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日常のこととかオリジナル小説のこととか。
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プロフィール
HN:
ashita
Webサイト:
性別:
女性
職業:
地主(土地貸してます)
趣味:
漫画やアニメを見るのが好きです。最推しはフーディーニ ♡
自己紹介:
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ブログ、もう書かないと思ってました。

けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。

小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。

純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。

元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。

ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。

小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。

よろしくお願い致します。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

お知らせ。

イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。

また、「カラクリよろずや」にて無料のフリーイラスト素材配布もはじめました✩.*˚

フリーイラスト素材も増やしていく予定です(*'ᴗ'*)

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。

ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。

小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。

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X @kigenzen1874

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〈資格履歴〉

2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格

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〈資格証明バナー〉

鉛筆デッサンマスター®認定試験資格取得証明
絵画インストラクター資格資格認定証
宝石鑑定アドバイザー資格認定試験資格取得証明
鉱石セラピスト資格資格保持証明
茶道アドバイザー資格認定試験資格取得証明
お点前インストラクター資格資格認定証
着物マイスター®資格認定試験資格取得証明
着付け方インストラクター資格資格認定証
サイキックアドバイザー®資格資格証明
サイキックヒーラー資格資格保持証明
アンガーカウンセラー®資格資格保持証明
アンガーコントロール士資格資格認定証
漢方コーディネーター®資格認定試験資格保持証明
薬膳調整師®資格認定試験資格保持証明
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純愛偏差値 未来編 一人称版 140話

