日常のこととかオリジナル小説のこととか。
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ashita
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女性
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地主(土地貸してます)
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漫画やアニメを見るのが好きです。最推しはフーディーニ ♡
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ブログ、もう書かないと思ってました。
けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。
ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。
小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。
よろしくお願い致します。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
お知らせ。
イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。
また、「カラクリよろずや」にて無料のフリーイラスト素材配布もはじめました✩.*˚
フリーイラスト素材も増やしていく予定です(*'ᴗ'*)
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。
ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。
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X @kigenzen1874
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現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
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が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
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〈資格履歴〉
2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格
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〈資格証明バナー〉

2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
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→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
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〈資格証明バナー〉

純愛偏差値 未来編 一人称版 134話
《ヨルク》
朝早く第4居間の隣のキッチンへ行くとカナエさんが料理をしていた。
「あ。カナエさん手伝います」
私はエプロンを付けた。
「ヨルクは良い子ですね」
突然カナエさんに抱き締められた。よく見るとカナエさん、クマが出来ている。寝ていないのだろうか。
「カナエさん、寝てないんですか? 夜中からここにいたんですか?」
何かあったのだろうか。
「朝食を作ったら、皆さんにお話します」
いやな予感がする。カナエさんが眠れないほどのことって、簡単には解決出来ないくらい大事(おおごと)なことなのだろうか。
その時、ナミネが走って来た。
「カナエさん、全ては分かりませんが落ち武者さんから聞きました! 2019年と同じことが起きるだなんて……」
ナミネの話だけでは分からない。最初から聞かないと。
「はい、それだけではありません。お兄様はもっと前から悩んでいました。転生ローンの催促で。体育館のことは、その矢先のことでした」
体育館……? というか、転生ローンって、コマーシャルとかでやっている、転生しても返済仕切るまで催促が来るローンのことだよね。カラルリさんが転生ローンというのは何だかしっくり来ない。お金の管理はしっかりしていたほうだと思う。
フレンチトーストが焼けた。私はホットミルクを人数分入れて、カナエさんと第4居間に運んだ。
あれ、みんな揃ってる。
「朝飯とかどうでもいい。一から説明しろ! どの道、甘えセナと一目惚れカラルリには痛い目に遭ってもらうけどね?」
セレナールさん絡みだろうか。落ち武者さんも寝てなさそうだし、相当苛立っている。
「まず、お兄様の元に転生ローンの催促が封筒とメールで来はじめました。当然、お兄様は何も覚えていません。けれど、役場で事実だと知り、お兄様は酷く落ち込みました。そんな矢先、ミナクが別荘に来て、セナさんと恋仲になりました。フェアリー日記には、交際、白咲、白梅と書いてありますが、交際と白梅は恐らく嘘でしょう。セナさんとミナクは頻繁に会うようになり、お兄様の心の行き場がなくなった頃、あの体育館の事件が再び起きたのです。これが体育館での全てです」
