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日常のこととかオリジナル小説のこととか。
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ashita
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女性
職業:
地主(土地貸してます)
趣味:
漫画やアニメを見るのが好きです。最推しはフーディーニ ♡
自己紹介:
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ブログ、もう書かないと思ってました。

けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。

小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。

純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。

元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。

ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。

小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。

よろしくお願い致します。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

お知らせ。

イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。

また、「カラクリよろずや」にて無料のフリーイラスト素材配布もはじめました✩.*˚

フリーイラスト素材も増やしていく予定です(*'ᴗ'*)

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。

ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。

小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。

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X @kigenzen1874

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〈資格履歴〉

2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格

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〈資格証明バナー〉

鉛筆デッサンマスター®認定試験資格取得証明
絵画インストラクター資格資格認定証
宝石鑑定アドバイザー資格認定試験資格取得証明
鉱石セラピスト資格資格保持証明
茶道アドバイザー資格認定試験資格取得証明
お点前インストラクター資格資格認定証
着物マイスター®資格認定試験資格取得証明
着付け方インストラクター資格資格認定証
サイキックアドバイザー®資格資格証明
サイキックヒーラー資格資格保持証明
アンガーカウンセラー®資格資格保持証明
アンガーコントロール士資格資格認定証
漢方コーディネーター®資格認定試験資格保持証明
薬膳調整師®資格認定試験資格保持証明
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純愛偏差値 未来編 一人称版 138話

《ナミネ》

ミナクさんはセナ王女と正式交際をした。それも、二人とも記憶を思い出してのことだった。最初は驚いたものの、人生というものに答えなどない。いくら、前世でああだったからと言って、現世も同じかと言えば異なる場合もある。私は、あまり経験のないことだから、その辺は詳しくはないが。
少なくとも二人は、ナナミお姉様とシャム軍医の存在を受け止めた上での交際だと言えるだろう。けれど、カラルリさんと今回も付き合うことを思うと、ミナクさんで良かったと思う。
また、同じ展開になったり、その他のことで、どちらかが傷付くこともあるかもしれないけど、私はもうカラルリさんを応援することは出来ない。ミナクさんは、遊びの女とは全て縁を切ったし、今はどう見てもセナ王女に釘付けだし、このまま幸せになってほしい。
だって、ナヤセス殿だって運命の人が二人いるのだから、どちらかと一緒になるのは本人の気持ちやタイミング、双方の時間軸が一致してこそ成り立つもとだと思う。私は運命の人はヨルクさんだけだけど。少なくとも現世に関してはミナクさんとセナ王女には二人いる可能性があるということなのだろう。恐らく、ナヤセス殿も。
「ナミネ、早く着替えて! あと20分しかないよ!」
2020年の時は出来なかった茶道体験。まさか、5月の終わりに行うことになるなんて思ってもみなかった。
「あ、はい!」
今年は紅葉柄の着物にしよう。青い紅葉柄の着物。商店街のお得意さんの冬桜呉服店で仕入れたものだ。二つあったから、ラルクとお揃いで買った。帯は青い紅葉柄。今の私なら半巾帯でもいいのだけど、やはり半幅帯にした。パール帯は一応は購入したが、茶道体験では使えない。髪は、長いままアレンジして紅葉のかんざしを付けた。
「へえ、アンタ似合うじゃん」
落ち武者さん、いつ着付けてもらうのだろう。
「ちょっと、落ち武者さんナミネの着替え見ないで!」
と言っても、もう着物を着ている。
今日はラハルさんが来るから楽しみだ。だから、気合いが入ったのかもしれない。ただ、私が受け持つ第四教室は一般人が気軽にお茶会感覚で来るから他の教室に比べて満員になる。だから、ラハルさんには事情を話し、ナナミお姉様の第三教室に行ってもらうことにした。ナナミお姉様もリリカさんも大喜びだ。皇太子様とカラン王子も第三教室に行ってもらえることになった。そして、カラン王子はこちらのグループに入ったのである。
「私、教室行きますので皆さんはごゆっくり来てください」
私は第四教室へと急いだ。
そういえば、裏番人の噂が出ているとか。キクスケさんの裏番人……。何だかいやな気がする。それだけでなく、過去の一部は裏番人によって操られていたものもあるとか。事実はまだ分からないが、前より危険が迫っていることは確かだ。私も早くヨルクさんに思い出してほしいけど、もう夢ごとを言っている場合ではない。

