日常のこととかオリジナル小説のこととか。
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ashita
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地主(土地貸してます)
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漫画やアニメを見るのが好きです。最推しはフーディーニ ♡
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ブログ、もう書かないと思ってました。
けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。
ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。
小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。
よろしくお願い致します。
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お知らせ。
イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。
また、「カラクリよろずや」にて無料のフリーイラスト素材配布もはじめました✩.*˚
フリーイラスト素材も増やしていく予定です(*'ᴗ'*)
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模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。
ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。
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X @kigenzen1874
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けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
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が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。
ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。
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〈資格履歴〉
2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格
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〈資格証明バナー〉

2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
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→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
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→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
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2025年05月19日
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2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
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2025年08月04日
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〈資格証明バナー〉

純愛偏差値 未来編 一人称版 125話
《ラルク》
時は2024年4月。やっと僕は中学生に進学したのだ。しかし、ナミネから昨日が2020年の6月だと、その他色々聞かされ最初は頭がついていかなかった。けれど、聞いているうちに何となく理解は出来た気はする。ただ、昨日と今日が前世と今世なのかは誰にも分からない。
それにしても、ナミネがヨルクお兄様と交際というのは驚いた。ナミネは恋愛はしないと思っていた。
僕は、その昨日とやらを覚えていないけど、いずれ思い出すかもしれない。セレナール先輩と交際していた。それを聞けただけでも自信が持てた気がする。
昼間、セレナール先輩を見て、どれだけ話したかったことか。
僕は、遠い昔(前世)にセレナール先輩と交際し、そしてセレナール先輩を亡くしている。
あれは、僕がいつかの高校生の頃だった。
新米教師のセレナール先輩ことセレナール先生を見た瞬間、僕はセレナール先生に一目惚れをした。確か、ショウゴ先生も高校1年生の頃、新米教師であるハルミ先生に一目惚れをし、交際に発展していたはず。前にハル院長が話してくれた。
僕には瓜二つの顔を持つ人物はいないから、ショウゴ先生のような悩みは持たないだろうけど。
僕は、クレナイ家の跡取りを避けるため、わざと、弱いフリ、勉強が出来ないフリをして来た。だから、成績学年トップは常にナミネだった。
話は戻るが、セレナール先生に一目惚れをした時、絶対に交際したいと思った。無理だと知りながらも。それでも僕は毎日のように解ける問題を知らないフリしてセレナール先生に聞きに行った。そのうちに、セレナール先生は自身の過去を話してくれるようになったのである。
皇太子様と婚約までして、あることで拗れ、カラルリ先輩に気持ちが傾き、気づいた時には皇太子様はエミリさんと両想いになっていたこと。セナ王女と仲が良くなかったこと。セイさんに異常なまでの性的感情を持たれていたこと。何もかも上手くいかず周りを妬み始めたこと。カナエ先輩を陥れようとしてセレナール先生が逆に被害に遭ったこと。
数え切れないくらいの壮絶な人生を教えてくれた。
僕と交際してからは、古いアパートで同棲をして幸せな暮らしをしていた。本当に言葉に出来ないくらい幸せだった。
けれど、幸せというのは儚いもので、あるデートの日、セレナール先生は僕を庇って命を落とした。ナミネによると、ハルミ先生もショウゴ先生を庇って一度命を失っているらしい。
あの頃の僕は弱かった。だから、二度とセレナール先輩を失うまいと最強を目指した。小さい頃に、伝説最上級武官の体験もクリアしている。ナミネの話では、昨日までの僕らは本当の伝説最上級武官資格を所持していたらしいが。
早く、早く、セレナール先輩と関わりたい。1日たりとも忘れたことのない存在。
「ねえ、ラルク。向こうの予定があまりに多すぎて、こっちが辿れるか分かんないよね。伝説武官試験もまた受け直さないといけないし」
伝説武官は何とかなるだろう。しかし、セレナール先輩の動向は常に知っておきたい。好きで好きでたまらない。また、あの時みたいに愛し合いたい。
「向こうは向こうで適当にやってるだろ。こっちはこっちで動く。まずは、ラハルに会いに行く」
なるほど、落ち武者さんはラハルさんをこちら側につけるつもりか。
「いや、でも虹色街に行けばカンザシさんに会うかもしれないじゃないですか」
確かに会うだろうな、ほぼ確実に。けれど、遅かれ早かれ会うことにはなるだろう。それは避けられない運命だと思う。
「ニンジャ妖精の出張の時に行けば良いだろ」
流石、落ち武者さん。セリルさんに似て頭の回転が早い。
「ああ、そうか。でも、博物館はどうするんですか?」
博物館。今は改装されてレストランが建っていて、別の場所に移転されている。2020年は廃墟だったらしいが。
けれど、セレナール先輩が襲われた因縁のある場所だ。
それにセレナール先輩は、ニンジャ妖精のマモルさんに……。
「博物館が先」
だな。今のメンバーだけでも、やってはいける。
「分かりました。あー、ヨルクさんとカナエさんいないから、またナノハナ食堂だ」
僕は覚えていないけど、僕が想像するより遥かに賑わっていたのだろう。けれど、運命は簡単には変えられない。ならば、また同じ状況になる可能性は高い。
それに今回は、ナミネがヨルクお兄様を好きだったことを覚えているから、ナミネは病まずに済むだろう。
「ナミネさん、僕が作りましょうか?」
ズームさんアタック来た。今はヨルクお兄様とは、ほぼ他人状態だからズームさんにも可能性が……ちょっと厳しいか。今のナミネはヨルクお兄様しか見ていない。
「あ、いえ、大丈夫です。ズームさんは帰らなくて大丈夫なのですか?」
ズームさんは、今後どうするのだろう。
「昨日の今日なので、やっぱりナノハナ家が定着しています」
ダメだ。僕には着いていけない次元だ。この中で、僕だけが昨日とやらを知らない。
「あ、そうですよね。私たち、ずっと一緒にいましたもんね。タイムスリップみたいになっちゃいましたが、ミネルナさんが元に戻って良かったです」
元に戻ったのだろうか。セレナール先輩だって一度マモルさんから黒鈴酷華を受けている。時を変えたとしても、100%なくなるなんてことはない。ミネルナさんは、完全な純白とは言えないと僕は思う。それに、ナミネの話を聞いているとミネルナさんは、ロォハさんに後ろめたかったようにも感じる。それだけでなく、妖精村の象徴はセレナール先輩なはずなのに、いきなりミネルナさんどうこうになって、イマイチ話がよく分からない。
「じゃ、風呂行く」
もうそんな時間だっけ? 時計を見るとまだ17時。夕ご飯前だ。その時、フェアホが鳴った。落ち武者さんのフェアホも。
『ナミネはもう小学生ではない。歳頃の女子(おなご)だ。混浴など以ての外。ナミネとは今までより距離を置いてほしい』
ヨルクお兄様は本当に頭がナミネのことばかりだな。堂々と告白してしまえば良いのに。今の状態が続くとナミネもヨルクお兄様から他の男に行きかねない。
「顔だけヨルクも素直じゃないねー? そんなに強気なナミネに惚れてるならナノハナ家来れば良いのに」
本当にそうだ。けれど、ヨルクお兄様は今も縁談書を持って来ているはずなのに、その辺はどうなっているのだろう。ヨルクお兄様との縁談はナミネにとっても悪くない話だと思うが。
「ヨルクお兄様はプライドが高いですから。お風呂なら今まで通りで良いと思います。その2020年とやらので。僕たちまだ中学生ですし」
おっと、ズームさんは高校生だった。
「では、僕もご一緒させてもらいます」
そのみんなの言う昨日というのは、同じ空間にいることが当たり前だったんだな。紀元前村では、テントで皆が過ごしていたそうだし。今の僕では想像がつかない。それでも、いずれみんなの昨日が僕も当たり前になるのだろうか。
「アンタさ、水着は着ろよ」
ナミネはやっぱりナミネだ。学校でいくら女の子らしくしていてもプライベートはズボラ。そこは僕の知っているナミネと全く変わっていない。
「何か、昨日のがないんですよね。私、タオルでいいです」
ナミネはまだ中学生だし、問題ないか。ヨルクお兄様が知ったら大目玉だけど。そして、ナミネはお風呂へ走って行った。
「顔だけヨルクは良いよなあ。僕だって一度くらい強気なナミネと付き合いたかった」
えっと、落ち武者さんはナミネのことが好きなのか。ああ、頭がこんがらがってくる。
「交際してましたよ。僕の知ってるのは、そう遠くない前世の一度きりですが」
え、ナミネが落ち武者さんと!? ズームさんとラハルさんのことは聞いたけれど、やっぱりナミネもエリートばかり選ぶの全然変わらないな。って、カンザシさんの時は逆に貢いでいたか。
「は? 僕とあの強気なナミネが付き合ってたのか? もっと早く言えよ! てか、どうなったんだよ!」
僕もそこは気になるけど、嫌な気がする。その番の勾玉のアザ、2024年現在はズームさんの背中にバッチリついている。つまり、昨日と今日は全く別の世界と仮定しても過言でないほどだ。
「セルファさんから交際を申し込みナミネさんはどうしてか聞くとセルファさんは『綺麗だから』と答えた後、ナミネさんはセルファさんと交際しました。関係は上手くいっていた方だと思います。けれど、カンザシがお二人を気に入らず妬み、僕を脅して、結果お二人は氷河期の時代に飛ばされました」
ラハルさんやズームさんとの交際も、そうやってカンザシさんが壊したわけか。けれど、セレナール先輩が天使村時代にヨルクお兄様暗殺計画に加わっていたことは未だに信じがたい。しかし、それでナミネは衰弱してヨルクお兄様を好きにならないようにお願いしたわけか。でも、21世紀分離れていたとはいえ、結局またヨルクお兄様のことチャッカリ好きになってるじゃないか。
「はあ、あの男本当にどうしようもねえな。で? 僕と強気なナミネは空咲したわけ?」
とてもじゃないけど、セリルさんの弟だとは思えない発言。実際どうなのだろう。
「恐らくしているのではないでしょうか。あなたの性格からして」
ズームさんはそう答えるか。
「何だよそれ。って、おい、アンタ、タオル取れてんだろ」
ナミネはお風呂で泳ぐことが多い。落ち武者さんはナミネにタオルを巻いた。そして、またフェアホが鳴った。
『ねえ、ナミネとは距離置いてって言ってるでしょ! ナミネは女の子なんだよ? それにラルクにとっても良くないと思う』
はあ、だったらどうしてナノハナ家に来ない。返すの面倒だけど返すしかないか。
『でしたら、ヨルクお兄様がナミネとお風呂入れば良いでしょう。僕たちはそういう仲なんです』
しまった。ナミネたちに聞いた通りの解釈で返信してしまった。
『そういう仲って何? ナミネ、白咲さえまだなんだよ? ラルク、他に好きな人いるんじゃないの? ナミネのこと弄ばないで!』
昨日の今日で、昨日まではヨルクお兄様の彼女だったわけだから白咲も何もないだろう。それに、僕に好きな人がいるというのは適当な発言だろうか。
「ラルク、アンタ無視しとけ。エンドレスになるぞ」
だな。今日が水曜日だから、後2日で博物館行きだし、こっちにも色々予定は入って来るだろうから、ヨルクお兄様のつまらないことに付き合ってはいられない。
「私、ヨルクさんと早く元に戻りたいです」
ナミネ、いつそんなにヨルクお兄様のこと好きになったんだ。
「何で、顔だけヨルクなのさ? アンタのこと忘れてる人間より僕にしとけよ! 一度交際した仲なんだし」
ナミネってどうしてかモテるんだよなあ。それも、高校生に上がってからは特に。
「そっか、あの夢、正夢だったんだ」
正夢? ナミネは既に落ち武者さんとの過去を知っていたのか?
