日常のこととかオリジナル小説のこととか。
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ashita
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女性
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地主(土地貸してます)
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漫画やアニメを見るのが好きです。最推しはフーディーニ ♡
自己紹介:
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ブログ、もう書かないと思ってました。
けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。
ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。
小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。
よろしくお願い致します。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
お知らせ。
イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。
また、「カラクリよろずや」にて無料のフリーイラスト素材配布もはじめました✩.*˚
フリーイラスト素材も増やしていく予定です(*'ᴗ'*)
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。
ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。
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X @kigenzen1874
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けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
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ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。
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〈資格履歴〉
2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格
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〈資格証明バナー〉

2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
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〈資格証明バナー〉

純愛偏差値 未来編 一人称版 63話
《ナミネ》
「はあー、スッキリしたあ。広いトイレですなあ」
えっ、どうしてヨルクさんがいるの!?一応後ろ向いてるけど。ヨルクさんは過保護だけれど、ここまで来ると、何だかもうストーカー。私は手を洗うと逃げるようにトイレを出ようとしたが、ヨルクさんに手を掴まれた。な、何?
「ナミネ、私といる時、楽しくない?」
どうして今そんなことを聞くの?私たち付き合ってもう5ヶ月過ぎたんだよ。
「た、楽しいです!ヨルクさんと趣味の話したり、一緒にいることそのものが楽しいです!どうしてそんなこと聞くんですか?」
「そっか、分かった」
何、この暗い雰囲気。
「わ、私、トイレ出ます」
「待って!」
え、何なの?
ヨルクさんは後ろから私を抱き締めた。そういえば、私、天使の湖に下着脱ぎ捨てたままだったんだ。ヨルクさんの紅葉の香りが強くなる。私はヨルクさんのことで頭がいっぱいになった。
私から離れるとヨルクさんは、私の手を握ったまま無言でトイレを出た。
テーブルに戻ったけれど、気まずい。
「強気なナミネ、あんた髪乱れてる。顔だけヨルク、腰パンになってる。ここレストランだ!弁えろ!」
落ち武者さんに指摘された私は咄嗟に髪を括り直した。ヨルクさんのせいなのに、どうして私まで怒られなきゃいけないの。私は恥ずかしくて俯いた。
「ナミネ、クジラのビーフシチュー可愛いね。分けてあげる」
ヨルクさんは何もなかったかのように料理の写真を撮った。ビーフシチューの上にクジラが浮かび上がっている。私も珍しくて写真に撮った。けれど、トイレの時は、あんなに縋るような態度だったのに、どうして今は普通でいられるのだろう。
「ラルク、食べあいっこしましょうよ」
「セレナール先輩、ストーカーはやめてください」
ラルクはセレナールさんのことを完全に拒否していた。
「セレナールさんて諦め悪いよね」
「ナミネ、今のイジメ兄さんに言いつけてやる!」
セレナールさんは私を目の敵にした。
「ラルク、獣がほざいてるね」
「欲情したメスゴリラだな」
私は思わず笑ってしまった。その瞬間、セレナールさんは水をテーブル全体にかけた。私と、ラルク、落ち武者さんはお皿を持って避けたが、他のメンバーの料理は水浸しになった。
「あーあ、メスゴリラさんやっちゃったね」
アルフォンス王子はカナエさんのこともあってか、セレナールさんを殴り付けた。
「何人の料理に水かけてんの?人の迷惑考えないのかよ!」
アルフォンス王子はセレナールさんを殴り続けた。
「ご、ごめんなさい。許して……」