第四教室には、既にたくさんの体験者が来ていた。
色々あったから、久々な気がする。2024年の世界でも多分毎年していただろうけど。それはビデオを見たら分かることか。
遠い昔は高校生になった時に第三教室を任され、第四教室はナノハナ家の講師が受け持っていた。その時も、何故か私の教室には溢れんばかりの人がいた。
「セルファさんは第一教室でしょう!」
あ、カナエさんだったら本格的に極めた方がいいだろう。年に一度なわけだし。それにしても、カナエさんは赤い着物が良く似合う。そして、髪はいつも下ろしている。
「僕、第四教室だけど?」
落ち武者さんって、ひと月で本当にカナエさんと別れてくれるのだろうか。
「セルファさん、動画なら僕が撮りますので第一教室に行ってください」
あ、以前も撮影してもらっていたことあったっけ。
体験者が集まって来た。私は落ち武者さんを廊下に出し、襖を閉めた。
「皆さん、本日は茶道体験にお越しくださりありがとうございます。第一教室は上級者向け、第二教室は初級者向け、第三教室は中級者向け、この第四教室は初心者向けとなっております。講義中の移動は可能ですので、お好きな教室の体験をしてください。
では、最初に簡単な説明を行います」
って、聞いている人あまりいない。この後出てくるナノハナ食堂のお菓子目当てだろうか。私は続けた。
「茶道と聞くと、少し小難しく考える人もいるかもしれません。けれど、仲の良い友達同士が開くお茶会にてお菓子と共にお茶をいただき、お友達と楽しい時間を過ごすのも、また茶道の1つです。
基本、お菓子はお盆に載っています。お菓子が自分のところへ来たら一言「お先に」と左の隣の人に言いましょう。お菓子は、だいたい2つほど手で取ります。汚れてしまった手は懐紙で拭いてください。お菓子は、手で食べても黒文字で食べてもどちらでも大丈夫です。出来れば、お菓子はお茶をちょうだいする前に食べたほうがいいですね。
『お手前頂戴いたします』これは、お茶をちょうだいする時に亭主に言ってください。
茶道は、今や様々な流派があります。
ここは第4教室なので、基本的な説明を軽くさせてもらいました。
それでは、実際に茶菓子を食べてみましょう」
初心者向けなだけに詳しいことは言えない。簡単な教科書が配布されるのは中級者向けからだ。初心者向けは簡単なパンフレット。けれど、第四教室以外は、多かれ少なかれ茶道に興味を持っていて、第一教室に来る人は既に茶道教室を開いている人もいる。
私は一人一人の前に茶菓子を置いて行った。
ミドリお姉様はと言うと、完全に武家の道からは離れ、ひたすらピアノを練習している。
「なあ、ズームって、こういうとこ興味あったのか?」
ロォラさん! 来てたんだ! ということは、ロォハさんも生きている可能性は高い。そして、ロォラさんは恐らくズームさんが、この茶道体験に参加するから来たのだろう。
「どうぞ」
私は、ロォラさんの前に茶菓子を置いた。
「ロォラ、なんでいるんだよ! 宿は取ってるのか?」
やっぱり、この二人いい感じ。
「後一時間したら帰る」
帰るって、ここまで遠かっただろうに。
「宿取るから泊まっていけ!」
ズームさんて、元イジメっ子とはいえ、ロォラさんには態度が違う。私と交際していた時は、どこまでも真面目だったのに。
「あ、部屋空いていますので良かったら泊まっていってください」
ロォラさんには色々聞かないといけないことがある。
「ズームも泊まるのか?」
あ、やっぱり気になるか。なんだか微笑ましい。
「ああ、泊まる。夜は危ないからお前も泊まっていけ!」
ツンデレズームさんもなかなか良い。
「ナミネ、セレナール先輩来てる。カラルリさんも。第四居間で白黒つけようと思う」
あ、ラルクいたんだ。
「うん、そうだね。解決はしないだろうけど、逃げれば逃げるほど不利って思う人の気持ち悪化するだけだもんね」
本来、上下など存在しない。全くではないが、冷静になれば、惨めだと思わなくて済みやすい。
私は体験者に着付け体験のチラシを配った。
「来月は着付け体験も行います。これも、第一教室から第四教室までありますので、興味のある方はご参加ください」
今年はイベントが多くなりそうだ。茶道教室の講師出来たのは嬉しいけれど、ナノハお姉様の計算だろう。ナノハお姉様は知らないフリをしている。
「ズーム、着付け体験も来るのか?」
なんかもう好きって言っているみたいに聞こえる。
「ロォラには関係ないだろ!」
ズームさんて元は本当にツンデレなんだ。
「そういえば、ミネルナさんとアニキ交際するかもしれないんだ」
未来は変わっていると思っていた。けれど、変わらないものも存在している。
「あの、そのお話、後で詳しく聞かせてもらえませんか?」
やっぱり運命はあると思う。こんなにバラバラになったのに、また他人同士が再び出会い、深い中になるだなんて。
「あ、ああ」
あと半時間で16時だ。帰っていく体験者もいる。お喋りを続けている体験者もいるが。直に帰るだろう。第一教室は19時まで話し込んでいたりもするけれど。それだけ、茶道の道を極めたい思いが伝わって来る。茶道の道を歩まなくても体験に来てくれる人がいるだけで講師のやりがいがある。
「ナミネ、この後話し合いがあるなら、カナエさんと夕ご飯の準備して来るから」
少し早いけど、キクリ食堂の下準備はナノハナ食堂より早い。
「あ、ヨルクさん! ツーショット撮りませんか?」
やっぱり想い出は残したい。
「うん、そうしよう」
私とヨルクさんは中庭に向かった。

