日常のこととかオリジナル小説のこととか。
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ashita
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地主(土地貸してます)
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漫画やアニメを見るのが好きです。最推しはフーディーニ ♡
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ブログ、もう書かないと思ってました。
けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。
ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。
小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。
よろしくお願い致します。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
お知らせ。
イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。
また、「カラクリよろずや」にて無料のフリーイラスト素材配布もはじめました✩.*˚
フリーイラスト素材も増やしていく予定です(*'ᴗ'*)
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。
ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。
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X @kigenzen1874
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現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
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〈資格履歴〉
2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格
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〈資格証明バナー〉

2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
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→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
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2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
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2025年08月04日
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〈資格証明バナー〉

純愛偏差値 未来編 一人称版 48話
《ナミネ》
ナルホお兄様が紀元前村からナノハナ家に帰ってきた。
けれど、ナルホお兄様は帰るなり、私とカンザシさんに、兄妹であることを告げたのである。カンザシさんとは出会って間もないし、正直信じられなかった。けれど、DNA鑑定では確実にお父様の子だし、私とカンザシさんは兄妹確定となった。
このことはまだ、落ち武者さん、ヨルクさん、エルナさんしか知らない。まして、芸能界で知られてしまったら大騒ぎだ。
それに、よりによってヨルクさんも一緒に聞いていたから、ヨルクさん、大泣きしちゃって私は胸が痛んだ。ヨルクさんとカンザシさんは瓜二つ。でも、性格は全然違う。私とカンザシさんは赤の他人同然かもしれない。だから、ヨルクさんが不安がるのも無理はないのかも。カンザシさんのことはあくまで兄以上の存在としては見ることは出来ない。それに、カンザシさんってなんだかんだで女いっぱいいそう。
私はカンザシさんが実の兄だと知った時はとても嬉しかった。けれど、カンザシさんはそうではない気がする。
カンザシさんのことでヨルクさんを不安にしたくない。私はカンザシさんへの接し方にとても迷いを覚えた。
落ち武者さんからは、遠い前世に私がカンザシさんとラハルさんと交際していた映像を見せられた。ヨルクさんも見た。ヨルクさんが大泣きしたらどうしようと思ったけれど、ヨルクさんは私の遠い前世のことを受け入れてくれた。更には、私とカンザシさんが一緒ににお風呂に入っても良いと言ってくれた。
無理してるのだろうか。でも、それだけ私のこと思ってくれているのなら、私もヨルクさんを悲しませることはしたくない。
あの後、ヨルクさんは油が飛び散ると危ないから先に第4居間にいるよう言った。ヨルクさんは私のこと子供扱い。私もう中学生なのに。けれど、そんなヨルクさんの優しさが私は好きで好きでたまらなかった。
第4居間では意外に賑わっていた。
「えっと、つまり、セルファのお姉様はセレナールで、ラハルさんは、セナ王女とセレナールの妊娠体験をナミネから聞いて、映画化したんだね」
飛べない翼。個人的には多くの妖精村の人に知ってもらいたい。
「うん、絶対にあってはならないことだから、脚本家に話したらすぐに作品にしてくれたんだ。それと、今回のラルクの問題に役立つかどうか分からないけど、花夢物語のパンフレット渡しておくよ」
ラハルさんはナルホお兄様に花夢物語のパンフレットを渡した。
「ナミネだけラハルと共演狡い!」
やっぱりナナミお姉様はそうくるか。
「ナナミはオーディション残念だったね。演技がちょっと固いね。リリカはコマーシャルのオーディション合格おめでとう」
リリカさん、受かったんだ。てか、2人ともいつ受けたの!?
「でも、ラハルと共演出来ないなんて意味ないわ」
「リリカ、最初から思い通りにはならないよ。まずは知名度知ってもらうことからはじめたほうがいいと思う」
ラハルさんてコツコツタイプだよね。ヨルクさんとは違った形で。優等生というか、リーダーシップというか。
そういえば、カナエさんとカンザシさんの苛立ちの感情がすれ違ったことが解除されてから、アルフォンス王子とカナエさん、何か前より仲良くなってる。
ということは、今のカンザシさんは相当な苛立ちを抱えているのだろうか。
その時、セレナールさんが立ち上がった。
「納得いかないわ!みんな幸せなのに、どうして私がラルクに捨てられなきゃいけないのよ!全てカナエのせいよ!兄さんに言いつけてやる!」
「セレナール、落ち着くのです!あれはカナエの意思ではありませんでした。カナエはカナエで自分とは全く違う感情に苦しめられていたのです」
まさか、カナエさんとカンザシさんの苛立ちの感情が入れ替わっていたことによって、セレナールさんとの仲は険悪モード、森の湖では歴史を変えてしまうことになってしまうだなんて。
「とりあえず今日はニンジャ妖精さんは適当に客間使ってくれるかな、ラハルさんも」
「ありがとうございます」
「何言ってるの?ラハルは私の部屋に泊まるに決まってるじゃない!」
今日はみんな帰らなさそう。
「ナミネさん、近々、こちらでもアパート借りようと思ってます」
「えっ、どうしてですか?」
「ナミネさんといつでも会いたいからです」
えええええ!知り合って間もないし、兄妹だと知ったのも今日なのに、どうして。それとも事実を知ったからこそ、カンザシさんは私と過ごせなかった時間を今から作ろうとしているのだろうか。
「そ、そうですか。この辺の物件安いので、アパートはいくらでもあると思います」
「奇遇だな、カンザシ。僕も、この辺にアパート借りようと思ってるんだ」
えええええ!ラハルさんまで!?いったい何のために?
