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日常のこととかオリジナル小説のこととか。
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ashita
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性別:
女性
職業:
地主(土地貸してます)
趣味:
漫画やアニメを見るのが好きです。最推しはフーディーニ ♡
自己紹介:
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

ブログ、もう書かないと思ってました。

けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。

小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。

純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。

元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。

ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。

小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。

よろしくお願い致します。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

お知らせ。

イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。

また、「カラクリよろずや」にて無料のフリーイラスト素材配布もはじめました✩.*˚

フリーイラスト素材も増やしていく予定です(*'ᴗ'*)

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。

ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。

小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。

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X @kigenzen1874

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〈資格履歴〉

2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
〈資格証明バナー〉

鉛筆デッサンマスター®認定試験資格取得証明
絵画インストラクター資格資格認定証
宝石鑑定アドバイザー資格認定試験資格取得証明
鉱石セラピスト資格資格保持証明
茶道アドバイザー資格認定試験資格取得証明
お点前インストラクター資格資格認定証
着物マイスター®資格認定試験資格取得証明
着付け方インストラクター資格資格認定証
サイキックアドバイザー®資格資格証明
サイキックヒーラー資格資格保持証明
アンガーカウンセラー®資格資格保持証明
アンガーコントロール士資格資格認定証
漢方コーディネーター®資格認定試験資格保持証明
薬膳調整師®資格認定試験資格保持証明
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でも、よく考えると。

悲しくて
切なくて
辛くて
苦しくて
やり切れなくて
残酷的。

それが純愛偏差値だから。
それを変えてしまうと、もう純愛偏差値ではない気がする。

シーズン2は、もはや古代編(シーズン1)ではない。
古代編は、ただただ純粋だったけど。
今は違う。

純愛偏差値は、どうしようもなく暗黒。

このまま進めようと思う。

本当は、シーズン2もセナとカラルリを主人公にしようと思っていたから走り書きでは4月からはじまっているけど、ナミネ視点で書く時に、迷ってしまった。
それで、ヨルクが登場する時間にズラしたけれど。
それが原因で、同時期にカップルが生まれてしまった。

走り書きではナミネが登場するの遅いし、どうしても誤差は出てしまうかもしれない。
その誤差を元に戻したいって思ったのだけれど。
今からでは遅いかな。

最初の誤差は辛いけど、その後は走り書きに沿ってるし。今の時点で書き直しは効率悪くなってしまう。
時間と時間は書き直ししたけれど、純愛偏差値はこのまま続けたほうがいい気がする。
個人的な、ちっぽけな小説なわけだし。

もっと気軽にやっていきたいところ。
PR
100話超えたのはいいのだけど。
何故か今になって書き直ししようか迷っている自分がいる。
どうしたらいいのだろう。

今書き直ししたら、これまで書いたの全てボツになってしまうし。
書き直しするなら、これまで書いた中から探して抜粋する必要がある。

難しい問題。

走り書きを整理したつもりだったのに、今書いてるのも走り書きに思えてきた。
なんかもうキリがない。

これまでのペースで書くなら、すぐ追いつくだろうけど。
30話くらいで書き直ししてたらな。
なんかもう今更って感じだ。

書き直ししても、必要な箇所はいれないといけないし。
はあ。

なんだかなあ。


純愛偏差値が100話超えました。

正直、ここまで続くと思っていなかったから自分でも驚いています。
ついこないだ書いたばかりと思っていたら100話だもんな。
あまりにストーリーの進みが早くて私がついていけないくらいです。

最初は走り書きからはじまったんですけど、ブログに投稿するため、1話ずつ書くようになったんです。
ペース上げすぎなところあるので、101話からはマイペースにやっていきたいなと感じています。

小説は今後も続ける予定です。
休止しないように、ゆっくり書いてゆきます。

100話ということで、今回は100話記念イラスト描きました。
純愛偏差値 未来編 一人称版 100話

《ナミネ》

突然カラルリさんが、私とヨルクさんに攻撃的になり、挙句に暴れ出し、花瓶がエルナさんに当たって落ち武者さんが激怒してしまった。私とラルクは逃げようとするカラルリさんの前に立ち、ラルクが花札でカラルリさんを拘束した。
「落ち武者さん、存分にカラルリさんに反撃してください」
と言ったものの、落ち武者さんって人を殴ったりしない。ヨルクさんもそうだけど。大抵の男は暴力振るうイメージがあるだけに、変わっているなあて感じる。
「今ここで僕にフェアリーングかけられたくなかったら、それなりの振る舞いしろ!」
「悪かった。二度とエルナを傷付けない」
何だか不公平。落ち武者さん相手なら、みんな黙り込む。私はカラルリさんに色々言われて、それなりに苛立っているし気分も害している。
「人の家のもの、勝手に壊さないでください!」
「ナミネが生意気だからだろ!」
何なの。私に対しては、めちゃくちゃ攻撃的。カラルリさんって、こういう人だったっけ。紀元前村では、一緒に過ごした仲間だと思っていたのに。
気が付いたら私は扇子でカラルリさんのお腹を思いっきり叩いていた。
「何回で根を上げるか試しましょうか」
「わ、悪かった。やめてほしい」
私に対しては、言葉のみでは通用しない。地味にイラつく。
エルナさんは、頭から血が出ていたが、落ち武者さんが主治医を呼んで手当済みである。
えっとカラルリさんがヨルクさんに見せていた写真……。手に取って、よぉく見ると確かにヨルクさんだった。相手の人は誰か分からない。けれど、ヨルクさんにもこういう人いたんだ。
私、かなり傷付いてる。
「すみません、しばらく1人になりたいので、誰も部屋に入ってこないでください」
私は立ち上がった。
「ナミネ、待って!本当に覚えていないしナミネと仲違いしたくない!」
「私だけって言ってたじゃないですか!この浮気者!」
私はヨルクさんを突き飛ばして、自分の部屋に逃げ込んだ。