落ち武者さんは扇子でアルフォンス王子を吹き飛ばした。セレナールさんは大声で泣きはじめた。
「セレナール、何がそんなに気に入らないのよ」
エミリさんはセレナールさんを追いつめる。
「これじゃあ食べられないわ。セレナールって気に入らないことがあればすぐにみんなに迷惑かけるのね」
セナ王女もせっかくの料理を台無しにされてかなり怒っている様子。
「あの、私とラルクと落ち武者さんの料理は無事なので、みんなで分けますか?」
「では、そうします」
「ユメ、そうしよっか」
「そうね」
「はい、僕もそれでいいです」
アヤネさんとユメさん、委員長、カラン王子は分けることに賛成したけど、他のメンバーは機嫌を損ね、注文し直した。オマケにセナ王女はセレナールさんに水をかけた。
セレナールさんはひたすら大泣きしていた。
私とヨルクさんの料理はアヤネさんに分け、落ち武者さんの料理はユメさんと委員長に分け、ラルクの料理はカラン王子に分けた。
はあ、せっかくシェフが一生懸命作ったのに、セレナールさんのせいで一口も食べない料理がいくつもあるよ。この店には申し訳ない気持ちだ。
しかし、セナ王女たちが料理を注文し直したところ、お店側はこちらの落ち度と見なし、注文拒否をした。セナ王女は王女である証を見せたもののお店側の意思は変わらなかった。
「セナ王女、ここはラルクから分けてもらいましょう。少しでも食べておかないと帰りが辛くなります」
「分かったわ」
ミナクさんの説得でセナ王女とミナクさんはラルクから分けてもらった。
「カナエは濡れた料理で構いません」
「私もカラルリと分けるわ」
カナエさんとエミリさん、カラルリさんも仕方なしに水浸しの料理を食べることになったが、アルフォンス王子だけが、納得せずセレナールさんを責め続けた。
「セレナール!水浸しになった料理は全部お前が食べろ!」
「分かったわ」
セレナールさんが水をかけたのは変わらないし、正直同情は出来なかった。けれど、何か引っかかる。セレナールさんが変わってしまったのは、紀元前村から戻ってきてからだ。
皇室にいる時までは誰よりも純粋な人だった。エミリさんも、カナエさんも。
タルリヤさんが元凶だとしか思えない。
落ち武者さんが支払いを終えた後、みんなは不機嫌そうにレストランを出た。
「じゃ、帰る」
みんなは、天使の湖へと向かいはじめた。
市場を通ると可愛らしいアクセサリーがいっぱいある。買いたいけど買えないのが残念。それにしても、古代でもこのように現代でも通用するような商品が手がけられているんだな。古代のハイテクさが伝わってくる。
天使の湖に通じる通路を通ろうとした時、伝説初級武官が現れた。えっ、60人はいる。
「セレナールをここから出すわけにはいかない」
セレナールさんが目的か。
落ち武者さん以外は咄嗟にセレナールさんから離れた。私もヨルクさんを庇いながらセレナールさんから離れた。
「みんな置き去りにしないで!助けて!」
正直置いて行きたい。でも、置いて行くとまた現代が変わってしまいかねない。
私は百人一首を全て投げた。しかし、百人一首が伝説初級武官の回りを回る前に伝説初級武官は百人一首を剣で切り、百人一首は全て地面に落ちた。
嘘でしょ。この時代の伝説初級武官強い。
「伝説武官は古代ほど任務が多かったから現代より強いんだ」
そんな……。いったいどうしたらいいの。
「強気なナミネはエルナと顔だけヨルクを天使の湖まで連れて行け!」
「はい!」
私はヨルクさんとエルナさん、ユメさん、委員長を連れて天使の湖の通路を通った。
天使の湖までは追ってこられない。ヨルクさんを安全な場所に連れてきたのだから戻らなければ。
「ヨルクさん、待っていてください」
「えっ、ナミネ行くの?どうして?ナミネ、ここにいて!」
ヨルクさんは私の手を掴んだ。
「ヨルクさん、全員でここを出なければなりません。私は必ず戻ります!」
私はヨルクさんに掴まれた手を振りほどいた。
「ナミネ、行かないで!!」
泣き出すヨルクさんをよそに私は天使村の町へ戻って行った。
「ラルク、どう?」
「ダメだ。何度百人一首投げてもすぐに落とされてしまう。これだと1人も拘束出来ない。それだけでなく、この時代の時計騎士によって時間進められて、後30分しかない!」
私たちはギリギリのところまで来ている。運が悪ければ、ここに取り残されてしまうかもしれない。私は伝説最上級武官の資格持っているのに伝説初級武官に適わないなんて。それほど現代に比べたら古代は武官を動かす頻度が高く毎日の任務で強くなっているのだろうか。
「みんな、拘束は考えるな!コイツらが怯んだうちにみんなで逃げるぞ!」
「はい、全力を尽くします!」
と行っても、この状況でどうすればいいのか分からない。その時、セナ王女が短剣1つで次々で伝説初級武官を気絶させて行った。後に続かないと!私とラルクとミナクさんは羽子板で伝説初級武官を叩いて気絶させていった。エミリさんは麻痺薬を塗った矢で、伝説初級武官を動けなくさせた。これで全員か。
「みんな、あと8分しかない!天使の湖まで走れ!」
私たちは天使の湖へ繋がる通路を抜けた。
天使の湖ではヨルクさんが泣きながら私の脱ぎ捨てた服を持っていた。あれ、カナエさんまでいたの?とにかく今は、あの途切れた橋まで行かないと!
「ヨルクさん、もう時間がありません!あの途切れた橋まで走りましょう!」
みんなは通って来た途切れた橋に向かって全力疾走した。
しかし、天使の湖を出て橋の近くまで来たところでセレナールさんが倒れた。
「きゃっ!みんな置いていかないで!」
「本当に面倒な女だな」
みんなが走る中、ラルクは吐き捨てた。セレナールさんのことは落ち武者さんが背負った。
残り12秒のところで、みんなは途切れた橋を渡り切った。
「寒っ!」
そうか、今真冬だったんだ。
「ナミネ、パンツ履いて」
「はい」
私がパンツを履いている間にヨルクさんは私に冬用のワンピースとコートを着せた。みんなも服を着ている。って、セレナールさんだけ着てない?
