日常のこととかオリジナル小説のこととか。
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ashita
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女性
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地主(土地貸してます)
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漫画やアニメを見るのが好きです。最推しはフーディーニ ♡
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ブログ、もう書かないと思ってました。
けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。
ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。
小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。
よろしくお願い致します。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
お知らせ。
イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。
また、「カラクリよろずや」にて無料のフリーイラスト素材配布もはじめました✩.*˚
フリーイラスト素材も増やしていく予定です(*'ᴗ'*)
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。
ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。
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X @kigenzen1874
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けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
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現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
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ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。
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〈資格履歴〉
2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格
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〈資格証明バナー〉

2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
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〈資格証明バナー〉

純愛偏差値 未来編 一人称版 60話
《ヨルク》
私はナミネとの2人の時間も大切にしたい。けれど、結構前から落ち武者さんが半ば邪魔をしてくる。クレナイ家にいてたらクレナイ家にいるし、ナノハナ家にいてたらナノハナ家にいる。
何故自分の家に帰らない。私はそれが不思議で仕方なかった。
ナミネは、交際当初とは比べ物にならないくらい私のことだけを好きでいてくれている。歩く時はいつも私のほうを見てくれるし、泣き虫な私をいつも慰めてくれる。カップル日記も定期的に更新してくれているし、もうナミネのことが可愛くて好きでたまらない。そんなナミネと2人でいられる時間もお風呂だけになった。私の唯一の楽しみの時間だったのに、落ち武者さんまで入って来た。
めちゃくちゃ苛立ったけど、ラルクが森の湖のセレナールさんに復讐したせいで、現代が変わってしまい、今度はまたセレナールさんが危なくなると知って、落ち武者さんを突き放すことは出来なかった。
しばらくはナミネと2人でいられないことは辛いけれど、今は目の前のことを1つずつ片付けていくしかない。
それにしても、セレナールさんは妊娠しやすい身体なだけに、今度は皇太子様に細工しただなんて、聞いて呆れる。
もし、エミリさんが記憶を取り戻して全てを失ったセレナールさんはまたラルクに頼るとか、本当勘弁して欲しい。そこはリリカお姉様に対処してもらわねば。
「ズームさん、ちょっと話があるんですけど……」
「分かりました。丁度僕もあなたに大切な話がありましたので行きましょう」
何の話だろう。凄く気になる。ナミネ、ズームさんに気があったりしたらどうしよう。
「ぼやぼやしてないで僕らも行くぞ」
え、行くってどこに?
落ち武者さんは私とラルクを連れて誰も使っていない客間に入った。
客間に入るなり、ラルクは結界をかけた。
えっ、これって良くないんじゃ……。ナミネが知ったら私を軽蔑するかもしれないし……。
「ねえ、こういうの良くないんじゃない?」
「あんた、何回立ち聞きしてたのさ。どうせ気になるんなら聞いとけ!」
何だか癪に障るけど、ナミネのことが心配で仕方ない私はナミネとズームさんの会話を聞くことにした。
少しすると、話し声が聞こえてきた。
『カンザシさんのこと嫌いとかではないんですけど、兄として見れないというか……。一緒にいる時はかなり距離を縮めてきて意見も一方的で、離れている時は1日に300通くらいメールが来るんです。昔の私はどうしてカンザシさんと交際していたのかなって。築50年のワンルームで、生活費は全部私持ちで、それでもカンザシさんの夢を叶えるために必死だったんです』
