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日常のこととかオリジナル小説のこととか。
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HN:
ashita
Webサイト:
性別:
女性
職業:
地主(土地貸してます)
趣味:
漫画やアニメを見るのが好きです。最推しはフーディーニ ♡
自己紹介:
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ブログ、もう書かないと思ってました。

けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。

小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。

純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。

元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。

ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。

小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。

よろしくお願い致します。

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お知らせ。

イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。

また、「カラクリよろずや」にてフリーイラスト素材について考えるブログはじめました✩.*˚
不定期に更新していく予定です。

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模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。

ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。

小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。

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X @kigenzen1874

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〈資格履歴〉

2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格

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〈資格証明バナー〉

鉛筆デッサンマスター®認定試験資格取得証明
絵画インストラクター資格資格認定証
宝石鑑定アドバイザー資格認定試験資格取得証明
鉱石セラピスト資格資格保持証明
茶道アドバイザー資格認定試験資格取得証明
お点前インストラクター資格資格認定証
着物マイスター®資格認定試験資格取得証明
着付け方インストラクター資格資格認定証
サイキックアドバイザー®資格資格証明
サイキックヒーラー資格資格保持証明
アンガーカウンセラー®資格資格保持証明
アンガーコントロール士資格資格認定証
漢方コーディネーター®資格認定試験資格保持証明
薬膳調整師®資格認定試験資格保持証明
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純愛偏差値 未来編 一人称版 134話