「アンタさ、その夢見た時点で教えろよ!」
落ち武者さんは、幼なじみのエルナさんとはどうなんだろう。ナミネ一筋なのだろうか。
「ただの夢だと思ってました」
ナミネらしいな。
「どんな夢なのさ?」
落ち武者さんもよく分からない人だな。
「落ち武者さんが成長した私に告白して私のこと綺麗だと言いました。私は迷わず交際を選びました。落ち武者さんは、どうしてズームさんと別れたのかと聞いて私が無理矢理別れさせられたと答えたら、落ち武者さんはカンザシさんのコンサート行きを言い出したんです。そして、私たちはカンザシさんに負け、どこか寒いところに飛ばされて死にました」
切ないな。ヨルクお兄様への想いを忘れていた時代のナミネはナミネなりに苦労してきたのか。
「ふーん、そのまんまだね?」
本当にセリルさんの弟なのだろうか。けれど、セレナール先輩もセリルさんの妹だし、兄弟ってそういうものなのかもしれない。僕も兄や姉には全く似てないし。ナノハナ家も似たようなもんだ。
『ねえ、ラルク聞いてるの?』
しつこいな。とっとと告白して元の関係とやらに戻れば良いだろう。僕はヨルクお兄様からのレインをミュートにした。
「ねえ、ラルク。委員長がヤクミ君ってことは『神山くらふ』は元の委員長はいるのかな。このままだと、またゼロからの繰り返しだよ。セナ王女だって、せっかくシャム軍医と交際したばかりなのに」
えっと、カナエ先輩は疑心暗鬼にアルフォンス王子とヨリを戻したけど、セナ王女はカラルリ先輩に見切りをつけシャム軍医と交際したんだっけ。
「まあ、僕はその昨日とやらを知らないから何とも言えないけど、『神山くらふ』もシャム軍医もいると思う。でも、現段階ではセナ王女とカラルリ先輩は仲良さそうに見えるけどな」
まるで両想いかのような。あれは確実に惹かれ合っている。けれど、2019年のようにセナ王女が妊娠してルリコさんが中絶薬を盛って流産したのなら、そうならないようにする必要があるかもしれない。セレナール先輩に盛られたトケイ草も。
みんな知らないはずなのに、2019年と2020年にナミネとラハルさんが演じた飛べない翼と忘れられた翼は、古い作品として存在しているとか。いったい、この世界はどうなってるんだ。
「出逢うべき人とは出逢うものだと僕は思います。今は、この世界ではまだ会っていませんが、いずれまた昨日のようになれると信じたいです」
そうだよな。知らない人同士がそこまで絆が深まっていたのなら、またそうなるべきだ。今度は誰も傷つかないように。
お風呂上がり、ナノハナ食堂のご飯を食べた後は、第4居間でテレビを見て、ナミネの部屋で寝ることになった。
「やっぱり、何だか慣れないな。当たり前が当たり前じゃないって」
すぐには慣れないだろう。たった1日で変わった環境に対応出来るまでに時間がかかるのが人間というものだ。
「例え僕みたいに昨日を何も覚えていない僕や、あちら側のメンバーも、どこかでぎこちなさ感じてるんじゃないか?」
それにしても、ナミネの言うように、せっかくシャム軍医と一緒になれたのに、またカラルリ先輩に逆戻りとは運命も残酷だな。
「そうかもしれないけど。浴衣着て祭り行ってたのに。月城総合病院でキクスケさんにいきなり2024年に飛ばされて、また中学1年生に戻ってて、ついていけないよ」
しばらくは、ナミネは悩み続けるだろう。ヨルクお兄様との関係もそうだけど、周りの関係の変化にショックを受けている可能性もある。
「僕もついていけないけど?」
落ち武者さんは絶対に対応している。落ち武者さんの場合は、こういうケースを何度も経験してきた気がする。
「うーん……。ねえ、ラルクはセレナールさんのこと好きなの?」
今更どうしてそんなこと聞くのだろう。
「好きに決まってるじゃないか。好きすぎてどうにかなりそうなくらいだ」
早くセレナール先輩の心を得たい。セレナール先輩から愛されたい。こんなにどうしようもないくらい人を好きになったのはセレナール先輩がはじめてだ。
「アンタも気を付けろよ? 姉さんと別れた頃には他の女に惚れてたんだからね?」
えっ、僕がセレナール先輩以外の人を好きに? とてもじゃないけど信じられない。僕はセレナール先輩から離れるつもりはないし、気持ちが消えるはずもない。本当に2019年の僕はセレナール先輩を冷たくあしらっていたのだろうか。
「そんなはずありません。僕はセレナール先輩を手放したりはしません」
1日も早く交際したい。あちら側のグループに入りたい。
「ラルクさ、早い段階でセレナールさんのこと冷めてたんだよね。森の湖行く時なんかセレナールさんのこと助けようともしてなかったし、挙句には森の湖のセレナールさん好きになっちゃうし」
もう全然ついていけない。例え、それが事実だったとして、少なくとも2024年の僕はそうならない自信がある。最初は一目惚れだったけど、セレナール先生と関わるうちに守りたいと思うようになった。その想いは現世でも変わらない。
「ナミネ、考えすぎだ。僕はセレナール先輩を愛し切る」
今だって他の男に取られないか不安でたまらない。
「ラルクって、すぐ周り見えなくなるよね。今はそうでも時は人を変えると思うし、別れ際の恋人って残酷だよ」
セナ王女とカラルリ先輩のことを言っているのだろうか? あれは、カラルリ先輩が良くない気がする。聞いた話だけだから実際分からないけど。
一通り話した後、僕らは眠りに着いた。
そして、使用人のところにヨルクお兄様が紛れ込んでいることに僕たちは全く気付いていなかったのである。
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あとがき。
恋は盲目……。
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この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
現在、小説に関する模倣(程度による)の一切を禁じております。
詳しくはこちらを参照→ 禁止事項
無断転載もご遠慮ください。
《ラルク》
時は2024年4月。やっと僕は中学生に進学したのだ。しかし、ナミネから昨日が2020年の6月だと、その他色々聞かされ最初は頭がついていかなかった。けれど、聞いているうちに何となく理解は出来た気はする。ただ、昨日と今日が前世と今世なのかは誰にも分からない。
それにしても、ナミネがヨルクお兄様と交際というのは驚いた。ナミネは恋愛はしないと思っていた。
僕は、その昨日とやらを覚えていないけど、いずれ思い出すかもしれない。セレナール先輩と交際していた。それを聞けただけでも自信が持てた気がする。
昼間、セレナール先輩を見て、どれだけ話したかったことか。
僕は、遠い昔(前世)にセレナール先輩と交際し、そしてセレナール先輩を亡くしている。
あれは、僕がいつかの高校生の頃だった。
新米教師のセレナール先輩ことセレナール先生を見た瞬間、僕はセレナール先生に一目惚れをした。確か、ショウゴ先生も高校1年生の頃、新米教師であるハルミ先生に一目惚れをし、交際に発展していたはず。前にハル院長が話してくれた。
僕には瓜二つの顔を持つ人物はいないから、ショウゴ先生のような悩みは持たないだろうけど。
僕は、クレナイ家の跡取りを避けるため、わざと、弱いフリ、勉強が出来ないフリをして来た。だから、成績学年トップは常にナミネだった。
話は戻るが、セレナール先生に一目惚れをした時、絶対に交際したいと思った。無理だと知りながらも。それでも僕は毎日のように解ける問題を知らないフリしてセレナール先生に聞きに行った。そのうちに、セレナール先生は自身の過去を話してくれるようになったのである。
皇太子様と婚約までして、あることで拗れ、カラルリ先輩に気持ちが傾き、気づいた時には皇太子様はエミリさんと両想いになっていたこと。セナ王女と仲が良くなかったこと。セイさんに異常なまでの性的感情を持たれていたこと。何もかも上手くいかず周りを妬み始めたこと。カナエ先輩を陥れようとしてセレナール先生が逆に被害に遭ったこと。
数え切れないくらいの壮絶な人生を教えてくれた。
僕と交際してからは、古いアパートで同棲をして幸せな暮らしをしていた。本当に言葉に出来ないくらい幸せだった。
けれど、幸せというのは儚いもので、あるデートの日、セレナール先生は僕を庇って命を落とした。ナミネによると、ハルミ先生もショウゴ先生を庇って一度命を失っているらしい。
あの頃の僕は弱かった。だから、二度とセレナール先輩を失うまいと最強を目指した。小さい頃に、伝説最上級武官の体験もクリアしている。ナミネの話では、昨日までの僕らは本当の伝説最上級武官資格を所持していたらしいが。
早く、早く、セレナール先輩と関わりたい。1日たりとも忘れたことのない存在。
「ねえ、ラルク。向こうの予定があまりに多すぎて、こっちが辿れるか分かんないよね。伝説武官試験もまた受け直さないといけないし」
伝説武官は何とかなるだろう。しかし、セレナール先輩の動向は常に知っておきたい。好きで好きでたまらない。また、あの時みたいに愛し合いたい。
「向こうは向こうで適当にやってるだろ。こっちはこっちで動く。まずは、ラハルに会いに行く」
なるほど、落ち武者さんはラハルさんをこちら側につけるつもりか。
「いや、でも虹色街に行けばカンザシさんに会うかもしれないじゃないですか」
確かに会うだろうな、ほぼ確実に。けれど、遅かれ早かれ会うことにはなるだろう。それは避けられない運命だと思う。
「ニンジャ妖精の出張の時に行けば良いだろ」
流石、落ち武者さん。セリルさんに似て頭の回転が早い。
「ああ、そうか。でも、博物館はどうするんですか?」
博物館。今は改装されてレストランが建っていて、別の場所に移転されている。2020年は廃墟だったらしいが。
けれど、セレナール先輩が襲われた因縁のある場所だ。
それにセレナール先輩は、ニンジャ妖精のマモルさんに……。
「博物館が先」
だな。今のメンバーだけでも、やってはいける。
「分かりました。あー、ヨルクさんとカナエさんいないから、またナノハナ食堂だ」
僕は覚えていないけど、僕が想像するより遥かに賑わっていたのだろう。けれど、運命は簡単には変えられない。ならば、また同じ状況になる可能性は高い。
それに今回は、ナミネがヨルクお兄様を好きだったことを覚えているから、ナミネは病まずに済むだろう。
「ナミネさん、僕が作りましょうか?」
ズームさんアタック来た。今はヨルクお兄様とは、ほぼ他人状態だからズームさんにも可能性が……ちょっと厳しいか。今のナミネはヨルクお兄様しか見ていない。
「あ、いえ、大丈夫です。ズームさんは帰らなくて大丈夫なのですか?」
ズームさんは、今後どうするのだろう。
「昨日の今日なので、やっぱりナノハナ家が定着しています」
ダメだ。僕には着いていけない次元だ。この中で、僕だけが昨日とやらを知らない。
「あ、そうですよね。私たち、ずっと一緒にいましたもんね。タイムスリップみたいになっちゃいましたが、ミネルナさんが元に戻って良かったです」
元に戻ったのだろうか。セレナール先輩だって一度マモルさんから黒鈴酷華を受けている。時を変えたとしても、100%なくなるなんてことはない。ミネルナさんは、完全な純白とは言えないと僕は思う。それに、ナミネの話を聞いているとミネルナさんは、ロォハさんに後ろめたかったようにも感じる。それだけでなく、妖精村の象徴はセレナール先輩なはずなのに、いきなりミネルナさんどうこうになって、イマイチ話がよく分からない。
「じゃ、風呂行く」
もうそんな時間だっけ? 時計を見るとまだ17時。夕ご飯前だ。その時、フェアホが鳴った。落ち武者さんのフェアホも。
『ナミネはもう小学生ではない。歳頃の女子(おなご)だ。混浴など以ての外。ナミネとは今までより距離を置いてほしい』
ヨルクお兄様は本当に頭がナミネのことばかりだな。堂々と告白してしまえば良いのに。今の状態が続くとナミネもヨルクお兄様から他の男に行きかねない。
「顔だけヨルクも素直じゃないねー? そんなに強気なナミネに惚れてるならナノハナ家来れば良いのに」
本当にそうだ。けれど、ヨルクお兄様は今も縁談書を持って来ているはずなのに、その辺はどうなっているのだろう。ヨルクお兄様との縁談はナミネにとっても悪くない話だと思うが。
「ヨルクお兄様はプライドが高いですから。お風呂なら今まで通りで良いと思います。その2020年とやらので。僕たちまだ中学生ですし」
おっと、ズームさんは高校生だった。
「では、僕もご一緒させてもらいます」
そのみんなの言う昨日というのは、同じ空間にいることが当たり前だったんだな。紀元前村では、テントで皆が過ごしていたそうだし。今の僕では想像がつかない。それでも、いずれみんなの昨日が僕も当たり前になるのだろうか。
「アンタさ、水着は着ろよ」
ナミネはやっぱりナミネだ。学校でいくら女の子らしくしていてもプライベートはズボラ。そこは僕の知っているナミネと全く変わっていない。
「何か、昨日のがないんですよね。私、タオルでいいです」
ナミネはまだ中学生だし、問題ないか。ヨルクお兄様が知ったら大目玉だけど。そして、ナミネはお風呂へ走って行った。
「顔だけヨルクは良いよなあ。僕だって一度くらい強気なナミネと付き合いたかった」
えっと、落ち武者さんはナミネのことが好きなのか。ああ、頭がこんがらがってくる。
「交際してましたよ。僕の知ってるのは、そう遠くない前世の一度きりですが」
え、ナミネが落ち武者さんと!? ズームさんとラハルさんのことは聞いたけれど、やっぱりナミネもエリートばかり選ぶの全然変わらないな。って、カンザシさんの時は逆に貢いでいたか。
「は? 僕とあの強気なナミネが付き合ってたのか? もっと早く言えよ! てか、どうなったんだよ!」
僕もそこは気になるけど、嫌な気がする。その番の勾玉のアザ、2024年現在はズームさんの背中にバッチリついている。つまり、昨日と今日は全く別の世界と仮定しても過言でないほどだ。
「セルファさんから交際を申し込みナミネさんはどうしてか聞くとセルファさんは『綺麗だから』と答えた後、ナミネさんはセルファさんと交際しました。関係は上手くいっていた方だと思います。けれど、カンザシがお二人を気に入らず妬み、僕を脅して、結果お二人は氷河期の時代に飛ばされました」
ラハルさんやズームさんとの交際も、そうやってカンザシさんが壊したわけか。けれど、セレナール先輩が天使村時代にヨルクお兄様暗殺計画に加わっていたことは未だに信じがたい。しかし、それでナミネは衰弱してヨルクお兄様を好きにならないようにお願いしたわけか。でも、21世紀分離れていたとはいえ、結局またヨルクお兄様のことチャッカリ好きになってるじゃないか。
「はあ、あの男本当にどうしようもねえな。で? 僕と強気なナミネは空咲したわけ?」
とてもじゃないけど、セリルさんの弟だとは思えない発言。実際どうなのだろう。
「恐らくしているのではないでしょうか。あなたの性格からして」
ズームさんはそう答えるか。
「何だよそれ。って、おい、アンタ、タオル取れてんだろ」
ナミネはお風呂で泳ぐことが多い。落ち武者さんはナミネにタオルを巻いた。そして、またフェアホが鳴った。
『ねえ、ナミネとは距離置いてって言ってるでしょ! ナミネは女の子なんだよ? それにラルクにとっても良くないと思う』
はあ、だったらどうしてナノハナ家に来ない。返すの面倒だけど返すしかないか。
『でしたら、ヨルクお兄様がナミネとお風呂入れば良いでしょう。僕たちはそういう仲なんです』
しまった。ナミネたちに聞いた通りの解釈で返信してしまった。
『そういう仲って何? ナミネ、白咲さえまだなんだよ? ラルク、他に好きな人いるんじゃないの? ナミネのこと弄ばないで!』
昨日の今日で、昨日まではヨルクお兄様の彼女だったわけだから白咲も何もないだろう。それに、僕に好きな人がいるというのは適当な発言だろうか。
「ラルク、アンタ無視しとけ。エンドレスになるぞ」
だな。今日が水曜日だから、後2日で博物館行きだし、こっちにも色々予定は入って来るだろうから、ヨルクお兄様のつまらないことに付き合ってはいられない。
「私、ヨルクさんと早く元に戻りたいです」
ナミネ、いつそんなにヨルクお兄様のこと好きになったんだ。
「何で、顔だけヨルクなのさ? アンタのこと忘れてる人間より僕にしとけよ! 一度交際した仲なんだし」
ナミネってどうしてかモテるんだよなあ。それも、高校生に上がってからは特に。
「そっか、あの夢、正夢だったんだ」
正夢? ナミネは既に落ち武者さんとの過去を知っていたのか?