その時、ヨルクさんと落ち武者さんが料理を運んで来た。わあ、天ぷらが可愛い形になってる。うどんに付けて食べるのかな。
私は写真を撮った。
「エルナ、料理作った」
「あら、彼氏気取りかしら?落ち武者さん」
やっぱり、この2人どう見ても好き合ってるじゃん。どうして復縁しないのだろう。
「ヨルクもセルファも料理上手なんだね。ナミネは毎日ヨルクの料理食べてるのかな?」
「はい、ヨルクさんとはナノハナ家とクレナイ家を行き来してまして、いつもご飯作ってもらってます」
「そっかあ、まるで新婚さんみたいだね」
え、そ、そんな。私も早く大人になってヨルクさんと結婚したいけどさ。
「ミナク、適当に天ぷら、お皿に入れてくれるかしら」
「かしこまりました、セナ王女」
ミナクさんはセナ王女の天ぷらをお皿に入れはじめた。セナ王女って、ミナクさんには甘えっぱなし。人のこと言えないけど、ユメさんと付き合ってた時はミナクさん別人だったよね。
「ナミネ、ナミネの好きな天ぷら入れたから一緒に食べようね」
「はい」
私はラルクに何度もメールしているけど、ラルクからは全く返ってこなかった。ラルク、家にも帰らないでどうしてるの?
その時、カンザシさんが天ぷらを落とした。
「シュリ、食え」
え、どうして。カンザシさん、何か怒ってるの?
「あ、落ちたものは私が処分しますので、新しいの食べてください」
ヨルクさんはカンザシさんが落とした天ぷらをティッシュで取るなりキッチンに持って行った。
「自分の落としたものを人に食べさせようとするなんて最低だな」
ヨルクさんが戻って来た時、リリカさんとミナクさん、セナ王女が笑った。
「ねえ、どうして笑うの!私じゃないよね!」
「あ、ラハルさんは花夢物語どう思います?」
私は無理矢理話題を変えた。
「あれは、原作者の失恋を描いた物語なんだよね。原作者は永遠の愛を求めるものの、そんなものは存在しないとラストはハッピーエンドにならなかったんだ。でも、取材の時は、決して歴史を変えてはいけないとも言ってたよ」
そっか。あの映画は元々はラノベだったのか。何だか話聞いてると、今のラルクみたいだな。
「ナミネさん、お風呂上がり2人になれませんか?」
「え、でも……」
私はヨルクさんを見た。
「ナミネ、私に気を遣わないで、好きな時間過ごして」
ヨルクさん……。
「そ、それじゃあ、1時間ほどなら……」
「楽しみにしてます!」
何だか気まずい。カンザシさんは実の兄だけど、ナルホお兄様やナヤセス殿とは違う。やっぱりまだ赤の他人だ。
「ナミネ、もうすぐ生理だよね。このポーチにいつもの入ってるから」
えええ、どうしてこんな大勢の前で言うの?恥ずかしすぎる。でも、生理が来る気配なんてない。気になっていたけど、少し前から時間がおかしい。完全に遅れてる。落ち武者さんは気づいてるだろうけど、ヨルクさんは気付いてなさそう。
「あ、ありがとうございます……」
私は俯きながらポーチを受け取った。
「ナミネ、お腹痛い?」
どうしてまだ聞くの?
「いえ、多分遅れてるだけだと思います」
「えっ、でもナミネって初でしょ?」
このタイミングで聞いてくるセナ王女……。
「あら知らないの?天の川村で研究してるのよ。好き合うカップルが1日12時間以上いることで妊娠する可能性の見込みがあるって」
そういえば、ニュースでも見たことある。けれど、妊娠しても9.9割の女性は化学流産してるとか。
「そうだったの。医術も発展したものね」
「ナミネ、妊娠してたら絶対責任取るから!学校やめて働いて、ナミネとお腹の子の面倒見るから!」
ヨルクさんも真に受けないでよ。
「本当に遅れてるだけですから!」
そう、時間の速度が明らか遅れてる。
けれど、生理は遅れるのに、カナミさんの件は既になかったことになりカナミさんの記憶から消えている。妖精村は不可思議だ。
え、セナ王女泣いてる?
「カラルリもヨルクのように彼女に尽くしまくる人だったら……中絶薬を盛られた悲しみは今も消えない……」
セナ王女……。確かにヨルクさんは責任を放棄はしない。けれど、カラルリさんがどうしてセナ王女を流産させたのかも分からない。
「セナ王女、カラルリさんはおかしくなってしまったんです。私なら必ずセナ王女の責任を取ります。どうか、私との未来をお考えください」
「ミナク……。私にはもうミナクしかいないわ」
セナ王女はミナクさんにもたれかかった。
「ニンジャ妖精さんやラハルさんは、もし自分の彼女が妊娠したらどうしますか?」
「うーん、今は責任取れないかなあ。もう少し軌道に乗ってから結婚は考えたいから今は諦めてもらうと思う」
マモルさんもやっぱり責任は取れないんだ。デビュー仕立てはお給料あまり良くないのかな。でも、だったら、あんな高価なマンションには住めないよね。
「僕も今は無理です……」
シュリさんもかあ。
「僕は責任は取りますが、すぐには結婚は出来ないので、養育費を払いながら大人になったら転職して養います」
ロクメさんは何か他とは違う発言。大学までは行くから、すぐには一緒になれないのかな。
「僕も中絶促すと思います」
フタバさん……怖い……。
「僕は責任取ります。今よりも安いアパートにはなりますが、芸能界のお給料で支えたいです」
カンザシさん、ちょっと意外かも。何となくミナクさんと同じ空気してるから、責任は取らないかと思ってた。
「僕も責任は取るし、別のアパートに引っ越して学校はやめて芸能界の給料で養ってく」
ラハルさんはカンザシさんと少し意見重なってる……?