《ヨルク》

朝早く第4居間の隣のキッチンへ行くとカナエさんが料理をしていた。
「あ。カナエさん手伝います」
私はエプロンを付けた。
「ヨルクは良い子ですね」
突然カナエさんに抱き締められた。よく見るとカナエさん、クマが出来ている。寝ていないのだろうか。
「カナエさん、寝てないんですか? 夜中からここにいたんですか?」
何かあったのだろうか。
「朝食を作ったら、皆さんにお話します」
いやな予感がする。カナエさんが眠れないほどのことって、簡単には解決出来ないくらい大事(おおごと)なことなのだろうか。
その時、ナミネが走って来た。
「カナエさん、全ては分かりませんが落ち武者さんから聞きました! 2019年と同じことが起きるだなんて……」
ナミネの話だけでは分からない。最初から聞かないと。
「はい、それだけではありません。お兄様はもっと前から悩んでいました。転生ローンの催促で。体育館のことは、その矢先のことでした」
体育館……? というか、転生ローンって、コマーシャルとかでやっている、転生しても返済仕切るまで催促が来るローンのことだよね。カラルリさんが転生ローンというのは何だかしっくり来ない。お金の管理はしっかりしていたほうだと思う。
フレンチトーストが焼けた。私はホットミルクを人数分入れて、カナエさんと第4居間に運んだ。
あれ、みんな揃ってる。
「朝飯とかどうでもいい。一から説明しろ! どの道、甘えセナと一目惚れカラルリには痛い目に遭ってもらうけどね?」
セレナールさん絡みだろうか。落ち武者さんも寝てなさそうだし、相当苛立っている。
「まず、お兄様の元に転生ローンの催促が封筒とメールで来はじめました。当然、お兄様は何も覚えていません。けれど、役場で事実だと知り、お兄様は酷く落ち込みました。そんな矢先、ミナクが別荘に来て、セナさんと恋仲になりました。フェアリー日記には、交際、白咲、白梅と書いてありますが、交際と白梅は恐らく嘘でしょう。セナさんとミナクは頻繁に会うようになり、お兄様の心の行き場がなくなった頃、あの体育館の事件が再び起きたのです。これが体育館での全てです」
カナエさんはノートパソコンをキーボードから外し、机に置いた。ミナクお兄様が最近突然機嫌が良くなったのはセナ王女と会っていたからなのか。もし、遊びでなく本気なら初恋だ。聞いている限り本気に思えたが実際どうなのだろう。
みんなはパソコンを真剣に眺めている。
映像は誰もいない体育館でセナ王女とセレナールさんが椅子に縛り付けられていた。二人とも寝ている。眠らされた状態で連れてこられたのだろうか。
少しするとセレナールさんが目覚め、セナ王女かセレナールさんのどちらかしか助からないことを告げられる。セレナールさんは必死に助けを求めた。
すると、セナ王女を見捨てたらセレナールさんは助かるようなことを言われ、セレナールさんはセナ王女を差し出してしまう。
カラルリさんが現れ、真っ先にセナ王女の元へ向かった。その瞬間にセレナールさんは大学生たちに押し倒され、抵抗するものの、床に押さえつけられ制服を脱がされてゆく。
カラルリさんに助けを求めるもののカラルリさんはセレナールさんのところへは行かない。
大学生がセレナールさんの下着に手をかけた時、ミナクお兄様がセナ王女に花札を投げた後、大学生を扇子で吹き飛ばし、セレナールさんにブレザーをかけた。
カラルリさんはセナ王女を抱き締めるものの、セナ王女はカラルリさんを振り解き、ミナクお兄様に抱き着いた。
少しして、アルフォンス王子たちが体育館へ来た。ハルミ先生もいる。
そして、色々揉めた後、大学生によって黒幕がセイさんであること知る結末となり、セレナールさんがセナ王女を引っぱたくところで映像は終わっている。
「甘えセナは本当っ卑怯だな。自分だけに結界かけて寝たフリして、王室の紙飛行機メモ飛ばして、明らか自分のみ助かろうとしてるじゃねえか。一目惚れカラルリは姉さん見捨てて甘えセナだけ助けようとして。姉さんの人生どうなってもいいのかよ! 今日の話し合い、僕も行く」
え、けれど、セレナールさんのほうが自分だけ助かろうとしてた気がするけれど。それに、ミナクお兄様はセナ王女を想うことで、やっと落ち着いてきたところだ。今、ミナクお兄様からセナ王女を奪ってしまえば逆戻りになってしまう。
「落ち武者さん。ミナクお兄様は、セナ王女によって幸せを手に入れようとしています。どうか、ミナクお兄様の幸せを壊さない程度に考慮してもらえないでしょうか」
先にラルクに言われてしまった。ラルクは私よりミナクお兄様のほうを兄として慕っているのだろうか。私は、いつまでラルクに嫌われたままなのだろう。
「はあ、兄弟愛ってヤツね? 確かに女遊びミナクに罪はないから、そこは僕も考慮はしたいけど、姉さんが、あそこまでみんなから仲間外れにされたら僕も辛いんだけど?」
落ち武者さんとセレナールさんは仲が良い。あれ、セレナールさんとセリルさんが兄妹ってことは、落ち武者さんってセリルさんの弟……? 全然似てない。
「落ち武者さん、私もミナクお兄様が幸せに向かっているのを壊されるのは困る」
映像だけでは何とも言えないが、少なくとも私には両想いに思えた。
「あんたら、何だかんだで兄想いなんだね?」
落ち武者さんだってそうじゃないか。
「セルファさん。僕も、復讐までしてしまうと事態は余計に悪化すると思います。ミナクさんはセナ王女を失った苦しみから、更に他人を傷つけるでしょうし、カラルリさんはセナ王女の想いを得られないことと転生ローンのことで酷く負いつまるでしょう」
復讐は誰も幸せになれない。それなのに、2024年現代で仇討ち権があることには遺憾である。
「ねえ、ラルク。歴史変わってなくない? セナ王女はカラルリさんと交際した後にミナクさんと交際してた。けど、今回は、カラルリさんすっ飛ばしてミナクさんと交際してる。それに、前とは違って二人とも深い愛情で結ばれてる気がする」
前はカラルリさんと交際していたのか。
「まあ、表面上はそうだけど、シャム軍医が現れれば確実に状況は変わるだろうな。正直、僕もセレナール先輩のみがあんな目に遭って復讐してやりたい気持ちはかなりある。でも、こんなヒートアップしている状況ではセレナール先輩の力にはなれないと思う。僕としては仲介を挟みたい。出来ればメナリさんで」
ラルクは思ったより冷静だ。セレナールさんのこととなれば取り乱すと思っていた。
「うん、私もそう思う。でも、話し合いでどうこうなるのかなあ。セレナールさん、セナ王女にブチ切れてるし、カラルリさんもミナクさんを相当恨んでる。実際のところ、ミナクさんとセナ王女ってどこまでいったのかな。セナ王女はカラルリさんに全く恋愛感情ないのかな。ついこないだまでは、カラルリさんと好き合ってたように見えたけど」
それを知ってどうするのだろう。そんなの本人にしか分からないじゃないか。
「聞いてみる」
えっ、聞くって、そんなことしたところで正直に答えるとは思えないが。
「で? 男尽くしカナエはどう思うわけ?」
何故ここでカナエさんに聞くのだろう。
「カナエは、前の二の舞にならないのなら、セナさんとミナクが交際するのが良いと思いました。けれど、現実はそうではありませんでした。セナさんのお心を手に入れられなかったお兄様はボロボロになっています。月城総合病院でもセナさんはミナクにくっつきぱなしで、お兄様はミナクを何度も殴ろうとし、誰にも心配されないとセレナールは泣き、セナさんにばかりを責め続け、メノリさん一人がセレナールを見てるからとカナエたちは帰されました。結局、順番や人が変わっているだけで、以前と同じです。お兄様を見ているとカナエは辛くてたまりません」
カラルリさんは昔から効率の悪い人で他者のせいにしすぎるところがあるから、今の状況だとミナクお兄様を目の敵にし続けるだろう。
「ナミネ、白咲だけらしい」
本当だろうか。ミナクお兄様の性格からして何もないなんてことはないだろうけど、何事も物事は憶測で決めてはいけない気がする。
「そんな感じだよね。ミナクさん、本命だけには躊躇うとこあるし」
そうだったっけ。天使村時代は真面目だったから分からない。そして、私はアヤネさんとカラルリさんによってミナクお兄様が変わってしまったことを後に知ることになるのである。
ミナクお兄様が再び元に戻りはじめていることは嬉しいが、王女に手を出して大丈夫なのだろうか。
「ふぅん。男尽くしカナエ、アンタも身内が良ければ周りはどうでもいいんだ? ムカつくんだけど? アンタ、一度姉さんと同じ状況になってみろ」
その瞬間、一瞬畳が光った。落ち武者さんは既に数式を書いていたのか。
「ねえ、落ち武者さんだってそうでしょ? どうしてカナエさんにばかり当たるの? カナエさんだって辛いんだよ?」
殆どの人間は、みんな自分のことばかりだ。私だってそうだけれど、どうしても人が集まれば不利な状況下に立たされる人間も暗黙に現れる。それはカナエさんのせいではない。
「カナエの力を奪ったのですね。セルファさんがそれで気持ちが落ち着くのなら、カナエはもう何も言いません」
カナエさんは、いつも堂々としている。その姿に、どれほど憧れたことか。
「どこまでもムカつくんだけど? 男尽くしカナエ。アンタが、あの時結界かけたから、姉さんの人生ダメになったんだろうがよ! あの時のことだけは、ずっと許せなかった。アンタ、反省どころか全部姉さんのせいにして来たし! どれだけ身勝手貫いたら気が済むんだよ! どれだけ人犠牲にしたら気が済むんだよ!」
落ち武者さんは泣きはじめた。その時のことを私は知らない。恐らく古代のことだろうけど、今のように、あちら側とは完全に関わりがなかったから。
「言い分はそれだけですか? あの武官たちはセレナールが雇った者たちです。自業自得とまでは言いませんが、それがきっかけでセナさんの人生まで奪われかけましたし、お兄様はセレナールを助けようとしたばかりにセナさんにフラれかけました。悪いのは本当にカナエだけでしょうか? カナエは、セルファさんのこじつけのように感じますが?」
言われてみれば、喧嘩は一人では出来ない。カナエさんのみが悪いというのは、しばしおかしいと思う。
その時、落ち武者さんはカナエさんを押し倒し無理矢理口付けをした後、カナエさんの服を脱がしはじめた。
「ちょっと、落ち武者さんやめて!」
その瞬間、ナミネが扇子でカナエさんから落ち武者さんを引き離した。
「アンタ、どっちの味方なのさ」
落ち武者さん、まだ泣いている。
「カナエは別に構いません。以前、いやってほどアルフォンス王子様に弄ばれていましたので、白梅の一つや二つ、もう気にしません」
カナエさんは、どこまでも強気だ。
「落ち武者さん、僕もナミネから聞いた時は耳を疑いました。カナエ先輩は咄嗟とはいえ、結界を使えるのに、セレナール先輩は使えません。もうその時点で100:0だと思っています。完全なイジメなんですよ。僕がお武家連盟会議にかけます。だから、今は耐えてもらえませんか?」
お武家連盟会議って、それもう仲間割れじゃない。
「分かった……」
ラルクは人を説得するのが昔から得意だ。落ち武者さんも何だかんだでラルクのことを気に入っている。
「セルファさん、そこまでカナエのことを恨んでいるのでしたら、ひと月仮交際しませんか? その間、セルファさんはカナエを好きにしてください。カナエはセルファさんの恨みを受け止めます。別に全てゼロにしてほしいと言っているわけではありません。どうですか?」
え、さっき落ち武者さんに押し倒されたばかりなのに。それに好きでもない人と仮交際も腑に落ちない。
「アンタ、思った以上にズル賢いな。自分のことさえままならない一目惚れカラルリとは反比例するかのように。
誰でもいいから慰められたいだけだろ。だったら温室カランに頼んでやろうか?」
そうか、カナエさんも平気なフリしてるだけで、メンタルは相当やられているのか。全然気づかなかった。
「交渉に応じないのなら、もうカナエからは何も提案しません」
カナエさんが立ち上がると同時に、また一瞬光った。ズームさんがカナエさんの力を元に戻したのだろうか。
チームワーク取れる人間は問題を抱えていても周りのことも考えられるのに対して、自分のことしか考えられない人間はチームワークを取るには困難とも言えるだろう。
「交渉には応じる。その代わり、僕は慰めどころかアンタ痛め付けることしかしないけどね?」
その時、ナミネが覚めたフレンチトーストを食べはじめた。お腹空かせていたのか。
「では、交渉成立ということで。朝ご飯、温め直してきます」
なんだろう。一見仲悪そうに見えて少し恋愛に見えてくるのは私の妄想だろうか。
「カナエさん、私も手伝います」
私は立ち上がった。
「僕も手伝います」
何もしない人は何もしない。あちら側もチームワーク乱れているけれど、こちらも乱れている気がする。けれど、それぞれの役目というものもあるか。
「あ、すみません、ズームさん」
この人優しい。世の中は理不尽だ。友人は選べるのに親も兄弟も選べない。いや、それは違うか。ズームさんは恵まれているけれど、カンザシさんという人に縛られ続けている。チラッとナミネから聞いた話だから皆までは知らないけれど。私だったら耐え切れるかどうか。
「ねえ、ラルク。今のセレナールさん、ミナクさんに傾いてるよね」
はあ、どうして敢えて本人に言うのだろう。ナミネは本当に空気が読めない。
「だろうな。けど、恋にはならないと思うし、なってもミナクお兄様とセナ王女は離れないだろう」
何故、兄がこんなにもモテるのだろう。それもセナ王女もセレナールさんもかなりの美人だし。
「ラルク、今回は本当にセレナールさんのこと好きなんだよね?」
どういうことだろう。
「ナミネ、それ何回聞くんだよ。僕はセレナール先輩しか考えてないから」
前は何かあったのだろうか。ナミネの説明が大雑把過ぎて、ここぞということに関しては状況が掴めない。
「少しずつ過去も変わっています。あれだけヨルクに気があると言っていたセレナールでしたが、それも薄らいでいます。ヨルクと一緒になれなかったから死んだのも、ラルクを庇って命を落としたことになっています。何かの陰謀の部分が消えていってるようにカナエは感じます」
セレナールさんが私のことを……? 陰謀……。だとしたら、ナミネの衰弱もそうでなくなるだろうか。
「確かにそうですね。僕の勾玉のアザが濃くなっているのも何か理由があるのでしょう」
え、濃くって……。だとしたら、もう一度ラルクに。ダメだ。まだセレナールさんと知り合ってさえないんだった。
「ズームさん、何か出来ることはないでしょうか?」
ズームさんがいなくては、こちら側は拗れる頻度が高くなってしまう。
「とりあえず、今のところはカンザシを忍者妖精としてデビューさせ、マンション契約するだけなので大丈夫です」
全然大丈夫じゃない。マンション物凄く高いって聞いてるし、そのカンザシさんって人、自分の努力が全く見られない。
「カナエがお祓いをしてみます」
カナエさんの力は凄い。少しでもアザが薄くなればいいのだけど。
「あの、カナエさん。本当に落ち武者さんと仮交際するのですか? 好きでもない落ち武者さんとそういう関係になってほしくないです。カナエさんには幸せな恋愛をしてほしいです」
間違っている気がする。他者が口を挟むことではないけれど、カナエさんは私にとって姉同然の大切な存在だから。
「お互い様でしょう。セルファさんとてエルナの未練を誤魔化すために交渉に乗ったのだと思います。それにカナエは、あの兄弟に弄ばれ、二度と恋愛はしないと決めました」
え、恋愛じゃないのに慰め合うって、やっぱりカナエさんにそんなことしてほしくない。
「聞こえてんだけど? エルナとは別れてるけど?」
いや、今さっき未練どうのこうのの話をしていたのだけど。その時、カナエさんが落ち武者さんに口付けした。
「慰めになりましたか?」
まさか、気があるのだろうか、互いに。けれど、少し違う気がする。
「場所変えろ!」
落ち武者さんは気がある……。そして、落ち武者さんはカナエさんの手を掴んでここから第4居間からも出て行った。