ここで何度ヨルクさんと写真を撮っただろう。
「アンタら抜けがけ? てか、まだ体験終わってないだろ」
どうして落ち武者さんがここに……。
「あ、ヨルクさんとの想い出を撮りたいんです」
カナエさんはどうしたのだろう。
「じゃ、撮ってやる」
意外に素直だ。私は落ち武者さんにフェアホを渡した。
私はヨルクさんの手を握った。ヨルクさんも握り返してくれた。
「はい、よーせいむら」
古代のカラクリ家での……。どうして落ち武者さんが知っているのだろう。私は落ち武者さんからフェアホを受け取った。なかなか良い感じに撮れている。
「ナミネ、それ私のところにも送って」
ヨルクさん……。互いに好きなのに、2024年に繋がる2020年の記憶がないだけで、恋人になれないことは辛い。ずっと辛い。けれど、あの時よりもっと危ない状況だし、恋愛のことを考え過ぎている場合でもない。分かっているのに、早くヨルクさんに記憶を思い出してもらいたくて胸がキュッと締め付けられる。
「はい」
でも、やっぱりヨルクさんとの縁談をまとめたい。今の状況だと不安で仕方ない。どこか、落ち武者さんとカナエさんが羨ましかったのは、仮でも交際していることにあるのだと思う。形より中身と人は軽々しく言うが、武家はどちらかというと形も肝心である。特に縁談なんかはそうだろう。
私はヨルクさんに写真を送った。
「待ち受けにするね」
ヨルクさんは、今の状態でいいのだろうか。
「ヨルクさん! ヨルクさんは、将来的に私のお婿さんになってくれるのでしょうか?」
多分、聞くタイミングを間違えた。
「はい、その話は今はなしね? 姉さんがあんなことになったのに、アンタらだけ幸せになるの不公平」
はあ、落ち武者さんに遮られてしまった。私も夕飯の下ごしらえしようかな。
「ナミネ、私はナミネの気持ちがラルクではなく私に向いているのなら、今すぐではないけど、ナミネと交際するつもりだよ。2020年のこと云々ではなくて、ナミネの気持ちの確証がほしいんだ」
か、確証!? これだけ気持ちを伝えていても少しも伝わっていない。いざ、逆の立場になればこんなにも苦しく、こんな感情をヨルクさんは何世紀も抱いていたのか。あんなお願いしなければよかった。今からでも天使村最後の番人に取り消したい。ヨルクさんを二度と好きにならないようになんて間違いすぎていた。どれだけ苦しくても好きを失うべきではなかった。
「ヨルクさんの気持ちは分かりました。もういいです。これ以上の引き伸ばしは、その気がないとも取れますゆえ、縁談は他でまとめます」
どうして待てないのだろう。どうして素直になれないのだろう。どうしてこんなにも一方的になってしまうのだろう。
「ナミネ、引き伸ばしているわけではない! 気持ちが追い付かないんだ! ついこないだまでラルクラルク言っていたナミネが私に気があるというのが、どうしても分からない。でも、他の縁談は待ってほしい!」
こんなにも互いの『好き』がすれ違うのは苦しい。ミナクさんとセナ王女が羨ましい。仮交際している落ち武者さんとカナエさんも羨ましい。
今の私、惨めだ。
「もういいです!! ヨルクさんの縁談はお受けしません! 私、ラハルさんと交際します!!」
私は泣きながら自分の部屋へ走った。