「姉さん、あんた服どうしたんだよ」
「忘れてきたわ」
その時、この寒さとレストランでみんなの水浸しになった料理を1人で食べたせいかセレナールさんはお腹をくだした。
「臭いな。この女迷惑ばかりかけて、今後はメンバーから抜けて欲しい」
カナエさんと仲直り出来ていないアルフォンス王子はセレナールさんを攻撃した。
「とにかく、寒いから早く電車に乗るぞ!」
私たちは天使の湖駅で切符を買い、駅員さんに判子を押してもらうと電車に乗った。
電車の中は温かい。
そうだ。気になることは今答えを知っておこう。私はスピーカーホンにしてタルリヤさんに電話をかけた。
『はい』
「あ、タルリヤさん、聞きたいことがあるんですけど……」
『何かな?』
「遠い昔、タルリヤさんはタイムマシンで皇室に来ましたよね?けれど、タルリヤさんが皇室に来るまでは、セレナールさんもエミリさんもカナエさんも恋愛は順調だったんです。私色々考えたんですけど、タルリヤさんが皇室に来て、みんなを紀元前村に連れて行ってから、セレナールさんたちの恋愛はおかしくなったように思うんです。知っていることがあれば話していただけないでしょうか?」
はぐらかされてしまうだろうか。それでも、今白黒つけないといけない気がする。
『君の言った通りだよ。貧しくてその日その日暮らしの僕の目の前に、ある日突然、未来の人が来た。バイトをすればお金をくれると言われ、僕はすぐに未来へ行った。現代からするとだいたい3500年後だと思う。未来の妖精村に連れて行かれた僕は、人口を減らすよう未来の人に命じられ、僕はタイムマシンで元の時代に戻り、妖精村のカップルを引き裂く任務に着いた。途中で逃げ出したくなったけど、皇帝陛下の命令だと言われ逆らえなかった。セレナールと皇太子様、エミリとアラン、カナエとセイも僕が関係を壊した。でも、生きていくためだったんだ』
あの頃の紀元前村の暮らしはかなり酷いものだった。何日も前のご飯を食べなくてはいけなかったし、さっきの天使村の人みたいに恋愛感情は一切知らず、成り行きで男女は関係を持ち、子孫を残した。
「そうだったんですか。タルリヤさんにも事情がおありだったのですね。今でも人口を減らす任務に就いているんですか?あ、今のターリャさんの写真送って来てもらえますか?」
『うん、今の紀元前村の実家も、あの時と何も変わってない。紀元前村は普通の村へとなって行き、一部の間では色んな研究もされている。けれど、僕が住む町はあの頃のまんまなんだ。だから、妖精村に引っ越した。姉さんはもうセレナールには似てないよ』
まさか、2019年なのに、タルリヤさんが暮らしている町だけ、あの原始的な生活を送っているだなんて!
その時、キクスケさんが現れた。
「お話聞かせてもらいました。タルリヤさんが遠い昔にしたことは規則に反しますので、あの日、皇室にタルリヤさんが来なかったよう書き換え致します。現代のカップル崩壊計画もこちらで阻止させてもらいます。
それと、初代天使村のヨルクさん毒殺事件ですが、調べたところ詳細が分かりました。カンザシさんとセレナールさんの共謀によるものでした。2人はナミネさんとヨルクさんの料理に少しずつ毒を混ぜ、2人が病気になったところでセレナールさんはヨルクさんの看病を、カンザシさんはナミネさんの看病をして、セレナールさんはヨルクさんとカンザシさんはナミネさんと結婚する計画でした。けれど、カンザシさんはヨルクさんの存在を妬み、独断で暗殺しました。カンザシさんはセレナールさんとラルクさんの留守中に家に忍び込み、頭痛に効く薬草を全て附子に変えてしまったのです。何も知らないラルクさんは頭痛を訴えるヨルクさんに煎じた薬をヨルクさんに飲ませ、その夜中、ヨルクさんは突然の心停止で亡くなりました。
それと、先程行かれた天使の湖でのことは、カンザシさんは前の晩にヨルクさんに特殊な惚れ薬と大量の性欲剤を飲ませセレナールさんに恋愛感情を抱き、ナミネさんと別れさせようとしました。けれど、2人が仲直りしたため、カンザシさんは不良を雇い、ある日、ヨルクさんとナミネさんに包丁を突き付け無理矢理別れさせました。
それでは私はタルリヤさんの過去の件を処理して来ますので、これにて失礼」
キクスケさんは去って行った。
横を見ると、ヨルクさんが泣いている。私はヨルクさんの手を握った。タルリヤさんのことはタルリヤさんも生活がかかっていたけれど、カンザシさんがしたことは許せない。私、カンザシさんのこと恨んでしまうかもしれない。実の兄なのに。
「セレナール先輩の人殺し」
「セレナールって最低ね!やっていいことと悪いことがあるでしょう!」
「セレナールが今後このグループに入って来てもみんなで無視する!」
「セレナールは悪魔なのです!」
「セレナールと一緒にいたくない!怖い!」
ラルクとセナ王女、アルフォンス王子、カナエさん、エミリさんはセレナールさんを批難した。
『もしもし、ナミネ?姉さんの画像届いた?』
あ、そうだった。タルリヤさんとの電話中だったんだ。私は慌ててメールを開いた。本当だ。髪は銀髪でショートヘアだけど、全然セレナールさんに似ていない。村の象徴であるセレナールさんは1人だけでなければならないということなのだろうか。それにしても現代のターリャさんは、お世辞にも綺麗とは言い難い。何だか可哀想。
「あ、はい、届きました。セレナールさんとは全然似てませんね。それと、さっきキクスケさんが来て、タルリヤさんはもう今の任務に就くことは出来ません」
『そんな……だったら僕はどうやって食べていけばいいんだ!』
「タルリヤさん、落ち着いてください!生活保護を申請すれば生活出来ます!方法は今送ります」
