日常のこととかオリジナル小説のこととか。
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ashita
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漫画やアニメを見るのが好きです。最推しはフーディーニ ♡
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ブログ、もう書かないと思ってました。
けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。
ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。
小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。
よろしくお願い致します。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
お知らせ。
イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。
また、「カラクリよろずや」にて無料のフリーイラスト素材配布もはじめました✩.*˚
フリーイラスト素材も増やしていく予定です(*'ᴗ'*)
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。
ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。
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X @kigenzen1874
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ブログ、もう書かないと思ってました。
けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。
ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。
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〈資格履歴〉
2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格
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〈資格証明バナー〉

2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
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→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
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→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
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→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
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→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
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2025年08月04日
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〈資格証明バナー〉

純愛偏差値 未来編 一人称版 67話
《ナミネ》
2020年1月1日。
今日は正月だ。
私は朝起きるなり、ズームさんのお母様のお節が食べたくてそのまま部屋を出ようとした。
「ナミネ、あけましておめでとう」
「あけましておめでとうございます、ヨルクさん」
「今日はお節食べた後はすぐに初詣だから朝から着物着ようね」
「はい」
私はルームウェアを脱ぎ捨てた。
「ナミネ、ここは落ち武者さんもいるから無闇に下着姿にならないで」
ヨルクさんは昨日の夜用意してくれていたのか、私に淡いオレンジ色のかすみ草の着物を着せた。帯は淡い水色。補色って使い方難しいけど、ワンポイントなどは合う時もあったりする。
そして、セミロングの私の髪をヨルクさんは上手にまとめて菜の花の髪飾りを付けた。
「ナミネ、外雪だからこのケープ上に着て」
着物用の白いケープ。ヨルクさん買ってくれたのだろうか。私は嬉しくてヨルクさんに抱き着いた。
そういえば、遠い遠い昔もヨルクさんと初詣行く時、雪が降っていて、その時は今みたいにケープとかなかったから上に薄いカーディガンを羽織っていたんだっけ。ヨルクさんはいつも番傘をさしてくれていた。
「あんたら新年早々イチャついてんな!今日は混むから早めにここ出るぞ!」
ヨルクさんも着物を着て、落ち武者さんとエルナさんもヨルクさんに着物を着せてもらった。エルナさん、紫似合うなあ。落ち武者さんは髪が銀色なだけにやっぱり白い着物だね。
ちなみに、昨日の晩からナクリお姉様は部屋で引きこもっている。初詣にも行かないらしい。ミドリお姉様はカナコさんたちが迎えに来るそうだ。
第4居間に行くとだいたいのメンバーが揃っていた。そして、見知らぬ女の子が1人いた。私は女の子に駆け寄った。女の子はボブヘアで青いニットセーターに白いミニスカートを履いていた。
「あの、どちら様でしょうか?」
女の子は振り向いた。
「へえ、君がミスコングランプリ。大したことないじゃん」
えっ、初対面でこの対応何?
「第6王女は恋愛依存体質。その隣にいる黒髪の男は女遊びしまくり。第5王子は浮気体質。その隣にいる黒髪ロングヘアの女は男に尽くしすぎ。銀髪の君は精神年齢が幼い。その隣にいる金髪の女は未練ありすぎ。緑の髪の君は趣味にのめり込みすぎ。第7王子は1番を掴めない。銀髪のロングヘアの女はワガママ」
何故この世にこれ程に似た人がいるのだろう。落ち武者さんの親戚だろうか。私は落ち武者さんを見た。
「あんた、僕に喧嘩売ってるわけ?」
「実際そうじゃん」
この人、落ち武者さんの何を知っているのだろう。
「他人の家来ていきなり失礼な態度取るあんたほうが子供だけどね?」
星空レストランで全く同じことしていた人がそれを言うのか。それにしてもこの女の子誰だろう。てか、さっきから、ミナクさん、この女の子ばかり見てる?よく見ると女の子はかなり丈の短いスカートにニットセーターは露出が高い。少し動くと下着が見えてしまいそう。
「あのどちら様でしょうか?」
私はもう一度聞いた。
「へえ、今日は初詣行くんだ。私も着物着たいな」
ダメだ。話が通じない。その時、カンザシさんが入って来た。女の子は真っ先にカンザシさんの元へ走った。
「カンザシ!会いたかった!」
「ミネス、元気だった?」
「うん、元気だよ」
カンザシさんの友達か。って、ミネスさんて人、カンザシさんに抱き着いてる!