カナエさんはノートパソコンをキーボードから外し、机に置いた。ミナクお兄様が最近突然機嫌が良くなったのはセナ王女と会っていたからなのか。もし、遊びでなく本気なら初恋だ。聞いている限り本気に思えたが実際どうなのだろう。
みんなはパソコンを真剣に眺めている。
映像は誰もいない体育館でセナ王女とセレナールさんが椅子に縛り付けられていた。二人とも寝ている。眠らされた状態で連れてこられたのだろうか。
少しするとセレナールさんが目覚め、セナ王女かセレナールさんのどちらかしか助からないことを告げられる。セレナールさんは必死に助けを求めた。
すると、セナ王女を見捨てたらセレナールさんは助かるようなことを言われ、セレナールさんはセナ王女を差し出してしまう。
カラルリさんが現れ、真っ先にセナ王女の元へ向かった。その瞬間にセレナールさんは大学生たちに押し倒され、抵抗するものの、床に押さえつけられ制服を脱がされてゆく。
カラルリさんに助けを求めるもののカラルリさんはセレナールさんのところへは行かない。
大学生がセレナールさんの下着に手をかけた時、ミナクお兄様がセナ王女に花札を投げた後、大学生を扇子で吹き飛ばし、セレナールさんにブレザーをかけた。
カラルリさんはセナ王女を抱き締めるものの、セナ王女はカラルリさんを振り解き、ミナクお兄様に抱き着いた。
少しして、アルフォンス王子たちが体育館へ来た。ハルミ先生もいる。
そして、色々揉めた後、大学生によって黒幕がセイさんであること知る結末となり、セレナールさんがセナ王女を引っぱたくところで映像は終わっている。
「甘えセナは本当っ卑怯だな。自分だけに結界かけて寝たフリして、王室の紙飛行機メモ飛ばして、明らか自分のみ助かろうとしてるじゃねえか。一目惚れカラルリは姉さん見捨てて甘えセナだけ助けようとして。姉さんの人生どうなってもいいのかよ! 今日の話し合い、僕も行く」
え、けれど、セレナールさんのほうが自分だけ助かろうとしてた気がするけれど。それに、ミナクお兄様はセナ王女を想うことで、やっと落ち着いてきたところだ。今、ミナクお兄様からセナ王女を奪ってしまえば逆戻りになってしまう。
「落ち武者さん。ミナクお兄様は、セナ王女によって幸せを手に入れようとしています。どうか、ミナクお兄様の幸せを壊さない程度に考慮してもらえないでしょうか」
先にラルクに言われてしまった。ラルクは私よりミナクお兄様のほうを兄として慕っているのだろうか。私は、いつまでラルクに嫌われたままなのだろう。
「はあ、兄弟愛ってヤツね? 確かに女遊びミナクに罪はないから、そこは僕も考慮はしたいけど、姉さんが、あそこまでみんなから仲間外れにされたら僕も辛いんだけど?」
落ち武者さんとセレナールさんは仲が良い。あれ、セレナールさんとセリルさんが兄妹ってことは、落ち武者さんってセリルさんの弟……? 全然似てない。
「落ち武者さん、私もミナクお兄様が幸せに向かっているのを壊されるのは困る」
映像だけでは何とも言えないが、少なくとも私には両想いに思えた。
「あんたら、何だかんだで兄想いなんだね?」
落ち武者さんだってそうじゃないか。
「セルファさん。僕も、復讐までしてしまうと事態は余計に悪化すると思います。ミナクさんはセナ王女を失った苦しみから、更に他人を傷つけるでしょうし、カラルリさんはセナ王女の想いを得られないことと転生ローンのことで酷く負いつまるでしょう」
復讐は誰も幸せになれない。それなのに、2024年現代で仇討ち権があることには遺憾である。
「ねえ、ラルク。歴史変わってなくない? セナ王女はカラルリさんと交際した後にミナクさんと交際してた。けど、今回は、カラルリさんすっ飛ばしてミナクさんと交際してる。それに、前とは違って二人とも深い愛情で結ばれてる気がする」
前はカラルリさんと交際していたのか。
「まあ、表面上はそうだけど、シャム軍医が現れれば確実に状況は変わるだろうな。正直、僕もセレナール先輩のみがあんな目に遭って復讐してやりたい気持ちはかなりある。でも、こんなヒートアップしている状況ではセレナール先輩の力にはなれないと思う。僕としては仲介を挟みたい。出来ればメナリさんで」
ラルクは思ったより冷静だ。セレナールさんのこととなれば取り乱すと思っていた。
「うん、私もそう思う。でも、話し合いでどうこうなるのかなあ。セレナールさん、セナ王女にブチ切れてるし、カラルリさんもミナクさんを相当恨んでる。実際のところ、ミナクさんとセナ王女ってどこまでいったのかな。セナ王女はカラルリさんに全く恋愛感情ないのかな。ついこないだまでは、カラルリさんと好き合ってたように見えたけど」
それを知ってどうするのだろう。そんなの本人にしか分からないじゃないか。
「聞いてみる」
えっ、聞くって、そんなことしたところで正直に答えるとは思えないが。
「で? 男尽くしカナエはどう思うわけ?」
何故ここでカナエさんに聞くのだろう。
「カナエは、前の二の舞にならないのなら、セナさんとミナクが交際するのが良いと思いました。けれど、現実はそうではありませんでした。セナさんのお心を手に入れられなかったお兄様はボロボロになっています。月城総合病院でもセナさんはミナクにくっつきぱなしで、お兄様はミナクを何度も殴ろうとし、誰にも心配されないとセレナールは泣き、セナさんにばかりを責め続け、メノリさん一人がセレナールを見てるからとカナエたちは帰されました。結局、順番や人が変わっているだけで、以前と同じです。お兄様を見ているとカナエは辛くてたまりません」
カラルリさんは昔から効率の悪い人で他者のせいにしすぎるところがあるから、今の状況だとミナクお兄様を目の敵にし続けるだろう。
