日常のこととかオリジナル小説のこととか。
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ashita
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女性
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地主(土地貸してます)
趣味:
漫画やアニメを見るのが好きです。最推しはフーディーニ ♡
自己紹介:
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ブログ、もう書かないと思ってました。
けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。
ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。
小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。
よろしくお願い致します。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
お知らせ。
イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。
また、「カラクリよろずや」にて無料のフリーイラスト素材配布もはじめました✩.*˚
フリーイラスト素材も増やしていく予定です(*'ᴗ'*)
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。
ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。
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X @kigenzen1874
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けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
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ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。
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〈資格履歴〉
2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格
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〈資格証明バナー〉

2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
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→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
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〈資格証明バナー〉

純愛偏差値 未来編 一人称版 71話
《ミネス》
私はブランケット家の次女 ミネス。
父親は国会議員で母親は料理研究家をしている。小さい頃から私は知力に優れていて、勉強はとても得意だった。
末っ子ゆえ、周りからは可愛がられてきて、自分は恵まれていると思っていた。けれど、そんな思いは姉によって壊されてしまったのである。
お姉ちゃんは決して頭脳明晰ではなく、勉強も苦手で常に赤点。けれど、容姿端麗で、私がずっと片想いしているカンザシを奪った。カンザシとは幼なじみで、よくブランケット家に遊びに来ていた。そして、私のことを実の妹のように可愛がってくれていたのだ。でも、カンザシはお姉ちゃんに一目惚れをした。お姉ちゃんもまた表には出さないもののカンザシに恋愛感情を抱いていたと思う。お互いに初恋だったわけなのだ。
私はどうにかカンザシに振り向いて欲しくて、金銭面でカンザシを援助した。でも、カンザシが私を女として見てくれることはなかった。
田舎があまり好きではない私は、小さい頃に都会の虹色街の別荘で暮らしていた。成績も常に学年トップで委員長をたびたびしていた。クラスでは私は一軍女子で、困っている子には常に優しくしてきた。それも今思えば、満たせない心を自分で慰めていたのだと思う。
そんなある日、学校ではダサイとイジメを受けているお兄ちゃんが、学校外のあるグループと仲良くしていると聞いて、私はナノハナ家に行ってみた。
けれど、大したメンバーはいなくてガッカリした。更には、あれ程に女遊びしていたカンザシにナミネという本命が出来ていて私は物凄くショックを受けた。
ナミネはナノハナ家の5女で、2019年のミスコングランプリ。確かに容姿端麗ではあるけれど、まさかカンザシが私より若い中学1年生のナミネに本気になるとは思わず、私はナミネに会った瞬間から心を痛めた。
