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日常のこととかオリジナル小説のこととか。
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プロフィール
HN:
ashita
Webサイト:
性別:
女性
職業:
地主(土地貸してます)
趣味:
漫画やアニメを見るのが好きです。最推しはフーディーニ ♡
自己紹介:
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ブログ、もう書かないと思ってました。

けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。

小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。

純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。

元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。

ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。

小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。

よろしくお願い致します。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

お知らせ。

イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。

また、「カラクリよろずや」にて無料のフリーイラスト素材配布もはじめました✩.*˚

フリーイラスト素材も増やしていく予定です(*'ᴗ'*)

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模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。

ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。

小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。

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X @kigenzen1874

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〈資格履歴〉

2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格

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〈資格証明バナー〉

鉛筆デッサンマスター®認定試験資格取得証明
絵画インストラクター資格資格認定証
宝石鑑定アドバイザー資格認定試験資格取得証明
鉱石セラピスト資格資格保持証明
茶道アドバイザー資格認定試験資格取得証明
お点前インストラクター資格資格認定証
着物マイスター®資格認定試験資格取得証明
着付け方インストラクター資格資格認定証
サイキックアドバイザー®資格資格証明
サイキックヒーラー資格資格保持証明
アンガーカウンセラー®資格資格保持証明
アンガーコントロール士資格資格認定証
漢方コーディネーター®資格認定試験資格保持証明
薬膳調整師®資格認定試験資格保持証明
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純愛偏差値 未来編 一人称版 133話