半時間後、カナエさんと落ち武者さんは第4居間に戻って来た。カナエさんの服がさっきと変わっている。
「アンタ、少しも乱れるどころか華声一つ出さないんだな」
え、やっぱりカナエさん身体かけてたんだ。
「当たり前でしょう。カナエはセルファさんのこと好きでもなんでもないのですから」
早くに止めるべきだった。落ち武者さん最低すぎる。
「あの、そのことなんですけど、エルナさんによると落ち武者さん、めちゃくちゃ下手らしいんです」
どうしてナミネはこうまで空気が読めないのだろう。
「ねえ、カナエさん身体張ってまで落ち武者さんに償おうとしてるのに、そうやってふざけるの良くないと思う」
ナミネは、ナノハナ食堂のお弁当を食べはじめた。
「はいはい、すみませんでしたー!」
小さい頃は、天使のように可愛かったナミネがどうしてこうなってしまったのだろう。
「あ、カナエさんと落ち武者さんの分、温めておきました」
もうすぐ午後だ。話し合いは13時から。こちらの不安も募る。
「ありがとうございます、ヨルク。セルファさん、シロップかけますか?」
え、どうしてさっきまで敵同士みたいだったのが、いきなり恋人モードになっているのだろう。
「いや、このままでいい」
二人は横に座った。
「ねえ、ラルク。カナエさんと落ち武者さん恋人みたいだよね」
ああ、ナミネってどうして場の空気壊すようなことばかり言うのだろう。
「まあ、似たもの同士だしな」
全然似てないじゃないか。
「でも、アルフォンス王子かわいそうだよね。ユメさんと別れたばかりなのに」
えっ、あの二人別れたの? ナミネはどこでその情報を知ったのだろう。
「そうそ、こっち側のフェアリー日記に男尽くしカナエが向こうの同行全て書いてるから、定期的に確認しろ」
フェアリー日記? 私は登録していない。ナミネは登録していた感じだし、どうして私には何も言ってくれなかったのだろう。
「分かりました。今登録します」
ズームさんも今知ったばかりなのか。私も登録しよう。私はフェアリー日記をダウンロードした。
すると体育館のことだけでなく、セナ王女とミナクお兄様の二人きりの写真が文章とともにかなりある。この時、はじめて私はミナクお兄様がセナ王女に本気であることを知った。
「わあ、セナ王女とミナクさん、ラブラブだよね」
ナミネはまたご飯をポロポロ落としている。人は何世紀立っても変わらない。そういう生き物であることを痛感させられる。
「もうベタ惚れだな。けど、カラルリ先輩はセナ王女をどこまでも追うだろうな」
カラルリさんは昔から諦めが悪い。勉強は出来るけれど、運動はイマイチでカナエさんとは差が出ている。体育館でのことも全く武器を使わないままセナ王女に駆け寄ったあたり、いざと言う時に行動に移せないことの現れだと思うし、昔から本当に変わっていない。
「で、カナエはセナさんに死角の場所に監視カメラを取り付けるようお願いしたら良いのですね?」
王室の別荘にも死角になる場所はあるのか。
「うん、絶対抜かりないようにね? 後、顔だけヨルク。一目惚れカラルリは女遊びミナクだけ目の敵にしてるように見えるけど、本当に目の敵にしてるのアンタだから」
え、それどういうこと?
私はカラルリさんに何かした覚えはない。

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あとがき。

少し遡ってみましたが、体育館でのことは二度目なんだけど、一度目はセレナールの回想だけでした。
やっぱり、もう少し走り書き通りに書くべきだった。

123話まではナミネ・ヨルク視点だったので、キャラの善悪が暗黙に浮かび上がってましたが、色んなキャラの視点で書くことによって、前より一人一人の思いが明らかになっている気がします。
でも、その代わり記憶ある側・ない側の視点を交互に書くと前後の歪みが出てしまうの欠点かもです。
それでも、話の流れを明確しにたいので少なくとも今は複数視点で書いていこうと思います。

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この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。

また、程度によりますが模倣はご遠慮願います。
詳しくは《カテゴリ》→《説明事項》→《模倣のご遠慮願います》をご覧ください。

小説の無断転載もご遠慮くださいませ〜♪
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Happy birthday!!!
ナミネ(♡´▽`♡)

ささやかながらに二段ケーキ作りました(*ˊᗜˋ)

プレートは簡易的ですが手作りなのです♬.*゚

ちなみに、二段ケーキ一度失敗してるんですよね( ˟ ⌑ ˟ )
気になる方はXご覧ください(笑)

失敗したときはめちゃくちゃショックでした。
でも、素材買い直して再度作ったんです(*´︶`)

トッピングの花は食用花なので食べれます( 'ᢦ' )

クリームはやっぱりナノハナ家色かなと✩.*˚



イラストクッキーは失敗用に3回も焼いたのに。
やっぱり一発描きが非常に苦手で(>ㅿ<;;)

暑い中での作業は忍耐力持たず。
いつもより焼きすぎちゃって。
途中で集中力切れちゃった(>_<)

作り直しは出来なかったけど。
ナミネとラルクだけでも描けて良かったかな(*´▽`*)

