日常のこととかオリジナル小説のこととか。
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ashita
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地主(土地貸してます)
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漫画やアニメを見るのが好きです。最推しはフーディーニ ♡
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ブログ、もう書かないと思ってました。
けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。
ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。
小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。
よろしくお願い致します。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
お知らせ。
イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。
また、「カラクリよろずや」にて無料のフリーイラスト素材配布もはじめました✩.*˚
フリーイラスト素材も増やしていく予定です(*'ᴗ'*)
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。
ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。
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X @kigenzen1874
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ブログ、もう書かないと思ってました。
けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。
ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。
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よろしくお願い致します。
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〈資格履歴〉
2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格
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〈資格証明バナー〉

2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
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→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
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2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
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2025年07月01日
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2025年08月04日
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〈資格証明バナー〉

純愛偏差値 未来編 一人称版 52話
《ヨルク》
私たちは、古民家の並んだ町にラルクを迎えに行った。
けれど、そこで私たちが目にしたのは、ラルクと森の湖にいるはずのセレナールさんだった。だが、ラルクは昔のセレナールさんに完全にカモにされているようだった。
それに気づきながらもラルクは昔のセレナールさんの説得をしていたらしい。
ラルクを利用し、皇太子様と私を天秤にかけたと知ったナミネは昔のセレナールさんに扇子を突き付けた。
「ラルクの心を返してください!」
「ラルク、会うのは今日で最後よ。私は皇太子様と交際するために皇室に行くの」
「姉さん、あんた、とんでもない女だな。あんたと皇太子は別れるんだよ!皇太子はエミリと交際するんだよ!」
現実はそうだが、今のこの人には何を言っても通用しないだろう。
「させません。セレナール先生には現代の人になってもらいます」
ラルク、何言ってるんだ?そして、ラルクは昔のセレナールさんに結界をかけた。結界?現代ではもう存在していないはずだが。何故、結界が使える。
「やめて!私、ラルクとは一緒になれない!皇太子様と幸せになるの!妨害しないで!」
「ねえ、落ち武者さん、どうして結界使えるの?もうなくなったんじゃなかったの?」
「あんた、何も知らないんだな。研究者が、遠い昔に結界が存在した証拠見つけたんだよ!それで、結界復活した。でないと、強気なナミネが伝説最上級武官に受かるわけないだろ」
えっ、ナミネは既に結界使えていたのか。
結界は基本は10までだが、研究者がそれ以以上は存在すると発表し、10を超える数字を使う時は最後に『想定』と言う。
「ナミネ、結界解いてあげて」
「いやです!私はラルクの幸せを守ります!」
ナミネは泣きながらラルクを抱き締めた。ナミネ、どうしてそこまでラルクの人生に拘る。
「ラルク、よく聞け!強気なナミネは既に伝説最上級武官に受かってる。平和ボケなナルホも妖精村初級武官の資格持ってる。僕も近々伝説受けるつもりだ。あんた、恋愛にうつつ抜かしてると置いてかれるぞ!」
はあ、ナミネも落ち武者さんもナルホさんも強い。どうして私は弱いのだろう。みんなと同じように訓練してきたのに。でも、現世では、ラルクのように私も教師を目指すつもりだ。また、ろう学校に就職することを考えている。
「もう武官なんてどうでもいいです。セレナール先生と一緒にいられるなら、全てどうでもいいんです」
「おいおい、この結界誰が解くんだよ」
ナミネが結界を解かない限り、昔のセレナールさんは閉じ込められたままだ。
「ラルクさん、結界かけても、昔のセレナールさんのお友達がそのうちここに来ますよ。実らない恋を受け止められない気持ちは分かりますが、これでは監禁になってしまいますよ」
え、床に何か書いてる?数式?随分と長いな。
その時、昔の?セリルさんが来た。
「セレナール!」
「兄さん!助けて!」
「今、みんな向かってる!」
「セリル、結界解けよ!」
「ごめんね、僕には解けないんだ」
「おい!あんた役に立たないじゃねえか!」
この時代のセリルさんは結界が使えなかったのか。何だか今より随分と雰囲気も違う。
「セリルさん、弟を助けてください」
私は自然と涙が流れていた。
「ヨルク、ラルクは大丈夫だよ。一時的にセレナールを好いているだけなんだよ」
一時的……。本当にそうなのだろうか。
「ナルホさん、結界解けなかったらどうなるの?」
「セレナールは皇太子はとは一緒になれず、歴史が変わり、現世にも大きく影響するよ。ナヤセスさんもカンザシさんも赤の他人で僕たちとは知り合わないかもね」
「そんなの、そんなのいやです!ズーム!何とかしろ!」
「カンザシ、お前の仲間ならお前が何とかしろ!」
歴史が変わる……。またナミネとの交際は取り消されるということなのだろうか。どうして弟に人生を狂わせられなければならない。ナミネのこと、ずっとずっと好きだったのに。
その時、昔のエミルさん、カラルリさん、カナエさん、エミリさんが来た。
「ラルク!セレナールを解放するのです!」
何だか魔法使いみたいだな。着物着てるけど。
「解!」
昔のエミリさんが結界を解こうとしたがダメだった。
「そんな……どうして結界が解けないの?」
「あの、カナコさんと、レイカさんは?」
「任務でここにはこれないわ」
そんな……。だったら、誰が結界を解くと言うのだ。
「では、カラルリさん、僕の合図でセレナールさんをこの家から連れ出して下さい」
「分かった!セレナール、今すぐ助けるからな!」
ズームさんは、数式の上に手を乗せた。すると手の周りが光った。これが錬金術なのだろうか!(全然違います。結界は元々は数式で出来ていて頭脳明晰な人は数式を使うケースがあるのです)
「解!今です!」
昔のカラルリさんは昔のセレナールさんを家から連れ出した。私も後を追った。
あれ、町に光が付いてる。民家には人のいる気配もあった。私たちがタイムスリップしたのだろうか。
「ラルク、セレナールさんを追うよ!」
え、何故まだ抗う。ナミネが馬に乗るとラルクもナミネの馬に乗り、猛スピードで昔のセレナールさんを追いかけた。私やナルホさんも近くの馬に乗った。
ダメだ、全く追いつけない。せっかく、外に出れたのに……。
「カナエ、セレナールと一緒に飛んでキクリ家まで行け!」
「分かりましたのです!」
カナエさんとセレナールさんは妖精の羽で飛び立った。
「ラルク、馬乗り捨てるよ!」
え、あのデカい折り鶴何!?