《セナ》

私は、ずっと貴族との付き合いが殆どだった。全てが全てそうではないが、ほぼ騙し合いの世界なのである。言い寄ってくる男もたくさんいたけれど、私の財産目当てだろう。
そんな人間関係にウンザリして私はアルフォンスと紅葉町に引っ越してきたのだ。
けれど、王女と言うだけでクラスメイトからは避けられ、時にはイジメ紛いのこともされていた。でも、カラルリは違った。クラスに馴染めない私に色々と優しくしてくれて、グループも出来ていた。そして、私とカラルリは、次第に親しくなっていったのである。
はじめての好青年に、私は時間と共にカラルリのことを友達以上に見るようにもなっていた。セレナールがカラルリと仲良くするのを見るのは嫌だったし、私のカラルリへの気持ちは恋に近いものであったと思う。そして、私は確信が持てたら気持ちを伝えるつもりでいた。
けれど、あの日突然、クレナイ家のミナクが別荘に来て、私の気持ちは大きく揺さぶられた。事故とはいえ、クローゼットの部屋でミナクにファーストキスを奪われてからはミナクを意識するようになっていた。カラルリがミナクは女遊びをしていると言っていたけれど、それでも私の心は、あの一瞬でカラルリからミナクへ移り変った。正直、セレナールがミナクの腕を組んだ時は、かなり妬いてしまっていた。
ある日、学校の広場でミナクが他校の女の子を殴り付けているのを見てからは、急にミナクとの距離が縮まった。
私だけを見てほしい。そんな思いで、私はミナクを幸せにする決意をした。そして、ミナクとデートを重ねるほどに私の中の淡いカラルリへの想いは消えていた。今は、ミナクのことが好きだとハッキリ自覚している。
それで私は思った。カラルリに対しては恋と呼ぶには時が熟していなかったのではと。
「セナ王女って幼なじみとかいるんですか?」
夜の公園も悪くはない。
「あなたたちのようなものではないけれど、レナードが幼なじみよ。高校に上がってからも一緒にお風呂に入るくらい仲が良いの」
レナードとは幼稚園に入る前から親しくしていた。
「えっ、皇太子様ですか? やっぱりセナ王女とは住む世界が違いすぎます」
こんな風にミナクからは時折距離を置かれる。
「ミナクだってカナエと親しいじゃない。本当は恋愛感情あるんじゃないの?」
カナエはキクリ家の末っ子で、頭も良くて料理も出来て可愛い。学年のマドンナとしてはセレナールを支持する人が圧倒的だけど、カナエにはセレナールにはない魅力がある。
「カナエさんは大切な存在です。でも、姉以上に見たことはありません」
姉……か。
「じゃあ、セレナールのことはどう思う?」
やっぱり気にしてしまう。みんなで歩いていると通りかかる男はみんなセレナールのことを見ている。悔しいけど、かなり美人だと思う。
「うーん、綺麗だとは思いますが、どちらかと言うと姉のような存在ですかね」
また姉……。何となく都合良く誤魔化されている気がするのは被害妄想だろうか。私はミナクにもたれかかった。
好き。その一言が言えたら、どれだけ楽だろう。
「ミナクってキュート動画とか見るの?」
今や、そういったアプリは溢れ返っている。
「今日は質問が多いですね。男なら誰でも見てると思いますけど。カラルリさんも」
いや、今となってはカラルリのプライベートにはさほど興味はない。いつから興味がなくなったのかも薄れてゆく。それも全部ミナクのせい。
「そう。どういうキュート女優がタイプなの?」
私は出来心でミナクのフェアホを奪った。え、待ち受けは私とのツーショット? そして中を見る前に取り戻されてしまった。
どうしよう、めちゃくちゃ気まずい。その時、ミナクが私にフェアホ画面を見せた。
「前は色んなアプリ取ってましたが、今はたまにサイトで見る程度です。露骨な整形や派手な女は好みではないんで。フラワー女優がキュート女優だったら、まだ見応えあるんですけどね」
露骨や派手だっただろうか。
「そ、そう」
私は俯いた。
「三日連続で会ってますが良いんですか? カラルリさんのことは」
私とカラルリって、そういう風に見えるのだろうか。けれど、時間と共にカラルリからの好意的なようなものは感じられるようになって来た。
「あ、そのことなんだけど、クレナイ家に泊まった時のことフェアリー日記に書いていいかしら? それとミナクと交際はじめたってことも書きたいんだけど。後、出来ればミナクにもフェアリー日記登録してほしいの」
カラルリから好意を寄せられるような時は気まずい。私はもうミナクのことが好きだから。
「構いませんが、カラルリさんに嫉妬させたいならやめた方が良いです。フェアリー日記は今登録します」
うーん、こんなにミナクにくっついているのに気づいてもらえないものなのだろうか。
「そうじゃなくって、私カラルリのことは好きだけど恋愛感情じゃないのよ。でも、カラルリからは好意的なもの感じられて、このままだとグループに居づらくなるなあて。そうなりたくないの」
ミナクは一瞬驚いたような表情をした。私は勢いからかフェアリー日記に投稿をした。
『ミナクと交際スタート&初白咲』
その瞬間、カラルリから着信があった。けれど、私は出なかった。
「出なくていいんですか? 今頃カラルリさんショック受けてますよ。正直、セナ王女はカラルリさんに気があると思ってました」
確かに、意識はしていた。けれど、今思えば口付けしたいとかは思ったことがない。
「うーん、淡い想いを抱いていた時期はあったけど、多分、カラルリとは友達以上にはなれてなかったと思う。クレナイ家でミナクにされたこと、カラルリにはされたくない……」
恋じゃなかったとまでは言わない。けれど、どこか違和感はあった。
「それって私がセナ王女のファーストキス奪った時からですか?」
今度はミナクがやたら質問してくる。
「うーん、それもあると思うけど、友達としての触れ合いなら全然良かった。両想いだったとして、私はカラルリに友達以上のことは許せてない気がする」
上手く表現出来ない。意識はしていたし、セレナールと仲良くされるたびにヤキモチを妬いたのも事実。でも、ミナクに許せたことをカラルリにも許せていたかと考えたら、拒んでいたと思う。
「難しいですね。そういうカップルも世の中には多くいますが、セナ王女は無理そうですね。あんなに大胆でしたし」
思い出すと恥ずかしい。別に白梅まで捧げたわけじゃないけれど、多分にたような状況だったかもしれない。
時計を見ると22時を過ぎていた。
「あ、もうこんな時間。送って行くわ」
私は立ち上がった。その時、ミナクは後ろから私を抱き締めた。
「こういうこともされたくないですか?」
どうして、ここまで聞いてくるのだろう。
「ハッキリ言うわ! 最初は恋してたかもしれない! でも、少なくとも今はこういうことはされたくない!」
私が好きなのはカラルリじゃなくミナク。ミナクは私から離れた。
「そうですか。送って行きます」
私がミナクを幸せにするって決めたけど、少しづつミナクを求めはじめて今は、たびたび胸が苦しくなる。私はミナクの手を握った。
「そういえば、まだキープの子いるの?」
もっと楽しく過ごしたいのに、好きが募るほどそれが難しくなる。
「います。キープは辞めるつもりはありません」
これが嘘だということに私は全然気付けなかった。
「ええ、そこは止めないわ。ミナクのやりたいようにしたら良いと思う。でも、あなた。そのうち刺されるわよ?」
似たようなニュースは飛び交っている。人を貶めたら貶め返されるのが道理。正直そこはかなり心配だけれど、これまでの習慣をいきなり否定しては、それはそれでミナクの居心地を悪くするだけだし、こういった問題は難しい。
「セナ王女が言うと、めちゃくちゃリアリティありますね。刺されはされてませんが、復讐はされたことあります」
はあ、やっぱり心配だ。
「どんな?」
キープの子、何人いるのだろう。内官に調べさせるか。
「美人局です」
絶対ミナクがキレるパターンだ。
「全てを変えろとは言わないけど、やっぱり、ほどほどにしたほうが良いと思うわ。弄ばれるって良い気しないし。送ってくれてありがとう。気を付けて帰ってね」
その時、ミナクに手を握られた。
「幻滅しました?」
大人なことしてるけど、まだまだ子供ね。
「してないわ。最初に言ったことは覆さないし、ミナクの幸せは私が守る」
私はミナクに口付けしかけてやめた。まだ時は熟していない。ミナクがキープをやめるまでは支えることに集中しよう。