そうか、カラルリさんの目的は、私とヨルクさんの関係を拗らせることだったんだ。私はまた、まんまとハメられてしまった。人魚の湖では、逆の立場だったのに、いざ自分が、あの時のヨルクさんの立場に立ってみると、思った以上に辛かった。レタフルさんの時は向こうの一方的な片想いだったし、あの写真の人もそうであってほしい。けれど、様々な不安が私を襲う。
もし、あの写真の人とヨルクさんが深い関係だったなら……。考えたくないのに考えてしまう。ヨルクさんを傷つけたいわけじゃない。けれど、いつも私だけだと、あれほどに言っていたから私も期待していたのに裏切られた気持ちで苛立ちと悲しさに苛まれたのだと思う。
次第に、ゴチャゴチャ考えていたものは薄らぎ、私は畳の上で寝てしまっていた。

夢の中で私は目覚めていた。起き上がると、いつものようにヨルクさんがいる。
『ヨルクさん、朝食お願いします』
私は布団から出た。
『ナミネ、紹介したい人がいるんだ』
何だかいやな予感がする。でも、大丈夫。私は言い聞かせた。
『はい』
ヨルクさんは、扉を開けた。
あれ、カラルリさんが持っていた写真の人だ。
『彼女と交際することになった。だから、ナノハナ家も出て行く。ナミネ、今までありがとう。幸せになってね』
え、どういうこと?昨日まで、私のこと好き好きってあれほどに言っていたのに。この女がヨルクさんをたぶらかしたんだ。許せない。
『そんなの認めません!この泥棒猫!』
私はヨルクさんをたぶらかした女の髪を引っぱって部屋中引きずり回した。
『ナミネ、やめて!私の彼女に手を出さないで!』
何なの!心変わりして私を捨てようとしてるのヨルクさんじゃない。
『私を捨てるだなんて、あまりに惨すぎます!』
『ごめんね、ナミネ。ずっとナミネのワガママ我慢してた。ナミネは子供っぽいし、胸も小さいし魅力に欠けるし……。でも、ユウノハさんは、綺麗でスタイルもよくて胸も大きい。私はユウノハさんと生きるって決めたんだ』
よくも、よくも……。私は突然の事態に気持ちが完全に追いついていなかった。
『私はヨルクさんとは別れません!』
『ナミネ、私はユウノハさんを愛してる』
許せない。この泥棒猫。
私は、その夜、ヨルクさんを奪った泥棒猫に岩の結界をかけた。
『ナミネ、結界解いて!ユウノハさんは人魚なんだ!0時までに人魚の湖に連れて帰らないと!』
レタフルさんの時と同じだ。この人も人魚なんだ。
『レタフルさんのこと知ってるんですか?』
『え、ええ。男をコロコロ変える子よね。いっときアルフォンス王子と大恋愛していたけど、カナエって人とレタフルが同時に妊娠して、アルフォンス王子は彼女の元に戻って行ったわ』
聞いた話と全然違う。レタフルさんはヨルクさんに心変わりしてアルフォンス王子をフッたはずなのに。どうなっているの。
『じゃあ、カラルリさんのことは知っているんですか?』
『さ、さあ。聞いたことないわ』
だったら、どうしてカラルリさんが、この泥棒猫の写真持っていたのだろう。
『ナミネ、お願いだからユウノハさんをここから出して!』
『この人魚と別れるなら結界は解きます』
『分かった。別れる』
私は結界を解いた。そして、ヨルクさんはユウノハさんを人魚の湖まで送り届けて行った。
その後、しばらくヨルクさんとは会えなかった。ヨルクさんを疑った私は人魚の湖まで行った。すると、あろうことか、2人は抱き合っていたのである。
『話と違うじゃないですか!』
私は泥棒猫人魚を引っぱたいた。
『ナミネ、誤解だから!ユウノハさんを傷付けないで!』
『ヨルクさんに捨てられて、どう生きろと言うのですか!』
私はユウノハという人魚を湖に沈めた。
『ナミネ、やめて!』
けれど、人魚だから沈めても死ななかった。
悔しくて私は一度人魚の湖を出て、皇帝陛下に文を書いた。
1週間後、ユウノハという人魚と皇室の50代のポッチャリ体型の初級武官との結婚式が行われた。
『ナミネ、酷いね。私の幸せ壊して満足した?もうナミネとは会わない!』
『待ってください、ヨルクさん!私を捨てないで!!』
『知らない!勝手にして!』

