日常のこととかオリジナル小説のこととか。
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ashita
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地主(土地貸してます)
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漫画やアニメを見るのが好きです。最推しはフーディーニ ♡
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ブログ、もう書かないと思ってました。
けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。
ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。
小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。
よろしくお願い致します。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
お知らせ。
イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。
また、「カラクリよろずや」にて無料のフリーイラスト素材配布もはじめました✩.*˚
フリーイラスト素材も増やしていく予定です(*'ᴗ'*)
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。
ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。
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X @kigenzen1874
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けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
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が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
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〈資格履歴〉
2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格
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〈資格証明バナー〉

2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
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指導講師資格審査 合格
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〈資格証明バナー〉

純愛偏差値 未来編 一人称版 66話
《ヨルク》
私は女神の湖でダンゴロさんに神様呼び出しカードをもらった。ナミネのために使おうと思う。それにしても、ミナクお兄様もアルフォンス王子もカラルリさんもやたら女神に話しかけていて、セナ王女とカナエさんはかなり機嫌を損ねている。
あれ、ナヤセスさんは何をしているのだろう。えっ、女神の血液を抜いている?
「女神の血液はヨウセイ型と特殊な血液型で、どんな病気でも治すことが出来るよ。けれど、ここにいる女神だけの血液だけで全人類を治すことは出来ないからね。これ以上の女神の血液採取は認めないよ」
ダンゴロさんの言葉にナヤセスさんは咄嗟に女神から離れた。
ヨウセイ型。聞いたことがない。けれど、ヨウセイ型の血液があればどんな病でも治せるだなんて、遠い昔に知っていたらナミネの病を治したかった。
あ、ナルホさんがミドリさんを連れて戻ってきた。私は2人の元に駆け寄った。
「ナルホさん!」
ミドリさん、全然変わってない。
「久しぶりね、ヨルク」
「お久しぶりです、ミドリさん」
もう3年は経つのか。ここを出たら大学生の姿になるのかな。あれ、ナミネはどうしたのだろう。
「ナルホさん、ナミネはどうしてるの?」
「旧友と話してると思うよ」
「そっか、私も天界に行ってくるね」
その時、ダンゴロさんが近付いてきた。
「本当は逆物質の持ち帰りは禁じてるけど、今日だけ特別に3つまで持ち帰っていいよ」
「本当ですか?ありがとうございます!」
もし、ナミネとの想い出のものがあれば入手したい。
私はナミネを探すため天界に続く通路を通った。
天界は古民家が並んでいて、とても賑わっている。みんなが幸せな暮らしをしていることが伝わってくる。ナミネはどこにいるのだろう。
「久しぶりだな、ヨルク」
えっと、この人誰だろう。
「あの、どなたでしょうか?」
「僕も忘れられたもんだな。妖精村半ば頃の学友のキザクだよ」
ダメだ、やっぱり思い出せない。
「そ、そうなんだ。あ、ナミネどこにいるか分かる?」
「ナミネなら道端で泣いてたぞ」
「え、どうして?何かあったの?」
「さあな。ここを真っ直ぐ行ったらいるから行ってやれよ」
私は急に不安になり走った。ナミネ、いったい何があったのだろう。私が走っていると前からナミネが泣きながら歩いて来た。
「ナミネ、どうしたの?何があったの?」
ナミネは何も言わず私に抱き着いた。
「ヨルクさん、ごめんなさい」
ごめんて何が?
「ねえ、ナミネ……」
「私、もうヨルクさんを待たせません!」
旧友に昔のことを聞いたのだろうか。
「ナミネ、歩ける?3つまでならここにあるの持って帰れるみたいだから、市場で何か見よう?」
「はい」
私とナミネは手を繋ぎながら市場に向かった。
天界の市場は天使村の市場とは違ってとても穏やかだ。それにものも豊富。
「ナミネ、どれが欲しい?天界限定品もあるよ」
ナミネはとても落ち込んだ様子だ。こういう時、彼氏として何をしてあげたらいいのだろう。
ふと見るとナミネは透明のモルモット女神のぬいぐるみを持っていた。
「それにする?」
「はい」
天界なだけあって、全てが変わったものばかりだ。ん?全てを治す薬?説明書きを見ると、どんな病でも治せる薬らしい。ただし、使えるのは一度だけ。何かあった時のために買っておこう。
「ナミネ、他に欲しいのある?」
「これだけでいいです」
あと1つなら全てを治す薬をもう1つ買おう。私は、透明のモルモット女神のぬいぐるみと全てを治す薬2つを購入した。