ナミネにはカンザシそっくりのヨルクという彼氏がいて、ラルクという幼なじみの親友もいて、芸能活動もしていて、私と同じ末っ子で、幼い頃から紅葉町のみんなから可愛がられていたそうだ。
私はナミネがヨルクから優しくされ、幸せそうにするたびに羨ましくて、次第に妬みの感情が生まれてしまっていた。
けれど、知らない間に第6王女のセナから嫉妬され、私は桜木町の料亭でセナが命令した武官から襲われた。そんな私のピンチを救ってくれたのはナミネの兄のナルホだった。ナルホに対しては自然と心が解放されていた。初対面で、ナルホに興味を持った私はナルホに付きまとった。
でも、ナミネがカンザシにラハルにはじめてを映画の中で捧げたと嘘をついて、傷付いたカンザシは環状線でレイプをし、カンザシを追い詰めたナミネが憎くなり、カンザシがイジワルしたのはナミネのせいとナミネを引っぱたいてしまった。
すると、ナミネから酷い暴力で返って来て、皇帝陛下にかけあうとも言われ、私はひたすらナミネに謝り続けた。けれど、ナミネは私を許さなかった。
その理由は正月の私の行動にあった。
正月にカンザシが1年前にイジワルした女の子が紅葉神社に来ている時、ヨルクを犯人だと叫び、私は知らぬフリをした。そこまでならよかったのだけど、料亭でヨルクはクレナイ家の顧問弁護士をカンザシの家に向かわせたと言い、私は咄嗟にブランケット家の顧問弁護士を向かわせると言ってしまった。けれど、この発言が問題視され、ナミネから犯人隠避と言われ、皇帝陛下に私の処分をくださせた。私は馬鹿の言い分は覆ると皇室に連絡をしたが、皇帝陛下の決断は変わらなく、イジワルされたくない私は、ただただナミネに謝り続けた。
ナミネからは
『○二度とカンザシさんを庇わない
○ヨルクさんに罪を着せたら赤花咲を行う
○ヨルクさんの安全を常に守る
○私とヨルクさんの関係を引き裂かない
○カンザシさんが私に1000年の恋の話題をしたら赤花咲を行う』
という厳しい書面を見せられ、サインしようとしたらナルホが書類を破ってくれた。その後もナミネからの攻撃はナルホが庇ってくれて、私は無自覚にナルホに惹かれはじめていた。
私は、ナミネのヨルクとのことはそっとしておいて欲しいという思いを全く理解してあげられる余裕がなかった。ただ、カンザシに認めて欲しくて、カンザシから褒められたくて、少しでもカンザシに好きになって欲しくて、周りの声が私には聞こえていなかった。グルグル妖精のマンションではカンザシを庇っていることを持ち出され、不利な立場に立たされ、私はひたすらナミネに謝り続けるしかなかった。皇帝陛下は常にブランケット家を優先してくれていたのに、ナミネの母親が皇帝陛下の想い人で皇帝陛下はナミネの意見を優先することを知り、私は素直に負けを認めた。でも、ナミネは許してくれず、ナミネは私を目の敵にし、何がなんでも許そうとせず、あろうことかアルフォンスを犠牲にし私のせいにした。
その後のことは覚えていない。ただ、セルファの兄がみんなの記憶を映画撮影の時まで戻してくれて、私はアルフォンスから責められることはなかった。
ただ、カンザシを庇う。
そこには犯罪名がついていて、ナミネの幸せを奪うことを知った私は改めてナミネに謝った。けれど、ナミネは私を侮辱するばかりで、どれだけ謝っても許してはもらえず、ナミネの取り巻きからも責められ、私はどうしていいのか分からなくなっていた。そんな時、セルファは私にフェアリーングをかけ、私の醜い部分を引き出した。
『お子ちゃまミネス、あんた強気なナミネに言葉で勝てると思ってただろ?強気なナミネはあんたより下だと思ってんだろ?』
『正直、ナミネは頭悪そうだし、私の上には立てないと思ってる。ナミネがどうこう足掻いても最後に勝つのは私だと思ってる。悪いけど馬鹿との話し合いで時間の無駄になって迷惑』
『へえ、それがあんたの本心か。散々強気なナミネに謝ってたのは全て嘘だったってわけ?次にカンザシが問題起こしたら顔だけヨルクに罪でも着せるつもり?』
『そうだね。本気で謝罪はしてない。馬鹿相手にそんなことしない。もちろんカンザシが助かるならヨルクに身代わりになってもらうし、私は私とカンザシだけ無事ならそれでいい!ナミネとヨルクの幸せなんか知らない!』
『あんた、随分悪だな。具体的に聞くけどカンザシがイジワルしたら、その罪、顔だけヨルクに着せるってことか?今後、強気なナミネに何するつもりだ?』
『そうだね。カンザシがイジワルしたらその罪はヨルクに被せる。カンザシのこと取ったナミネには適当に人雇ってイヤガラセさせるつもり。こんな馬鹿に出しゃばられたら溜まったもんじゃないもん』
自分でも醜いと思う。これをセルファは録音していて、伝書鳩に皇室に送らせ、私は皇帝陛下から赤花咲の処分がくだされた。
慌てて私がみんなに縋った時、お兄ちゃんの姿が薄れていた。
お兄ちゃんとカンザシの背中には勾玉のアザがある。カンザシは黒い勾玉でお兄ちゃんは白い勾玉。この2つの勾玉はつがいになっていて、カンザシに危険が迫るとお兄ちゃんにも危害が及ぶ。けれど、その逆はなしなのだ。
お兄ちゃんが消えそうになり、セルファはヨルクにダンゴロを呼び出すよう言い、ヨルクはダンゴロを呼び出し、お兄ちゃんの勾玉のアザと効力を消すようお願いした。ダンゴロはラルクとセレナールの復縁を条件に叶えてくれた。