私は生活保護の手続きをタルリヤさんにメールで送った。
『考えてはみる。とりあえず一旦切るね』
タルリヤさんとの電話は切れた。
すると今度は再びキクスケさんが現れた。
「遠い昔、タルリヤさんが皇室に来たことはなかったことに修正しました。現代は紀元前村に置いてあるタルリヤさんのタイムマシンを回収して、タルリヤさんをカップル崩壊計画の任務から下ろしました。未来の番人にも話をつけ、皇帝陛下は子供を作らないよう呼びかける方針に変えました。以上が報告です」
これでタルリヤさんはもうタイムマシンでの移動が出来なくなる。タルリヤさんにとっては酷だろうけど、仕方のないことだと思う。
「あの、皇室にいたセレナールさんは純粋だったのに、途中からはどうして性格が変わってしまったのでしょうか?」
「妖精は『純』を表す生き物です。恨みや妬み、怒りなどの感情は殆ど持ち合わせていません。しかし、人間は表と裏があります。生きていくために汚い手を使ってでも我が身を大切にし、時に人より優れていると優越感に浸ったり、誰かを支配したりする生き物です。人間になってからのセレナールさんやエミリさんは妖精だった頃の感性を失われたと思われます」
そうなのか。妖精と人間ってそんなにも違うんだ。けれど、今の時代、妖精なんて見たことがない。時代と共に『純』は失われつつあるのかもしれない。
「そうですか」
私は何て答えていいか分からなかった。そして、キクスケさんは去って行った。
けれど、ちょっと待てよ。タルリヤさんは皇室に来なかったよう上書きされたんだよね。だから勿論私の記憶も変えられている。
タルリヤさんは、確かに皇室には来なかった。けれど、あの後、紀元前村から感染病が出たと妖精村に連絡が入り、応援を要求された。皇太子様自ら出向くことでセレナールさんとエミリさんたちも着いていき、紀元前村でセレナールさんたちはタルリヤさんと知り合うことになる。エミリさんはタルリヤさんと浮気をし、紀元前村から戻って来たカラクリ家での歴史は何一つ変わっていない。
番人が動いても歴史は変えられないんだ。
とりあえず私はナルホお兄様とナヤセス殿にキクスケさんから聞かされたことをメールした。
紅葉町駅に着くと、みんなはとりあえずナノハナ家に向かうことになった。
ナノハナ家に着くなり、セレナールさんはお風呂に入り、セレナールさんの汚れた水着は使用人が洗った。
第4居間ではみんながクタクタだった。
「じゃ、今からこれ見てもらう」
え、休めないの?見るって何を?
落ち武者さんは、映像をテレビで再生した。
映像は妖精村半ば頃だろうか。遠い昔の高校生くらいのミナクさんが映っていた。
ミナクさんは、同級生だろうアヤネさんと交際をしているようだった。ミナクさんは、いつも勉強をアヤネさんに教えていた。アヤネさんのアパートは築50年ほどの古い1Kのアパートだったが、それでも、ミナクさんもアヤネさんも幸せそうだった。
2人は外を歩く時は必ず手を繋いでいた。
アヤネさんはレストランのウエイトレスのバイトをしていて、アヤネさんがバイトで遅くなる日は、ミナクさんが合鍵でアヤネさんのアパートで料理を作りアヤネさんの帰りを待っていた。
学校でのお弁当も毎日アヤネさんの分もミナクさんが作っていて、アヤネさんはミナクさんの手料理を喜んで食べていた。
その関係はずっと続くかのように思われた。
けれど、ある日からアヤネさんは風邪で学校を休むようになり、心配になったミナクさんはドリスポや熱冷まし、その他ゼリーなどの差し入れを持って、合鍵でアヤネさんのアパートに入った。
するとアヤネさんは婚約後だろうカラルリさんと布団の中でことの最中だった。ミナクさんはその場に崩れ落ちた。
『嘘だろ……。アヤネさん、なんで?』
咄嗟にアヤネさんとカラルリさんは服を着た。
『ミナク、違うの。少し相談に乗ってもらっていただけよ』
アヤネさんが言うものの、ミナクさんはショックのあまり気を失いそうになっていた。
『アヤネさん、いつから?』
『ミナク、落ち着いて』
『いつからだったの?』
『本当に誤解だから!』
アヤネさんはどうにか誤魔化そうとしていた。
『アヤネさん、その人誰?何故私を裏切ったの?』
『ミナク、お願い信じて!何もしてない!』
『答えてアヤネさん。いつから私を裏切っていたの?理由は?』
アヤネさんは黙り込んだ。
『そっか、もういい』
『待って!2ヶ月前から!いっときの気の迷いだった!どうか許して』
アヤネさんはミナクさんにすがりついた。
『酷いねアヤネさん。もうここには来ないし学校でも話さない』
ミナクさんは合鍵を置いてアパートを出た。
……
あとがき。
レンタル屋さんに行くと、映画 タイムマシンの横に映画 タイムラインがあるんですけど、2つは相反する内容なんです。
私はタイムライン派でしたが、今となってはタイムマシンの深みが分かるようになってきたと思います。
何より、私の書く小説は絶対に歴史は変えられないようになっていますから。歴史を変える小説からはじまってからの今の小説。
私も年月が経って物事の考え方が変わったのかもしれません。
ちなみに、私はアドラー心理学よりフロイト学を信じているので、物語も過去を遡って答えを探すように進めています。
ミナクとアヤネの映像の続きは次回です。
《ナミネ》
「はあー、スッキリしたあ。広いトイレですなあ」
えっ、どうしてヨルクさんがいるの!?一応後ろ向いてるけど。ヨルクさんは過保護だけれど、ここまで来ると、何だかもうストーカー。私は手を洗うと逃げるようにトイレを出ようとしたが、ヨルクさんに手を掴まれた。な、何?