「カンザシ、私との交際いつになりそう?」
「ミネスのことはずっと妹として見てきたから、それ以上には見えないよ」
幼なじみだろうか。それにしてもカンザシさんがこういう綺麗系な人を妹以上に見れないだなんて意外。何だかミナクさんのミネスさんに対する視線がまた問題を引き起こしそう。
あれ、ミナクさんの携帯新しくなってる。いつ契約したのだろう。
「ミネス!またそんなはしたない格好して!今すぐ選んでやる!」
「キモイ!近付かないで!」
ズームさんに対してキモイだなんて、この人……。
「あのズームさんは……!」
「へえ、お姉ちゃん彼氏出来たみたいだけど、ただの貧乏人じゃん」
え、ミネルナさんの妹さんと言うことはズームさんの妹さん!?何だか3人とも似てないな。
「私の彼氏悪く言うのやめてくれる?将来は医師になるのよ。あなたこそ、いつまでも叶わない恋追いかけて惨めね」
「お姉ちゃんこそ、偏差値は低い、常に赤点、ピアノも何も弾けない、社交界では友達いない。ブランケット家に相応しくないと思うな」
私はお節を早く食べたくて、ラルクの隣に座った。
「あなた、言ってくれたわね!」
ミネルナさん、コンプレックス感じてるんだ。
「はい、ストップ!お子ちゃまミネスも初詣行くのか?」
「行くよ!カンザシに会いに来たんだもん!」
「この人数だから4班に分けて行動する。お子ちゃまミネスは3班ね」
「分かった。あ、一応みんな連絡先教えといて」
みんなはミネスさんと連絡先交換をした。
「ミネスは何年生?」
「3年生だよ」
「じゃあ、私と同じだな。今度食事にでも行かないか?」
「別にいいけど」
セナ王女がいるのにどうして他の女誘うの?てか、ミナクさん、ミネスさんに明らか一目惚れしてるよね。
「ナミネ、お吸い物と赤飯持ってくるね」
「はい」
私はお節を開けて玉子巻きを食べた。美味しい。もっと食べよう。
「あんたさ、なんで手で食べてんのさ。ちゃんと取り皿に入れろ」
ヨルクさんがいないと思ってたら落ち武者さんが指摘するなんて。それにしても、セナ王女、明らか怒ってるよね。ミナクさん、ずっとミネスさんに話しかけているし。
「ねえ、ラルク。どう思う?」
「まあ一目惚れな感じじゃないか?」
「それアウトじゃん」
その時、ヨルクさんとカナエさんが赤飯とお吸い物を持って来た。
「ナミネ、好きなものお皿に入れてあげる」
ヨルクさんは数の子とかイクラとかカマボコなど色々取り皿に入れてくれた。
「ありがとうございますヨルクさん」
私は一気に食べた。
「美味しいです。もっとください」
「ナミネ、初詣の後は料亭行くんだから、これ以上食べるとお昼入らなくなるよ」
「分かりました」
それにしても、ミネスさんがカンザシさんを好きなら一緒にならないとカンザシさんは一生1人な気がする。逆玉に乗れるチャンスなのに。
「私も着物着たい!」
「ミネス、私が着付ける」
「ねえ、ミナクは私の彼氏なんだから、いちいち邪魔するようなことしないでくれないかしら」
「ミナクが私に話しかけてきてるんだけど」
ズームさんの妹さんなだけあって気が強いなあ。
「僕が着付けるよ。他にも着物着たい人いたら言って」
ミネスさんの他にはナヤセス殿、ロナさん、アヤネさん、ユメさん、委員長、ロォラさんをナルホお兄様が着付けることになった。
「人混むから武家オリジナルイヤホンマイク1人1つ持ってけ」
落ち武者さんはみんなにイヤホンマイクを渡した。武家のイヤホンマイクはかなり遠くまで話し声が届く。音質の改良もされたし、話しかければ声はみんなに聞こえるけど、分かれて行動するから、持っていたほうが、みんなといるみたいで楽しいかもしれない。
「あの、ミネスさんってこれまで付き合った人とかいるんですか?」
「いないよ。カンザシが振り向いてくれるのずっと待ってる。何世紀も前からずっと」
何だかその忍耐力はまるでヨルクさんみたい。ミネスさんって、カンザシさんのこと本気なんだ。
「カンザシさん、悪いことは言いません。ミネスさんと交際しないと将来絶対損します」
「ナミネさん、ミネスはカンザシには渡しません」
そうだった。ズームさんが、大切な妹をだらしないカンザシさんに預けるわけないか。ミネスさんはいくらでもいるけど、カンザシさんと長く交際してくれる人がいないんだよな。
「お兄ちゃん、私とカンザシの恋愛に口挟まないでよ!お姉ちゃんはその貧乏人と付き合ってるじゃん!」
「カンザシと違ってロォハさんは優秀なんだ!姉さんとは真剣に交際してる!兄さんも戻って来たしまた時計騎士目指してる。お前もちゃんと将来のこと考えろ!」
そういえば、ミネスさんてこれまでの前世はどんな職業して来たんだろう。
「あ、ズルエヌ復活したんだ」
何故、1番上の兄を名前で呼ぶところまで落ち武者さんに似ているのだろう。私は小声でラルクに話しかけた。
「ねえ、ラルク。ミナクさん、ずっとミネスさんのこと見てるよ」
「もう完全に惚れてるな」
「セナ王女はどうなるの?」
「いっときの感情か心変わりで決まるんじゃないか?」