別荘に入るとリビングにアルフォンスがいた。
「セナ、何時だと思ってんの?」
しまった。互いに探り合いしているうちに、すっかり時間過ぎてしまった。
「ごめん、話し込んでた」
気を付けなきゃ。
「フェアリー日記のこと事実? ミナクはセナの白梅ゲットって書いてあるけど」
え、嘘。思わず胸が高鳴ってしまった。
「えっと、交際はしてない。白梅も」
でも、あの日のクレナイ家でのことだけは事実だ。
「もう書いた以上は嘘でしたはやめた方がいいと思う。嘘通すしかないと思うよ。でも、白咲の時、白空鈴になった?」
最初はそのつもりだった。嘘は通すつもり。嘘の中だけでもミナクと交際していたい。
「ううん、なってないし、普通に座布団に座ってるだけだったわ」
ミナクは私を気遣って変なことはさせなかった。
「そっか。でも、カラルリのことはどうするの?」
カラルリには悪いと思っている。けれど、私はもう引き返せない。
「私、ミナクが好きなの! 交際は出来ないかもしれないし、まだキープの子いるみたいだけど、真面目なカラルリよりミナクが好きなの! だから、ミナクと一緒にいたい」
周りは理解しないだろう。けれど、どうしてもミナクと離れたくない気持ちが強い。
「そうだね。カラルリのことは、それとなく気付いてた。セナがそこまでミナクを好きなら私は止めない。ただ、もうキープの子いないと思うよ?」
え、どういうこと? だって、ミナクはキープはやめないって言ってた。その時、アルフォンスが内官に調べさせた報告書を机に置いた。私は報告書を手に取った。
『報告書

クレナイ家、長男のミナクさんは小さい頃から虐待を受けている。相手は実の母親。虐待は酷く、ミナクさんや他の兄弟は生まれて間もない時から、たびたびナノハナ家に預けられていた。クレナイ家の母親とナノハナ家の母親は学生時代からの大親友。今でも家族ぐるみの付き合いをしている。

虐待のこともあってか、ミナクさんは年齢と共に不良と化していき、小学三年生のある日、学年の女子と白梅咲をした。その後も、好きでもない女の子を弄び続け、弄んだ女の子は貴族と同級生合わせて、80人を上回る。
小学五年生の頃には、女の子をキープするようになった。
キープした女の子には気に入らないことがあるたび、暴力をふるっていた。
デビュー仕立てのアイドルやフラワー女優、その他役者などもキープされていた。