《ナミネ》

「セナ元帥! もう一度、僕とやり直してもらえませんか?」
どういうこと? 今そんな発言したら、シャナが余計に苦しむじゃない。
私たちは、カラルリさんに襲われてナノハナ家から逃げたセナ王女とミナクさんを探すべく、廃墟になった写真館へ行った。そこで、思いの外、ヨルクさんが記憶を取り戻したのである。ただ、油断は出来ない。真新しいアルバムのみが床に落ちていたあたり、キクスケさんか他の誰かによる何らかを目的としたものである可能性もある。
けれど、私はヨルクさんに思い出してもらえて、とても嬉しかった。
その後、私たちは、セナ王女の汚れた服をどうにかするため紅葉病院へ行った。
そこで、なんとシャナがいたのである。
シャナは、2020年で飛ばされず、2023年までの世界を知っていた。シャム軍医は職場で知り合った同僚と恋仲になりセナ王女に別れを告げたところ、セナ王女はシャナに復讐をしたらしい。
また、ズームさんや落ち武者さんによると、この世界で未来の自分に出会うこともありうるとか。
「私、ミナクと交際してるの。それに、今そういうこと言われたら余計にシャナから恨まれるし迷惑だわ!」
そりゃそうだ。ミナクさんより早くに出会っていたなら可能性もあっただろうけど、こんな状況では付き合えたもんじゃない。
「ていうか、そもそもなんで心変わりしたんだよ?」
それって今重要だろうか。シャナがこんなに苦しんでいるのに。ナヤセス殿とは出会わなかったのだろうか。
「交際して1年くらいしたら、セナ元帥からブランドなど強請られるようになって、転生ローンも組んだし、セナ元帥が喜んでくれるならと最初は負担ではなかったけど、だんだん負担になった。仕事してから転生ローンは返せたけど、癒しがほしかった。そんな時に職場の同僚と両想いになってセナ元帥を見捨ててしまった。後悔している。ちゃんと話し合うべきだったと思うし、同僚のことは恋愛ではなかった。僕が愛していたのはセナ元帥だけだった」
何だか煮え切らない言い分。他に揺れた時点で私だったら元の関係に戻ろうとは思えないと思う。いっときの気の迷いみたいなものでシャナの人生が壊れてしまったかと思うと、シャナが可哀想すぎる。
けれど、シャム軍医にまでブランドを強請っていたとは思わなかった。恋人というのは最初だけなのだろうか。それともセナ王女がもたれかかっただけなのか。
「覚えていないことを言われても私には何も出来ない。もしシャナが何かしてきたらルール違反よ? レナードに今日のこと話すわ」
セナ王女も折れない。といっても、全く身に覚えないことを言われても人は解釈しきれないものだ。寧ろ、取り乱しながら突き放すのが普通だろう。残酷だけど。
けれど、私は今のシャナを助けたい。
「ナミネ、悪いけど、今ナミネに降板されたら困るし、今は映画のことだけ考えてくれないかな?」
そう……だった。私は、ラハルさんと最高の作品にすると誓った。シャナのこと直ぐにでも助けたいけれど今は出来ない。ナヤセス殿も、シャナを選ぶかロナさんを選ぶか分からない。私に出来ることは何もないかもしれない。
「あ、はい、すみません。私、ラハルさんと最高の作品になるよう精一杯演じます!」
一度引き受けた仕事に支障をきたすことは許されない。シャナには申し訳ないけど、ラルクに連絡して意見を伺おう。私は、フェアホを取り出し、ラルクにレインを打った。
「じゃ、僕たちは別のとこで寝る。甘えセナはもう女遊びミナクと付き合ってるし、アンタら迷惑」
何もそんな言い方しなくっても。シャナもシャム軍医も仲間だったはずなのに。やっとカラルリさんの転生ローンがゼロに出来たと思ったら、今度はまた別の問題に苛まれている。私たちに問題のない日は与えられないのだろうか。
「ナミネ、一緒に寝よう」
ヨルクさんは私の手を繋いで来た。シャナの問題さえなければこのまま恋人に戻れるかもしれないのに、シャナがいる手前、私のみ幸せを見せつけてしまったらシャナが可哀想だ。
「すみません。私、一人で寝ます」
どうして……どうして上手くいかないのだろう。
「シャナのことはカナエが見てます。皆さんは休んでください」
ここでもカナエさんは率先して困難な問題を引き受ける。やっぱりカナエさんは変わらない。
「アンタ、聞こえなかった? この二人とこちら側は関わらないけど?」
落ち武者さん、どうしてそんなに冷たいのだろう。氷河期町にいた時、あれだけ助け合った仲じゃない。
「それはセルファさんの身勝手な言い分です。カナエはセルファさんの召使いではありません」
カナエさんて、本当ハッキリ意見言う人だなあ。小さい頃は私たちの面倒見ててくれていたし末っ子にしてお姉さん要素も兼ね備えているのかもしれない。
「召使いのような存在としてって契約だけど?」
そういえば、落ち武者さんに償うような約束してたんだっけ。
「ねえ、セナ王女。今妊娠何ヶ月?」
え、どういうことなのだろう。シャナが何かしたのだろうか。それともミナクさんとの……?
「アンタ、何かすると思ってた。悪いけど、アンタ見た時に裏番人封じしといたから。アンタだったんだな。裏番人と通じてたの。けど、甘えセナを助けるのも今回切り。僕が先手打ってなかったら、今頃アンタ中絶も出来なくなってたけど?」
裏番人!? シャナに仕えているの!? ダメだ。今はこの問題はラルクに預けないと。
「あなた、よくも……!」
セナ王女めちゃくちゃ怒っている。本人には全くもって記憶ないことだし怒るのも当然かもしれないけど、やっぱりシャナが可哀想だ。
「セナ王女、行きましょう。シャナ、お前にはガッカリした」
ミナクさんは半ば無理矢理セナ王女の手を引っ張って、この部屋から出て行った。
「ナミネ、僕らも行こう」
ラハルさんは一瞬、シャナを切なそうに見た。
「あ、はい」
シャナとここで会ったのは本当に予想外だった。助けたい。けれど、私には41%の華の涙を演じ切る使命がある。
「ナミネまで私を見捨てるの? ナミネって自分さえ良ければそれでいいの?」
引き止められるのはいつも私だ。理由は分からないけどモヤモヤする。
「そうじゃないよ! シャナとここで再会すると思わなかった! ラルクには連絡したし、撮影終わったらまた会いに来る! シャナのこと助けるから!」
その気持ちに偽りはない。けれど、シャナからしてみれば酷だろう。私は普通に学校に通って、女優業までする。でも、シャナは全てを失った。私が知らないセナ王女によって人生を奪われた。私たちがシャナと関わること自体が残酷なのかもしれない。
「私より撮影のほうが大事なんだ! そういうの友達と呼ばないし自分の幸せ見せ付けてるだけだよね」
やっぱりこうなってしまう。友人が困っていたら、やりたいこと諦めなければならないのだろうか。
もはや、入院している人とそうでない人とは時間軸が違う。同じ空間に存在しながらシャナは別の世界に生きているのだ。