その時、落ち武者さんからメールが来た。
『あんたら話丸聞こえ』
落ち武者さんって耳良かったっけ。
『あの、ミナクさんとセナ王女どう思います?』
『2人はもうダメだろ。お子ちゃまミネス見てる時点で甘えセナを女として見れてないんじゃないか?カップル日記見てみろよ』
うーん、1日のことで、そこまで断定出来るものなのだろうか。私はカップル日記を開いた。
『ミナクがお昼作ってくれた』
『ミナクとフェアバ』
『ミナクと添い寝』
『ミナクとFメモリイ♡』
あれ、Fメモリイ頻度かなり減ってなくない?そういうものなのだろうか。でも、まだ付き合って3ヶ月なのに。あれだけ大々的な告白で別れるとか私だったらいやだな。でも、一度カラルリさんと別れてるか。
『カナエにスコーンを作った』
『カナエにブラックダイヤモンドの指輪を買った』
何だかこの2人も別れそう。カナエさんの投稿が全然ない。
『ユメとフェアバでクリスマス限定のドリンク注文』
あ、2つ並べるとハートの形になってる。
『ロォハとバイクで海に行った』
ミネルナさんもカップル日記はじめたんだ。
『ナミネが手編みのマフラーをクリスマスプレゼントに用意してくれた。
物凄く嬉しいし、大切に使う。
ありがとう、ナミネ』
ヨルクさん、投稿してくれてたんだ。
「じゃ、初詣行く。リストのメンバーで行動しろ!」
私がカップル日記見てるうちに、ミネスさんたち着物に着替えてる。ロォラさんて着物着ると雰囲気変わるなあ。
紅葉神社に着くと物凄い人混みだった。この神社、普段は全然人いないし、そこまで大きな神社ではないのに、この町の人は正月になれば、ここに来る。遠い昔は元旦でも人なんか殆どいなかったのに、時代も変わったもんだ。
「ラルク、おみくじ引きに行こうよ」
「そうだな」
私がラルクとおみくじを引きに行こうとした時、ヨルクさんは私の手を掴んだ。
「ナミネ、私たちは1班で行動するから勝手にはぐれないで」
「はい」
私はヨルクさんを見つめた。少し近い前世ならみんな着物着ていたのに、この100年ですっかり変わってしまって、今では西洋の文化が入って来て日常的に着物を着ている人は殆どいない。
ヨルクさんの着物姿を見れるのも今では正月くらいになってしまった。
「ねえ、ラルク、このまま歩いていても全然進まないよね」
「そうだな。お昼、料亭行けないかもな」
困ったな。お腹も空いてきた。私はナヤセス殿によじ登った。あ、商店街のおじさん屋台開いてる。私はこっそりメンバーから離れ屋台に近付いた。
「おじさん、あけましておめでとうございます!」
「ナノハナ家とこのナミネか。大きくなったな。これ、おじさんからのサービスだよ」
「ありがとうございます!」
私はイカ焼きを持って、再びこっそり1班に戻った。イカ焼き。とってもいい香り。
「ナミネ、何食べてるの?」
「イカ焼きです。屋台のおじさんからもらいました」
「料亭で昼ご飯食べれなくなっても知らないからね」
ヨルクさんはすぐにガミガミ言う。まるで嫁をいびる小姑みたいだ。その時、カンザシさんからイヤホンマイク越しに声が飛んで来た。
『ナミネさん、どうしてもあのドラマの共演はしてもらえないでしょうか?』
みんなに聞こえてるのに、どうして終わった話をまた言うの?
『カンザシ、どのドラマ?』
『1000年の恋だよ、ミネス』
1000年の恋というのか。それにしても、いくらドラマとはいえラブシーンでヨルクさんを裏切るようなことは絶対出来ないし、何より、私は綺麗な身体でいたい。
『カンザシ、まだ配役は未定だよね。ナミネ以外の女優となら交渉してあげる』
あの時、カンザシさん、もう主役決まったような言い方だったけど、全く決まってなかったんだ。嘘ついていたわけか。
『ミネス、どうしてもナミネさんと共演したい。頼む、契約して欲しい』
どうしてカンザシさんはそこまで私に拘るのだろう。
『ナミネとだけはダメ。どうしてもナミネと共演したいなら実力で主役勝ち取って。聞くけど、カンザシはどうして彼氏持ちのナミネと関係持とうとするの?』
実力で主役になられても私はヒロインは演じない。
『ナミネさんのことが好きだから。それにナミネさんは僕の実の妹だ』
『実の妹でも、婚姻が法律で認められた以上はナミネとだけは絶対ダメ』
女の勘というものなのだろうか。ミネスさんは昔のカンザシさんと私の関係に薄々気付いている気がする。今のカンザシさんにとって私が本命ならカンザシさんのことを本気で想ってるミネスさんが認めるわけがない。
「なあ、カンザシ、あんた強気なナミネの処女奪ってどうする気だ?あんた正気か?」
何か癪に障る言い方だけど、ミスコングランプリも取ったし表向きでは清純派装わないと。
『ナミネさんには、これから結婚まで僕のことを好きになってもらえたらそれでいいと思っています。1000年の恋では少し痛いかもしれませんが、ナミネさんとの愛の絆が欲しいんです。それをバネに芸能活動頑張りたいんです』