お兄ちゃんは助かった。
これまでの私はカンザシへの恋愛感情に縛られすぎて周りが見えなくなっていたのだと思う。自分より強い人はいないと思い込み、お兄ちゃんの仲間をみんな馬鹿にしていた。
だから、カンザシには支援しないと言った。
ナミネからは、その後も許しはもらえず、利尿剤を飲まされ、お漏らしと罵られ、泣いただけでも脅され、最終的には妖精クリーンをかけられた。
たった、カンザシを庇っただけで。
私は悔しくてたまらなかった。
そして私はナミネの『ヨルクとのことはそっとしておいて欲しい』の言葉をずっと見落としていた。
ナノハナ家に戻るなりナルホは汚れた私をお風呂に案内してくれた。1人だと怖いと言ったらナルホも一緒に入ってくれた。
ナルホといる時は物凄く心が安らぐ。
「ナルホ……」
「僕は君が全て悪いとは思ってないよ。ただ、ミドリお姉様が無惨な形で亡くなってからナミネは病気になってしまったんだ。でも、君のことはいずれ理解すると思う」
ミドリ。私のことを見た目も性格も不細工な親の七光り野郎と言った時に見せてきた写真の人か。あれが、レイプされた人の死に様とは私もあの時はじめて知った。
ナミネとは反りが合わない。けれど、知り合って間もないのに、ナルホには軽蔑されたくない。
「ナルホ……私を1人にしないで……」
この時の私はカンザシが頼りなく、それでもカンザシが好きで、ナルホへの気持ちに全く気づけずにいた。
ボーッとしていたら、躓いて、私は勢いよくナルホの上に乗ってしまった。
「痛い!」
お湯を見たら血が混じっている。カンザシだけのために残していたはずだった。だけど……。
「とりあえず下りてくれるかな」
「あ、うん」
私はナルホから下りた。
ナルホの部屋では主治医の手当てを受けた。私は疲れて布団に寝転んだ。その時、第2母屋に行くよう声がかかった。
私とナルホは第2母屋へ向かった。
第2母屋の第1居間では、お母さんがいた。
「お母さん!」
その瞬間、私は引っぱたかれた。
え、一度も引っぱたかれたことなんてなかったのに……。
聞くところによると、私が完全に不利になる録音と映像をお母さんは見せられたらしく、まさかの動物園での映像までセルファは所有していた。あの防犯カメラの映像は消したはずなのに。どうして持っているのだろう。
「お子ちゃまミネス、あんた自分のしてること分かってんのか!」
「ごめん!もうカンザシとは関わらない!」
「いいえ、許しません!自分がセナ王女にイジワルされそうになった時は、騒ぎ立てたくせに、それなのにミネスさんはヨルクさんを穢そうとするのですか!皇帝陛下にかけあいます!」
どうしよう。これでまた私の信用が失われていく。
「本当に申し訳ありません。どうか、皇帝陛下に言うことだけは許してください」
お母さんはナミネに土下座した。いつも優しくて思いやりのあるお母さん……。上手(うわて)だからって何をしても許されるのだろうか。お母さんのこんな姿見たくない。
「なあ、あんた自分の娘なら何しても許されると思ってんのかよ!あんたが二度と料理出来ないよう腕の骨へし折ってやる!あんたの娘がしたことはそういうことなんだよ!」
セルファはお母さんの腕を掴んだ。
「きゃあああああああ!!!」
「お母さん!!」
セルファはお母さんの腕を離した。
「次は腕折る」
その瞬間、お母さんはまた私を引っぱたいた。
「あなたのせいで料理出来なくなるところだったじゃない!一生恨んでやる!」
え……怒ったことなんかなかったお母さんが別人になっている。
「ミネスさん、私とヨルクさんのことはそっとしといてください!!お願いだからそっとしといてください!!」
カンザシを庇っただけだった。それが、酷い暴行を受け、脅迫され、親まで呼ばれるとは思っていなかった。私は一発ナミネを叩いただけなのに、ナミネは親の前では被害者気取り。でも、ここで、私がナミネを攻撃したら、お母さんがどうなるか分からない。私は泣きながら堪えた。
「本当に申し訳ありません。どうか一度だけ許してください。ミネスが犯罪を犯していただなんて全く知りませんでした」
その時、誰かが来た。
「それで?あなたの馬鹿娘が私の息子の人生壊そうと計画してたのかしら?」
「本当に申し訳ありません。娘にはちゃんと言い聞かせます」
お母さん、謝ってばかり。
「ハッキリ言います!ミネスさん、ナミネから何かしましたか?全てあなたがナミネをイジメた結果ですよね?反省してもっと苦しんでください!」
ナミネからは……何もしてない……。私はラルクの正論に押し潰された。
「ナミネ、ミネスは十分に反省してる。だから許して欲しい」
「まるで彼氏気取りですね。もし何かあったらナルホお兄様が責任取ってくれるんですか?」
「うん、僕が責任取るよ」
ナルホ……。
「分かりました。一度だけ信じます」
やっと……終わった……。
「一件落着ってことで、ミハネ、今夜は飲むわよ!」
「飲もう飲もう!」
「私、おつまみ作ります」
「よろしくー!」
何時間にも渡るナミネの呪縛から解放された。
再びナルホの部屋に戻ると、ナノハナ食堂のご飯が机に置かれていた。朝からナミネに色々言われて何も食べていなかった私はご飯を食べた。ナルホに近付くと植物の香りがする。
そういえば、ナルホと交際するならナミネの許しも必要なんだ。どうしてこんなこと考えているのだろう。