「アンタさ、その夢見た時点で教えろよ!」
落ち武者さんは、幼なじみのエルナさんとはどうなんだろう。ナミネ一筋なのだろうか。
「ただの夢だと思ってました」
ナミネらしいな。
「どんな夢なのさ?」
落ち武者さんもよく分からない人だな。
「落ち武者さんが成長した私に告白して私のこと綺麗だと言いました。私は迷わず交際を選びました。落ち武者さんは、どうしてズームさんと別れたのかと聞いて私が無理矢理別れさせられたと答えたら、落ち武者さんはカンザシさんのコンサート行きを言い出したんです。そして、私たちはカンザシさんに負け、どこか寒いところに飛ばされて死にました」
切ないな。ヨルクお兄様への想いを忘れていた時代のナミネはナミネなりに苦労してきたのか。
「ふーん、そのまんまだね?」
本当にセリルさんの弟なのだろうか。けれど、セレナール先輩もセリルさんの妹だし、兄弟ってそういうものなのかもしれない。僕も兄や姉には全く似てないし。ナノハナ家も似たようなもんだ。
『ねえ、ラルク聞いてるの?』
しつこいな。とっとと告白して元の関係とやらに戻れば良いだろう。僕はヨルクお兄様からのレインをミュートにした。
「ねえ、ラルク。委員長がヤクミ君ってことは『神山くらふ』は元の委員長はいるのかな。このままだと、またゼロからの繰り返しだよ。セナ王女だって、せっかくシャム軍医と交際したばかりなのに」
えっと、カナエ先輩は疑心暗鬼にアルフォンス王子とヨリを戻したけど、セナ王女はカラルリ先輩に見切りをつけシャム軍医と交際したんだっけ。
「まあ、僕はその昨日とやらを知らないから何とも言えないけど、『神山くらふ』もシャム軍医もいると思う。でも、現段階ではセナ王女とカラルリ先輩は仲良さそうに見えるけどな」
まるで両想いかのような。あれは確実に惹かれ合っている。けれど、2019年のようにセナ王女が妊娠してルリコさんが中絶薬を盛って流産したのなら、そうならないようにする必要があるかもしれない。セレナール先輩に盛られたトケイ草も。
みんな知らないはずなのに、2019年と2020年にナミネとラハルさんが演じた飛べない翼と忘れられた翼は、古い作品として存在しているとか。いったい、この世界はどうなってるんだ。
「出逢うべき人とは出逢うものだと僕は思います。今は、この世界ではまだ会っていませんが、いずれまた昨日のようになれると信じたいです」
そうだよな。知らない人同士がそこまで絆が深まっていたのなら、またそうなるべきだ。今度は誰も傷つかないように。
お風呂上がり、ナノハナ食堂のご飯を食べた後は、第4居間でテレビを見て、ナミネの部屋で寝ることになった。
「やっぱり、何だか慣れないな。当たり前が当たり前じゃないって」
すぐには慣れないだろう。たった1日で変わった環境に対応出来るまでに時間がかかるのが人間というものだ。
「例え僕みたいに昨日を何も覚えていない僕や、あちら側のメンバーも、どこかでぎこちなさ感じてるんじゃないか?」
それにしても、ナミネの言うように、せっかくシャム軍医と一緒になれたのに、またカラルリ先輩に逆戻りとは運命も残酷だな。
「そうかもしれないけど。浴衣着て祭り行ってたのに。月城総合病院でキクスケさんにいきなり2024年に飛ばされて、また中学1年生に戻ってて、ついていけないよ」
しばらくは、ナミネは悩み続けるだろう。ヨルクお兄様との関係もそうだけど、周りの関係の変化にショックを受けている可能性もある。
「僕もついていけないけど?」
落ち武者さんは絶対に対応している。落ち武者さんの場合は、こういうケースを何度も経験してきた気がする。
「うーん……。ねえ、ラルクはセレナールさんのこと好きなの?」
今更どうしてそんなこと聞くのだろう。
「好きに決まってるじゃないか。好きすぎてどうにかなりそうなくらいだ」
早くセレナール先輩の心を得たい。セレナール先輩から愛されたい。こんなにどうしようもないくらい人を好きになったのはセレナール先輩がはじめてだ。
「アンタも気を付けろよ? 姉さんと別れた頃には他の女に惚れてたんだからね?」
えっ、僕がセレナール先輩以外の人を好きに? とてもじゃないけど信じられない。僕はセレナール先輩から離れるつもりはないし、気持ちが消えるはずもない。本当に2019年の僕はセレナール先輩を冷たくあしらっていたのだろうか。
「そんなはずありません。僕はセレナール先輩を手放したりはしません」
1日も早く交際したい。あちら側のグループに入りたい。
「ラルクさ、早い段階でセレナールさんのこと冷めてたんだよね。森の湖行く時なんかセレナールさんのこと助けようともしてなかったし、挙句には森の湖のセレナールさん好きになっちゃうし」
もう全然ついていけない。例え、それが事実だったとして、少なくとも2024年の僕はそうならない自信がある。最初は一目惚れだったけど、セレナール先生と関わるうちに守りたいと思うようになった。その想いは現世でも変わらない。
「ナミネ、考えすぎだ。僕はセレナール先輩を愛し切る」
今だって他の男に取られないか不安でたまらない。
「ラルクって、すぐ周り見えなくなるよね。今はそうでも時は人を変えると思うし、別れ際の恋人って残酷だよ」
セナ王女とカラルリ先輩のことを言っているのだろうか? あれは、カラルリ先輩が良くない気がする。聞いた話だけだから実際分からないけど。
一通り話した後、僕らは眠りに着いた。
そして、使用人のところにヨルクお兄様が紛れ込んでいることに僕たちは全く気付いていなかったのである。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あとがき。
恋は盲目……。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
現在、小説に関する模倣(程度による)の一切を禁じております。
詳しくはこちらを参照→ 禁止事項
無断転載もご遠慮ください。
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来月は意次さんの誕生日⸜(◍´˘`◍)⸝
仁科中尉を少し遠ざけたのは意次さんが原因。いくら仁科中尉が悪くなくても仁科中尉の大好きな大好きな平山さんは意次さんが賄賂したと嘘ついた。意次さんを頻繁に侮辱した。
私、意次さんのこと悪く言われるのはちょっと(´•̥ω•̥`)
意次さんは賄賂してないよ?
市場の不正防止(朝鮮人参を高値で売るから薬買えない人いて誰もが薬草買えるように)の為、研究チームを集め成分調べさせたんだ。
平賀源内と言ったらお医者さんじゃないですか。研究者、開発者、蘭学者、役者など才ある方で意次さんのお気に入り(〃´꒳`〃)
その研究費用を意次さんが出してたんです。それを平山さんたちが『賄賂』と嘘ついた。
また、火付盗賊改方 長谷川平蔵をバックアップしたのが意次さんなんです。お上バックアップした人が賄賂だなんて矛盾してると思いますが(苦笑)
才ある人を高く評価する。それは賄賂なんかではありません。
好きな歴史人物の好きな歴史人物は良い人とは限らない。意次さんへの侮辱は私も酷く傷つきましたし。仁科中尉への応援は少し考えたいです。仁科中尉は無実なのにごめんなさい(。>_<。)
私は真実を少しでも多くの人に知ってもらいたいんです!
ナミネのお祝いに集中してたから。意次さんのこと忘れないようにしないとな(♡´▽`♡)
お祝い準備を。
9月11日までに✩.*˚
仁科中尉を少し遠ざけたのは意次さんが原因。いくら仁科中尉が悪くなくても仁科中尉の大好きな大好きな平山さんは意次さんが賄賂したと嘘ついた。意次さんを頻繁に侮辱した。
私、意次さんのこと悪く言われるのはちょっと(´•̥ω•̥`)
意次さんは賄賂してないよ?
市場の不正防止(朝鮮人参を高値で売るから薬買えない人いて誰もが薬草買えるように)の為、研究チームを集め成分調べさせたんだ。
平賀源内と言ったらお医者さんじゃないですか。研究者、開発者、蘭学者、役者など才ある方で意次さんのお気に入り(〃´꒳`〃)
その研究費用を意次さんが出してたんです。それを平山さんたちが『賄賂』と嘘ついた。
また、火付盗賊改方 長谷川平蔵をバックアップしたのが意次さんなんです。お上バックアップした人が賄賂だなんて矛盾してると思いますが(苦笑)
才ある人を高く評価する。それは賄賂なんかではありません。
好きな歴史人物の好きな歴史人物は良い人とは限らない。意次さんへの侮辱は私も酷く傷つきましたし。仁科中尉への応援は少し考えたいです。仁科中尉は無実なのにごめんなさい(。>_<。)
私は真実を少しでも多くの人に知ってもらいたいんです!
ナミネのお祝いに集中してたから。意次さんのこと忘れないようにしないとな(♡´▽`♡)
お祝い準備を。
9月11日までに✩.*˚
純愛偏差値 未来編 一人称版 124話
《ナミネ》
いつもみんなでお昼ご飯を食べる広場。
そっか、制服、中等部は赤に変わったんだっけ。私の髪、腰まである。そして二つ括り。
今は2019年の4月だろうか。みんな私のこと覚えているのだろうか。私はカバンから携帯を取り出そうとしたが見当たらない。その変わり、見たことのない物が入っていた。パソコンでもテレビでもなくって大きさは携帯くらいだけど、これが何なのか私には分からない。
向こうを見ると、セナ王女、アルフォンス王子、カラルリさん、カナエさん、セレナールさん、ユメさんがいる。初期メンバーだ。加わりたいけど、この時期に私はいない。
やっぱり2019年の4月頃だ。
あ、ラルク!
「ラルク! とんでもないことになったよね」
ラルクなら覚えているはず。
「とんでもないこと? ナミネ、制服似合ってるな」
え……。ラルクが覚えていない?
私は一人ぼっちになった気持ちになっていた。
「やっぱりここにいた。覚えてるのは強気なナミネだけ?
一応言っとくけど、今2019年じゃないから」
どういうこと? もっと過去に戻ったということだろうか。
「あ、もう少し過去ですか?」
どこまで遡ったのだろう。そもそも、そこまで遡る必要あったのだろうか。
「ナミネ、何言ってんだよ。今は2024年だろ」
え……えええええ! 2024年!? 戻るどころか進んでいるじゃない!
「つまり、昨日の継続と言うより、微妙に時代違ってんだよね。だから、前回と同じ展開になるとは限らないからね?
それと、今の携帯はこれ。フェアリーフォンて言うんだ。操作は携帯と変わらないから」
こ、これが携帯!? フェアリーフォンて何? こんなの画面しかないじゃない。とりあえず中身見てみたけど、写真も個人日記もフェアリー日記も消えている。また、ゼロからか。
「そうですか……」
何だか気持ちがついていかない。ヨルクさんがいないってことは、私とヨルクさんが婚約していたこともなかったことになってしまったんだ。私は切なさをギュッと堪えた。
「データは適当なタイミングで復元しとくから」
と言われてもデータだけ戻っても人の心が戻らないのでは、まるで、この世界には私と落ち武者さんしかいないみたいだ。
「分かりました……。あのね、ラルク……」
ラルクには分かって欲しくて、私は2019年からの一連の流れをラルクに話した。信じてもらえるだろうか。
「なるほどね。そういうことだったのか。だとしたら、今は向こう側には近付かない方がいいな」
良かった。ラルクは分かってくれた。けれど、昨日の次の日が4年後だなんて誰が予測出来ただろう。というか、どうして落ち武者さんここにいるの?