何世紀経っても大好きだよ(*>ω<*)♡♡♡


オリジナル小説 純愛偏差値 誕生日祝い
純愛偏差値 未来編 一人称版 133話

《セナ》

私は、ずっと貴族との付き合いが殆どだった。全てが全てそうではないが、ほぼ騙し合いの世界なのである。言い寄ってくる男もたくさんいたけれど、私の財産目当てだろう。
そんな人間関係にウンザリして私はアルフォンスと紅葉町に引っ越してきたのだ。
けれど、王女と言うだけでクラスメイトからは避けられ、時にはイジメ紛いのこともされていた。でも、カラルリは違った。クラスに馴染めない私に色々と優しくしてくれて、グループも出来ていた。そして、私とカラルリは、次第に親しくなっていったのである。
はじめての好青年に、私は時間と共にカラルリのことを友達以上に見るようにもなっていた。セレナールがカラルリと仲良くするのを見るのは嫌だったし、私のカラルリへの気持ちは恋に近いものであったと思う。そして、私は確信が持てたら気持ちを伝えるつもりでいた。
けれど、あの日突然、クレナイ家のミナクが別荘に来て、私の気持ちは大きく揺さぶられた。事故とはいえ、クローゼットの部屋でミナクにファーストキスを奪われてからはミナクを意識するようになっていた。カラルリがミナクは女遊びをしていると言っていたけれど、それでも私の心は、あの一瞬でカラルリからミナクへ移り変った。正直、セレナールがミナクの腕を組んだ時は、かなり妬いてしまっていた。
ある日、学校の広場でミナクが他校の女の子を殴り付けているのを見てからは、急にミナクとの距離が縮まった。
私だけを見てほしい。そんな思いで、私はミナクを幸せにする決意をした。そして、ミナクとデートを重ねるほどに私の中の淡いカラルリへの想いは消えていた。今は、ミナクのことが好きだとハッキリ自覚している。
それで私は思った。カラルリに対しては恋と呼ぶには時が熟していなかったのではと。
「セナ王女って幼なじみとかいるんですか?」
夜の公園も悪くはない。
「あなたたちのようなものではないけれど、レナードが幼なじみよ。高校に上がってからも一緒にお風呂に入るくらい仲が良いの」
レナードとは幼稚園に入る前から親しくしていた。
「えっ、皇太子様ですか? やっぱりセナ王女とは住む世界が違いすぎます」
こんな風にミナクからは時折距離を置かれる。
「ミナクだってカナエと親しいじゃない。本当は恋愛感情あるんじゃないの?」
カナエはキクリ家の末っ子で、頭も良くて料理も出来て可愛い。学年のマドンナとしてはセレナールを支持する人が圧倒的だけど、カナエにはセレナールにはない魅力がある。
「カナエさんは大切な存在です。でも、姉以上に見たことはありません」
姉……か。
「じゃあ、セレナールのことはどう思う?」
やっぱり気にしてしまう。みんなで歩いていると通りかかる男はみんなセレナールのことを見ている。悔しいけど、かなり美人だと思う。
「うーん、綺麗だとは思いますが、どちらかと言うと姉のような存在ですかね」
また姉……。何となく都合良く誤魔化されている気がするのは被害妄想だろうか。私はミナクにもたれかかった。
好き。その一言が言えたら、どれだけ楽だろう。
「ミナクってキュート動画とか見るの?」
今や、そういったアプリは溢れ返っている。
「今日は質問が多いですね。男なら誰でも見てると思いますけど。カラルリさんも」
いや、今となってはカラルリのプライベートにはさほど興味はない。いつから興味がなくなったのかも薄れてゆく。それも全部ミナクのせい。
「そう。どういうキュート女優がタイプなの?」
私は出来心でミナクのフェアホを奪った。え、待ち受けは私とのツーショット? そして中を見る前に取り戻されてしまった。
どうしよう、めちゃくちゃ気まずい。その時、ミナクが私にフェアホ画面を見せた。
「前は色んなアプリ取ってましたが、今はたまにサイトで見る程度です。露骨な整形や派手な女は好みではないんで。フラワー女優がキュート女優だったら、まだ見応えあるんですけどね」
露骨や派手だっただろうか。
「そ、そう」
私は俯いた。
「三日連続で会ってますが良いんですか? カラルリさんのことは」
私とカラルリって、そういう風に見えるのだろうか。けれど、時間と共にカラルリからの好意的なようなものは感じられるようになって来た。
「あ、そのことなんだけど、クレナイ家に泊まった時のことフェアリー日記に書いていいかしら? それとミナクと交際はじめたってことも書きたいんだけど。後、出来ればミナクにもフェアリー日記登録してほしいの」
カラルリから好意を寄せられるような時は気まずい。私はもうミナクのことが好きだから。
「構いませんが、カラルリさんに嫉妬させたいならやめた方が良いです。フェアリー日記は今登録します」
うーん、こんなにミナクにくっついているのに気づいてもらえないものなのだろうか。
「そうじゃなくって、私カラルリのことは好きだけど恋愛感情じゃないのよ。でも、カラルリからは好意的なもの感じられて、このままだとグループに居づらくなるなあて。そうなりたくないの」
ミナクは一瞬驚いたような表情をした。私は勢いからかフェアリー日記に投稿をした。
『ミナクと交際スタート&初白咲』
その瞬間、カラルリから着信があった。けれど、私は出なかった。
「出なくていいんですか? 今頃カラルリさんショック受けてますよ。正直、セナ王女はカラルリさんに気があると思ってました」
確かに、意識はしていた。けれど、今思えば口付けしたいとかは思ったことがない。
「うーん、淡い想いを抱いていた時期はあったけど、多分、カラルリとは友達以上にはなれてなかったと思う。クレナイ家でミナクにされたこと、カラルリにはされたくない……」
恋じゃなかったとまでは言わない。けれど、どこか違和感はあった。
「それって私がセナ王女のファーストキス奪った時からですか?」
今度はミナクがやたら質問してくる。
「うーん、それもあると思うけど、友達としての触れ合いなら全然良かった。両想いだったとして、私はカラルリに友達以上のことは許せてない気がする」
上手く表現出来ない。意識はしていたし、セレナールと仲良くされるたびにヤキモチを妬いたのも事実。でも、ミナクに許せたことをカラルリにも許せていたかと考えたら、拒んでいたと思う。
「難しいですね。そういうカップルも世の中には多くいますが、セナ王女は無理そうですね。あんなに大胆でしたし」
思い出すと恥ずかしい。別に白梅まで捧げたわけじゃないけれど、多分にたような状況だったかもしれない。
時計を見ると22時を過ぎていた。
「あ、もうこんな時間。送って行くわ」
私は立ち上がった。その時、ミナクは後ろから私を抱き締めた。
「こういうこともされたくないですか?」
どうして、ここまで聞いてくるのだろう。
「ハッキリ言うわ! 最初は恋してたかもしれない! でも、少なくとも今はこういうことはされたくない!」
私が好きなのはカラルリじゃなくミナク。ミナクは私から離れた。
「そうですか。送って行きます」
私がミナクを幸せにするって決めたけど、少しづつミナクを求めはじめて今は、たびたび胸が苦しくなる。私はミナクの手を握った。
「そういえば、まだキープの子いるの?」
もっと楽しく過ごしたいのに、好きが募るほどそれが難しくなる。
「います。キープは辞めるつもりはありません」
これが嘘だということに私は全然気付けなかった。
「ええ、そこは止めないわ。ミナクのやりたいようにしたら良いと思う。でも、あなた。そのうち刺されるわよ?」
似たようなニュースは飛び交っている。人を貶めたら貶め返されるのが道理。正直そこはかなり心配だけれど、これまでの習慣をいきなり否定しては、それはそれでミナクの居心地を悪くするだけだし、こういった問題は難しい。
「セナ王女が言うと、めちゃくちゃリアリティありますね。刺されはされてませんが、復讐はされたことあります」
はあ、やっぱり心配だ。
「どんな?」
キープの子、何人いるのだろう。内官に調べさせるか。
「美人局です」
絶対ミナクがキレるパターンだ。
「全てを変えろとは言わないけど、やっぱり、ほどほどにしたほうが良いと思うわ。弄ばれるって良い気しないし。送ってくれてありがとう。気を付けて帰ってね」
その時、ミナクに手を握られた。
「幻滅しました?」
大人なことしてるけど、まだまだ子供ね。
「してないわ。最初に言ったことは覆さないし、ミナクの幸せは私が守る」
私はミナクに口付けしかけてやめた。まだ時は熟していない。ミナクがキープをやめるまでは支えることに集中しよう。