もはや、ものの考え方が狂ってる。一方的な恋愛感情など成立しない。カンザシさんのは愛でも友情でもない。ただのエゴにすぎない。
「ハッキリ言います!私は芸能人ではありません!ドラマのシーンとはいえ、穢れるのはいやなんです!私は綺麗な身体のままでいたいんです!私の彼氏はヨルクさんです!カンザシさんを男として好きになることはこの先ないでしょう!だから、このようなドラマを私に押し付けないでください!私はヨルクさんと幸せになるんです!」
今のカンザシさんには何を言っても伝わらないだろう。それでも、私はヨルクさん以外の人に抱かれたくない。ヨルクさんとの幸せは何がなんでも私が守り抜く。現世ではカンザシさんに幸せを奪われたりなんかしない。
『ナミネさんはまだ子供です!今処女を喪失したほうがより魅力的になります!僕がナミネさんを女にします!』
やっぱり何一つ伝わらなかった。私はカンザシさんを無視した。
行列は少し進んだみたいで賽銭箱が見えてきた。
「ラルク、賽銭箱見えてきたよ。お金入れようよ!」
「そうだな」
私とラルクは賽銭箱に向けてお金を投げ入れ、扇子で鈴を鳴らした。
「ラルクに素敵なお嫁さんが見つかりますように」
「なんで僕のこと願うんだよ。それに普通は声に出さないからな」
「でも、ラルクに幸せになって欲しいから」
「恋だけが幸せじゃないだろ!」
けれど、ラルクにはいいお嫁さん見付けて幸せな結婚生活を送って欲しい。これまでセレナールさんに騙されてきた分。
うーん、おみくじはまだ遠いな。お守りも買いたいけどそれもまた遠い。私は人混みに埋もれていた。
その時、前の高校生くらいの女の子が振り向いた瞬間悲鳴をあげた。
「この人、この人にイジワルされた!」
女の子はヨルクさんを指さしている。
「あの、それっていつのことですか?」
「1年前、桜木町の廃墟が並ぶ通路を歩いていたら、いきなり後ろから口を塞がれ古民家に連れ込まれそこで、この人に犯されたわ!この顔一度見たら忘れない!私の人生を壊した人。絶対に許せない!」
桜木町に廃墟なんてあるんだ。けれど、どうしたらいいのだろう。ヨルクさんが連行されてしまったら、ヨルクさんが責め続けられ、ヨルクさんは無実の罪を認めてしまうかもしれない。
「あんた、その時着ていた服は今でもそのまま保管してあるのかよ?イジワルしたのは1人か?」
「ええ、念の為保管してるわ。そう、この人のみに犯されたわ!」
「じゃ、警察に連れて行くのは1人でいいよな?本当にあんたが犯人と言ってるのが犯人か?それともこっちか?」
落ち武者さん、カンザシさんを連れてきてくれたんだ。女の子はかなり驚いた表情をしている。
「そんな……双子だなんて知らなかった」
何故そうなる。けれど、この人にはヨルクさんかカンザシさんか選んでもらわないと。
「ミィナ、どっち?」
「えっと……」
落ち武者さんは書類を出した。
「警察に連れて行くからには冤罪なんてことはあっては困るからね?もう一度言うけど連れて行けるのは1人だ!このうちのどちらかなんておかしいからな!万が一、間違っていた場合、名誉毀損であんた訴える。訴えられたくなかったら、この書類にサインしろ!」
落ち武者さん強気に出た。確かに間違っていたなんてことになれば、侮辱罪が成立する。被害者であろうと、関係のない人をイジワル犯に仕立て上げることは許されない。
「そんな……。被害者は私なのにどうしてこんな仕打ち受けないといけないのよ!あんまりじゃない!2人とも連れて行くわ!」
「あんた馬鹿だな。2人連れて行けば、無罪だったほうは名誉毀損であんたを罪に問えるし、あんた下手したらレイプ被害者どころか関係ない人イジワル犯に仕立てあげた加害者だろうが!だから、警察に連れて行くなら1人選んで、今この書類にサインしろ!」
私は落ち武者さんの書類に目を通した。
『万が一、警察署に連れて行った人物がイジワル犯でなかった場合は、85万円の示談金を支払う』
ミィミさんはとても悩んでいる様子。
「ミィミ、せっかく犯人見付けたんだから、ここで逃したらミィミが余計に辛くなるよ。辛いけど当時のことよく思い出して、どちらかを警察に連れて行こう」
やはり、レイプ犯は逃したくないわけか。誰だってそうだろうけど、犯人が2人のどちらか分からない状態での決断は無計画であると私は思う。何より、この人が持っている証拠は当時犯行現場で着ていた服のみ。
「分かった。私もここで逃したくないし、ちゃんと訴えて前に進む!当時は黒髪で身長もそれなりに高くて、服は柄のトレーナーにダボダボのカーゴパンツを履いていた。こっちの人よ!」
これでミィミさんはカンザシさんを訴えられなくなったか。柄のトレーナーにカーゴパンツなんてヨルクさんは着ない。この人、勢いあまりの無計画すぎる。せめて、普段の服装とか、髪はいつ染めたのか聞けばいいのに。
「じゃ、顔だけヨルクを連れて行く。みんな今から、1班は紅葉町警察署行くから、初詣終わった班は先に桜木町の料亭行ってろ!」
私たち1班は、突然現れたミィミさんとその彼氏と共に紅葉町警察署に向かった。
