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日常のこととかオリジナル小説のこととか。
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ashita
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性別:
女性
職業:
地主(土地貸してます)
趣味:
漫画やアニメを見るのが好きです。最推しはフーディーニ ♡
自己紹介:
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ブログ、もう書かないと思ってました。

けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。

小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。

純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。

元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。

ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。

小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。

よろしくお願い致します。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

お知らせ。

イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。

また、「カラクリよろずや」にて無料のフリーイラスト素材配布もはじめました✩.*˚

フリーイラスト素材も増やしていく予定です(*'ᴗ'*)

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。

ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。

小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。

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X @kigenzen1874

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〈資格履歴〉

2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格

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〈資格証明バナー〉

鉛筆デッサンマスター®認定試験資格取得証明
絵画インストラクター資格資格認定証
宝石鑑定アドバイザー資格認定試験資格取得証明
鉱石セラピスト資格資格保持証明
茶道アドバイザー資格認定試験資格取得証明
お点前インストラクター資格資格認定証
着物マイスター®資格認定試験資格取得証明
着付け方インストラクター資格資格認定証
サイキックアドバイザー®資格資格証明
サイキックヒーラー資格資格保持証明
アンガーカウンセラー®資格資格保持証明
アンガーコントロール士資格資格認定証
漢方コーディネーター®資格認定試験資格保持証明
薬膳調整師®資格認定試験資格保持証明
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純愛偏差値 未来編 一人称版 54話

《ヨルク》

朝目が覚めるとナミネは横で寝ていた。
「お疲れ様、ナミネ」
私はナミネを起こさないように布団を出て、4人分の朝食を作りに行った。

朝食を持って部屋に入ったら、ナミネはまだ眠っていた。
「よっぽど疲れてたんだろう」
「そうだね」
私は机に朝食を置いた。
落ち武者さんとエルナは私の作った朝食を食べた。疲れているナミネのためにも和食にしたけど、ナミネの分はサランラップかけておこう。
「あんたも聞いた通り、カンザシは完全に強気なナミネに惚れてる。取られんなよ」
「兄妹で恋愛なんて出来ないでしょ。それに、紅葉町でアパート借りるって時点で、もうカンザシさんの気持ち明確だし」
ナミネが前世で誰と交際してても、今の彼氏は私だから。絶対にナミネを手放さない。
私はナミネに近付いた。
ナミネの寝顔可愛いなあ。写真撮っとこ。
「朝から見せ付けてくれるねえ」
「別にそんなんじゃないから。ねえ、落ち武者さん、いつまで居候するの?」
「釣れないこと言うなよ」
「いい加減、家に帰ってよ!私は、ナミネと2人でいたいの!」
本当なんで家に帰んないの?
「あんた、子作りでもする気かよ。甘えセナはどうなった?姉さんはどうなった?今、強気なナミネが妊娠したら強気なナミネの未来が奪われるんだ!強気なナミネは強くなろうと努力してる。妊娠なんかしたら、強気なナミネは自分責めるぞ!」
なんでそんなこと落ち武者さんに言われなきゃいけないの?私は私なりにナミネのこと大切に思ってるし、ナミネが妊娠してもナミネには苦労はかけないつもりだ。
「ねえ、落ち武者さんこそどうなの?エルナと……。あの日眠れなかったからセレナールさんとカンザシさん見てしまったんだよ!」
「そっか……」
反応薄いな。今となってはセレナールさんが悪者にされてるし、リリカお姉様は確実にラルクと切り離すつもりだ。落ち武者さん、落ち込んでいるのだろうか。

12時過ぎだろうか。
ナミネが目を覚ました。
「ヨルクさん……」
「ナミネ、眠れた?今、ご飯温め直すからね」
「ラルクは、ラルクはどうなったんですか?」
「ラルクは戻って来てるけど?」
「会いに行きます!」
待って!と声が出なかった私はナミネの手を掴んだ。
「あんた、好きにさせてやれよ」
どうしてラルクなの?試験とか来年受ければいいじゃない。どうして、私のこと見てくれないの?
ナミネが部屋を出るなり落ち武者さんとエルナも部屋を出た。
「え、ちょっと!」
私は慌てて追いかけた。