数日後、私とラハルさんは41%の華の涙の予告コマーシャル撮影を行った。
シャム軍医は相変わらずセナ王女にアプローチしているらしく、シャナはあの後駆け付けたラルクによって落ち着きを取り戻したものの、セナ王女のことを許せないままでいる。また、シャナはラルクを頼りつつもある。ラルクとセレナールさんの間に亀裂が入らないか心配だ。
ナヤセス殿に手紙は出したが返事は返って来ていない。
41%の華の涙は脚本を見た時に、さよなら、ごめん、でも……と殆ど同じだと感じた。脚本家は確実に世に広めるつもりだ。モデルは、この世界に存在しているか分からないし、いつの事件かも今となっては曖昧である。それでも、ラハルさん同様、私も世に伝えたい思いでいる。
そして今日、撮影が行われる。読み合わせはプロの役者さんとしていたため、エキストラのみんなと会うのははじめてだ。
ラハルさん含め、中学2年生という設定だからか、4人のエキストラは中学2年生らしい。私は身長が低いし、みんなより1つ下だけど中学2年生に見えるだろうか。
スカートは思ったより短い。事件に巻き込まれた学生のその時の服装なのだろう。
ラルクはセレナールさんと紅葉病院でシャナを見ている。セナ王女とカラルリさんには同じ空間にはいてほしくないけど、私の撮影ということで来てしまっている。
虹色街は、あの頃とあまり変わっていないと思う。
ナナミお姉様とリリカさんはラハルさんに釘付けだ。
「ナミネ、本当に大丈夫? 撮影中に変なことされたりしたら……」
ヨルクさんは心配しすぎだ。エキストラとはいえプロを目指す役者なのだから。それに、 さよなら、ごめん、でも…… だってフリをするだけだった。あの演技はリアル過ぎて本当の事件を目の前で見ているようだった。
この時の私は、真実を全く知らなかった。さよなら、ごめん、でも…… でヒロインを演じた女優は何も知らないまま黒鈴酷華に持ち込まれ必死に抵抗し、それがリアリティあると評判になったものの、第二まで失った女優は絶ったことを。本当の雰囲気をそのまま出すため、監督が裏でアドリブをするよう話していたことは女優には知らされていなかったのである。それを私が知るのは全然遠くない未来であった。
「ヨルクさん、心配しすぎです。私は大丈夫です」
この時の私の考えは甘すぎた。それに気付くのは数十分後。
撮影がはじまる。私たちは配置に付いた。