別荘に入るとリビングにアルフォンスがいた。
「セナ、何時だと思ってんの?」
しまった。互いに探り合いしているうちに、すっかり時間過ぎてしまった。
「ごめん、話し込んでた」
気を付けなきゃ。
「フェアリー日記のこと事実? ミナクはセナの白梅ゲットって書いてあるけど」
え、嘘。思わず胸が高鳴ってしまった。
「えっと、交際はしてない。白梅も」
でも、あの日のクレナイ家でのことだけは事実だ。
「もう書いた以上は嘘でしたはやめた方がいいと思う。嘘通すしかないと思うよ。でも、白咲の時、白空鈴になった?」
最初はそのつもりだった。嘘は通すつもり。嘘の中だけでもミナクと交際していたい。
「ううん、なってないし、普通に座布団に座ってるだけだったわ」
ミナクは私を気遣って変なことはさせなかった。
「そっか。でも、カラルリのことはどうするの?」
カラルリには悪いと思っている。けれど、私はもう引き返せない。
「私、ミナクが好きなの! 交際は出来ないかもしれないし、まだキープの子いるみたいだけど、真面目なカラルリよりミナクが好きなの! だから、ミナクと一緒にいたい」
周りは理解しないだろう。けれど、どうしてもミナクと離れたくない気持ちが強い。
「そうだね。カラルリのことは、それとなく気付いてた。セナがそこまでミナクを好きなら私は止めない。ただ、もうキープの子いないと思うよ?」
え、どういうこと? だって、ミナクはキープはやめないって言ってた。その時、アルフォンスが内官に調べさせた報告書を机に置いた。私は報告書を手に取った。
『報告書

クレナイ家、長男のミナクさんは小さい頃から虐待を受けている。相手は実の母親。虐待は酷く、ミナクさんや他の兄弟は生まれて間もない時から、たびたびナノハナ家に預けられていた。クレナイ家の母親とナノハナ家の母親は学生時代からの大親友。今でも家族ぐるみの付き合いをしている。

虐待のこともあってか、ミナクさんは年齢と共に不良と化していき、小学三年生のある日、学年の女子と白梅咲をした。その後も、好きでもない女の子を弄び続け、弄んだ女の子は貴族と同級生合わせて、80人を上回る。
小学五年生の頃には、女の子をキープするようになった。
キープした女の子には気に入らないことがあるたび、暴力をふるっていた。
デビュー仕立てのアイドルやフラワー女優、その他役者などもキープされていた。

ミナクさんのタイプは以下の芸能人たち。

ずっとキープの女の子は絶やさなかったが、今月の中頃に全て切ったと思われる。今のところは新しくキープする予定はなし。

以上、報告でした!』
知らなかった。ミナクはこれまでのこと話してくれていたけれど、虐待のことは聞いたこともないし、ナノハナ家の存在も私は知らない。簡単にミナクの幸せ守るだなんて言ったけれど、思ったより時間がかかりそうな気がする。それでも、私はミナクが立ち直るまで傍にいるつもりである。
キープしてない云々のことは今は期待は出来ない。やっぱり直接確かめたい。
それにしても、ミナクって思った以上に面食いだ。
「そう。でもミナクもいつかは本命に出会うだろうし、私も諦めなければいけない日が来ることは分かってるから」
分かってはいる。でも、心の中ではミナクの本命になりたくてたまらない。
「さっき、ミナクのこと好きって言ってたよね? 正直、セナにはミナクが他の人と一緒になるの耐えきれないと思う。だったら、素直になるべきなんじゃない?
でも、白梅はもっと慎重になってほしい。白咲でも何度も許せば、いずれ飽きは来るからさ。今のミナクはセナに優しくしてるけど、関係は確実に変わるよ」
それも分かってる。でも、好きだから許したくなる。そして、多くのカップルはたくさん後悔してきた。向こうにいた時、貴族の女の子が恋愛絡みで、よく泣いていたのを見てきた。自分はそうはならないと思っていたけれど、結局は私も、あの時の貴族と同じなのである。常に優しいカラルリとのほうが、きっと恋愛は穏やかだろうけど、それではダメなのだ。私は好きな人と交際したい。例え後悔しても。