兄として見れないか。やはり、ナルホさんやナヤセスさんみたいに手紙とかで交流がなく、いきなり知らされたからだろうか。それにしても、1日300通とか、妹を心配する兄より、もはやストーカーレベルだな。
『人は、何かかが欠けてそれを埋めようとする生き物ですよ。昔のナミネさんは、例えカンザシでも彼氏にしてカンザシを支えることで欠けた何かを埋めようとしていたのではないでしょうか。メールは無理に返さなくてもいいと思います。現代ではカンザシがナミネさんに一方的な恋愛感情を抱いているので、カンザシとの気持ちの温度差が生じているのでしょう。今は結界がありますので、何かあった時に駆け付けることが出来ます。カンザシとの関わりは30分と決めてみたらいかがですか?』
ナミネは恋愛で空白の何かを埋めたいほど辛い状況だったのだろうか。だったら、その欠けた何かを私が埋めたかった。昔のカンザシさんはナミネのことを埋めてくれていたのだろうか。
温度差か。カンザシさんはどうしてナミネに拘るのだろう。他の女性ではダメなのだろうか。人のこと言えないけれど。
『そうですね。あの頃の私は、周りが彼氏と仲睦まじくする姿に憧れ、どうして自分だけが1人なのだろうかと寂しく感じていました。カンザシさんはヒモでしたが、それでも、気持ちは紛れていたと思います。流石に現世ではヒモは養えませんが。でも、どうしてカンザシさんはいっぱい女いるのに、あたかも私だけみたいに言うのでしょうか?』
ヒモ……。築50年のワンルームのアパートでナミネがカンザシさんと2人暮らしだったなんて、考えるだけで辛くなる。無理にでもナミネを引き取るべきだった。
『カンザシも最初はあなたに一目惚れでした。けれど、カンザシに尽くすあなたにカンザシはどんどんあなたを好きになり、カンザシの中であなただけは特別な存在になったんですよ。ナミネさん、言おうかどうかかなり迷ったのですが、今言います。初代天使村でヨルクさんを毒殺したのはカンザシです。元々あなたに好意を寄せていたカンザシはあなたが結婚して執着心を抱くようになり、ヨルクさんがいなくなればとずっと考えていました。けれど、あなたはヨルクさんが暗殺された3ヶ月後に亡くなり、カンザシは女遊びと酒浸りになったんです』
まさか、カンザシさんが私を毒殺して、その後のナミネの人生をめちゃくちゃにしただなんて許すに許せない。私とナミネの時間を返して欲しい。私は悔しさで涙が溢れていた。
『カンザシさんだったんですね。気づきもしませんでした。カンザシさんがヨルクさんを毒殺していなければ、妖精村時代もずっとヨルクさんと一緒だったかと思うととても辛いです。でも、過ぎた過去は変えられません。今は兄ですし。突き放すに突き放せません。可哀想で』
可哀想。そんな言葉で済ませていいのだろうか。私は納得がいかない。ナミネとの幸せを奪うだなんて本当信じられないし、毒殺なんて犯罪じゃないか。
『それは本当でしょうか?古代天使村でもまだ解明されていない事実で、現代の研究者も知らない事実です。どうしてはあなたは知っているのでしょう?』
え、キクスケさん!?まだ、誰も知らない事実なのか。それにしても、よく人を殺して誰にも見つからずのうのうと生きてこれたもんだ。私は絶対に許さない。
『はい、僕は小さい頃からカンザシを見てきました。ヨルクさんを毒殺したのはカンザシです。反対する僕を睡眠薬で眠らせ、起きた時には全てのことが終わっていました』
『そうですか。では、今一度、その時の番人も含めこちらで調べてみます。それでは』
『ナミネさん、カンザシが憎いでしょう。カンザシは昔のラハルさんとあなたの関係も引き離しました。そして、現世でもヨルクさんとの関係を引き離すつもりです』
やはりそうか。カンザシさんにとってナミネは妹なんかじゃない。1人の女なんだ。それも何世紀にも渡って恋をしてきた。ナミネとの関係は何がなんでも守らなくてはならない。
『憎いです。私とヨルクさんの仲を引き裂いたカンザシさんのこと憎いです。でも、私負けません。ヨルクさんのことは私が守ります!カンザシさんのことは許せないですが、やはり兄なので今の私には突き放すことは出来ません』
これも試練なのだろうか。カンザシさん1人を突き放したところで、そのツケはズームさんが一括して払うことになる。ズームさんのためにもカンザシさんに冷たい態度を取ることは危険だ。
『そうですか。ナミネさん、兄の命日にはいつもブランケット家のお墓に青いガーベラの花束が置いてあるんですよ』
今度は何の話だろう。ズームさんにはお兄様がいたのか。
『青いガーベラの花束ですか?』
『ナノハさんと兄はかなり前の前世から愛し合っていたんですよ。現世では不本意な形で兄はこの世からいなくなりましたが。兄はナノハさんに黄色いガーベラをナノハさんは兄に青いガーベラをプレゼントし合っていました。兄が死んだ時、ナノハさんは何度も自分を責めたんです。兄の遺体を見たナノハさんは泣き叫びました。ナノハさんは強い人です。でも、今も心を痛めていると思うんです。兄の死後、ナノハさんはブランケット家には来なくなりました』
あれだけ恋愛に興味を示していなかったナノハさんが、ズームさんのお兄様とだけ大恋愛を繰り返してきただなんて、全く気付かなかったし、信じるに信じられない。
『え、でも、ナノハお姉様は恋をしたことがありません!男の人好きになったことがないんです!とてもじゃないけど信じられません。でも、ズームさんもお兄様を亡くされていたのですね。私も1番上の姉を亡くしています。女子高生イヤガラセ放置事件で調べたら出てきます』
ミドリさんの事件は決して許されることではない。放置した友達も、ガラの悪いミドリさんの同級生も。無実でいることが苛立たしい。ナミネの幸せを奪う者はみんな消えて欲しい。
『酷い事件ですね。ナクリさんによく似たピアノが上手な方はミドリさんだったんですね。あなたも含めてナノハさんは姉妹全員でよくブランケット家に来ていました。けれど、ミドリさんが兄と親しげにピアノの話をしてからは、ミドリさんはあまりウチには来なくなりました』
『まさか、ナノハお姉様が嫉妬だなんてありえません!ナノハお姉様は誰にでも優しくて醜い感情なんて抱いていないです!』
だんだん話が分からなくなってきた。ナノハさんはピアノは弾かない。けれど、ミドリさんは唯一ナノハナ家でピアノを弾いていた人だ。