「いやです!行かないでください!」
私は飛び起きていた。
ゆめ……だったのか。夢でよかった。でも、正夢だったら?やっぱり写真のこと、カラルリさんに確認しに行こう。
あれ、カンザシさんがいる。
「ナミネさん、大丈夫ですか?」
「は、はい」
どうしよう。部屋に2人きりだなんて、めちゃくちゃ気まずい。
「ナミネさん、僕は話し合いからは逃げません。もうナミネさんが誰を好きでも構いません。ただ、ナミネさんの傍にいられたらそれでいいです」
急にどうして態度を変えたのだろう。正直、今までのことがあるだけに、信用出来ない。
「そ、そうですか」
カンザシさん、ギター持ってる。弾き語りに来たのだろうか。
「ナミネさん、少しだけ2人でいたいです」
「分かりました」
少しだけならいいか。
「弾いて欲しい曲ありますか?」
「あ、ずっと停電だからテレビも見れないし、すること限られてますよね。ミドリお姉様もピアノ弾いてますが、こういう時に楽器があると時間も潰れますね。それじゃあ、恋雪月見さんの 情を抱きしめ でお願いします」
アニメ見ていないけど、いつかは見てみたい。
「たまにミドリさんの演奏、聞こえてきます。小さい頃も聴いてました。ミドリさんは生まれつき才能があるので、是非ピアニストになってほしいと思います」
そういえば、カンザシさんって、育ての親にたまにナノハナ家に連れて来られていたってけ。ミドリお姉様は、分け隔てなくカンザシさんのことも可愛がっていた。どうして今、思い出したのだろう。
カンザシさんの演奏、久しぶりだ。

「森の湖が 歴史を教えてくれる
遠い昔のことなのに
変わらず存在している理由は何だろう
夕暮れどき 妖精たちは飛び立ってゆく
みんなは どのくらい覚えているの

時間を飛び越え 逢いに来た
2人の あなたに
僕の心は また遠のいた

昔 キササゲ家で探してた 花札の番い
あなたは この意味を 知っていたの
みんな静かにしているだけ けれど
本当は 心が狭すぎたと 涙したね
だから 歴史の儚さは物語ったの

時間を飛び越え 逢いに来た
2人の あなたに
僕の心は また遠のいた

せっかく未来で逢えたのに 変わりゆく あなたに
涙が零れすぎて どうしようもなく
苦しくなっていた

もう二度と 歴史に踏み込まない
今の あなたは
僕の心に 歩み寄ってく」

何だか、この曲とても切ないのに好きだ。今は、別のアーティストによってリメイクされているが、懐メロは心惹かれるものがある。
「カンザシさんは、お歌が上手ですな。次は、フェアリー地平線さんの 濡れた恋文 お願いします」
「ドラマ、見てたんですね。あのドラマは色んな村で放送されてますね。僕は韓国村版が好きです」
日本村版はタイムスリップ先の恋人によく似た人と恋人は別人だが、韓国村版は両方本人だったという変わった作品だった。ちなみに妖精村版はタイムスリップ先から主人公は戻ることはなかった。だから、現代が変わったことを主人公は知らないのだ。
「私は何気に妖精村版が好きです」
「タイムレインのようですね」
タイムレインも主人公は戻らない。そういう作品、ひと昔前はなかったのに、日本村から流れ込んでいる気がする。

「キササゲ家で顔合わせ 刻まれているの
途中で降った大雨に 番傘貸して
あなたと手を繋ぎ 2人で抜け出した
桜道を踏みしめて 刹那に雨宿り

縁談弾いて 適当に 生きてみたいけど
私は1つの枠に はめられていた

ただ あなたに逢いたい
涙するけど どこにもいないの探しても
番傘 貸したまま

花札つがいが滲んでく 古いものですね
あの時 走った桜道 今では一人きり
ひと言伝えていたけれど 大雨聞き取れず
あなたに伝わっていない 刹那の部屋で

このまま流され 縁談を 進めていいのかな
己で決められない 彷徨うこころ

ただ あなたに逢いたい
涙するけど どこにもいないの探しても
番傘 貸したまま

まだ あなたを待ってる
気持ちは揺れず こちらに向かって走ってく
番傘 渡されて

やっと あなたに逢えたよ
髪から零れる 雫に美しさ感じ
濡れた 恋文」

この歌はドラマの内容に比べたら古風な気がする。それでも、オープニング映像は好きだった。似たようなドラマは今ではいっぱいある。私たちが歴史を辿るように、タイムスリップものは増えつつあるようにも思う。
その時、ヨルクさんが入って来た。私は、さっき突き飛ばしてしまったことと、夢のことで気まずくて思わずカンザシさんに抱きついてしまった。
「ナミネ、お昼食べてなかったでしょ。ご飯置いておくから食べて。また来る」
そそ草に去って行ったけど、この後ヨルクさんが泣いていたことを私は知らなかった。
「すみません、お腹すいたので食べます」
「僕もミドリさんのところへ行ってきます」
あれ、2曲歌っただけで言ってしまうなんて、カンザシさんにしては珍しい。ミドリお姉様と仲良いのだろうか。
お腹がすいていた私は、ヨルクさんが作ったご飯を一気にたいらげた。
1人になると、することがない。それでも一応、中庭を見に行こう。私は部屋を出て中庭に向かった。