「ナミネ、白咲だけらしい」
本当だろうか。ミナクお兄様の性格からして何もないなんてことはないだろうけど、何事も物事は憶測で決めてはいけない気がする。
「そんな感じだよね。ミナクさん、本命だけには躊躇うとこあるし」
そうだったっけ。天使村時代は真面目だったから分からない。そして、私はアヤネさんとカラルリさんによってミナクお兄様が変わってしまったことを後に知ることになるのである。
ミナクお兄様が再び元に戻りはじめていることは嬉しいが、王女に手を出して大丈夫なのだろうか。
「ふぅん。男尽くしカナエ、アンタも身内が良ければ周りはどうでもいいんだ? ムカつくんだけど? アンタ、一度姉さんと同じ状況になってみろ」
その瞬間、一瞬畳が光った。落ち武者さんは既に数式を書いていたのか。
「ねえ、落ち武者さんだってそうでしょ? どうしてカナエさんにばかり当たるの? カナエさんだって辛いんだよ?」
殆どの人間は、みんな自分のことばかりだ。私だってそうだけれど、どうしても人が集まれば不利な状況下に立たされる人間も暗黙に現れる。それはカナエさんのせいではない。
「カナエの力を奪ったのですね。セルファさんがそれで気持ちが落ち着くのなら、カナエはもう何も言いません」
カナエさんは、いつも堂々としている。その姿に、どれほど憧れたことか。
「どこまでもムカつくんだけど? 男尽くしカナエ。アンタが、あの時結界かけたから、姉さんの人生ダメになったんだろうがよ! あの時のことだけは、ずっと許せなかった。アンタ、反省どころか全部姉さんのせいにして来たし! どれだけ身勝手貫いたら気が済むんだよ! どれだけ人犠牲にしたら気が済むんだよ!」
落ち武者さんは泣きはじめた。その時のことを私は知らない。恐らく古代のことだろうけど、今のように、あちら側とは完全に関わりがなかったから。
「言い分はそれだけですか? あの武官たちはセレナールが雇った者たちです。自業自得とまでは言いませんが、それがきっかけでセナさんの人生まで奪われかけましたし、お兄様はセレナールを助けようとしたばかりにセナさんにフラれかけました。悪いのは本当にカナエだけでしょうか? カナエは、セルファさんのこじつけのように感じますが?」
言われてみれば、喧嘩は一人では出来ない。カナエさんのみが悪いというのは、しばしおかしいと思う。
その時、落ち武者さんはカナエさんを押し倒し無理矢理口付けをした後、カナエさんの服を脱がしはじめた。
「ちょっと、落ち武者さんやめて!」
その瞬間、ナミネが扇子でカナエさんから落ち武者さんを引き離した。
「アンタ、どっちの味方なのさ」
落ち武者さん、まだ泣いている。
「カナエは別に構いません。以前、いやってほどアルフォンス王子様に弄ばれていましたので、白梅の一つや二つ、もう気にしません」
カナエさんは、どこまでも強気だ。
「落ち武者さん、僕もナミネから聞いた時は耳を疑いました。カナエ先輩は咄嗟とはいえ、結界を使えるのに、セレナール先輩は使えません。もうその時点で100:0だと思っています。完全なイジメなんですよ。僕がお武家連盟会議にかけます。だから、今は耐えてもらえませんか?」
お武家連盟会議って、それもう仲間割れじゃない。
「分かった……」
ラルクは人を説得するのが昔から得意だ。落ち武者さんも何だかんだでラルクのことを気に入っている。
「セルファさん、そこまでカナエのことを恨んでいるのでしたら、ひと月仮交際しませんか? その間、セルファさんはカナエを好きにしてください。カナエはセルファさんの恨みを受け止めます。別に全てゼロにしてほしいと言っているわけではありません。どうですか?」
え、さっき落ち武者さんに押し倒されたばかりなのに。それに好きでもない人と仮交際も腑に落ちない。
「アンタ、思った以上にズル賢いな。自分のことさえままならない一目惚れカラルリとは反比例するかのように。
誰でもいいから慰められたいだけだろ。だったら温室カランに頼んでやろうか?」
そうか、カナエさんも平気なフリしてるだけで、メンタルは相当やられているのか。全然気づかなかった。
「交渉に応じないのなら、もうカナエからは何も提案しません」
カナエさんが立ち上がると同時に、また一瞬光った。ズームさんがカナエさんの力を元に戻したのだろうか。
チームワーク取れる人間は問題を抱えていても周りのことも考えられるのに対して、自分のことしか考えられない人間はチームワークを取るには困難とも言えるだろう。
「交渉には応じる。その代わり、僕は慰めどころかアンタ痛め付けることしかしないけどね?」
その時、ナミネが覚めたフレンチトーストを食べはじめた。お腹空かせていたのか。
「では、交渉成立ということで。朝ご飯、温め直してきます」
なんだろう。一見仲悪そうに見えて少し恋愛に見えてくるのは私の妄想だろうか。
「カナエさん、私も手伝います」
私は立ち上がった。
「僕も手伝います」
何もしない人は何もしない。あちら側もチームワーク乱れているけれど、こちらも乱れている気がする。けれど、それぞれの役目というものもあるか。
「あ、すみません、ズームさん」
この人優しい。世の中は理不尽だ。友人は選べるのに親も兄弟も選べない。いや、それは違うか。ズームさんは恵まれているけれど、カンザシさんという人に縛られ続けている。チラッとナミネから聞いた話だから皆までは知らないけれど。私だったら耐え切れるかどうか。
「ねえ、ラルク。今のセレナールさん、ミナクさんに傾いてるよね」
はあ、どうして敢えて本人に言うのだろう。ナミネは本当に空気が読めない。
「だろうな。けど、恋にはならないと思うし、なってもミナクお兄様とセナ王女は離れないだろう」
何故、兄がこんなにもモテるのだろう。それもセナ王女もセレナールさんもかなりの美人だし。