再び女神の湖に戻るとセナ王女がミナクお兄様の携帯を真っ二つに割っていた。その時、ナミネが湖に走って行った。慌てて私も追いかけた。
「ナミザお姉様、また会いに来ます」
「ナミネ、幸せになるのよ。カンザシも」
ナミネとカンザシさんだけの姉。何だか信じ難いけど、私にも知らない歴史がたくさんあるのだろう。
「姉さん、僕、今は芸能人なんです」
「ああ、カンザシはよく駆け出しミュージシャンやっていたわね。あの頃は売れていなかったけど、貴族だったから、一生続けてたわね」
カンザシさんが貴族って以外。ワンルームのアパートに暮らしているイメージが強いかもしれない。
「ナミザさん、お久しぶりです」
「久しぶり、ズーム」
ズームさんとも知り合いなのだろうか。
「2人は覚えているか分からないけど、私たちの家の近くにズームは住んでいたのよ」
「そうでしたか。大昔は私とズームさんは幼なじみだったのですね」
人の縁というのは分からないものだ。ナミネとズームさんは昔のカンザシさんのコンサートで知り合ったものだと思っていたけれど、大昔は幼なじみという近い存在でもあったのか。
「ナミネ、よく聞いて。人生に運命なんてないの。全て人の意思で作り上げたものなのよ。悪いことをしたら何らかの形でその人に返ってくる。人を恨んではダメよ。ヨルクと幸せになって」
運命なんてない。どうしてそう言い切れるのだろう。私とナミネはずっと運命だと信じてきたのに。それともナミネと私の意思が繋がりをもたらしているのだろうか。
「もう誰も恨みません!私、ヨルクさんと幸せになります!」
ナミネ……。
その時、セナ王女がミナクお兄様の話しかけた女神に攻撃しようとしたがダンゴロさんが止めた。
「ここにいる女神は全員僕の契約彼女だ。手を出すことは許さない」
「セナ王女、少し世間話をしていただけです。どうかお許しください」
虚しくもミナクお兄様の真っ二つに割られた携帯は湖にプカプカ浮かんでいる。私はミナクお兄様の携帯を拾った。この端末代は払わなければならないけど、新しい携帯にデータ移行は出来るだろう。
「そろそろ時間だ!ここを出るぞ!」
もうそんな時間か。セナ王女とカナエさん、怒ったままだけど、連れて帰らないと。あれ、ナミネ何持っているのだろう。
「ナミネ、それ何?」
「ヨルクさんが天界にいた時に友達の家に置いていったものです」
どうして私の下着持って来てるの!
「ナミネ、それここに置いていって!3つまでしか持って帰れないから!」
「1人3つまでです!ルール違反ではありません」
そうか。1人3つか。それなら惜しいことをしてしまった。けれど、人間あまり欲を出しすぎるのもよくない。
「いいから置いていって!」
私はナミネからパンツを取り上げ、ダンゴロさんに渡した。
「天界が夜になる時間だよ。みんな帰らないとね」
天界には朝昼晩とあるのに、女神の湖はずっと明るいのか。
「エロじじい、最後に聞く!妖精村の象徴は姉さんなはずなのに、どうして姉さんは幸せになれないんだ?」
「そんな都市伝説どこで聞いたか分からないけど、妖精村の象徴はミナコだよ」
どういうことだ?妖精村の象徴はセレナールさんではなかったのか?ミナコさんだなんてはじめて聞いた。けれど、ダンゴロさんは神様だ。ダンゴロさんの言っていることのほうが正しいのかもしれない。
「そっか……姉さんじゃなかったんだ」
「まあ、妖精村以外では女神候補だったかもしれないけど、少なくとも僕からしたらセレナールは女神候補失格だね。ミナコのほうがずっと魅力的だから」
その基準はいったい何なのだろう。私には綺麗の基準がイマイチよく分からなかった。
「あの、女神の湖にはまた来れるんですよね?あと、あの市場は天界に暮らす人にとってはあまり必要のないものな気がするのですが」
「来ることは出来るよ。僕も女神もずっとここにいる。でも、天界の人は転生しているかもしれないね。あの市場は遥か昔の神様が死者が転生する時に持って行けるものを買えるために作られたんだよ。でも、今では、天界の人の娯楽になってるけどね。さあ、そろそろみんな帰るんだ」
私たちは走って女神の湖に繋がる天使の湖の時と同じ理屈の途切れた橋に向かった。ダンゴロさんが時間を止めてくれていたおかげで、みんなは無事に途切れた橋を渡り終えた。
あ、ナミネの脱ぎ捨てたコート!私は咄嗟にナミネを見た。するとナミネはちゃっかりコートを着ていた。
帰りの電車の中は、かなり気まずい空気で、セナ王女は機嫌を損ねたままだった。帰ったら、みんなにお蕎麦とナミネに月見うどんを作らないと。
「あの、今日は皆さんそれぞれのお家に帰って明日の予定も一旦なしにしませんか?ナミネもこんな状態ですし」
今は少しでもナミネを休ませてあげないといけないと思う。
「ねえ、ラルク。ヨルクさん、私のせいにしてるよ」
「まあ、ナミネと2人きりで過ごしたいんじゃない?」
え、ナミネもう大丈夫になったの?あれだけワンワン泣いていたのに。
「ナミネ、もう大丈夫なの?」
「はい」
そっか。良かった。
「ヨルク、携帯ショップに行って、新しい携帯買っておいてくれないか?」
「何言ってるんですか!ご自分でしてください」
私はミナクお兄様に女神の湖で拾った真っ二つに割れた携帯を渡した。
「あんたらさ、何があったんだよ」
何だか聞くまでもない気がする。
「ミナクがいきなり女神に綺麗だとか今度ランチしようとか言い出したのよ!目の前で浮気されて黙っていられないわ!」
ミナクお兄様、セナ王女がいるのに何故……。
「アルフォンス王子様は今すぐホテルに行こうって女神の手をひっぱってました」
アルフォンス王子が分からない。何故カナエさんがいるのに堂々と浮気しようとする。
「セナ王女、私はただ天界での道を聞いていただけです」
よくぬけぬけと嘘が言えるよね。
セナ王女はミナクお兄様を引っぱたいた。
「カラン、ミナクの新しい携帯はあなたが代わりに買いなさい。後からミナクの名義にすればいいわ!もちろんデータ移行込みで。データ移行直後の携帯を私に見せてちょうだい」
「分かりました」
「セナ王女、お待ちください。数々のセナ王女との想い出が入っておりますゆえ、データ移行は長くなりますので私の時間が空いている時に行きます」
人というのは嘘をついても、その嘘をいつまでもはつき続けられないものなのである。いつかは人にバレてしまう。嘘をつく人は嘘に嘘を上塗りするけれど、結局は知られてしまうのだ。墓場まで持って行ける嘘などこの世には存在しない。
「ヨルクさん、明日のお節は母が用意して、もうナノハナ家に届いてますので、それを皆さんで分けてください」
えっ、ミミリ先生わざわざ作ってくれたんだ。
「あ、すみません。有り難くいただきます」
「あ、ズーム、私ロォハと付き合うことになったの」
こないだ出会ったばかりなのに、もう交際だなんて、これが現代でいうところのスピード恋愛なのか!?