その時、扉にノックが鳴った。
「カナエ」
「ナルホ、庭園を見せてください」
「うん、いいよ」
ナルホ、植物育ててるんだ。
「私もナルホの庭園見たい!」
「うん、いいよ。寒いから上着着て」
「分かった」
私は食べかけの食事を置いて、ナルホに着いて行った。
ナルホの庭園はとても広い。見たこともない植物も沢山育てている。この空間はまるで幻想的な世界のようだ。
「ナルホ、植物も増えましたね」
「うん、紀元前村にいた時に色々学んだから、帰る時に色々買ってきたんだ」
「カナエもキクリ家で薬草育てています」
「カナエは全て自分で採取してるんだよね」
何この2人、距離が近い。カナエってナルホのこと好きなのだろうか。
「そういえばカナエってアルフォンスからピル飲まされてるんだっけ?本当に愛してるならピルなんか飲ますかなあ?妊娠されたら困る女なんだよ、カナエって」
「そのように人を攻撃して憂さ晴らしすることでしか自分を保てないのですね。カナエはミネスを可哀想に感じます」
本当に愛しているならピルなんか飲ませたりしない。カナエはアルフォンスにとって遊びなのに、この余裕はどこから出てくるのだろう。
この時の私は、カナエがアルフォンスに見切りをつけようとしていることを全く知らなかった。
「じゃあ、アルフォンスにどうしてカナエにピル飲ませるのか聞いちゃおうかな」
「それでミネスの気が済むならどうぞご自由にしてください」
この女ムカつく。いかにも自分がマウント取ってますって感じで、人を見下している。私はカナエを後ろから突き飛ばすとカナエを踏み付けた。その瞬間、カナエは扇子で私を吹き飛ばした。
「愛されてないくせに!」
「愛がそれほどまでに重要でしょうか?カナエは1人なら別にそれはそれで構いません」
この人、セナやセレナールと違って要領がいい。セナはカラルリに依存しすぎて中絶薬盛られ裏切られ、セレナールは無防備に妊娠をカップル日記に書いてアルフォンスにトケイ草を盛られた。
学校では、クラスのみんなに頼られていっぱい褒められて毎日が楽しいのに、ここでは人間関係の作り方が分からない。それに力の強い人ばかりがいる。いつも一軍女子で人の上に立っている私がここでは惨めな人になってしまう。
「ねえ、ラルク。セレナールさんとは続きそう?」
って、ナミネいたのか。
「ズームさんの命かかってるから別れるわけにはいかないしな」
お兄ちゃんて、ここの人らには大切にされているんだ。
「そうだね。でも、リリカさんは納得してくれてるの?」
「納得はしてない。僕が結婚する時には妾として遠くで暮らして欲しいって言ってたらしい」
「難しいね。でも、結婚てまだまだ先だし、それまでにラルクが本当に好きになれる人見つけたらいいよ」
ナミネとラルクは庭園の端っこに体育座りしていた。距離はかなり近いというか、くっついている。
「もう恋愛はしない」
「そっか。ラルクの未来だもんね。どんなラルクでも応援してるよ」
「ナミネ、ミネスとは付き合いしないほうがいいです。さっきいきなりカナエに侮辱してきました」
「えー、ミネスさん最低!」
その瞬間、私の首に何かが巻き付いた。息が出来ない。その時、ナルホが助けてくれた。
「ナミネ、やめようか。ミネスは十分に反省してる。どうしてこんなことするのかな?」
私はナルホの後ろに隠れた。
「ミネスさんがカナエさんのこと侮辱したそうです」
「ミネス、本当かな?」
「侮辱じゃなくて意見しただけ!」
「ラルク、人のことなんてほっときゃいいのにね」
1人より2人の言葉のほうが効力は強い。特に人間関係を上手く作れない人にとっては。ナミネはラルクといると1人の時より断然に別人だ。
「まあ、人のこと干渉するほど暇人なんだろ」
ここでまた言葉したら私が悪者にされてしまう。どうして学校では一軍女子の私が、ここではいちいち人間関係に怯えなければならないのだろう。
「ごめん!悪気はなかった!カナエ、許して欲しい!」
「カナエは別に気にしていません。ナルホ、この植物ください」
「うん、いいよ。ここにあるの、適当に持って行って」
「ありがとうございます」
その瞬間、私はカナエを引っぱたいていた。そして、私はそのままカナエを植物の中に突っ込ませ、植物を台無しにしてしまった。
「カナエさん、大丈夫ですか?」
ナミネはカナエを植物の中から引っ張り出した。次の瞬間、ナミネは私にお手玉を投げた。お手玉は複数になり、猛スピードで私の周りを回転した。私がお手玉の外に出ようとするとお手玉は私を弾いた。私の身体は物凄い痛みが走った。
「ミネスは人にいやがらせしか出来ないのですね。今幸せですか?」
「お願い、助けて!」
「ミネス、どうしてカナエを叩いたのかな?」
どうしよう。あの時、カナエとナルホが親しげにしていたから思わず苛立ってしまった。
「わざとじゃない!許して欲しい!」
「ラルク、どう見てもわざとだったよね。この映像がそれを物語っているよね」
ここの人たち何?お兄ちゃんはどうしてここの人たちと付き合いしているの?
「もう確信犯だな。ここにある植物もダメになってしまったし、老害だな。とりあえず、落ち武者さんとズームさん呼べ!」
「分かった!」
ナミネはセルファとお兄ちゃんを呼び、2人はすぐに来た。そして、ナミネはお兄ちゃんに映像を見せた。
「ミネス!なんてことしてくれたんだ!」