『人は誰しも裏あれば表もあるのですよ。嫉妬かどうかは分かりませんが、ナノハさんはよくミドリさんのピアノを批判していました。少し話しすぎましたね。ミドリさんの件は僕のほうでも調べておきます』
『私もズームさんのお兄様のお墓参り行きます!いつですか?』
『9月2日です』
こんな偶然ってあるのだろうか。
『ミドリお姉様の命日も9月2日です!』
『そうですか。では、僕もミドリさんのお墓参りに行きます』
ラルクは突然結界を解いた。話、終わったのだろうか。何だか、とても切なくて悲しい話だった気がする。ナノハさんが大恋愛していただなんて全く知らなかったし、その相手がズームさんのお兄様で、今は亡くなっているだなんて。私はナノハさんを哀れに感じた。
12月14日。
セナ王女とアルフォンス王子の誕生日がやって来た。明日がカラン王子の誕生日のため、カラン王子も今日、誕生日会をすることとなった。
真冬だから、ナミネのドレス用のコート買っておいて良かった。
しかし、この日はラハルさんとニンジャ妖精さんがいる。この前の今日なだけに、どうしてもいやなふうに見てしまう。
「じゃ、混む前にプレゼント渡しに行くぞ」
私たちはセナ王女たちにプレゼントを渡しに行った。ナミネはセナ王女とアルフォンス王子には安物の宝石を渡してカラン王子には自作の絵を渡していた。
というか、皇太子様も来ているのか。そうだよな。セレナールさんと交際しているもんな。エミリさんとアランさん、タルリヤさんも来ている。
「ヨルク、今日の料理は全てミミリ先生が作ってくれたものです」
「そうなんですね!凝っているなあと感じていました」
これだけの料理作るの大変だっただろうな。けれど、王室の頼みとなると断れないか。
「いかにも良い母親ですアピールしちゃって、いやな感じ。私食べない」
「あの、使用人に頼めば料理作ってもらえますよ」
「じゃあ、そうするわ」
反抗期なのだろうか。
「ラルク、美味しいよ。ラルクも食べなよ」
「ああ、そうする」
どうして机に乗るの。私がナミネを机から下ろそうとした時、落ち武者さんがナミネを下ろした。
「あんた、料理台無しにしたらどうすんのさ」
「ナミネ、机に登っちゃダメでしょ。私がお皿に入れるから待ってて」
本当、ナミネって手がかかる。私はナミネの分の料理をお皿に入れて渡した。
「美味しいです。もっとください」
「ナミネ、あまり食べ過ぎるとお腹壊すから、このくらいにしといて」
するとナミネは手で掴んで食べはじめた。
「ナミネ、やめて!これみんなの分だから手で掴んじゃ汚いでしょ!」
もう、どうしてこんな子になっちゃったの。
「ねえ、ラルク、ヨルクさんうるさいね」
「まあ、引きこもりだったから、社会を知らないんだよ」
何それ。いつも、ぶっ飛んだことしてるのナミネとラルクじゃない。何故私が悪者にされなければならない。
その時、入口のほうで、ズームさんと淡い赤色のロングヘアの女の子が立ち話をしていた。赤色って珍しい髪型だな。私はズームさんのところへ駆け寄った。
「ロォラ、こんなところに何しに来たんだ!今日は仲間はいないのか?」
友達だろうか。何だか今時の綺麗系の人って感じだな。
「ズームに会いに来た!この手紙渡しに来ただけだから、もう帰る」
「また僕のことハメようとしているのか?あの時のように!勝手にパーティー回ってろ!」
仲良くないのだろうか?
「ズーム、悪かったと思ってる。タイミング逃したんだ。手紙渡そうと思ってたけど、周りがズームのことダサイって言いはじめて、イジメの的にされるのが怖くて渡せなかった」
「だから僕をイジメたのか!最低だな!」
この2人にいったい何があったのだろう。
「ズーム、好きだ!付き合ってとも言わない。許して欲しいとも言わない。ただ、友達になりたい!」
い、いきなりの告白!?何だか、セナ王女たちの誕生日会というより、こっちがメインに見えてきた。
「またクラスの仲間と手を組んで僕をハメる気だろ!もうその手には乗らない!」
ズームさんのクラスメイトだったのか。でも、相手は真剣に告白しているように見えるけど、ズームさんは完全に信じられないのだろうか。
「待ってくれ、ズーム!」
「ズームさん、そろそろプレゼント渡し会はじまりますよ」
「今行きます」
え、ロォラさんはどうなるの?
「ズーム、彼女出来たのか?」
「お前には関係ないだろ!」
「あ、ズームさんのお友達ですか?私はロリハー家のアヤネと申します」
これは三角関係になるのか?
「ズームの彼女なのか?」
「いえ、ズームさんとは最近知り合ったばかりです」
「分かった、今日は帰る」
せっかく来たのにもう帰るなんてもったいない気がする。
「せっかく来たんだから午後過ぎまでいろ!」
やっぱりミネルナさんに似ているかもしれない。ズームさんて見かけによらず気が強いんだ。正直羨ましい。ちゃんと自分持った人だからかつてのナミネもズームさんのこと好きになったのだろうか。
「わ、分かった」
「あ、ロォラさん、料理も食べて行ってください」
私は取り皿を渡した。ロォラさんは無言でズームさんとアヤネさんの後を着いて行った。
「可哀想だよね、ラルク」
「まあ、こればかりは仕方ないな」
何の話だ?可哀想って誰が?ロォラさんなのだろうか?
「ナミネ、何の話?」
ナミネはまたミミリ先生の料理を食べたのか口元にソースがついていた。私はハンカチでナミネの口元を拭いた。
「ねえ、ラルク、どう思う?」
「まあ、鈍いわな」
何それ。ちょっと聞いただけなのに。
「あんた鈍すぎ」
「ねえ、鈍いって何?どうしてみんなして私を馬鹿にするの?」
ナミネたちは走ってプレゼント渡し会に行ってしまった。私も後を追った。
最初はセナ王女か。ミナクお兄様が青い薔薇の花束持ってる。
「セナ王女、お誕生日おめでとうございます。決して高価なものではありませんが、昔から親しくしている宝石店でオーダーしました」
ミナクお兄様はセナ王女に跪いて箱を開けた。
「まあ、素敵なブローチ!気に入ったわ!」
セナ王女はブローチと青い薔薇の花束を受け取った。
「ねえ、ラルク」
「探すしかないな。ナミネ、急げ!」
何があったのだろう。まだ、アルフォンス王子のプレゼント渡し会があるのに。ナミネが戻って来た。
「落ち武者さん、見つけ出しても今のラルクには無理です。爆弾処理班に連絡しましょう」
爆弾!?爆弾が仕掛けられているのか!?