「あの、落ち武者さん、どうしてここにいるんですか? それに私、頭が混乱して、とても不安なんです。セナ王女がまたカラルリさんと交際すれば、私たち何のために氷河期村に言ったか分からないですし、今の時点では、みんな白梅の状態ですし。
やっぱり、ミドリお姉様とズルエヌさんは死んでいるのでしょうか?」
もう頭がグチャグチャだ。
昨日までいたメンバーが今では他人。ナルホお兄様もナヤセス殿もいないし、心が空っぽになったみたいだ。
「アンタが心配だから戻ってきた。
出会うべき人にはまた出会える。ミドリと得体の知れないズルエヌは生きてる。心配すんな。僕らここからはじめるんだ。後、顔だけヨルクのことは慎重にいけよ。いきなり婚約者でしたとか言ったら向こうも警戒するからね?」
ミドリお姉様とズルエヌさん生きてるんだ! てことは、さっき落ち武者さんが言ったように、昨日と今とでは時代が全く違うんだ。
「分かりました。ヨルクさんには何も言いません」
言いたいけど言えない。元の関係を思い出してもらいたいけど今は無理だ。
「ナミネ、今回も計画通りいくぞ」
そうだった。2019年の私はラルクのことが好きでラルクとセレナールさんが上手くいくように協力してたんだ。
「分かったよ、ラルク」
昨日の今日だから、流石にもうラルクに恋愛感情はない。私が好きなのはヨルクさんだ。けれど、髪はしばらく切れない。状況を合わせないと。
「とりあえず、僕らはしばらく向こうのメンバーの近くにいるからな」
安牌策というわけか。近くに入れば話し声も聞こえるし状況を知ることも出来る。
「カラルリ、今日キクリ家行っていい?」
早速聞こえて来た。この頃のセレナールさんはカラルリさんのこと好きだったね。もう昔のことのように思えてくる。
「良いけど、セナさんも来なよ!」
今回は両想いになるのだろうか。
「ごめんなさい、私はやめておくわ」
セナ王女にその気はなしと。って決め付けて良いのだろうか。カラルリさんのほうは、完全にセナ王女に惚れている。
「今度の休みは博物館ね!」
そういえば、委員長が『神山くらふ』でないのなら、ユメさんとアルフォンス王子は交際中!?
「じゃ、僕らも休みは博物館ってことで。姉さんのことは助けるなよ、ラルク」
助けてしまえば歴史か未来かが変わってしまう。うーん、ややこしい。
「はい、分かっています。あくまで状況確認のために行きます」
状況確認ね。ずっとセレナールさんのこと見てたいだけじゃん。私の時は少しも振り向いてくれなかったのに。気持ちさえ知ってもらえなかったのに。
その時、ヨルクさんがクラスメイトのココリさんと歩いて来た。マドンナさんじゃなかったことに、ほっとしている私って確信犯。私は耐えきれなくなりヨルクさんに駆け寄った。
「ヨルクさん、あの今日クレナイ家行ってもいいですか? また昔みたいに一緒にお風呂入りませんか?」
しまった……。私のこと覚えているかも分からないのに先走ってしまった。
「アンタ、さっき言ったこともう忘れてんのかよ」
やっぱりヨルクさんも昨日のこと覚えてないのかな。
「悪いが、混浴をするような関係ではないし、ナミネと一緒に過ごすつもりもない」
その瞬間、涙がポロポロ溢れてしまった。ヨルクさんも、私との想い出全て忘れてしまってるんだ。あれだけ愛し合った日々を、慈しみ合った日々を……。
「ふぅん、じゃあ僕がナノハナ家泊まって強気なナミネと混浴するけど?」
落ち武者さんは私が泣いているのを隠すように私を抱き締めた。やっぱり落ち武者さんの身体は冷たい。現世になるのだろうか。今回も小さい頃の風邪、間に合わなかったんだ。ってあれ? 昨日の今日が今だから、私たちは本当の意味では幼少期をきちんと過ごしていない。そもそも、突然飛ばされたのだから分かるはずもない。
「ねえ、落ち武者さんがどうしてナノハナ家泊まるの? 混浴って何? ナミネと付き合ってるの?」
この反応は、ヨルクさんこの世界でも私のこと好きでいてくれていると期待していいのだろうか。
「ノーコメント」
落ち武者さんらしい返し。
「ナミネは中等部に上がったばかりだ。泊まりはやめてほしい」
ヨルクさん……。今すぐ抱き締めたい。けれど、こっちのヨルクさんは昨日のヨルクさんではないかもしれない。
「アンタが強気なナミネの誘い断ったんだろうがよ! だったら、こっちは何してもアンタに関係ないと思うけど?」
落ち武者さんは相変わらずだ。現に、前はみんなでお風呂に入っていた。それも今となっては昔か。
「そういう関係ではないと言っただけだ。ナミネのことは妹のような存在だ。だから、どこの誰か分からない男に渡すわけにはいかない」
誰も落ち武者さんと交際するなんて言ってないのに。
「あの、私やっぱりラルクと落ち武者さんとナノハナ家で過ごします。それに今度の休みも三人で博物館に行きます」
楽しめるか分からないけど、ミネルナさんがあのような事態になった以上、私はこの世界でゼロから生きていかなければならない。
「ヨルク、知り合い? 早く食べないと休み時間終わるよ」
今はココリさんと仲良くしているのだろうか。
「ごめん、ココリ先に食べてて。
ラルクも小学生の頃とは違うんだからナミネと恋人みたいなことしないで」
何だか束縛彼氏に見えてくる。なのに、恋人でないことが胸を痛ませる。
「顔だけヨルクのことは放っておいて食べようぜ」
落ち武者さんは草むらに座ってお弁当を広げた。
その後もヨルクさんは私たちに色々と言葉を並べていた。ヨルクさん特有の屁理屈を。
2019年は、ラルクのこと好きだったからラルクを手伝うことは、かなり胸が傷んでいた。それでもラルクのためにと私なりに頑張った。けれど、ラルクとセレナールさんの距離が近くなるたび、私の心は壊れていった。
けれど、今は違う形で悩んでいる。ヨルクさんは、いつ私のことを思い出してくれるのだろう。
放課後、理科室の前を通るとセレナールさんの声が聞こえてきて私は立ち止まった。そして、理科室の扉を少し開けて中の様子を伺った。
セレナールさんとエミリさんが床に体育座りをしている。
「カラルリ……セナさんに揺れてる……」
揺れているというより完全に心を持っていかれているような。
「それでも私はカラルリが好きだし気持ちは伝えるつもり」
そういえば、エミリさんも最初はカラルリさんに片想いしていたっけ。皇太子様と交際していたイメージが強すぎてすっかり忘れていた。
「エミリは白黒ハッキリしてるわね。私はこんなに近くにいるのに通じ合えなくて辛い気持ちが先立ってどうしたらいいのか分からなくなってるわ」
セレナールさんは、周りに左右されがちだ。誰だってそうだけど、私はエミリさんみたいに割り切れないことほど、折り合い付けるべきだと思う。
「気持ち伝えないままだと止まったままだから。気持ちを置き去りにして前に進めないし、カラルリへのこの気持ちは偽れないから」
今思うとエミリさんはカラクリ家の長女としてしっかりしている。遠い昔は、二股かけて手遅れになってしまったけど。最後の最後には皇太子様と幸せになった。
「アンタさ、何で盗み聞きしてんのさ」
わっ、落ち武者さん! ラルクも!
「あ、いや……」
何となく気になってしまった。けれど、ラルクは扉にしがみついて中の様子をガッツリ見ている。
そんなにもセレナールさんのこと好きなんだ。
「そうよね。セナさんの存在は気になるけど、私もカラルリが好き。好きでどうしようもない。どうしてセナさんなのだろう。私とカラルリは幼稚園に入る前から、ずっと一緒にいたのに」
その気持ちは何となく分かる。私もラルクとは赤ちゃんの時からナノハナ家の部屋で寝かされていた。0歳の時からずっとラルク一筋だったのに、ラルクは前世で愛し合っていたセレナールさんのことを24時間考えていた。セレナールさんは、あの時の私のような気持ちなのかもしれない。
「セナ王女を気にしちゃダメ! カラルリを振り向かせるくらいの思いでいないと本当に取られるわよ!」
エミリさんは本当に気が強い。人の心を自分のものに出来るならどれだけ楽か。
「じゃ、ナノハナ家行く」
落ち武者さんが言うものの、ラルクは最後まで聞く勢いだ。
「ラルク、行くよ!」
声をかけても気付かない。そんなに好きなら今すぐ告白してしまえばいいのに。
「どうしたらいいのかしら。セナさんが転校してくるなら、もっと早くに告白していれば良かった」
人生というものは、気付いた頃には遅いということが多い。それに、ある程度の運命は決まっていて、それを変えるには相当の気力も体力も消耗するものだ。
「おい、ラルク行くぞ」
落ち武者さんはラルクのカバンを引っ張った。
「あ、はい」
やっと気付いたか。誰も何も言わなければ最後まで聞いていただろう。恋は盲目と言うが、本当に周りが見えなくなるものなのだな。
ナノハナ家に着いたら、どっと疲れた。
私が部屋に行こうとしたら、使用人に客が来ていると言われ、第4居間に向かった。
「あー、疲れた」
私はカバンを下ろし畳に寝転がった。
「アンタ、客来たって言ってんだろ?」
あ、そうだった。昨日の次の日がこれで頭も回らないし気持ちもついていけなくて、ただただ疲れている。
「ナミネさん、昨日ぶりですね」
え、ズームさん!? 昨日を覚えているの!?
私は、予測もしていなかった展開にただただ驚いていた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あとがき。
前回でリセットされてしまい、最初に戻ってしまったので、わりと書きやすかったです。
でもまさか2020年から2024年に飛ぶだなんて!
しかもガラケーからスマホに!?
ここからどう繋がってゆくのでしょう。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
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《ナミネ》
いつもみんなでお昼ご飯を食べる広場。
そっか、制服、中等部は赤に変わったんだっけ。私の髪、腰まである。そして二つ括り。
今は2019年の4月だろうか。みんな私のこと覚えているのだろうか。私はカバンから携帯を取り出そうとしたが見当たらない。その変わり、見たことのない物が入っていた。パソコンでもテレビでもなくって大きさは携帯くらいだけど、これが何なのか私には分からない。
向こうを見ると、セナ王女、アルフォンス王子、カラルリさん、カナエさん、セレナールさん、ユメさんがいる。初期メンバーだ。加わりたいけど、この時期に私はいない。
やっぱり2019年の4月頃だ。
あ、ラルク!
「ラルク! とんでもないことになったよね」
ラルクなら覚えているはず。
「とんでもないこと? ナミネ、制服似合ってるな」
え……。ラルクが覚えていない?
私は一人ぼっちになった気持ちになっていた。
「やっぱりここにいた。覚えてるのは強気なナミネだけ?
一応言っとくけど、今2019年じゃないから」
どういうこと? もっと過去に戻ったということだろうか。
「あ、もう少し過去ですか?」
どこまで遡ったのだろう。そもそも、そこまで遡る必要あったのだろうか。
「ナミネ、何言ってんだよ。今は2024年だろ」
え……えええええ! 2024年!? 戻るどころか進んでいるじゃない!
「つまり、昨日の継続と言うより、微妙に時代違ってんだよね。だから、前回と同じ展開になるとは限らないからね?
それと、今の携帯はこれ。フェアリーフォンて言うんだ。操作は携帯と変わらないから」
こ、これが携帯!? フェアリーフォンて何? こんなの画面しかないじゃない。とりあえず中身見てみたけど、写真も個人日記もフェアリー日記も消えている。また、ゼロからか。
「そうですか……」
何だか気持ちがついていかない。ヨルクさんがいないってことは、私とヨルクさんが婚約していたこともなかったことになってしまったんだ。私は切なさをギュッと堪えた。
「データは適当なタイミングで復元しとくから」
と言われてもデータだけ戻っても人の心が戻らないのでは、まるで、この世界には私と落ち武者さんしかいないみたいだ。
「分かりました……。あのね、ラルク……」
ラルクには分かって欲しくて、私は2019年からの一連の流れをラルクに話した。信じてもらえるだろうか。
「なるほどね。そういうことだったのか。だとしたら、今は向こう側には近付かない方がいいな」
良かった。ラルクは分かってくれた。けれど、昨日の次の日が4年後だなんて誰が予測出来ただろう。というか、どうして落ち武者さんここにいるの?