「ナミネ、待って!」
ナミネとラルクは馬を乗り捨て大きな折り鶴に乗ってキクリ家に向かった。仕方ない、私はこのまま馬でキクリ家に向かおう。乗馬、もう少し練習しておけば良かった。現代だからと、いざという時のこと何も考えてなかった。私は今更後悔した。
えっと、カンザシさんはナルホさんの馬に乗ってる。
キクリ家に着くと、ナミネとラルクが昔のセレナールさんに扇子を突き付けていた。間に合わなかったか。
「助けて!」
「ナミネ、ラルク、セレナールを解放してやってくれ」
「ナミネ、ラルク、歴史を変えてはいけないのです!」
「ナミネ、ラルク、セレナールは皇太子様と一緒になるのよ!」
いったいどうしたらいいのだ。それにしても、昔のキクリ家ってこんな感じだったのか。何だかとても古風だ。
えっ、昔のミナクお兄様と私……?
「ラルク、みんなに迷惑かけるのはやめろ」
って、この頃のミナクお兄様めっちゃまともじゃん。いつから、あんなふうになったのだろう。
というか、昔の私、今の私と同じくらいの年齢なのか?
「ラルク、何してる。大事にするな」
ナミネが昔の私に駆け寄ろうとした時、昔のセレナールさんがナミネを突き飛ばし、昔の私を抱き締めた。
「ヨルク……会いたかった……好き」
「悪いが私には心に決めた女子がいる」
昔の私は、昔のセレナールさんを振りほどいた。
「ヨルク、私を愛して!」
「セレナール!ヨルクはナミネとの縁談が決まりかけています」
そうなのか?だったら、どうして、私とナミネは一緒になれなかったのだろう。
「ヨルクさん!私はヨルクさんが好きです!だから、この時代の私を捨てないでください!」
「ナミネ、ここで何してる」
「てか、あんた、性格違いすぎるだろ!」
「そんなこと言われても私も流石に覚えてない!」
ナミネは昔の私を抱き締めた。何故、昔の私を抱き締める。
あれ、昔の私は妖精ではなかったのか?基準は何なのだろう。
「ヨルクさん、ラルクはこの時代のセレナールさんのことが好きなんです。どうか、ラルクの幸せを叶えてあげてください」
「そんなものは認められぬ。今すぐ元の時代に帰れ!」
え、昔の私が剣を抜いた?
「ナミネ、危ないからこっち来て!」
私の声も届かずナミネは扇子を構えた。昔の私の剣とナミネの扇子がバチバチ音を鳴らせた。
「あんた、何で弱くなった」
「だから、こんな昔のこと何も知らないって!」
昔の私が花の舞を使うと同時にナミネも花の舞を使った。2つの花吹雪が視界を狭めた。花吹雪が止む頃、昔の私の剣はナミネの扇子に弾かれたのか、ナミネは昔の私に扇子を突き付けた。
「昔のヨルクさんは最上級武官レベルですな」
「ナミネ……女がこのような戦いなどはしたない」
その時、昔のナミネが来た。ピンクのかすみ草の着物着た昔のナミネ可愛すぎる。私は思わず写真を撮った。
「ヨルクさん、縁談のことですが……」
「縁談は白紙にする」
「待ってください!もう少し時間をください!」
「悪いが好きな女子が出来た」
「誰なんだよ、言ってみろよ」
もう何が何だか分からなくなってきた。この時の私もナミネのことが好きだったはず。好きな人なんて嘘だろう。
「花屋で働いているサユリさんのことが好きだ。ナミネとは結婚出来ない」
えっ、どうなってるの?てか、この頃からサユリさんいたの?