「そうですか。お幸せになってください」
「ミネルナさん、交際相手ってお金持ちなんですか?」
あれ、急にカンザシさんが焦りだした。
「ううん、一般家庭の人よ。でも、医師を目指してるの」
あれから結局、医師を目指すことにしたのか。月城総合病院も心強いだろうな。
「そうですか。でも、そんな恋愛長くは持たないと思います」
どうしてカンザシさんは否定的なのだろう。この時の私はカンザシさんとミネルナさんが互いに互いが知らないまま、かつて両想いだったことを知らなかった。
「とても相性がいいの。カンザシも早く彼女見つけて幸せになって」
ミネルナさん幸せそう。
「私も報告があるの。皇太子様から復縁迫られて、もう一度交際することになったわ」
そうだったのか。けれど、カラルリさんはどうなるのだろう。
「セナさん、ミナクと上手くいってないなら私ともう一度交際して欲しい」
同情は出来ないけど、何故こうも未練たらしいのだ。
「中絶薬盛ったカラルリとは絶対に復縁しないわ!残念だったわね。エミリにフラれて」
カンザシさんは突然タバコを吸いはじめた。何故急にタバコなのだろう。ミネルナさんとロォハさんの交際を聞いてから何だかおかしいような。ミネルナさんに片想いでもしていたのだろうか。だったら、どうしてナミネに過度に迫るのだろう。
「で、男尽くしのカナエと平凡アルフォンス、甘えセナとミナクは今後どうすんのさ?」
「カナエはアルフォンス王子様に裏切られて、もう信じることが出来ません」
「私はカナエを裏切ったりなどしていない。ただ、ホテルのレストランで天界のこと聞こうと思っていただけだ。カナエを失いたくない」
ホテルに誘うことがもう裏切りだと思う。カナエさんならいくらでもいるし、早いうちにアルフォンス王子とは別れたほうがいい気がする。
「私はミナク次第かしら。他の女と話さないなら考えてもいいわ」
もう拷問だな。身勝手に人の心は縛れないのに。
「落ち武者さんなんか、女神のまとっている布捲ってたわよ」
いらぬ情報を聞いた気がする。落ち武者さんて、あどけない顔して変態だったのか。
「僕、そんなことしてないけど?」
「ねえ、ラルクは何買ったの?」
「女神の湖カード。これで購入すれば20%キャッシュバックなんだよな」
「えー、そんなのあったんだ。私も欲しかった!ヨルクさんて気が利かない」
何故私のせいにする。そういうのがあれば便利かもしれないけど、浪費しない人なら普通にクリスタルカードで十分な気もする。
結局、セナ王女とミナクお兄様、カナエさんとアルフォンス王子は仲違いしたまま電車を降りてナノハナ家に向かった。
ナノハナ家に着くと、みんなお風呂に入り出した。私とカナエさんはお蕎麦を作りはじめた。
「私も手伝います」
「アヤネさん、お風呂で温まらなくていいんですか?」
「はい。まだわだかまり解けてませんし」
そっか。アヤネさんは遠い昔のカラルリさんとの浮気のことでみんなから白い目で見られていたんだっけ。
「そのうちみんなも理解してくれますよ」
結局、ニンジャ妖精さんもアパートに帰らずここに泊まるみたいだし、お風呂心配だな。その時、第1居間のほうから悲鳴が聞こえてきた。私は咄嗟に第1居間に走った。
第1居間の扉を開けると、ナクリさんが泣き崩れていた。
「嘘でしょ、ミドリ……」
まさか誰も死者が蘇るだなんて思わないだろう。
「ナクリ、私は一生ナクリを許さない。ナクリはピアニストになる資格なんかないよ。私がいなかった3年間どうだった?でもね、私、これから人生やり直すの。もちろんピアニストも目指す。それから、今後はカナコさんのグループに入れてもらうことになったから」
3年。ナノハナ家のみんなにとっては長くて苦痛な時間だった。でも、またミドリさんはこうやって戻って来れた。今度こそ幸せになって欲しい。
「ミドリ、許して……ただミドリが羨ましかった……死ぬなんて思ってなかった!」
「許さないよ。ただ、私からは何もしない。ナクリはナクリで幸せになればいいと思う。私は私で第2の人生送るから」
失われた3年間は戻らないが、ミドリさんは今、大学生となって二度目の人生を送ろうとしている。ミドリさんが戻ってきたことは今後のナクリさんの人生に何らかの支障をきたすかもしれない。それでも、ミドリさんいてこそのナノハナ家なのだ。
「ミドリお姉様……?」
振り向くとナミネが何も着ないで突っ立っていた。落ち武者さんやカンザシさんもいるし、私は慌ててナミネを抱きかかえ2階に走った。
2階の部屋に入ると私はナミネの身体を拭き、下着とルームウェアを着せるとナミネの髪を乾かした。