部屋に入るとラハルさんがいた。
「ラハルさん!?」
会うの、とても久しぶりに感じる。記憶はないものの、夢で見ているなら、2020年を知っているわけだし、そこまで遠い存在というわけではない気がする。
「ナミネ、やっと会えた」
ラハルさんは私を抱き締めた。この感覚、懐かしい。ラハルさんは本当に変わらない。
「今日、お休み取れたのですか?」
ラハルさんは私を抱き締めたままだ。
「忌引き休暇使った」
なんか、そういう展開のドラマを見た気がする。誰を殺めたのだろう。
「そうなのですね。この後、話し合いがあるのですが、ラハルさんは、ここで休んでいてください」
ラハルさんは無関係だし、巻き込みたくない。
「僕も参加する。だいたいの事情はフェアリー日記で知ったし、あちら側こちら側より、みんなの声を聞きたい」
やっぱりラハルさんは、どこまでも真面目だ。優等生っていいな。芸能界でも清純派だし。
「分かりました。あ、ニンジャ妖精ももうすぐデビューだとか」
ああ、久しぶりに会ったのに、どうでもいいことを聞いてしまった。
「うん、ミツメはソロだけどね。記憶は全員覚えてないよ。マモルがセレナール見たら、また同じことにならないか不安なんだよね。あ、ナミネ。コマーシャル出てくれない?」
コマーシャル。前の世界ではラハルさんとよくコラボしていた。何も知らないあの頃、グルグル妖精さんのマンションでプチパーティーしたり楽しかった。今となっては遠く感じてしまう。実際、半年は過ぎているし。
「はい、出ます! どのようなコマーシャルですか?」
あれ、途切れた。私がよく知っているコマーシャルではないのだろうか。
「41%の華の涙のヒロインを演じてほしい。43%の恋の涙の姉妹作なんだ。ナミネ次第だけど、僕は43%の恋の涙、共演したナミネに演じてほしい」
姉妹作出たんだ。やっぱり、実話で似たような内容だろうか。
「あの内容って……」
姉妹作なら、また同じ演技をすることにはなるだろう。
「43%の恋の涙は脚本が甘いと、本当の事件にもっと近付けた内容かな。黒鈴酷華された女の子が、その犯人と恋仲になるんだ」
それって、遠い遠い前世、ベテラン俳優が演じていた実話を元に描かれた映画。が、リメイクされたのか。ラハルさんなら、必ず配慮してくれる。こんな時期だけど、やりたいことを諦めるのも違う気がする。
「やります! ヒロインやります! えっと、43%の時のような格好でいいんですよね?」
キュート女優のようなことは出来ない。
「うん、『さよなら、ごめん、でも……』と変わりないよ。あれは、フリだよね。スポーツブラに下はミニスカートまではなってもらわないといけないけど、どうかな?」
スポーツブラなら、下着と言うよりインナー的なものだし、いわゆる、ブラウスを脱がされる時のシーンだろう。
「はい、私はかまいません! ラハルさんと共演したいです!」
さっきの涙はすっかり枯れていた。女優になるわけではない。けれど、ラハルさんとの縁だから。
「良かった。あくまで主役にスポットを当てた映画だから、黒鈴酷華した他の役者も、その前に逃げた子もエキストラだよ」
そうなのか。事件そのものは、『さよなら、ごめん、でも……』ではじめて知ったけれど、ヒロインは何度もパニックになりながらも許せなくて許せなくて恨みながらも犯人の一人への恋心までは隠せなかった。ラハルさんとなら演じ切れる!
「私、絶対に期待に応えます!」
色々ある日常の中、1つの希望が見えた気がした。
「じゃあ、来月の頭に予告のコマーシャルに出て。髪は切らなくていいから。寧ろ、そほのうが雰囲気出ると思う」
そうか、ヒロインは美容院にも行けないくらい病んで、休学し、ホスピタルに入るんだっけ。
「ナミネ! 立ち聞きしてたわけじゃないけど、本当にラハルさんと交際するの? その映画で水花卒業するの?」
いきなりヨルクさんが扉を開けて入って来た。扉の前に居ただなんて全然気付かなかった。
「あ、はい」
めちゃくちゃ気まずい。
「交際しないよ。ナミネにはヨルクしかいないから。残念だけどね。映画もフリだから。正直、交際のことは焦らなくていいと思うけど。僕はこの15年が本物だと思い込んでいたし、寧ろ、正確に覚えている人の方が少ないと思うよ」
残念……。ラハルさんて今でも私のことを……? いい人。カンザシさんとは大違い。こんな風に真剣に想ってくれる人がいるのに、ヨルクさんを手放したくない気持ちが確定していて申し訳ないけれど、やっぱりヨルクさんとの縁談はちゃんとまとめたい。
「そうですよね。このようなことになり、まさかの未来まで変わって混乱もしました。だから、確かなものにしがみつこうとしていたのかもしれません」
ラハルさんがいるせいか、素直になってしまう。交際相手がラハルさんなら、常に素直にいられたと思う。というか、喧嘩とかした記憶ないし、上手くいっていたはず。
「ナミネと交際する! 2020年とか2024年とか分からないけど、それでも縁談書、何度も届けていたのは事実だし」
2024年でも縁談書ずっと届けてくれてたんだ。けれど、曖昧な状況下で言われてもパッとしない。
「すみません。今のヨルクさんとお付き合いすることは出来ません。その確証とやらを明らかにするまで待ちます」
辛いけど……! 辛いけど……! ミナクさんやセナ王女のような自然的な流れでない限り、後から何らかの混乱が生じると思う。恐らく行き違いも。
「違う! 幼稚園の時、ナミネ、泣きながら『ラルクのことが好きだから』私とは婚約破棄するって言って、あれから部屋に閉じこもってずっと泣いてた。一度婚約した仲で凄く浮かれてたから割り切れなくって辛くって苦しくって……。今はそうじゃないけど、あれからはずっと一人で片想いだった。でも、ナミネが今現在私を好きなら交際したい!」
そっか。私の身勝手は、ヨルクさんをただただ悲しませていたのか。幼稚園の頃とはいえ、何気なく……ではないか。泣きながら言った婚約破棄はヨルクさんにとてつもない苦しみを与えていた。そんなこと知らなかった。『分かった』て言われたから、それで終わりだと思っていた。でも、私も違った。何度もヨルクさんの部屋に行っては不在の部屋で眠って、気が付けばヨルクさんが布団に入れてくれていたこと。もうあの時点で私はヨルクさんのことを意識していたんだ。確かにラルクのことは、どうしようもなく好きでたまらなかった。例え、番人云々でなくても『好き』という気持ちはあったと思う。でも、いくらラルクが特別な人でも、私が結婚したいのはヨルクさんだ。ラルクのセレナールさん好きだって、とっくに応援しているし。最後の紅葉橋だってそう。私は、ヨルクさんへの『好き』に気付けないままヨルクさんを手放してしまった。
「お気持ちは分かりました。ヨルクさんをそこまで苦しませていたとは知りもしませんでした。私が愚かでした。けれど、交際は不自然な形ではなく、自然的にそのような関係になりたいと私は思っています。そろそろ話し合いの時間です」
私は立ち上がった。
「ちょっと素直じゃないね」
え、そうなのだろうか。私、ドラマのような恋愛形式に夢でも見ているのだろうか。お互いに気持ちが同じなら今すぐ交際するのが逆に自然なのだろうか。分からない。ただ、ヨルクさんを縛り付けずに手放したくない気持ちだけは確かに実感している。
「そっか。分かった」
やっぱり上手くいかない。さっき、交際すると言えば良かったのだろうか。どうしてこんなにもすれ違ってしまうのだろう。