「強気なナミネ、あんたがやれ!」
「分かりました」
ナミネでは無理だ。実践はやっていない。シュミレーションだけで、プロの仕事など出来ない。
「ナミネには無理だと思う。ナヤセスさん探してくる!」
「早く探せ!」
私は周りを見渡した。
「僕が解除します」
ズームさんが?経験あるのだろうか。ナミネはまた会場内を走り回った。
「ズーム、あんた本当に解除出来るのか?失敗したらこの別荘丸ごと吹っ飛ぶんだぞ!」
やっぱりナミネの言うように爆弾処理班に連絡したほうがいいんじゃ……。
「出来ます。姉さん!ここからみんなを出さないでください!」
「分かったわ!」
え、逃がすんじゃなくて出さないの?ミネルナさんは、パーティー会場の前に行き、無線を手に取った。
「これよりD会議を行います。パーティー会場にいる皆様はパーティー会場から出ないでください」
出口にはすぐに武官が配置した。
「ねえ、落ち武者さん、みんなのことは逃がして爆弾処理班呼ぼうよ」
「あんた馬鹿か?こんな大雪の中到着する頃には間に合わないだろうがよ!」
その時、ナミネとラルクが爆弾らしきものを抱えてこっちに向かってきた。
「落ち武者さん!ありました!」
ナミネは床に爆弾を置いた。ズームさんは中身を開けた。
15分!?短すぎないか!?しかも、赤、青、緑、オレンジ、白と5色もある。更には全ての色の線が複雑に絡まっている。
「ラルク、あんただったら、これを何分で解除出来る?」
「13分はかかるかと」
ギリギリだ。そもそも、どうして爆弾なんか仕掛けられているんだ。
「ズーム、何分で解除出来る?」
「7分もあれば解除出来ます」
7分。本当に間違いなく解除出来るのだろうか。落ち武者さんはズームさんにハサミを渡した。
ナヤセスさんが来た。てか、セナ王女はミナクお兄様を連れて、アルフォンス王子はカナエさんを連れてF938でここから逃げている。皇太子様もセレナールさんを連れてここから出ている。客は残して自分らだけ逃げるなんてなんて卑怯なんだ。
ナミネたちはズームさんを見てる。って、切るの早っ!まるで神業だ。実践経験があるのだろうか。
タイムリミットの時間が止まった。
「解除完了です」
「流石だな、ズーム」
「ズームさん、素敵です」
アヤネさん、残っていたのか。クラフとユメさんも。ズームさんを信じているメンバーのみが残ったってことか。アヤネさんはズームさんの額を拭いた。その時、ロォラさんがズームさんに抱き着いた。
「ズーム、無事で良かった」
「ズームさん、大好き!」
ナミネまでズームさんに……。
「アヤネ、あんた主催者と皇太子逃げたこと今すぐリークしろ!」
「分かりました」
アヤネさんは落ち武者さんから写真を受け取り、メモと共に、マスコミにFAXを送った。
数分後、テレビからニュースが流れた。
『本日、第5王子のアルフォンス王子と第6王女のセナ王女の誕生日会が王室の別荘で開かれていました。しかし、12時前にパーティー会場に爆弾が仕掛けられていることが発覚し、主催者であるアルフォンス王子は彼女を連れ、セナ王女は彼氏を連れ、更には皇太子様までもが来客を閉じ込めたまま別荘から逃げました。ちなみに、爆弾はブランケット家の長男 ズームさんが解除したようです。報道陣は今から主催者が逃げただろう皇太子様の別荘に乗り込むつもりです』
いくら王子王女だからって、自分らだけ逃げて、他の客を置き去りにするような人は痛い目あえばいい。
「はあ、ミナクまで逃げて、これじゃあ世間の笑い者ね」
リリカお姉様、来てたのか。
「ズームさんがいて良かったよね、ラルク」
「そうだな。まるで爆弾処理班並だな」
「小学4年生の頃、クラスに爆弾仕掛けられていた時はラルクが解除したね」
そうだったのか。全く知らなかった。
あれ、ミツメさん以外のニンジャ妖精さんもいない。どうやって逃げたのだろう。
「ズーム、よく見ろ!ここにいるメンバーがあんたを信じてたんだ!ロォラもな!」
「やはり、カンザシは逃げましたか」
その時、誰かが駆け寄って来た。
「ロォラ、大丈夫か!!」
誰だろう。またクラスメイトだろうか。
「兄貴、解除は終わった」
ロォラさんのお兄様か。よく見れば淡い赤色の髪で雰囲気も似ている。
「あら、あなたバイクで来たの?」
「そうだけど……」
ミネルナさんはロォラさんのお兄様に名刺を渡した。
「今度人数集めてバイクで出かけましょ」
まさかの展開……。でも、何だか似合ってる。
「分かった。ロォラ、帰るぞ!」
「ロォラ、これ持ってここから出ろ!帰りはタクシーで帰れ!」
ズームさんは皇室のF938をロォラさんに渡した。そっか、犯人捕まえるまでここから出れないんだ。
「分かった。ズーム、学校でな」
「これで後は犯人探しだな」
落ち武者さんの言葉にナミネとラルクは犯人を探しはじめた。
もし、ズームさんが解除出来ていなかったら、この別荘は吹っ飛んでいた。我が身大切さに逃げたセナ王女やアルフォンス王子も許せないけど、今は犯人探しに集中しなくては。いったい誰が何の目的で仕掛けたのか。
必ず突き止める。
……
あとがき。
やっぱり、別荘でパーティーは事件が付き物ですね。
それにしても、セナやアルフォンスが逃げるだなんて、後々どうなるのでしょう。
