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日常のこととかオリジナル小説のこととか。
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プロフィール
HN:
ashita
Webサイト:
性別:
女性
職業:
地主(土地貸してます)
趣味:
漫画やアニメを見るのが好きです。最推しはフーディーニ ♡
自己紹介:
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ブログ、もう書かないと思ってました。

けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。

小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。

純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。

元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。

ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。

小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。

よろしくお願い致します。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

お知らせ。

イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。

また、「カラクリよろずや」にて無料のフリーイラスト素材配布もはじめました✩.*˚

フリーイラスト素材も増やしていく予定です(*'ᴗ'*)

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。

ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。

小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。

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X @kigenzen1874

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〈資格履歴〉

2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格

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〈資格証明バナー〉

鉛筆デッサンマスター®認定試験資格取得証明
絵画インストラクター資格資格認定証
宝石鑑定アドバイザー資格認定試験資格取得証明
鉱石セラピスト資格資格保持証明
茶道アドバイザー資格認定試験資格取得証明
お点前インストラクター資格資格認定証
着物マイスター®資格認定試験資格取得証明
着付け方インストラクター資格資格認定証
サイキックアドバイザー®資格資格証明
サイキックヒーラー資格資格保持証明
アンガーカウンセラー®資格資格保持証明
アンガーコントロール士資格資格認定証
漢方コーディネーター®資格認定試験資格保持証明
薬膳調整師®資格認定試験資格保持証明
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純愛偏差値 未来編 一人称版 57話

《ナミネ》

私とラルクは久しぶりにクレナイ家のお風呂に入っている。ヨルクさんと交際してからは、ヨルクさんとばかりお風呂に入っていたから、ラルクとこんなふうに過ごすのはヨルクさんと交際前振りになる。ヨルクさんと交際する前はラルクとよく一緒にお風呂に入っていたのだけど、だんだんヨルクさんと過ごす時間のほうが多くなって、ラルクと2人で過ごしていた時間が薄れていた。
「ラルク、一緒にお風呂入るの久しぶりだね」
「ナミネ、ごめん」
ラルク、反省しているのかな。
「まだ、セレナールさんのこと恨んでる?」
「全く恨んでないわけじゃないけど、伝説武官に辿り着けなかったことは僕自身のせいなんだ。僕が恋愛に明け暮れているうちに、ナミネと差がついて焦るようになっていた」
セレナールさんとの恋も実らず、伝説武官にも辿り着けないラルクは八方塞がりになっていたのかもしれない。でも、私はもうラルクに復讐なんかして欲しくない。
「ラルク、もうあんな女放っておきなよ。どの道、エミリさんと皇太子様の記憶が戻るまでの儚い夢なんだからさ」
エミリさんと皇太子様の記憶が戻ればただでは済まされない。2人はずっと純粋な関係を築いていただけに、エミリさんが不本意に喪失したものは大きい。
変わったのは過去ではなく、未来だったんだ。
「分かってる。それでも、あの時は馬鹿にされた挙句、皇太子様に乗り換えたセレナール先輩を恨んでしまった。でも、もうこれからは彼女なんかいらない。ナミネや落ち武者さんに追い付いて、前みたいに訓練に集中する」
ラルク、今度こそ正気に戻ったんだよね。信じていいんだよね?
「焦らなくていいよ。ラルクなら、必ず受かるんだしさ」
「でも、僕はセレナール先輩に訴えられるかもしれない」
「大丈夫だよ。セレナールさん助かったんだし」
お武家連盟会議では、ラルクの暴力行為が問題視されているけど、私は人を騙して辱める行為も1つの暴力であると思う。ラルクを追い詰めたセレナールさんなんか、とっとと記憶戻した皇太子様にフラれて、自分で作り上げた残酷な現実を直視すればいい。
「僕は元に戻れるかな」
「ラルクは進むんだよ!私が支えるよ。ラルクのことずっと支えるよ。でも、焦らないで。いつまでにこうしなきゃとかないんだからさ」
ラルクはやたら惚れっぽいところがある。クレナイ家の男はみんなそうだ。ヨルクさんだってミネルナさんに気があるような素振りしてたし。(全くしてません)
「ありがとう、ナミネ」
期待してるよ、ラルク。今度こそ、邪魔する人に惑わされないで。
お風呂から上がると私はヨルクさんの部屋に向かった。