「41%の華の涙 撮影スタート!」
はじまった。
エキストラは、レインレルさん、ハランレさん、ミルミークさん、ヨハナカさんの4人。そして、ラハルさん含め私たちは同じ中学校の同級生で同じクラスという設定になっている。
「何だか不気味ね」
真夜中の廃墟になった本屋の中でレインレルさんが身震いした。エキストラとはいえ、演技力はある。
「怖がりすぎじゃないのか?」
ミルミークさんは懐中電灯を顔に当てた。驚いたハランレさんは転んで下着が丸見えになった。レースの下着。確か下着はスポーツタイプのものと指定されていたはず。何かが違う。
「とりあえず、あの畳の部屋に入ろ」
私は脚本を元に戻した。
ラハルさんに手を取られながらハランレさんは立ち上がり、私たち6人は奥の畳の部屋に入って懐中電灯を照らしながら輪になった。
「この時期だから暖房も冷房もいらなくて肝試しにはちょうどいいな」
こんなセリフだっけ? ミルミークさんがアドリブ使ったのだろうか。NGは出ない。
「うん、そうだね。夏に入りかけの春の夜って過ごしやすいよね。私たち2年生だけど、みんな夢とかあるの?」
私はまた脚本通りに戻した。
「うーん、特にないかな」
ラハルさんは脚本通りに進めている。そして、ラハルさんに続くように他のメンバーも特にないと答えた。
「あー、そうだよね。私も勉強についていくだけで精一杯で夢とか考える余裕ないや」
現実は違うけど、ヒロインのモデルたちはそうだったのだろう。
「ナミネ、勉強出来るのに?」
そういう設定ではなかったような。ミルミークさんはセリフ覚えてないのだろうか。
「えー、出来ないよ」
私は苦笑した。
「ナミネ、好きな人いる?」
また台本と違う。
「それよりさ、ここいつから廃墟だっけ?」
ラハルさんが戻してくれた。やっぱりラハルさんは信用出来る。きっとミルミークさんは緊張しているだけだろう。
「当主なくなって跡取りいなかったんじゃないの?」
それって……紅葉町にある商店街を出た……。まさか、紅葉町で起きた事件だったの!?
「幽霊出るんだってな」
やっぱりミルミークさん以外は台本通りに進めている。そして、紅葉町で起きた事件なら幽霊というより転生している可能性も高い。
「怖いよねー」
私は少し後ろず去った。台本通りに少し膝を曲げた。こういうの私は気にしないけど、中には気にする人もいそう。
「みんなで手を繋ごう」
ヨハナカさんの言葉と共に、私たちは輪になり手を握り合った。片方がラハルさんなことに暗黙に安心している私がいる。
その時、レインレルさんが俯き、胸元がはだけた。
ひやー、中学2年生なのに胸ある。ちょっと羨ましい。
その瞬間、ミルミークさんは手を離しレインレルさんの太ももに触れた。ここは台本通りなんだ。男ってみんなそうなのかな。
「今、音鳴ったから見てくる」
レインレルさんは立ち上がった。
「私も……」
ハランレさんも立ち上がり、2人は外へ向かった。
私たちはその後、他愛ない話を10分ほどした。
その時、私はミルミークさんに押し倒された。なんか、息遣い荒いように感じるけど気のせいだろうか。
「や、やめて!」
私は抵抗をした。台本通りラハルさんもヨハナカさんも見ているだけで助けない。
ミルミークさんは私のブラウスを脱がした。私はキャミソール姿となった。
「やめてってば!」
ジタバタする私の両手をヨハナカさんが掴んだ。なんだか、リアリティあるなあ。
その時、戻ってこない設定のレインレルさんとハランレさんが何故か戻ってきた。
「あー、勘違いだった」
レインレルさんもハランレさんも何事もなかったように座った。
私はミルミークさんにパンツを下ろされ……あれ、2枚下ろしている! ここはフリなはずなのに、ミルミークさんもズボンだけでなく下着丸ごと脱いでいる。
「いやー! やめてー!」
私は咄嗟に結界をかけた。
「あ、あれ入んない」
その時、ラハルさんがミルミークさんを突き飛ばした。
「ストップ! ナミネ、大丈夫?」
ラハルさんは私に触れようとした。私は結界を解いた。
「なあ、アンタ、今本当にやろうとしただろ?」
落ち武者さんは、ミルミークさんの前に立った。私は下着とブラウスを元に戻した。
「あ、はい、何ともありません」
信じられない。こんな人が役者志望だなんて。
「あ、いや、僕は台本通りにしただけで……」
台本通り!? どこがだよ。
「台本通りって?」
落ち武者さんはフェアリーングをかけそうな勢いだ。私一人でも多分どうにかなった。けれど、あの時、止めてくれたラハルさんがいるから、私は取り乱さずに済んだのだと思う。私は弄ばれたりなんかしない。けれど、さっきは、ミドリお姉様の過去をリアルに実感した気がする。
「台本通りって言うか、元になっている『さよなら、ごめん、でも……』がヒロインに予告なしで本番したから、41%の華の涙でもヒロインに予告なしで本番って監督から言われてて……」
何それ!? 監督が黒鈴酷華を言い出すだなんて、とてもじゃないけど正気とは思えない。そもそも、『さよなら、ごめん、でも……』のヒロインは無理矢理だったの? 女優はモノなんかじゃない。私は、はじめて知った『さよなら、ごめん、でも……』のヒロインを不憫に思った。映画の撮影で人生を奪われることになるだなんて、もし、転生しているなら、どこかで復讐を考えている可能性も高い。
「監督、本当? 僕は何も聞いてない。ナミネを危険に晒すならナミネにはヒロインやめてもらう。僕も下りる」
ラハルさん……。やっぱり、ラハルさんがいないと私一人では違う展開になっていたかもしれない。
「言わせてもらうが、演技ではダメなんだ。役者は綺麗事では勤まらない。『さよなら、ごめん、でも……』はヒロインの犠牲あったからこそ、リアリティある作品を生み出せた。フリじゃダメなんだ。リアルで行うからこそ良い作品になる。悪いけど、ヒロインにはリアルを行ってもらう。君の容姿でリアリティある作品生み出せたなら2024年ベストな作品を生み出せる。女優業するなら、それくらいの覚悟は持ってもらわないと困るね。実際、今放送しているドラマも何人かの女優が犠牲になってるしね。女優はそういう仕事なんだよ」
完全に狂っている。とてもじゃないけど信じられない。監督に言われたからと、そのまま女優を犠牲にした過去の役者もミルミークさんも、屈折したものの考えで、女優1人亡くなっている以上、人殺しと言っても過言ではない。