「あの、落ち武者さん、どうしてここにいるんですか? それに私、頭が混乱して、とても不安なんです。セナ王女がまたカラルリさんと交際すれば、私たち何のために氷河期村に言ったか分からないですし、今の時点では、みんな白梅の状態ですし。
やっぱり、ミドリお姉様とズルエヌさんは死んでいるのでしょうか?」
もう頭がグチャグチャだ。
昨日までいたメンバーが今では他人。ナルホお兄様もナヤセス殿もいないし、心が空っぽになったみたいだ。
「アンタが心配だから戻ってきた。
出会うべき人にはまた出会える。ミドリと得体の知れないズルエヌは生きてる。心配すんな。僕らここからはじめるんだ。後、顔だけヨルクのことは慎重にいけよ。いきなり婚約者でしたとか言ったら向こうも警戒するからね?」
ミドリお姉様とズルエヌさん生きてるんだ! てことは、さっき落ち武者さんが言ったように、昨日と今とでは時代が全く違うんだ。
「分かりました。ヨルクさんには何も言いません」
言いたいけど言えない。元の関係を思い出してもらいたいけど今は無理だ。
「ナミネ、今回も計画通りいくぞ」
そうだった。2019年の私はラルクのことが好きでラルクとセレナールさんが上手くいくように協力してたんだ。
「分かったよ、ラルク」
昨日の今日だから、流石にもうラルクに恋愛感情はない。私が好きなのはヨルクさんだ。けれど、髪はしばらく切れない。状況を合わせないと。
「とりあえず、僕らはしばらく向こうのメンバーの近くにいるからな」
安牌策というわけか。近くに入れば話し声も聞こえるし状況を知ることも出来る。
「カラルリ、今日キクリ家行っていい?」
早速聞こえて来た。この頃のセレナールさんはカラルリさんのこと好きだったね。もう昔のことのように思えてくる。
「良いけど、セナさんも来なよ!」
今回は両想いになるのだろうか。
「ごめんなさい、私はやめておくわ」
セナ王女にその気はなしと。って決め付けて良いのだろうか。カラルリさんのほうは、完全にセナ王女に惚れている。
「今度の休みは博物館ね!」
そういえば、委員長が『神山くらふ』でないのなら、ユメさんとアルフォンス王子は交際中!?
「じゃ、僕らも休みは博物館ってことで。姉さんのことは助けるなよ、ラルク」
助けてしまえば歴史か未来かが変わってしまう。うーん、ややこしい。
「はい、分かっています。あくまで状況確認のために行きます」
状況確認ね。ずっとセレナールさんのこと見てたいだけじゃん。私の時は少しも振り向いてくれなかったのに。気持ちさえ知ってもらえなかったのに。
その時、ヨルクさんがクラスメイトのココリさんと歩いて来た。マドンナさんじゃなかったことに、ほっとしている私って確信犯。私は耐えきれなくなりヨルクさんに駆け寄った。
「ヨルクさん、あの今日クレナイ家行ってもいいですか? また昔みたいに一緒にお風呂入りませんか?」
しまった……。私のこと覚えているかも分からないのに先走ってしまった。
「アンタ、さっき言ったこともう忘れてんのかよ」
やっぱりヨルクさんも昨日のこと覚えてないのかな。
「悪いが、混浴をするような関係ではないし、ナミネと一緒に過ごすつもりもない」
その瞬間、涙がポロポロ溢れてしまった。ヨルクさんも、私との想い出全て忘れてしまってるんだ。あれだけ愛し合った日々を、慈しみ合った日々を……。
「ふぅん、じゃあ僕がナノハナ家泊まって強気なナミネと混浴するけど?」
落ち武者さんは私が泣いているのを隠すように私を抱き締めた。やっぱり落ち武者さんの身体は冷たい。現世になるのだろうか。今回も小さい頃の風邪、間に合わなかったんだ。ってあれ? 昨日の今日が今だから、私たちは本当の意味では幼少期をきちんと過ごしていない。そもそも、突然飛ばされたのだから分かるはずもない。
「ねえ、落ち武者さんがどうしてナノハナ家泊まるの? 混浴って何? ナミネと付き合ってるの?」
この反応は、ヨルクさんこの世界でも私のこと好きでいてくれていると期待していいのだろうか。
「ノーコメント」
落ち武者さんらしい返し。
「ナミネは中等部に上がったばかりだ。泊まりはやめてほしい」
ヨルクさん……。今すぐ抱き締めたい。けれど、こっちのヨルクさんは昨日のヨルクさんではないかもしれない。
「アンタが強気なナミネの誘い断ったんだろうがよ! だったら、こっちは何してもアンタに関係ないと思うけど?」
落ち武者さんは相変わらずだ。現に、前はみんなでお風呂に入っていた。それも今となっては昔か。
「そういう関係ではないと言っただけだ。ナミネのことは妹のような存在だ。だから、どこの誰か分からない男に渡すわけにはいかない」
誰も落ち武者さんと交際するなんて言ってないのに。
「あの、私やっぱりラルクと落ち武者さんとナノハナ家で過ごします。それに今度の休みも三人で博物館に行きます」
楽しめるか分からないけど、ミネルナさんがあのような事態になった以上、私はこの世界でゼロから生きていかなければならない。
「ヨルク、知り合い? 早く食べないと休み時間終わるよ」
今はココリさんと仲良くしているのだろうか。
「ごめん、ココリ先に食べてて。
ラルクも小学生の頃とは違うんだからナミネと恋人みたいなことしないで」
何だか束縛彼氏に見えてくる。なのに、恋人でないことが胸を痛ませる。
「顔だけヨルクのことは放っておいて食べようぜ」
落ち武者さんは草むらに座ってお弁当を広げた。
その後もヨルクさんは私たちに色々と言葉を並べていた。ヨルクさん特有の屁理屈を。
2019年は、ラルクのこと好きだったからラルクを手伝うことは、かなり胸が傷んでいた。それでもラルクのためにと私なりに頑張った。けれど、ラルクとセレナールさんの距離が近くなるたび、私の心は壊れていった。
けれど、今は違う形で悩んでいる。ヨルクさんは、いつ私のことを思い出してくれるのだろう。
放課後、理科室の前を通るとセレナールさんの声が聞こえてきて私は立ち止まった。そして、理科室の扉を少し開けて中の様子を伺った。
セレナールさんとエミリさんが床に体育座りをしている。
「カラルリ……セナさんに揺れてる……」
揺れているというより完全に心を持っていかれているような。
「それでも私はカラルリが好きだし気持ちは伝えるつもり」
そういえば、エミリさんも最初はカラルリさんに片想いしていたっけ。皇太子様と交際していたイメージが強すぎてすっかり忘れていた。
「エミリは白黒ハッキリしてるわね。私はこんなに近くにいるのに通じ合えなくて辛い気持ちが先立ってどうしたらいいのか分からなくなってるわ」
セレナールさんは、周りに左右されがちだ。誰だってそうだけど、私はエミリさんみたいに割り切れないことほど、折り合い付けるべきだと思う。
「気持ち伝えないままだと止まったままだから。気持ちを置き去りにして前に進めないし、カラルリへのこの気持ちは偽れないから」
今思うとエミリさんはカラクリ家の長女としてしっかりしている。遠い昔は、二股かけて手遅れになってしまったけど。最後の最後には皇太子様と幸せになった。
「アンタさ、何で盗み聞きしてんのさ」
わっ、落ち武者さん! ラルクも!
「あ、いや……」
何となく気になってしまった。けれど、ラルクは扉にしがみついて中の様子をガッツリ見ている。
そんなにもセレナールさんのこと好きなんだ。
「そうよね。セナさんの存在は気になるけど、私もカラルリが好き。好きでどうしようもない。どうしてセナさんなのだろう。私とカラルリは幼稚園に入る前から、ずっと一緒にいたのに」
その気持ちは何となく分かる。私もラルクとは赤ちゃんの時からナノハナ家の部屋で寝かされていた。0歳の時からずっとラルク一筋だったのに、ラルクは前世で愛し合っていたセレナールさんのことを24時間考えていた。セレナールさんは、あの時の私のような気持ちなのかもしれない。
「セナ王女を気にしちゃダメ! カラルリを振り向かせるくらいの思いでいないと本当に取られるわよ!」
エミリさんは本当に気が強い。人の心を自分のものに出来るならどれだけ楽か。
「じゃ、ナノハナ家行く」
落ち武者さんが言うものの、ラルクは最後まで聞く勢いだ。
「ラルク、行くよ!」
声をかけても気付かない。そんなに好きなら今すぐ告白してしまえばいいのに。
「どうしたらいいのかしら。セナさんが転校してくるなら、もっと早くに告白していれば良かった」
人生というものは、気付いた頃には遅いということが多い。それに、ある程度の運命は決まっていて、それを変えるには相当の気力も体力も消耗するものだ。
「おい、ラルク行くぞ」
落ち武者さんはラルクのカバンを引っ張った。
「あ、はい」
やっと気付いたか。誰も何も言わなければ最後まで聞いていただろう。恋は盲目と言うが、本当に周りが見えなくなるものなのだな。
ナノハナ家に着いたら、どっと疲れた。
私が部屋に行こうとしたら、使用人に客が来ていると言われ、第4居間に向かった。
「あー、疲れた」
私はカバンを下ろし畳に寝転がった。
「アンタ、客来たって言ってんだろ?」
あ、そうだった。昨日の次の日がこれで頭も回らないし気持ちもついていけなくて、ただただ疲れている。
「ナミネさん、昨日ぶりですね」
え、ズームさん!? 昨日を覚えているの!?
私は、予測もしていなかった展開にただただ驚いていた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あとがき。
前回でリセットされてしまい、最初に戻ってしまったので、わりと書きやすかったです。
でもまさか2020年から2024年に飛ぶだなんて!
しかもガラケーからスマホに!?
ここからどう繋がってゆくのでしょう。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
現在、小説に関する模倣(程度による)の一切を禁じております。
詳しくはこちらを参照→ 禁止事項
無断転載もご遠慮ください。
純愛偏差値 未来編 一人称版 123話
《ナミネ》
私たちは紅葉神社の紫陽花祭りに来た。正直、ミネスさんから叩かれたことでカッとなってミネスさんに怪我をさせてしまったことに対して気持ちが不安定になっている。それでも、こんなふうにみんなで来ることなんて子供時代以来だから来たかった。
私がラルクに近付こうとした時、ミネスさんが近付いてきた。
「ナミネ、ごめん。私が悪かった」
いつまでも無視し続けるわけにもいかない。怪我させたの私だし。
「私も怪我させてしまい、すみませんでした」
これで胸のつっかえはなくなるのだろうか。
「もう大丈夫」
ミネスさんはカンザシさんの元へ走って行った。
あれ、ナノハお姉様も来てる。ズルエヌさんが来てるからだろうか。少し珍しい気がする。腕を組んでる二人を見るのはどことなくぎこちない。ナノハお姉様は恋愛はしない人だと思っていたから。
「ナミネ、褌一枚は無理だけど下に履いてる。機嫌直してほしい」
えっ、どうして泣いてるの?とはいえ、こちらも無視し続けるわけにもいない。そもそも泣くほどのことなのだろうか。
「あ、もういいです。ヨルクさん泣かないでください」
私はヨルクさんの使用済みパンツを袖から出しヨルクさんの涙を拭いた。
「ナミネのことは私が守る。誰にもナミネを傷付けさせない」
どうして突然そんなこと言うのだろう。今の私は強いし、ずっと強かった。一人の時もそれなりにやって来た。殆どカンザシさんに壊された遠い過去だったけど。それでも私なりに必死に生きてきたのだ。
「本当にもう気にしてません。せっかくの祭りですし紫陽花まんじゅうでも買いましょう」
私がヨルクさんの手を握った時、ラルクがこちらへ向かって来た。
「ナミネ、紫陽花まんじゅう完売前だったから買っておいた」
やっぱり人気あるよね。ラルクは気が利く。そう、いつもいつの時代もそうだった。
「ありがとうラルク」
私はラルクから受け取るなり半分に割って片方をヨルクさんに渡した。あれ……遠い昔、同じことしてた。でも、妖精村でも天使村でもない。もっと古い。いつの記憶だろう。思い出せない。けれど、大切なことを忘れている気がする。
「ヨルクさん美味しいですか?」
ここの屋台はどの食べ物も美味しい。祭りじゃなくても、たまに何かの屋台が出ていたりする。私はヨルクさんのパンツを再び袖に戻した。
「うん……」
褌のことだけで、こんなに泣くだろうか。目も赤いし何かあったのだろうか。
「あ、ヨルクさん、お守り買ってきます」
その時、ヨルクさんは私の手を掴んだ。
「私が買う」
ヨルクさん……。私はヨルクさんと手を繋いで社務所に行った。
お祭りだけど、みんな屋台の方に行って社務所はそこまで混んでいない。
あれ……あれは……。
「ヨルクさん、紅葉花です!あの時私たちがお揃いで持っていた紅葉花の番のお祭りです!」
どうして今売っているのだろう。ずっと、何世紀もなかったのに。あの時だけのものだったのに。
「このお守り番でください」
ヨルクさんはお守りを二つ手に取った。
「かしこまりました。二千五百円になります」
た、高い。昔は五百円ほどだったはずなのに。
「はい、ナミネ」
私のは黄色。ヨルクさんのはオレンジ色。
「ありがとうございます、ヨルクさん」
私は黄色のお守りを手に取った。そして、袖に入れてヨルクさんのパンツに挟んだ。
「ナミネ、好きなの買うからいっぱい食べて。夜食も買うね」
どうして急に人が変わったように優しくするのだろう。いつものヨルクさんじゃないと何だか逆に奇妙だ。
「おい、向こうでナクリたちが揉めてるぞ!」
ナクリお姉様が着てるの?もう退院したのだろうか。私はヨルクさんを置いて走り出した。
人をかき分けて進んだら、フェアリー焼きの屋台の傍でナクリお姉様とカナコさん、セリルさんがいた。
「カナコ、ここで脱いで」