「ナミネ、今日は大晦日でみんないるんだから裸で家歩かないで」
「はい」
ナミネはいつも私に対しては簡易的な相づちしか打たない。ラルクにだったら突っ込むのに。そのナミネの態度がいつも私を不安にさせていた。
「ナミネ、私といても楽しくない?」
私はまた聞いてしまった。
「以前もその質問しましたよね。私たち交際してもう5ヶ月過ぎたんです!交際当初に比べ恋人らしくもなりました。私もヨルクさんも互いに愛し合っています。ヨルクさんが私に構ってくれるたび、私はヨルクさんの温かさに幸せを感じています。どうして疑うのですか?」
ナミネはそういうふうに思ってくれていたのか。言葉がなくても私といると幸せを感じてくれていたんだね。
「疑ってるわけじゃないよ。私といる時は口数少ないのに対してラルクとはいつまでも話してるから……でも、ナミネが私のこと好きでいてくれる気持ちが分かって安心したよ」
「ラルクは同い年ですし、ずっとクラスも同じで親友だからそれなりに話題もあるだけです!何も口数が少ないからと言って楽しくないわけではありません!ヨルクさんは恋人だから一緒にいて安心するんです!」
ナミネはとても真剣な表情をしている。不安になってしまった自分が情けなく感じてしまった。
「ナミネ、ごめんね。私は何も分かっていなかった。カナエさんに料理任せて出てきたから行かないと」
私が立ち上がろうとするとナミネは私に抱き着いた。ナミネの菜の花の香りが強くなる。私はナミネを強く抱き締めた。ナミネは何度も私のことを好きだと言った。
「あんたら何してんのさ。蕎麦出来たから早く来い!」
落ち武者さんが入って来て私は咄嗟にナミネから離れた。それでもナミネは私に抱き着いてきた。どうしたのだろう。いつものナミネと違う。天界でナミネを見付けてから様子がおかしい気がする。そんなナミネを落ち武者さんは抱きかかえた。
「ほら、行くぞ!」
私たちは第4居間に向かった。
第4居間では既にお蕎麦とナミネの月見うどんが並べられていた。
「すみません、カナエさん」
「いえ」
その時、テレビからナミネがミスコングランプリに選ばれた時の映像が流れた。ナミネは制服の上に赤いマントを羽織り、大きなトロフィーを持っていた。
感想を聞かれるとナミネはこう答えた。
『まだまだ未熟な私が、このようにグランプリに輝くことが出来たのも、心温かい皆々様の一つ一つの投票という愛情のおかげです。今回グランプリに輝けたことで、今後、更に精進することを決意しました。私の出演作品を見てくれている方々には日々感謝しています。春には写真集を出す予定なので、興味のある方は是非1度ご覧になってください。では、この辺で失礼します。皆様の今後の健闘を心よりお祈り申し上げます』
ナミネは一礼するととびきりの笑顔を見せた。
ナミネ、可愛すぎる。けれど、これでナミネはまた有名になってしまった。遠い存在になってしまわないか不安である。
ふと、ラハルさんのフェアリーZ広場を見るとミスコングランプリの時のナミネとのツーショットが投稿されていた。カンザシさんのフェアリーZ広場も同じだった。
「みんな、強気なナミネの今の映像欲しいならDVD持ってけ!」
私はすぐに手に取った。
「そういえば、セレナールはミスコンどうなったのよ」
セレナールさんも応募していたのだろうか。けれど、ナミネは応募は勝手に映画撮影した時の事務所がしていたそうだが。
「わ、私は応募してないわ」
「私、セレナールがミスコン応募用紙書いてるの見たわよ」
セナ王女、ミナクお兄様のことで機嫌悪いからセレナールさんに矛先が向いているのか。
「結局応募はしなかったのよ」
この時、本当は応募していたらしいが、ナミネがミスコングランプリに輝いてしまったことでセレナールさんが言い出せなかったことをみんなは知らなかったのである。
明日は初詣に行くから、カナエさんと机の片付けをした後、私はお風呂に入って部屋に戻った。
……
あとがき。
この時、めちゃくちゃ体調が悪くて、ところどころよく分からない内容で繋げてしまってる。
それにしても、もう大晦日。1話から書き始めた頃を思い出すと、もうこんなに進んだんだなって自分でもビックリ。
これからも、みんなが予定通りに過去を辿っていけますように。
《ヨルク》
私は女神の湖でダンゴロさんに神様呼び出しカードをもらった。ナミネのために使おうと思う。それにしても、ミナクお兄様もアルフォンス王子もカラルリさんもやたら女神に話しかけていて、セナ王女とカナエさんはかなり機嫌を損ねている。
あれ、ナヤセスさんは何をしているのだろう。えっ、女神の血液を抜いている?