私は監督に向かって歩き出した。そして扇子を突き付けた。
「あの、女優は辱められる存在でもなく犠牲になる存在でもありません。仮に……いえ、実際でしたね。その当時の女優を他の役者が黒鈴酷華したことでリアリティな作品になっていたとしても、犠牲では意味がないのです! 女優なら、リアルで行うではなく、リアルを演じられます! 私は『さよなら、ごめん、でも……』以上の演技をします! 私の演技が納得いかなかった場合は、そのリアルを行うとやらをしましょう! まずは、私の演技を見てください!!」
言ってしまった。後には引けない。引くつもりもない。私は、この作品を最高のものにしたいと思っている。
「ナミネ、やめよう。グルグル妖精のマンションで休もう」
ラハルさんは危険を犯さない人だ。いかなる場合でも。常にマイペースを保つ。諦めるところは諦め、本領発揮出来るところで登ってゆく。それがラハルさんだ。でも、私は違う。売られた喧嘩は買う。それが武士なのだ。
「いえ、私やります!」
その時、監督は武家のものではないけれど、芸能界のものなのか、伝統の扇子で、私の扇子をパチンと叩いた。
交渉成立だ。
「ナミネ、ダメだ! この撮影はやめよう! ナミネにもしものことがあったら、僕は生きていけない!」
そこまで私のこと想ってくれてる人、どれだけいるのだろう。
「ナミネは大丈夫。必ず過去超えするわ」
リリカさんはさらりと言った。
「交渉成立した以上、取り消しは不可能! みんな配置に付け!」
監督の言葉に、私たちはさっきの配置についた。ラハルさんは心配そうに私を見ている。私はラハルさんに笑顔で返した。
「では、ミルミークがナミネを押し倒すシーンからスタートだ! 約束通り一度目はナミネの演技力を見させてもらう! けれど、私が納得いかず二度目になった場合、リアルを行ってもらう! シーン2、スタート!」
監督の声と共に、ミルミークさんは私を押し倒した。
「えっ、何!? ミルミーク、どうしたの?」
私は動かなかった。
ミルミークさんは私のブラウスのボタンを外しはじめた。
「な、何してるの!? いや、やめて!!」
私は手足をシタバタさせた。ヨハナカさんは私の両手を掴んだ。
「ちょっと、そういう気持ちになっちゃった」
アドリブだ。
「勘違いだったみたい」
レインレルさんとラハンレさんもアドリブで戻ってきた。後で聞くところによると、2人はヒロインが犠牲になる姿を目に焼き付けて役者を極めたかったらしい。
「ねえ、助けてよ! 見てないで助けてよ!!」
私は涙を零しながらレインレルさんとラハンレさんを見た。2人は目を逸らした。
私は上はキャミソール姿になった。
「どうしてこんなことするの! やめて!!」
私はわざと身体を逸らし片方のキャミソールの肩ひもをブラひもと共に腕10cmくらいのところまで下ろした。
「ナミネって可愛いよな。ナミネみたいな子としてみたかった」
ミルミークさんは私のスカートの中に手を入れ、今度は約束通り下着を1枚だけ脱がした。
「いやー!!」
私は泣き叫びながらミルミークさんの頭を蹴った。
「おい、なにすんだ!」
ミルミークさんはヒートアップし、私の股を開かせた。
「いやー!! いやー!!」
私は大粒の涙を零しながら押さえつけられている両手以外を暴れさせた。けれど、ミルミークさんは容赦なく私の中に入れるフリをした。めちゃくちゃ当たってる。
「いやぁあああああああ!!!」
私は抵抗をやめ、ミルミークさんにされるがまま、声のトーンだけ上げて泣き叫んだ。ミルミークさんが終わると、ヨハナカさん、ラハルさんと腰を振り、私は気絶したフリをした。
「カット! 合格だよ、ナミネ君」
やり切った。と思う私の横で明らかミルミークさんは残念がっている。けれど、これで私は犠牲にならずに済んだ。
「『さよなら、ごめん、でも……』で監督を務めたのは、私の親友だった。女優を犠牲にすると聞いた時は流石に驚いたし、大丈夫なのか聞いたけど、作品は見事なものだった。それ以降、私も同じことで名作を見出してきたつもりだった。私は親友を超える作品を生み出したい執念に取り憑かれていたんだ。けれど、それは間違いだったと気付いたよ。女優ならリアルを演じられる。ナミネ君のような女優の中の女優がいることにやっと目を向けられた。この作品は『さよなら、ごめん、でも……』を超えるだろう。このまま台本通りに演じてほしい」
知り合いが、元の作品の監督だったのか。その人も、この監督と争う上で手段を選ばなかったのだろう。そして、犠牲者は出てしまった。この先も、そういった女優は出てくるかもしれない。けれど、私は私の演技を見る人に伝えたい。
「はい、最後までやります!」
まだ序盤だ。気を緩められない。
その後、撮影は続いた。
廃墟に入っただけで、人生を奪われた私は登校拒否の後、ホスピタルに入居した。ホスピタルでの生活は完全に心が健康な人の人生との関わりをシャットされていたと思う。来る日も来る日も同じ暮らし。けれど、学校には行きたくない。それでも、青春を奪われた恨みはつのってゆく。
そんなある日、ラハルさんが見舞いに来た。
「ナミネ、許してもらえないことは分かっている。それでも謝りたかった。ごめん、本当にごめん……」
ラハルさんは、その場に泣き崩れた。
流石はラハルさん。高校生にして、演技が優れている。努力した分だけの思いが伝わってくる演技だ。
私はラハルさんが持ってきた花束を奪い取り地面に叩き付けた。そして、ラハルさんを引っぱたくフリをした。私の手がラハルさんの頬に少し当たった瞬間ラハルさんは転んだ。
「許すとか許さないじゃないよ! あの日から私、学校行けなくなったんだよ! 家にさえいれなくなったんだよ! 元に戻りたくても戻れない! あの日、私の人生壊れたんだよ!」
私は徐々に声を張り上げ泣いた。
「黙ってないで返してよ、返してよ、私の人生!!」
私はそのまま倒れ、ラハルさんはナースコールを押した。
その後、ラハルさんは何度も私に会いに来た。私は憎しみから来る度にラハルさんを殴り付けた。結界をかけるまでもなく、ラハルさんはその前に転んでくれた。これが本当のプロの演技なのだろう。