え、第4居間に行くんじゃないの?何故、客間の前で止まっている。
「何してるの?」
「黙ってろ」
中からはズームさんとカンザシさんの声が聞こえてきた。
『カンザシ、お前、ナミネさんのこと好きなんだろ。だから、この町でアパート借りるんだろ!叶わない恋なのにどうして諦めない!』
『ズームに関係ないだろ!』
『どうしてナミネさんに拘る!』
『妹だから当然だろ!』
やっぱりカンザシさん、ナミネのこと好きなのか。
『また、あの時みたいに引き離すのか!僕とナミネさんを無理矢理別れさせたあの時みたいに!』
え、無理矢理別れさせたって何?カンザシさんはナミネとズームさんの仲を壊したのだろうか。でも、何故だ?
『そんな昔のこと覚えてない』
『カンザシ!いい加減にしろ!あの時、僕の彼女寝盗ったのに、僕がいざナミネさんと交際しはじめたら、今度はナミネさん欲しさに卑怯な手で引き離しただろ!』
何それ。ズームさんの彼女奪って、ズームさんの次なる幸せも奪ったのか?
『僕だって辛かった!ニートとか早くまともな職に就けとか言われて毎日が喧嘩で、夢を応援してもらえなかった。でも、時代は違えどナミネさんだけは違った。僕の夢を応援してくれた。僕はナミネさんがいないとダメなんだ』
「行くぞ」
え、最後まで聞かないの?落ち武者さんが第4居間に向かうなり、ナミネとエルナも着いて行った。
ナミネ、あんな話聞いて大丈夫なのだろうか。

第4居間に入るなりナミネはラルクの元に走った。
「ラルク、大丈夫?」
「復讐してやる……復讐してやる……」
「ラルク、1人にしないで。寂しいよ」
「ナミネ、ラルクは神経衰弱なんだよ。しばらくは、薬飲んで休んでないといけないんだ。学校も休ませるよ」
神経衰弱。長期に渡るストレスが原因でノイローゼとなる。ラルクは、あの古民家にいた時からノイローゼになっていたのだろうか。
「カンザシはどうだったんだよ」
「カンザシさんは、間欠性爆発性障害と診断されたよ」
間欠性爆発性障害。一度苛立つとその怒りを自分で抑えることが出来ない病気だ。誰も手がつけられなくなり、本人が落ち着いた頃には本人はかなり後悔をしているそうだが。しかし、その怒りはきっかけのストレスとは不釣り合いに強いと言われている。
問題になるのは、人間関係。人との絆が壊れやすいし、人から避けられやすい傾向にある。退学のリスクもあり、中には犯罪に繋がることも。怒りが後に鬱を引き起こすこともある。遺伝や幼少期の虐待などで起こりうるらしい。
何となくナミネと似た症状だな。だが、1番辛いのは本人だ。他者では分からないものがあるだろう。
「カンザシさんも薬で治療するの?」
「そうだね、薬と程よい療養かな。生き甲斐を見付けるのが1番の対策らしい。だから、紅葉町でアパート借りるらしいよ」
今後、カンザシさんは定期的にナノハナ家に来るのだろうか。だとしたら、ナミネをクレナイ家に避難させたほうがいいだろうか。
この時の私はカンザシさんのことよりラルクのほうが重症なことに何も気づいていなかった。

2日後、ニンジャ妖精さんとラハルさんは紅葉町でアパート契約をした後、虹色街に戻り、ズームさんも実家に帰って行った。
しかし、3日後、事件は起きた。
ラルクは公園に行くと嘘を言ってナノハナ家を出た後、森の湖に行き、近々、皇室に行く昔のセレナールさんを、元々セレナールさん狙いの彼女持ちのガラの悪い男4人にイヤガラセさせた。昔のセレナールさんは第2まで喪失し、皇太子様とは破局となった。