「ラハルの給料で養えるのかよ」
「そういうカンザシこそ月給いくらなんだ」
やっぱりこの2人仲悪いのかな?
「僕は月に160万円は稼いでいる」
えっ、カンザシさんてそんなに稼いでいるんだ。
「カンザシさん、デビュー仕立てなのに凄いですね」
「今から貯金しておきたいので」
貯金かあ……。まだまだ先の話かも。
「ナミネ、話してばかりいないで食べて」
ヨルクさんは私に天ぷらを食べさせた。
「あ、ニンジャ妖精さんとラハルさんは、このパンツどう思いますか?」
私は洗濯カゴから取り出したヨルクさんのパンツを見せた。
「ナミネ、やめて!どうしてこういうことするの!何故私のみを攻撃し傷付け貶める」
「付きまとう罪は奈落の底」
「ふざけないで!煉獄女官見習いは見てないって言ってるでしょ!」
ヨルクさんって、すぐに怒る。
「正直、そういうのは小学生で卒業してると思う。ダサイって言うか……」
マモルさんにダサイって言われてる。
あれ、他は意見なし?何だか呆気ないな。
「ナルホお兄様とナヤセス殿も同じものを履いています」
「どうして、今パンツの話してるのかな?」
「ナルホ、お前オシャレに疎いの全然変わってないな」
ミナクさんはファッション雑誌よく見てるもんな。
「もう、返して!下着なんて何履いてもいいでしょ!ナミネ、こういうの良くないよ」
「でも、ヨルクさんはいつも私の下着見てますよね?」
「変な言い方しないで!洗濯物干さないといけないから仕方ないでしょ!」
「はいはい、すみませんでしたー!」
私はヨルクさんから離れ、落ち武者さんの隣に座った。それにしても、高校生での妊娠はやっぱり責任取れない人が多いのか。
食べ終わった私はナルホお兄様とお風呂に向かおうとした。
「ナミネ、湯冷めしないでね」
「はい」
ヨルクさんは私にカーディガンをかけた。
ナルホお兄様とかなり久しぶりのお風呂。
「意外だね」
「え?」
「ラルクラルク言ってたナミネがヨルクと交際してるなんて」
あ、ナルホお兄様は途中から紀元前村に行ったから、その後のことは何も知らないんだっけ。でも、実際のところ、私自身少し前まではラルクのこと好きだったんだよな。
「あ、私もずっとラルクのこと好きでした。でも、ある時に知ったんです。天使村時代はずっとヨルクさんのこと好きだったと。でも、初代天使村でヨルクさんとの結婚後、3年でヨルクさんは突然死してしまい、私はショックでその3ヶ月後に自殺したらしいです。そのせいで、ヨルクさんとの結婚後、私は衰弱死していたとか。私は、最後の天使村の時の番人に二度とヨルクさんを好きにならないようお願いして妖精村時代はラルクのこと好きになってしまってたみたいです。でも、今はヨルクさんのことしか想ってません」
本当、最後の天使村であんなお願いするんじゃなかった。ヨルクさんと2人で乗り越えていくべきだったんだと後から思い知らされた。
「そっか。ヨルクは優しいし、どんなナミネでも受け止めてくれるから、ナミネも幸せになれると思う」
ヨルクさんは優しい。その優しさに私はいつも甘えてしまう。
「あ、やっぱりそうですかね」
「でも、喧嘩した時、いつまでもナミネが拗ねたままだと、ヨルクもいつまでもは待たないからね。それから、万が一ナミネが妊娠したらヨルクは大学に行けなくなってしまう。今の時代、中学中退では就職なんてないからね。ヨルクは大学を卒業するべきだと思うよ」
いつまでも待たないか。まるで、これまでの最後の紅葉橋のよう。ヨルクさんは、他の人と結婚して幸せだったのかな。
妊娠か。リスクを視野に入れてなかったわけではないけど、やっぱりヨルクさんと愛し合いたい。
「そうですね。でも、私はヨルクさんを中学中退にはしません。私が休学してヨルクさんにはそのまま学校に通ってもらいます。でも、毎回ヨルクさんから求めてきて……それはもう毎日のように……」
この時の私は、ヨルクさんと落ち武者さん、エルナさんが立ち聞きしていることを全く知らなかったのである。
「分かった。じゃあ、せめて行為後は僕の庭園で作った薬草のお茶飲んでくれる?ピルとかトケイ草とは違って、体内には何の影響もないから」
ナルホお兄様はカナエさんと似ていて植物に興味がある。カナエさんはどちらかというと薬草だが。ナルホお兄様は紀元前村で植物の研究をしていたらしい。将来は植物研究員を目指すとか。
「分かりました。あ、カラルリさんはどうして中絶薬なんか盛ったのでしょうか。まるで、私の知ってるカラルリさんとは別人です」
「人は何世紀も経てば変わるものだよ。いつかヨルクもナミネ以外の人好きになるかもね」
え……少しずつ変わってるってこと?ヨルクさんと付き合えなくなる……?