現代のナミネが涙を流している。私は思わずナミネを抱き締めた。
「ナミネ、この時代は仕方ないんだよ。今の私たちで愛を育んでいこうね」
「おい、あんた、バレバレな嘘ついてんなよ」
落ち武者さんは昔の私にフェアリーングをかけた。
「昔の顔だけヨルク、あんた、昔の強気なナミネのこと好きなんだろ!」
「好きだ。私は小さい頃からずっとナミネを見てきた。だが、ナミネはラルクのことが好きだし、そんな気持ちで縁談がまとまっても個人的には気持ちの整理もつかないから、サユリさんとの縁談をまとめようと思う」
はあ、やっぱり、この時代の私もナミネ一筋だったか。
「ヨルクさん、本当にごめんなさい」
「昔の私さん、私は元々ヨルクさんが好きだったんです。でも、ヨルクさんの突然死を思い出すたび、私は若くで衰弱死して、最後の天使村の番人に二度とヨルクさんを好きにならないようお願いしてしまったんです」
ナミネは天使村の私との結婚式の写真を昔のナミネに見せた。
「うーん、ごめんなさい。天使村なんて知りませんし、私……」
「では、ご勝手にしてください」
その時、ナミネのナプキンが限界になったのか、床に血が流れた。昔の私は現代のナミネに布ナプキンを渡した。
「使え」
「あ、すみません」
ナミネがみんなの前でパンツを下ろそうとしたら、昔の私が現代のナミネをみんなから遠ざけた。
「ここで替えろ」
「はい」
ナミネは布ナプキンに替えて汚れたナプキンをビニール袋に入れた。
「昔のヨルクさんも料理をされていますか?」
「ああ、している」
「そうですか」
「ナミネ、お腹痛くない?」
私はナミネの手を握った。
「少し痛いです」
「ナミネ、これ飲んで」
私はナミネが持ってるポーチの中から痛み止めを取り出した。そして、小さいミネラルウォーターと共に渡した。
「ありがとうございます、ヨルクさん」
ナミネは痛み止めを飲んだ。
「あの、そちらの時代では、本当に私とヨルクさんは好き合っているんですか?」
「うん、そうだよ。ナミネとはナノハナ家とクレナイ家を行き来してる。私はずっとナミネが好きだったんだよ。現世ではナミネも私のこと好きになってくれて幸せに暮らしてる。でも、ナミネは好きに生きて良いんだよ。無理に私との縁談をまとめることはないからね」
ナミネ、いつか気付いてくれればいいよ。今はラルクを好きでも、いつか私を好きになってくれたらそれでいい。
「何なのよ!ナミネがヨルクをいらないなら、私がもらうわ!」
「どうしてですか、セレナール先生……」
好きでもない女と結婚しようとしている昔の私と、好きな女と無理矢理一緒になろうとするラルク。恋というのは上手くいかない。
「皆さん、もうすぐキクスケさんが来ますよ。伝えたいことがあるなら、今ハッキリと伝えてください」
そっか、いつまでもはここにいられないのか。
「じゃ、一応集合写真撮っとく」
落ち武者さんはデジカメを適当な場所に置いてタイマー設定すると、みんなを並ばせ、写真を撮った。
そして、キクスケさんが来た。
「このようなことはルール違反です。未来から来た人は未来に戻ってもらいます」
「あの、キクスケさん、この時代のセレナールさんが私を好きだというのは本当でしょうか?」
私は真実を知るため、すかさず聞いた。
「本当です。セレナールさんが教師になり、ヨルクさんの担任になった時、セレナールさんはヨルクさんに一目惚れするものの、叶わず、それでも諦めきれずセレナールさんはラルクさんがヨルクさんの弟だと知るなりラルクさんと交際したんです。ヨルクさんの情報を知るためだけに。けれど、セレナールさんのヨルクさんへの想いは増すばかりで、ある日、セレナールさんは殺し屋に依頼しました。自分を殺すよう。あれは、ラルクさんを庇ったんじゃなく、自作自演の自殺でした」
そうだったのか。ラルクはまんまとセレナールさんに騙されていたわけか。その瞬間ラルクは昔のセレナールさんの羽を扇子で切り刻んだ。
「きゃーーーー!痛い!何するの!」
「よくも、よくも人の心弄んでくれましたね!二度とあなたを許しません」
「ラルク、もうやめよう。この時代のセレナールさんは最期までラルクを利用してたんだよ。ラルクにはもっといい人がいるよ」
ナミネはラルクを抱き締めた。
妖精村1番の美少女と言われたセレナールさんとはいったい何なのだろう。
「時間切れです」
その瞬間、私たちはキクスケさんによって、現代に戻された。
現代のキクリ家だ。そして、もう昔の私たちはいなくなっていた。
「ラルク、帰ろう」
「二度と許さない、許さない……復讐してやる……」
「あ、ズームさん、面倒かけたね。疲れただろうから、ナノハナ家で休んでいって」
「では、そうさせてもらいます」
ナルホさんはタクシーを呼び、みんなはタクシーでナノハナ家に向かった。
私たちはクタクタになりながら、ナノハナ家に着くなり第4居間に入った。
「みんなどうしてたのよ!3日も帰らないから心配してたのよ!」
3日も経っていたのか。全く気づかなかった。
って、知らない人いるし!誰?