「ナミネ、私といる時、楽しくない?」
どうして今そんなことを聞くの?私たち付き合ってもう5ヶ月過ぎたんだよ。
「た、楽しいです!ヨルクさんと趣味の話したり、一緒にいることそのものが楽しいです!どうしてそんなこと聞くんですか?」
「そっか、分かった」
何、この暗い雰囲気。
「わ、私、トイレ出ます」
「待って!」
え、何なの?
ヨルクさんは後ろから私を抱き締めた。そういえば、私、天使の湖に下着脱ぎ捨てたままだったんだ。ヨルクさんの紅葉の香りが強くなる。私はヨルクさんのことで頭がいっぱいになった。
私から離れるとヨルクさんは、私の手を握ったまま無言でトイレを出た。
テーブルに戻ったけれど、気まずい。
「強気なナミネ、あんた髪乱れてる。顔だけヨルク、腰パンになってる。ここレストランだ!弁えろ!」
落ち武者さんに指摘された私は咄嗟に髪を括り直した。ヨルクさんのせいなのに、どうして私まで怒られなきゃいけないの。私は恥ずかしくて俯いた。
「ナミネ、クジラのビーフシチュー可愛いね。分けてあげる」
ヨルクさんは何もなかったかのように料理の写真を撮った。ビーフシチューの上にクジラが浮かび上がっている。私も珍しくて写真に撮った。けれど、トイレの時は、あんなに縋るような態度だったのに、どうして今は普通でいられるのだろう。
「ラルク、食べあいっこしましょうよ」
「セレナール先輩、ストーカーはやめてください」
ラルクはセレナールさんのことを完全に拒否していた。
「セレナールさんて諦め悪いよね」
「ナミネ、今のイジメ兄さんに言いつけてやる!」
セレナールさんは私を目の敵にした。
「ラルク、獣がほざいてるね」
「欲情したメスゴリラだな」
私は思わず笑ってしまった。その瞬間、セレナールさんは水をテーブル全体にかけた。私と、ラルク、落ち武者さんはお皿を持って避けたが、他のメンバーの料理は水浸しになった。
「あーあ、メスゴリラさんやっちゃったね」
アルフォンス王子はカナエさんのこともあってか、セレナールさんを殴り付けた。
「何人の料理に水かけてんの?人の迷惑考えないのかよ!」
アルフォンス王子はセレナールさんを殴り続けた。
「ご、ごめんなさい。許して……」
落ち武者さんは扇子でアルフォンス王子を吹き飛ばした。セレナールさんは大声で泣きはじめた。
「セレナール、何がそんなに気に入らないのよ」
エミリさんはセレナールさんを追いつめる。
「これじゃあ食べられないわ。セレナールって気に入らないことがあればすぐにみんなに迷惑かけるのね」
セナ王女もせっかくの料理を台無しにされてかなり怒っている様子。
「あの、私とラルクと落ち武者さんの料理は無事なので、みんなで分けますか?」
「では、そうします」
「ユメ、そうしよっか」
「そうね」
「はい、僕もそれでいいです」
アヤネさんとユメさん、委員長、カラン王子は分けることに賛成したけど、他のメンバーは機嫌を損ね、注文し直した。オマケにセナ王女はセレナールさんに水をかけた。
セレナールさんはひたすら大泣きしていた。
私とヨルクさんの料理はアヤネさんに分け、落ち武者さんの料理はユメさんと委員長に分け、ラルクの料理はカラン王子に分けた。
はあ、せっかくシェフが一生懸命作ったのに、セレナールさんのせいで一口も食べない料理がいくつもあるよ。この店には申し訳ない気持ちだ。
しかし、セナ王女たちが料理を注文し直したところ、お店側はこちらの落ち度と見なし、注文拒否をした。セナ王女は王女である証を見せたもののお店側の意思は変わらなかった。
「セナ王女、ここはラルクから分けてもらいましょう。少しでも食べておかないと帰りが辛くなります」
「分かったわ」
ミナクさんの説得でセナ王女とミナクさんはラルクから分けてもらった。
「カナエは濡れた料理で構いません」
「私もカラルリと分けるわ」
カナエさんとエミリさん、カラルリさんも仕方なしに水浸しの料理を食べることになったが、アルフォンス王子だけが、納得せずセレナールさんを責め続けた。
「セレナール!水浸しになった料理は全部お前が食べろ!」
「分かったわ」