え……。
庭が水浸しになっている。これもアヤネさんだろうか。こういうのは自分の家でやって欲しい。洗濯係は、ここで洗うと言うのに。私は、写真を撮って第4居間に入った。
「あの、中庭ズブ濡れなんですけど」
私は写真をみんなに見せた。
「今度は誰かしら?迷惑かけるならいてほしくないわ!」
1番目に反応したのは、やっぱりリリカさん。私は周囲を見た。
あれ、アヤネさんは平然としている。だったら、いったい誰が……。
「じゃ、僕が聞く」
「わ、わざとではない!」
カラルリさん!?いったいどうして?
「ねえ、カラルリ。本当にあなたどうしたのよ」
「ただ、タンクを誤って零してしまったんだ」
落ち武者さんはすかさずフェアリーングをかけた。
「おい、一目惚れカラルリ、あんた本当に誤っただけかよ?」
「ナミネが生意気でやった」
私の何がそんなに気に入らないの。私は別にカラルリさんに敵対心抱いたことないのに。落ち武者さんは、そそ草にフェアリーングを解いた。
「カラルリさん、少し話しませんか?」
「ああ、分かった」
リリカさんは、カラルリさんを連れて第4居間を出た。遠い昔だったら、きっと信じられない。情熱的で優しかったカラルリさんが、どうしてこうまで変わるのだろう。
「あの、ユウノハという人魚を知りませんか?」
「カラルリと恋仲にあった人魚だ」
写真とは違う。ヨルクさんじゃなくて、カラルリさん自身が、あの人魚好きだったの?
「そうでしたか」
「ナミネ、また夢見たの?」
ヨルクさんは心配そうに私を見た。
「はい」
「また、レタフルさんの時みたいな感じ?」
もう殆ど同じだった。もし、ヨルクさんは、全く愛していないのならレタフルさんの時と全く同じだ。愛していなかったとして、どうしてあのような夢を見たのだろう。
「はい」
「ナミネ……」
「ヨルクさん、お風呂入りたいです」
「あ、うん、行こうか」
ヨルクさんは、私の手を握った。

念の為、水タンクもお風呂に置いてある。私は岩の結界をかけるなり通し(とおし)を使いタライで水を入れ、炎の舞で温めた。
2人分だと水も少なくて済む。
「ヨルクさん、さっきはごめんなさい」
「ううん、それよりどんな夢だったの?」
「レタフルさんの時と殆ど同じです。ヨルクさんがユウノハさんを私に紹介して、私を捨てる夢です」
もし、実際にそのようなことが起きたら、私は夢の中と同じことすると思う。
「ナミネ、夢と現実は違うから。夢と同じことにはならないから安心して。私はずっとナミネの傍にいる」
そういえば、ヨルクさん夢の中で、私が子供っぽいとかワガママとか綺麗でスタイルがよくて胸の大きな人が好きだと言ってた。
「あの、ヨルクさん。夢の中で、私は子供っぽくてワガママだから我慢してたとか、綺麗でスタイルよくて胸の大きな人が好きだと言ってました」
「それ夢だから!私は小さい頃から、ずっとナミネのこと可愛がってきた。これからもずっとそうだから」
ヨルクさんのことは信じたい。でも、最近は過去より未来が怖い。
「そういえば、遠い昔は……あの森の湖の頃は、男はみんなパンツ一丁だったそうです」
「私はそのような格好などしていない。ずっと着物を着ていた」
何故、こういうことは全否定するのだろう。
突然、紅葉の香りが強くなった。久しぶりの感覚に、私は何度もヨルクさんを好きだと言い続けた。
「ごめん」
「あ、いえ」
私はヨルクさんにもたれかかった。ヨルクさんは大人しい顔して……本当、人は分からないものだ。
結界の中で身体を洗うと案外効率がいい。みんないる時は霧の結界もかけないといけないけど。

やっぱり、ナノハナ家がいい。ヨルクさんの着替えも置いてあるし。もう短パンの時期か。ヨルクさんのジャージ姿好きだな。小学生の頃は、ミナクさんの真似してタンクトップに半ズボンのジーンズ着ていたっけ。そして、アイス食べてた。
ヨルクさんは、高校生までは、やや痩せ型だからタンクトップがよく似合っていた。大人になると、ズームさんほどではないが、それなりに体型はガッチリしている。
「ヨルクさんも、夏になれば家の中ではパンツ一丁でいいんじゃないですか?」
「私は、そのような格好などしない。家でも服は着る」
ヨルクさんは固い。別に家の中くらい何も着なくても問題ないだろうに。私なんて前世ではカンザシさんのアパートで下着姿だったのにな。

第4居間では、カラルリさんが戻って来ていた。
「ナミネ、カラルリさんと話したんだけど、昔、人魚の湖でユウノハという人魚と恋仲にあったそうだけど、ある日、人魚の湖に行ったら、その人魚がヨルクと口付けしていたみたい。カラルリさんは、人魚の湖に行った時にユウノハって人魚に会って懐かしさが溢れ出たみたい。もうしないって反省はしてるわ」
これって、レタフルさんの時と同じじゃない。やっぱり、人魚の一方的な感情。どうして、夢ではヨルクさんと両想いなの。
「そうですか。話し合いありがとうございます。事情は分かりましたので、またカラルリさんを信じてみます」
「じゃ、時期見て、もう一度人魚の湖行く」
私も確かめたい。それにしても、人魚と人間の恋愛なんて成立するんだ。人間が人魚の湖まで行かなくてはいけないのに。
「ねえ、カラルリ。内官から連絡来たんだけど、フェアリーフォンっていう、フェアリールナの姉妹ブランドが新しく出来たみたいなの。それで、ペアリング買ってほしいなあて」
ペアリングって、既に持ってるはずなのに。
「セナさん、去年買ったペアリングあるよね」
「私たち一度別れているし、新しいスタートって意味で一緒に持ちたいのよ。お願い、買って」
またセナ王女のワガママがはじまった。せっかく、紀元前村の修行で1人で生きてく覚悟していたのに。あんなことあったから、またヨリ戻しちゃって。
フェアリーフォンと。調べてみると……。え、何の飾りもない指輪でも1つ7000万円はする。ペアリングだと1億超えている。カラルリさん絶対買えないよ。
私たち、またバイトするのかな。
「カナエ、カナエがほしいなら私は買う」
「アルフォンス王子様、ナルホとは友達に戻りましたが、カナエはアルフォンス王子様とは復縁しません」
結局2人とも友達以上にはなれなくて別れたというところだろうか。カナエさんとナルホお兄様なら絶対上手くいくのに、もったいない。
「ヨルクさん、私がもしフェアリーフォンの指輪ほしいと言ったらどうしますか?」
「ナミネ、ほしいの?うーん、まだ私たち中学生だし早いと思う。結婚決まったら買う」
やっぱり学生でそんなものは買えない。カラルリさん、どう切り抜けるのだろう。
「特にいりません」
「カラルリ、お願い」
もう、みんなでバイトなんていやだから、ハッキリ断ってほしい。
「君、フェアリーフォン買ってあげようか?」
「僕は女の子からはそういうの買ってもらわないし、恋人でも身の丈に合わないものは買わないよ」
ナルホお兄様は昔から自分の意見はハッキリ言うタイプだ。
「今は逆玉もあるよ」
「君はそうなるだろうね。カンザシさんと幸せになれるといいね」
やっぱり、ナルホお兄様はミネスさんに片想いしている。この恋が実らなければどうしたらいいのだろう。
「婚期来てもカンザシが振り向いてくれないなら君が結婚してよ」
「その時に考えるね」
「じゃ、明日の話し合い終わったら指輪見に行く」
何故、落ち武者さんは、あえてセナ王女の肩を押す。
「ナミネ、夜食作ってくるね」
「はい」
夜も更けてゆく。