「そんなの絶対いやです!私、来世も来来世もその後もヨルクさんと結婚します!」
「カラルリさんは少し飽きっぽいからね。今の時代、携帯通して色んなこと出来るから。でも、セナ王女の妊娠のことは軽く見てたんじゃないかな。今は諦めて大人になってからまた作ればいいと」
そうなんだよね。でも、だからって責任取らないなら取らないでセナ王女に産ませる選択肢を与えるのが筋だろうに。
「ですが、産むか産まないかはセナ王女が決めることですよね」
「交際を続ける以上、セナ王女はカラルリさんに責任を取るよう何度も迫ったと思うよ。でも、セナ王女は何もしなくても化学流産だったのに対して、セレナールのほうは完全な殺人だよね」
セナ王女は、まだ胎嚢とまではいっていなかった。けれど、確かに妊娠の兆候はあった。セレナールさんの場合は中期だったから、手続きも色々大変だったと思う。
「私はアルフォンス王子が何を考えているのか分からないです」
「葛藤してるんだろうね。本当にカナエにピルを飲ませてるのならカナエはキープ状態。カナエより良い人と恋仲になった時のためにカナエには妊娠させてないのだと思う。でも、セレナールの妊娠で魔が差したんだろうね」
アルフォンス王子の中では何も定まっていないけど、いざ、セレナールさんの幸せを見たら妬みの感情を抱いたというわけか。
「あの、ラルクはどうなるのでしょう」
タイミング悪い時にナルホお兄様が帰ってきたあまり、私はナルホお兄様と兄妹らしい会話は全然出来ていなかった。
「時を超えての恋愛は成り立たないと思うよ。やっぱり、何千年も離れた人より、同じ時代に生きる人と幸せになりたいって人は思うものなんだよね」
「ということは、歴史通りセレナールさんは皇太子様と一緒になってラルクとは別れるということですか?」
「多分ね」
ラルク……可哀想……。支えてあげたい。せっかく、森の湖にいるセレナールさんと交際したのに、幸せになれないなんて。ラルク、この先どうするの。
「ラルクは幸せになれないんですか?」
「正直、僕はラルクはナミネと交際すると思ってた。でも、ナミネはヨルクを選んだ。今のラルクは現世のセレナールのことは愛していない。だとしたら、ラルクはゼロから好きな人に出会う必要があるよね」
難しいな。でも、セレナールさんのことが一目惚れなら、綺麗な人紹介したら、その人と幸せになってくれるかな。
「ナミネ、そろそろ出るよ」
「はい」
私とナルホお兄様がお風呂から出るとカンザシさんが待っていた。そうだった。1時間だけ時間取るって言ったの私だった。2人きりだなんて何だか気まずいな。私はカンザシさんを2階の客間に案内した。
カンザシさんと2人きりの空間。何を話していいか分からない。というか、どうしてカンザシさんは私と2人になりたいのだろう。とりあえず無難に弾き語りしてもらおうかな。
「あ、とりあえず弾き語りしてもらえませんか?」
「はい、どの曲にしますか?」
えっとどうしようかな。
「あ、では、フェアリー地平線さんのマスカットお願いします」
「好きなんですか?」
「私は聴かないんですけど、ミナクさんが好きなんです」
「そうなんですか。でも、何だかそんな感じもしますね」
カンザシさんは、マスカットを弾き語りしはじめた。
この時の私も、ヨルクさんと落ち武者さん、エルナさんが立ち聞きしていることを全く知らなかった。
「どうして君は 美しさ求めるの
黄昏の浜辺で まわる 君は
こんなにも 美しいのに
君の心 今すぐ 理解してあげれないけど
少しは 頼ってほしいと 願うもの
いつからか 部屋には1つも鏡が存在しない
誕生日に コンパクトミラー渡したら
いらないと 泣きながら その場で壊された
気持ちと気持ちが 折り合わない いつかの夏
季節巡り少しは 理解してたと思ってた
それでも 頼ってくれない 切ないよ
いつからか 部屋には1つも鏡が存在しない
誕生日に プリザーブドフラワー渡したら
ありがとうと 作り笑顔で 受け取った
気持ちと気持ちが すれ違う いつかの夏
いつからか 部屋には1つも鏡が存在しない
誕生日に 満天の星空の下で思いを伝えた
ごめんなさい 君は言う 心を開けないと
気持ちと気持ちを 寄り添わせたい いつかの夏」
カンザシさんさんの弾き語りは好き。
それに、落ち武者さんに見せてもらってた映像では、カンザシさん、駆け出しミュージシャンだったな。
時を経て、今はプロになったんだね。
「カンザシさんは、お歌が上手ですな。えっと、次は……」
「ナミネさん」
えっ、急に何?やっぱり2人きりなんて気まずいよ。
「え、な、何ですか?」
って、私抱き締められてる!?
カンザシさんの汗ばんだタバコのにおい……。お、思い出した!
カンザシさんって、汗かくとヒロシノさん並の体臭で、同棲してた頃、私何度も気絶しそうになってたんだ!それに、あの時のカンザシさん、ヒモだった!今は私の兄だなんて、どんな巡り合わせなのだろう。
「おい、カンザシ!2人きりになればこんなことするなんて最低だな」
え?ラハルさん?てか、ヨルクさんや、落ち武者さん、エルナさんもいる!