「ラルク、今回は本当にセレナールさんのこと好きなんだよね?」
どういうことだろう。
「ナミネ、それ何回聞くんだよ。僕はセレナール先輩しか考えてないから」
前は何かあったのだろうか。ナミネの説明が大雑把過ぎて、ここぞということに関しては状況が掴めない。
「少しずつ過去も変わっています。あれだけヨルクに気があると言っていたセレナールでしたが、それも薄らいでいます。ヨルクと一緒になれなかったから死んだのも、ラルクを庇って命を落としたことになっています。何かの陰謀の部分が消えていってるようにカナエは感じます」
セレナールさんが私のことを……? 陰謀……。だとしたら、ナミネの衰弱もそうでなくなるだろうか。
「確かにそうですね。僕の勾玉のアザが濃くなっているのも何か理由があるのでしょう」
え、濃くって……。だとしたら、もう一度ラルクに。ダメだ。まだセレナールさんと知り合ってさえないんだった。
「ズームさん、何か出来ることはないでしょうか?」
ズームさんがいなくては、こちら側は拗れる頻度が高くなってしまう。
「とりあえず、今のところはカンザシを忍者妖精としてデビューさせ、マンション契約するだけなので大丈夫です」
全然大丈夫じゃない。マンション物凄く高いって聞いてるし、そのカンザシさんって人、自分の努力が全く見られない。
「カナエがお祓いをしてみます」
カナエさんの力は凄い。少しでもアザが薄くなればいいのだけど。
「あの、カナエさん。本当に落ち武者さんと仮交際するのですか? 好きでもない落ち武者さんとそういう関係になってほしくないです。カナエさんには幸せな恋愛をしてほしいです」
間違っている気がする。他者が口を挟むことではないけれど、カナエさんは私にとって姉同然の大切な存在だから。
「お互い様でしょう。セルファさんとてエルナの未練を誤魔化すために交渉に乗ったのだと思います。それにカナエは、あの兄弟に弄ばれ、二度と恋愛はしないと決めました」
え、恋愛じゃないのに慰め合うって、やっぱりカナエさんにそんなことしてほしくない。
「聞こえてんだけど? エルナとは別れてるけど?」
いや、今さっき未練どうのこうのの話をしていたのだけど。その時、カナエさんが落ち武者さんに口付けした。
「慰めになりましたか?」
まさか、気があるのだろうか、互いに。けれど、少し違う気がする。
「場所変えろ!」
落ち武者さんは気がある……。そして、落ち武者さんはカナエさんの手を掴んでここから第4居間からも出て行った。
半時間後、カナエさんと落ち武者さんは第4居間に戻って来た。カナエさんの服がさっきと変わっている。
「アンタ、少しも乱れるどころか華声一つ出さないんだな」
え、やっぱりカナエさん身体かけてたんだ。
「当たり前でしょう。カナエはセルファさんのこと好きでもなんでもないのですから」
早くに止めるべきだった。落ち武者さん最低すぎる。
「あの、そのことなんですけど、エルナさんによると落ち武者さん、めちゃくちゃ下手らしいんです」
どうしてナミネはこうまで空気が読めないのだろう。
「ねえ、カナエさん身体張ってまで落ち武者さんに償おうとしてるのに、そうやってふざけるの良くないと思う」
ナミネは、ナノハナ食堂のお弁当を食べはじめた。
「はいはい、すみませんでしたー!」
小さい頃は、天使のように可愛かったナミネがどうしてこうなってしまったのだろう。
「あ、カナエさんと落ち武者さんの分、温めておきました」
もうすぐ午後だ。話し合いは13時から。こちらの不安も募る。
「ありがとうございます、ヨルク。セルファさん、シロップかけますか?」
え、どうしてさっきまで敵同士みたいだったのが、いきなり恋人モードになっているのだろう。
「いや、このままでいい」
二人は横に座った。
「ねえ、ラルク。カナエさんと落ち武者さん恋人みたいだよね」
ああ、ナミネってどうして場の空気壊すようなことばかり言うのだろう。
「まあ、似たもの同士だしな」
全然似てないじゃないか。
「でも、アルフォンス王子かわいそうだよね。ユメさんと別れたばかりなのに」
えっ、あの二人別れたの? ナミネはどこでその情報を知ったのだろう。
「そうそ、こっち側のフェアリー日記に男尽くしカナエが向こうの同行全て書いてるから、定期的に確認しろ」
フェアリー日記? 私は登録していない。ナミネは登録していた感じだし、どうして私には何も言ってくれなかったのだろう。
「分かりました。今登録します」
ズームさんも今知ったばかりなのか。私も登録しよう。私はフェアリー日記をダウンロードした。
すると体育館のことだけでなく、セナ王女とミナクお兄様の二人きりの写真が文章とともにかなりある。この時、はじめて私はミナクお兄様がセナ王女に本気であることを知った。
「わあ、セナ王女とミナクさん、ラブラブだよね」
ナミネはまたご飯をポロポロ落としている。人は何世紀立っても変わらない。そういう生き物であることを痛感させられる。
「もうベタ惚れだな。けど、カラルリ先輩はセナ王女をどこまでも追うだろうな」
カラルリさんは昔から諦めが悪い。勉強は出来るけれど、運動はイマイチでカナエさんとは差が出ている。体育館でのことも全く武器を使わないままセナ王女に駆け寄ったあたり、いざと言う時に行動に移せないことの現れだと思うし、昔から本当に変わっていない。
「で、カナエはセナさんに死角の場所に監視カメラを取り付けるようお願いしたら良いのですね?」
王室の別荘にも死角になる場所はあるのか。
「うん、絶対抜かりないようにね? 後、顔だけヨルク。一目惚れカラルリは女遊びミナクだけ目の敵にしてるように見えるけど、本当に目の敵にしてるのアンタだから」
え、それどういうこと?