大まかなことは走り書きに寄せているけれど、でも、結構新たしいストーリーが入っていて混乱します。
果てして、爆弾を仕掛けた犯人とその目的は何なのでしょう。
《ヨルク》
私はナミネとの2人の時間も大切にしたい。けれど、結構前から落ち武者さんが半ば邪魔をしてくる。クレナイ家にいてたらクレナイ家にいるし、ナノハナ家にいてたらナノハナ家にいる。
何故自分の家に帰らない。私はそれが不思議で仕方なかった。
ナミネは、交際当初とは比べ物にならないくらい私のことだけを好きでいてくれている。歩く時はいつも私のほうを見てくれるし、泣き虫な私をいつも慰めてくれる。カップル日記も定期的に更新してくれているし、もうナミネのことが可愛くて好きでたまらない。そんなナミネと2人でいられる時間もお風呂だけになった。私の唯一の楽しみの時間だったのに、落ち武者さんまで入って来た。
めちゃくちゃ苛立ったけど、ラルクが森の湖のセレナールさんに復讐したせいで、現代が変わってしまい、今度はまたセレナールさんが危なくなると知って、落ち武者さんを突き放すことは出来なかった。
しばらくはナミネと2人でいられないことは辛いけれど、今は目の前のことを1つずつ片付けていくしかない。
それにしても、セレナールさんは妊娠しやすい身体なだけに、今度は皇太子様に細工しただなんて、聞いて呆れる。
もし、エミリさんが記憶を取り戻して全てを失ったセレナールさんはまたラルクに頼るとか、本当勘弁して欲しい。そこはリリカお姉様に対処してもらわねば。
「ズームさん、ちょっと話があるんですけど……」
「分かりました。丁度僕もあなたに大切な話がありましたので行きましょう」
何の話だろう。凄く気になる。ナミネ、ズームさんに気があったりしたらどうしよう。
「ぼやぼやしてないで僕らも行くぞ」
え、行くってどこに?
落ち武者さんは私とラルクを連れて誰も使っていない客間に入った。
客間に入るなり、ラルクは結界をかけた。
えっ、これって良くないんじゃ……。ナミネが知ったら私を軽蔑するかもしれないし……。
「ねえ、こういうの良くないんじゃない?」
「あんた、何回立ち聞きしてたのさ。どうせ気になるんなら聞いとけ!」
何だか癪に障るけど、ナミネのことが心配で仕方ない私はナミネとズームさんの会話を聞くことにした。
少しすると、話し声が聞こえてきた。
『カンザシさんのこと嫌いとかではないんですけど、兄として見れないというか……。一緒にいる時はかなり距離を縮めてきて意見も一方的で、離れている時は1日に300通くらいメールが来るんです。昔の私はどうしてカンザシさんと交際していたのかなって。築50年のワンルームで、生活費は全部私持ちで、それでもカンザシさんの夢を叶えるために必死だったんです』
兄として見れないか。やはり、ナルホさんやナヤセスさんみたいに手紙とかで交流がなく、いきなり知らされたからだろうか。それにしても、1日300通とか、妹を心配する兄より、もはやストーカーレベルだな。
『人は、何かかが欠けてそれを埋めようとする生き物ですよ。昔のナミネさんは、例えカンザシでも彼氏にしてカンザシを支えることで欠けた何かを埋めようとしていたのではないでしょうか。メールは無理に返さなくてもいいと思います。現代ではカンザシがナミネさんに一方的な恋愛感情を抱いているので、カンザシとの気持ちの温度差が生じているのでしょう。今は結界がありますので、何かあった時に駆け付けることが出来ます。カンザシとの関わりは30分と決めてみたらいかがですか?』
ナミネは恋愛で空白の何かを埋めたいほど辛い状況だったのだろうか。だったら、その欠けた何かを私が埋めたかった。昔のカンザシさんはナミネのことを埋めてくれていたのだろうか。
温度差か。カンザシさんはどうしてナミネに拘るのだろう。他の女性ではダメなのだろうか。人のこと言えないけれど。
『そうですね。あの頃の私は、周りが彼氏と仲睦まじくする姿に憧れ、どうして自分だけが1人なのだろうかと寂しく感じていました。カンザシさんはヒモでしたが、それでも、気持ちは紛れていたと思います。流石に現世ではヒモは養えませんが。でも、どうしてカンザシさんはいっぱい女いるのに、あたかも私だけみたいに言うのでしょうか?』
ヒモ……。築50年のワンルームのアパートでナミネがカンザシさんと2人暮らしだったなんて、考えるだけで辛くなる。無理にでもナミネを引き取るべきだった。
『カンザシも最初はあなたに一目惚れでした。けれど、カンザシに尽くすあなたにカンザシはどんどんあなたを好きになり、カンザシの中であなただけは特別な存在になったんですよ。ナミネさん、言おうかどうかかなり迷ったのですが、今言います。初代天使村でヨルクさんを毒殺したのはカンザシです。元々あなたに好意を寄せていたカンザシはあなたが結婚して執着心を抱くようになり、ヨルクさんがいなくなればとずっと考えていました。けれど、あなたはヨルクさんが暗殺された3ヶ月後に亡くなり、カンザシは女遊びと酒浸りになったんです』
まさか、カンザシさんが私を毒殺して、その後のナミネの人生をめちゃくちゃにしただなんて許すに許せない。私とナミネの時間を返して欲しい。私は悔しさで涙が溢れていた。