紅葉町警察署に着くと、ミィミさんが事前に連絡していた両親がミィミさんが当時着ていた制服を持って来た。そして、警察はミィミさんに当時のことを詳しく聞いた後、その時に着ていた制服の指紋を調べた。
結果は当然のごとくヨルクさんのものとは一致しなかった。
「なあ、この指紋と照合してみろよ」
カンザシさんが普段持ち歩いているティッシュだろうか。警察はすぐにティッシュについている指紋とミィミさんの制服についている指紋を照合した。
結果は見事に一致した。
「ミィミ、あんたをイジワルしたのは顔だけヨルクじゃなくて、もう1人のほうだったんだよ!示談金はきっちり払ってもらう!」
「そんな……そんな……こんな仕打ちあまりに酷すぎる!あなたたちには人の心というものがないの?」
「は?間違えたのあんただろ!イジワル犯の顔もまともに覚えられないのかよ!」
その瞬間、ミィミさんはカッターナイフを取り出し、暴れはじめた。私はすかさず扇子を私のほうに向け、その弾みでミィミさんは私に突っ込んだ。ミィミさんのカッターナイフは私の腕を刺した。警察は傷害罪で現行犯逮捕し、私は婦人警察の手当を受けた。
「待って!身体が勝手に動いたの!私は被害者よ!もう1人のほうを連れて来て!」
ヨルクさんに害を及ぼす者は芽から摘み取ってあげないと。誰であれ、ヨルクさんを貶める人は私が許さない。どんな手を使ってでもヨルクさんとの幸せは誰にも壊させない。
「じゃ、後はカンザシの動機聞くだけだな」
ヨルクさんは無言で泣いていた。私はヨルクさんの手を握った。
……
あとがき。
新年早々からハードモードなみんな。
《ナミネ》
2020年1月1日。
今日は正月だ。
私は朝起きるなり、ズームさんのお母様のお節が食べたくてそのまま部屋を出ようとした。
「ナミネ、あけましておめでとう」
「あけましておめでとうございます、ヨルクさん」
「今日はお節食べた後はすぐに初詣だから朝から着物着ようね」
「はい」
私はルームウェアを脱ぎ捨てた。
「ナミネ、ここは落ち武者さんもいるから無闇に下着姿にならないで」
ヨルクさんは昨日の夜用意してくれていたのか、私に淡いオレンジ色のかすみ草の着物を着せた。帯は淡い水色。補色って使い方難しいけど、ワンポイントなどは合う時もあったりする。
そして、セミロングの私の髪をヨルクさんは上手にまとめて菜の花の髪飾りを付けた。
「ナミネ、外雪だからこのケープ上に着て」
着物用の白いケープ。ヨルクさん買ってくれたのだろうか。私は嬉しくてヨルクさんに抱き着いた。
そういえば、遠い遠い昔もヨルクさんと初詣行く時、雪が降っていて、その時は今みたいにケープとかなかったから上に薄いカーディガンを羽織っていたんだっけ。ヨルクさんはいつも番傘をさしてくれていた。
「あんたら新年早々イチャついてんな!今日は混むから早めにここ出るぞ!」
ヨルクさんも着物を着て、落ち武者さんとエルナさんもヨルクさんに着物を着せてもらった。エルナさん、紫似合うなあ。落ち武者さんは髪が銀色なだけにやっぱり白い着物だね。
ちなみに、昨日の晩からナクリお姉様は部屋で引きこもっている。初詣にも行かないらしい。ミドリお姉様はカナコさんたちが迎えに来るそうだ。
第4居間に行くとだいたいのメンバーが揃っていた。そして、見知らぬ女の子が1人いた。私は女の子に駆け寄った。女の子はボブヘアで青いニットセーターに白いミニスカートを履いていた。
「あの、どちら様でしょうか?」
女の子は振り向いた。
「へえ、君がミスコングランプリ。大したことないじゃん」
えっ、初対面でこの対応何?
「第6王女は恋愛依存体質。その隣にいる黒髪の男は女遊びしまくり。第5王子は浮気体質。その隣にいる黒髪ロングヘアの女は男に尽くしすぎ。銀髪の君は精神年齢が幼い。その隣にいる金髪の女は未練ありすぎ。緑の髪の君は趣味にのめり込みすぎ。第7王子は1番を掴めない。銀髪のロングヘアの女はワガママ」
何故この世にこれ程に似た人がいるのだろう。落ち武者さんの親戚だろうか。私は落ち武者さんを見た。
「あんた、僕に喧嘩売ってるわけ?」
「実際そうじゃん」
この人、落ち武者さんの何を知っているのだろう。
「他人の家来ていきなり失礼な態度取るあんたほうが子供だけどね?」
星空レストランで全く同じことしていた人がそれを言うのか。それにしてもこの女の子誰だろう。てか、さっきから、ミナクさん、この女の子ばかり見てる?よく見ると女の子はかなり丈の短いスカートにニットセーターは露出が高い。少し動くと下着が見えてしまいそう。
「あのどちら様でしょうか?」
私はもう一度聞いた。
「へえ、今日は初詣行くんだ。私も着物着たいな」
ダメだ。話が通じない。その時、カンザシさんが入って来た。女の子は真っ先にカンザシさんの元へ走った。
「カンザシ!会いたかった!」
「ミネス、元気だった?」
「うん、元気だよ」
カンザシさんの友達か。って、ミネスさんて人、カンザシさんに抱き着いてる!