そして、いつしかラハルさんが来る度私たちは他愛のない話をし、私はラハルさんが来るのを楽しみに待つようになっていた。
「ナミネ、結婚を前提に付き合ってほしい! 償いじゃなく、本当にナミネが好きなんだ!」
ラハルさんの突然の告白に私は微笑みながら涙を流した。
「うん、私もラハルのこと好きだと思う。私、付き合う! ラハルと付き合うよ!」
この日から私はラハルさんと交際をはじめた。
ラハルさんが来てくれる日は幸せな気持ちを抱けるようになった。
私は、中学三年生の夏に復学をした。
「ナミネ、久しぶり! 元気だった?」
レインレルさんは見下すように私に微笑みかけた。
「うん、元気元気! あのね、私、ラハルと交際してるの」
その瞬間、レインレルさんとハランレさんの顔が強ばった。
「え、それって同情?」
ハランレさんから笑顔が消え失せていた。
「ラハルね、何度も私のお見舞いに来てくれたの。そのうちに、互いに好きになっちゃって。私、ラハルと幸せになるね」
まだ本調子ではない私は、無理して精一杯の笑顔を作った。
「でもさ、ナミネ汚れてるし続かないんじゃない?」
その時、ラハルさんが来た。
「ナミネのことは本気。汚れてるって何? ナミネは純粋だよ。人を嘲笑うほうが心汚れてるんじゃない?」
ラハルさんは私の手を握った。私はラハルさんを見つめた。
下校はいつもラハルさんとするようになり、私は元の自分を取り戻そうとしていた。このまま幸せでいられる。そう信じていた。
レインレルさんとハランレさんがラハルさんのことを好きなのを知っても私は知らぬフリしてラハルさんとの青春を楽しんだ。
そんなある日、ラハルさんと下校していたら新たな廃墟を目にし、私はパニックに陥り、その場に倒れ込んだ。ラハルさんは直ぐに救急車を呼んだ。
搬送先で私は心的外傷後ストレス障害 (PTSD)と診断され、薬も処方された。
「私、治ってなかったんだ……。ラハルといるとあんなに楽しかったのに、こんなに幸せなのに……どうして……どうして!!」
私は突き付けられた現実を受け止めきれず、震えながら涙を零した。ラハルさんは私を優しく抱き締めた。
「ナミネ、直ぐには無理だと思う。でも、僕は支え続ける。だから、僕と一緒に乗り越えていこう?」
私はラハルさんの声さえ耳に入っていなかった。
学校で私は、ことある事に暴れた。
「よくも、よくも私の人生奪ってくれたよね! 私だけ不幸になってみんなは幸せなんて認めない! 許せないよ!」
私は、ミルミークさんとヨハナカさんにカッターナイフを突き付けた。
「ご、ごめん! あの時は魔が差した!」
ミルミークさんはリアルでもしそうで怖い。
「ナミネ、許してほしい! 悪かったと思ってる!」
ヨハナカさんは自分が助かりたいだけ。
この事件の関係者もそうだったのかな。
「ナミネ、落ち着こうか」
ラハルさんが私からカッターナイフを取り上げようとした時、ラハルさんから血が流れた。
実際は朱肉だけど、素早い。何度も練習してきたかのよう。そうか、ラハルさんは、この作品にかけていたんだ。やめなくて良かった。ラハルさんがいれば最後まで演じ切れる。
私は夜は眠れず勉強も出来なくなり、また家に居づらくなった。かといって、ホスピタルにも私の居場所はない。
そんなある日の放課後、理科室から声が聞こえてきた。
「ナミネって男子からチヤホヤされてて、タダでさえウザイから廃墟でハメてやったのに、ラハルと付き合うなんて……」
レインレルさんの声……。あまり悔しさは出ていないけど、この作品はあくまで主役とヒロインにスポットが当たったものだから、これはこれでいいのかもしれない。
「意外にしぶといわね。私たちだってラハルと付き合いたいのに」
廃墟のことはレインレルさんとハランレさんが仕組んだことだと知った私はその場に蹲った。
数日後、私は元グループに提案をした。
「ねえ、あの廃墟、もう一度6人で行ってみようよ」
その夜、私たち6人は私が人生を壊された廃墟へ行った。私とラハルさんは、畳のところまで行くと直ぐに外に出た。そして、中の様子を伺った。
ミルミークさんはレインレルさんを、ヨハナカさんはハランレさんを押し倒していた。
「やめて」
レインレルさんは押し倒されたまま棒読みした。
「いや!」
ハランレさんも抵抗しない。
「カット! せっかくナミネ君が名演技をしたのに、これでは作品として成り立たない! ちゃんとした演技が出来ないなら、この書類にサインしてくれないかね?」
監督はNGを出すなり、書類とやらを2人に突き付けた。いったいなんの書類だろう。
「え、リアルを行うだなんて出来ません」
リ、リアルを行う!? どうして今更!?
「損害賠償も払えません」
損害賠償!? さっきと言ってること違うじゃない。監督はまだ、もういない親友と争ってるんだ。けれど、犠牲者を出した作品になどしたくはない。
「あの、あくまで演技で良い作品をと約束しましたよね? どうして今更覆すんですか?」
作品は作品。失敗する時だってある。必ずしも名作にしなければいけないのなら、もうそれは撮影ではなく拷問だ。
「それはナミネ君の場合だよ。君は素晴らしい演技力を持っている。だからこそ、この作品は原作を超える作品にしなければならない」
監督は折れそうにない。犠牲にする書類を突き付けるあたり、説得出来る人なんているのだろうか。終盤になってのハプニングに私たちは戸惑った。
「うーん、終盤ですし、復讐シーンだけカットするとかは出来ないのでしょうか?」
別に復讐がなくたって、最後は主役とヒロインは幸せになるのだから、カットしたっていいと思う。でないと、せっかくここまで演じてきた努力がもったいない。
「それは出来ない。実際に起きた事件は女性は復讐をして自己嫌悪を抱いたわけだから、その1つの名シーンを抜くわけにはいかないのだよ」
だからって、まだエキストラの若者を犠牲にするのは間違っている。
「ナミネ、ちょっといいかな?」
ラハルさんは、私の手を取り、そして私を押し倒した。
「あ、はい」
なんだか、昔を思い出す。
「レインレルとハランレは、ちゃんと見てて」
ラハルさんは私のブラウスのボタンを外した。こういう時でさえ、ラハルさんは優しい。
「な、なにするの!」
私はラハルさんの手を押さえた。疲れているせいか、胸が高鳴っている。