ミナクさんのタイプは以下の芸能人たち。

ずっとキープの女の子は絶やさなかったが、今月の中頃に全て切ったと思われる。今のところは新しくキープする予定はなし。

以上、報告でした!』
知らなかった。ミナクはこれまでのこと話してくれていたけれど、虐待のことは聞いたこともないし、ナノハナ家の存在も私は知らない。簡単にミナクの幸せ守るだなんて言ったけれど、思ったより時間がかかりそうな気がする。それでも、私はミナクが立ち直るまで傍にいるつもりである。
キープしてない云々のことは今は期待は出来ない。やっぱり直接確かめたい。
それにしても、ミナクって思った以上に面食いだ。
「そう。でもミナクもいつかは本命に出会うだろうし、私も諦めなければいけない日が来ることは分かってるから」
分かってはいる。でも、心の中ではミナクの本命になりたくてたまらない。
「さっき、ミナクのこと好きって言ってたよね? 正直、セナにはミナクが他の人と一緒になるの耐えきれないと思う。だったら、素直になるべきなんじゃない?
でも、白梅はもっと慎重になってほしい。白咲でも何度も許せば、いずれ飽きは来るからさ。今のミナクはセナに優しくしてるけど、関係は確実に変わるよ」
それも分かってる。でも、好きだから許したくなる。そして、多くのカップルはたくさん後悔してきた。向こうにいた時、貴族の女の子が恋愛絡みで、よく泣いていたのを見てきた。自分はそうはならないと思っていたけれど、結局は私も、あの時の貴族と同じなのである。常に優しいカラルリとのほうが、きっと恋愛は穏やかだろうけど、それではダメなのだ。私は好きな人と交際したい。例え後悔しても。