翌日、私とセレナールは二時間目の途中、誰もいない体育館で椅子にロープで縛り付けられた。それも、授業中に外に出た私が良くなかったかもしれない。
突然、二人で話したいからとセレナールからレインが来て、私は体育館へ向かった。ミナクとのことだろうと、早く白黒ハッキリさせたかったのだ。
けれど、ミナクとの今の関係に気が緩んでいたのだろう。突然、背後からフェアリーホルムを嗅がされ、セレナールは即眠り、私は眠りはしなかったものの、身動きが取れなくなり、大学生だろう男たちに運ばれたのである。
こんな緩い結びなんて、普段の力量なら直ぐに解けるのに。このまま、大学生たちに人生を奪われることだけは絶対に嫌。私はセレナールには申し訳ないと思いながら自分に森林の結界をかけた。これで大学生は私に触れることさえ出来ない。今の力量で譲渡は出来ないからセレナールの分まではかけられない。
五分すれば少し身体が動くようになって来た。私は真っ先に紙飛行機をアルフォンスに飛ばした。セレナールが起きる前にロープを緩めておかないと。
けれど、セレナールは目を覚ました。そしてキョロキョロしはじめたのである。丸越しで……こんなの相手の思うツボではないか。私は眠ったフリを続けながらロープを緩めていった。
「どうなっているの?」
はあ……一緒に捕らえられたのがカナエならスムーズに事を運べただろうに。早くロープを解けるようにしないと用意されているのは最悪の未来だ。
「こっちの美少女は起きたか。
よく聞け。今から王子様が来る。俺らは、その王子様に『助けられるのは一人の姫』だとメールを飛ばした。つまり、王子様に助けてもらえなかった姫は俺らがたっぷり可愛がってあげるってわけ」
つまり、私かセレナールのどちらかを助けて逃げた後、助けられなかった方は大学生たちの餌食ってわけか。けれど、王子様って誰のことだろう。やはりアルフォンスだろうか。いや、ミナクという可能性もある。それだけは避けたい。はたまた、カラルリやエミル、セリルかもしれない。セリルだったら、真っ先にセレナールを助けるだろう。だとしたら、二人とも無傷でいられる。けれど、最悪なのは私を先に助けてしまった時だ。
「そんな! お願い見逃して!」
こんな相手にまともが通用するはずがない。
「じゃあ、向こうのお姫様の相手していいかな? 一分以内に答えてくれたら王子様の選択より君の選択で手を打つよ」
いっそ、私を差し出してくれた方が誰も傷つかずに済む。けれど、差し出されたなら私の胸は傷むだろう。
それにしても、私とセレナールの距離が20メートルほどあるのは、大学生の策略と言ったところか。本当に一人しか助からないんだ。
この時の私は、セイがセレナールの乱れた姿を見たいがために大学生からお金をもらって取り引きしていたことを私は知らなかった。その王子様とやらをカラルリにしていたこともセレナールを孤立させるための、セイの思い通りになるための手段であることを知る余地もなかったのであった。
「30秒たった。君が選ばれなかったら君は俺らと遊ぶことになるよ?」
セレナールはどのような選択をするのだろう。
「けど、こっちの銀髪の女の方が上玉じゃね? スタイルもいいし、すんげー美人だし」
やっぱり、みんなセレナールなんだ。はじめて会った時から苦手意識を感じていた。転校前は私が美人だとチヤホヤされてきただけに、上には上がいると思い知らされた。
「私を助けてほしい」
そうか。セレナールは私を捨てるんだ。だったら、この後何が起きても私もセレナールを助けない。セレナールの自分だけ助かりたい本音を直接聞いてしまうと思うより落ち込むものである。
けれど、これが大学生の嘘ということは私もセレナールも知らざにいた。
その時、カラルリが体育館に入って来た。そして、真っ先に私の方へ向かって来たのである。
「セナさん!!」
私は結界を解いた。
「じゃあ、やっぱりさっきのはなしで、こっちのお姫様の勝利ということで君にはこれから俺らの相手をしてもらおうか」
セレナールはジタバタした。
「約束が違うわ! お願い、見逃して!」
セレナールの頼みなど聞く耳はもたれず、セレナールは少しロープを緩められブレザーを脱がされた。
「いや! カラルリ助けて!」
ここの体育館は広い。けれど、カラルリはセレナールのほうには向かわない。そうしている間にもセレナールの上半身は下着姿になっていた。
「いやー! いやー!」
セレナールは必死にもがいたが、ロープは解かれ五人がかりで床に押さえつけられた。そして、スカートも脱がされた。
「うわー、めちゃくちゃ上玉。こっちの女が選ばれなくて良かった」
セレナールは泣きながら叫んだけどカラルリは見向きもしなかった。
大学生の一人がセレナールの下着に手をかけた時、私に花札3枚が飛んで来た。私に巻き付いていたロープは一瞬にして切れた。ミナクは扇子でセレナールを押さえつけている大学生を吹き飛ばした。
この子、思ったより判断力がいい。けれど、あれ? 私はカラルリが花札を使うところを一度も見たことがない。そんなことより、とっとと大学生を始末しないと。私は素早く一人一人拘束した。
「セナ! って、もう片付いてるじゃん」
アルフォンス、地味に来るの遅い。他の人に紙飛行機飛ばせば良かった。
「セレナールさん、立てますか? 保健室に行きましょう」
ミナクはブレザーを脱いでセレナールにかけた。こんな時まで嫉妬してしまう私って身勝手なのかもしれない。
「セナさん、無事で良かった」
カラルリは私を抱き締めた。カラルリが私を選んでくれたことは感謝するけれど、おかけでまたセレナールと拗れてしまう。セレナールはミナクに抱き着いている。
「ミナクが保健室に連れていくことなんてない!」
私はカラルリを振り払って、ミナクに抱き着いた。
「セナ王女、大丈夫か!?」
委員長、そしてハルミ先生とセリル、カナエ!
「委員長!」
「委員長!」
あれ、ミナクとハモった。私とミナクは思わず顔を見合せた。
「また、問題を起こしたのかね? 全く君はどうしようもないな」
髪はショートヘアだけど、私のクラスの委員長と似ている。姉妹だろうか。
「委員長、そりゃないだろ」
同級生の女の子のことも弄んでいたそうだけど、委員長とは仲良さげ。
「日頃の行いが悪いから疑われるのだよ」
確かに正論かもしれない。
「兄さん! 私、何の力もないのにまた後回しにされた!」
こういう時だけセリルに泣きついて……。そもそも、セレナールが私を呼び出したからこうなったわけで、先に私を見捨てる発言したのセレナールじゃない。
「こんな状況だけど、当事者が全員揃ってる今、何があったか全て話してくれないかしら」
ハルミ先生は、かなり真剣な表情をしている。
「あの、それでしたら体育館に取り付けられている防犯カメラの映像を先に見たほうが早いと思います。当事者に聞くのはその後の方が良いかと」
ミナクって思ったより頼りになる。女遊びではなく、本命と交際してたなら良い彼氏になっていただろうに。
「あ、そうよね。今外すわ」
ハルミ先生はどこか天然なところがある。私は防犯カメラのところへ走って大きく飛び上がりチップを抜いて着地した。
「流石はセナ王女だな。このフェアパットで確認しよう」
委員長は用意周到だ。
「ええ、お願い」
私は委員長にチップを渡した。
「やめて!」
突然セレナールがチップを奪おうとしたが、ミナクのクラスの委員長がセレナールの前に立った。
「口頭では食い違いが生じるだろう。これだけの人数がいるのだからな。映像で事実確認をした方が皆が動かない証拠を見られると思うが」
ミナクのクラスの委員長もしっかりしている。
そして、委員長によって映像は再生された。皆は、輪になって真剣に映像を見はじめた。
映像は体育館に入ったところからだけど、セレナールとのやり取りは映像を全て見た後に話した。
映像を見た後は、みんな険しい表情をしている。
「ま、君にしては良い判断だな、ミナク」
ミナクのクラスの委員長って、どこか変わっている。そして、ミナクは大学生たちを見た。
「この大学生ら、誰が拷問します? エミルさんが聞き出しますか?」
そうか、まだ謎はあった。どうしてカラルリのメールアドレスを知っていたのか、今思えば不思議で仕方ない。大学生にも真実を話してもらう必要がある。
その時、カラルリがミナクを殴り付けた。
「ミナク、お前わざと私を侮辱しただろう!」
こんなに怒っているカラルリを見たのははじめてだ。
「やめて、カラルリ! ミナクは何も悪くないじゃない!」
私はフェアリー日記に投稿したことを地味に後悔した。
「全く君は人をイラつかせやすいヤツだな」
ミナクのクラスの委員長はミナクの手当をした。私もミナクに駆け寄った。
「一言多いけど、ありがと、委員長」
アザが出来ている。
「向こうにも問題はあるようだが、見ていた限り後ろめたさがあったのだろう。人の闇を無闇に引き出してはいけないのだよ」
後ろめたさ……。確かに、誰にでも欠点はいくらでもある。そこを突かれてしまえば人はいい気はしないだろう。
「けれど、映像を見る限り、セナ王女とセレナールさんは二人ともロープで縛られていた。つまり、二人に同時に花札を投げた後、大学生を扇子で飛ばして拘束すれば平等に助けられたと私は思うが」
言われてみれば確かにそうだ。私たちは大学生の『どちらか一人しか助けられない』に拘っていたのだ。恐らくカラルリも。これも、大学生の計算の中に加わっていたのだろうか。
「おい、もう一度殴られたいか、ミナク!!」
どうしてここまで怒鳴るのだろう。私の知っているカラルリじゃない。
「カラルリ、やめないか。相手は中学生だろう」
委員長はカラルリの腕をつかんだ。
「カラルリ、どうしたんだよ。あの言い分はあくまでミナクの場合はってだけで、私なら大学生から始末するが」
そうか。強い人ほど、その人のやり方があるわけか。エミルは確実な方法を選ぶタイプだ。
「全く君は。今さっき忠告しただろうに。そこまで言うなら、君が拷問とやらをしてくれ。と言いたいところだが、それは校則に反しているゆえ、ここはハルミ先生に聞き出してもらうのが一番だな。ハルミ先生、聞き出してくれ」
この子、頭脳戦のタイプだ。ちょっと羨ましい。相当知力があるようにも見える。
「分かったわ。あなたたち、どうしてこんなことしたの?」
多分答えないだろう。拷問が出来ないのだから。
「負傷者もおるゆえ、もっと要点だけ聞いてくれんかのお? 君たちは、どうしてカラルリという者のメールアドレスを知っていたのかね?」
やっぱり答えない。その間にもセレナールの震えが強くなっている。セリルが手を握っているけれど、多分長くは持たない。
あの時、ミナクが保健室に連れて行こうとするのを阻止するべきではなかった。
「ふむ、答えないか。では、そのセレナールという者だけ姉君が病院に連れて行って、君たちが答えるまで何日も居座ろうではないか」
えっ、正気なのかしら。その時、セリルがセレナールから離れ、大学生たちの前に立った。
「カラルリのメールアドレスはどこで入手したのかな?」
あれ、これって、カナエが制服と体操着盗まれた時に使っていた催眠術的なものだ。
「名前分かんねえけど、高等部の男子がいきなり銀髪の女の写真見せてきて、千円くれたら好きにしていいって言うから千円渡して話に乗った。後は相手の指示通りに動いただけ」
何だかいやな予感がする。
「そっか。その高校生は何年生か分かる?」
セイ……なのだろうか。だったら、私も停学になるかもしれない。監督不行届だった。
「分かんねえけど多分一年」
私が立ったまま震えはじめたらミナクが肩をだいてくれた。私はミナクにもたれかかった。
「画面小さいけど……」
セリルが言いかけて委員長はフェアパットをセリルに差し出した。
「これを使ってくれ」
なんか、こういうのをチームワークと言うのだろうか。
「ありがとう。その一年生は、この中にいるかな?」
大学生はフェアパット画面を見た。
「コイツ、コイツっす!」
誰だろう。どうかセイ以外の人に……。
「目的は聞いてる?」
もう逃げようとしても仕方ない。こんなことするのはセイしかいない。
「なんか、女の乱れたところが見たいとか云々言ってたけど」
どうしてこうなってしまったのだろう。セイはどうしてまともになれなかったのだろう。この時の私はセイを戸籍から外したいと思っていた。
「それだけ? 他には何かある?」
全ての狙いはセレナールだったんだ。
「第二を突破して苦しむところも見たいとか。後は特に何も聞いてないし、俺らも見たこともない美人の水花卒業させれるならって、そればかり考えていたから」
上手い話に乗る大学生も大学生だけど、一番悪いのはセイだ。それでも、心のどこかでセイでないことを願っていた。
「君たちがしたことは罪にも問えるんだよね。同じこと繰り返せば少年院行きにもなる。もう二度と誰も傷付けないって約束出来そう?」
一瞬会話は途切れたかのように見えた。
「分かった。もう二度としない」
五人が同意した。
そして、セリルは委員長にフェアパットを戻した。
「じゃあ、聞き取りは済んだから大学生の始末はハルミ先生に任せて私はセレナールを月城総合病院に連れて行く」
ミナクのクラスの委員長が言うと共にショウゴ先生が来た。
「コイツらは俺が始末書書かせるからハルミもハルんとこ行って!」
こういうチームワーク、多分私は経験してこなかった。そして、他のメンバーも行くと言い出した。
「しかしなあ、あまりゾロゾロ行くとセレナールが負担だろう」
その時、カラルリが再びミナクに殴りかかった。私は咄嗟にカラルリを止めた。
「お兄様、もうおやめ下さい! ミナクは悪くないではありませんか!」
カナエはミナクを抱き締めた。
そして、救急車が到着した頃、私は突如セレナールに引っぱたかれた。
「本当にどこまでも最低な人ね! 何が大切な弟よ! 犯罪者じゃないの! 一生恨んでやる! あなたの弟には散々な目に合わされたから私も弟に復讐してもらうわ!」
やっぱり黒幕はセイだった。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