セレナールさんが水をかけたのは変わらないし、正直同情は出来なかった。けれど、何か引っかかる。セレナールさんが変わってしまったのは、紀元前村から戻ってきてからだ。
皇室にいる時までは誰よりも純粋な人だった。エミリさんも、カナエさんも。
タルリヤさんが元凶だとしか思えない。
落ち武者さんが支払いを終えた後、みんなは不機嫌そうにレストランを出た。
「じゃ、帰る」
みんなは、天使の湖へと向かいはじめた。
市場を通ると可愛らしいアクセサリーがいっぱいある。買いたいけど買えないのが残念。それにしても、古代でもこのように現代でも通用するような商品が手がけられているんだな。古代のハイテクさが伝わってくる。
天使の湖に通じる通路を通ろうとした時、伝説初級武官が現れた。えっ、60人はいる。
「セレナールをここから出すわけにはいかない」
セレナールさんが目的か。
落ち武者さん以外は咄嗟にセレナールさんから離れた。私もヨルクさんを庇いながらセレナールさんから離れた。
「みんな置き去りにしないで!助けて!」
正直置いて行きたい。でも、置いて行くとまた現代が変わってしまいかねない。
私は百人一首を全て投げた。しかし、百人一首が伝説初級武官の回りを回る前に伝説初級武官は百人一首を剣で切り、百人一首は全て地面に落ちた。
嘘でしょ。この時代の伝説初級武官強い。
「伝説武官は古代ほど任務が多かったから現代より強いんだ」
そんな……。いったいどうしたらいいの。
「強気なナミネはエルナと顔だけヨルクを天使の湖まで連れて行け!」
「はい!」
私はヨルクさんとエルナさん、ユメさん、委員長を連れて天使の湖の通路を通った。
天使の湖までは追ってこられない。ヨルクさんを安全な場所に連れてきたのだから戻らなければ。
「ヨルクさん、待っていてください」
「えっ、ナミネ行くの?どうして?ナミネ、ここにいて!」
ヨルクさんは私の手を掴んだ。
「ヨルクさん、全員でここを出なければなりません。私は必ず戻ります!」
私はヨルクさんに掴まれた手を振りほどいた。
「ナミネ、行かないで!!」
泣き出すヨルクさんをよそに私は天使村の町へ戻って行った。
「ラルク、どう?」
「ダメだ。何度百人一首投げてもすぐに落とされてしまう。これだと1人も拘束出来ない。それだけでなく、この時代の時計騎士によって時間進められて、後30分しかない!」
私たちはギリギリのところまで来ている。運が悪ければ、ここに取り残されてしまうかもしれない。私は伝説最上級武官の資格持っているのに伝説初級武官に適わないなんて。それほど現代に比べたら古代は武官を動かす頻度が高く毎日の任務で強くなっているのだろうか。
「みんな、拘束は考えるな!コイツらが怯んだうちにみんなで逃げるぞ!」
「はい、全力を尽くします!」
と行っても、この状況でどうすればいいのか分からない。その時、セナ王女が短剣1つで次々で伝説初級武官を気絶させて行った。後に続かないと!私とラルクとミナクさんは羽子板で伝説初級武官を叩いて気絶させていった。エミリさんは麻痺薬を塗った矢で、伝説初級武官を動けなくさせた。これで全員か。
「みんな、あと8分しかない!天使の湖まで走れ!」
私たちは天使の湖へ繋がる通路を抜けた。
天使の湖ではヨルクさんが泣きながら私の脱ぎ捨てた服を持っていた。あれ、カナエさんまでいたの?とにかく今は、あの途切れた橋まで行かないと!
「ヨルクさん、もう時間がありません!あの途切れた橋まで走りましょう!」
みんなは通って来た途切れた橋に向かって全力疾走した。
しかし、天使の湖を出て橋の近くまで来たところでセレナールさんが倒れた。
「きゃっ!みんな置いていかないで!」
「本当に面倒な女だな」
みんなが走る中、ラルクは吐き捨てた。セレナールさんのことは落ち武者さんが背負った。
残り12秒のところで、みんなは途切れた橋を渡り切った。
「寒っ!」
そうか、今真冬だったんだ。
「ナミネ、パンツ履いて」
「はい」
私がパンツを履いている間にヨルクさんは私に冬用のワンピースとコートを着せた。みんなも服を着ている。って、セレナールさんだけ着てない?
