメンバーに加わってからは1番強いのはミツメさんになった。けれど、さっきのは知っていて喉を狙ったのだろうか。
「でも、僕もカンザシが悪いと思う。現にミツメが来てから、みんなへの暴力は格段に減ったし。格闘とか分からないけど、ミツメがいないと、みんな毎日カンザシに殴られていたと思うんだ」
難しいな。それなら普通の技で負かせば良かったのに。
この時の私は知らなかった。かつて、ミツメさんが大会で濡れ衣を着せられ失格になったことを。今でもミツメさんは、その時のことを恨みながら生きているということを。
私の疑いは落ち武者さんによって晴れたものの、ミツメさんは、あの後、何度もカンザシさんから責められた。私はヨルクさんの部屋でヨルクさんにカンザシさんと関係を持ったと思われ泣かれ、信じてもらえるまでかなり時間がかかった。ヨルクさんは、カンザシさんが私との前世を覚えていたことに気づかなかったらしい。
そして、いよいよ落ち武者さんの誕生日が来た。
セナ王女の別荘のパーティー会場には多くの貴族が来ていた。そして、何故かニンジャ妖精さんとラハルさんも来ていた。
私の時はプレゼントもらっていなかったから、私はセレナールさんとカナエさんにはチロルチョコを1つずつ渡した。
ラルクとは、気まずい関係が続いていて殆ど私が一方的に話しかける関係だった。それでも私は、ラルクは回復に向かっていると信じていたのだ。
エミリさんとアランさんはまるで恋人であるかのように手を繋いでいた。今の時代では不釣り合いな関係。
少しすると、信じられない光景を私は目にすることになる。
皇太子様が来たと思えば、セレナールさんの元に駆け寄った。
「セレナール、遅れてごめん」
「皇太子様……」
愛想を尽かしたラルクにすがっていたのは、ついこないだのことなのに。セレナールさんは、新たな駒を動かした。
セレナールさんと皇太子様は、パーティー会場の前で、マイク越しに語り合った。
「セレナール、遅くなったけど、誕生日おめでとう」
皇太子様は300本のレインボーの薔薇の花束と共にフェアリールナの紫色の月のネックレスが入った箱をセレナールさんに渡した。セレナールさんは、箱を開くなり皇太子様に抱き着いた。
「皇太子様、ありがとう!」
皇太子様はセレナールさんをお姫様抱っこした。
「みんな、聞いて欲しい。僕はクラスメイトのセレナールと交際をはじめた。セレナールは、心が清らかで誰にでも優しくて純粋で、どんな逆境にも打ち勝つ。そんな美しいセレナールに僕は惹かれた。セレナールを一生大切にする」
エミリさんがアランさんと交際しているカラクリはこういうことだったのか。
「私も、皇太子様の無垢な愛情に包まれてとっても幸せ。聞こえてる?ラルク!ラルクのことは弟のように可愛がってきた。だから、今1番祝福して欲しい。伝説武官試験落ちたことは私も本当に悲しいわ。でも、ラルクならやれる!頑張って!皇太子様とは互いに一目惚れだった。でも、その2つにない縁(えにし)を私は大切にしたい。皇太子様、愛してるわ!」
ラルクを名指しにして辱めるなんて、許せない。けれど、セレナールさんは強力なバックを手に入れた。こんなにも恐ろしい女を私は見たことがない。
私だけじゃない。グループのみんなが驚いていた。
「まさかセレナールがレナードと付き合うなんて」
「何だか腑に落ちないわ」
「エミリが可哀想なのです」
みんな負けごとを言うことしか出来ない。でも、悔しい。遠い昔、ラルクを騙したのに、現世でも騙していただなんて……。
「ラルク、あんなの気にすることないよ。長続きしないよ。そのうちエミリさんに打ちのめされるよ」
「ああ、あんな女だとは思わなかった。僕はまんまとあの容姿に騙されていたんだ」
ラルク、元に戻ったの?セレナールさんと皇太子様は、会場の拍手と共にこっちに向かって来た。
「セレナール、おめでとう」
「ありがとう、セナさん。ラルク、伝説武官落ちたくらいで落ち込むな!」
マイクで会場のみんなに聞こえるように言うだなんて。この女、どういう神経してるの?
「セレナール先輩、皇太子様との交際おめでとうございます。心から祝福します」
え、今セレナールさんの下腹部に2回針を刺した後、即抜いた?私は周りを見渡した。見ている人はいない。ズームさんとナルホお兄様は遠くにいる。でも、ここでラルクの味方したら私も共犯者になってしまう。
「ナミネ、ジュースだよ」
「あ、ありがとうございます」
私は震えた手でヨルクさんからジュースを受け取った。
ラルクの復讐は終わっていなかった。いや、セレナールさんが新たな駒を動かしたことによる抵抗なのかもしれない。
「ナミネさん、2人きりで話がしたいです」
タイミングが悪すぎる。
「すみません。せっかくパーティーに来たので私、パーティーを楽しみたいんです。落ち武者さん、お誕生日おめでとうございます」
私は落ち武者さんに抱き着いた。
「そうですよね。では夜に」
「すみません、今日はここに泊まるんです」
「え……」
「てか、あんたいつまでこうしてるつもりだよ。プレゼント寄越せ」
落ち武者さんは気付いているのだろうか。気付いていないなら言うべき?言わないべき?いや、言うしかない。
「落ち武者さん、話があるんです」
「ナミネさん、だったら、僕との時間を優先してください」
「でも、今日は落ち武者さんの誕生日だから、落ち武者さんを優先させてください」
「ナミネさん、15分だけでいいんです!」
どうして邪魔するの?カンザシさんって自分のことしか考えてない。昔の私はどうしてこんな人と交際していたのだろう。
「リーダー!もうやめてください!女ならいくらでもいるでしょう!」
ミツメさんがカンザシさんを引き止めている間に私は落ち武者さんの手を引っ張って猛スピードでパーティー会場を出た。
私は霧の結界と壁の結界をかけた。
「あんた、何なのさ」
「ラルクが、セレナールさんの下腹部2箇所に針を刺してたんです!」
「悪いけど、セレナールを助ける真似は許さないわ」
リリカさん!いつの間に入り込んでいたのだろう。リリカさんは岩の結界をかけた。
「強気なナミネ、結界解け!」
「リリカさん、このまま放っておけば、復讐は繰り返されます。そんなのラルクのためになりません!セレナールさんは必ず皇太子様と別れます!」
リリカさんとは敵同士になりたくない。
「おい、早く解け!!」
「はあ、分かったわ」
リリカさんは結界を全て解いた。その瞬間、アルフォンス王子とセナ王女が私と落ち武者さんにF938を見せた。
「リ、リリカさん……?」
そんな、事前に連絡し合っていたのか。
「悪いけどセレナールにはこのまま苦しんでもらうわ」
「ですが、なんの針か分からないことには、皆さんににメリットかデメリットか分かりません」
「だったら、ナミネが確認して来い!」
F938を使って私を脅すだなんて、何て卑怯なの。私は小さい紙飛行機をみんなにバレないようにズームさんに飛ばした。
「アルフォンス王子、私に命令しないでください!」
「ナミネ、何してるの?」
「顔だけヨルク!姉さんがラルクに針刺された!」
「え……」
……
あとがき。
もし、セレナールがレナードと交際していなければ、ラルクは何もしなかったのだろうか?
ラルクの闇堕ちはいつまで続くの?
キリのない展開。
果たして、セレナールは助かるのか?
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