あれ、電気ついてない?ヨルクさん、いないのだろうか。私は電気をつけた。すると、机には私の分の夕飯が置いてあって、ヨルクさんは布団の上で泣いていた。私はヨルクさんに駆け寄った。
「ヨルクさん、どうして泣いているのですか!?」
また、私が何かしたのだろうか。
「ナミネはズームさんのこと好きなの?」
え、いきなり何?
「い、いえ、交際のこととか正直全く覚えてないです!」
やっぱり、私がまた泣かせたのか。どうしたらいいのだろう。ヨルクさんはちょっとしたことですぐに泣く。
「ナミネは私のどこが好きなの?」
私はヨルクさんを抱き締めた。
「優しくて私を本気で愛してくれて、いつも心配してくれて、美味しい料理作ってくれるヨルクさんが好きです!そもそも、ヨルクさんは誰と比べているのですか?私はどんな男が現れてもヨルクさんだけを見てるんです。ヨルクさんとは別れません!」
はあ、ヨルクさんは優しいけど、優しすぎてメンタルが脆い。こんなふうに泣かれると私が悪いみたいじゃない。
「うん、ごめんね。ナミネのこと信じる。今、ご飯温め直すね」
「あ、はい」
何か主婦みたい。熱、上がって来てる。私は布団に寝転んだ。その時、部屋がノックされた。私は扉を開けた。
え、カンザシさん……。何の用だろう。
「ナミネさん、少し2人で話せませんか?」
ヨルクさんは、夕飯温め直しに言ってるし気まずいな。
「すみません。熱が上がってきたので、今日はご飯食べたら寝ます」
「どうしてですか!ラルクさんとは一緒にお風呂に入ったのに、どうして僕とは少しも時間取ってくれないんですか!」
やっぱりカンザシさんは自分のことしか考えていない。私は別荘でラルクを引き止めるだけで、かなりの体力使ったのに。どうして気遣ってくれないのだろう。
「本当に具合が悪いんです」
その瞬間、カンザシさんは私に殴りかかった。私は避けた。そして、天井にしがみついた。
「ナミネさん、下りてきてください」
その時、またノックされた。
「どうぞ」
あ、ズームさん!
「ズームさん!助けて!」
「おい、カンザシ、ここで何してたんだ!」
あれ、何か持ってる?
「ナミネさんが僕との時間作ってくれないから言い聞かせてる!」
「いい加減にしろ!カンザシ!」
ズームさんはカンザシさんを部屋から追い出した。入れ替わりにヨルクさんが戻って来た。私は天井から下りた。
「ナミネさん、冬用のルームウェアです。良かったら使ってください。それと、熱さまシートとドリスポです」
「わあ、暖かそう!ありがとうございます!」
ズームさんて、本当は優しい人なんだ。カンザシさんとは大違い。
「では、これで失礼します」
ズームさんはヨルクさんの部屋を出て、カンザシさんをどこかに連れて行った。
「ナミネ、ご飯ここに置いとくね」
「あ、ヨルクさん、ズームさんのことは、その……」
めちゃくちゃ気まずい。
「うん、何となく分かる。ズームさんから色々もらえて良かったね。着せてあげる」
ヨルクさんは私にズームさんからもらったルームウェアを着せた。
「カンザシさんに具合悪いって言ったら殴りかかってきたんです」
「え、ナミネ、大丈夫?」
私は夕飯を食べはじめた。
「はい」
「ナミネ、カンザシさんとは2人で会わないほうがいいんじゃない?」
「私もそうしたいんですけど……何か付きまとわれているというか……別に嫌いとかではないんですけど、私の体調を全然考えてくれないんです」
ダメだ。眠くなってきた。私は急いでご飯を食べた。ヨルクさんは私のおでこに手を当てた。
「ナミネ、また熱上がってる」
ヨルクさんは、さっきズームさんがくれた熱さまシートを私のおでこに貼った。
「あ、すみません」
「ナミネ、もう寝て」
「はい」
私は布団に入るなり眠りについた。
この時の私は何も知らなかった。アランさんがセレナールさんに気があることを。タルリヤさんが紀元前村から妖精村学園に転校していたことを。エミリさんが密かにタルリヤさんと関係を持っていたことを。エミリさんがアランさんとタルリヤさんの子供を異父過妊娠していることを。セレナールさんが皇太子様の子を妊娠していることを。アヤネさんという貴族が妖精村学園に転校していたことを。