「お兄ちゃん、わざとじゃない!信じて!」
この時の私はカンザシのことを好きながら、恋というものを何も分かっていなかった。それは未来に気付かされることになる。セルファは私にフェアリーングをかけた。
「お子ちゃまミネス、あんたなんで男尽くしカナエ叩いた」
「ナルホとカナエが親しそうにしてたから思わず叩いてしまった。悪気はなかった!」
「あんたカンザシと平和ボケなナルホどっちが好きなんだよ!」
「私はカンザシが好き!」
どうしよう。自分でも訳の分からないことを言ってしまっている。セルファは私のスカートをめくった。
「あんた、下着血がついてるけどどうしたんだよ、これ」
「お風呂に入ってる時、誤ってナルホの入った」
「へえ、あんた平和ボケなナルホに処女捧げたのかよ」
「うん。捧げた!ナルホに捧げた!」
フェアリーングを解こうとしても、足掻くほどに絡まってしまう。一度かけられたら解けないんだ。
「平和ボケなナルホ、あんた事故とはいえ、お子ちゃまミネスの処女奪ってどうすんだよ?」
「ミネスが僕に責任を求めるなら責任は取るつもりだよ」
気が付いたら、ナミネのお手玉もなくなっていて、セルファのフェアリーングも解かれていた。私はその場に泣き崩れた。ナルホは私を抱きかかえ部屋に連れて行き、私を慰めた後、私を布団に寝かせた。
この先、カンザシよりナルホを好きになることがあるだろうか。そうなって欲しい。けれど、私はカンザシのことを諦めきれない。
新たな春の訪れに私はあえて、それを凍らせてしまっていた。
……
あとがき。
ミネス視点でした。
……
この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
《ミネス》
私はブランケット家の次女 ミネス。
父親は国会議員で母親は料理研究家をしている。小さい頃から私は知力に優れていて、勉強はとても得意だった。
末っ子ゆえ、周りからは可愛がられてきて、自分は恵まれていると思っていた。けれど、そんな思いは姉によって壊されてしまったのである。
お姉ちゃんは決して頭脳明晰ではなく、勉強も苦手で常に赤点。けれど、容姿端麗で、私がずっと片想いしているカンザシを奪った。カンザシとは幼なじみで、よくブランケット家に遊びに来ていた。そして、私のことを実の妹のように可愛がってくれていたのだ。でも、カンザシはお姉ちゃんに一目惚れをした。お姉ちゃんもまた表には出さないもののカンザシに恋愛感情を抱いていたと思う。お互いに初恋だったわけなのだ。
私はどうにかカンザシに振り向いて欲しくて、金銭面でカンザシを援助した。でも、カンザシが私を女として見てくれることはなかった。
田舎があまり好きではない私は、小さい頃に都会の虹色街の別荘で暮らしていた。成績も常に学年トップで委員長をたびたびしていた。クラスでは私は一軍女子で、困っている子には常に優しくしてきた。それも今思えば、満たせない心を自分で慰めていたのだと思う。
そんなある日、学校ではダサイとイジメを受けているお兄ちゃんが、学校外のあるグループと仲良くしていると聞いて、私はナノハナ家に行ってみた。
けれど、大したメンバーはいなくてガッカリした。更には、あれ程に女遊びしていたカンザシにナミネという本命が出来ていて私は物凄くショックを受けた。
ナミネはナノハナ家の5女で、2019年のミスコングランプリ。確かに容姿端麗ではあるけれど、まさかカンザシが私より若い中学1年生のナミネに本気になるとは思わず、私はナミネに会った瞬間から心を痛めた。
ナミネにはカンザシそっくりのヨルクという彼氏がいて、ラルクという幼なじみの親友もいて、芸能活動もしていて、私と同じ末っ子で、幼い頃から紅葉町のみんなから可愛がられていたそうだ。
私はナミネがヨルクから優しくされ、幸せそうにするたびに羨ましくて、次第に妬みの感情が生まれてしまっていた。
けれど、知らない間に第6王女のセナから嫉妬され、私は桜木町の料亭でセナが命令した武官から襲われた。そんな私のピンチを救ってくれたのはナミネの兄のナルホだった。ナルホに対しては自然と心が解放されていた。初対面で、ナルホに興味を持った私はナルホに付きまとった。
でも、ナミネがカンザシにラハルにはじめてを映画の中で捧げたと嘘をついて、傷付いたカンザシは環状線でレイプをし、カンザシを追い詰めたナミネが憎くなり、カンザシがイジワルしたのはナミネのせいとナミネを引っぱたいてしまった。
すると、ナミネから酷い暴力で返って来て、皇帝陛下にかけあうとも言われ、私はひたすらナミネに謝り続けた。けれど、ナミネは私を許さなかった。
その理由は正月の私の行動にあった。
正月にカンザシが1年前にイジワルした女の子が紅葉神社に来ている時、ヨルクを犯人だと叫び、私は知らぬフリをした。そこまでならよかったのだけど、料亭でヨルクはクレナイ家の顧問弁護士をカンザシの家に向かわせたと言い、私は咄嗟にブランケット家の顧問弁護士を向かわせると言ってしまった。けれど、この発言が問題視され、ナミネから犯人隠避と言われ、皇帝陛下に私の処分をくださせた。私は馬鹿の言い分は覆ると皇室に連絡をしたが、皇帝陛下の決断は変わらなく、イジワルされたくない私は、ただただナミネに謝り続けた。
ナミネからは
『○二度とカンザシさんを庇わない
○ヨルクさんに罪を着せたら赤花咲を行う