『カンザシさんだったんですね。気づきもしませんでした。カンザシさんがヨルクさんを毒殺していなければ、妖精村時代もずっとヨルクさんと一緒だったかと思うととても辛いです。でも、過ぎた過去は変えられません。今は兄ですし。突き放すに突き放せません。可哀想で』
可哀想。そんな言葉で済ませていいのだろうか。私は納得がいかない。ナミネとの幸せを奪うだなんて本当信じられないし、毒殺なんて犯罪じゃないか。
『それは本当でしょうか?古代天使村でもまだ解明されていない事実で、現代の研究者も知らない事実です。どうしてはあなたは知っているのでしょう?』
え、キクスケさん!?まだ、誰も知らない事実なのか。それにしても、よく人を殺して誰にも見つからずのうのうと生きてこれたもんだ。私は絶対に許さない。
『はい、僕は小さい頃からカンザシを見てきました。ヨルクさんを毒殺したのはカンザシです。反対する僕を睡眠薬で眠らせ、起きた時には全てのことが終わっていました』
『そうですか。では、今一度、その時の番人も含めこちらで調べてみます。それでは』
『ナミネさん、カンザシが憎いでしょう。カンザシは昔のラハルさんとあなたの関係も引き離しました。そして、現世でもヨルクさんとの関係を引き離すつもりです』
やはりそうか。カンザシさんにとってナミネは妹なんかじゃない。1人の女なんだ。それも何世紀にも渡って恋をしてきた。ナミネとの関係は何がなんでも守らなくてはならない。
『憎いです。私とヨルクさんの仲を引き裂いたカンザシさんのこと憎いです。でも、私負けません。ヨルクさんのことは私が守ります!カンザシさんのことは許せないですが、やはり兄なので今の私には突き放すことは出来ません』
これも試練なのだろうか。カンザシさん1人を突き放したところで、そのツケはズームさんが一括して払うことになる。ズームさんのためにもカンザシさんに冷たい態度を取ることは危険だ。
『そうですか。ナミネさん、兄の命日にはいつもブランケット家のお墓に青いガーベラの花束が置いてあるんですよ』
今度は何の話だろう。ズームさんにはお兄様がいたのか。
『青いガーベラの花束ですか?』
『ナノハさんと兄はかなり前の前世から愛し合っていたんですよ。現世では不本意な形で兄はこの世からいなくなりましたが。兄はナノハさんに黄色いガーベラをナノハさんは兄に青いガーベラをプレゼントし合っていました。兄が死んだ時、ナノハさんは何度も自分を責めたんです。兄の遺体を見たナノハさんは泣き叫びました。ナノハさんは強い人です。でも、今も心を痛めていると思うんです。兄の死後、ナノハさんはブランケット家には来なくなりました』
あれだけ恋愛に興味を示していなかったナノハさんが、ズームさんのお兄様とだけ大恋愛を繰り返してきただなんて、全く気付かなかったし、信じるに信じられない。
『え、でも、ナノハお姉様は恋をしたことがありません!男の人好きになったことがないんです!とてもじゃないけど信じられません。でも、ズームさんもお兄様を亡くされていたのですね。私も1番上の姉を亡くしています。女子高生イヤガラセ放置事件で調べたら出てきます』
ミドリさんの事件は決して許されることではない。放置した友達も、ガラの悪いミドリさんの同級生も。無実でいることが苛立たしい。ナミネの幸せを奪う者はみんな消えて欲しい。
『酷い事件ですね。ナクリさんによく似たピアノが上手な方はミドリさんだったんですね。あなたも含めてナノハさんは姉妹全員でよくブランケット家に来ていました。けれど、ミドリさんが兄と親しげにピアノの話をしてからは、ミドリさんはあまりウチには来なくなりました』
『まさか、ナノハお姉様が嫉妬だなんてありえません!ナノハお姉様は誰にでも優しくて醜い感情なんて抱いていないです!』
だんだん話が分からなくなってきた。ナノハさんはピアノは弾かない。けれど、ミドリさんは唯一ナノハナ家でピアノを弾いていた人だ。
『人は誰しも裏あれば表もあるのですよ。嫉妬かどうかは分かりませんが、ナノハさんはよくミドリさんのピアノを批判していました。少し話しすぎましたね。ミドリさんの件は僕のほうでも調べておきます』
『私もズームさんのお兄様のお墓参り行きます!いつですか?』
『9月2日です』
こんな偶然ってあるのだろうか。
『ミドリお姉様の命日も9月2日です!』
『そうですか。では、僕もミドリさんのお墓参りに行きます』
ラルクは突然結界を解いた。話、終わったのだろうか。何だか、とても切なくて悲しい話だった気がする。ナノハさんが大恋愛していただなんて全く知らなかったし、その相手がズームさんのお兄様で、今は亡くなっているだなんて。私はナノハさんを哀れに感じた。
12月14日。
セナ王女とアルフォンス王子の誕生日がやって来た。明日がカラン王子の誕生日のため、カラン王子も今日、誕生日会をすることとなった。
真冬だから、ナミネのドレス用のコート買っておいて良かった。
しかし、この日はラハルさんとニンジャ妖精さんがいる。この前の今日なだけに、どうしてもいやなふうに見てしまう。
「じゃ、混む前にプレゼント渡しに行くぞ」