あとがき。

いつもより長くなってしまいました。
古代編も書き始めているので、もう古代編のことは伏せないでおきます。

カラルリが迷わずセナを選んだ裏側には、ある約束があったんですよね。それは、古代編が進むごとに知ってゆくでしょう。

二人の大切な人のうち、一人しか救えない。
もし、そういう状況があって、助けてもらえなかったなら誰だってセレナールのようになると思うんですよね。
これまでも、みんなの自覚なしにセレナールは傷付いてきましたし。

グループ付き合いで、不利な状況を耐えている人がいるとするなら私は悲しく思います。

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この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。

また、程度によりますが模倣はご遠慮願います。
詳しくは《カテゴリ》→《説明事項》→《模倣のご遠慮願います》をご覧ください。

小説の無断転載もご遠慮くださいませ〜♪
純愛偏差値 古代編 2話 修正前

《アラン》

未来はどうなっているか分からない。けれど、少なくとも、古代のこの町は賑わっている。何もないけれど、常に人々の明るい声が聞こえてくる。
あの後、レストランで食事を済ませ、公衆紙電話からセレナールにメモを何通か飛ばした。そうしているうちに眠くなって、気づいたら公衆紙電話の中で眠ってしまっていた。

家に戻るとエミリはいなかった。僕はエミリが悩んでいるとも知らず、出かけたのだろうと森の湖に行く準備をした。

エミリのことは変わらず好きでいる。けれど、3ヶ月前、気まぐれで森の湖へ行った時、セレナールに魅了されたのだ。心変わりしたわけではないし、エミリのことは今でも好きだけれど、セレナールにときめく気持ちも抱くようになっていた。
僕はセレナールが湖で水浴びをしているところを見たことがないのである。セレナールはいつも衣をまとっていて湖を見つめていた。
ちなみに、森の湖では男はパンツ一枚で、女は膝上の薄い衣のみしか着れない決まりがある。と言っても、この時代は本当に何もなくて普段着も簡易的なものだけれど。女の子は、薄いワンピースで、男は多分、未来で言うところのステテコ。けれど、森の湖では女の子は衣のみで下着を身につけてはいけないのだ。丈も膝上だし、セレナールの衣姿は男心をくすぐる。

僕はは森の湖へ着くとすぐさまセレナールの元へ行った。セレナールはこの日も水浴びはしていなかった。
「セレナールはいつも湖にははいらないけど水浴びしないの?」
ふいに聞いた。
「ええ、私は美少女妖精たちの楽しそうな姿を眺めているのが好き」
やっぱり、ここまでの美人となると白空鈴にはなれないのだろうか。少し前までは、ここは男性は立ち入り禁止だったけれど、恋人の誕生が増えるほどに、男も立ち入りして良くなったのである。
「そっか。でも、たまには水浴びしてみたらどうかな?今日とか」
セレナールの水浴びしているところを見てみたい。これは不純な気持ちだろうか。
「ううん、今日も湖を眺めているわ」
「そっか」
僕は肩を落とした。変な気持ちのつもりはないけれど、ただ美しいものを眺めたい気持ちが芽生えていた。それは見事な美術作品を見るような感覚だと思う。
けれど、心のどこかでセレナールを求めているのも事実だった。

エミリは可愛いし僕の好みでもあり、僕にとっては理想の彼女で2年経った今も変わらず好きで、他の男に取られたくない存在である。決してセレナールに心変わりをしたわけではない。けれど、 エミリを好きでいながらもセレナールは僕の中で気になる存在となっていた。
どことなくエミリを裏切っているようで複雑な心境だった。
どうして一人だけにときめくことが出来ないのか。どうして綺麗な人を見るとドキドキしてしまうのか。未来は答えが出ているのかもしれない。けれど、今の時代は誰もが彼女以外の女性にときめいてしまう不可思議に悩んでいたのであった。

翌日も僕は相変わらず森の湖へ行った。
セレナールは相変わらず湖には入らず、衣姿のままだった。
「おはよう、セレナール」
僕は昨日より少しだけセレナールに近付いた。
「おはよう、アラン。今日は1人でピクニックしようとお弁当作ってきたのだけど、一緒に食べない?」
ピクニックかあ。エミリと付き合い始めの頃は、二人でお弁当作って、どこかの広場で微笑み合いながらやっていたなあ。
「食べる!」
僕はおかずをいくつかを食べた。
「美味しい!セレナールは美人で料理も上手だなんて。いいお嫁さんになれるね。僕も立候補しちゃおうかな」
本当は、味は微妙だったけどセレナールを傷付けたくなくて僕は嘘をついた。
「ふふっ、アランにはエミリがいるでしょ。最近エミリとはどうなの?」
エミリとは、ずっと変わっていないと思う。ただ、僕のときめきが増えただけだろう。
「付き合い始めた時とそんなに変わらないよ。エミリは可愛いし帰るといつも抱き締めたくなる。エミリに触れていると落ち着くし、エミリを他の男に渡したくない。僕はいつまでも優しく包み込んでくれるエミリを好きでいると思う」
僕はセレナールに良く思われたくて、大袈裟に言った。
「アランはとてもエミリが好きなのね。2人の好き合う様子は羨ましいわ」
羨ましい……か。
「セレナールは恋愛とかしないの?言い寄ってくる男いっぱいいるでしょ?いい人いたら付き合ったりしないの?」
好きな人なんていないことを期待していた。
「私、誰とも付き合ったことないの。でも今は好きな人がいるわ。私の片想いだけど」
めちゃくちゃガッカリした。どうしてだろう。僕には、あんなに可愛いエミリがいるのに。
「そっか。実るといいね!」
信じたくない。本音では、その恋が実らなければいいって思う。一日だけ彼女になってほしい。その一言が言えなかった。