数日後、私はふとした瞬間に、みんなで行った星空レストランに飾られていた絵を描いたのは昔の自分であることを思い出した。いつかの私は小さな絵画展もしていた。
そのことを落ち武者さんに話したら、絵画展全体の写真や、私のサインが入った絵の写真、私が絵を描いている様子の写真をくれた。
後日、私は星空レストランのサイトにアクセスするとタルリヤさんのプロフィール欄にメールアドレスが載せてあり、私はタルリヤさんに写真と共にメールをした。すると、タルリヤさんは星空レストランの店長に詳細を話してくれて、星空レストランには、私がタルリヤさんに送った写真のコピーと元の作者は昔の私である説明書きを載せてくれたそうだ。また、タルリヤさんが所有している1点の昔の私が描いた絵画もお店に飾ってくれたらしい。
それ以降、私とタルリヤさんはメールでやり取りをするようになった。

カンザシさん以外のニンジャ妖精のみんなとラハルさんは、虹色街に戻り、仕事を再開するようになっていた。時にはカンザシさん抜きのテレビ出演もしていたそうだ。けれど、カンザシさんがずっと紅葉町に残り続けるから、ラハルさんとミツメさんは仕事の合間に紅葉町に様子を見に来てくれた。

ズームさんとミネルナさんは、エミリさんと皇太子様の記憶が戻らないことを心配し、クレナイ家と実家を行ったり来たりしている。カラルリさんは、たまにクレナイ家に来てはミネルナさんを口説いていた。
また、ミネルナさんは、あの後、セレナールさんを救った恩人として皇太子様から多くのお礼の品物をもらったらしい。