「姉さん、あんた服どうしたんだよ」
「忘れてきたわ」
その時、この寒さとレストランでみんなの水浸しになった料理を1人で食べたせいかセレナールさんはお腹をくだした。
「臭いな。この女迷惑ばかりかけて、今後はメンバーから抜けて欲しい」
カナエさんと仲直り出来ていないアルフォンス王子はセレナールさんを攻撃した。
「とにかく、寒いから早く電車に乗るぞ!」
私たちは天使の湖駅で切符を買い、駅員さんに判子を押してもらうと電車に乗った。
電車の中は温かい。
そうだ。気になることは今答えを知っておこう。私はスピーカーホンにしてタルリヤさんに電話をかけた。
『はい』
「あ、タルリヤさん、聞きたいことがあるんですけど……」
『何かな?』
「遠い昔、タルリヤさんはタイムマシンで皇室に来ましたよね?けれど、タルリヤさんが皇室に来るまでは、セレナールさんもエミリさんもカナエさんも恋愛は順調だったんです。私色々考えたんですけど、タルリヤさんが皇室に来て、みんなを紀元前村に連れて行ってから、セレナールさんたちの恋愛はおかしくなったように思うんです。知っていることがあれば話していただけないでしょうか?」
はぐらかされてしまうだろうか。それでも、今白黒つけないといけない気がする。
『君の言った通りだよ。貧しくてその日その日暮らしの僕の目の前に、ある日突然、未来の人が来た。バイトをすればお金をくれると言われ、僕はすぐに未来へ行った。現代からするとだいたい3500年後だと思う。未来の妖精村に連れて行かれた僕は、人口を減らすよう未来の人に命じられ、僕はタイムマシンで元の時代に戻り、妖精村のカップルを引き裂く任務に着いた。途中で逃げ出したくなったけど、皇帝陛下の命令だと言われ逆らえなかった。セレナールと皇太子様、エミリとアラン、カナエとセイも僕が関係を壊した。でも、生きていくためだったんだ』
あの頃の紀元前村の暮らしはかなり酷いものだった。何日も前のご飯を食べなくてはいけなかったし、さっきの天使村の人みたいに恋愛感情は一切知らず、成り行きで男女は関係を持ち、子孫を残した。
「そうだったんですか。タルリヤさんにも事情がおありだったのですね。今でも人口を減らす任務に就いているんですか?あ、今のターリャさんの写真送って来てもらえますか?」
『うん、今の紀元前村の実家も、あの時と何も変わってない。紀元前村は普通の村へとなって行き、一部の間では色んな研究もされている。けれど、僕が住む町はあの頃のまんまなんだ。だから、妖精村に引っ越した。姉さんはもうセレナールには似てないよ』
まさか、2019年なのに、タルリヤさんが暮らしている町だけ、あの原始的な生活を送っているだなんて!
その時、キクスケさんが現れた。
「お話聞かせてもらいました。タルリヤさんが遠い昔にしたことは規則に反しますので、あの日、皇室にタルリヤさんが来なかったよう書き換え致します。現代のカップル崩壊計画もこちらで阻止させてもらいます。
それと、初代天使村のヨルクさん毒殺事件ですが、調べたところ詳細が分かりました。カンザシさんとセレナールさんの共謀によるものでした。2人はナミネさんとヨルクさんの料理に少しずつ毒を混ぜ、2人が病気になったところでセレナールさんはヨルクさんの看病を、カンザシさんはナミネさんの看病をして、セレナールさんはヨルクさんとカンザシさんはナミネさんと結婚する計画でした。けれど、カンザシさんはヨルクさんの存在を妬み、独断で暗殺しました。カンザシさんはセレナールさんとラルクさんの留守中に家に忍び込み、頭痛に効く薬草を全て附子に変えてしまったのです。何も知らないラルクさんは頭痛を訴えるヨルクさんに煎じた薬をヨルクさんに飲ませ、その夜中、ヨルクさんは突然の心停止で亡くなりました。
それと、先程行かれた天使の湖でのことは、カンザシさんは前の晩にヨルクさんに特殊な惚れ薬と大量の性欲剤を飲ませセレナールさんに恋愛感情を抱き、ナミネさんと別れさせようとしました。けれど、2人が仲直りしたため、カンザシさんは不良を雇い、ある日、ヨルクさんとナミネさんに包丁を突き付け無理矢理別れさせました。
それでは私はタルリヤさんの過去の件を処理して来ますので、これにて失礼」
キクスケさんは去って行った。
横を見ると、ヨルクさんが泣いている。私はヨルクさんの手を握った。タルリヤさんのことはタルリヤさんも生活がかかっていたけれど、カンザシさんがしたことは許せない。私、カンザシさんのこと恨んでしまうかもしれない。実の兄なのに。
「セレナール先輩の人殺し」
「セレナールって最低ね!やっていいことと悪いことがあるでしょう!」
「セレナールが今後このグループに入って来てもみんなで無視する!」
「セレナールは悪魔なのです!」
「セレナールと一緒にいたくない!怖い!」
ラルクとセナ王女、アルフォンス王子、カナエさん、エミリさんはセレナールさんを批難した。
『もしもし、ナミネ?姉さんの画像届いた?』
あ、そうだった。タルリヤさんとの電話中だったんだ。私は慌ててメールを開いた。本当だ。髪は銀髪でショートヘアだけど、全然セレナールさんに似ていない。村の象徴であるセレナールさんは1人だけでなければならないということなのだろうか。それにしても現代のターリャさんは、お世辞にも綺麗とは言い難い。何だか可哀想。
「あ、はい、届きました。セレナールさんとは全然似てませんね。それと、さっきキクスケさんが来て、タルリヤさんはもう今の任務に就くことは出来ません」
『そんな……だったら僕はどうやって食べていけばいいんだ!』