「じゃ、僕らも弾き語り聞かせてもらう」
みんな入って来た。
カナエさんが歴史変えてヨルクさんと拗れた時に私が行った桜木町の空き地は、遠い昔、カンザシさんがコンサート開いてた場所だったんだ。
私は遠い昔の一コマを眺めていた。
……
あとがき。
何だか一気に詰め込んじゃった。
もう少しゆっくりがいいのかな。
他の人視点でも書きたいのに、なかなか出来ずにいる。
でも、書きたい。
たまには間に挟みたいです。
《ナミネ》
ナルホお兄様が紀元前村からナノハナ家に帰ってきた。
けれど、ナルホお兄様は帰るなり、私とカンザシさんに、兄妹であることを告げたのである。カンザシさんとは出会って間もないし、正直信じられなかった。けれど、DNA鑑定では確実にお父様の子だし、私とカンザシさんは兄妹確定となった。
このことはまだ、落ち武者さん、ヨルクさん、エルナさんしか知らない。まして、芸能界で知られてしまったら大騒ぎだ。
それに、よりによってヨルクさんも一緒に聞いていたから、ヨルクさん、大泣きしちゃって私は胸が痛んだ。ヨルクさんとカンザシさんは瓜二つ。でも、性格は全然違う。私とカンザシさんは赤の他人同然かもしれない。だから、ヨルクさんが不安がるのも無理はないのかも。カンザシさんのことはあくまで兄以上の存在としては見ることは出来ない。それに、カンザシさんってなんだかんだで女いっぱいいそう。
私はカンザシさんが実の兄だと知った時はとても嬉しかった。けれど、カンザシさんはそうではない気がする。
カンザシさんのことでヨルクさんを不安にしたくない。私はカンザシさんへの接し方にとても迷いを覚えた。
落ち武者さんからは、遠い前世に私がカンザシさんとラハルさんと交際していた映像を見せられた。ヨルクさんも見た。ヨルクさんが大泣きしたらどうしようと思ったけれど、ヨルクさんは私の遠い前世のことを受け入れてくれた。更には、私とカンザシさんが一緒ににお風呂に入っても良いと言ってくれた。
無理してるのだろうか。でも、それだけ私のこと思ってくれているのなら、私もヨルクさんを悲しませることはしたくない。
あの後、ヨルクさんは油が飛び散ると危ないから先に第4居間にいるよう言った。ヨルクさんは私のこと子供扱い。私もう中学生なのに。けれど、そんなヨルクさんの優しさが私は好きで好きでたまらなかった。
第4居間では意外に賑わっていた。
「えっと、つまり、セルファのお姉様はセレナールで、ラハルさんは、セナ王女とセレナールの妊娠体験をナミネから聞いて、映画化したんだね」
飛べない翼。個人的には多くの妖精村の人に知ってもらいたい。
「うん、絶対にあってはならないことだから、脚本家に話したらすぐに作品にしてくれたんだ。それと、今回のラルクの問題に役立つかどうか分からないけど、花夢物語のパンフレット渡しておくよ」
ラハルさんはナルホお兄様に花夢物語のパンフレットを渡した。
「ナミネだけラハルと共演狡い!」
やっぱりナナミお姉様はそうくるか。
「ナナミはオーディション残念だったね。演技がちょっと固いね。リリカはコマーシャルのオーディション合格おめでとう」
リリカさん、受かったんだ。てか、2人ともいつ受けたの!?
「でも、ラハルと共演出来ないなんて意味ないわ」
「リリカ、最初から思い通りにはならないよ。まずは知名度知ってもらうことからはじめたほうがいいと思う」
ラハルさんてコツコツタイプだよね。ヨルクさんとは違った形で。優等生というか、リーダーシップというか。
そういえば、カナエさんとカンザシさんの苛立ちの感情がすれ違ったことが解除されてから、アルフォンス王子とカナエさん、何か前より仲良くなってる。
ということは、今のカンザシさんは相当な苛立ちを抱えているのだろうか。
その時、セレナールさんが立ち上がった。
「納得いかないわ!みんな幸せなのに、どうして私がラルクに捨てられなきゃいけないのよ!全てカナエのせいよ!兄さんに言いつけてやる!」
「セレナール、落ち着くのです!あれはカナエの意思ではありませんでした。カナエはカナエで自分とは全く違う感情に苦しめられていたのです」
まさか、カナエさんとカンザシさんの苛立ちの感情が入れ替わっていたことによって、セレナールさんとの仲は険悪モード、森の湖では歴史を変えてしまうことになってしまうだなんて。
「とりあえず今日はニンジャ妖精さんは適当に客間使ってくれるかな、ラハルさんも」
「ありがとうございます」
「何言ってるの?ラハルは私の部屋に泊まるに決まってるじゃない!」
今日はみんな帰らなさそう。
「ナミネさん、近々、こちらでもアパート借りようと思ってます」
「えっ、どうしてですか?」
「ナミネさんといつでも会いたいからです」
えええええ!知り合って間もないし、兄妹だと知ったのも今日なのに、どうして。それとも事実を知ったからこそ、カンザシさんは私と過ごせなかった時間を今から作ろうとしているのだろうか。
「そ、そうですか。この辺の物件安いので、アパートはいくらでもあると思います」
「奇遇だな、カンザシ。僕も、この辺にアパート借りようと思ってるんだ」
えええええ!ラハルさんまで!?いったい何のために?