「女神の血液はヨウセイ型と特殊な血液型で、どんな病気でも治すことが出来るよ。けれど、ここにいる女神だけの血液だけで全人類を治すことは出来ないからね。これ以上の女神の血液採取は認めないよ」
ダンゴロさんの言葉にナヤセスさんは咄嗟に女神から離れた。
ヨウセイ型。聞いたことがない。けれど、ヨウセイ型の血液があればどんな病でも治せるだなんて、遠い昔に知っていたらナミネの病を治したかった。
あ、ナルホさんがミドリさんを連れて戻ってきた。私は2人の元に駆け寄った。
「ナルホさん!」
ミドリさん、全然変わってない。
「久しぶりね、ヨルク」
「お久しぶりです、ミドリさん」
もう3年は経つのか。ここを出たら大学生の姿になるのかな。あれ、ナミネはどうしたのだろう。
「ナルホさん、ナミネはどうしてるの?」
「旧友と話してると思うよ」
「そっか、私も天界に行ってくるね」
その時、ダンゴロさんが近付いてきた。
「本当は逆物質の持ち帰りは禁じてるけど、今日だけ特別に3つまで持ち帰っていいよ」
「本当ですか?ありがとうございます!」
もし、ナミネとの想い出のものがあれば入手したい。
私はナミネを探すため天界に続く通路を通った。
天界は古民家が並んでいて、とても賑わっている。みんなが幸せな暮らしをしていることが伝わってくる。ナミネはどこにいるのだろう。
「久しぶりだな、ヨルク」
えっと、この人誰だろう。
「あの、どなたでしょうか?」
「僕も忘れられたもんだな。妖精村半ば頃の学友のキザクだよ」
ダメだ、やっぱり思い出せない。
「そ、そうなんだ。あ、ナミネどこにいるか分かる?」
「ナミネなら道端で泣いてたぞ」
「え、どうして?何かあったの?」
「さあな。ここを真っ直ぐ行ったらいるから行ってやれよ」
私は急に不安になり走った。ナミネ、いったい何があったのだろう。私が走っていると前からナミネが泣きながら歩いて来た。
「ナミネ、どうしたの?何があったの?」
ナミネは何も言わず私に抱き着いた。
「ヨルクさん、ごめんなさい」
ごめんて何が?
「ねえ、ナミネ……」
「私、もうヨルクさんを待たせません!」
旧友に昔のことを聞いたのだろうか。
「ナミネ、歩ける?3つまでならここにあるの持って帰れるみたいだから、市場で何か見よう?」
「はい」
私とナミネは手を繋ぎながら市場に向かった。
天界の市場は天使村の市場とは違ってとても穏やかだ。それにものも豊富。
「ナミネ、どれが欲しい?天界限定品もあるよ」
ナミネはとても落ち込んだ様子だ。こういう時、彼氏として何をしてあげたらいいのだろう。
ふと見るとナミネは透明のモルモット女神のぬいぐるみを持っていた。
「それにする?」
「はい」
天界なだけあって、全てが変わったものばかりだ。ん?全てを治す薬?説明書きを見ると、どんな病でも治せる薬らしい。ただし、使えるのは一度だけ。何かあった時のために買っておこう。
「ナミネ、他に欲しいのある?」
「これだけでいいです」
あと1つなら全てを治す薬をもう1つ買おう。私は、透明のモルモット女神のぬいぐるみと全てを治す薬2つを購入した。
再び女神の湖に戻るとセナ王女がミナクお兄様の携帯を真っ二つに割っていた。その時、ナミネが湖に走って行った。慌てて私も追いかけた。
「ナミザお姉様、また会いに来ます」
「ナミネ、幸せになるのよ。カンザシも」
ナミネとカンザシさんだけの姉。何だか信じ難いけど、私にも知らない歴史がたくさんあるのだろう。
「姉さん、僕、今は芸能人なんです」
「ああ、カンザシはよく駆け出しミュージシャンやっていたわね。あの頃は売れていなかったけど、貴族だったから、一生続けてたわね」
カンザシさんが貴族って以外。ワンルームのアパートに暮らしているイメージが強いかもしれない。
「ナミザさん、お久しぶりです」
「久しぶり、ズーム」
ズームさんとも知り合いなのだろうか。
「2人は覚えているか分からないけど、私たちの家の近くにズームは住んでいたのよ」
「そうでしたか。大昔は私とズームさんは幼なじみだったのですね」
人の縁というのは分からないものだ。ナミネとズームさんは昔のカンザシさんのコンサートで知り合ったものだと思っていたけれど、大昔は幼なじみという近い存在でもあったのか。
「ナミネ、よく聞いて。人生に運命なんてないの。全て人の意思で作り上げたものなのよ。悪いことをしたら何らかの形でその人に返ってくる。人を恨んではダメよ。ヨルクと幸せになって」
運命なんてない。どうしてそう言い切れるのだろう。私とナミネはずっと運命だと信じてきたのに。それともナミネと私の意思が繋がりをもたらしているのだろうか。
「もう誰も恨みません!私、ヨルクさんと幸せになります!」
ナミネ……。
その時、セナ王女がミナクお兄様の話しかけた女神に攻撃しようとしたがダンゴロさんが止めた。
「ここにいる女神は全員僕の契約彼女だ。手を出すことは許さない」
「セナ王女、少し世間話をしていただけです。どうかお許しください」