私たちはセナ王女たちにプレゼントを渡しに行った。ナミネはセナ王女とアルフォンス王子には安物の宝石を渡してカラン王子には自作の絵を渡していた。
というか、皇太子様も来ているのか。そうだよな。セレナールさんと交際しているもんな。エミリさんとアランさん、タルリヤさんも来ている。
「ヨルク、今日の料理は全てミミリ先生が作ってくれたものです」
「そうなんですね!凝っているなあと感じていました」
これだけの料理作るの大変だっただろうな。けれど、王室の頼みとなると断れないか。
「いかにも良い母親ですアピールしちゃって、いやな感じ。私食べない」
「あの、使用人に頼めば料理作ってもらえますよ」
「じゃあ、そうするわ」
反抗期なのだろうか。
「ラルク、美味しいよ。ラルクも食べなよ」
「ああ、そうする」
どうして机に乗るの。私がナミネを机から下ろそうとした時、落ち武者さんがナミネを下ろした。
「あんた、料理台無しにしたらどうすんのさ」
「ナミネ、机に登っちゃダメでしょ。私がお皿に入れるから待ってて」
本当、ナミネって手がかかる。私はナミネの分の料理をお皿に入れて渡した。
「美味しいです。もっとください」
「ナミネ、あまり食べ過ぎるとお腹壊すから、このくらいにしといて」
するとナミネは手で掴んで食べはじめた。
「ナミネ、やめて!これみんなの分だから手で掴んじゃ汚いでしょ!」
もう、どうしてこんな子になっちゃったの。
「ねえ、ラルク、ヨルクさんうるさいね」
「まあ、引きこもりだったから、社会を知らないんだよ」
何それ。いつも、ぶっ飛んだことしてるのナミネとラルクじゃない。何故私が悪者にされなければならない。
その時、入口のほうで、ズームさんと淡い赤色のロングヘアの女の子が立ち話をしていた。赤色って珍しい髪型だな。私はズームさんのところへ駆け寄った。
「ロォラ、こんなところに何しに来たんだ!今日は仲間はいないのか?」
友達だろうか。何だか今時の綺麗系の人って感じだな。
「ズームに会いに来た!この手紙渡しに来ただけだから、もう帰る」
「また僕のことハメようとしているのか?あの時のように!勝手にパーティー回ってろ!」
仲良くないのだろうか?
「ズーム、悪かったと思ってる。タイミング逃したんだ。手紙渡そうと思ってたけど、周りがズームのことダサイって言いはじめて、イジメの的にされるのが怖くて渡せなかった」
「だから僕をイジメたのか!最低だな!」
この2人にいったい何があったのだろう。
「ズーム、好きだ!付き合ってとも言わない。許して欲しいとも言わない。ただ、友達になりたい!」
い、いきなりの告白!?何だか、セナ王女たちの誕生日会というより、こっちがメインに見えてきた。
「またクラスの仲間と手を組んで僕をハメる気だろ!もうその手には乗らない!」
ズームさんのクラスメイトだったのか。でも、相手は真剣に告白しているように見えるけど、ズームさんは完全に信じられないのだろうか。
「待ってくれ、ズーム!」
「ズームさん、そろそろプレゼント渡し会はじまりますよ」
「今行きます」
え、ロォラさんはどうなるの?
「ズーム、彼女出来たのか?」
「お前には関係ないだろ!」
「あ、ズームさんのお友達ですか?私はロリハー家のアヤネと申します」
これは三角関係になるのか?
「ズームの彼女なのか?」
「いえ、ズームさんとは最近知り合ったばかりです」
「分かった、今日は帰る」
せっかく来たのにもう帰るなんてもったいない気がする。
「せっかく来たんだから午後過ぎまでいろ!」
やっぱりミネルナさんに似ているかもしれない。ズームさんて見かけによらず気が強いんだ。正直羨ましい。ちゃんと自分持った人だからかつてのナミネもズームさんのこと好きになったのだろうか。
「わ、分かった」
「あ、ロォラさん、料理も食べて行ってください」
私は取り皿を渡した。ロォラさんは無言でズームさんとアヤネさんの後を着いて行った。
「可哀想だよね、ラルク」
「まあ、こればかりは仕方ないな」
何の話だ?可哀想って誰が?ロォラさんなのだろうか?
「ナミネ、何の話?」
ナミネはまたミミリ先生の料理を食べたのか口元にソースがついていた。私はハンカチでナミネの口元を拭いた。
「ねえ、ラルク、どう思う?」
「まあ、鈍いわな」
何それ。ちょっと聞いただけなのに。
「あんた鈍すぎ」
「ねえ、鈍いって何?どうしてみんなして私を馬鹿にするの?」
ナミネたちは走ってプレゼント渡し会に行ってしまった。私も後を追った。
最初はセナ王女か。ミナクお兄様が青い薔薇の花束持ってる。
「セナ王女、お誕生日おめでとうございます。決して高価なものではありませんが、昔から親しくしている宝石店でオーダーしました」
ミナクお兄様はセナ王女に跪いて箱を開けた。
「まあ、素敵なブローチ!気に入ったわ!」
セナ王女はブローチと青い薔薇の花束を受け取った。
「ねえ、ラルク」
「探すしかないな。ナミネ、急げ!」
何があったのだろう。まだ、アルフォンス王子のプレゼント渡し会があるのに。ナミネが戻って来た。
「落ち武者さん、見つけ出しても今のラルクには無理です。爆弾処理班に連絡しましょう」
爆弾!?爆弾が仕掛けられているのか!?