その時、ヨルクさんと落ち武者さんが料理を運んで来た。わあ、天ぷらが可愛い形になってる。うどんに付けて食べるのかな。
私は写真を撮った。
「エルナ、料理作った」
「あら、彼氏気取りかしら?落ち武者さん」
やっぱり、この2人どう見ても好き合ってるじゃん。どうして復縁しないのだろう。
「ヨルクもセルファも料理上手なんだね。ナミネは毎日ヨルクの料理食べてるのかな?」
「はい、ヨルクさんとはナノハナ家とクレナイ家を行き来してまして、いつもご飯作ってもらってます」
「そっかあ、まるで新婚さんみたいだね」
え、そ、そんな。私も早く大人になってヨルクさんと結婚したいけどさ。
「ミナク、適当に天ぷら、お皿に入れてくれるかしら」
「かしこまりました、セナ王女」
ミナクさんはセナ王女の天ぷらをお皿に入れはじめた。セナ王女って、ミナクさんには甘えっぱなし。人のこと言えないけど、ユメさんと付き合ってた時はミナクさん別人だったよね。
「ナミネ、ナミネの好きな天ぷら入れたから一緒に食べようね」
「はい」
私はラルクに何度もメールしているけど、ラルクからは全く返ってこなかった。ラルク、家にも帰らないでどうしてるの?
その時、カンザシさんが天ぷらを落とした。
「シュリ、食え」
え、どうして。カンザシさん、何か怒ってるの?
「あ、落ちたものは私が処分しますので、新しいの食べてください」
ヨルクさんはカンザシさんが落とした天ぷらをティッシュで取るなりキッチンに持って行った。
「自分の落としたものを人に食べさせようとするなんて最低だな」
ヨルクさんが戻って来た時、リリカさんとミナクさん、セナ王女が笑った。
「ねえ、どうして笑うの!私じゃないよね!」
「あ、ラハルさんは花夢物語どう思います?」
私は無理矢理話題を変えた。
「あれは、原作者の失恋を描いた物語なんだよね。原作者は永遠の愛を求めるものの、そんなものは存在しないとラストはハッピーエンドにならなかったんだ。でも、取材の時は、決して歴史を変えてはいけないとも言ってたよ」
そっか。あの映画は元々はラノベだったのか。何だか話聞いてると、今のラルクみたいだな。
「ナミネさん、お風呂上がり2人になれませんか?」
「え、でも……」
私はヨルクさんを見た。
「ナミネ、私に気を遣わないで、好きな時間過ごして」
ヨルクさん……。
「そ、それじゃあ、1時間ほどなら……」
「楽しみにしてます!」
何だか気まずい。カンザシさんは実の兄だけど、ナルホお兄様やナヤセス殿とは違う。やっぱりまだ赤の他人だ。
「ナミネ、もうすぐ生理だよね。このポーチにいつもの入ってるから」
えええ、どうしてこんな大勢の前で言うの?恥ずかしすぎる。でも、生理が来る気配なんてない。気になっていたけど、少し前から時間がおかしい。完全に遅れてる。落ち武者さんは気づいてるだろうけど、ヨルクさんは気付いてなさそう。
「あ、ありがとうございます……」
私は俯きながらポーチを受け取った。
「ナミネ、お腹痛い?」
どうしてまだ聞くの?
「いえ、多分遅れてるだけだと思います」
「えっ、でもナミネって初でしょ?」
このタイミングで聞いてくるセナ王女……。
「あら知らないの?天の川村で研究してるのよ。好き合うカップルが1日12時間以上いることで妊娠する可能性の見込みがあるって」
そういえば、ニュースでも見たことある。けれど、妊娠しても9.9割の女性は化学流産してるとか。
「そうだったの。医術も発展したものね」
「ナミネ、妊娠してたら絶対責任取るから!学校やめて働いて、ナミネとお腹の子の面倒見るから!」
ヨルクさんも真に受けないでよ。
「本当に遅れてるだけですから!」
そう、時間の速度が明らか遅れてる。
けれど、生理は遅れるのに、カナミさんの件は既になかったことになりカナミさんの記憶から消えている。妖精村は不可思議だ。
え、セナ王女泣いてる?
「カラルリもヨルクのように彼女に尽くしまくる人だったら……中絶薬を盛られた悲しみは今も消えない……」
セナ王女……。確かにヨルクさんは責任を放棄はしない。けれど、カラルリさんがどうしてセナ王女を流産させたのかも分からない。
「セナ王女、カラルリさんはおかしくなってしまったんです。私なら必ずセナ王女の責任を取ります。どうか、私との未来をお考えください」
「ミナク……。私にはもうミナクしかいないわ」
セナ王女はミナクさんにもたれかかった。
「ニンジャ妖精さんやラハルさんは、もし自分の彼女が妊娠したらどうしますか?」
「うーん、今は責任取れないかなあ。もう少し軌道に乗ってから結婚は考えたいから今は諦めてもらうと思う」
マモルさんもやっぱり責任は取れないんだ。デビュー仕立てはお給料あまり良くないのかな。でも、だったら、あんな高価なマンションには住めないよね。
「僕も今は無理です……」
シュリさんもかあ。
「僕は責任は取りますが、すぐには結婚は出来ないので、養育費を払いながら大人になったら転職して養います」
ロクメさんは何か他とは違う発言。大学までは行くから、すぐには一緒になれないのかな。
「僕も中絶促すと思います」
フタバさん……怖い……。
「僕は責任取ります。今よりも安いアパートにはなりますが、芸能界のお給料で支えたいです」
カンザシさん、ちょっと意外かも。何となくミナクさんと同じ空気してるから、責任は取らないかと思ってた。
「僕も責任は取るし、別のアパートに引っ越して学校はやめて芸能界の給料で養ってく」
ラハルさんはカンザシさんと少し意見重なってる……?