2週間後、セレナールと皇太子の交際が妖精村の新聞にて発表された。妖精村の人々もセレナールと皇太子の交際の話題で持ち切りだった。
目を覚まして下に降りていった僕は新聞を見て目を疑った。
「嘘だろ……」
僕は、あまりのショックに固まった。
「どうしたの?アラン」
エミリは何事もなかったような素振りだ。
「この記事だよ」
僕は指をさした。
「ああ、セレナールと皇太子の交際ね。なんだか微笑ましいわね」
不自然に上機嫌なエミリの心境が僕には分からなかった。
「あんなに綺麗なセレナールが皇太子に全てを捧げるなんて! とてもじゃないけど皇太子が独り占めなんて許せない!」
思わず本音が出てしまった。けれど、手さえ握ったことのないセレナールが他の男のものになるだなんて。受け入れるに受け入れられない気持ちは隠せなかったのである。
「やっぱり心変わりしてたのね」
気付いていたのか。
「ち、違う!エミリのことは好きだ。でもセレナールの存在も気になるんだ。ずっとエミリには申し訳ないと思ってた」
僕は取り乱した。セレナールのことを考えながら。
「……心変わりはしてないのね。それなら今のままでいいんじゃないかしら。セレナールに対しての傷はいずれ消えると思うわ」
エミリはかなり落ち込んでいる。
「エミリ……僕は狡い男だ。セレナールに気持ち傾けながらも、エミリを他の男に渡したくない」
自分が嫌になる。エミリがいながらも、セレナールにの虜になっていたことも、セレナールの美貌に魅了されていたことも。全てが情けなく感じる。
「アランの本音を聞けてスッキリしたわ。ずっとセレナールに心変わりしたのではないかと思っていたの。でも心変わりでないならアランさえ良ければ今のままでいない?」
どうしてエミリは、裏切った僕に優しくしてくれるのだろう。裏切ったと言ってもセレナールとは何もないが。言葉にさえ出さなければ僕の心の中だけの問題なのも事実だ。
「エミリ……君は優しすぎる。いけないよ、こんな僕と一緒にいちゃ。僕はエミリ意外の異性セレナールの白空鈴を見たいがために毎日森の湖に通ってた最低男だ」
どうしてもセレナールへの高鳴る胸の鼓動を消すことは出来なかった。そして、そのまま僕はセレナールに鼻の下を伸ばし続けていた。
「アラン、自分を責めないで。セレナールは綺麗だもの。男なら誰でも求めてしまうわ。それよりセレナールと皇太子の交際発表で傷ついてるアランのほうが心配よ」
エミリは涙ぐみながら僕を抱き締めた。
「エミリ……どうして君はそんなにも優しいんだ。まるで天使のようだ」
僕はしばらくエミリの温もりに包まれていた。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

あとがき。

現代では答えが出ていることも、当時は手探りだったことって、きっと多かったでしょうね。

公衆紙電話とは。
武家は小さい頃から飛ばしたい方向に紙飛行機を飛ばす訓練をしますが、一般人は当然のごとく、そのような訓練は行いません。そんな紙飛行機を手紙として飛ばすことが出来ない人たちのために、皇帝陛下のはからいで設置されました。
紙にメッセージを書いて小さい窓を通せば、届けたい人の元に届くシステムになっております。もちろん、お金はかかります。

現代編では全く出てこないから正直かなり懐かしいです(笑)

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この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。

また、程度によりますが模倣はご遠慮願います。
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純愛偏差値 古代編 1話 修正前

《エミリ》

私とアランは森の湖で知り合って2年になる。私は半年前からアランの家で暮らし始め、2人は毎週末にデートをするほどラブラブな仲である。お互い助け合いながら生きてきて、今でも周りからは理想のカップルと言われているのだ。

けれど、私は悩んでいた。アランは私と付き合い始めてからは森の湖に行くことはなかったけれど、3ヶ月前から再び通い始めたのである。私としては他の美少女妖精に揺れて欲しくないけれど、喧嘩になると思い、ずっと言い出せずにいる。でも、話し合わずにいるとモヤモヤは募るばかり。

ある日、エミリはアランが森の湖に行く理由を知りたくてアランに見つからないように森の湖に行った。アランは湖に入る前の衣を着た1人の美少女妖精と楽しそうに話していた。エミリはアランに気づかれないように湖に入って美少女妖精たちに話しかけた。
「みんな久しぶり」
「久しぶりね、エミリ。元気だった?」
「え、ええ。ところでアランのことなんだけど……」
エミリが切り出すと美少女妖精たちは気まずそうにした。
「アランとはラブラブなんでしょ?」
「そうかもしれないけど……アランがあそこで話している美少女妖精は誰?」
「セレナールよ」
セレナールは黒く腰まである長い髪を真ん中で分けていて、パッチリとした平行二重で、品があって、美しい美少女妖精だった。男子妖精からは、美男子妖精からおじさん妖精、オタク妖精と幅広い異性から度々告白を受けているのである。
「セレナールとは親しいの?」
「そうね、ここへ来たら決まってセレナールに話しかけているわ」
「アランにセレナールへの恋愛感情はありそう?」
「……分からないわ。でもひと月前アランはセレナールを抱き締めてた」
「そう……」
美少女妖精たちの話を聞いた私の心の中は嫉妬の感情が生まれた。
「私、アランのところへ行くわ」
私はアランの元へ飛び立った。
「え、エミリ……水浴びに来たの?」
アランは驚いた様子でエミリを見た。
「そうよ、アランは?」
「ちょっと通りかかっただけだよ」
「そう。こちらの方は?」
「私はセレナールよ。よろしくね、エミリ」
これが噂のセレナール。
「よろしく」
目の前で見るセレナールはやはり美しく男たちが夢中になるのも無理がないと思った。
「アラン、私は先に帰ってるわね、じゃ」

家に帰った私はポロポロ涙を流した。アランのセレナールを見る目は恋する目だったからである。上手くいっていたと思ったのに気がついたら心変わりされていたと疑い始めた。

私は部屋に閉じこもり、アランが帰って来てもリビングには行かなかった。
「エミリ、帰ったよ。ご飯は?」
最初の頃はアランも家事をしてくれていたのに、気が付けば、全て私がするようになっている。それなのに、アランは毎日毎日、森の湖通い。それも、セレナール一人のために。
許せない気持ちはかなりある。けれど、今は話し合う気分にはなれない。
「エミリ、どうかしたのか?」
アランは何も分かっていない。
「ごめんなさい、具合悪いの。外食してきてくれないかしら」
顔を合わせたくない。
「分かった。エミリ、大丈夫?」
私は答えなかった。アランの足音が消えた後、私は泣きながらカナエとセイが住む近所の家に駆け込んだ。

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あとがき。

今日から古代編も載せることにしました。

純愛偏差値は現代編のみを投稿する予定でしたが、やっぱり古代編がある以上は、現代編をより深く知ってもらいたいと思ったのです。

ただ、走り書きからの書き直しは結構大変な作業なので、どのような頻度で更新出来るかは分からないです。

古代編がシーズン1、現代編がシーズン2となります。
『雨の音を聴きながら』では、古代編がシーズン1、未来編がシーズン2となります。未来編は現代編なのですが、シーズン2を書き始めた頃、古代から見て現代は未来だという概念が強く、未来編と記載したのです。
なので、未来編の記載は、そのままで進めてゆこうと思います。

よろしくお願い致します。

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この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。

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