○ヨルクさんの安全を常に守る
○私とヨルクさんの関係を引き裂かない
○カンザシさんが私に1000年の恋の話題をしたら赤花咲を行う』
という厳しい書面を見せられ、サインしようとしたらナルホが書類を破ってくれた。その後もナミネからの攻撃はナルホが庇ってくれて、私は無自覚にナルホに惹かれはじめていた。
私は、ナミネのヨルクとのことはそっとしておいて欲しいという思いを全く理解してあげられる余裕がなかった。ただ、カンザシに認めて欲しくて、カンザシから褒められたくて、少しでもカンザシに好きになって欲しくて、周りの声が私には聞こえていなかった。グルグル妖精のマンションではカンザシを庇っていることを持ち出され、不利な立場に立たされ、私はひたすらナミネに謝り続けるしかなかった。皇帝陛下は常にブランケット家を優先してくれていたのに、ナミネの母親が皇帝陛下の想い人で皇帝陛下はナミネの意見を優先することを知り、私は素直に負けを認めた。でも、ナミネは許してくれず、ナミネは私を目の敵にし、何がなんでも許そうとせず、あろうことかアルフォンスを犠牲にし私のせいにした。
その後のことは覚えていない。ただ、セルファの兄がみんなの記憶を映画撮影の時まで戻してくれて、私はアルフォンスから責められることはなかった。
ただ、カンザシを庇う。
そこには犯罪名がついていて、ナミネの幸せを奪うことを知った私は改めてナミネに謝った。けれど、ナミネは私を侮辱するばかりで、どれだけ謝っても許してはもらえず、ナミネの取り巻きからも責められ、私はどうしていいのか分からなくなっていた。そんな時、セルファは私にフェアリーングをかけ、私の醜い部分を引き出した。
『お子ちゃまミネス、あんた強気なナミネに言葉で勝てると思ってただろ?強気なナミネはあんたより下だと思ってんだろ?』
『正直、ナミネは頭悪そうだし、私の上には立てないと思ってる。ナミネがどうこう足掻いても最後に勝つのは私だと思ってる。悪いけど馬鹿との話し合いで時間の無駄になって迷惑』
『へえ、それがあんたの本心か。散々強気なナミネに謝ってたのは全て嘘だったってわけ?次にカンザシが問題起こしたら顔だけヨルクに罪でも着せるつもり?』
『そうだね。本気で謝罪はしてない。馬鹿相手にそんなことしない。もちろんカンザシが助かるならヨルクに身代わりになってもらうし、私は私とカンザシだけ無事ならそれでいい!ナミネとヨルクの幸せなんか知らない!』
『あんた、随分悪だな。具体的に聞くけどカンザシがイジワルしたら、その罪、顔だけヨルクに着せるってことか?今後、強気なナミネに何するつもりだ?』
『そうだね。カンザシがイジワルしたらその罪はヨルクに被せる。カンザシのこと取ったナミネには適当に人雇ってイヤガラセさせるつもり。こんな馬鹿に出しゃばられたら溜まったもんじゃないもん』
自分でも醜いと思う。これをセルファは録音していて、伝書鳩に皇室に送らせ、私は皇帝陛下から赤花咲の処分がくだされた。
慌てて私がみんなに縋った時、お兄ちゃんの姿が薄れていた。
お兄ちゃんとカンザシの背中には勾玉のアザがある。カンザシは黒い勾玉でお兄ちゃんは白い勾玉。この2つの勾玉はつがいになっていて、カンザシに危険が迫るとお兄ちゃんにも危害が及ぶ。けれど、その逆はなしなのだ。
お兄ちゃんが消えそうになり、セルファはヨルクにダンゴロを呼び出すよう言い、ヨルクはダンゴロを呼び出し、お兄ちゃんの勾玉のアザと効力を消すようお願いした。ダンゴロはラルクとセレナールの復縁を条件に叶えてくれた。
お兄ちゃんは助かった。
これまでの私はカンザシへの恋愛感情に縛られすぎて周りが見えなくなっていたのだと思う。自分より強い人はいないと思い込み、お兄ちゃんの仲間をみんな馬鹿にしていた。
だから、カンザシには支援しないと言った。
ナミネからは、その後も許しはもらえず、利尿剤を飲まされ、お漏らしと罵られ、泣いただけでも脅され、最終的には妖精クリーンをかけられた。
たった、カンザシを庇っただけで。
私は悔しくてたまらなかった。
そして私はナミネの『ヨルクとのことはそっとしておいて欲しい』の言葉をずっと見落としていた。
ナノハナ家に戻るなりナルホは汚れた私をお風呂に案内してくれた。1人だと怖いと言ったらナルホも一緒に入ってくれた。
ナルホといる時は物凄く心が安らぐ。
「ナルホ……」
「僕は君が全て悪いとは思ってないよ。ただ、ミドリお姉様が無惨な形で亡くなってからナミネは病気になってしまったんだ。でも、君のことはいずれ理解すると思う」
ミドリ。私のことを見た目も性格も不細工な親の七光り野郎と言った時に見せてきた写真の人か。あれが、レイプされた人の死に様とは私もあの時はじめて知った。
ナミネとは反りが合わない。けれど、知り合って間もないのに、ナルホには軽蔑されたくない。
「ナルホ……私を1人にしないで……」
この時の私はカンザシが頼りなく、それでもカンザシが好きで、ナルホへの気持ちに全く気づけずにいた。
ボーッとしていたら、躓いて、私は勢いよくナルホの上に乗ってしまった。
「痛い!」
お湯を見たら血が混じっている。カンザシだけのために残していたはずだった。だけど……。
「とりあえず下りてくれるかな」
「あ、うん」
私はナルホから下りた。
ナルホの部屋では主治医の手当てを受けた。私は疲れて布団に寝転んだ。その時、第2母屋に行くよう声がかかった。
