時間と時間を繋ぐ恋の物語 17話（修正前）

『引き離せない想い』


好きなら簡単に諦めちゃだめ。
てんあの時、有里架は俺にそう言った。

俺だって有里架の言うことは最もだと思うし、出来ることならこのままずっと彼女の傍にいたい。
けれど、口で言うのと実際に痛みを味わうのでは全く違うものである。
思いだけでどうにでもなる問題なんてほんの僅かでしかないだろう。
そして、今俺が抱えてる問題は思いだけではどうにもならない。

「里見君」
振り返ると白川先生がいた。
俺は授業をサボって屋上にいたのだった。白川先生がここにいるということは彼女も何かにおいつまったのだろうか。
「今日は晴れてて空気も澄んで気持ちいいね」
「・・・・・・ああ」
「夜には星が見れるかな」
「……そうだな」
白川先生は俺の横を通り過ぎ、柵のところで立ち止まった。

「白川先生」
「ん？なに？」
「俺と別れて下さい」
「・・・え？」
「俺・もう自ないんです。貴方を守っていく自倍がないんです」
「ちょ、ちょっと待って」
白川先生は振り返った。
俺は構わず続けた。
「俺から告って、貴方に誓って……なのに俺の勝手で別れを切り出すなんて身勝手にもほどがあるってことはわかっています。でも、このままじゃ俺、生きてる気がしないんです」
｢っ…里見君……」
「本当にごめんなさい。どうか別れて下さい」「・・・待って、お願い、話を悪いて」
白川先生は俺に近づいた。
「確かに私は貴方を利用してまで薫を想い続けてた。そして、今でも薫を想っている。でもね、里見君。
私気付いたの。貴方に気付かされたわ。自分の気持ちは少しずつ変えていけるの。貴方は薫を好きな私を受け入れてくれた。それに私、少し甘えちゃってたのよね。自分でもいけないって思うほどにとめられなくて。でも、どんなに薫を想ってもそれは過去なのよ。はもうこの世にはいない。そんな人間を縛り続けてたのは私」
「白川先生・・」
「でも、もう過去は捨てるわ。今すぐってわけにはいかないけれど。でも、いつかきっと今だけを見つめて生きる。そのためには貴方が必要なの」
「・・え？」
「貴方じゃなきゃだめなの。私、自分の気持ちに気付いたの」
「自分の気持ち・・？」
「私、今は貴方が好きなの」
「……うそだろ？」
「嘘じゃないわ。本当よ。私の過去も今も受け入れてくれるのは貴方しかいない。私は貴方の傍にいたい」
「先生……」
「でも、身勝手すぎるわよね・・無理に貴方を引き止める資格なんて私にはないわよね」
「どうしてそんな事言うんですか・・そんな風に言われたら余計に別れられなくなっちゃうじゃないですか」
「……ごめんなさい」
「本当…ずるいですよ。俺の気持ちを知っていて引き下がろうとするなんて」
「ごめんなさい」
「先生の馬鹿……」
「……」
「好きですよ」