「ラハルの給料で養えるのかよ」
「そういうカンザシこそ月給いくらなんだ」
やっぱりこの2人仲悪いのかな?
「僕は月に160万円は稼いでいる」
えっ、カンザシさんてそんなに稼いでいるんだ。
「カンザシさん、デビュー仕立てなのに凄いですね」
「今から貯金しておきたいので」
貯金かあ……。まだまだ先の話かも。
「ナミネ、話してばかりいないで食べて」
ヨルクさんは私に天ぷらを食べさせた。
「あ、ニンジャ妖精さんとラハルさんは、このパンツどう思いますか?」
私は洗濯カゴから取り出したヨルクさんのパンツを見せた。
「ナミネ、やめて!どうしてこういうことするの!何故私のみを攻撃し傷付け貶める」
「付きまとう罪は奈落の底」
「ふざけないで!煉獄女官見習いは見てないって言ってるでしょ!」
ヨルクさんって、すぐに怒る。
「正直、そういうのは小学生で卒業してると思う。ダサイって言うか……」
マモルさんにダサイって言われてる。
あれ、他は意見なし?何だか呆気ないな。
「ナルホお兄様とナヤセス殿も同じものを履いています」
「どうして、今パンツの話してるのかな?」
「ナルホ、お前オシャレに疎いの全然変わってないな」
ミナクさんはファッション雑誌よく見てるもんな。
「もう、返して!下着なんて何履いてもいいでしょ!ナミネ、こういうの良くないよ」
「でも、ヨルクさんはいつも私の下着見てますよね?」
「変な言い方しないで!洗濯物干さないといけないから仕方ないでしょ!」
「はいはい、すみませんでしたー!」
私はヨルクさんから離れ、落ち武者さんの隣に座った。それにしても、高校生での妊娠はやっぱり責任取れない人が多いのか。
食べ終わった私はナルホお兄様とお風呂に向かおうとした。
「ナミネ、湯冷めしないでね」
「はい」
ヨルクさんは私にカーディガンをかけた。
ナルホお兄様とかなり久しぶりのお風呂。
「意外だね」
「え?」
「ラルクラルク言ってたナミネがヨルクと交際してるなんて」
あ、ナルホお兄様は途中から紀元前村に行ったから、その後のことは何も知らないんだっけ。でも、実際のところ、私自身少し前まではラルクのこと好きだったんだよな。
「あ、私もずっとラルクのこと好きでした。でも、ある時に知ったんです。天使村時代はずっとヨルクさんのこと好きだったと。でも、初代天使村でヨルクさんとの結婚後、3年でヨルクさんは突然死してしまい、私はショックでその3ヶ月後に自殺したらしいです。そのせいで、ヨルクさんとの結婚後、私は衰弱死していたとか。私は、最後の天使村の時の番人に二度とヨルクさんを好きにならないようお願いして妖精村時代はラルクのこと好きになってしまってたみたいです。でも、今はヨルクさんのことしか想ってません」
本当、最後の天使村であんなお願いするんじゃなかった。ヨルクさんと2人で乗り越えていくべきだったんだと後から思い知らされた。
「そっか。ヨルクは優しいし、どんなナミネでも受け止めてくれるから、ナミネも幸せになれると思う」
ヨルクさんは優しい。その優しさに私はいつも甘えてしまう。
「あ、やっぱりそうですかね」
「でも、喧嘩した時、いつまでもナミネが拗ねたままだと、ヨルクもいつまでもは待たないからね。それから、万が一ナミネが妊娠したらヨルクは大学に行けなくなってしまう。今の時代、中学中退では就職なんてないからね。ヨルクは大学を卒業するべきだと思うよ」
いつまでも待たないか。まるで、これまでの最後の紅葉橋のよう。ヨルクさんは、他の人と結婚して幸せだったのかな。
妊娠か。リスクを視野に入れてなかったわけではないけど、やっぱりヨルクさんと愛し合いたい。
「そうですね。でも、私はヨルクさんを中学中退にはしません。私が休学してヨルクさんにはそのまま学校に通ってもらいます。でも、毎回ヨルクさんから求めてきて……それはもう毎日のように……」
この時の私は、ヨルクさんと落ち武者さん、エルナさんが立ち聞きしていることを全く知らなかったのである。
「分かった。じゃあ、せめて行為後は僕の庭園で作った薬草のお茶飲んでくれる?ピルとかトケイ草とは違って、体内には何の影響もないから」
ナルホお兄様はカナエさんと似ていて植物に興味がある。カナエさんはどちらかというと薬草だが。ナルホお兄様は紀元前村で植物の研究をしていたらしい。将来は植物研究員を目指すとか。
「分かりました。あ、カラルリさんはどうして中絶薬なんか盛ったのでしょうか。まるで、私の知ってるカラルリさんとは別人です」
「人は何世紀も経てば変わるものだよ。いつかヨルクもナミネ以外の人好きになるかもね」
え……少しずつ変わってるってこと?ヨルクさんと付き合えなくなる……?