翌日、私とセレナールは二時間目の途中、誰もいない体育館で椅子にロープで縛り付けられた。それも、授業中に外に出た私が良くなかったかもしれない。
突然、二人で話したいからとセレナールからレインが来て、私は体育館へ向かった。ミナクとのことだろうと、早く白黒ハッキリさせたかったのだ。
けれど、ミナクとの今の関係に気が緩んでいたのだろう。突然、背後からフェアリーホルムを嗅がされ、セレナールは即眠り、私は眠りはしなかったものの、身動きが取れなくなり、大学生だろう男たちに運ばれたのである。
こんな緩い結びなんて、普段の力量なら直ぐに解けるのに。このまま、大学生たちに人生を奪われることだけは絶対に嫌。私はセレナールには申し訳ないと思いながら自分に森林の結界をかけた。これで大学生は私に触れることさえ出来ない。今の力量で譲渡は出来ないからセレナールの分まではかけられない。
五分すれば少し身体が動くようになって来た。私は真っ先に紙飛行機をアルフォンスに飛ばした。セレナールが起きる前にロープを緩めておかないと。
けれど、セレナールは目を覚ました。そしてキョロキョロしはじめたのである。丸越しで……こんなの相手の思うツボではないか。私は眠ったフリを続けながらロープを緩めていった。
「どうなっているの?」
はあ……一緒に捕らえられたのがカナエならスムーズに事を運べただろうに。早くロープを解けるようにしないと用意されているのは最悪の未来だ。
「こっちの美少女は起きたか。
よく聞け。今から王子様が来る。俺らは、その王子様に『助けられるのは一人の姫』だとメールを飛ばした。つまり、王子様に助けてもらえなかった姫は俺らがたっぷり可愛がってあげるってわけ」
つまり、私かセレナールのどちらかを助けて逃げた後、助けられなかった方は大学生たちの餌食ってわけか。けれど、王子様って誰のことだろう。やはりアルフォンスだろうか。いや、ミナクという可能性もある。それだけは避けたい。はたまた、カラルリやエミル、セリルかもしれない。セリルだったら、真っ先にセレナールを助けるだろう。だとしたら、二人とも無傷でいられる。けれど、最悪なのは私を先に助けてしまった時だ。
「そんな! お願い見逃して!」
こんな相手にまともが通用するはずがない。
「じゃあ、向こうのお姫様の相手していいかな? 一分以内に答えてくれたら王子様の選択より君の選択で手を打つよ」
いっそ、私を差し出してくれた方が誰も傷つかずに済む。けれど、差し出されたなら私の胸は傷むだろう。
それにしても、私とセレナールの距離が20メートルほどあるのは、大学生の策略と言ったところか。本当に一人しか助からないんだ。
この時の私は、セイがセレナールの乱れた姿を見たいがために大学生からお金をもらって取り引きしていたことを私は知らなかった。その王子様とやらをカラルリにしていたこともセレナールを孤立させるための、セイの思い通りになるための手段であることを知る余地もなかったのであった。
「30秒たった。君が選ばれなかったら君は俺らと遊ぶことになるよ?」
セレナールはどのような選択をするのだろう。
「けど、こっちの銀髪の女の方が上玉じゃね? スタイルもいいし、すんげー美人だし」
やっぱり、みんなセレナールなんだ。はじめて会った時から苦手意識を感じていた。転校前は私が美人だとチヤホヤされてきただけに、上には上がいると思い知らされた。
「私を助けてほしい」
そうか。セレナールは私を捨てるんだ。だったら、この後何が起きても私もセレナールを助けない。セレナールの自分だけ助かりたい本音を直接聞いてしまうと思うより落ち込むものである。
けれど、これが大学生の嘘ということは私もセレナールも知らざにいた。
その時、カラルリが体育館に入って来た。そして、真っ先に私の方へ向かって来たのである。
「セナさん!!」
私は結界を解いた。
「じゃあ、やっぱりさっきのはなしで、こっちのお姫様の勝利ということで君にはこれから俺らの相手をしてもらおうか」
セレナールはジタバタした。
「約束が違うわ! お願い、見逃して!」
セレナールの頼みなど聞く耳はもたれず、セレナールは少しロープを緩められブレザーを脱がされた。
「いや! カラルリ助けて!」
ここの体育館は広い。けれど、カラルリはセレナールのほうには向かわない。そうしている間にもセレナールの上半身は下着姿になっていた。
「いやー! いやー!」
セレナールは必死にもがいたが、ロープは解かれ五人がかりで床に押さえつけられた。そして、スカートも脱がされた。
「うわー、めちゃくちゃ上玉。こっちの女が選ばれなくて良かった」
セレナールは泣きながら叫んだけどカラルリは見向きもしなかった。
大学生の一人がセレナールの下着に手をかけた時、私に花札3枚が飛んで来た。私に巻き付いていたロープは一瞬にして切れた。ミナクは扇子でセレナールを押さえつけている大学生を吹き飛ばした。
この子、思ったより判断力がいい。けれど、あれ? 私はカラルリが花札を使うところを一度も見たことがない。そんなことより、とっとと大学生を始末しないと。私は素早く一人一人拘束した。