ナクリお姉様……。憎いけど完全に憎みきれない。
「ナクリ、悪かったと思ってる。一生かけて償うわ」
ナクリお姉様はカナコさんに殴りかかろうとしたがカナコさんはさらりと避けた。
ミドリお姉様はナクリお姉様を憎んでいる。ナクリお姉様はミドリお姉様と同じ目にあってカナコさんを恨んだ。他者には入り込めない堂々巡り。
ナクリお姉様が決めるしかない。道を切り開いていくしかない。でも、妹として心配なのも事実なわけで。私はどうしたらいいのだろう。どうにかしたいのに言葉が出てこない。
「許さない。カナコ、いつかどん底に落ちるわよ」
ナクリお姉様には、もう何の力もない。
かわいそうとは思えない。でも、こんな人生あんまりだ。自業自得なのに、ただ夢を叶えたかっただけなのに、恨みにとらわれすぎたナクリお姉様。
「もう既に落ちてるし何度も落ちてる。それでも歩いていくのが人生よ」
カナコさんは強い。セリルさんと上手くいかなくてもカナコさんはどうとでもなる。でもナクリお姉様は違う。
人は平等ではない。
カンザシさんのように生まれた時点で運命が決まっている人もいれば、ナクリお姉様のように欲を出しすぎてダメになってしまう人生もある。
皆が皆、強いわけではない。世渡り上手なわけではない。
自分の道を切り開けない人間も確かに存在する。
「いつも綺麗事だものね。でも世の中綺麗事かしら」
中には綺麗事で上にあがってゆける人間もいる。綺麗事でなくても、その才能があれば綺麗事で乗り切れる人だっている。
「あの、私は一度決めたことを覆して、またそれを変更する。そのやり方が気に入らないです。カナコさんが生贄になったとしても、これまで通りの暮らししてゆけますか?」
思わず口にしてしまった。ナノハナ家もキクリ家も跡取りはどうとでもなる。カナコさんが緑風華してもだ。
「私だったら生きてゆけないわね。でも、そういう状況を作り出した人間にも問題あるんじゃないかしら」
さっき償うって言ってなかった?私の聞き違い?いくら強いからって人を見下す態度は気に入らない。私はこっそりテナロスさんにカナコさんの不利なものを受け取った。
「じゃあ、これ皆さんにも見てもらいましょうか?」
私はテナロスさんから受け取った古い写真をカナコさんに見せた。てか、カナコさんって本当に浮気してたんだ。なんかイメージつかないというか、カナコさんって、もっとビシッとした人間かと思っていた。
「返しなさい」
食い付いた。これは流石にカナコさんの名誉に関わる。プライドの高いカナコさんにとってかなり不利になるだろう。
「私、カナコさんのような上から目線の人嫌いなんですよね。ここで私に何かすれば無線でみんなに伝わりますよ」
祭りの紅葉神社は混むからズルエヌさんが無線イヤホンを持つようみんなに言い聞かせていた。
「あら、私に勝てるとでも?」
カナコさんは扇子を取り出した。速い。奪われてしまう。
「助けてください!」
ダメだ。カナコさんには敵わない。またテナロスさんに頼むしかない。その時、一瞬歪んだ。全てが歪んだ。
「カナコ、強さだけが全てじゃない。写真全部バックアップ取った」
落ち武者さん!時間を巻き戻したのか。
「セルファ!やめなさい!」
セリルさんは怒り口調で言った。
「やめて……お願い……」
カナコさんは急に弱気になった。時間を操るって一歩間違えたら怖い。
「カナコ、バチが当たったのよ。いい気味だわ」
ナクリお姉様は顔色悪いながらに強がった。
「正直カナコがナクリにしたこと理解出来ない。私やミドリのこと軽く考えてたんだなあて」
ラァナさん……。ラァナさんの事件も酷いものだった。ラァナさんは生きたけどトラウマは今でも残っている。
「カナコもカナコなりの思いがあってのことよ。ここでカナコを孤立させても何も解決しないと思う」
レイカさんも戻ってきた。確かにそうかもしれないけど、今のカナコさんは、どこか遠く感じる。昔のカナコさんなら、もっと正義感強かったのに。
「私、ここにいるの辛い……。ミドリと回る。カナコたちは好きにして」
ラァナさんはカナコさんが完全なる敵かのようにあしらった。
「待ってラァナ。もし何かあったら……」
レイカさんはラァナさんの手首を掴んだ。
「レイカだってカナコの味方じゃない。こんなの被害者はやり切れないよ」
そう、やり切れない。ラァナさんもミドリお姉様も一生残り続けるのだ。
「あの、カナコさんて……!」
言いかけてズルエヌさんが遮った。
「ナミネはここから離れようか」
どうして?姉が二人もここにいるのに私は関係ないみたいに言われると何だかモヤモヤする。
「あ、でも、ナクリお姉様顔色悪いですし」
今にも倒れそうだ。
「ズーム、ナミネをここから連れてって」
え、どうして……。話し合いはまだ終わっていない。ナクリお姉様は退院したばかりなのに。
って、こんな湖あったっけ?
「あの、ここは……」
桜が水面に揺れている。
「遠い昔、ナミネさんと来た場所です」
一時的に時間を巻き戻しているのだろうか。
「桜が緩てます。まるで滲んだ油絵みたいです」
そう、湖に揺れている桜が……桜が……。
「あの時もナミネさんは同じこと言ってました」
私とズームさん、ここに来たことあるんだ。
「すみません、全く覚えてません」
ズームさんとは桜木町のカンザシさんのコンサートで出会ったはずだが、紅葉町にも二人で来ていたのだろうか。
「そうですよね。相当昔ですから……」
ズームさんは俯いた。
「アンタら何やってんだよ」
え、落ち武者さん!?どうやって、この別の時空に入ってきたの!?
「あ、ズルエヌさんが私は関わらない方が良いと……」
どの道、私が介入しても春風神社でのことはどうにもならなかった。もう、あとの祭りなのだ。けれど、私はずっとモヤモヤしている。
「今から言うことよく聞け!隠してもいずれは知ることだろうから」
私に関わることなのだろうか。落ち武者さんの顔が悲しげになっている。
「あ、はい」
私は落ち武者さんを見た。
「時代はいつかは分からない。けど、ミドリの事件、本当はアンタが背負うはずだった。ずっとアンタが事件に巻き込まれてたんだ。そして、顔だけヨルクとの縁談はアンタが破談にしてアンタ赤線町で暮らした」
え、どういうこと!?ミドリお姉様の女子高生黒鈴酷華事件はナクリお姉様がミドリお姉様を陥れ……。ダメだ、話についていけない。
「あの……」
頭が真っ白だ。
「いつの村か分からない時代に、カンザシはナミネさんに何度もアタックし続けるもののナミネさんはヨルクさんと別れず、カンザシは仲間を連れナミネさんに黒鈴酷華をして無理矢理ヨルクさんとの関係を壊しました」
そんな……!そんな……。分からない。何がどうなっているのか全く分からない。私は何人いようと無抵抗にはならない。
「何者かがアンタの力量奪ったんだ。アンタは歳頃になるたびカンザシに人生を壊され、見かねたナノハはアンタからミドリにすり替えた。アンタが背負うこと全てミドリが背負うようになったんだ」
そう……だったんだ。何億年、何兆年前だったとしても許せない。私の幸せを壊したカンザシさんが。
もしかして、ヨルクさんが泣いていたのはこのことだったのだろうか。ヨルクさんは私に同情して……!
「そうですか。私は血筋とはいえ、カンザシさんを絶対に許しません!でも、一応聞いておきます。その時もカンザシさんの暮らしは辛いものだったのですか?」
例えそうだったとしても私は許さない。何がなんでも。
「はい、賤民の家庭に生まれましたが両親早くに亡くなり、似たような子供たちが集まるホームレス街と呼ばれるところで過ごしていました」
ホームレス街……そんなところあったんだ。けれど、どれだけ生まれが悪くても暮らしが辛くても人の人生を壊す権利など誰にもない。
私は溢れる涙をヨルクさんのパンツで拭った。
「アンタ、大事なの落ちてるぞ。ここに落としたら一生取りに戻れないからな!」
落ち武者さんは、ヨルクさんが番で買ってくれた紅葉花のお守りを拾った。
「あ、すみません」
危ない。悲惨すぎる話で悲しみと憎しみが混じり合い自分を見失いかけていた。
その時、ズームさんが私の手を握った。
「ナミネさん。僕はあなたに出会えて良かったと思っています。どれだけカンザシに関係を壊されても本当の愛を知ることが出来たのはナミネさんだけです。どうか無理だけはしないでください。幸せになってください」
ズームさん……。
今はカンザシさんを恨んでいる場合ではないのかもしれない。昔の永久(とこしえ)を、こんなふうに温めることになるとは思っていなかった。ズームさんのこと、今でも愛している。あの時と形は違えど確かに愛しているのだ。
けれど、やっぱり割り切れない。私は色んな仲間に支えられて、イケメンの彼氏もいて幸せなのに。幸せなのに、どこか虚ろになる。前に向くことも大事だけれど、過去に遡り根っこの部分を知る必要がある気がする。そして折り合いを付けたい。
「はい、皆さんと幸せになります。カンザシさんのことは許せないですが、ズームさんとの想い出忘れてません。私にとってもズームさんは大切な人です。それは、ずっと変わりません」
あれ、水面に映る桜が消えてゆく……。私、現代に戻るんだ。
「ナミネ、ここにいたの!? 問題起きた!! 今、ミネルナさんが救急車で月城総合病院に運ばれて行ったよ!」
え、いったい何があったの!? この僅かなひと時に。
「あの、いったい何があったのでしょうか?」
この世は問題ばかりだ。
「お姉ちゃんならカンザシに白梅咲かされたよー! もう彼氏とはやっていけないって嘆いてると思うよー!」
実の姉が黒鈴酷華されても何の心配もしないのか。それどころか、まるで嘲笑っているかのような……。とにかく月城総合病院に行かないと!
「月城総合病院に行きます!」
私はナノハナ家の運転手に連絡をした。
「じゃ、僕も行く」
落ち武者さんは、行くと。みんな行くだろうか。
「ごめんなさい。私はクラフと家に帰るわ」
そっか、ユメさんはサユリさんから手回しされたことがある。この世界ではないけれど、辛いものだったと思う。
「分かりました。委員長、ユメさんをよろしくね」
ナノハナ家運転手とブランケット家運転手の車が同時に来たようだ。
「うん、ナミネ追い詰めないでね」
今の私には痛い言葉だ。
私たちはユメさんと委員長と別れた後、月城総合病院へ向かった。
月城総合病院へ着くとズルエヌさんが受付でミネルナさんの居場所を聞いた。
ミネルナさんは、三階の個室にいるらしい。個室というだけで毎度毎度ブランケット家の規模を感じさせられる。
三階の個室はとても広かった。
「お願い、来ないで!」
何これ、凄いアザ……。
「へえ、お姉ちゃんも隅に置けないなあー!」
ミネスさんはミネルナさんを追い詰める。
「やめて! 出てって!」
せっかく、カンザシさんを吹っ切ってロォハさんと幸せになれたはずだったのに。どうしてこんなことに……。
「みんな来たね。
ハッキリ言って、ミネルナがここに運ばれて来た時は酷い状態だったよ。第三にヒビが入ってて処置はしたけれど、子供は望めないと思う。何よりミネルナには大きなトラウマが残るだろう。来たくないかもしれないけど、週二回カウンセリング来てくれるかな?
後、カンザシはどうしてこんなことしたのか、今ここで話してもらえる?」
深刻になってきた。
「二人で話がしたいと言われたので、その気かと思いました」
たったそれだけの理由で!? 酷すぎる。私も、いつか分からない時代に同じことされたんだ。
「それにしては、暴行の跡が凄いけどどうしてかな?」
どう見たって無理矢理だ。ロァハさんとの幸せが許せなかったんだ。やっぱり、私、カンザシさんと友達は無理だ。
「ミネルナさんが転びました」
バレバレの嘘。もうミネルナさんの人生壊しただけでカンザシさんには虹色街に戻って欲しい。
「カンザシも病気だから、二人ともカウンセリングは受けに来て欲しい」
カウンセリング。そんなもので治るのだろうか。私はそうは思えない。カンザシさんの病気は明らか先天的のもの。後天的ならどうにかなったかもしれないけど、生まれてから発症してたなら、それはもうどうにもならないと思う。
「ミネルナ、大丈夫!?」
ロォハさん? 誰が連絡したのだろう。
「いや! 来ないで!!」
今のミネルナさんは話さえ出来ない状態だ。みんなもここから出ないと。
「僕がミネルナを治す! ミネルナのことは絶対に手放さない!!」
そうは言っても、これだけの深い傷を負ったら元に戻るのはほぼ無理だろう。ミネルナさんがたびたびトラウマに陥ってロォハさんが受け止められないくらいに悪化してしまう展開が見えている。
その時、ハル院長は無言でミネルナさんとカンザシさんに予約カードを渡した。
「で? ミネルナの血筋は、この状況どうでもいいわけ?」
落ち武者さんは、どうしてそんなこと聞くのだろう。いいわけないじゃない。
「僕はカンザシとは縁を切ります」
ズームさんは、相当滅入っている様子。姉想いなだけに。
「僕はミネルナにもその気はあったと思うよ」
ズルエヌさんは、どうしてそう感じるのだろう。実の妹がここまでされて悔しくないのだろうか。掛け布団の中だってどうなっていることやら。
「あの、ズルエヌさん。妹に向かって、そういう言い方ないと思います」
ズルエヌさんって、こんな人だっけ? もっと人思いだったはず。
「夜も更けてきましたね。
ミネルナさんは、完全純白でいなくてはなりません。理由は今は申し上げられませんが。よって、この穢された状況では妖精村が他の村の配下となりかねません。或いは、妖精村そのものがなかったということも。
皆さん、これまで色々ありましたが楽しいこともたくさんあったでしょう。しかしながら、ここで区切りです。皆さんにはミネルナさんを元に戻すため時空を超えてもらいます」
え、キクスケさん!? 時空を超えるってどういうこと!?