「強気なナミネ、あんたがやれ!」
「分かりました」
ナミネでは無理だ。実践はやっていない。シュミレーションだけで、プロの仕事など出来ない。
「ナミネには無理だと思う。ナヤセスさん探してくる!」
「早く探せ!」
私は周りを見渡した。
「僕が解除します」
ズームさんが?経験あるのだろうか。ナミネはまた会場内を走り回った。
「ズーム、あんた本当に解除出来るのか?失敗したらこの別荘丸ごと吹っ飛ぶんだぞ!」
やっぱりナミネの言うように爆弾処理班に連絡したほうがいいんじゃ……。
「出来ます。姉さん!ここからみんなを出さないでください!」
「分かったわ!」
え、逃がすんじゃなくて出さないの?ミネルナさんは、パーティー会場の前に行き、無線を手に取った。
「これよりD会議を行います。パーティー会場にいる皆様はパーティー会場から出ないでください」
出口にはすぐに武官が配置した。
「ねえ、落ち武者さん、みんなのことは逃がして爆弾処理班呼ぼうよ」
「あんた馬鹿か?こんな大雪の中到着する頃には間に合わないだろうがよ!」
その時、ナミネとラルクが爆弾らしきものを抱えてこっちに向かってきた。
「落ち武者さん!ありました!」
ナミネは床に爆弾を置いた。ズームさんは中身を開けた。
15分!?短すぎないか!?しかも、赤、青、緑、オレンジ、白と5色もある。更には全ての色の線が複雑に絡まっている。
「ラルク、あんただったら、これを何分で解除出来る?」
「13分はかかるかと」
ギリギリだ。そもそも、どうして爆弾なんか仕掛けられているんだ。
「ズーム、何分で解除出来る?」
「7分もあれば解除出来ます」
7分。本当に間違いなく解除出来るのだろうか。落ち武者さんはズームさんにハサミを渡した。
ナヤセスさんが来た。てか、セナ王女はミナクお兄様を連れて、アルフォンス王子はカナエさんを連れてF938でここから逃げている。皇太子様もセレナールさんを連れてここから出ている。客は残して自分らだけ逃げるなんてなんて卑怯なんだ。
ナミネたちはズームさんを見てる。って、切るの早っ!まるで神業だ。実践経験があるのだろうか。
タイムリミットの時間が止まった。
「解除完了です」
「流石だな、ズーム」
「ズームさん、素敵です」
アヤネさん、残っていたのか。クラフとユメさんも。ズームさんを信じているメンバーのみが残ったってことか。アヤネさんはズームさんの額を拭いた。その時、ロォラさんがズームさんに抱き着いた。
「ズーム、無事で良かった」
「ズームさん、大好き!」
ナミネまでズームさんに……。
「アヤネ、あんた主催者と皇太子逃げたこと今すぐリークしろ!」
「分かりました」
アヤネさんは落ち武者さんから写真を受け取り、メモと共に、マスコミにFAXを送った。
数分後、テレビからニュースが流れた。
『本日、第5王子のアルフォンス王子と第6王女のセナ王女の誕生日会が王室の別荘で開かれていました。しかし、12時前にパーティー会場に爆弾が仕掛けられていることが発覚し、主催者であるアルフォンス王子は彼女を連れ、セナ王女は彼氏を連れ、更には皇太子様までもが来客を閉じ込めたまま別荘から逃げました。ちなみに、爆弾はブランケット家の長男 ズームさんが解除したようです。報道陣は今から主催者が逃げただろう皇太子様の別荘に乗り込むつもりです』
いくら王子王女だからって、自分らだけ逃げて、他の客を置き去りにするような人は痛い目あえばいい。
「はあ、ミナクまで逃げて、これじゃあ世間の笑い者ね」
リリカお姉様、来てたのか。
「ズームさんがいて良かったよね、ラルク」
「そうだな。まるで爆弾処理班並だな」
「小学4年生の頃、クラスに爆弾仕掛けられていた時はラルクが解除したね」
そうだったのか。全く知らなかった。
あれ、ミツメさん以外のニンジャ妖精さんもいない。どうやって逃げたのだろう。
「ズーム、よく見ろ!ここにいるメンバーがあんたを信じてたんだ!ロォラもな!」
「やはり、カンザシは逃げましたか」
その時、誰かが駆け寄って来た。
「ロォラ、大丈夫か!!」
誰だろう。またクラスメイトだろうか。
「兄貴、解除は終わった」
ロォラさんのお兄様か。よく見れば淡い赤色の髪で雰囲気も似ている。
「あら、あなたバイクで来たの?」
「そうだけど……」
ミネルナさんはロォラさんのお兄様に名刺を渡した。
「今度人数集めてバイクで出かけましょ」
まさかの展開……。でも、何だか似合ってる。
「分かった。ロォラ、帰るぞ!」
「ロォラ、これ持ってここから出ろ!帰りはタクシーで帰れ!」
ズームさんは皇室のF938をロォラさんに渡した。そっか、犯人捕まえるまでここから出れないんだ。
「分かった。ズーム、学校でな」
「これで後は犯人探しだな」
落ち武者さんの言葉にナミネとラルクは犯人を探しはじめた。
もし、ズームさんが解除出来ていなかったら、この別荘は吹っ飛んでいた。我が身大切さに逃げたセナ王女やアルフォンス王子も許せないけど、今は犯人探しに集中しなくては。いったい誰が何の目的で仕掛けたのか。
必ず突き止める。
……
あとがき。
やっぱり、別荘でパーティーは事件が付き物ですね。
それにしても、セナやアルフォンスが逃げるだなんて、後々どうなるのでしょう。
大まかなことは走り書きに寄せているけれど、でも、結構新たしいストーリーが入っていて混乱します。
果てして、爆弾を仕掛けた犯人とその目的は何なのでしょう。
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