第四居間では、重たい空気が流れている。
「ハッキリ言うわ! 今後、セレナールとカラルリの別荘の出入りは禁止したから! グループから抜けないなら私とミナクがグループ抜ける!」
もう、この二人は最初から馬が合わないのだろう。原点がいくら、カラルリさんの取り合いでもだ。
「何よそれ! イジメだわ! それにユメさんまで私を裏切っていただなんて。皇帝陛下にかけ合うから!」
落ち武者さんが話したか。
「狡いわね。セレナールってセリルとその弟後ろ盾にして、人の気持ちを考えられない愚か者よ!」
けれど、ユメさんがしたことは許されることではない。皇帝陛下から罰を言い渡されてもおかしくはない。ラハルさんは黙って聞いている。ここには記憶のない者もいるから迂闊な発言は出来ない。
セレナールさんが湯呑みを持った瞬間、落ち武者さんがユメさんにお茶をかけた。話し合いだと言うのに、どうして熱いお茶なんか……。誰が持ってきたのだろう。
「熱い!!」
ユメさんはその場に蹲った。アルフォンス王子は主治医を呼んだ。
「あの、話し合いなので暴力はやめてもらえませんか?」
この話し合いには仲裁がいない。セレナールさんが悪者にならないためだろうけど、ここで暴れてほしくはない。
「時間ずれユメのしたことも十分暴力だけど? 時間ずれユメのした暴力は許されるわけ? それ誰が決めた? 僕は甘えセナのことも捌くつもりだけど?」
ダメだ。落ち武者さん、めちゃくちゃ怒ってる。
「落ち武者さん、どちらもセレナールさんにとっては酷だけど、少なくともセナ王女は体育館でセレナールさんに見捨てられたことを気にしてて……その……」
恋人は庇い合うものなのか。ヨルクさんはどうだったっけ。なんだかもう、前の世界が遠く感じる。あの時は、私も許されないことを数々してしまった。自分の中の何かがそうさせた。まるで、膨らみ切った風船がパンッて弾けるように。
「ラルク! 待ちなさいよ!」
このタイミングでラルクとリリカさんが入って来た。ラルクは、ちゃっかりセレナールさんの隣に座った。
「え、この子ミナクの弟? そっくりね! てか、リリカも来てたの?」
リリカさんの着物姿めちゃくちゃ久しぶりだ。武家なだけに、やっぱり似合うなあ。リリカさんはラハルさんを見たが何も言わない。
「ええ、茶道に興味あるの」
そうか、リリカさんもプライベートと学校は分けているんだっけ。私はそこまでではないし、そもそも周りに言われただけで自覚はないけれど、リリカさんはお嬢様を演じている。
そして、カラルリさんの前で頭を下げた。
「カラルリさん、すみません。ミナクがご迷惑をおかけして」
兄弟はこういうものなのだろうか。何だかパッとしない。
「え、何かあったの?」
そうか、記憶がないと色々ややこしくなってしまう。
「いや、リリカは何も悪くない。ただ、私はミナクにセナさん寝盗られて、それでもセナさんを想っているのに、セナさん騙されたままで。私の前でセナさんにこういうことしてたんだ」
カラルリさんはリリカさんにフェアホを見せた。なんかカラルリさんって昔からセコイところあるような。真面目で勉強も出来るのに、どこか残念な人だ。
「そんな……ミナクが……」
リリカさんは驚いたフリをした。
「違う。ミナクとセナさんは正式交際してるの! 私はセナさんとカラルリに見捨てられてユメさんからは武官を使って襲わされたの! 私、グループにイジメられているの!」
正式交際……か。こんな時なのに自分のことを考えてしまう。
「そうだったの。セレナール、仲間が出来たって喜んでたわよね。ここだと私は部外者だからセレナールの話は学校でじっくり聞くわ。少なくとも私はセレナールのこと友達だと思ってる」
リリカさんは群れを嫌う。基本は単独行動。こんなふうに誰かに合わせながら自分を見失わないって大変なことなんだろうな。
「ありがとう、リリカ……。私もうリリカしかいない」
セレナールさんはリリカさんに泣き付いた。
「ちょっと!! やっぱりラハルいるじゃない!! ナミネ、どうして言ってくれないのよ!」
はあ、次から次へと。私はナナミお姉様の花札を扇子で吹き飛ばした。
「ナナミお姉様、今真剣な話をしているので、ここから出てもらえませんか?」
ナナミお姉様は私を睨み付けたかと思ったら、ミナクさんを蹴り飛ばした。
「アンタ! 王女弄んだって学年中の噂になってるわよ! 本当最低ね! アンタみたいな男大嫌い!」
懐かしい人は懐かしい光景だろう。ナナミお姉様の嫌いは好きの裏返し。ずっとミナクさんのこと見てたのを見てきたから。ここに集まっていた時からずっと。
「ナナミ、今は出ましょう。状況説明するわ」
武家は基本、歳上の言うことは聞かなくてはならない。会社とは違う上下関係があるのである。
「分かりました……」