歴史は大きく変わった。

ナミネは、ナミネはまた私と交際していたことを綺麗さっぱり忘れてしまったのだろうか。私が部屋を出てナノハナ家に向かおうとした時、泣きながらナミネがクレナイ家に入って来た。あれ、ナルホさんと、ズームさんもいる?
「ヨルクさん、ヨルクさん、何もかも分からないんです」
とりあえず私は第1母屋の第4居間に上がってもらった。

何もかも分からないって、私と交際していたことも忘れてしまったの?ナミネ……。
「ナミネ、私と交際してることも忘れたの?」
「それは覚えてます!ヨルクさんを想った日々は二度と忘れません!でも、カップル日記に書かれている他の人のことが分からないんです!ラルクは時間超え恋愛をしているのでしょうか?」
私と交際してること……覚えてくれていた……。もう、それだけでいい。ナミネを失わないなら勝手なことする人のことなんかどうでもいい。
「おい、強気なナミネ、僕のことも忘れたのかよ!」
「は、はい、お代官様」
「あんた、全然変わってねえじゃないかよ!」
「こうなると思ってたわ。全部あの女がラルクをたぶらかしたせいよ」
リリカお姉様……。てか、現状を正確に覚えているのは誰なんだろう。
「ナルホさんは全部覚えてるの?」
「うん、ズームさんもね」
ということは、私と落ち武者さんとリリカお姉様とナルホさんとズームさんが、これまでのこと覚えているわけか。
「ナミネ、ラルクは森の湖の妖精と交際してたんだけど別れたんだよ」
「森の湖でいったい何があったんだよ!」
ズームさんは小型パソコンのある映像を再生した。

映像はカラーだった。
森の湖で、ラルクは昔のセレナールさんに近付いた。
『セレナール先生』
『いやっ!来ないで!私、2日後、皇室に行くの!誰か助けて!!』
昔のセレナールさんは、あの日私たちがタイムスリップしたことを覚えていた。
『よくも僕の気持ち弄んでくれましたね』
『許して!悪かったと思ってる!どうか、私のこれからの幸せは壊さないで!』
ラルクは、彼女持ちのガラの悪い4人の男に大金を渡すと、昔のセレナールさんを襲わせた。
『お願い、これだけは許して!一生かけて償うから!』
昔のセレナールさんの言葉は届かず、お金を手にした4人の男は彼女の目の前で昔のセレナールさんをイヤガラセした。
『いやーーーー!痛い、痛い!やめて!!』
4人がことを終えた後、昔のセレナールさんは大量出血をし、横たわった。
『人を騙し陥れ傷付けたら同じことで返されるんですよ、セレナール先生』
『た……すけ……て……』
ラルクは森の湖を出た。
その後、妖精村新聞が出回った。
[皇太子の彼女、森の湖でイヤガラセされる]
昔のセレナールさんは町中の笑い者となった。
そんなある日、皇太子様が昔のセレナールさんの前に現れた。
『セレナール、すまない。エミリと交際することになった』
『皇太子様、私をお捨てになるのですか?』
『僕はキズモノがいやなんじゃない。人から恨まれるほどのことを裏でしていた君に幻滅したんだ。せいぜい、幸せになってくれ』
皇太子様は去って行った。
昔のセレナールさんは、キクリ家の近くにある病院の閉鎖病棟で過ごすこととなった。
映像はそこで途切れていた。

ラルクはこんな惨いことをしていたのか。
「ラルクは、ラルクはどこですか?」
「ナミネ、ラルクは今部屋で眠ってるんだ」
「そうですか」
ナミネは大泣きしていた。
「本当、セレナールって、とんでもない女ね。皇帝陛下はラルクを不問にしたけど、お武家連盟でクレナイ家は一気に不利になったわ」
クレナイ家の未来はないかもしれない。けれど、それでも、私はナミネとの未来のほうが大事だった。
「おい、カップル日記が凄いことになってるぞ」
私はカップル日記を開いた。