私とナルホは第2母屋へ向かった。
第2母屋の第1居間では、お母さんがいた。
「お母さん!」
その瞬間、私は引っぱたかれた。
え、一度も引っぱたかれたことなんてなかったのに……。
聞くところによると、私が完全に不利になる録音と映像をお母さんは見せられたらしく、まさかの動物園での映像までセルファは所有していた。あの防犯カメラの映像は消したはずなのに。どうして持っているのだろう。
「お子ちゃまミネス、あんた自分のしてること分かってんのか!」
「ごめん!もうカンザシとは関わらない!」
「いいえ、許しません!自分がセナ王女にイジワルされそうになった時は、騒ぎ立てたくせに、それなのにミネスさんはヨルクさんを穢そうとするのですか!皇帝陛下にかけあいます!」
どうしよう。これでまた私の信用が失われていく。
「本当に申し訳ありません。どうか、皇帝陛下に言うことだけは許してください」
お母さんはナミネに土下座した。いつも優しくて思いやりのあるお母さん……。上手(うわて)だからって何をしても許されるのだろうか。お母さんのこんな姿見たくない。
「なあ、あんた自分の娘なら何しても許されると思ってんのかよ!あんたが二度と料理出来ないよう腕の骨へし折ってやる!あんたの娘がしたことはそういうことなんだよ!」
セルファはお母さんの腕を掴んだ。
「きゃあああああああ!!!」
「お母さん!!」
セルファはお母さんの腕を離した。
「次は腕折る」
その瞬間、お母さんはまた私を引っぱたいた。
「あなたのせいで料理出来なくなるところだったじゃない!一生恨んでやる!」
え……怒ったことなんかなかったお母さんが別人になっている。
「ミネスさん、私とヨルクさんのことはそっとしといてください!!お願いだからそっとしといてください!!」
カンザシを庇っただけだった。それが、酷い暴行を受け、脅迫され、親まで呼ばれるとは思っていなかった。私は一発ナミネを叩いただけなのに、ナミネは親の前では被害者気取り。でも、ここで、私がナミネを攻撃したら、お母さんがどうなるか分からない。私は泣きながら堪えた。
「本当に申し訳ありません。どうか一度だけ許してください。ミネスが犯罪を犯していただなんて全く知りませんでした」
その時、誰かが来た。
「それで?あなたの馬鹿娘が私の息子の人生壊そうと計画してたのかしら?」
「本当に申し訳ありません。娘にはちゃんと言い聞かせます」
お母さん、謝ってばかり。
「ハッキリ言います!ミネスさん、ナミネから何かしましたか?全てあなたがナミネをイジメた結果ですよね?反省してもっと苦しんでください!」
ナミネからは……何もしてない……。私はラルクの正論に押し潰された。
「ナミネ、ミネスは十分に反省してる。だから許して欲しい」
「まるで彼氏気取りですね。もし何かあったらナルホお兄様が責任取ってくれるんですか?」
「うん、僕が責任取るよ」
ナルホ……。
「分かりました。一度だけ信じます」
やっと……終わった……。
「一件落着ってことで、ミハネ、今夜は飲むわよ!」
「飲もう飲もう!」
「私、おつまみ作ります」
「よろしくー!」
何時間にも渡るナミネの呪縛から解放された。
再びナルホの部屋に戻ると、ナノハナ食堂のご飯が机に置かれていた。朝からナミネに色々言われて何も食べていなかった私はご飯を食べた。ナルホに近付くと植物の香りがする。
そういえば、ナルホと交際するならナミネの許しも必要なんだ。どうしてこんなこと考えているのだろう。
その時、扉にノックが鳴った。
「カナエ」
「ナルホ、庭園を見せてください」
「うん、いいよ」
ナルホ、植物育ててるんだ。
「私もナルホの庭園見たい!」
「うん、いいよ。寒いから上着着て」
「分かった」
私は食べかけの食事を置いて、ナルホに着いて行った。
ナルホの庭園はとても広い。見たこともない植物も沢山育てている。この空間はまるで幻想的な世界のようだ。
「ナルホ、植物も増えましたね」
「うん、紀元前村にいた時に色々学んだから、帰る時に色々買ってきたんだ」
「カナエもキクリ家で薬草育てています」
「カナエは全て自分で採取してるんだよね」
何この2人、距離が近い。カナエってナルホのこと好きなのだろうか。
「そういえばカナエってアルフォンスからピル飲まされてるんだっけ?本当に愛してるならピルなんか飲ますかなあ?妊娠されたら困る女なんだよ、カナエって」
「そのように人を攻撃して憂さ晴らしすることでしか自分を保てないのですね。カナエはミネスを可哀想に感じます」
本当に愛しているならピルなんか飲ませたりしない。カナエはアルフォンスにとって遊びなのに、この余裕はどこから出てくるのだろう。
この時の私は、カナエがアルフォンスに見切りをつけようとしていることを全く知らなかった。
「じゃあ、アルフォンスにどうしてカナエにピル飲ませるのか聞いちゃおうかな」
「それでミネスの気が済むならどうぞご自由にしてください」
この女ムカつく。いかにも自分がマウント取ってますって感じで、人を見下している。私はカナエを後ろから突き飛ばすとカナエを踏み付けた。その瞬間、カナエは扇子で私を吹き飛ばした。
「愛されてないくせに!」
「愛がそれほどまでに重要でしょうか?カナエは1人なら別にそれはそれで構いません」