やっとナナミお姉様が出てくれる。ラハルさんとは後で話せばいい。
「ナナミ、聞いてくれ! ミナクは私からセナさん奪っただけじゃなく、私の目の前でセナさんに黒鈴酷華したんだ! セナさん中古品になっちゃった」
はあ、やっと話し合いに戻れると思ったのに。どうして敢えて引き止めるのだろう。これでは、リリカさんも何も言えなくなる。
「そ、そんな……!」
ナナミお姉様、ガチで驚いている。ほぼ嘘にここまで反応されると調子が狂ってしまう。話し合いは延期にするしかないか。
「あー、ラハルここにいたんだあ。連絡ありがとう。コラボ、顔は伏せててもいいかな? 出来ればネットだけの配信にしてほしいかな」
そこまで話進んでいたのか。
「ミドリお姉様だけ狡いです!」
ここはどうにかミドリお姉様に摘み出してもらうしか……。
「うん、構わないよ。この後、一緒に練習していい?」
ラハルさん、ミドリお姉様のこと高く評価してるんだ。私も負けてられないな。
「うん、構わないよ。うーん、ナナミを連れ出した方がいい? みんなのお話聞いた方がいい?」
いや、どうして敢えて加わろうとするのだろう。
「ミドリ、今真剣な話してて、ナナミを連れ出してくれるかな。ナナミとは後で話すから」
その瞬間、案の定ナナミお姉様の顔色が変わった。ラハルさん、今夜は泊まりだな。いつまでいれるのだろう。忌引休暇だから、そう何日もいれないか。
「分かった。リリカはどうする? ラハルは今日ここに泊まるから、話す時間は必ず作るよ。この話し合い1時間経っても終わらないなら私が終わらせるから」
なるほど。ミドリお姉様も前の世界を知っているわけか。1時間という目安があるなら持ち堪えるまで。
「私もナナミと出ます。ラハル、後で。セレナール、学校でね」
ミドリお姉様は、ナナミお姉様とリリカさんを連れ出した。私は思わずため息を着いた。
「え、さっきの緑の髪の二人が、この子のお姉さん? 上の人とは似てるわね」
え、はじめて言われた。私だけ似ていなくて、私はお母様似で……。どうしてミドリお姉様と似てるって感じたのだろう。
「あ、一応姉ですので。ラルクがセレナールさんのファンで、公式ファンクラブ作って欲しいそうです」
私は話を逸らした。
「本当? じゃあ、作っちゃおうかな。可愛いわね、ラルク」
今のセレナールさんにとって、ラルクは落ち武者さんのような存在だろうか。けれど、もうカラルリさんへの気持ちは薄れている気がする。悪い人ではないのだけど、容量が悪いというか、運がないというか、これはこれで可哀想な人だ。カンザシさんほどでないならマシだとは思うが。
「あ、えと、クレナイ家三男のラルクです。セレナール先輩の噂は中等部まで広がってまして、僕は小学生の時から憧れてるんです!」
もう早速告白みたいなことをしている。ヨルクさんも奥手じゃなければなあ。でも、私は奥手なヨルクさんが好きなんだ。私から再度交際を申し込もう。
「ラルク、お前面食いだな」
いや、それミナクさんが言うか? セナ王女だって美人だろうに。
「ミナクお兄様には言われたくありませんが」
どっちもどっちだ。ヨルクさんの、よく分からないタイプを思うと。遠い前世の、他の女との縁談の基準が未だに分からないのは私だけだろうか。
「あ、もしかしてリリカの弟? よく見たら似てる!」
に、似てるかな。金髪と黒髪という時点で似てない気がするけれど。
「え、全然似てませんよ。私はセレナールさんが姉だったら良かったと、はじめて会った時から思っていました」
うーん、リリカさんのほうがビシッとしてるし、やっぱりリリカさんがクレナイ家を仕切るから、クレナイ家は成り立っていると思う。
「ねえ、さっきからセレナールばかりチヤホヤされてるけど、私、その弟に熱湯かけられたんだけど!」
今は辛いかもしれない。けれど、ユメさんにはクラフがいる。クラフに出会えたらユメさんは不幸から解放され、幸せになれる。教えてあげたいのに、それは禁忌だから出来ないのがもどかしい。
「だから言ってるだろ? アンタから暴力奮ったんだろうがよ!」
暴力には暴力。それは、ある程度はどの家庭にもあるかもしれないが、ユメさんは幸せになれるのに。クラフ、どこにいるの……。
「あの、このタイミングですが、カラン王子の食事会ってありますか?」
話し合いなのにヨルクさんのことを気にしてしまう。
「ええ、あるわ。カランの奢りでね。場所は紅葉レストランの五つ星ホテルよ」
あの時と同じだ。告白のタイミング……。
「なあ、ズーム。私はいつ話せばいいんだ?」
そうだった。私がロォラさんに話してほしいって言って、ゴタゴタになって今に至っている。
「今は黙ってろ!」
その時、カナエさんとヨルクさんが夕飯を運んで来た。
「ヨルク、ポイント稼ぎかよ。ダセーな」