セナ王女はカラルリさんと交際していて、エミリさんはカラルリさんにアランさんと交際しているとコメントしていて、カナエさんはセイさんと交際していて、セレナールさんはナヤレスさんと交際している。ユメさんとクラフはまだ出会ってない。
これではもうアベコベだ。
いったい何度歴史を変えれば、みんなは元に戻るのだ。
「グループのみんなの記憶だけでもキクスケさんに思い出させてもらおう。ラルクとセレナールのためにもね」
そっか。誰かが責任を取らないといけない……いや、自覚させないといけないというわけか。
ナルホさんは呼び出しカードでキクスケさんを呼び出した。
「お呼びでしょうか」
「ラルクが歴史変えてしまって、みんなの記憶がすり変わってしまったから、せめて、グループの人だけでも記憶、思い出させてくれないかな?」
「かしこまりました。グループの皆さんの記憶は5分後に元に戻ります。しかしながら、この度は、大きく歴史が変わってしまったため、元に戻すことは不可能でしょう」
大きく変えられた歴史は元には戻らないか。あの時のみんなの人生が変わってしまうのか。そして、私の人生も……。

5分後、みんなの記憶が戻るなり、ぞろぞろとクレナイ家にみんなは押しかけた。しかし、エミリさんはアランさんと交際したままだった。
「リリカ、許して!二度とラルクを傷付けない!」
「黙りなさい!」
リリカお姉様はセレナールさんを蹴った。
「ミナク……ごめんなさい……私、また……」
「セナ王女の意思ではないので、浮気などとカウントは致しません。私は一生、セナ王女を愛します」
何て白々しい嘘を並べられるもんなんだ。聞いているこっちが恥ずかしい。
「ミナク……」
セナ王女はミナクお兄様の手を握った。
「セレナール、大変だったわね。30日は、予定通り、私の別荘でセレナールとカナエ、セルファの誕生日会開くから来なさいよ」
「いいの?」
「もちろんよ」
「セレナール、カナエもお気持ちお察しします」
「セレナール、また新しい恋見つけなさいよ」
女という生き物は怖い。昔のセレナールさんがラルクを騙していたことを、みんな怒っているけれど、それを隠している。私にはそうとしか思えなかった。

お武家連盟会議では、レイナさんの『過去とはいえ、見かけだけの容姿で彼女持ちの男を誘惑し、数々のカップルが壊れていくところを嬉しがり、ラルクが歴史を変えるほど追い詰めたセレナールが悪い』という発言に多数が同意し、セレナールさんは家族もろとも村八分となった。

そして、私の中で少しずつ、あの頃の新しい記憶が流れた。
閉鎖病棟にいたセレナールさんは、カナエさんに頼んでウルクさんを呼び出してもらい、記憶を消してもらい、エミリさんから皇太子様を奪い、その後は、殆どすり替えられる前と変わらない人生を過ごしている。
歴史というものは、そう簡単には変えられないのだろうか。
何故、皇太子様はエミリさんよりセレナールさんを選んだのだろう。
結局ラルクも教師になったセレナールさんと交際をした。
誰がどう足掻いても、歴史は元に戻っていく。
私は歴史の恐ろしさを感じていた。

「ラルク、可哀想……」
どうして……どうしてなのだ。私はナミネが私と交際していた記憶を失ってなかっただけで、それだけでいいと思えたのに……。
「ねえ、ナミネ。私よりラルクが大事なの?酷くない?」
私はまたナミネを攻撃してしまった。
「ヨルクさん、違います。私はただ、ラルクに元に戻って欲しいんです」
「何それ……。それ言い訳だよね?ナミネってさ、色んな男たぶらかして、まるでセレナールさんみたいに汚いね」
ダメだ、コントロールが出来ない。
「ヨルクさん、落ち着いてください!」
ナミネは私の手を握った。
「気持ち悪い!ラルクが好きなら勝手にして!セレナールさんと同等の卑劣なナミネとは二度と関わりたくない!」
やってしまった……。
「そうですか」
「この男たらし!最低!」
それだけ言うと私は第4居間を出た。