虚しくもミナクお兄様の真っ二つに割られた携帯は湖にプカプカ浮かんでいる。私はミナクお兄様の携帯を拾った。この端末代は払わなければならないけど、新しい携帯にデータ移行は出来るだろう。
「そろそろ時間だ!ここを出るぞ!」
もうそんな時間か。セナ王女とカナエさん、怒ったままだけど、連れて帰らないと。あれ、ナミネ何持っているのだろう。
「ナミネ、それ何?」
「ヨルクさんが天界にいた時に友達の家に置いていったものです」
どうして私の下着持って来てるの!
「ナミネ、それここに置いていって!3つまでしか持って帰れないから!」
「1人3つまでです!ルール違反ではありません」
そうか。1人3つか。それなら惜しいことをしてしまった。けれど、人間あまり欲を出しすぎるのもよくない。
「いいから置いていって!」
私はナミネからパンツを取り上げ、ダンゴロさんに渡した。
「天界が夜になる時間だよ。みんな帰らないとね」
天界には朝昼晩とあるのに、女神の湖はずっと明るいのか。
「エロじじい、最後に聞く!妖精村の象徴は姉さんなはずなのに、どうして姉さんは幸せになれないんだ?」
「そんな都市伝説どこで聞いたか分からないけど、妖精村の象徴はミナコだよ」
どういうことだ?妖精村の象徴はセレナールさんではなかったのか?ミナコさんだなんてはじめて聞いた。けれど、ダンゴロさんは神様だ。ダンゴロさんの言っていることのほうが正しいのかもしれない。
「そっか……姉さんじゃなかったんだ」
「まあ、妖精村以外では女神候補だったかもしれないけど、少なくとも僕からしたらセレナールは女神候補失格だね。ミナコのほうがずっと魅力的だから」
その基準はいったい何なのだろう。私には綺麗の基準がイマイチよく分からなかった。
「あの、女神の湖にはまた来れるんですよね?あと、あの市場は天界に暮らす人にとってはあまり必要のないものな気がするのですが」
「来ることは出来るよ。僕も女神もずっとここにいる。でも、天界の人は転生しているかもしれないね。あの市場は遥か昔の神様が死者が転生する時に持って行けるものを買えるために作られたんだよ。でも、今では、天界の人の娯楽になってるけどね。さあ、そろそろみんな帰るんだ」
私たちは走って女神の湖に繋がる天使の湖の時と同じ理屈の途切れた橋に向かった。ダンゴロさんが時間を止めてくれていたおかげで、みんなは無事に途切れた橋を渡り終えた。
あ、ナミネの脱ぎ捨てたコート!私は咄嗟にナミネを見た。するとナミネはちゃっかりコートを着ていた。
帰りの電車の中は、かなり気まずい空気で、セナ王女は機嫌を損ねたままだった。帰ったら、みんなにお蕎麦とナミネに月見うどんを作らないと。
「あの、今日は皆さんそれぞれのお家に帰って明日の予定も一旦なしにしませんか?ナミネもこんな状態ですし」
今は少しでもナミネを休ませてあげないといけないと思う。
「ねえ、ラルク。ヨルクさん、私のせいにしてるよ」
「まあ、ナミネと2人きりで過ごしたいんじゃない?」
え、ナミネもう大丈夫になったの?あれだけワンワン泣いていたのに。
「ナミネ、もう大丈夫なの?」
「はい」
そっか。良かった。
「ヨルク、携帯ショップに行って、新しい携帯買っておいてくれないか?」
「何言ってるんですか!ご自分でしてください」
私はミナクお兄様に女神の湖で拾った真っ二つに割れた携帯を渡した。
「あんたらさ、何があったんだよ」
何だか聞くまでもない気がする。
「ミナクがいきなり女神に綺麗だとか今度ランチしようとか言い出したのよ!目の前で浮気されて黙っていられないわ!」
ミナクお兄様、セナ王女がいるのに何故……。
「アルフォンス王子様は今すぐホテルに行こうって女神の手をひっぱってました」
アルフォンス王子が分からない。何故カナエさんがいるのに堂々と浮気しようとする。
「セナ王女、私はただ天界での道を聞いていただけです」
よくぬけぬけと嘘が言えるよね。
セナ王女はミナクお兄様を引っぱたいた。
「カラン、ミナクの新しい携帯はあなたが代わりに買いなさい。後からミナクの名義にすればいいわ!もちろんデータ移行込みで。データ移行直後の携帯を私に見せてちょうだい」
「分かりました」
「セナ王女、お待ちください。数々のセナ王女との想い出が入っておりますゆえ、データ移行は長くなりますので私の時間が空いている時に行きます」
人というのは嘘をついても、その嘘をいつまでもはつき続けられないものなのである。いつかは人にバレてしまう。嘘をつく人は嘘に嘘を上塗りするけれど、結局は知られてしまうのだ。墓場まで持って行ける嘘などこの世には存在しない。
「ヨルクさん、明日のお節は母が用意して、もうナノハナ家に届いてますので、それを皆さんで分けてください」
えっ、ミミリ先生わざわざ作ってくれたんだ。
「あ、すみません。有り難くいただきます」
「あ、ズーム、私ロォハと付き合うことになったの」
こないだ出会ったばかりなのに、もう交際だなんて、これが現代でいうところのスピード恋愛なのか!?