カラルリさん、今にもブチ切れそうだ。もう話し合いの終わりをミドリお姉様に頼むしかないだろうか。
「カラルリさん。あなたが嫌いなのは私でしょう。わざわざ弟に八つ当たりしないでもらえます?」
表面上では何も分からない。ある程度表に出していても気付かないのが人間だ。カラルリさんが最も嫌っているのはヨルクさん。自分が一番ハンサムだと思っていたのが、クレナイ家とナノハナ家が武家として稼働しはじめ、お武家連盟に加わってから、カラルリさんはヨルクさんを目の敵にしている。
「え、この子がセルファの同級生? みんな似てるわね」
ヨルクさんだけは似ていない。ヨルクさんはお母様似だから。私と同じお母様似だから。千里眼で何か見えているのだろうか。やはり、セリルさんの妹。あなどれない。
「あ、落ち武者さんのお姉様」
セレナールさんも着物が似合う。というか、もはや芸能人レベルだ。
「ヨルクは似てませんよ。気も弱いですし」
あれ、セナ王女ちょっとヤキモチ妬いてる?
「やっぱりセレナールって狡い。ユメさん、こんなの気にすることないわ。ユメさんのことはアルフォンスが悪いんだし、セレナールってあたかも主役気取りで私嫌いだわ」
その瞬間、落ち武者さんはフェアリーパッドを机に置いた。あの商店街のカフェの映像だ。けれど、セナ王女は少しも動じない。
「アンタ、思ったより肝座ってるな」
そこがセレナールさんとの性格や相性の分かれ目だろう。ミナクさんはクスリと笑った。
「セナ王女のこと、また1つ知れて嬉しいです」
二人は見つめ合った。
「引かれるかと思った」
本当に本当に恋人なんだ。
「引きません。この時のセナ王女、具合悪そうですし」
そんなふうには見えないけど。どこが具合悪いのだろう。
「エッチ」
えええ。もはや、惚気だ。
私はラルクにもたれかかった。
「ねえ、ラルク。私のお婿さん優柔不断なんだよね」
このシチュエーションは地味に昨日のように感じる。こういう時間感覚は不思議だ。それが妖精村の特徴なのだろうけど。
「けど、ナミネはヨルクお兄様がいいんだろ?」
ヨルクさん以外は考えられない。
「うん。頼りないけど。あ、ロォラさんの着物姿似合ってるよね」
あれ、着た時は私服だった。この着付け方、ナノハお姉様か。着付けてもらってるの全然気づかなかった。
「まあ、似合うわな。カナエさんと違って淡い赤ってところが本人の魅力引き出してるし、兵児帯とのコラボでお姫様みたいだな」
本当、お姫様みたい。ズームさんは逃しちゃいけない気がする。
「なあ、ズーム。この子らも友達なのか?」
なんとなく、私とラルクのような関係に見えたりもするけれど、同じようで全く違う。
「ロォラの着付け、カナエよりレベル高い。私もお姫様みたいな着付けが良かったな」
セレナールさんは何着てもお姫様だろうに。カナエさんへの当てつけだろうか。
「セレナール先輩は今のほうが僕はいいと思います」
そうかもしれない。ナノハお姉様は武家の作法はほぼ完璧だけど、あまり完璧で本格すぎるのは銀髪のセレナールさんには返って派手になりそうな気もする。
「だね〜。水色ってチョイスがセレナールさんの良さ引き出してるよね〜」
淡い水色はセレナールさん自身の美しさを引き出すには持ってこいの色合いだ。
「あの、カラルリさんのことですが……」
その瞬間、ユメさんが投げた湯呑みがロォラさんに当たった。セレナールさんに当てようとして誤って当たったというところだろうか。着物はビショ濡れだ。
「ロォラ!!」
ズームさんは素早く数式を書き、ロォラさんに氷の舞を譲渡した。
「なあ、ズーム。私恨まれてるのか?」
熱くなかったのだろうか。もう今日は話し合いは無理だ。
「バチが当たったんだ! それより大丈夫なのか? 主治医呼ぶぞ?」
ズームさんも好きなんだ。自覚なさそうだけど。まるで41%の華の涙みたい。
「大丈夫。元カレに根性焼きされてたから」
こんなにも容姿に恵まれているのに男運悪すぎる。それも本命はズームさんなのに。
「ごめん! わざとじゃない! 火傷した?」
誤魔化そうとしても無駄だ。
「あ、ああ。何ともない」
その時、ナノハナ家主治医がロォラさんを診た。主治医は塗り薬を置いて行った。
「あの、ユメさん、やめてもらえませんか? 怒られるの私なんです!」
気が付けば私はユメさんに扇子を突き付けていた。
「ズーム、この着物いくらするんだ?」
ズームさんはロォラさんの首に薬を塗った。
「1億はする。弁償は僕がするから。これは一点物だから特注の必要あるけど、ロォラが零したわけじゃないから心配するな」
1億を簡単に出せるブランケット家。
「うーん、アニキにローン組んでもらう」