やり過ぎてしまった。ナミネに謝らないと。私はすぐに第4居間に戻った。するとラルクが戻っていた。
「あ、すみませんヨルクさん。私、ヨルクさんとの縁談は白紙に戻してラルクと交際したんです」
え、嘘だよね?こんな短時間で……。
「あんた、終わりだ。あれだけのこと言って許されると思ってんのか?カップル日記は強気なナミネはあんたとこ退会済みだ」
「嘘、嘘でしょ!?」
「ヨルクさんには酷いこと言われましたし、一方的でしたし、とてもじゃないけど、彼女に対する接し方とは思えなかったんです。あの時、ラルクを心配する私に寄り添ってくれていたなら縁談はそのままでしたが、ヨルクさんに侮辱された瞬間、ラルクを大切にしたいと思いました。ヨルクさんも別の人と幸せになってください」
そんな。たったあれだけのやり取りで私はいつも悪者なのか?
「ねえ、ナミネっていつもちょっとしたことで私のこと悪者扱いするよね。ナミネはもっと人に酷いことしてるのに」
「ヨルクさんとは破談にしました!付きまとわないでください!!」
ナミネは大声を出した。
「あのさヨルク、うるさいんだけど!悪いの明らかヨルクだよね?ナミネはヨルクを馬鹿にした?してないよね?うるさくするなら、出て行ってくれない?」
アルフォンス王子、ここ私の家なんだけど。
「私もヨルクが悪いと思うわ。彼女にあんな酷いこと、別れられて当然よ」
「私もヨルクが悪いと思う」
今度は私が標的か。みんな本当に自分勝手だな。
「ナミネ、もう許しは請わない。同じ状況になっても二度と許しは請わない。でも、一方的な破談なんて認めないし、ナミネとは別れない」
「ストーカーはやめてください!!」
ナミネはまた大声を出した。その瞬間、私はアルフォンス王子に殴られた。
「うるさいって言ってるの分からないの?」
「お言葉ですが……」
言い終わる前にアルフォンス王子は私を蹴り続けた。今は耐えるしかない。こんな理不尽なこと絶対に認めない。
「ねえ、ラルク、もう吹っ切れた?」
「うん、復讐終わったら、何か呆気なくってさ。僕もナミネに置いていかれないように試験受ける」
「ラルク、頑張ってね。これからは私がラルクの彼女だよ」
ナミネ、本気なのか?私は必死で涙を堪えた。
「待って!ラルク、許して!」
ラルクはセレナールさんを無視した。
「落ち武者さんも受けるみたいだし、私も夢騎士受けるから、また3人で強くなっていこうね」
「だな。ナミネは時計騎士も取って凄いな」
「うん、結構苦労したけどね」
私はアルフォンス王子に蹴られながらナミネとラルクの会話を聞いていた。ここで、負けて溜まるか!私は立ち上がり扇子を取り出した。アルフォンス王子が私に殴りかかろうとした時、私は扇子でアルフォンス王子を吹き飛ばした。
その瞬間、私はセナ王女に熱湯をかけられた。私は机にあるミネラルウォーターを自分にかけるなり、扇子でセナ王女を吹き飛ばすと、クレナイ家を出た。

私はクレナイ家の玄関の外で泣き崩れた。
ナミネ……私がナミネを受け入れなければならないのに、どうしてあんな酷いことを言ってしまったのだろう。
私は行く宛てもなく町を歩きはじめた。
とりあえず、スーパーに買い出しに行こう。ナミネの好きなもの、また作ってあげなきゃ……。思うほどに涙が出てくる。