「そうですか。お幸せになってください」
「ミネルナさん、交際相手ってお金持ちなんですか?」
あれ、急にカンザシさんが焦りだした。
「ううん、一般家庭の人よ。でも、医師を目指してるの」
あれから結局、医師を目指すことにしたのか。月城総合病院も心強いだろうな。
「そうですか。でも、そんな恋愛長くは持たないと思います」
どうしてカンザシさんは否定的なのだろう。この時の私はカンザシさんとミネルナさんが互いに互いが知らないまま、かつて両想いだったことを知らなかった。
「とても相性がいいの。カンザシも早く彼女見つけて幸せになって」
ミネルナさん幸せそう。
「私も報告があるの。皇太子様から復縁迫られて、もう一度交際することになったわ」
そうだったのか。けれど、カラルリさんはどうなるのだろう。
「セナさん、ミナクと上手くいってないなら私ともう一度交際して欲しい」
同情は出来ないけど、何故こうも未練たらしいのだ。
「中絶薬盛ったカラルリとは絶対に復縁しないわ!残念だったわね。エミリにフラれて」
カンザシさんは突然タバコを吸いはじめた。何故急にタバコなのだろう。ミネルナさんとロォハさんの交際を聞いてから何だかおかしいような。ミネルナさんに片想いでもしていたのだろうか。だったら、どうしてナミネに過度に迫るのだろう。
「で、男尽くしのカナエと平凡アルフォンス、甘えセナとミナクは今後どうすんのさ?」
「カナエはアルフォンス王子様に裏切られて、もう信じることが出来ません」
「私はカナエを裏切ったりなどしていない。ただ、ホテルのレストランで天界のこと聞こうと思っていただけだ。カナエを失いたくない」
ホテルに誘うことがもう裏切りだと思う。カナエさんならいくらでもいるし、早いうちにアルフォンス王子とは別れたほうがいい気がする。
「私はミナク次第かしら。他の女と話さないなら考えてもいいわ」
もう拷問だな。身勝手に人の心は縛れないのに。
「落ち武者さんなんか、女神のまとっている布捲ってたわよ」
いらぬ情報を聞いた気がする。落ち武者さんて、あどけない顔して変態だったのか。
「僕、そんなことしてないけど?」
「ねえ、ラルクは何買ったの?」
「女神の湖カード。これで購入すれば20%キャッシュバックなんだよな」
「えー、そんなのあったんだ。私も欲しかった!ヨルクさんて気が利かない」
何故私のせいにする。そういうのがあれば便利かもしれないけど、浪費しない人なら普通にクリスタルカードで十分な気もする。
結局、セナ王女とミナクお兄様、カナエさんとアルフォンス王子は仲違いしたまま電車を降りてナノハナ家に向かった。
ナノハナ家に着くと、みんなお風呂に入り出した。私とカナエさんはお蕎麦を作りはじめた。
「私も手伝います」
「アヤネさん、お風呂で温まらなくていいんですか?」
「はい。まだわだかまり解けてませんし」
そっか。アヤネさんは遠い昔のカラルリさんとの浮気のことでみんなから白い目で見られていたんだっけ。
「そのうちみんなも理解してくれますよ」
結局、ニンジャ妖精さんもアパートに帰らずここに泊まるみたいだし、お風呂心配だな。その時、第1居間のほうから悲鳴が聞こえてきた。私は咄嗟に第1居間に走った。
第1居間の扉を開けると、ナクリさんが泣き崩れていた。
「嘘でしょ、ミドリ……」
まさか誰も死者が蘇るだなんて思わないだろう。
「ナクリ、私は一生ナクリを許さない。ナクリはピアニストになる資格なんかないよ。私がいなかった3年間どうだった?でもね、私、これから人生やり直すの。もちろんピアニストも目指す。それから、今後はカナコさんのグループに入れてもらうことになったから」
3年。ナノハナ家のみんなにとっては長くて苦痛な時間だった。でも、またミドリさんはこうやって戻って来れた。今度こそ幸せになって欲しい。
「ミドリ、許して……ただミドリが羨ましかった……死ぬなんて思ってなかった!」
「許さないよ。ただ、私からは何もしない。ナクリはナクリで幸せになればいいと思う。私は私で第2の人生送るから」
失われた3年間は戻らないが、ミドリさんは今、大学生となって二度目の人生を送ろうとしている。ミドリさんが戻ってきたことは今後のナクリさんの人生に何らかの支障をきたすかもしれない。それでも、ミドリさんいてこそのナノハナ家なのだ。
「ミドリお姉様……?」
振り向くとナミネが何も着ないで突っ立っていた。落ち武者さんやカンザシさんもいるし、私は慌ててナミネを抱きかかえ2階に走った。