「ナミネのこと好きだった。だから一度だけ……」
リアルでラハルさんに言われたら断る女いないだろうな。
「いや!」
私は手足をバタバタさせた。ラハルさんは私を殴るフリをした。
「や……め……て……」
私は抵抗出来ないフリをした。
ラハルさんはそこまま無理矢理するフリをした。
「いや……いや……!」
私は大粒の涙を零した。
リアルな演技なのに、相手がラハルさんだと安心してしまう。
「今の演じてくれる?」
ラハルさんは私のブラウスのボタンを付けた。
「じゃあ、廃墟で押し倒されるところからスタート!」
再び撮影ははじまった。
ミルミークさんはレインレルさんを押し倒し、ヨハナカさんはハランレさんを押し倒した。
「い、いやっ!」
レインレルさんは手足をバタバタさせた。
「な、なにするの!やめて!」
ハランレさんも抵抗をした。
ミルミークさんとヨハナカさんは押し倒した相手を殴ったフリをした。レインレルさんとハランレさんは抵抗をやめた。
この二人、ちゃんと訓練したら役者に近付ける。
そのまま、レインレルさんとハランレさんは水花を失った。
私は再び廃墟の中へ入った。
「あはは、私と同じだね」
私はあどけない笑顔で二人を見下した。
その後、レインレルさんとハランレさんは学校へ来なくなった。
「ラハル、復讐したのに……なのに少しも気が晴れない。それどころか私についた汚れが落ちないの……落ちないの!!」
私は泣き崩れた。
「ナミネ、時間はかかると思う。それでも、僕はナミネと人生を共に送りたい」
こんな感じのこと、いつかの交際時にも言ってたな。
「ううん、もういいの。ありがとう、ラハル」
私はラハルさんと別れ、転校をした。
きちんと別れたはずなのに、私はラハルさんのことを忘れきれず、結局引きずったままだった。
1年後の春、高校生になった私はバイト先でラハルさんと再会した。
数日後のバイト帰り、ラハルさんが追ってきた。
「もう二度と離さない。二度と手放さない。僕はナミネと結婚する」
ラハルさんは小さな箱を私に渡した。箱を開けると婚約指輪が入っていた。
「うん……私ももう現実から逃げないよ。ラハルが好き」
私とラハルさんは抱きしめ合った。
「カット! OK!」
4時間にも及ぶ撮影がやっと終わった。
「皆さん、お疲れ様です」
その瞬間、ラハルさんが私を抱き締めた。
「ナミネ、もう危険なことはしないで! 撮影中、どれだけ心配だったか」
ラハルさん……。
「ラハルさん、ありがとうございます。ラハルさんは、この作品にかけていたのですよね? そんな想いを簡単に消したくはなかったですし、ラハルさんがいる撮影だからこそ最後まで演じきれたんです! これからも私はラハルさんの夢を傍で応援し続けます!」
ラハルさん泣いてる。私が戦死したことや、カンザシさんに無理矢理引き離されたことを思い出したのだろうか。
「ナミネが危険な目に遭うなら最後までとかどうでもいい。僕はナミネが全てだから」
私、調和性に欠けてたのかな。いつかの私もそうだった気がする。
「分かりました。次はちゃんと話し合います」
武士はどうしても突っ走りがちだ。それは捨て身の心を常に持っているからである。自分が助かること前提では間に合わないことがあるからだ。されど、時代も2024年。捨て身というのは、殆どの武家では消滅されつつある。私たちは、お武家連盟会議では『各々の判断に委ねる』と位置づけされているが、本気で捨て身を今でも極めているのはコノハ家が強いだろう。
「アンタら、ここ撮影場所なんだけど? それと、デブミルミーク! この動画晒されたくなかったら、今ここで強気なナミネに謝れ!」
落ち武者さんの言葉にラハルさんは私を話した。ヨルクさんには申し訳ないけれど、なんだか愛おしい。人生を共にする相手は今世ではラハルさんではないし、私が命を懸けて守りたいのはヨルクさんだけど、全部ひっくるめて、ラハルさんは良きパートナーであると思う。ラハルさんなら、この先も女優のお仕事を引き受けたい。
「わ、悪かった。ナミネ可愛いし、ラハル先輩とのコマーシャルでもキュンとして、共演出来るって知れた時、思わず監督の指示に飛びついてしまった。ナミネの水花がほしかった」
この人、謝る気あるのだろうか。学校でもスカート捲られたり覗かれたりは当たり前だったけど、まさか本気であんなことするとは思わなくて、ミルミークさんとは友達にはなれそうにはない。
「あー、別にいーよ。監督の指示なら仕方ないよね。でも、本気で俳優目指すなら獣道は歩かない方がいいと思うな」
私はヘラヘラ作り笑いをした。
その時、ラハルさんがミルミークさんの胸ぐらを掴んだ。
「本気で悪いと思ってないよね。俳優目指すのやめてくれる?」
ラハルさんの真剣な顔。私に危機が迫った時は必ず取り乱していた。その時、リリカさんがミルミークさんを突き飛ばした。
「悪いけど、ミルミーク君はエキストラ、クビってことで」
『さよなら、ごめん、でも……』では、ヒロインのみが犠牲となった。けれど、今回は誰も犠牲にならず撮影を終えることが出来てよかった。
「か、監督! 反省しています! もう一度チャンスをください!」
こういうのは、どこの業界も程度によるだろう。私の中ではミルミークさんはアウトだし、ほとぼりが冷めたら、また同じことをしかねない。
「ナミネだけ狡い! 私もラハルと共演したい!」
間近で涙を零しながらラハルさんを見つめるリリカさんに対し、ミナクさんを好きながらも推しとしてラハルさんに迫るナナミお姉様。二人の相反する想いに胸を傷めているのは私だけではないはず。
「僕は、この先もドラマ出演決まってるから、まずはオーディション受けてくれる? ナナミもリリカもね」
オーディションかあ。前の世界では、役を取り戻すためにオーディション受けたっけ。私は普通の中学生でいたいけれど、ラハルさんがいるから女優業もかけもちしてしまっている。それに、今はミドリお姉様も表舞台に立とうとしている。
「ほら、コメントするんだろ。最後まで撮影してこい!」
そうだった。撮影中に色々ありすぎて、映画のコメントの存在を忘れていた。
「ナミネ、行こう」
ラハルさんは私の手を引っ張って走り出した。この光景も懐かしい。そして、この時、ヨルクさんが胸を傷めていたことを私は全く知らなかったのである。