「あの、はじめましてですよね?」
「はい、このたびは新しくニンジャ妖精に入ったミツメと申します」
もうマモルさんの代わりが決まったのか。やっぱり芸能人て、みんなイケメンなんだな。
「そうですか。私はナミネです!ナノハナ家へようこそ!」
「ナミネさん、とても可愛らしいですね」
思うことは皆同じか。
「頑張ってください。いつまでも、ニンジャ妖精さんを存続させてください!私、応援しています!」
「あの、こちらがリーダーですか?」
何故間違える。
「リーダーは僕だ!事務所が決めたとはいえ、一応力量を見たいから今ここで弾き語りしろ!」
「分かりました。指定の曲はありますか?」
「ニンジャ妖精、ファーストアルバム 2番目、ハートの夕陽だ」
「今から弾きます」
ミツバさんはハートの夕陽を弾き語りしはじめた。
「上手くいかないことが あっても
逃げ出さないで まだ早いから
一日一日 違う空
僕らは 眺めてる
夢を追うなら 掴んでよ
真っ白な キャンバス
埋めるのは 他でもない自分
全力で 未来作り上げて
一日の終わりを告げる ハートの夕陽
心休める時間 そして希望の明日
最初から 上手くいくこと
求めないで 何度もぶち当たれ
過去で決まる 現在(いま)
立ち上がれ ニンジャ妖精
人生は儚い だから絶望する
逃げても 追いかける見知らぬ影
一日一日 よく似ている
僕らは 疲れていた
一日の終わりを告げるハートの夕陽
心休める時間 そして希望の明日
最初から 上手くいくこと
求めないで 何度もぶち当たれ
過去で決まる 現在(いま)
立ち上がれ ニンジャ妖精」
ミツバさん、堂々としてるなあ。
「腕はいいな。シュリ、ロクメ!ミツバのようにギター練習しろ!」
マモルさんが、抜けてカンザシさんがリーダーか。カンザシさんの弾き語りはナミネも気に入ってるし、私もニンジャ妖精さん応援しないとな。
けれど、ふと思い出す。あの大きな折り鶴はいったい……。
「ねえ、ナミネ、あの大きな折り鶴は何?」
「覚えてません」
「そっか、今日はナミネの大好きな卵がゆだけど、ナミネはナノハナ食堂のご飯食べよっか」
「意地悪しないでください!紙飛行機もあれば折り鶴もあるでしょう!あの折り鶴は小さい時にラルクと私が開発したものです!」
そうだったのか。見たことなかったけど、家の中で作ってたのかな。大きな折り鶴か。まさか、あれで飛ぶとは思わなかった。
「カンザシ!どうして、自分だけ助かって、僕を切り捨てた!」
え、まだマモルさんいたの?
「じゃあ、ラルクも戻ったことだし、そのことについて話し合おうか」
「でも、ナルホお兄様、ラルクの様子がおかしいです」
「復讐してやる……復讐してやる……」
余程ショックだったのだろうか。けれど、セレナールさんほどの綺麗な人が簡単に落ちるとも思えない。でも、結論としては騙されたわけか。
「うん、ラルクはここから出さないようにするから、予定通り話し合うよ。まず、カンザシさんは夜中にセレナールの部屋に行って誘われたと思ったらヨルクと間違えられたことに気付いたんだね?そこまでなら許される範囲なんだけど、問題はセレナールに暴力ふるったことと、マモルさんにセレナールを引き渡したことなんだよね」
何だか、万が一私が寝言で他の人の名前言ってたら、私も引き渡されそうな気がしてきた。てか、ミツバさんは、いきなりこんな話聞いて大丈夫なのだろうか。
「ヨルクさんの代わりにされて馬鹿にされたと思いました。暴力のことは反省しています。けれど、マモルのことはマモルの意思ですよね。僕は強制はしていません」
「納得いかないわ!私はカンザシとマモルにイジワルされたわ!兄さんがマモルの両親から慰謝料取ったところよ!」
今回のことはセリルさんも内心はかなり苛立っているのだろうか。
「うん、でも、カンザシさんはイジワルとまではいかないよね。結論として、イジワルしたのはマモルさんだけで、そのマモルさんのご両親からは既に慰謝料をもらっている。裁判に持ち込んでもカンザシさんを有罪にするのは難しいと思う」
間違えた……か。もうホラーレベルだな。私が間違えたら間違いなく私はあの世行きだ。でも、それくらいナミネは私のことを……。私は思わずナミネを抱き締めた。
「私も間違えたという時点でセレナールさんの落ち度だと思います」
この間も、ラルクはずっと復讐してやるを繰り返している。流石に心配になってきた。
「私もセレナールはラルクがいるのにヨルクに抱かれようとしていたなんて、セレナールが浮気したと思うわ」
「私もユメさんと同じ」
女って怖いな。それでも、私もセレナールさんから狙われたくないし、セレナールさんにはラルクと元の関係に戻って欲しいが、そうもいかないか。
「でも、カンザシさんはどうして夜中にセレナールさんの部屋に入ったんですか?」
「それは……」
「答えろカンザシ!どうしてラルクがいるのに姉さん抱いた!」
落ち武者さんは、カンザシさんに扇子を突き付けた。
「ラルクさんの彼女だとは知りませんでした。セレナールさんの美しさに魔が差してしまいました。合意だと思っていたのにハメられて、今でも悔しいです」
難しいな。私ももし、ナミネに合意してもらったと思って後から泣かれたら立ち直れないだろうな。
「ナルホさん、マモルさんはどうなるの?」
「カナコさんが裁判に持ち込むらしいよ」
「嘘だろ!カンザシ、助けてくれ!」
「マモル、お前が勝手にしたことだろ!自分で何とかしろ!」
後ろに強力な助っ人のいる人は図に乗りやすい。自分の力でもないのに守られているからとやりたい放題だ。
けれど、話は明らかカンザシさんが有利な方向に進んでいた。
そして、この時の私はラルクのメンタルが極度に傷付いていることを知らないでいた。
……