あ、そうか。私が伝説武官の資格証あるってことは……ロォハさんも医師免許を所有しているってことだ。けれど、明らかユメさんが悪い。それにセレナールさん襲わせたことも、いかなる場合も許されたことではない。
「私が出すわ」
とセナ王女が言うと同時にカラルリさんはズームさんに泣き付いた。
「どこの誰だか分からないけど助けてほしい! 礼は必ずする!」
その瞬間、ラルク、ミナクさん、落ち武者さんはカラルリさんに扇子を突き付けた。
「なあ、一目惚れカラルリ。それは虫が良過ぎないか? 僕は反対だけど?」
カラルリさんはセレナールさんにそこまで酷いことはしていないが、あの体育館でのことはマイナスポイントになってしまったか。
「カラルリ先輩、それは狡くないですか? セレナール先輩よりセナ王女を優先し、セレナール先輩の人生狂っていたらどうしてくれるんですか!」
ラルクは怒ると怖いというか、歯止めが聞かなくなる。今は抑えているほうだけど、ブチ切れたらどうなることやら。
「カラルリさん、ご自分で組んだ転生ローンでしょう。ご自身で返済してください」
みんなで出し合うことは、今は無理か。でも、元々はセナ王女が組ませたし、ナルホお兄様もカラルリさんの意思だとカラルリさんが緑風華するまで負いつまっていたこと気付いていなかったし。なんか、いやな予感がする。
「ねえ、みんなやめて! どちらかしか助けられないって言われたんでしょ? 私だって冷静な判断出来ないし、カラルリさんだけが悪いわけじゃないよね?」
どうして間の悪いことするのだろう。
「おい、ヨルク! 喧嘩売ってんのか!!」
カラルリさんはヨルクさんに湯呑みを投げたが、咄嗟にミナクさんが結界をかけた。
「カラルリさん、表出てもらえます?」
ミナクさんはカラルリさんに扇子を突き付けた。その時、セレナールさんがカラルリさんを引っぱたいた。
「カラルリ、あなたどうかしてるわ! 今のカラルリはミナクに勝てると思わないし、カラルリが私を見捨てたからこうなってるんじゃない!」
セレナールさんのヒロイン気取りは役者レベルだ。本番では大根になるのに、こういう時のセレナールさんはドラマのヒロインそのものだ。
「あの、僕は近々大金を動かさなければならないんです。どうしてもお困りでしたら兄に相談しますが」
ズームさん……人がよすぎる。大金てことは、カンザシさんデビューか。芸能界の裏金も相当なんだろうな。それでも、カンザシさんをデビューさせなければズームさんがいなくなってしまうもしれない。
「やっぱりいい。私はズームにどうにかしてもらおうとは思わない。バイトする」
本心は真面目なロォラさん。やっぱりズームさんとロォラさんはお似合いだ。
「聞きました? カラルリさん。ロォラさんは自分は悪くないのにズームさんに頼ろうとせず自力でどうにかしようとしています。それに対し、カラルリさんは他力本願、他力本願、他力本願、他力……」
その瞬間、カラルリさんはミナクさんを殴ろうとしたが、ミナクさんは扇子を開いた。カラルリさんて、こんなに弱かったっけ。
「恵まれズーム、アンタさ、自分のことだけでも精一杯なんだから、こんなクズのこと考えんな! アンタ必要な人材だ。消えられたら困るんだよ!」
このナノハナ家で暴れまくり。私は百人一首を投げようとした。
「あの、皆さん……!」
その瞬間、ラハルさんが立ち上がった。
「部外者だから口を挟むつもりなかったけど。まず、ロォラは弁償しなくていい。持ち主に事情話せば分かってくれる。転生ローンの返済はカラルリ一人でとまでは言わないけど、本当に誰かを頼りたいなら、今みたいに暴れないでくれる? みんなももうちょっと冷静になってほしい」
ラハルさんは本当に本当に、あの時のままだ。遠い……いや、そこまで遠くない前世で交際していた時の優しくて真面目でリーダーシップのラハルさんのまま。
その時、扉が開いた。
「ちょっと時間切れかな」

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あとがき。

今度はナミネとヨルクがもどかしくなってる?

茶道体験実施出来たのは良かったし、ミドリのラハルのコラボ、ナミネとラハルの共演も希望が見えてきた気がする。

その反面、転生ローンや後回しにされる苦しみを訴えるメンバーがいることに悲しさ感じたり。

今となってはカラルリのみ悪いとは言い切れないような。

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この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。

また、程度によりますが模倣はご遠慮願います。
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