セナ王女はクレナイ家で過ごすごとが多くなっていて、カナエさんは王室の別荘でアルフォンス王子のお世話をしている。

ナルホお兄様は私を心配し、しばらくクレナイ家で過ごすことになり、ナヤセス殿もたまにクレナイ家で泊まるようになったのである。

私は第4居間に入った。
そっか、今日はニンジャ妖精さんがいるのか。
「あ、ズームさんもミネルナさんも、洗濯物あったら、遠慮なく、廊下のカゴに入れてください」
「僕は結構です」
「じゃあ、お願いするわ」
また、ヨルクさんミネルナさんが綺麗だからって、いい子ちゃんぶってる。
「ミネルナさんの生下着見ることが目的の変態ですな」
「ナミネ、どうしてそんなこと言うの?私、そんなつもりないし、カゴの中の衣類なんて見てないから!」
「干す時にはガッツリ変な想像するわけですな」
「変な想像してるのナミネのほうでしょ!」
ミネルナさんの下着か……。ミネルナさんて彼氏いるのかな。
この時の私は知らなかった。ミネルナさんがカンザシさんに想いを寄せていることを。
ミナクさんとセナ王女は使用人に洗濯してもらっているのか。まあ、ここミナクさんの家だもんな。
「ミツメさんは、コマーシャル出演やドラマ撮影もされているそうですな」
「はい、オーディション受けたら受かったので全力尽くそうと思います。ソロでも活動しています」
「ふむふむ、努力をされてますな」
ミツメさんならソロでもやっていけるだろう。こんな短期間で、ラハルさん同等の実力を身に付けるとは。その時、ヨルクさんが私の首にマフラーをかけた。
「ナミネ、寒いからこれ使って」
「ふむふむヨルクさんの手編みのマフラーですか。ヨルクさんは器用ですな」
「小学生の頃からナミネに毎年編んでたけど、やっと渡せた」
そうだったんだ。ダメだ。好きすぎる。
「ありがとうございます、ヨルクさん。大切にします」
私はヨルクさんにもたれかかった。
「ナミネ、もうすぐ生理でしょ。いつものポーチ渡しておくね」
やっぱりヨルクさんてズレてる。みんなの前でこういうの恥ずかしい。
「あ、ありがとうございます」
私はポーチを受け取ると徐々にヨルクさんから離れ、ラルクの隣に座った。
「ねえ、ラルク、ズームさん伊達メガネしてるよ」
「わざわざ言うなよ。今の時代だから、ブルーライトの特注とかだろ」
そっか、ズームさんて普段かなりパソコン使ってそうだもんな。
私はズームさんの膝に頭を乗せ寝転んだ。
「ズームさん、どうして伊達メガネなの?教えて教えて」
「知りません」
その瞬間、カンザシさんは私を殴ろうとした。私は避けて立ち上がった。
「リーダー!いい加減にしてください!」
「ミツメ、お前反則したんだってな」
反則?何のことだろう。
「リーダー、今度は脅しですか!僕は反則なんてしていません!」
「これ見ろよ」
カンザシさんは写真をばらまいた。ミツメさんて空手初段だったんだ。これって大会の時の写真かな?禁止技の写真がリークされたということか。
「まだまだお若いのに青春を奪われるのは酷ですな。良かったら私が詳細を調べましょう」
「もう終わったことなのでいいです。今は音楽に集中します」
私はミツメさんに扇子を突き付けた。
「いけませんな。そうやって、濡れ衣着せられたまましっぽ巻いて逃げるなんて。そんなことでは芸能界でもまた同じことの繰り返しですぞ」
「僕にどうしろっていうんですか!」
「完全な負け犬ですな。芸能界でも変な噂されますぞ」
ミツメさんは何も言わなかった。私はミツメさんが怒るまで負け犬と煽り続けた。ミツメさんは私に殴りかかった。私は扇子をしまい、ミツメさんの攻撃を避け続けた。
「おや?一発も当たってませんぞ?」
それに加えカンザシさんも私に攻撃してきた。
「今こそ、ナミネさんがいかに僕に酷い態度を取っているか思い知らせます!」
私は2人の攻撃をひたすら避け続けた。20分もすればカンザシさんは息を切らしはじめた。
「カンザシさんはログアウトですかな?」
私は天井まで飛び上がり着地した瞬間にミツメさんに前蹴り寸止めを行った。
「ここまでですな。まあまあ基礎は良いでしょう」
ミツメさんは、その場に泣き崩れた。やっぱり過去に何かあったのか。
「僕だって続けたかったです!でも、ハメられたんです。試合開始の前に僕の床の所にだけ何か塗られていました。試合開始と共に別の場所に移動しましたが、足が滑り、相手にぶつかり気がつけば相手を押し倒したまま相手の喉が押し潰されていたんです。僕はその場で失格になり、二度と試合に出られなくなったんです」
若くて強い。先輩の妬みだろうか。
「今、続けたいと仰りましたね。では、私に助けを求めますか?」
「お願いします……」
私は無線を手に取った。
「これよりナノハナ家 第1出動の要請を行います。ナノハナ家初級武官は今すぐ数年前のミツメさんの虹色街での空手大会で細工された証拠を見つけ出してください!顧問弁護士は細工した人を訴え慰謝料請求の書類を持ってきてください」
ミツメさんは何年前か言わなかったけど、ナノハナ家の武官は優秀だし、当時の監視カメラの証拠でも見つけてくれるだろう。