「カンザシ、私との交際いつになりそう?」
「ミネスのことはずっと妹として見てきたから、それ以上には見えないよ」
幼なじみだろうか。それにしてもカンザシさんがこういう綺麗系な人を妹以上に見れないだなんて意外。何だかミナクさんのミネスさんに対する視線がまた問題を引き起こしそう。
あれ、ミナクさんの携帯新しくなってる。いつ契約したのだろう。
「ミネス!またそんなはしたない格好して!今すぐ選んでやる!」
「キモイ!近付かないで!」
ズームさんに対してキモイだなんて、この人……。
「あのズームさんは……!」
「へえ、お姉ちゃん彼氏出来たみたいだけど、ただの貧乏人じゃん」
え、ミネルナさんの妹さんと言うことはズームさんの妹さん!?何だか3人とも似てないな。
「私の彼氏悪く言うのやめてくれる?将来は医師になるのよ。あなたこそ、いつまでも叶わない恋追いかけて惨めね」
「お姉ちゃんこそ、偏差値は低い、常に赤点、ピアノも何も弾けない、社交界では友達いない。ブランケット家に相応しくないと思うな」
私はお節を早く食べたくて、ラルクの隣に座った。
「あなた、言ってくれたわね!」
ミネルナさん、コンプレックス感じてるんだ。
「はい、ストップ!お子ちゃまミネスも初詣行くのか?」
「行くよ!カンザシに会いに来たんだもん!」
「この人数だから4班に分けて行動する。お子ちゃまミネスは3班ね」
「分かった。あ、一応みんな連絡先教えといて」
みんなはミネスさんと連絡先交換をした。
「ミネスは何年生?」
「3年生だよ」
「じゃあ、私と同じだな。今度食事にでも行かないか?」
「別にいいけど」
セナ王女がいるのにどうして他の女誘うの?てか、ミナクさん、ミネスさんに明らか一目惚れしてるよね。
「ナミネ、お吸い物と赤飯持ってくるね」
「はい」
私はお節を開けて玉子巻きを食べた。美味しい。もっと食べよう。
「あんたさ、なんで手で食べてんのさ。ちゃんと取り皿に入れろ」
ヨルクさんがいないと思ってたら落ち武者さんが指摘するなんて。それにしても、セナ王女、明らか怒ってるよね。ミナクさん、ずっとミネスさんに話しかけているし。
「ねえ、ラルク。どう思う?」
「まあ一目惚れな感じじゃないか?」
「それアウトじゃん」
その時、ヨルクさんとカナエさんが赤飯とお吸い物を持って来た。
「ナミネ、好きなものお皿に入れてあげる」
ヨルクさんは数の子とかイクラとかカマボコなど色々取り皿に入れてくれた。
「ありがとうございますヨルクさん」
私は一気に食べた。
「美味しいです。もっとください」
「ナミネ、初詣の後は料亭行くんだから、これ以上食べるとお昼入らなくなるよ」
「分かりました」
それにしても、ミネスさんがカンザシさんを好きなら一緒にならないとカンザシさんは一生1人な気がする。逆玉に乗れるチャンスなのに。
「私も着物着たい!」
「ミネス、私が着付ける」
「ねえ、ミナクは私の彼氏なんだから、いちいち邪魔するようなことしないでくれないかしら」
「ミナクが私に話しかけてきてるんだけど」
ズームさんの妹さんなだけあって気が強いなあ。
「僕が着付けるよ。他にも着物着たい人いたら言って」
ミネスさんの他にはナヤセス殿、ロナさん、アヤネさん、ユメさん、委員長、ロォラさんをナルホお兄様が着付けることになった。
「人混むから武家オリジナルイヤホンマイク1人1つ持ってけ」
落ち武者さんはみんなにイヤホンマイクを渡した。武家のイヤホンマイクはかなり遠くまで話し声が届く。音質の改良もされたし、話しかければ声はみんなに聞こえるけど、分かれて行動するから、持っていたほうが、みんなといるみたいで楽しいかもしれない。
「あの、ミネスさんってこれまで付き合った人とかいるんですか?」
「いないよ。カンザシが振り向いてくれるのずっと待ってる。何世紀も前からずっと」
何だかその忍耐力はまるでヨルクさんみたい。ミネスさんって、カンザシさんのこと本気なんだ。
「カンザシさん、悪いことは言いません。ミネスさんと交際しないと将来絶対損します」
「ナミネさん、ミネスはカンザシには渡しません」
そうだった。ズームさんが、大切な妹をだらしないカンザシさんに預けるわけないか。ミネスさんはいくらでもいるけど、カンザシさんと長く交際してくれる人がいないんだよな。
「お兄ちゃん、私とカンザシの恋愛に口挟まないでよ!お姉ちゃんはその貧乏人と付き合ってるじゃん!」
「カンザシと違ってロォハさんは優秀なんだ!姉さんとは真剣に交際してる!兄さんも戻って来たしまた時計騎士目指してる。お前もちゃんと将来のこと考えろ!」
そういえば、ミネスさんてこれまでの前世はどんな職業して来たんだろう。
「あ、ズルエヌ復活したんだ」
何故、1番上の兄を名前で呼ぶところまで落ち武者さんに似ているのだろう。私は小声でラルクに話しかけた。
「ねえ、ラルク。ミナクさん、ずっとミネスさんのこと見てるよ」
「もう完全に惚れてるな」
「セナ王女はどうなるの?」
「いっときの感情か心変わりで決まるんじゃないか?」
その時、落ち武者さんからメールが来た。
『あんたら話丸聞こえ』
落ち武者さんって耳良かったっけ。
『あの、ミナクさんとセナ王女どう思います?』
『2人はもうダメだろ。お子ちゃまミネス見てる時点で甘えセナを女として見れてないんじゃないか?カップル日記見てみろよ』
うーん、1日のことで、そこまで断定出来るものなのだろうか。私はカップル日記を開いた。
『ミナクがお昼作ってくれた』
『ミナクとフェアバ』
『ミナクと添い寝』
『ミナクとFメモリイ♡』