「タルリヤさん、落ち着いてください!生活保護を申請すれば生活出来ます!方法は今送ります」
私は生活保護の手続きをタルリヤさんにメールで送った。
『考えてはみる。とりあえず一旦切るね』
タルリヤさんとの電話は切れた。
すると今度は再びキクスケさんが現れた。
「遠い昔、タルリヤさんが皇室に来たことはなかったことに修正しました。現代は紀元前村に置いてあるタルリヤさんのタイムマシンを回収して、タルリヤさんをカップル崩壊計画の任務から下ろしました。未来の番人にも話をつけ、皇帝陛下は子供を作らないよう呼びかける方針に変えました。以上が報告です」
これでタルリヤさんはもうタイムマシンでの移動が出来なくなる。タルリヤさんにとっては酷だろうけど、仕方のないことだと思う。
「あの、皇室にいたセレナールさんは純粋だったのに、途中からはどうして性格が変わってしまったのでしょうか?」
「妖精は『純』を表す生き物です。恨みや妬み、怒りなどの感情は殆ど持ち合わせていません。しかし、人間は表と裏があります。生きていくために汚い手を使ってでも我が身を大切にし、時に人より優れていると優越感に浸ったり、誰かを支配したりする生き物です。人間になってからのセレナールさんやエミリさんは妖精だった頃の感性を失われたと思われます」
そうなのか。妖精と人間ってそんなにも違うんだ。けれど、今の時代、妖精なんて見たことがない。時代と共に『純』は失われつつあるのかもしれない。
「そうですか」
私は何て答えていいか分からなかった。そして、キクスケさんは去って行った。
けれど、ちょっと待てよ。タルリヤさんは皇室に来なかったよう上書きされたんだよね。だから勿論私の記憶も変えられている。
タルリヤさんは、確かに皇室には来なかった。けれど、あの後、紀元前村から感染病が出たと妖精村に連絡が入り、応援を要求された。皇太子様自ら出向くことでセレナールさんとエミリさんたちも着いていき、紀元前村でセレナールさんたちはタルリヤさんと知り合うことになる。エミリさんはタルリヤさんと浮気をし、紀元前村から戻って来たカラクリ家での歴史は何一つ変わっていない。
番人が動いても歴史は変えられないんだ。
とりあえず私はナルホお兄様とナヤセス殿にキクスケさんから聞かされたことをメールした。
紅葉町駅に着くと、みんなはとりあえずナノハナ家に向かうことになった。
ナノハナ家に着くなり、セレナールさんはお風呂に入り、セレナールさんの汚れた水着は使用人が洗った。
第4居間ではみんながクタクタだった。
「じゃ、今からこれ見てもらう」
え、休めないの?見るって何を?
落ち武者さんは、映像をテレビで再生した。
映像は妖精村半ば頃だろうか。遠い昔の高校生くらいのミナクさんが映っていた。
ミナクさんは、同級生だろうアヤネさんと交際をしているようだった。ミナクさんは、いつも勉強をアヤネさんに教えていた。アヤネさんのアパートは築50年ほどの古い1Kのアパートだったが、それでも、ミナクさんもアヤネさんも幸せそうだった。
2人は外を歩く時は必ず手を繋いでいた。
アヤネさんはレストランのウエイトレスのバイトをしていて、アヤネさんがバイトで遅くなる日は、ミナクさんが合鍵でアヤネさんのアパートで料理を作りアヤネさんの帰りを待っていた。
学校でのお弁当も毎日アヤネさんの分もミナクさんが作っていて、アヤネさんはミナクさんの手料理を喜んで食べていた。
その関係はずっと続くかのように思われた。
けれど、ある日からアヤネさんは風邪で学校を休むようになり、心配になったミナクさんはドリスポや熱冷まし、その他ゼリーなどの差し入れを持って、合鍵でアヤネさんのアパートに入った。
するとアヤネさんは婚約後だろうカラルリさんと布団の中でことの最中だった。ミナクさんはその場に崩れ落ちた。
『嘘だろ……。アヤネさん、なんで?』
咄嗟にアヤネさんとカラルリさんは服を着た。
『ミナク、違うの。少し相談に乗ってもらっていただけよ』
アヤネさんが言うものの、ミナクさんはショックのあまり気を失いそうになっていた。
『アヤネさん、いつから?』
『ミナク、落ち着いて』
『いつからだったの?』
『本当に誤解だから!』
アヤネさんはどうにか誤魔化そうとしていた。
『アヤネさん、その人誰?何故私を裏切ったの?』
『ミナク、お願い信じて!何もしてない!』
『答えてアヤネさん。いつから私を裏切っていたの?理由は?』
アヤネさんは黙り込んだ。
『そっか、もういい』
『待って!2ヶ月前から!いっときの気の迷いだった!どうか許して』
アヤネさんはミナクさんにすがりついた。
『酷いねアヤネさん。もうここには来ないし学校でも話さない』
ミナクさんは合鍵を置いてアパートを出た。
……
あとがき。
レンタル屋さんに行くと、映画 タイムマシンの横に映画 タイムラインがあるんですけど、2つは相反する内容なんです。
私はタイムライン派でしたが、今となってはタイムマシンの深みが分かるようになってきたと思います。
何より、私の書く小説は絶対に歴史は変えられないようになっていますから。歴史を変える小説からはじまってからの今の小説。
私も年月が経って物事の考え方が変わったのかもしれません。
ちなみに、私はアドラー心理学よりフロイト学を信じているので、物語も過去を遡って答えを探すように進めています。
ミナクとアヤネの映像の続きは次回です。
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