泣きながら会計を済ませ、スーパーを出た後、私は大泣きしながらクレナイ家に向かって歩いた。せっかく、やっとの思いでナミネと交際出来たのに、どうしてつまらない嫉妬でナミネを傷付けてしまうのだろう。
「ヨルクさんは泣き虫ですな」
ナミネ?私は振り向いた。すると、腰まであった長い髪がセミロングになったナミネがいた。
「ナミネ……ごめん……私、ナミネと別れたくない……」
私はナミネの前で泣き崩れた。ナミネは私を抱き締めた。
「ヨルクさん、すぐに怒るから私も意地悪しただけです」
「そうなの……?でも、カップル日記……」
退会してるよね。
「もう復旧してます」
「じゃあ、別れるって嘘だったの?」
「はい」
そうだったのか。良かった……。本当に見切り付けられたかと思った……。
「行きますよ、ヨルクさん」
ナミネは私を起き上がらせ、私の手を握った。
「ナミネ、髪切ったの?」
「はい。ラルクと落ち武者さんが試験受けている間に美容院行ってきました」
そっか。ラルクと落ち武者さんは、更なる上を目指しているのか。
「ナミネ、今の髪型のほうがずっと可愛い」
ナミネは微笑んだ。ナミネ、可愛すぎる。私は町のど真ん中でナミネを抱き締めた。

私とナミネがクレナイ家の第4居間に入ると、ラルクが落ち込んでいた。ナミネは私の手を離し、ラルクの元へ駆け寄った。
「どうしたの!ラルク!」
「ダメだったんだよ、試験。特殊武官止まりだったんだ」
その時、セレナールさんがラルクを抱き締めた。
「ラルク、また受ければいいわ。私が傍で応援する」
「セレナール先輩は黙っててください!」
ラルク大声を出すと共にセレナールさんを突き飛ばした。
「あのさ、セレナール、大声出すなら出てってくんない?迷惑なんだけど」
さっきと同じだ。ナミネやラルクには言わずに弱い者にあえて言う。アルフォンス王子は結局そういう人だったのか。
「落ち武者さんはどうだったんですか?」
「僕は伝説上級武官合格したけど?」
「そうですか。おめでとうございます。ラルク、病み上がりだからだよ。ラルクは強いもん。次受けたら必ず伝説受かるよ!」
ナミネは必死にラルクを励ました。
「ナミネなんかが受かって、なんで僕が落ちるんだ!」
「何言ってるの?あなた、セレナールのことばかりで修業全然してなかったからじゃない!ナミネは恋愛しながらも訓練はサボってなかったのよ!」
リリカお姉様は、ラルクの訓練不足を指摘した。
「ラルク、今は休んでようよ」
「はっ、自分は2ヶ月も前に受かってるからって余裕だな」
ラルクはナミネを突き飛ばした。けれど、ナミネは扇子を縦に持ちバランスを取った。ナミネはラルク相手なら何を言われても機嫌を損ねない。けれど、私が相手だと、すぐに破談を言い渡される。何だかモヤモヤするけど、今ナミネを指摘して、また破談とか言われたら凄く傷つくから私は黙っていた。
「顔だけヨルク、あんたも今のうちに何か試験受けといたらどうだ?」
「い、いや私は……」
みんなみたいに闘う人には向いていない。
その時、ズームさんがナミネに何かを見せた。
「えっ、ズームさん、時計騎士の資格取ったんですか?現世でも時計騎士するんですか?」
「あなたに時計騎士の合格証明書を見せたられた時は驚きましたが、懐かしくなり、もう一度、試験を受けました。また、将来的には時計騎士をしようかと思います」
時計騎士か……。いったいどのような仕事なのだろう。私は少し興味を持ちはじめていた。

今日はセナ王女以外のメンバーは帰って行った。落ち武者さんの誕生日は数日後。セレナールさんとカナエさんも一緒に祝うらしいが、そこで何か起きないか私は不安になっていた。

……

あとがき。

ラルクは復讐によって元の自分を取り戻した……はずだった。
けれど、伝説武官の資格は取れずジレンマに。

ラルクがセレナールに費やした時間がそうしてしまったのだろうか。それとも、ラルクの恨みが前を見えなくさせてしまったのだろうか。

ラルクはいつまで正気を失っているのだろう。
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