あとがき。
まさか、タイムスリップしてしまうとは。
走り書きには全くないシーンだったので私もビックリしました。
けれど、歴史はそう簡単には変えられないものなんですね。
自分を愛し自分のために死んだと思っていたセレナールが、まさかラルクを騙していただなんて、残酷です。
《ヨルク》
私たちは、古民家の並んだ町にラルクを迎えに行った。
けれど、そこで私たちが目にしたのは、ラルクと森の湖にいるはずのセレナールさんだった。だが、ラルクは昔のセレナールさんに完全にカモにされているようだった。
それに気づきながらもラルクは昔のセレナールさんの説得をしていたらしい。
ラルクを利用し、皇太子様と私を天秤にかけたと知ったナミネは昔のセレナールさんに扇子を突き付けた。
「ラルクの心を返してください!」
「ラルク、会うのは今日で最後よ。私は皇太子様と交際するために皇室に行くの」
「姉さん、あんた、とんでもない女だな。あんたと皇太子は別れるんだよ!皇太子はエミリと交際するんだよ!」
現実はそうだが、今のこの人には何を言っても通用しないだろう。
「させません。セレナール先生には現代の人になってもらいます」
ラルク、何言ってるんだ?そして、ラルクは昔のセレナールさんに結界をかけた。結界?現代ではもう存在していないはずだが。何故、結界が使える。
「やめて!私、ラルクとは一緒になれない!皇太子様と幸せになるの!妨害しないで!」
「ねえ、落ち武者さん、どうして結界使えるの?もうなくなったんじゃなかったの?」
「あんた、何も知らないんだな。研究者が、遠い昔に結界が存在した証拠見つけたんだよ!それで、結界復活した。でないと、強気なナミネが伝説最上級武官に受かるわけないだろ」
えっ、ナミネは既に結界使えていたのか。
結界は基本は10までだが、研究者がそれ以以上は存在すると発表し、10を超える数字を使う時は最後に『想定』と言う。
「ナミネ、結界解いてあげて」
「いやです!私はラルクの幸せを守ります!」
ナミネは泣きながらラルクを抱き締めた。ナミネ、どうしてそこまでラルクの人生に拘る。
「ラルク、よく聞け!強気なナミネは既に伝説最上級武官に受かってる。平和ボケなナルホも妖精村初級武官の資格持ってる。僕も近々伝説受けるつもりだ。あんた、恋愛にうつつ抜かしてると置いてかれるぞ!」
はあ、ナミネも落ち武者さんもナルホさんも強い。どうして私は弱いのだろう。みんなと同じように訓練してきたのに。でも、現世では、ラルクのように私も教師を目指すつもりだ。また、ろう学校に就職することを考えている。
「もう武官なんてどうでもいいです。セレナール先生と一緒にいられるなら、全てどうでもいいんです」
「おいおい、この結界誰が解くんだよ」
ナミネが結界を解かない限り、昔のセレナールさんは閉じ込められたままだ。
「ラルクさん、結界かけても、昔のセレナールさんのお友達がそのうちここに来ますよ。実らない恋を受け止められない気持ちは分かりますが、これでは監禁になってしまいますよ」
え、床に何か書いてる?数式?随分と長いな。
その時、昔の?セリルさんが来た。
「セレナール!」
「兄さん!助けて!」
「今、みんな向かってる!」
「セリル、結界解けよ!」
「ごめんね、僕には解けないんだ」
「おい!あんた役に立たないじゃねえか!」
この時代のセリルさんは結界が使えなかったのか。何だか今より随分と雰囲気も違う。
「セリルさん、弟を助けてください」
私は自然と涙が流れていた。
「ヨルク、ラルクは大丈夫だよ。一時的にセレナールを好いているだけなんだよ」
一時的……。本当にそうなのだろうか。
「ナルホさん、結界解けなかったらどうなるの?」
「セレナールは皇太子はとは一緒になれず、歴史が変わり、現世にも大きく影響するよ。ナヤセスさんもカンザシさんも赤の他人で僕たちとは知り合わないかもね」
「そんなの、そんなのいやです!ズーム!何とかしろ!」
「カンザシ、お前の仲間ならお前が何とかしろ!」
歴史が変わる……。またナミネとの交際は取り消されるということなのだろうか。どうして弟に人生を狂わせられなければならない。ナミネのこと、ずっとずっと好きだったのに。
その時、昔のエミルさん、カラルリさん、カナエさん、エミリさんが来た。
「ラルク!セレナールを解放するのです!」
何だか魔法使いみたいだな。着物着てるけど。
「解!」
昔のエミリさんが結界を解こうとしたがダメだった。
「そんな……どうして結界が解けないの?」
「あの、カナコさんと、レイカさんは?」
「任務でここにはこれないわ」
そんな……。だったら、誰が結界を解くと言うのだ。
「では、カラルリさん、僕の合図でセレナールさんをこの家から連れ出して下さい」
「分かった!セレナール、今すぐ助けるからな!」
ズームさんは、数式の上に手を乗せた。すると手の周りが光った。これが錬金術なのだろうか!(全然違います。結界は元々は数式で出来ていて頭脳明晰な人は数式を使うケースがあるのです)
「解!今です!」
昔のカラルリさんは昔のセレナールさんを家から連れ出した。私も後を追った。
あれ、町に光が付いてる。民家には人のいる気配もあった。私たちがタイムスリップしたのだろうか。
「ラルク、セレナールさんを追うよ!」
え、何故まだ抗う。ナミネが馬に乗るとラルクもナミネの馬に乗り、猛スピードで昔のセレナールさんを追いかけた。私やナルホさんも近くの馬に乗った。
ダメだ、全く追いつけない。せっかく、外に出れたのに……。
「カナエ、セレナールと一緒に飛んでキクリ家まで行け!」
「分かりましたのです!」
カナエさんとセレナールさんは妖精の羽で飛び立った。
「ラルク、馬乗り捨てるよ!」
え、あのデカい折り鶴何!?