2時間後、ナノハナ家 初級武官と顧問弁護士が来た。
私は初級武官から渡された資料を見た。
3年前か。表向きには、ミツメさんが開始同時に相手を押し倒し禁止技を使い失格とあるが、防犯カメラの映像では、高校生らしき人物3人が前の日にミツメさんの立ち位置のみに油を塗っていた。理由は、ミツメさんが妬ましくて見るたびに悔しくてどうしようもなかったと書かれてある。しかし、ミツメさんの件で、ミツメさんの実家である道場は信用を失い、生徒は次々にやめていき、ミツメさんのお父様は清掃員の仕事をしはじめた。ふむふむ、ミツメさんのご実家は道場だったのか。
当時、ミツメさんの試合相手だった人は、ミツメさんがハメられたことを知り、当時床に油を塗った高校生3人をナノハナ家 顧問弁護士を通して訴えることにしたらしい。
ミツメさんもナノハナ家 顧問弁護士を通して訴えることとなった。

先の話になるが、裁判は案外早く行われ、当時の証拠の映像が決め手となり、ミツメさんと当時の試合相手は勝訴し、油を塗ってミツメさんを陥れた当時高校生だった3人は懲役2年、ミツメさんと試合相手の双方に300万円を慰謝料として支払うことになった。裁判のことはニュースにもなり、ミツメさんの実家の道場は再び信用を取り戻し、ミツメさんのお父様はまた道場を運営することになったらしい。