「セナ! って、もう片付いてるじゃん」
アルフォンス、地味に来るの遅い。他の人に紙飛行機飛ばせば良かった。
「セレナールさん、立てますか? 保健室に行きましょう」
ミナクはブレザーを脱いでセレナールにかけた。こんな時まで嫉妬してしまう私って身勝手なのかもしれない。
「セナさん、無事で良かった」
カラルリは私を抱き締めた。カラルリが私を選んでくれたことは感謝するけれど、おかけでまたセレナールと拗れてしまう。セレナールはミナクに抱き着いている。
「ミナクが保健室に連れていくことなんてない!」
私はカラルリを振り払って、ミナクに抱き着いた。
「セナ王女、大丈夫か!?」
委員長、そしてハルミ先生とセリル、カナエ!
「委員長!」
「委員長!」
あれ、ミナクとハモった。私とミナクは思わず顔を見合せた。
「また、問題を起こしたのかね? 全く君はどうしようもないな」
髪はショートヘアだけど、私のクラスの委員長と似ている。姉妹だろうか。
「委員長、そりゃないだろ」
同級生の女の子のことも弄んでいたそうだけど、委員長とは仲良さげ。
「日頃の行いが悪いから疑われるのだよ」
確かに正論かもしれない。
「兄さん! 私、何の力もないのにまた後回しにされた!」
こういう時だけセリルに泣きついて……。そもそも、セレナールが私を呼び出したからこうなったわけで、先に私を見捨てる発言したのセレナールじゃない。
「こんな状況だけど、当事者が全員揃ってる今、何があったか全て話してくれないかしら」
ハルミ先生は、かなり真剣な表情をしている。
「あの、それでしたら体育館に取り付けられている防犯カメラの映像を先に見たほうが早いと思います。当事者に聞くのはその後の方が良いかと」
ミナクって思ったより頼りになる。女遊びではなく、本命と交際してたなら良い彼氏になっていただろうに。
「あ、そうよね。今外すわ」
ハルミ先生はどこか天然なところがある。私は防犯カメラのところへ走って大きく飛び上がりチップを抜いて着地した。
「流石はセナ王女だな。このフェアパットで確認しよう」
委員長は用意周到だ。
「ええ、お願い」
私は委員長にチップを渡した。
「やめて!」
突然セレナールがチップを奪おうとしたが、ミナクのクラスの委員長がセレナールの前に立った。
「口頭では食い違いが生じるだろう。これだけの人数がいるのだからな。映像で事実確認をした方が皆が動かない証拠を見られると思うが」
ミナクのクラスの委員長もしっかりしている。
そして、委員長によって映像は再生された。皆は、輪になって真剣に映像を見はじめた。
映像は体育館に入ったところからだけど、セレナールとのやり取りは映像を全て見た後に話した。
映像を見た後は、みんな険しい表情をしている。
「ま、君にしては良い判断だな、ミナク」
ミナクのクラスの委員長って、どこか変わっている。そして、ミナクは大学生たちを見た。
「この大学生ら、誰が拷問します? エミルさんが聞き出しますか?」
そうか、まだ謎はあった。どうしてカラルリのメールアドレスを知っていたのか、今思えば不思議で仕方ない。大学生にも真実を話してもらう必要がある。
その時、カラルリがミナクを殴り付けた。
「ミナク、お前わざと私を侮辱しただろう!」
こんなに怒っているカラルリを見たのははじめてだ。
「やめて、カラルリ! ミナクは何も悪くないじゃない!」
私はフェアリー日記に投稿したことを地味に後悔した。
「全く君は人をイラつかせやすいヤツだな」
ミナクのクラスの委員長はミナクの手当をした。私もミナクに駆け寄った。
「一言多いけど、ありがと、委員長」
アザが出来ている。
「向こうにも問題はあるようだが、見ていた限り後ろめたさがあったのだろう。人の闇を無闇に引き出してはいけないのだよ」
後ろめたさ……。確かに、誰にでも欠点はいくらでもある。そこを突かれてしまえば人はいい気はしないだろう。
「けれど、映像を見る限り、セナ王女とセレナールさんは二人ともロープで縛られていた。つまり、二人に同時に花札を投げた後、大学生を扇子で飛ばして拘束すれば平等に助けられたと私は思うが」
言われてみれば確かにそうだ。私たちは大学生の『どちらか一人しか助けられない』に拘っていたのだ。恐らくカラルリも。これも、大学生の計算の中に加わっていたのだろうか。
「おい、もう一度殴られたいか、ミナク!!」
どうしてここまで怒鳴るのだろう。私の知っているカラルリじゃない。
「カラルリ、やめないか。相手は中学生だろう」
委員長はカラルリの腕をつかんだ。
「カラルリ、どうしたんだよ。あの言い分はあくまでミナクの場合はってだけで、私なら大学生から始末するが」
そうか。強い人ほど、その人のやり方があるわけか。エミルは確実な方法を選ぶタイプだ。
「全く君は。今さっき忠告しただろうに。そこまで言うなら、君が拷問とやらをしてくれ。と言いたいところだが、それは校則に反しているゆえ、ここはハルミ先生に聞き出してもらうのが一番だな。ハルミ先生、聞き出してくれ」