布団に入るとヨルクさんの紅葉の香りが今も強い。明日は大切な話し合いだ。カンザシさんは、意外にも落ち着いていた。マモルさんは、結局、執行猶予のみだったから、普通に過ごしているだろうけど、もう芸能界には戻れないだろう。
こういう時に限ってなかなか眠れない。
私は、ヨルクさんの作った夜食を食べはじめた。
こうやって、ヨルクさんの寝顔を見るのも久しぶりである。本当、綺麗な顔をしている。
停電している時でも、ヨルクさんの作るご飯は美味しい。私は幸せ者だ。食べ終わると急に眠気が襲ってきた。
気が付くと私はヨルクさんの上に乗っかり眠ってしまっていた。

……

あとがき。

祝・100話!

今後も、マイペースで、この純愛偏差値を書いていきたいと思います。

……

この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
純愛偏差値 未来編 一人称版 99話

《カラルリ》

セナさんの妊娠が発覚した時、本音では私はかなり焦っていた。まだ、お互い高校2年生だし、何より私自身が大学まで行きたかったのだ。だから、本音では今回は諦めてもらって、結婚してから、また作ればいいと思っていた。そんな私の思いとは別に、セナさんは、強引に私に責任を取らせようとした。
私は、使用人のルリコに相談した。
『カラルリ坊っちゃま、私にお任せくださいませ』
私はルリコの、たった一言の言葉に自分の問題を丸投げした。
向き合わなきゃ。そんなことは重々承知だった。妖精村学園は事情によっては復帰出来るまで休学することが出来る。そうは言えども、セナさんが出産して、その子供が大きくなってから高等部に復帰しても世間の恥だ。かといって、高校を辞め中卒では、今の時代、何の職業にも就けない。例え、ありつけたとしても、そんなの若い時だけで、歳を取ると共に仕事は、ほぼゼロになる。そうなってしまえば、セナさんと結婚どころか、私は生涯無職でいなければならない。子供を抱えたまま。
私なりにキクリ家で、ちゃんと考えたつもりだ。けれど、やっぱり高校生で責任を取ることは考えられなかった。

あの食事会の日。
まさか、ルリコが中絶薬を持っていたとは全く知らなかった。それに、ピックティーも用意していただなんて。私はただ、セナさんが産んだあと、子供を孤児院にでも預けるのかと思い込んでいた。お腹の子を殺されてしまうとは本当に知らなかったのだ。それでも、セナさんが流産した以上、もう後の祭りだった。
私は自分の子を失った。それでも、父親になった感覚など全くなかった私は、セナさんの苦しみを理解してあげられなかった。
その後、セナさんはミナクと交際し、私はひとりぼっちになった。後悔してもしきれなかった。せめて、あの時、現状と向き合うくらいはするべきだったと。けれど、中卒で世帯を持ちたくない私の思いがそうさせてしまったのだろう。他の方法だってあっただろうに。そもそも、どうして私はあの時、すぐに世帯を持たなければならない概念にとらわれていたのだろう。出産までセナさんが休学して、子供が生まれれば使用人が育て、私たちは普通の高校生でいるという思考が全くなかった。すぐに責任を取ることが出来なくても、中絶させるよりかなりマシな選択だったと思う。

その後、本当の黒幕はルリコと知ったセナさんの矛先はルリコに向いた。ルリコは、いっときナミネの書いた厳しい処罰が適用されたものの、あとでズルエヌさんがナミネ越しに書いたセナさんの希望処罰を取り消し、ルリコを交番に連れて行った。本来なら不同意堕胎罪で罪に問われるところだったが、妖精村全域停電により、殺人罪かそれと同等の罪のみしか裁判が開かれなくて、ルリコは幸いにも裁きを受けなくて済んだ。あの時、カナコお姉様が身元引受け人としてルリコを迎えに行き、ルリコは今も私の使用人として働いている。