私はカラルリさんに何かした覚えはない。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あとがき。
少し遡ってみましたが、体育館でのことは二度目なんだけど、一度目はセレナールの回想だけでした。
やっぱり、もう少し走り書き通りに書くべきだった。
123話まではナミネ・ヨルク視点だったので、キャラの善悪が暗黙に浮かび上がってましたが、色んなキャラの視点で書くことによって、前より一人一人の思いが明らかになっている気がします。
でも、その代わり記憶ある側・ない側の視点を交互に書くと前後の歪みが出てしまうの欠点かもです。
それでも、話の流れを明確しにたいので少なくとも今は複数視点で書いていこうと思います。
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この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
また、程度によりますが模倣はご遠慮願います。
詳しくは《カテゴリ》→《説明事項》→《模倣のご遠慮願います》をご覧ください。
小説の無断転載もご遠慮くださいませ〜♪
《ヨルク》
朝早く第4居間の隣のキッチンへ行くとカナエさんが料理をしていた。
「あ。カナエさん手伝います」
私はエプロンを付けた。
「ヨルクは良い子ですね」
突然カナエさんに抱き締められた。よく見るとカナエさん、クマが出来ている。寝ていないのだろうか。
「カナエさん、寝てないんですか? 夜中からここにいたんですか?」
何かあったのだろうか。
「朝食を作ったら、皆さんにお話します」
いやな予感がする。カナエさんが眠れないほどのことって、簡単には解決出来ないくらい大事(おおごと)なことなのだろうか。
その時、ナミネが走って来た。
「カナエさん、全ては分かりませんが落ち武者さんから聞きました! 2019年と同じことが起きるだなんて……」
ナミネの話だけでは分からない。最初から聞かないと。
「はい、それだけではありません。お兄様はもっと前から悩んでいました。転生ローンの催促で。体育館のことは、その矢先のことでした」
体育館……? というか、転生ローンって、コマーシャルとかでやっている、転生しても返済仕切るまで催促が来るローンのことだよね。カラルリさんが転生ローンというのは何だかしっくり来ない。お金の管理はしっかりしていたほうだと思う。
フレンチトーストが焼けた。私はホットミルクを人数分入れて、カナエさんと第4居間に運んだ。
あれ、みんな揃ってる。
「朝飯とかどうでもいい。一から説明しろ! どの道、甘えセナと一目惚れカラルリには痛い目に遭ってもらうけどね?」
セレナールさん絡みだろうか。落ち武者さんも寝てなさそうだし、相当苛立っている。
「まず、お兄様の元に転生ローンの催促が封筒とメールで来はじめました。当然、お兄様は何も覚えていません。けれど、役場で事実だと知り、お兄様は酷く落ち込みました。そんな矢先、ミナクが別荘に来て、セナさんと恋仲になりました。フェアリー日記には、交際、白咲、白梅と書いてありますが、交際と白梅は恐らく嘘でしょう。セナさんとミナクは頻繁に会うようになり、お兄様の心の行き場がなくなった頃、あの体育館の事件が再び起きたのです。これが体育館での全てです」
カナエさんはノートパソコンをキーボードから外し、机に置いた。ミナクお兄様が最近突然機嫌が良くなったのはセナ王女と会っていたからなのか。もし、遊びでなく本気なら初恋だ。聞いている限り本気に思えたが実際どうなのだろう。
みんなはパソコンを真剣に眺めている。
映像は誰もいない体育館でセナ王女とセレナールさんが椅子に縛り付けられていた。二人とも寝ている。眠らされた状態で連れてこられたのだろうか。
少しするとセレナールさんが目覚め、セナ王女かセレナールさんのどちらかしか助からないことを告げられる。セレナールさんは必死に助けを求めた。
すると、セナ王女を見捨てたらセレナールさんは助かるようなことを言われ、セレナールさんはセナ王女を差し出してしまう。
カラルリさんが現れ、真っ先にセナ王女の元へ向かった。その瞬間にセレナールさんは大学生たちに押し倒され、抵抗するものの、床に押さえつけられ制服を脱がされてゆく。
カラルリさんに助けを求めるもののカラルリさんはセレナールさんのところへは行かない。
大学生がセレナールさんの下着に手をかけた時、ミナクお兄様がセナ王女に花札を投げた後、大学生を扇子で吹き飛ばし、セレナールさんにブレザーをかけた。
カラルリさんはセナ王女を抱き締めるものの、セナ王女はカラルリさんを振り解き、ミナクお兄様に抱き着いた。
少しして、アルフォンス王子たちが体育館へ来た。ハルミ先生もいる。
そして、色々揉めた後、大学生によって黒幕がセイさんであること知る結末となり、セレナールさんがセナ王女を引っぱたくところで映像は終わっている。
「甘えセナは本当っ卑怯だな。自分だけに結界かけて寝たフリして、王室の紙飛行機メモ飛ばして、明らか自分のみ助かろうとしてるじゃねえか。一目惚れカラルリは姉さん見捨てて甘えセナだけ助けようとして。姉さんの人生どうなってもいいのかよ! 今日の話し合い、僕も行く」
え、けれど、セレナールさんのほうが自分だけ助かろうとしてた気がするけれど。それに、ミナクお兄様はセナ王女を想うことで、やっと落ち着いてきたところだ。今、ミナクお兄様からセナ王女を奪ってしまえば逆戻りになってしまう。