「ナミネ、待って!」
ナミネとラルクは馬を乗り捨て大きな折り鶴に乗ってキクリ家に向かった。仕方ない、私はこのまま馬でキクリ家に向かおう。乗馬、もう少し練習しておけば良かった。現代だからと、いざという時のこと何も考えてなかった。私は今更後悔した。
えっと、カンザシさんはナルホさんの馬に乗ってる。
キクリ家に着くと、ナミネとラルクが昔のセレナールさんに扇子を突き付けていた。間に合わなかったか。
「助けて!」
「ナミネ、ラルク、セレナールを解放してやってくれ」
「ナミネ、ラルク、歴史を変えてはいけないのです!」
「ナミネ、ラルク、セレナールは皇太子様と一緒になるのよ!」
いったいどうしたらいいのだ。それにしても、昔のキクリ家ってこんな感じだったのか。何だかとても古風だ。
えっ、昔のミナクお兄様と私……?
「ラルク、みんなに迷惑かけるのはやめろ」
って、この頃のミナクお兄様めっちゃまともじゃん。いつから、あんなふうになったのだろう。
というか、昔の私、今の私と同じくらいの年齢なのか?
「ラルク、何してる。大事にするな」
ナミネが昔の私に駆け寄ろうとした時、昔のセレナールさんがナミネを突き飛ばし、昔の私を抱き締めた。
「ヨルク……会いたかった……好き」
「悪いが私には心に決めた女子がいる」
昔の私は、昔のセレナールさんを振りほどいた。
「ヨルク、私を愛して!」
「セレナール!ヨルクはナミネとの縁談が決まりかけています」
そうなのか?だったら、どうして、私とナミネは一緒になれなかったのだろう。
「ヨルクさん!私はヨルクさんが好きです!だから、この時代の私を捨てないでください!」
「ナミネ、ここで何してる」
「てか、あんた、性格違いすぎるだろ!」
「そんなこと言われても私も流石に覚えてない!」
ナミネは昔の私を抱き締めた。何故、昔の私を抱き締める。
あれ、昔の私は妖精ではなかったのか?基準は何なのだろう。
「ヨルクさん、ラルクはこの時代のセレナールさんのことが好きなんです。どうか、ラルクの幸せを叶えてあげてください」
「そんなものは認められぬ。今すぐ元の時代に帰れ!」
え、昔の私が剣を抜いた?
「ナミネ、危ないからこっち来て!」
私の声も届かずナミネは扇子を構えた。昔の私の剣とナミネの扇子がバチバチ音を鳴らせた。
「あんた、何で弱くなった」
「だから、こんな昔のこと何も知らないって!」
昔の私が花の舞を使うと同時にナミネも花の舞を使った。2つの花吹雪が視界を狭めた。花吹雪が止む頃、昔の私の剣はナミネの扇子に弾かれたのか、ナミネは昔の私に扇子を突き付けた。
「昔のヨルクさんは最上級武官レベルですな」
「ナミネ……女がこのような戦いなどはしたない」
その時、昔のナミネが来た。ピンクのかすみ草の着物着た昔のナミネ可愛すぎる。私は思わず写真を撮った。
「ヨルクさん、縁談のことですが……」
「縁談は白紙にする」
「待ってください!もう少し時間をください!」
「悪いが好きな女子が出来た」
「誰なんだよ、言ってみろよ」
もう何が何だか分からなくなってきた。この時の私もナミネのことが好きだったはず。好きな人なんて嘘だろう。
「花屋で働いているサユリさんのことが好きだ。ナミネとは結婚出来ない」
えっ、どうなってるの?てか、この頃からサユリさんいたの?