また、私はセナさんと、やり直すことになった。私がちゃんと向き合わず、自分の子を死なせてしまったことは、もう十分に反省した。セナさんには二度とそんな思いはさせない。
私も、ナミネやヨルクみたいに清い関係でいればよかったのだろうけど、高校生にもなれば、やっぱりそうも行かなかった。復縁した今でもセナさんとは去年の交際時のような関係でいる。
ナミネやヨルクは、まだ子供だ。大人の事情など一切知らないのだろう。
ヨルクは、万が一はナミネの責任を取るなどと戯言を言っていたが、一介の中学生なんかに何が出来る。どうせ、その万が一が来たらナミネに中絶同意書を書かせるのだろう。
ヨルクの優しさなど、上辺だけに過ぎない。ナミネは騙されているのだ。所詮、顔でモテる男には女などいくらでもいる。私とて、それなりにモテて来たが、ヨルクは別だ。あれまでに容姿の整った男は珍しい。ナミネもヨルクのイケメンさに惚れたのだろう。でなきゃ、辻褄が合わない。
ラルク、ラルク言っていたナミネが、ヨルクから突然告白されたらすんなり受け入れたのだから。所詮、女にとって交際する基準は相手の容姿と家柄、職業である。つまり、ブサメンはエリートでもない限り彼女など出来ないというわけだ。

セリルがカナコお姉様に手紙を残し、姿を消したあと、何故かセリルはナミネに紙飛行機を飛ばし、ナミネがキクリ家に伝えに来て、カナコお姉様とレイカさんがセリルを迎えに行った。
私は知らなかった。容姿端麗、頭脳明晰、常に成績は学年トップのセリルにも悩みがあったことを。遠い昔なら気付いていたかもしれないけど、3年生になって、クラスが変わった今、セリルの様子は全く知らなかったのである。
セリルは、セレナールがマモルから受けたことをずっと悩んでいたらしい。更に言うなら、遠い昔、セレナールがカナエを陥れようとして自分が陥れられてしまったことに対しても長らく悩んでいたそうだ。
あの時、私もセレナールを助けたかった。だから、カナエに結界を解くように言った。同時にセナさんも武官に押し倒されていたのに、私はセナさんを見て見ぬふりして、セレナールの元に走った。けれど、間に合わなかった。私はセナさんの信用を失い、セレナールを救えなかった最低な男となってしまった。
あの時のことは、今でも鮮明に覚えている。