あれ、Fメモリイ頻度かなり減ってなくない?そういうものなのだろうか。でも、まだ付き合って3ヶ月なのに。あれだけ大々的な告白で別れるとか私だったらいやだな。でも、一度カラルリさんと別れてるか。
『カナエにスコーンを作った』
『カナエにブラックダイヤモンドの指輪を買った』
何だかこの2人も別れそう。カナエさんの投稿が全然ない。
『ユメとフェアバでクリスマス限定のドリンク注文』
あ、2つ並べるとハートの形になってる。
『ロォハとバイクで海に行った』
ミネルナさんもカップル日記はじめたんだ。
『ナミネが手編みのマフラーをクリスマスプレゼントに用意してくれた。
物凄く嬉しいし、大切に使う。
ありがとう、ナミネ』
ヨルクさん、投稿してくれてたんだ。
「じゃ、初詣行く。リストのメンバーで行動しろ!」
私がカップル日記見てるうちに、ミネスさんたち着物に着替えてる。ロォラさんて着物着ると雰囲気変わるなあ。
紅葉神社に着くと物凄い人混みだった。この神社、普段は全然人いないし、そこまで大きな神社ではないのに、この町の人は正月になれば、ここに来る。遠い昔は元旦でも人なんか殆どいなかったのに、時代も変わったもんだ。
「ラルク、おみくじ引きに行こうよ」
「そうだな」
私がラルクとおみくじを引きに行こうとした時、ヨルクさんは私の手を掴んだ。
「ナミネ、私たちは1班で行動するから勝手にはぐれないで」
「はい」
私はヨルクさんを見つめた。少し近い前世ならみんな着物着ていたのに、この100年ですっかり変わってしまって、今では西洋の文化が入って来て日常的に着物を着ている人は殆どいない。
ヨルクさんの着物姿を見れるのも今では正月くらいになってしまった。
「ねえ、ラルク、このまま歩いていても全然進まないよね」
「そうだな。お昼、料亭行けないかもな」
困ったな。お腹も空いてきた。私はナヤセス殿によじ登った。あ、商店街のおじさん屋台開いてる。私はこっそりメンバーから離れ屋台に近付いた。
「おじさん、あけましておめでとうございます!」
「ナノハナ家とこのナミネか。大きくなったな。これ、おじさんからのサービスだよ」
「ありがとうございます!」
私はイカ焼きを持って、再びこっそり1班に戻った。イカ焼き。とってもいい香り。
「ナミネ、何食べてるの?」
「イカ焼きです。屋台のおじさんからもらいました」
「料亭で昼ご飯食べれなくなっても知らないからね」
ヨルクさんはすぐにガミガミ言う。まるで嫁をいびる小姑みたいだ。その時、カンザシさんからイヤホンマイク越しに声が飛んで来た。
『ナミネさん、どうしてもあのドラマの共演はしてもらえないでしょうか?』
みんなに聞こえてるのに、どうして終わった話をまた言うの?
『カンザシ、どのドラマ?』
『1000年の恋だよ、ミネス』
1000年の恋というのか。それにしても、いくらドラマとはいえラブシーンでヨルクさんを裏切るようなことは絶対出来ないし、何より、私は綺麗な身体でいたい。
『カンザシ、まだ配役は未定だよね。ナミネ以外の女優となら交渉してあげる』
あの時、カンザシさん、もう主役決まったような言い方だったけど、全く決まってなかったんだ。嘘ついていたわけか。
『ミネス、どうしてもナミネさんと共演したい。頼む、契約して欲しい』
どうしてカンザシさんはそこまで私に拘るのだろう。
『ナミネとだけはダメ。どうしてもナミネと共演したいなら実力で主役勝ち取って。聞くけど、カンザシはどうして彼氏持ちのナミネと関係持とうとするの?』
実力で主役になられても私はヒロインは演じない。
『ナミネさんのことが好きだから。それにナミネさんは僕の実の妹だ』
『実の妹でも、婚姻が法律で認められた以上はナミネとだけは絶対ダメ』
女の勘というものなのだろうか。ミネスさんは昔のカンザシさんと私の関係に薄々気付いている気がする。今のカンザシさんにとって私が本命ならカンザシさんのことを本気で想ってるミネスさんが認めるわけがない。
「なあ、カンザシ、あんた強気なナミネの処女奪ってどうする気だ?あんた正気か?」
何か癪に障る言い方だけど、ミスコングランプリも取ったし表向きでは清純派装わないと。
『ナミネさんには、これから結婚まで僕のことを好きになってもらえたらそれでいいと思っています。1000年の恋では少し痛いかもしれませんが、ナミネさんとの愛の絆が欲しいんです。それをバネに芸能活動頑張りたいんです』
もはや、ものの考え方が狂ってる。一方的な恋愛感情など成立しない。カンザシさんのは愛でも友情でもない。ただのエゴにすぎない。
「ハッキリ言います!私は芸能人ではありません!ドラマのシーンとはいえ、穢れるのはいやなんです!私は綺麗な身体のままでいたいんです!私の彼氏はヨルクさんです!カンザシさんを男として好きになることはこの先ないでしょう!だから、このようなドラマを私に押し付けないでください!私はヨルクさんと幸せになるんです!」
今のカンザシさんには何を言っても伝わらないだろう。それでも、私はヨルクさん以外の人に抱かれたくない。ヨルクさんとの幸せは何がなんでも私が守り抜く。現世ではカンザシさんに幸せを奪われたりなんかしない。
『ナミネさんはまだ子供です!今処女を喪失したほうがより魅力的になります!僕がナミネさんを女にします!』
やっぱり何一つ伝わらなかった。私はカンザシさんを無視した。
行列は少し進んだみたいで賽銭箱が見えてきた。
「ラルク、賽銭箱見えてきたよ。お金入れようよ!」
「そうだな」
私とラルクは賽銭箱に向けてお金を投げ入れ、扇子で鈴を鳴らした。
「ラルクに素敵なお嫁さんが見つかりますように」