この子、頭脳戦のタイプだ。ちょっと羨ましい。相当知力があるようにも見える。
「分かったわ。あなたたち、どうしてこんなことしたの?」
多分答えないだろう。拷問が出来ないのだから。
「負傷者もおるゆえ、もっと要点だけ聞いてくれんかのお? 君たちは、どうしてカラルリという者のメールアドレスを知っていたのかね?」
やっぱり答えない。その間にもセレナールの震えが強くなっている。セリルが手を握っているけれど、多分長くは持たない。
あの時、ミナクが保健室に連れて行こうとするのを阻止するべきではなかった。
「ふむ、答えないか。では、そのセレナールという者だけ姉君が病院に連れて行って、君たちが答えるまで何日も居座ろうではないか」
えっ、正気なのかしら。その時、セリルがセレナールから離れ、大学生たちの前に立った。
「カラルリのメールアドレスはどこで入手したのかな?」
あれ、これって、カナエが制服と体操着盗まれた時に使っていた催眠術的なものだ。
「名前分かんねえけど、高等部の男子がいきなり銀髪の女の写真見せてきて、千円くれたら好きにしていいって言うから千円渡して話に乗った。後は相手の指示通りに動いただけ」
何だかいやな予感がする。
「そっか。その高校生は何年生か分かる?」
セイ……なのだろうか。だったら、私も停学になるかもしれない。監督不行届だった。
「分かんねえけど多分一年」
私が立ったまま震えはじめたらミナクが肩をだいてくれた。私はミナクにもたれかかった。
「画面小さいけど……」
セリルが言いかけて委員長はフェアパットをセリルに差し出した。
「これを使ってくれ」
なんか、こういうのをチームワークと言うのだろうか。
「ありがとう。その一年生は、この中にいるかな?」
大学生はフェアパット画面を見た。
「コイツ、コイツっす!」
誰だろう。どうかセイ以外の人に……。
「目的は聞いてる?」
もう逃げようとしても仕方ない。こんなことするのはセイしかいない。
「なんか、女の乱れたところが見たいとか云々言ってたけど」
どうしてこうなってしまったのだろう。セイはどうしてまともになれなかったのだろう。この時の私はセイを戸籍から外したいと思っていた。
「それだけ? 他には何かある?」
全ての狙いはセレナールだったんだ。
「第二を突破して苦しむところも見たいとか。後は特に何も聞いてないし、俺らも見たこともない美人の水花卒業させれるならって、そればかり考えていたから」
上手い話に乗る大学生も大学生だけど、一番悪いのはセイだ。それでも、心のどこかでセイでないことを願っていた。
「君たちがしたことは罪にも問えるんだよね。同じこと繰り返せば少年院行きにもなる。もう二度と誰も傷付けないって約束出来そう?」
一瞬会話は途切れたかのように見えた。
「分かった。もう二度としない」
五人が同意した。
そして、セリルは委員長にフェアパットを戻した。
「じゃあ、聞き取りは済んだから大学生の始末はハルミ先生に任せて私はセレナールを月城総合病院に連れて行く」
ミナクのクラスの委員長が言うと共にショウゴ先生が来た。
「コイツらは俺が始末書書かせるからハルミもハルんとこ行って!」
こういうチームワーク、多分私は経験してこなかった。そして、他のメンバーも行くと言い出した。
「しかしなあ、あまりゾロゾロ行くとセレナールが負担だろう」
その時、カラルリが再びミナクに殴りかかった。私は咄嗟にカラルリを止めた。
「お兄様、もうおやめ下さい! ミナクは悪くないではありませんか!」
カナエはミナクを抱き締めた。
そして、救急車が到着した頃、私は突如セレナールに引っぱたかれた。
「本当にどこまでも最低な人ね! 何が大切な弟よ! 犯罪者じゃないの! 一生恨んでやる! あなたの弟には散々な目に合わされたから私も弟に復讐してもらうわ!」
やっぱり黒幕はセイだった。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

あとがき。

いつもより長くなってしまいました。
古代編も書き始めているので、もう古代編のことは伏せないでおきます。

カラルリが迷わずセナを選んだ裏側には、ある約束があったんですよね。それは、古代編が進むごとに知ってゆくでしょう。

二人の大切な人のうち、一人しか救えない。
もし、そういう状況があって、助けてもらえなかったなら誰だってセレナールのようになると思うんですよね。
これまでも、みんなの自覚なしにセレナールは傷付いてきましたし。

グループ付き合いで、不利な状況を耐えている人がいるとするなら私は悲しく思います。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。

また、程度によりますが模倣はご遠慮願います。
詳しくは《カテゴリ》→《説明事項》→《模倣のご遠慮願います》をご覧ください。

小説の無断転載もご遠慮くださいませ〜♪
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