「そんなの絶対いやです!私、来世も来来世もその後もヨルクさんと結婚します!」
「カラルリさんは少し飽きっぽいからね。今の時代、携帯通して色んなこと出来るから。でも、セナ王女の妊娠のことは軽く見てたんじゃないかな。今は諦めて大人になってからまた作ればいいと」
そうなんだよね。でも、だからって責任取らないなら取らないでセナ王女に産ませる選択肢を与えるのが筋だろうに。
「ですが、産むか産まないかはセナ王女が決めることですよね」
「交際を続ける以上、セナ王女はカラルリさんに責任を取るよう何度も迫ったと思うよ。でも、セナ王女は何もしなくても化学流産だったのに対して、セレナールのほうは完全な殺人だよね」
セナ王女は、まだ胎嚢とまではいっていなかった。けれど、確かに妊娠の兆候はあった。セレナールさんの場合は中期だったから、手続きも色々大変だったと思う。
「私はアルフォンス王子が何を考えているのか分からないです」
「葛藤してるんだろうね。本当にカナエにピルを飲ませてるのならカナエはキープ状態。カナエより良い人と恋仲になった時のためにカナエには妊娠させてないのだと思う。でも、セレナールの妊娠で魔が差したんだろうね」
アルフォンス王子の中では何も定まっていないけど、いざ、セレナールさんの幸せを見たら妬みの感情を抱いたというわけか。
「あの、ラルクはどうなるのでしょう」
タイミング悪い時にナルホお兄様が帰ってきたあまり、私はナルホお兄様と兄妹らしい会話は全然出来ていなかった。
「時を超えての恋愛は成り立たないと思うよ。やっぱり、何千年も離れた人より、同じ時代に生きる人と幸せになりたいって人は思うものなんだよね」
「ということは、歴史通りセレナールさんは皇太子様と一緒になってラルクとは別れるということですか?」
「多分ね」
ラルク……可哀想……。支えてあげたい。せっかく、森の湖にいるセレナールさんと交際したのに、幸せになれないなんて。ラルク、この先どうするの。
「ラルクは幸せになれないんですか?」
「正直、僕はラルクはナミネと交際すると思ってた。でも、ナミネはヨルクを選んだ。今のラルクは現世のセレナールのことは愛していない。だとしたら、ラルクはゼロから好きな人に出会う必要があるよね」
難しいな。でも、セレナールさんのことが一目惚れなら、綺麗な人紹介したら、その人と幸せになってくれるかな。
「ナミネ、そろそろ出るよ」
「はい」
私とナルホお兄様がお風呂から出るとカンザシさんが待っていた。そうだった。1時間だけ時間取るって言ったの私だった。2人きりだなんて何だか気まずいな。私はカンザシさんを2階の客間に案内した。
カンザシさんと2人きりの空間。何を話していいか分からない。というか、どうしてカンザシさんは私と2人になりたいのだろう。とりあえず無難に弾き語りしてもらおうかな。
「あ、とりあえず弾き語りしてもらえませんか?」
「はい、どの曲にしますか?」
えっとどうしようかな。
「あ、では、フェアリー地平線さんのマスカットお願いします」
「好きなんですか?」
「私は聴かないんですけど、ミナクさんが好きなんです」
「そうなんですか。でも、何だかそんな感じもしますね」
カンザシさんは、マスカットを弾き語りしはじめた。
この時の私も、ヨルクさんと落ち武者さん、エルナさんが立ち聞きしていることを全く知らなかった。
「どうして君は 美しさ求めるの
黄昏の浜辺で まわる 君は
こんなにも 美しいのに
君の心 今すぐ 理解してあげれないけど
少しは 頼ってほしいと 願うもの
いつからか 部屋には1つも鏡が存在しない
誕生日に コンパクトミラー渡したら
いらないと 泣きながら その場で壊された
気持ちと気持ちが 折り合わない いつかの夏
季節巡り少しは 理解してたと思ってた
それでも 頼ってくれない 切ないよ
いつからか 部屋には1つも鏡が存在しない
誕生日に プリザーブドフラワー渡したら
ありがとうと 作り笑顔で 受け取った
気持ちと気持ちが すれ違う いつかの夏
いつからか 部屋には1つも鏡が存在しない
誕生日に 満天の星空の下で思いを伝えた
ごめんなさい 君は言う 心を開けないと
気持ちと気持ちを 寄り添わせたい いつかの夏」
カンザシさんさんの弾き語りは好き。
それに、落ち武者さんに見せてもらってた映像では、カンザシさん、駆け出しミュージシャンだったな。
時を経て、今はプロになったんだね。
「カンザシさんは、お歌が上手ですな。えっと、次は……」
「ナミネさん」
えっ、急に何?やっぱり2人きりなんて気まずいよ。
「え、な、何ですか?」
って、私抱き締められてる!?
カンザシさんの汗ばんだタバコのにおい……。お、思い出した!
カンザシさんって、汗かくとヒロシノさん並の体臭で、同棲してた頃、私何度も気絶しそうになってたんだ!それに、あの時のカンザシさん、ヒモだった!今は私の兄だなんて、どんな巡り合わせなのだろう。
「おい、カンザシ!2人きりになればこんなことするなんて最低だな」
え?ラハルさん?てか、ヨルクさんや、落ち武者さん、エルナさんもいる!
「じゃ、僕らも弾き語り聞かせてもらう」
みんな入って来た。
カナエさんが歴史変えてヨルクさんと拗れた時に私が行った桜木町の空き地は、遠い昔、カンザシさんがコンサート開いてた場所だったんだ。
私は遠い昔の一コマを眺めていた。
……
あとがき。
何だか一気に詰め込んじゃった。
もう少しゆっくりがいいのかな。
他の人視点でも書きたいのに、なかなか出来ずにいる。
でも、書きたい。
たまには間に挟みたいです。
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