「なんで僕のこと願うんだよ。それに普通は声に出さないからな」
「でも、ラルクに幸せになって欲しいから」
「恋だけが幸せじゃないだろ!」
けれど、ラルクにはいいお嫁さん見付けて幸せな結婚生活を送って欲しい。これまでセレナールさんに騙されてきた分。
うーん、おみくじはまだ遠いな。お守りも買いたいけどそれもまた遠い。私は人混みに埋もれていた。
その時、前の高校生くらいの女の子が振り向いた瞬間悲鳴をあげた。
「この人、この人にイジワルされた!」
女の子はヨルクさんを指さしている。
「あの、それっていつのことですか?」
「1年前、桜木町の廃墟が並ぶ通路を歩いていたら、いきなり後ろから口を塞がれ古民家に連れ込まれそこで、この人に犯されたわ!この顔一度見たら忘れない!私の人生を壊した人。絶対に許せない!」
桜木町に廃墟なんてあるんだ。けれど、どうしたらいいのだろう。ヨルクさんが連行されてしまったら、ヨルクさんが責め続けられ、ヨルクさんは無実の罪を認めてしまうかもしれない。
「あんた、その時着ていた服は今でもそのまま保管してあるのかよ?イジワルしたのは1人か?」
「ええ、念の為保管してるわ。そう、この人のみに犯されたわ!」
「じゃ、警察に連れて行くのは1人でいいよな?本当にあんたが犯人と言ってるのが犯人か?それともこっちか?」
落ち武者さん、カンザシさんを連れてきてくれたんだ。女の子はかなり驚いた表情をしている。
「そんな……双子だなんて知らなかった」
何故そうなる。けれど、この人にはヨルクさんかカンザシさんか選んでもらわないと。
「ミィナ、どっち?」
「えっと……」
落ち武者さんは書類を出した。
「警察に連れて行くからには冤罪なんてことはあっては困るからね?もう一度言うけど連れて行けるのは1人だ!このうちのどちらかなんておかしいからな!万が一、間違っていた場合、名誉毀損であんた訴える。訴えられたくなかったら、この書類にサインしろ!」
落ち武者さん強気に出た。確かに間違っていたなんてことになれば、侮辱罪が成立する。被害者であろうと、関係のない人をイジワル犯に仕立て上げることは許されない。
「そんな……。被害者は私なのにどうしてこんな仕打ち受けないといけないのよ!あんまりじゃない!2人とも連れて行くわ!」
「あんた馬鹿だな。2人連れて行けば、無罪だったほうは名誉毀損であんたを罪に問えるし、あんた下手したらレイプ被害者どころか関係ない人イジワル犯に仕立てあげた加害者だろうが!だから、警察に連れて行くなら1人選んで、今この書類にサインしろ!」
私は落ち武者さんの書類に目を通した。
『万が一、警察署に連れて行った人物がイジワル犯でなかった場合は、85万円の示談金を支払う』
ミィミさんはとても悩んでいる様子。
「ミィミ、せっかく犯人見付けたんだから、ここで逃したらミィミが余計に辛くなるよ。辛いけど当時のことよく思い出して、どちらかを警察に連れて行こう」
やはり、レイプ犯は逃したくないわけか。誰だってそうだろうけど、犯人が2人のどちらか分からない状態での決断は無計画であると私は思う。何より、この人が持っている証拠は当時犯行現場で着ていた服のみ。
「分かった。私もここで逃したくないし、ちゃんと訴えて前に進む!当時は黒髪で身長もそれなりに高くて、服は柄のトレーナーにダボダボのカーゴパンツを履いていた。こっちの人よ!」
これでミィミさんはカンザシさんを訴えられなくなったか。柄のトレーナーにカーゴパンツなんてヨルクさんは着ない。この人、勢いあまりの無計画すぎる。せめて、普段の服装とか、髪はいつ染めたのか聞けばいいのに。
「じゃ、顔だけヨルクを連れて行く。みんな今から、1班は紅葉町警察署行くから、初詣終わった班は先に桜木町の料亭行ってろ!」
私たち1班は、突然現れたミィミさんとその彼氏と共に紅葉町警察署に向かった。
紅葉町警察署に着くと、ミィミさんが事前に連絡していた両親がミィミさんが当時着ていた制服を持って来た。そして、警察はミィミさんに当時のことを詳しく聞いた後、その時に着ていた制服の指紋を調べた。
結果は当然のごとくヨルクさんのものとは一致しなかった。
「なあ、この指紋と照合してみろよ」
カンザシさんが普段持ち歩いているティッシュだろうか。警察はすぐにティッシュについている指紋とミィミさんの制服についている指紋を照合した。
結果は見事に一致した。
「ミィミ、あんたをイジワルしたのは顔だけヨルクじゃなくて、もう1人のほうだったんだよ!示談金はきっちり払ってもらう!」
「そんな……そんな……こんな仕打ちあまりに酷すぎる!あなたたちには人の心というものがないの?」
「は?間違えたのあんただろ!イジワル犯の顔もまともに覚えられないのかよ!」
その瞬間、ミィミさんはカッターナイフを取り出し、暴れはじめた。私はすかさず扇子を私のほうに向け、その弾みでミィミさんは私に突っ込んだ。ミィミさんのカッターナイフは私の腕を刺した。警察は傷害罪で現行犯逮捕し、私は婦人警察の手当を受けた。
「待って!身体が勝手に動いたの!私は被害者よ!もう1人のほうを連れて来て!」
ヨルクさんに害を及ぼす者は芽から摘み取ってあげないと。誰であれ、ヨルクさんを貶める人は私が許さない。どんな手を使ってでもヨルクさんとの幸せは誰にも壊させない。
「じゃ、後はカンザシの動機聞くだけだな」
ヨルクさんは無言で泣いていた。私はヨルクさんの手を握った。
……
あとがき。
新年早々からハードモードなみんな。
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