私はボロボロになったセレナールを地面に下ろすとセナさんに駆け寄った。
『あの、セナさん』
セナさんは泣きながら私を引っぱたいた。
そして、みんなはレストランで話し合うことになった。放心状態のセレナールもみんなに着いて行った。またセイも後を追った。
レストランに着くとみんなは席に座った。
カナエも私をを引っぱたいた。
『何故ですか。セナさんの危ない時にどうしてセナさんを見捨てたのですか!』
私は言葉が見つからなかった。
『答えてください!お兄様!』
確かに私は、セナさんよりセレナールを優先した。けれど、それはセナさんなら自力でどうにか出来ると思ったからだ。
『セナさん、どうしたら許してくれる?』
私はもう見切りを付けられたと思いながらも、セナさんにすがっていた。
『カラルリ……もう遅いよ』
セナさんは立ち上がった。
『天界の結界 000 無限大 000 無限大 000 無限大 確定!』
セナさんはみんなを結界に閉じ込めて逃げ出した。
天界の結界は同時に3つまでの結界を張ることが出来る。また、0を無限大にくっつけることで、それ以上の技を使わなければ結界は解けなくなるのだ。セナさんは森林の結界と壁の結界、霧の結界をかけたのである。
『お兄様、どうするのですか!これではみんなが結界から出れません!』
セナさんが逃げ出し、追うことさえ出来ず私たちは結界に閉じ込められ身動きが取れなくなっていた。もはや、カナエの声さえ耳に届いていなかったかもしれない。
『カナエ、大丈夫だから』
アルフォンス王子はカナエの頭を撫でカナエの肩を抱き寄せた。
『でも、ここで白黒ハッキリさせたい。正直、セナを見捨てたことは見過ごせない。でも、カラルリがセレナールと縁を切って今後セレナールが危険な目にあっても一切助けない、そしてセナを第1に優先するならカラルリがセナと別れないようセナを説得する。でも、それが出来ないならセナを説得せず、私はカナエを連れてカラクリ家に戻るよ』
私のミスで、アルフォンス王子は私に条件を提示した。
『アルフォンス王子様、この結界を解けるのですか?』
『分からない。でも、大丈夫だと思う。結界のことなら心配しないで。今はカラルリが今後セナとどうするかを聞くことが肝心だと思う』
結界を解けたとして、本当にセナさんは戻ってきてくれるのだろうか。
『ですが、セナさんはもうお兄様に見切りをつけたように思います』
『カラルリ次第では私が説得する』
今のセナさんに説得など通用するのだろうか。
『分かりました。お兄様、どうするか選んでください。けれど、チャンスは1度しかありません。2度同じことを繰り返せば、その時はセナさんのお心からお兄様はいなくなるでしょう』
カナエは念を押した。
『私はセレナールと縁を切ります。今後一切セレナールに関わらず、セナさんを1番に優先します。同じ過ちは繰り返しません』
セレナールと縁を切りたくなどない。けれど、あの時の私はセナさんと別れないことのみしか考えられなかった。
『本当に?ほとぼりが冷めたら、またセレナールを放っておけなくてセナを見捨てたりしない?』
セレナールを助けに行った。たったそれだけのことで、ここまでの、おおごとになるとは思わなかった。
『セナさんを二度と見捨てません。約束します』
それでも私は、こうなった以上、何がなんでもセナさんと別れたくはなかったのである。
『お兄様、本当ですか?カナエは信じられません』
『カナエ、私はもう二度とセレナールと関わらないし、セナさんを第1に優先する』
もう手段は選べない。
『お兄様、2度目はありませんよ。同じ過ちを繰り返した時は誰もお兄様を助けません。本当にアルフォンス王子様の言ったことを守れますか?』
『必ず守る。アルフォンス王子、本当申し訳ありませんでした。私はセナさんと別れたくありません。これほどまでに愚かで弱くて誰も救えないですが、セナさんが好きです』
私とてセレナールと縁を切りたくない。でも、それよりセナさんが大事なんだ。セナさんを失うなんて生きながらも死んでいるのと同じだ。
カナエはアルフォンス王子を見た。
『分かった。約束は絶対守って』
アルフォンス王子は全ての気を体内に取り込んだ。
『解 0000 無限大 0000 無限大 0000 無限大!』
そして、アルフォンス王子は結界を解いた。
あの頃のアルフォンス王子の力量はとんでもないものだったと思う。今とは大違いだ。
セナさんの居所を突き止めるとアルフォンス王子はセナさんに話を持ちかけた。
『セナ、前置きとして最初に言うけれど、カラルリはあの状況でセナよりセレナールを選んだ。これはもうカラルリはセレナールを妹以上に見てるとしか思えない。多かれ少なかれカラルリはセレナールを好きだと思う。
でも、今回のことでカラルリは反省して、セレナールとは縁を切り二度とセレナールと接触しなければセレナールが危険に晒されていてもセレナールを助けず、セナを1番に優先すると言ってる。
決めるのはセナだけど、正直ここまで来ると最後のチャンスだと思う。セナがここでカラルリを見捨てたらカラルリはセレナールの元に行くと思うよ。今でも少しでもカラルリのことを好きならカラルリが他の女性と付き合って欲しくないなら別れることはオススメしない。
もう一度言うけれど、これがセナとカラルリが仲直りする最後のチャンスだと私は思ってる』
アルフォンス王子の話を聞いてセナさんは薄々は気づいていたらしい。これまでの私へのセレナールの態度はもはや妹以上に対する振る舞い方だと。それに対してセナさんはいつもセレナールに嫉妬していたのだ。でも今回はセナさんが大切なものを奪われかけたのに私はセナさんよりセレナールを選んだ。それはセナさんにとって許し難いことであったのである。
『私は正直今は気持ちの整理が付けられない。けれど、カラルリがアルフォンスが言ったことを本当に守ってくれるのなら私は1度だけカラルリにチャンスを与えようと思う。ただ、今回のことは私も相当堪えたからこれまで通りに戻るにはそれなりの時間がかかると思う。もしかしたら、今回のことで前みたいな関係には戻れないかもしれない』
セナさんは自分の心境をありのまま話した。
『カラルリはどう?セナはチャンスは与えるけど前みたいな関係には戻れないかもしれないと言ってるよ』
アルフォンス王子が私に確認した。答えは決まっている。
『それでも構いません。私はアルフォンス王子に約束したように今後セレナールとは縁を切るし、二度とセレナールに接触しなければセレナールが聞きに陥ってもセレナールを助けません。これからはセナさんを1番に優先します。セナさんが直ぐに私に気持ちが戻らなくてもセナさんが私にチャンスを与えてくれるのなら私はセナさんとの交際を続けたいです。セナさんと別れたくありません。セナさんの気持ちの整理がつくまで待つし、ずっとセナさんの傍にいます。セナさん今更謝っても無駄だろうけど、それでも本当に申し訳なかったと思ってる』
あの時の私はただただセナさんと別れたくなくて必死だった。
『セナ、カラルリはこう言ってるけどセナはカラルリと交際を続けられそう?』
アルフォンス王子が確かめた。
『今は分からないけど努力してみる』
本当に最後のチャンスだったと思う。セレナールのことは心苦しかったが、どうしてもセナさんを失いたくなくて失いたくなくてしかたなかったのだ。
その後、セナさんとはかなり気まずい雰囲気が続いたが、もう一度私のことを信じると言ってくれた。

あの頃は、何もなかった。
けれど、私たちは人と人との愛情で成り立っていたと思う。
そして、現世では、あの時、博物館でアルフォンス王子から言われたことが忘れられなくて、体育館でセナさんとセレナールが拘束されていた時、真っ先にセナさんを助けた。それが、セレナールから恨みを買い、ラルクに攻撃される事態を招くとは思ってもみなかった。
もう、あの時の博物館のことを思い出すだけで辛くなる。今は改装されているけれど、それでも、みんなで博物館に行った時は胸が締め付けられていた。
けれど遠い昔、あれだけセナさんと愛し合ったのだから、二度とセナさんを手放さない。私は二度とセナさんを苦しめない。そう心に誓った。

セリルの望んだ話し合いが近付いている。
どんな結果になるかは分からない。それでも、セリルの苦しみに気付けなかったのは不覚だ。セレナールの身体はもう元には戻らないけれど、せめて、セリルが納得いくような結果になってほしい。今回の話し合いは、遠い昔の博物館のことも出るだろう。私も覚悟しなければ。