「おい、キクスケ! 俺らを過去に戻した時もそうだったけど、お前やること一方的すぎるだろ! ミネルナは俺が必ず治す!」
ハル院長……ハルミ先生のためにショウゴ先生と一度、過去に戻ったんだっけ?
「時間切れです」
その時物凄い光が私たちを包み込んだ。私は目を閉じた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あとがき。
久々の更新ですね。
また戻っちゃう。
みんなと出会ったこと、なかったことになるのだろうか。
ここまで来て、どうしてリセット?
赤線町は……。
セナとシャムは……。
私も分からなくなってきました。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
現在、小説に関する模倣(程度による)の一切を禁じております。
詳しくはこちらを参照→ 禁止事項
無断転載もご遠慮ください。
《ナミネ》
私たちは紅葉神社の紫陽花祭りに来た。正直、ミネスさんから叩かれたことでカッとなってミネスさんに怪我をさせてしまったことに対して気持ちが不安定になっている。それでも、こんなふうにみんなで来ることなんて子供時代以来だから来たかった。
私がラルクに近付こうとした時、ミネスさんが近付いてきた。
「ナミネ、ごめん。私が悪かった」
いつまでも無視し続けるわけにもいかない。怪我させたの私だし。
「私も怪我させてしまい、すみませんでした」
これで胸のつっかえはなくなるのだろうか。
「もう大丈夫」
ミネスさんはカンザシさんの元へ走って行った。
あれ、ナノハお姉様も来てる。ズルエヌさんが来てるからだろうか。少し珍しい気がする。腕を組んでる二人を見るのはどことなくぎこちない。ナノハお姉様は恋愛はしない人だと思っていたから。
「ナミネ、褌一枚は無理だけど下に履いてる。機嫌直してほしい」
えっ、どうして泣いてるの?とはいえ、こちらも無視し続けるわけにもいない。そもそも泣くほどのことなのだろうか。
「あ、もういいです。ヨルクさん泣かないでください」
私はヨルクさんの使用済みパンツを袖から出しヨルクさんの涙を拭いた。
「ナミネのことは私が守る。誰にもナミネを傷付けさせない」
どうして突然そんなこと言うのだろう。今の私は強いし、ずっと強かった。一人の時もそれなりにやって来た。殆どカンザシさんに壊された遠い過去だったけど。それでも私なりに必死に生きてきたのだ。
「本当にもう気にしてません。せっかくの祭りですし紫陽花まんじゅうでも買いましょう」
私がヨルクさんの手を握った時、ラルクがこちらへ向かって来た。
「ナミネ、紫陽花まんじゅう完売前だったから買っておいた」
やっぱり人気あるよね。ラルクは気が利く。そう、いつもいつの時代もそうだった。
「ありがとうラルク」
私はラルクから受け取るなり半分に割って片方をヨルクさんに渡した。あれ……遠い昔、同じことしてた。でも、妖精村でも天使村でもない。もっと古い。いつの記憶だろう。思い出せない。けれど、大切なことを忘れている気がする。
「ヨルクさん美味しいですか?」
ここの屋台はどの食べ物も美味しい。祭りじゃなくても、たまに何かの屋台が出ていたりする。私はヨルクさんのパンツを再び袖に戻した。
「うん……」
褌のことだけで、こんなに泣くだろうか。目も赤いし何かあったのだろうか。
「あ、ヨルクさん、お守り買ってきます」
その時、ヨルクさんは私の手を掴んだ。
「私が買う」
ヨルクさん……。私はヨルクさんと手を繋いで社務所に行った。
お祭りだけど、みんな屋台の方に行って社務所はそこまで混んでいない。
あれ……あれは……。
「ヨルクさん、紅葉花です!あの時私たちがお揃いで持っていた紅葉花の番のお祭りです!」
どうして今売っているのだろう。ずっと、何世紀もなかったのに。あの時だけのものだったのに。
「このお守り番でください」
ヨルクさんはお守りを二つ手に取った。
「かしこまりました。二千五百円になります」
た、高い。昔は五百円ほどだったはずなのに。
「はい、ナミネ」
私のは黄色。ヨルクさんのはオレンジ色。
「ありがとうございます、ヨルクさん」
私は黄色のお守りを手に取った。そして、袖に入れてヨルクさんのパンツに挟んだ。
「ナミネ、好きなの買うからいっぱい食べて。夜食も買うね」
どうして急に人が変わったように優しくするのだろう。いつものヨルクさんじゃないと何だか逆に奇妙だ。
「おい、向こうでナクリたちが揉めてるぞ!」
ナクリお姉様が着てるの?もう退院したのだろうか。私はヨルクさんを置いて走り出した。
人をかき分けて進んだら、フェアリー焼きの屋台の傍でナクリお姉様とカナコさん、セリルさんがいた。
「カナコ、ここで脱いで」
ナクリお姉様……。憎いけど完全に憎みきれない。
「ナクリ、悪かったと思ってる。一生かけて償うわ」
ナクリお姉様はカナコさんに殴りかかろうとしたがカナコさんはさらりと避けた。
ミドリお姉様はナクリお姉様を憎んでいる。ナクリお姉様はミドリお姉様と同じ目にあってカナコさんを恨んだ。他者には入り込めない堂々巡り。
ナクリお姉様が決めるしかない。道を切り開いていくしかない。でも、妹として心配なのも事実なわけで。私はどうしたらいいのだろう。どうにかしたいのに言葉が出てこない。
「許さない。カナコ、いつかどん底に落ちるわよ」
ナクリお姉様には、もう何の力もない。
かわいそうとは思えない。でも、こんな人生あんまりだ。自業自得なのに、ただ夢を叶えたかっただけなのに、恨みにとらわれすぎたナクリお姉様。
「もう既に落ちてるし何度も落ちてる。それでも歩いていくのが人生よ」
カナコさんは強い。セリルさんと上手くいかなくてもカナコさんはどうとでもなる。でもナクリお姉様は違う。
人は平等ではない。
カンザシさんのように生まれた時点で運命が決まっている人もいれば、ナクリお姉様のように欲を出しすぎてダメになってしまう人生もある。
皆が皆、強いわけではない。世渡り上手なわけではない。
自分の道を切り開けない人間も確かに存在する。
「いつも綺麗事だものね。でも世の中綺麗事かしら」
中には綺麗事で上にあがってゆける人間もいる。綺麗事でなくても、その才能があれば綺麗事で乗り切れる人だっている。
「あの、私は一度決めたことを覆して、またそれを変更する。そのやり方が気に入らないです。カナコさんが生贄になったとしても、これまで通りの暮らししてゆけますか?」
思わず口にしてしまった。ナノハナ家もキクリ家も跡取りはどうとでもなる。カナコさんが緑風華してもだ。
「私だったら生きてゆけないわね。でも、そういう状況を作り出した人間にも問題あるんじゃないかしら」
さっき償うって言ってなかった?私の聞き違い?いくら強いからって人を見下す態度は気に入らない。私はこっそりテナロスさんにカナコさんの不利なものを受け取った。
「じゃあ、これ皆さんにも見てもらいましょうか?」
私はテナロスさんから受け取った古い写真をカナコさんに見せた。てか、カナコさんって本当に浮気してたんだ。なんかイメージつかないというか、カナコさんって、もっとビシッとした人間かと思っていた。
「返しなさい」
食い付いた。これは流石にカナコさんの名誉に関わる。プライドの高いカナコさんにとってかなり不利になるだろう。
「私、カナコさんのような上から目線の人嫌いなんですよね。ここで私に何かすれば無線でみんなに伝わりますよ」
祭りの紅葉神社は混むからズルエヌさんが無線イヤホンを持つようみんなに言い聞かせていた。
「あら、私に勝てるとでも?」
カナコさんは扇子を取り出した。速い。奪われてしまう。
「助けてください!」
ダメだ。カナコさんには敵わない。またテナロスさんに頼むしかない。その時、一瞬歪んだ。全てが歪んだ。
「カナコ、強さだけが全てじゃない。写真全部バックアップ取った」
落ち武者さん!時間を巻き戻したのか。
「セルファ!やめなさい!」
セリルさんは怒り口調で言った。
「やめて……お願い……」
カナコさんは急に弱気になった。時間を操るって一歩間違えたら怖い。
「カナコ、バチが当たったのよ。いい気味だわ」
ナクリお姉様は顔色悪いながらに強がった。
「正直カナコがナクリにしたこと理解出来ない。私やミドリのこと軽く考えてたんだなあて」
ラァナさん……。ラァナさんの事件も酷いものだった。ラァナさんは生きたけどトラウマは今でも残っている。
「カナコもカナコなりの思いがあってのことよ。ここでカナコを孤立させても何も解決しないと思う」
レイカさんも戻ってきた。確かにそうかもしれないけど、今のカナコさんは、どこか遠く感じる。昔のカナコさんなら、もっと正義感強かったのに。
「私、ここにいるの辛い……。ミドリと回る。カナコたちは好きにして」
ラァナさんはカナコさんが完全なる敵かのようにあしらった。
「待ってラァナ。もし何かあったら……」
レイカさんはラァナさんの手首を掴んだ。
「レイカだってカナコの味方じゃない。こんなの被害者はやり切れないよ」
そう、やり切れない。ラァナさんもミドリお姉様も一生残り続けるのだ。
「あの、カナコさんて……!」
言いかけてズルエヌさんが遮った。
「ナミネはここから離れようか」
どうして?姉が二人もここにいるのに私は関係ないみたいに言われると何だかモヤモヤする。
「あ、でも、ナクリお姉様顔色悪いですし」
今にも倒れそうだ。
「ズーム、ナミネをここから連れてって」
え、どうして……。話し合いはまだ終わっていない。ナクリお姉様は退院したばかりなのに。
って、こんな湖あったっけ?
「あの、ここは……」
桜が水面に揺れている。
「遠い昔、ナミネさんと来た場所です」
一時的に時間を巻き戻しているのだろうか。
「桜が緩てます。まるで滲んだ油絵みたいです」
そう、湖に揺れている桜が……桜が……。
「あの時もナミネさんは同じこと言ってました」
私とズームさん、ここに来たことあるんだ。
「すみません、全く覚えてません」
ズームさんとは桜木町のカンザシさんのコンサートで出会ったはずだが、紅葉町にも二人で来ていたのだろうか。
「そうですよね。相当昔ですから……」
ズームさんは俯いた。
「アンタら何やってんだよ」
え、落ち武者さん!?どうやって、この別の時空に入ってきたの!?
「あ、ズルエヌさんが私は関わらない方が良いと……」
どの道、私が介入しても春風神社でのことはどうにもならなかった。もう、あとの祭りなのだ。けれど、私はずっとモヤモヤしている。
「今から言うことよく聞け!隠してもいずれは知ることだろうから」
私に関わることなのだろうか。落ち武者さんの顔が悲しげになっている。
「あ、はい」
私は落ち武者さんを見た。
「時代はいつかは分からない。けど、ミドリの事件、本当はアンタが背負うはずだった。ずっとアンタが事件に巻き込まれてたんだ。そして、顔だけヨルクとの縁談はアンタが破談にしてアンタ赤線町で暮らした」
え、どういうこと!?ミドリお姉様の女子高生黒鈴酷華事件はナクリお姉様がミドリお姉様を陥れ……。ダメだ、話についていけない。
「あの……」
頭が真っ白だ。
「いつの村か分からない時代に、カンザシはナミネさんに何度もアタックし続けるもののナミネさんはヨルクさんと別れず、カンザシは仲間を連れナミネさんに黒鈴酷華をして無理矢理ヨルクさんとの関係を壊しました」
そんな……!そんな……。分からない。何がどうなっているのか全く分からない。私は何人いようと無抵抗にはならない。
「何者かがアンタの力量奪ったんだ。アンタは歳頃になるたびカンザシに人生を壊され、見かねたナノハはアンタからミドリにすり替えた。アンタが背負うこと全てミドリが背負うようになったんだ」
そう……だったんだ。何億年、何兆年前だったとしても許せない。私の幸せを壊したカンザシさんが。
もしかして、ヨルクさんが泣いていたのはこのことだったのだろうか。ヨルクさんは私に同情して……!