撮影のコメントの後、私はフェアホを見た。
『シャナと交際することになった。セレナール先輩は皇太子様と交際はじめた』
ど、どういうこと? ラルクはセレナールさんを助けるためにセレナールさんに本気じゃなかったの? シャナと付き合うって何……?
私は何がなんだか分からないまま呆然とした。

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あとがき。

予告したかは忘れましたが、41%の華の涙(元は『さよなら、ごめん、でも……』)は実話です。
ある映画を見て、それが実話だと知り、その過酷で切なくて奪われた青春を少しでも多くの人に知ってもらいたくて今回140話に盛り込みました。
あ、えっとブログ 純愛偏差値では17話でしたね。

ある映画のタイトルは伏せてます。
その映画のタイトルを私が勝手に『さよなら、ごめん、でも……』と表記しました。

また、小説内では『紅葉町 廃墟 集団事件』としています。
実際の事件名は忘れちゃいました。

ただ、内容が内容で私も表現力がないため、見た人は一発で、どの映画か分かるとは思いますが。
電子漫画にも似たようなのありましたが、それではなく、あくまで映画ね。

その映画となった事件は本来、あってはならないことだと思うので、今後も私は、マイナーな実際に起きた事件を小説に盛り込んでいくつもりです。
もちろん、タイトルや事件名は変えますが。

『伝える』『知ってもらう』
ということも、時として大切なことだと感じましたm(*_ _)m

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この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。

また、程度によりますが模倣はご遠慮願います。
詳しくは《カテゴリ》→《説明事項》→《模倣のご遠慮願います》をご覧ください。

小説の無断転載もご遠慮くださいませ〜♪
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