あれから、ナミネがナノハナ家に戻ると言った途端に、みんな戻る方向になってしまった。第4居間ではナミネとヨルクがじゃれ合っている。
「もうすぐキクリ家で話し合いだというのに、ナミネとヨルクは何も思わないのか?特に、カンザシはナミネの実の兄なのに、責任感じないの?セレナールにしたことナミネがされたらどうするのかな?」
私は半ば苛立っていた。セリルとは遠い昔からの付き合いだし、セレナールは妹同然の存在。いくらセレナールを嫌っているからといって、無神経すぎる。
「私は、話し合いは話し合いの時にするものだと思っていますし、ここで過ごすこととはまた違うのではないでしょうか?」
何だ、この反応は。
「それは、それだけヨルクがセリルに無関心だからだろう。問題をすり替えるな!」
ダメだ。ナミネとヨルクを見ていると、何故か苛立ってしまう。
「一目惚れカラルリ、アンタ何をそんなに苛立ってんのさ」
こんなふうに、セリルの弟にいつも擁護してもらっている。自分では何もしない。私の嫌いなタイプだ。
「別に苛立っているわけではないけど、問題が問題なだけに、みんなにはそれ相応の覚悟を持って欲しかっただけだが」
「あの、カラルリさん。ここ私の家なので」
ナミネも馬鹿にしたような発言をする。こちらとて、妹同然のセレナールを、あんな目にあわされて黙ってはいられない。
「ナミネは子供だな。大人の恋愛が分からないから大人の事情も分からないんだな」
「逆に言わせてもらいますが、カラルリさんはセナ王女の妊娠をどこまで本気で捉えていたのでしょうか?あまり無駄口叩くと落ち武者さんにフェアリーングかけてもらいますよ」
最年少なのに生意気な口を叩いて本当に腹が立つ。けれど、フェアリーングで確かめられるのは分が悪い。
「セナさんの妊娠については、キクリ家で相当考え込んだ。けれど、突然のことでどうしたらいいのか分からなくて、ただひたすら悩み続けた。何がセナさんにとっての最善策なのか」
「今となっては、それが真実なのか分かりませんけどね」
どんな育ち方をしたらこうなるんだ。生意気にもほどがある。
「もし、ナミネが妊娠してもヨルクは中絶同意書書かせるよ」
「一目惚れカラルリ、アンタ何の話してんのさ?」
「あまりにナミネが子供だから責任というものを教えてあげてるだけだけど」
中学生なんて小学生の延長線のガキだ。ヨルクに騙されているとも知らずナミネも呑気なもんだ。
「私、別にヨルクさんに責任取ってもらおうなんて思ってません」
「ナミネ、悲しいこと言わないで。ナミネ1人に考え込ませたりしないよ。ナミネには苦労させない」
また綺麗事。憶測で物事を考えるヤツはタチが悪い。
「どうせ、ナミネに中絶同意書書かせるんだろ」
「私はそんなことしません。ナミネとナミネのお腹の子を大切にします」
どこまでも鬱陶しいな。
「そうだな。清い関係だから、妊娠なんてないよな。けど、高校に上がったらどうかな?」
ヨルクとて1人の男。どこまでも清い関係では耐えきれないだろう。
「あの、カラルリさんって、かつてアヤネさんと浮気してましたよね?汚れた人からの指摘って気分が悪いです」
また出た。ナミネお得意の理屈論。これだから末っ子は話が通じにくくて面倒なんだ。
「ナミネこそ、何人の男と付き合ったんだよ?浮気してんのナミネじゃん」
「ナミネ、もう相手にすんな。頭のネジ取れてんだろ」
「だねー!どうせセナ王女にまた妊娠されるの恐れてるようにしか見えないねー!」
どこまで人を馬鹿にすれば気が済むんだ。セナさんとは運命だ。遠い昔、セレナールと縁を切ってまでセナさんを選んだ。その想いは、今でも続いてる。
「ナミネは子供だから妊娠とか分からないんだな」
返事は来ない。私は思わずナミネに花札を投げた。が、ナミネは素早く避けた。こんなガキに力量で敵わないなんて悔しい。そう思っている間に私はナミネに扇子で肩を叩かれた。遠い昔は、軽い冗談でよくカナエに叩かれていたが、それも現代はなくなっている。ナミネはどれだけ馬鹿力なんだ。肩に凄い痛みが走る。
「今度は暴力か。フラれるぞ、この暴力女」
「ねえ、カラルリ。あなた急にどうしたのよ」
「ナミネが暴力振るうから、こっちも辛くて」
私は扇子で叩かれた肩をさすった。
「あの、カラルリさん。言いたいことがあるなら私に言ってください。ナミネをイジメないでください」
ここで、またヨルクがカッコつけるか。
「これ、ヨルクだろ。あれだけナミネ以外愛したことはないって言ってたけど、嘘もいいとこだな」
私は、いつかのヨルクが他の女と口付けしている写真を見せつけた。これは、カナコお姉様のアルバムに挟んであったものだ。
「覚えてませんし、本当に私ですか?私と言い切れる根拠って何ですか?」
私は完全にブチ切れた。気付いたら第4居間の物をヨルクに投げ付け、アヤネを蹴った。そして、知らない間に花瓶がエルナに当たっていた。
「一目惚れカラルリ、アンタ、何してるのか分かってんのか?エルナに危害加えるな!」
しまった。セルファを怒らせてしまった。私は咄嗟に庭に逃げようとしたが、ナミネとラルクが道を塞いだ。

……

あとがき。

古代編って、カラルリはアルフォンスに敬語だったんですね。
短期間なのに、めちゃくちゃ忘れてました。

……

この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
Copyright (C) 2009 雨の音を聴きながら, All right Resieved.
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