現代のナミネが涙を流している。私は思わずナミネを抱き締めた。
「ナミネ、この時代は仕方ないんだよ。今の私たちで愛を育んでいこうね」
「おい、あんた、バレバレな嘘ついてんなよ」
落ち武者さんは昔の私にフェアリーングをかけた。
「昔の顔だけヨルク、あんた、昔の強気なナミネのこと好きなんだろ!」
「好きだ。私は小さい頃からずっとナミネを見てきた。だが、ナミネはラルクのことが好きだし、そんな気持ちで縁談がまとまっても個人的には気持ちの整理もつかないから、サユリさんとの縁談をまとめようと思う」
はあ、やっぱり、この時代の私もナミネ一筋だったか。
「ヨルクさん、本当にごめんなさい」
「昔の私さん、私は元々ヨルクさんが好きだったんです。でも、ヨルクさんの突然死を思い出すたび、私は若くで衰弱死して、最後の天使村の番人に二度とヨルクさんを好きにならないようお願いしてしまったんです」
ナミネは天使村の私との結婚式の写真を昔のナミネに見せた。
「うーん、ごめんなさい。天使村なんて知りませんし、私……」
「では、ご勝手にしてください」
その時、ナミネのナプキンが限界になったのか、床に血が流れた。昔の私は現代のナミネに布ナプキンを渡した。
「使え」
「あ、すみません」
ナミネがみんなの前でパンツを下ろそうとしたら、昔の私が現代のナミネをみんなから遠ざけた。
「ここで替えろ」
「はい」
ナミネは布ナプキンに替えて汚れたナプキンをビニール袋に入れた。
「昔のヨルクさんも料理をされていますか?」
「ああ、している」
「そうですか」
「ナミネ、お腹痛くない?」
私はナミネの手を握った。
「少し痛いです」
「ナミネ、これ飲んで」
私はナミネが持ってるポーチの中から痛み止めを取り出した。そして、小さいミネラルウォーターと共に渡した。
「ありがとうございます、ヨルクさん」
ナミネは痛み止めを飲んだ。
「あの、そちらの時代では、本当に私とヨルクさんは好き合っているんですか?」
「うん、そうだよ。ナミネとはナノハナ家とクレナイ家を行き来してる。私はずっとナミネが好きだったんだよ。現世ではナミネも私のこと好きになってくれて幸せに暮らしてる。でも、ナミネは好きに生きて良いんだよ。無理に私との縁談をまとめることはないからね」
ナミネ、いつか気付いてくれればいいよ。今はラルクを好きでも、いつか私を好きになってくれたらそれでいい。
「何なのよ!ナミネがヨルクをいらないなら、私がもらうわ!」
「どうしてですか、セレナール先生……」
好きでもない女と結婚しようとしている昔の私と、好きな女と無理矢理一緒になろうとするラルク。恋というのは上手くいかない。
「皆さん、もうすぐキクスケさんが来ますよ。伝えたいことがあるなら、今ハッキリと伝えてください」
そっか、いつまでもはここにいられないのか。
「じゃ、一応集合写真撮っとく」
落ち武者さんはデジカメを適当な場所に置いてタイマー設定すると、みんなを並ばせ、写真を撮った。
そして、キクスケさんが来た。
「このようなことはルール違反です。未来から来た人は未来に戻ってもらいます」
「あの、キクスケさん、この時代のセレナールさんが私を好きだというのは本当でしょうか?」
私は真実を知るため、すかさず聞いた。
「本当です。セレナールさんが教師になり、ヨルクさんの担任になった時、セレナールさんはヨルクさんに一目惚れするものの、叶わず、それでも諦めきれずセレナールさんはラルクさんがヨルクさんの弟だと知るなりラルクさんと交際したんです。ヨルクさんの情報を知るためだけに。けれど、セレナールさんのヨルクさんへの想いは増すばかりで、ある日、セレナールさんは殺し屋に依頼しました。自分を殺すよう。あれは、ラルクさんを庇ったんじゃなく、自作自演の自殺でした」
そうだったのか。ラルクはまんまとセレナールさんに騙されていたわけか。その瞬間ラルクは昔のセレナールさんの羽を扇子で切り刻んだ。
「きゃーーーー!痛い!何するの!」
「よくも、よくも人の心弄んでくれましたね!二度とあなたを許しません」
「ラルク、もうやめよう。この時代のセレナールさんは最期までラルクを利用してたんだよ。ラルクにはもっといい人がいるよ」
ナミネはラルクを抱き締めた。
妖精村1番の美少女と言われたセレナールさんとはいったい何なのだろう。
「時間切れです」
その瞬間、私たちはキクスケさんによって、現代に戻された。
現代のキクリ家だ。そして、もう昔の私たちはいなくなっていた。
「ラルク、帰ろう」
「二度と許さない、許さない……復讐してやる……」
「あ、ズームさん、面倒かけたね。疲れただろうから、ナノハナ家で休んでいって」
「では、そうさせてもらいます」
ナルホさんはタクシーを呼び、みんなはタクシーでナノハナ家に向かった。
私たちはクタクタになりながら、ナノハナ家に着くなり第4居間に入った。
「みんなどうしてたのよ!3日も帰らないから心配してたのよ!」
3日も経っていたのか。全く気づかなかった。
って、知らない人いるし!誰?