この人、セナやセレナールと違って要領がいい。セナはカラルリに依存しすぎて中絶薬盛られ裏切られ、セレナールは無防備に妊娠をカップル日記に書いてアルフォンスにトケイ草を盛られた。
学校では、クラスのみんなに頼られていっぱい褒められて毎日が楽しいのに、ここでは人間関係の作り方が分からない。それに力の強い人ばかりがいる。いつも一軍女子で人の上に立っている私がここでは惨めな人になってしまう。
「ねえ、ラルク。セレナールさんとは続きそう?」
って、ナミネいたのか。
「ズームさんの命かかってるから別れるわけにはいかないしな」
お兄ちゃんて、ここの人らには大切にされているんだ。
「そうだね。でも、リリカさんは納得してくれてるの?」
「納得はしてない。僕が結婚する時には妾として遠くで暮らして欲しいって言ってたらしい」
「難しいね。でも、結婚てまだまだ先だし、それまでにラルクが本当に好きになれる人見つけたらいいよ」
ナミネとラルクは庭園の端っこに体育座りしていた。距離はかなり近いというか、くっついている。
「もう恋愛はしない」
「そっか。ラルクの未来だもんね。どんなラルクでも応援してるよ」
「ナミネ、ミネスとは付き合いしないほうがいいです。さっきいきなりカナエに侮辱してきました」
「えー、ミネスさん最低!」
その瞬間、私の首に何かが巻き付いた。息が出来ない。その時、ナルホが助けてくれた。
「ナミネ、やめようか。ミネスは十分に反省してる。どうしてこんなことするのかな?」
私はナルホの後ろに隠れた。
「ミネスさんがカナエさんのこと侮辱したそうです」
「ミネス、本当かな?」
「侮辱じゃなくて意見しただけ!」
「ラルク、人のことなんてほっときゃいいのにね」
1人より2人の言葉のほうが効力は強い。特に人間関係を上手く作れない人にとっては。ナミネはラルクといると1人の時より断然に別人だ。
「まあ、人のこと干渉するほど暇人なんだろ」
ここでまた言葉したら私が悪者にされてしまう。どうして学校では一軍女子の私が、ここではいちいち人間関係に怯えなければならないのだろう。
「ごめん!悪気はなかった!カナエ、許して欲しい!」
「カナエは別に気にしていません。ナルホ、この植物ください」
「うん、いいよ。ここにあるの、適当に持って行って」
「ありがとうございます」
その瞬間、私はカナエを引っぱたいていた。そして、私はそのままカナエを植物の中に突っ込ませ、植物を台無しにしてしまった。
「カナエさん、大丈夫ですか?」
ナミネはカナエを植物の中から引っ張り出した。次の瞬間、ナミネは私にお手玉を投げた。お手玉は複数になり、猛スピードで私の周りを回転した。私がお手玉の外に出ようとするとお手玉は私を弾いた。私の身体は物凄い痛みが走った。
「ミネスは人にいやがらせしか出来ないのですね。今幸せですか?」
「お願い、助けて!」
「ミネス、どうしてカナエを叩いたのかな?」
どうしよう。あの時、カナエとナルホが親しげにしていたから思わず苛立ってしまった。
「わざとじゃない!許して欲しい!」
「ラルク、どう見てもわざとだったよね。この映像がそれを物語っているよね」
ここの人たち何?お兄ちゃんはどうしてここの人たちと付き合いしているの?
「もう確信犯だな。ここにある植物もダメになってしまったし、老害だな。とりあえず、落ち武者さんとズームさん呼べ!」
「分かった!」
ナミネはセルファとお兄ちゃんを呼び、2人はすぐに来た。そして、ナミネはお兄ちゃんに映像を見せた。
「ミネス!なんてことしてくれたんだ!」
「お兄ちゃん、わざとじゃない!信じて!」
この時の私はカンザシのことを好きながら、恋というものを何も分かっていなかった。それは未来に気付かされることになる。セルファは私にフェアリーングをかけた。
「お子ちゃまミネス、あんたなんで男尽くしカナエ叩いた」
「ナルホとカナエが親しそうにしてたから思わず叩いてしまった。悪気はなかった!」
「あんたカンザシと平和ボケなナルホどっちが好きなんだよ!」
「私はカンザシが好き!」
どうしよう。自分でも訳の分からないことを言ってしまっている。セルファは私のスカートをめくった。
「あんた、下着血がついてるけどどうしたんだよ、これ」
「お風呂に入ってる時、誤ってナルホの入った」
「へえ、あんた平和ボケなナルホに処女捧げたのかよ」
「うん。捧げた!ナルホに捧げた!」
フェアリーングを解こうとしても、足掻くほどに絡まってしまう。一度かけられたら解けないんだ。
「平和ボケなナルホ、あんた事故とはいえ、お子ちゃまミネスの処女奪ってどうすんだよ?」
「ミネスが僕に責任を求めるなら責任は取るつもりだよ」
気が付いたら、ナミネのお手玉もなくなっていて、セルファのフェアリーングも解かれていた。私はその場に泣き崩れた。ナルホは私を抱きかかえ部屋に連れて行き、私を慰めた後、私を布団に寝かせた。
この先、カンザシよりナルホを好きになることがあるだろうか。そうなって欲しい。けれど、私はカンザシのことを諦めきれない。
新たな春の訪れに私はあえて、それを凍らせてしまっていた。
……
あとがき。
ミネス視点でした。
……
この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
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