「そうですか。私は血筋とはいえ、カンザシさんを絶対に許しません!でも、一応聞いておきます。その時もカンザシさんの暮らしは辛いものだったのですか?」
例えそうだったとしても私は許さない。何がなんでも。
「はい、賤民の家庭に生まれましたが両親早くに亡くなり、似たような子供たちが集まるホームレス街と呼ばれるところで過ごしていました」
ホームレス街……そんなところあったんだ。けれど、どれだけ生まれが悪くても暮らしが辛くても人の人生を壊す権利など誰にもない。
私は溢れる涙をヨルクさんのパンツで拭った。
「アンタ、大事なの落ちてるぞ。ここに落としたら一生取りに戻れないからな!」
落ち武者さんは、ヨルクさんが番で買ってくれた紅葉花のお守りを拾った。
「あ、すみません」
危ない。悲惨すぎる話で悲しみと憎しみが混じり合い自分を見失いかけていた。
その時、ズームさんが私の手を握った。
「ナミネさん。僕はあなたに出会えて良かったと思っています。どれだけカンザシに関係を壊されても本当の愛を知ることが出来たのはナミネさんだけです。どうか無理だけはしないでください。幸せになってください」
ズームさん……。
今はカンザシさんを恨んでいる場合ではないのかもしれない。昔の永久(とこしえ)を、こんなふうに温めることになるとは思っていなかった。ズームさんのこと、今でも愛している。あの時と形は違えど確かに愛しているのだ。
けれど、やっぱり割り切れない。私は色んな仲間に支えられて、イケメンの彼氏もいて幸せなのに。幸せなのに、どこか虚ろになる。前に向くことも大事だけれど、過去に遡り根っこの部分を知る必要がある気がする。そして折り合いを付けたい。
「はい、皆さんと幸せになります。カンザシさんのことは許せないですが、ズームさんとの想い出忘れてません。私にとってもズームさんは大切な人です。それは、ずっと変わりません」
あれ、水面に映る桜が消えてゆく……。私、現代に戻るんだ。
「ナミネ、ここにいたの!? 問題起きた!! 今、ミネルナさんが救急車で月城総合病院に運ばれて行ったよ!」
え、いったい何があったの!? この僅かなひと時に。
「あの、いったい何があったのでしょうか?」
この世は問題ばかりだ。
「お姉ちゃんならカンザシに白梅咲かされたよー! もう彼氏とはやっていけないって嘆いてると思うよー!」
実の姉が黒鈴酷華されても何の心配もしないのか。それどころか、まるで嘲笑っているかのような……。とにかく月城総合病院に行かないと!
「月城総合病院に行きます!」
私はナノハナ家の運転手に連絡をした。
「じゃ、僕も行く」
落ち武者さんは、行くと。みんな行くだろうか。
「ごめんなさい。私はクラフと家に帰るわ」
そっか、ユメさんはサユリさんから手回しされたことがある。この世界ではないけれど、辛いものだったと思う。
「分かりました。委員長、ユメさんをよろしくね」
ナノハナ家運転手とブランケット家運転手の車が同時に来たようだ。
「うん、ナミネ追い詰めないでね」
今の私には痛い言葉だ。
私たちはユメさんと委員長と別れた後、月城総合病院へ向かった。
月城総合病院へ着くとズルエヌさんが受付でミネルナさんの居場所を聞いた。
ミネルナさんは、三階の個室にいるらしい。個室というだけで毎度毎度ブランケット家の規模を感じさせられる。
三階の個室はとても広かった。
「お願い、来ないで!」
何これ、凄いアザ……。
「へえ、お姉ちゃんも隅に置けないなあー!」
ミネスさんはミネルナさんを追い詰める。
「やめて! 出てって!」
せっかく、カンザシさんを吹っ切ってロォハさんと幸せになれたはずだったのに。どうしてこんなことに……。
「みんな来たね。
ハッキリ言って、ミネルナがここに運ばれて来た時は酷い状態だったよ。第三にヒビが入ってて処置はしたけれど、子供は望めないと思う。何よりミネルナには大きなトラウマが残るだろう。来たくないかもしれないけど、週二回カウンセリング来てくれるかな?
後、カンザシはどうしてこんなことしたのか、今ここで話してもらえる?」
深刻になってきた。
「二人で話がしたいと言われたので、その気かと思いました」
たったそれだけの理由で!? 酷すぎる。私も、いつか分からない時代に同じことされたんだ。
「それにしては、暴行の跡が凄いけどどうしてかな?」
どう見たって無理矢理だ。ロァハさんとの幸せが許せなかったんだ。やっぱり、私、カンザシさんと友達は無理だ。
「ミネルナさんが転びました」
バレバレの嘘。もうミネルナさんの人生壊しただけでカンザシさんには虹色街に戻って欲しい。
「カンザシも病気だから、二人ともカウンセリングは受けに来て欲しい」
カウンセリング。そんなもので治るのだろうか。私はそうは思えない。カンザシさんの病気は明らか先天的のもの。後天的ならどうにかなったかもしれないけど、生まれてから発症してたなら、それはもうどうにもならないと思う。
「ミネルナ、大丈夫!?」
ロォハさん? 誰が連絡したのだろう。
「いや! 来ないで!!」
今のミネルナさんは話さえ出来ない状態だ。みんなもここから出ないと。
「僕がミネルナを治す! ミネルナのことは絶対に手放さない!!」
そうは言っても、これだけの深い傷を負ったら元に戻るのはほぼ無理だろう。ミネルナさんがたびたびトラウマに陥ってロォハさんが受け止められないくらいに悪化してしまう展開が見えている。
その時、ハル院長は無言でミネルナさんとカンザシさんに予約カードを渡した。
「で? ミネルナの血筋は、この状況どうでもいいわけ?」
落ち武者さんは、どうしてそんなこと聞くのだろう。いいわけないじゃない。
「僕はカンザシとは縁を切ります」
ズームさんは、相当滅入っている様子。姉想いなだけに。
「僕はミネルナにもその気はあったと思うよ」
ズルエヌさんは、どうしてそう感じるのだろう。実の妹がここまでされて悔しくないのだろうか。掛け布団の中だってどうなっていることやら。
「あの、ズルエヌさん。妹に向かって、そういう言い方ないと思います」
ズルエヌさんって、こんな人だっけ? もっと人思いだったはず。
「夜も更けてきましたね。
ミネルナさんは、完全純白でいなくてはなりません。理由は今は申し上げられませんが。よって、この穢された状況では妖精村が他の村の配下となりかねません。或いは、妖精村そのものがなかったということも。
皆さん、これまで色々ありましたが楽しいこともたくさんあったでしょう。しかしながら、ここで区切りです。皆さんにはミネルナさんを元に戻すため時空を超えてもらいます」
え、キクスケさん!? 時空を超えるってどういうこと!?
「おい、キクスケ! 俺らを過去に戻した時もそうだったけど、お前やること一方的すぎるだろ! ミネルナは俺が必ず治す!」
ハル院長……ハルミ先生のためにショウゴ先生と一度、過去に戻ったんだっけ?
「時間切れです」
その時物凄い光が私たちを包み込んだ。私は目を閉じた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あとがき。
久々の更新ですね。
また戻っちゃう。
みんなと出会ったこと、なかったことになるのだろうか。
ここまで来て、どうしてリセット?
赤線町は……。
セナとシャムは……。
私も分からなくなってきました。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
現在、小説に関する模倣(程度による)の一切を禁じております。
詳しくはこちらを参照→ 禁止事項
無断転載もご遠慮ください。
《ナノハナ花火》の歌詞の一部を変更しました。
変更二回目ですね( 'ᢦ' )
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
『ナノハナ花火』 修正版②
桜吹雪の 紅葉神社 あなたは いつも
菜の花とかすみ草の 花束くれた
遠い昔の 紅葉花の お守り いまは
真新しい模様だらけ 存在しない
桜の花びら 水面に映る 風に 揺れて
まるで滲んだ 油絵のよう
夕闇の 紅葉橋 あなたと 手を重ね
常しなえ夜桜が ライトアップ
人は 何世紀も経てば 変わると
私もおもう
花札一式 一度も箱開けず
頼りない あなたを 本気で守りたい
紙飛行機に おぼつかない 花文
不器用な愛し方が いまも慈しすぎて
夏祭り 法被を羽織り あなたの 笑顔で
商店街は賑わって 客あつまり
突然に 降り出した 大雨に 店入り
楽しみにしてた 花火見れない
人は 何世紀も経てど 変わらぬと
私はおもう
旧友たちの 声を拾って
あなたの扇子に 誓いを重ねた
もう二度と あなたを待たせない
涙が溢れる クレナイ扇子 弾いて
天使の梯子 二重虹 くっきり
オレンジ色に染る 空をあおいで
ハイカラな 浴衣が たくさん
夜空を見上げる 刹那にナノハナ花火
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
ナノハナ花火・歌詞変更・あとがき。
以前、
『花札一式 あなたのまっさら
訓練はどうしたの 箱柄眺めて』
から
『花札一式 箱さえ開けず
頼りないあなたを 本気で守りたい』
に変更したのは、
ナミネはヨルクに強さを求めてないから。
ゆえに『訓練はどうしたの』は矛盾が生じると思い変更しました。
今回変更したのは、一番目と二番目の歌詞の強弱を付けたかったからです。
一番目は
『人は何世紀も経てば 変わると私もおもう』
のままですが二番目は
『人は何世紀も経てど 変わらぬと私はおもう』
に変更しました。
一番は、いくら愛し合っても長い時が経てば気持ちが薄れてゆく周りを見たナミネの切なさが含まれています。
けれど、セナがシャム軍医と交際した時に《本当の想いは、また思い出せる》とナミネは確信するんです。
それだけでなく、人間関係の良い面・良くない面、ヨルクのナミネへの愛情などなど……
《人はどれだけ時が経とうと簡単には変われない》ことを意味しています。
また、二番目のサビも一番目と同じ
『花札一式 一度も箱開けず
頼りない あなたを 本気で守りたい
紙飛行機に おぼつかない 花文
不器用な愛し方が いまも慈しすぎて』
でしたが、二番目は
『旧友たちの 声を拾って
あなたの扇子に 誓いを重ねた
もう二度と あなたを待たせない
涙が溢れる クレナイ扇子 弾いて』
に変更しました。
ナミネは女神の湖にて、古い学友たちに会いました。そこでヨルクが、どれだけナミネを愛していたかを聞かされます。
その時にナミネは誓いの証としてヨルクの扇子を何度も叩くのです。
そしてナミネは《もう二度とヨルクさんを待たせません!!》と言います。これは純愛偏差値の名シーンの一つとなりますね。
まだ書ききれないこと多々ですが、一部の歌詞変更の説明をさせて頂きました。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
イメージ絵は土壇場なので絵のナミネは過去絵に色を塗りました。
後書きは伝わらないこと多々かもですが一生懸命書かせて頂きました✩.*˚
イメージ絵は《ナノハナ家の日常》に載せれたらと思います(*´︶`)
オリジナル小説 純愛偏差値 詞
変更二回目ですね( 'ᢦ' )
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『ナノハナ花火』 修正版②
桜吹雪の 紅葉神社 あなたは いつも
菜の花とかすみ草の 花束くれた
遠い昔の 紅葉花の お守り いまは
真新しい模様だらけ 存在しない
桜の花びら 水面に映る 風に 揺れて
まるで滲んだ 油絵のよう
夕闇の 紅葉橋 あなたと 手を重ね
常しなえ夜桜が ライトアップ
人は 何世紀も経てば 変わると
私もおもう
花札一式 一度も箱開けず
頼りない あなたを 本気で守りたい
紙飛行機に おぼつかない 花文
不器用な愛し方が いまも慈しすぎて
夏祭り 法被を羽織り あなたの 笑顔で
商店街は賑わって 客あつまり
突然に 降り出した 大雨に 店入り
楽しみにしてた 花火見れない
人は 何世紀も経てど 変わらぬと
私はおもう
旧友たちの 声を拾って
あなたの扇子に 誓いを重ねた
もう二度と あなたを待たせない
涙が溢れる クレナイ扇子 弾いて
天使の梯子 二重虹 くっきり
オレンジ色に染る 空をあおいで
ハイカラな 浴衣が たくさん
夜空を見上げる 刹那にナノハナ花火
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ナノハナ花火・歌詞変更・あとがき。
以前、
『花札一式 あなたのまっさら
訓練はどうしたの 箱柄眺めて』
から
『花札一式 箱さえ開けず
頼りないあなたを 本気で守りたい』
に変更したのは、
ナミネはヨルクに強さを求めてないから。
ゆえに『訓練はどうしたの』は矛盾が生じると思い変更しました。
今回変更したのは、一番目と二番目の歌詞の強弱を付けたかったからです。
一番目は
『人は何世紀も経てば 変わると私もおもう』
のままですが二番目は
『人は何世紀も経てど 変わらぬと私はおもう』
に変更しました。
一番は、いくら愛し合っても長い時が経てば気持ちが薄れてゆく周りを見たナミネの切なさが含まれています。
けれど、セナがシャム軍医と交際した時に《本当の想いは、また思い出せる》とナミネは確信するんです。
それだけでなく、人間関係の良い面・良くない面、ヨルクのナミネへの愛情などなど……
《人はどれだけ時が経とうと簡単には変われない》ことを意味しています。
また、二番目のサビも一番目と同じ
『花札一式 一度も箱開けず
頼りない あなたを 本気で守りたい
紙飛行機に おぼつかない 花文
不器用な愛し方が いまも慈しすぎて』
でしたが、二番目は
『旧友たちの 声を拾って
あなたの扇子に 誓いを重ねた
もう二度と あなたを待たせない
涙が溢れる クレナイ扇子 弾いて』
に変更しました。
ナミネは女神の湖にて、古い学友たちに会いました。そこでヨルクが、どれだけナミネを愛していたかを聞かされます。
その時にナミネは誓いの証としてヨルクの扇子を何度も叩くのです。
そしてナミネは《もう二度とヨルクさんを待たせません!!》と言います。これは純愛偏差値の名シーンの一つとなりますね。
まだ書ききれないこと多々ですが、一部の歌詞変更の説明をさせて頂きました。
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イメージ絵は土壇場なので絵のナミネは過去絵に色を塗りました。
後書きは伝わらないこと多々かもですが一生懸命書かせて頂きました✩.*˚
イメージ絵は《ナノハナ家の日常》に載せれたらと思います(*´︶`)
オリジナル小説 純愛偏差値 詞