「落ち武者さん。ミナクお兄様は、セナ王女によって幸せを手に入れようとしています。どうか、ミナクお兄様の幸せを壊さない程度に考慮してもらえないでしょうか」
先にラルクに言われてしまった。ラルクは私よりミナクお兄様のほうを兄として慕っているのだろうか。私は、いつまでラルクに嫌われたままなのだろう。
「はあ、兄弟愛ってヤツね? 確かに女遊びミナクに罪はないから、そこは僕も考慮はしたいけど、姉さんが、あそこまでみんなから仲間外れにされたら僕も辛いんだけど?」
落ち武者さんとセレナールさんは仲が良い。あれ、セレナールさんとセリルさんが兄妹ってことは、落ち武者さんってセリルさんの弟……? 全然似てない。
「落ち武者さん、私もミナクお兄様が幸せに向かっているのを壊されるのは困る」
映像だけでは何とも言えないが、少なくとも私には両想いに思えた。
「あんたら、何だかんだで兄想いなんだね?」
落ち武者さんだってそうじゃないか。
「セルファさん。僕も、復讐までしてしまうと事態は余計に悪化すると思います。ミナクさんはセナ王女を失った苦しみから、更に他人を傷つけるでしょうし、カラルリさんはセナ王女の想いを得られないことと転生ローンのことで酷く負いつまるでしょう」
復讐は誰も幸せになれない。それなのに、2024年現代で仇討ち権があることには遺憾である。
「ねえ、ラルク。歴史変わってなくない? セナ王女はカラルリさんと交際した後にミナクさんと交際してた。けど、今回は、カラルリさんすっ飛ばしてミナクさんと交際してる。それに、前とは違って二人とも深い愛情で結ばれてる気がする」
前はカラルリさんと交際していたのか。
「まあ、表面上はそうだけど、シャム軍医が現れれば確実に状況は変わるだろうな。正直、僕もセレナール先輩のみがあんな目に遭って復讐してやりたい気持ちはかなりある。でも、こんなヒートアップしている状況ではセレナール先輩の力にはなれないと思う。僕としては仲介を挟みたい。出来ればメナリさんで」
ラルクは思ったより冷静だ。セレナールさんのこととなれば取り乱すと思っていた。
「うん、私もそう思う。でも、話し合いでどうこうなるのかなあ。セレナールさん、セナ王女にブチ切れてるし、カラルリさんもミナクさんを相当恨んでる。実際のところ、ミナクさんとセナ王女ってどこまでいったのかな。セナ王女はカラルリさんに全く恋愛感情ないのかな。ついこないだまでは、カラルリさんと好き合ってたように見えたけど」
それを知ってどうするのだろう。そんなの本人にしか分からないじゃないか。
「聞いてみる」
えっ、聞くって、そんなことしたところで正直に答えるとは思えないが。
「で? 男尽くしカナエはどう思うわけ?」
何故ここでカナエさんに聞くのだろう。
「カナエは、前の二の舞にならないのなら、セナさんとミナクが交際するのが良いと思いました。けれど、現実はそうではありませんでした。セナさんのお心を手に入れられなかったお兄様はボロボロになっています。月城総合病院でもセナさんはミナクにくっつきぱなしで、お兄様はミナクを何度も殴ろうとし、誰にも心配されないとセレナールは泣き、セナさんにばかりを責め続け、メノリさん一人がセレナールを見てるからとカナエたちは帰されました。結局、順番や人が変わっているだけで、以前と同じです。お兄様を見ているとカナエは辛くてたまりません」
カラルリさんは昔から効率の悪い人で他者のせいにしすぎるところがあるから、今の状況だとミナクお兄様を目の敵にし続けるだろう。
「ナミネ、白咲だけらしい」
本当だろうか。ミナクお兄様の性格からして何もないなんてことはないだろうけど、何事も物事は憶測で決めてはいけない気がする。
「そんな感じだよね。ミナクさん、本命だけには躊躇うとこあるし」
そうだったっけ。天使村時代は真面目だったから分からない。そして、私はアヤネさんとカラルリさんによってミナクお兄様が変わってしまったことを後に知ることになるのである。
ミナクお兄様が再び元に戻りはじめていることは嬉しいが、王女に手を出して大丈夫なのだろうか。
「ふぅん。男尽くしカナエ、アンタも身内が良ければ周りはどうでもいいんだ? ムカつくんだけど? アンタ、一度姉さんと同じ状況になってみろ」
その瞬間、一瞬畳が光った。落ち武者さんは既に数式を書いていたのか。
「ねえ、落ち武者さんだってそうでしょ? どうしてカナエさんにばかり当たるの? カナエさんだって辛いんだよ?」
殆どの人間は、みんな自分のことばかりだ。私だってそうだけれど、どうしても人が集まれば不利な状況下に立たされる人間も暗黙に現れる。それはカナエさんのせいではない。
「カナエの力を奪ったのですね。セルファさんがそれで気持ちが落ち着くのなら、カナエはもう何も言いません」
カナエさんは、いつも堂々としている。その姿に、どれほど憧れたことか。
「どこまでもムカつくんだけど? 男尽くしカナエ。アンタが、あの時結界かけたから、姉さんの人生ダメになったんだろうがよ! あの時のことだけは、ずっと許せなかった。アンタ、反省どころか全部姉さんのせいにして来たし! どれだけ身勝手貫いたら気が済むんだよ! どれだけ人犠牲にしたら気が済むんだよ!」
落ち武者さんは泣きはじめた。その時のことを私は知らない。恐らく古代のことだろうけど、今のように、あちら側とは完全に関わりがなかったから。