2階の部屋に入ると私はナミネの身体を拭き、下着とルームウェアを着せるとナミネの髪を乾かした。
「ナミネ、今日は大晦日でみんないるんだから裸で家歩かないで」
「はい」
ナミネはいつも私に対しては簡易的な相づちしか打たない。ラルクにだったら突っ込むのに。そのナミネの態度がいつも私を不安にさせていた。
「ナミネ、私といても楽しくない?」
私はまた聞いてしまった。
「以前もその質問しましたよね。私たち交際してもう5ヶ月過ぎたんです!交際当初に比べ恋人らしくもなりました。私もヨルクさんも互いに愛し合っています。ヨルクさんが私に構ってくれるたび、私はヨルクさんの温かさに幸せを感じています。どうして疑うのですか?」
ナミネはそういうふうに思ってくれていたのか。言葉がなくても私といると幸せを感じてくれていたんだね。
「疑ってるわけじゃないよ。私といる時は口数少ないのに対してラルクとはいつまでも話してるから……でも、ナミネが私のこと好きでいてくれる気持ちが分かって安心したよ」
「ラルクは同い年ですし、ずっとクラスも同じで親友だからそれなりに話題もあるだけです!何も口数が少ないからと言って楽しくないわけではありません!ヨルクさんは恋人だから一緒にいて安心するんです!」
ナミネはとても真剣な表情をしている。不安になってしまった自分が情けなく感じてしまった。
「ナミネ、ごめんね。私は何も分かっていなかった。カナエさんに料理任せて出てきたから行かないと」
私が立ち上がろうとするとナミネは私に抱き着いた。ナミネの菜の花の香りが強くなる。私はナミネを強く抱き締めた。ナミネは何度も私のことを好きだと言った。
「あんたら何してんのさ。蕎麦出来たから早く来い!」
落ち武者さんが入って来て私は咄嗟にナミネから離れた。それでもナミネは私に抱き着いてきた。どうしたのだろう。いつものナミネと違う。天界でナミネを見付けてから様子がおかしい気がする。そんなナミネを落ち武者さんは抱きかかえた。
「ほら、行くぞ!」
私たちは第4居間に向かった。
第4居間では既にお蕎麦とナミネの月見うどんが並べられていた。
「すみません、カナエさん」
「いえ」
その時、テレビからナミネがミスコングランプリに選ばれた時の映像が流れた。ナミネは制服の上に赤いマントを羽織り、大きなトロフィーを持っていた。
感想を聞かれるとナミネはこう答えた。
『まだまだ未熟な私が、このようにグランプリに輝くことが出来たのも、心温かい皆々様の一つ一つの投票という愛情のおかげです。今回グランプリに輝けたことで、今後、更に精進することを決意しました。私の出演作品を見てくれている方々には日々感謝しています。春には写真集を出す予定なので、興味のある方は是非1度ご覧になってください。では、この辺で失礼します。皆様の今後の健闘を心よりお祈り申し上げます』
ナミネは一礼するととびきりの笑顔を見せた。
ナミネ、可愛すぎる。けれど、これでナミネはまた有名になってしまった。遠い存在になってしまわないか不安である。
ふと、ラハルさんのフェアリーZ広場を見るとミスコングランプリの時のナミネとのツーショットが投稿されていた。カンザシさんのフェアリーZ広場も同じだった。
「みんな、強気なナミネの今の映像欲しいならDVD持ってけ!」
私はすぐに手に取った。
「そういえば、セレナールはミスコンどうなったのよ」
セレナールさんも応募していたのだろうか。けれど、ナミネは応募は勝手に映画撮影した時の事務所がしていたそうだが。
「わ、私は応募してないわ」
「私、セレナールがミスコン応募用紙書いてるの見たわよ」
セナ王女、ミナクお兄様のことで機嫌悪いからセレナールさんに矛先が向いているのか。
「結局応募はしなかったのよ」
この時、本当は応募していたらしいが、ナミネがミスコングランプリに輝いてしまったことでセレナールさんが言い出せなかったことをみんなは知らなかったのである。
明日は初詣に行くから、カナエさんと机の片付けをした後、私はお風呂に入って部屋に戻った。
……
あとがき。
この時、めちゃくちゃ体調が悪くて、ところどころよく分からない内容で繋げてしまってる。
それにしても、もう大晦日。1話から書き始めた頃を思い出すと、もうこんなに進んだんだなって自分でもビックリ。
これからも、みんなが予定通りに過去を辿っていけますように。
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