「あの、はじめましてですよね?」
「はい、このたびは新しくニンジャ妖精に入ったミツメと申します」
もうマモルさんの代わりが決まったのか。やっぱり芸能人て、みんなイケメンなんだな。
「そうですか。私はナミネです!ナノハナ家へようこそ!」
「ナミネさん、とても可愛らしいですね」
思うことは皆同じか。
「頑張ってください。いつまでも、ニンジャ妖精さんを存続させてください!私、応援しています!」
「あの、こちらがリーダーですか?」
何故間違える。
「リーダーは僕だ!事務所が決めたとはいえ、一応力量を見たいから今ここで弾き語りしろ!」
「分かりました。指定の曲はありますか?」
「ニンジャ妖精、ファーストアルバム 2番目、ハートの夕陽だ」
「今から弾きます」
ミツバさんはハートの夕陽を弾き語りしはじめた。
「上手くいかないことが あっても
逃げ出さないで まだ早いから
一日一日 違う空
僕らは 眺めてる
夢を追うなら 掴んでよ
真っ白な キャンバス
埋めるのは 他でもない自分
全力で 未来作り上げて
一日の終わりを告げる ハートの夕陽
心休める時間 そして希望の明日
最初から 上手くいくこと
求めないで 何度もぶち当たれ
過去で決まる 現在(いま)
立ち上がれ ニンジャ妖精
人生は儚い だから絶望する
逃げても 追いかける見知らぬ影
一日一日 よく似ている
僕らは 疲れていた
一日の終わりを告げるハートの夕陽
心休める時間 そして希望の明日
最初から 上手くいくこと
求めないで 何度もぶち当たれ
過去で決まる 現在(いま)
立ち上がれ ニンジャ妖精」
ミツバさん、堂々としてるなあ。
「腕はいいな。シュリ、ロクメ!ミツバのようにギター練習しろ!」
マモルさんが、抜けてカンザシさんがリーダーか。カンザシさんの弾き語りはナミネも気に入ってるし、私もニンジャ妖精さん応援しないとな。
けれど、ふと思い出す。あの大きな折り鶴はいったい……。
「ねえ、ナミネ、あの大きな折り鶴は何?」
「覚えてません」
「そっか、今日はナミネの大好きな卵がゆだけど、ナミネはナノハナ食堂のご飯食べよっか」
「意地悪しないでください!紙飛行機もあれば折り鶴もあるでしょう!あの折り鶴は小さい時にラルクと私が開発したものです!」
そうだったのか。見たことなかったけど、家の中で作ってたのかな。大きな折り鶴か。まさか、あれで飛ぶとは思わなかった。
「カンザシ!どうして、自分だけ助かって、僕を切り捨てた!」
え、まだマモルさんいたの?
「じゃあ、ラルクも戻ったことだし、そのことについて話し合おうか」
「でも、ナルホお兄様、ラルクの様子がおかしいです」
「復讐してやる……復讐してやる……」
余程ショックだったのだろうか。けれど、セレナールさんほどの綺麗な人が簡単に落ちるとも思えない。でも、結論としては騙されたわけか。
「うん、ラルクはここから出さないようにするから、予定通り話し合うよ。まず、カンザシさんは夜中にセレナールの部屋に行って誘われたと思ったらヨルクと間違えられたことに気付いたんだね?そこまでなら許される範囲なんだけど、問題はセレナールに暴力ふるったことと、マモルさんにセレナールを引き渡したことなんだよね」
何だか、万が一私が寝言で他の人の名前言ってたら、私も引き渡されそうな気がしてきた。てか、ミツバさんは、いきなりこんな話聞いて大丈夫なのだろうか。
「ヨルクさんの代わりにされて馬鹿にされたと思いました。暴力のことは反省しています。けれど、マモルのことはマモルの意思ですよね。僕は強制はしていません」
「納得いかないわ!私はカンザシとマモルにイジワルされたわ!兄さんがマモルの両親から慰謝料取ったところよ!」
今回のことはセリルさんも内心はかなり苛立っているのだろうか。
「うん、でも、カンザシさんはイジワルとまではいかないよね。結論として、イジワルしたのはマモルさんだけで、そのマモルさんのご両親からは既に慰謝料をもらっている。裁判に持ち込んでもカンザシさんを有罪にするのは難しいと思う」
間違えた……か。もうホラーレベルだな。私が間違えたら間違いなく私はあの世行きだ。でも、それくらいナミネは私のことを……。私は思わずナミネを抱き締めた。
「私も間違えたという時点でセレナールさんの落ち度だと思います」
この間も、ラルクはずっと復讐してやるを繰り返している。流石に心配になってきた。
「私もセレナールはラルクがいるのにヨルクに抱かれようとしていたなんて、セレナールが浮気したと思うわ」
「私もユメさんと同じ」
女って怖いな。それでも、私もセレナールさんから狙われたくないし、セレナールさんにはラルクと元の関係に戻って欲しいが、そうもいかないか。
「でも、カンザシさんはどうして夜中にセレナールさんの部屋に入ったんですか?」
「それは……」
「答えろカンザシ!どうしてラルクがいるのに姉さん抱いた!」
落ち武者さんは、カンザシさんに扇子を突き付けた。
「ラルクさんの彼女だとは知りませんでした。セレナールさんの美しさに魔が差してしまいました。合意だと思っていたのにハメられて、今でも悔しいです」
難しいな。私ももし、ナミネに合意してもらったと思って後から泣かれたら立ち直れないだろうな。
「ナルホさん、マモルさんはどうなるの?」
「カナコさんが裁判に持ち込むらしいよ」
「嘘だろ!カンザシ、助けてくれ!」
「マモル、お前が勝手にしたことだろ!自分で何とかしろ!」
後ろに強力な助っ人のいる人は図に乗りやすい。自分の力でもないのに守られているからとやりたい放題だ。
けれど、話は明らかカンザシさんが有利な方向に進んでいた。
そして、この時の私はラルクのメンタルが極度に傷付いていることを知らないでいた。
……
あとがき。
まさか、タイムスリップしてしまうとは。
走り書きには全くないシーンだったので私もビックリしました。
けれど、歴史はそう簡単には変えられないものなんですね。
自分を愛し自分のために死んだと思っていたセレナールが、まさかラルクを騙していただなんて、残酷です。
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