「言い分はそれだけですか? あの武官たちはセレナールが雇った者たちです。自業自得とまでは言いませんが、それがきっかけでセナさんの人生まで奪われかけましたし、お兄様はセレナールを助けようとしたばかりにセナさんにフラれかけました。悪いのは本当にカナエだけでしょうか? カナエは、セルファさんのこじつけのように感じますが?」
言われてみれば、喧嘩は一人では出来ない。カナエさんのみが悪いというのは、しばしおかしいと思う。
その時、落ち武者さんはカナエさんを押し倒し無理矢理口付けをした後、カナエさんの服を脱がしはじめた。
「ちょっと、落ち武者さんやめて!」
その瞬間、ナミネが扇子でカナエさんから落ち武者さんを引き離した。
「アンタ、どっちの味方なのさ」
落ち武者さん、まだ泣いている。
「カナエは別に構いません。以前、いやってほどアルフォンス王子様に弄ばれていましたので、白梅の一つや二つ、もう気にしません」
カナエさんは、どこまでも強気だ。
「落ち武者さん、僕もナミネから聞いた時は耳を疑いました。カナエ先輩は咄嗟とはいえ、結界を使えるのに、セレナール先輩は使えません。もうその時点で100:0だと思っています。完全なイジメなんですよ。僕がお武家連盟会議にかけます。だから、今は耐えてもらえませんか?」
お武家連盟会議って、それもう仲間割れじゃない。
「分かった……」
ラルクは人を説得するのが昔から得意だ。落ち武者さんも何だかんだでラルクのことを気に入っている。
「セルファさん、そこまでカナエのことを恨んでいるのでしたら、ひと月仮交際しませんか? その間、セルファさんはカナエを好きにしてください。カナエはセルファさんの恨みを受け止めます。別に全てゼロにしてほしいと言っているわけではありません。どうですか?」
え、さっき落ち武者さんに押し倒されたばかりなのに。それに好きでもない人と仮交際も腑に落ちない。
「アンタ、思った以上にズル賢いな。自分のことさえままならない一目惚れカラルリとは反比例するかのように。
誰でもいいから慰められたいだけだろ。だったら温室カランに頼んでやろうか?」
そうか、カナエさんも平気なフリしてるだけで、メンタルは相当やられているのか。全然気づかなかった。
「交渉に応じないのなら、もうカナエからは何も提案しません」
カナエさんが立ち上がると同時に、また一瞬光った。ズームさんがカナエさんの力を元に戻したのだろうか。
チームワーク取れる人間は問題を抱えていても周りのことも考えられるのに対して、自分のことしか考えられない人間はチームワークを取るには困難とも言えるだろう。
「交渉には応じる。その代わり、僕は慰めどころかアンタ痛め付けることしかしないけどね?」
その時、ナミネが覚めたフレンチトーストを食べはじめた。お腹空かせていたのか。
「では、交渉成立ということで。朝ご飯、温め直してきます」
なんだろう。一見仲悪そうに見えて少し恋愛に見えてくるのは私の妄想だろうか。
「カナエさん、私も手伝います」
私は立ち上がった。
「僕も手伝います」
何もしない人は何もしない。あちら側もチームワーク乱れているけれど、こちらも乱れている気がする。けれど、それぞれの役目というものもあるか。
「あ、すみません、ズームさん」
この人優しい。世の中は理不尽だ。友人は選べるのに親も兄弟も選べない。いや、それは違うか。ズームさんは恵まれているけれど、カンザシさんという人に縛られ続けている。チラッとナミネから聞いた話だから皆までは知らないけれど。私だったら耐え切れるかどうか。
「ねえ、ラルク。今のセレナールさん、ミナクさんに傾いてるよね」
はあ、どうして敢えて本人に言うのだろう。ナミネは本当に空気が読めない。
「だろうな。けど、恋にはならないと思うし、なってもミナクお兄様とセナ王女は離れないだろう」
何故、兄がこんなにもモテるのだろう。それもセナ王女もセレナールさんもかなりの美人だし。
「ラルク、今回は本当にセレナールさんのこと好きなんだよね?」
どういうことだろう。
「ナミネ、それ何回聞くんだよ。僕はセレナール先輩しか考えてないから」
前は何かあったのだろうか。ナミネの説明が大雑把過ぎて、ここぞということに関しては状況が掴めない。
「少しずつ過去も変わっています。あれだけヨルクに気があると言っていたセレナールでしたが、それも薄らいでいます。ヨルクと一緒になれなかったから死んだのも、ラルクを庇って命を落としたことになっています。何かの陰謀の部分が消えていってるようにカナエは感じます」
セレナールさんが私のことを……? 陰謀……。だとしたら、ナミネの衰弱もそうでなくなるだろうか。
「確かにそうですね。僕の勾玉のアザが濃くなっているのも何か理由があるのでしょう」
え、濃くって……。だとしたら、もう一度ラルクに。ダメだ。まだセレナールさんと知り合ってさえないんだった。
「ズームさん、何か出来ることはないでしょうか?」
ズームさんがいなくては、こちら側は拗れる頻度が高くなってしまう。
「とりあえず、今のところはカンザシを忍者妖精としてデビューさせ、マンション契約するだけなので大丈夫です」
全然大丈夫じゃない。マンション物凄く高いって聞いてるし、そのカンザシさんって人、自分の努力が全く見られない。
「カナエがお祓いをしてみます」
カナエさんの力は凄い。少しでもアザが薄くなればいいのだけど。