私はヨルクさんが持ってきたお茶を飲んだ。
「ナミネさん、ありがとうございます。裁判に負けても、悔いはありません」
裁判で戦う決意。それがミツメさんに勇気をもたらしたのだろうか。
「まだ、負けると決まったわけではないですぞ。では、ミツメさん、私からのお題です。当時の状況を再現して試合をしてみましょう。もちろん私が油が塗られたほうに立ちます」
「え、でも……」
私は無理矢理ミツメさんをクレナイ家 道場に連れて行った。ふむふむ、皆さんも見学と言うわけですな。私はミツメさんに油の塗られた所を確認させた。
「確かに油が塗られてますね」
「はい……」
私は油の塗られた所に立った。
「全力でかかって来なされ!」
「じゃ、はじめ」
落ち武者さんの合図と共にミツメさんは私に向かって来た。確かに、1歩でも動けばかなり滑る。私はその場から動かなかった。
ミツメさんが私に手刀を使った瞬間、私は天井まで飛び上がり、ミツメさんの後ろに立ち、ミツメさんが前を向いた瞬間、私はミツメさんに正拳アゴ打ち寸止めをした。
「じゃ、そこまで」
私はヨルクさんからタオルを受け取り足を拭くと、クレナイ家 武官見習いに挨拶をした。
「皆さん、遅くまで訓練お疲れ様です!」
武官見習いには中学生くらいの男の子もいた。
武官見習いのみんなは、さっきのミツメさんとの試し試合を見てか私に拍手を送った。
「あれがヨルク坊っちゃまの婚約者か?」
「強すぎだろ」
「クレナイ家は安泰だな」
ミツメさんは呆然としていた。
「ナミネ、ここ道場だよね?」
「ここは集会所ですぞ、ラハルさん。では、第4居間に戻りますかな」
私は道場を出ようとした。
「どうして……」
道場の師範の息子ゆえ、自分が1番強いと思い込んでいたのだろうか。
「ミツメさん、あなたはお強い。大会では常に優勝候補だったでしょう。しかし、天は二物を与えませんぞ!ご実家は道場。けれど、ミツメさんは芸能界の道を歩まれました。これからは音楽の道を歩みなされ!」
「は、はい!」
ミツメさん、いい顔してる。
「流石ね。でも、ヨルクの縁談だけが決まっても、ラルクとミナクがこれじゃあねえ……」
「リリカお姉様、まだ時間は十分にあるでしょう」
リリカさんは、ラルクとミナクさんのお嫁さん探しに悩んでいる。ずっと悩んでるのだ。セナ王女もセレナールさんもリリカさんは反対している。セナ王女は強いんだけどなあ。
「どうして……僕だって頑張っているのに、ミツメは恵まれた環境で何不自由なく暮らして、やりたい放題生きてきたのに……不公平だ……」
お母様は一般家庭にカンザシさんを預けたはずなのに、カンザシさんはそこで虐待を受けた。それに比べ、家が道場で3歳の頃から音楽教室に通わせてもらえて、家では空手の訓練も受けられる。ミツメさんは確かに恵まれているのだろう。
「カンザシさんには音楽があるではありませんか」
「ヨルクのお父さんは建築士でナミネのお父さんはサラリーマンなんだよね?」
「はい。しかしながら、現代は社員切り、派遣切りによって多くの人が就職困難に陥ってます。お父様も先日会社をクビになり、床屋に転職しました」
ラハルさんは、どうしてナノハナ家とクレナイ家をそんなに気にするのだろう。
「なんで、僕のお父様が建築士なんだよ!」
「あのね、ラルク。ラルクのお父様は仕事掛け持ちしてラルクにご飯食べさせてるの。ラルクに大学まで行かせるためだよ」
「強気なナミネ、あんたなんで嘘つくのさ。クレナイ家もナノハナ家も武家だ、ラハル!」
あーあ、意外な人物が言っちゃったよ。実際問題、現代の武家なんて仕事もそんなになくて、次々に潰れていってるのに。そりゃ、昔は武士ともあれば、暮らしには困らなかった。けれど、このデジタル世界の現代に剣なんていらない。
「そっか。それでみんな強いんだ」
その瞬間、カンザシさんはラハルさんにピストルを突き付けた。道場の武官見習いは騒ぎはじめた。
「ナミネ、逃げて!」
「まあ、そう焦りなさんな」
私は扇子を動かし、カンザシさんからピストルを離させ、ラルクはカンザシさんを扇子で吹き飛ばし、落ち武者さんは花札でカンザシさんを拘束した。
「あんた、ここ武家だって言ってんだろ!」
「惨めですね、リーダー。ピストル持っても少しも敵わないなんて」
武官見習いが道場を出た後、落ち武者さんは電気を切った。
「待ってください!置いていかないでください」
カンザシさんは過呼吸を起こした。
「あんた、自分のしたこと分かってんのかよ!」
「カンザシさん、音楽で成功してください!」
「ナミネさんに僕の何が分かるんですか!何の苦労もなしに、裕福な家庭でぬくぬくと過ごして。ムカつきます!ヨルクさんと別れて僕に一生償ってください!」
私がカンザシさんに対して苦手意識を持っていたのは、カンザシさんがずっと前から私のことを恨んでいるからだと私は位置付けした。実際どうか分からないが、カンザシさんは庶子として私の兄である事実をこれまでの苦労を私に償わせようとしている。
カンザシさんの言葉に私は分からなくなった。

私が間違っていたのだろうか。

……

あとがき。

前回は脱字をしてしまい、その箇所だけ訂正しました。というか、最近、脱字が増えてる気がする。

今回の話は難しいですね。

虐待を受けて育った人は虐待を受けていなかった人より、生きることに関してはかなり不利です。大人になるほどに、過去の記憶が膨らんで、イルージョンと呼ばれる症状が出てしまうからです。
普通に考えても、暴力振るわれるよりそうでないほうが、笑顔でいられますよね?

しかし、人というのは残酷な生き物で、虐待され90%の重たいものを抱えている人がイジメの的にされやすいのです。虐待された人は上手く人間関係を作れないんです。そこに付け入るのが虐待を経験したことがない一般市民で、気に入らないことがあれば、憂さ晴らしをするわけですね。
負いつまっている人を更に窮地に追い込むことを『落ち武者を槍で突き刺す』と言います。

『不利な状況から成功した』と言う人もいますが、その人はその人ですよね。自分の価値観を押し付ける人は私は好きではありません。

カンザシのように八方塞がりな人も世の中には存在します。
そんな人をイジメるような行為はしないで欲しいと思った回でした。
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