「あの、カナエさん。本当に落ち武者さんと仮交際するのですか? 好きでもない落ち武者さんとそういう関係になってほしくないです。カナエさんには幸せな恋愛をしてほしいです」
間違っている気がする。他者が口を挟むことではないけれど、カナエさんは私にとって姉同然の大切な存在だから。
「お互い様でしょう。セルファさんとてエルナの未練を誤魔化すために交渉に乗ったのだと思います。それにカナエは、あの兄弟に弄ばれ、二度と恋愛はしないと決めました」
え、恋愛じゃないのに慰め合うって、やっぱりカナエさんにそんなことしてほしくない。
「聞こえてんだけど? エルナとは別れてるけど?」
いや、今さっき未練どうのこうのの話をしていたのだけど。その時、カナエさんが落ち武者さんに口付けした。
「慰めになりましたか?」
まさか、気があるのだろうか、互いに。けれど、少し違う気がする。
「場所変えろ!」
落ち武者さんは気がある……。そして、落ち武者さんはカナエさんの手を掴んでここから第4居間からも出て行った。
半時間後、カナエさんと落ち武者さんは第4居間に戻って来た。カナエさんの服がさっきと変わっている。
「アンタ、少しも乱れるどころか華声一つ出さないんだな」
え、やっぱりカナエさん身体かけてたんだ。
「当たり前でしょう。カナエはセルファさんのこと好きでもなんでもないのですから」
早くに止めるべきだった。落ち武者さん最低すぎる。
「あの、そのことなんですけど、エルナさんによると落ち武者さん、めちゃくちゃ下手らしいんです」
どうしてナミネはこうまで空気が読めないのだろう。
「ねえ、カナエさん身体張ってまで落ち武者さんに償おうとしてるのに、そうやってふざけるの良くないと思う」
ナミネは、ナノハナ食堂のお弁当を食べはじめた。
「はいはい、すみませんでしたー!」
小さい頃は、天使のように可愛かったナミネがどうしてこうなってしまったのだろう。
「あ、カナエさんと落ち武者さんの分、温めておきました」
もうすぐ午後だ。話し合いは13時から。こちらの不安も募る。
「ありがとうございます、ヨルク。セルファさん、シロップかけますか?」
え、どうしてさっきまで敵同士みたいだったのが、いきなり恋人モードになっているのだろう。
「いや、このままでいい」
二人は横に座った。
「ねえ、ラルク。カナエさんと落ち武者さん恋人みたいだよね」
ああ、ナミネってどうして場の空気壊すようなことばかり言うのだろう。
「まあ、似たもの同士だしな」
全然似てないじゃないか。
「でも、アルフォンス王子かわいそうだよね。ユメさんと別れたばかりなのに」
えっ、あの二人別れたの? ナミネはどこでその情報を知ったのだろう。
「そうそ、こっち側のフェアリー日記に男尽くしカナエが向こうの同行全て書いてるから、定期的に確認しろ」
フェアリー日記? 私は登録していない。ナミネは登録していた感じだし、どうして私には何も言ってくれなかったのだろう。
「分かりました。今登録します」
ズームさんも今知ったばかりなのか。私も登録しよう。私はフェアリー日記をダウンロードした。
すると体育館のことだけでなく、セナ王女とミナクお兄様の二人きりの写真が文章とともにかなりある。この時、はじめて私はミナクお兄様がセナ王女に本気であることを知った。
「わあ、セナ王女とミナクさん、ラブラブだよね」
ナミネはまたご飯をポロポロ落としている。人は何世紀立っても変わらない。そういう生き物であることを痛感させられる。
「もうベタ惚れだな。けど、カラルリ先輩はセナ王女をどこまでも追うだろうな」
カラルリさんは昔から諦めが悪い。勉強は出来るけれど、運動はイマイチでカナエさんとは差が出ている。体育館でのことも全く武器を使わないままセナ王女に駆け寄ったあたり、いざと言う時に行動に移せないことの現れだと思うし、昔から本当に変わっていない。
「で、カナエはセナさんに死角の場所に監視カメラを取り付けるようお願いしたら良いのですね?」
王室の別荘にも死角になる場所はあるのか。
「うん、絶対抜かりないようにね? 後、顔だけヨルク。一目惚れカラルリは女遊びミナクだけ目の敵にしてるように見えるけど、本当に目の敵にしてるのアンタだから」
え、それどういうこと?
私はカラルリさんに何かした覚えはない。
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あとがき。
少し遡ってみましたが、体育館でのことは二度目なんだけど、一度目はセレナールの回想だけでした。
やっぱり、もう少し走り書き通りに書くべきだった。
123話まではナミネ・ヨルク視点だったので、キャラの善悪が暗黙に浮かび上がってましたが、色んなキャラの視点で書くことによって、前より一人一人の思いが明らかになっている気がします。
でも、その代わり記憶ある側・ない側の視点を交互に書くと前後の歪みが出てしまうの欠点かもです。
それでも、話の流れを明確しにたいので少なくとも今は複数視点で書いていこうと思います。
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この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
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