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日常のこととかオリジナル小説のこととか。
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ashita
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女性
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地主(土地貸してます)
趣味:
漫画やアニメを見るのが好きです。最推しはフーディーニ ♡
自己紹介:
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ブログ、もう書かないと思ってました。

けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。

小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。

純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。

元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。

ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。

小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。

よろしくお願い致します。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

お知らせ。

イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。

また、「カラクリよろずや」にて無料のフリーイラスト素材配布もはじめました✩.*˚

フリーイラスト素材も増やしていく予定です(*'ᴗ'*)

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。

ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。

小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。

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X @kigenzen1874

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〈資格履歴〉

2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
〈資格証明バナー〉

鉛筆デッサンマスター®認定試験資格取得証明
絵画インストラクター資格資格認定証
宝石鑑定アドバイザー資格認定試験資格取得証明
鉱石セラピスト資格資格保持証明
茶道アドバイザー資格認定試験資格取得証明
お点前インストラクター資格資格認定証
着物マイスター®資格認定試験資格取得証明
着付け方インストラクター資格資格認定証
サイキックアドバイザー®資格資格証明
サイキックヒーラー資格資格保持証明
アンガーカウンセラー®資格資格保持証明
アンガーコントロール士資格資格認定証
漢方コーディネーター®資格認定試験資格保持証明
薬膳調整師®資格認定試験資格保持証明
[1] [2
Make Laveは偽り!? 6話

……

前回までのあらすじ

さゆりのことを本気で好きでなかったことに気づいたひろし。そして、さゆりに別れを告げられたやまと。更に、委員長と交際をしはじめたさゆり。いったいどこでどうなっているのだろう。
菊助はひろしに別れの時が近づいていると言った。それはいったいどういう意味なのか。妖精村?番人?ひろしには何のことだかさっぱり分からずにいた。
……

登場人物。

影村ひろし(18)…物語の主人公。かつて、さゆりに想いを寄せていた。

光野さゆり(18)…いつも明るくて可愛くクラスで人気の女の子。くらふと交際をはじめた。

雲風やまと(18)…さゆりと交際したが別れてしまった。

神山くらふ(18)…ひろしたちのクラスの委員長で、さゆりと交際をしはじめた。

空川ゆめ(18)…くらふの想い人で、ずっと入院をしていたが突然亡くなった。

……

進路。
そんなもの僕には分からなかった。けれど、高校卒業して直ぐに就職というのも気が引ける。別に頭がいいわけではないが、僕は滑り止めをいくつか受けることにした。言ってしまえば就職までの時間稼ぎである。

光野さんと委員長が交際してから、学年中が大騒ぎ。美男美女のカップルだから仕方ないのかもしれないが。また、2人はいつも下校は一緒にしていて、休みの日はデートに行っているようだった。内心僕は光野さんと委員長のスピード交際に対して心配をしていたが、僕の思い過ごしのようだった。やまとには可哀想だが、光野さんが幸せなら、僕はそれでいいと思う。
恋愛。こればかりは誰も操れないのだから。僕は惚れ薬の件で散々思い知った。
「影村君、これ進路表だから帰る前に提出しておいて」
突然光野さんに渡された。
「え、委員長はどうしたの?」
「分からないのだけど、今日は休んでる。帰りに様子見に行くつもり」
「そっか。委員長、早く元気になるといいな」
この時、誰もが知らなかった。委員長が亡くなった幼なじみのお墓参りに行っていることを。そして、僕はまた光野さんを心配しはじめた。交際は上手くいっているようだけれど、やっぱり、委員長の幼なじみが亡くなったというのに、光野さんが委員長に告白したことは、どうも腑に落ちなかった。まあ、僕の思い過ごしかもしれないけどね。

放課後、僕は真っ直ぐに家に帰った。しかし、進路表を書くところか置いてしまったことに気づき、僕は学校まで取りに帰ることにした。

家を出て、学校の途中にある公園を通り過ぎようとしたら、何やら揉めているようだった。僕は巻き込まれたくなくて、横断歩道を通ろうとしたら、よく見たら光野さんと委員長がいた。また、見かけない他校の制服を着た男子も何名かいたのである。そして、光野さんは委員長の前で他校生に押し倒されていた。なのに、委員長は助けようともせず、傍観していた。慌てて僕は公園の中に入っていった。

公園の中に入ると光野さんは見ず知らずの他校生に押し倒され、制服を脱がされていた。僕は他校生を突き飛ばしたが、別の他校生に押さえられてしまった。
「光野さん!」
「助けて!影村君!」
光野さんは叫ぶものの、僕は他校生に押さえられたまま動くことさえ出来なかった。光野さんは、泣きながら悲鳴をあげ、抵抗も出来ない状態で他校生がことに及んだ。
「痛いーーー!いやーーー!やめてーーー!」
「みんな何してるの?光野さんを解放してあげて!」
「は?お前なんだよ!くらふの命令なんだよ!」
委員長の命令?どういうことだ?光野さんの彼氏である委員長がいったいどうして……。僕は頭が真っ白になっていた。そして、光野さんは1人目に屈辱受けた後、残りの4人からも同じことをされた。ボロボロになった光野さんを委員長は蹴った。
「よくも僕の恋人の人生台無しにしてくれたな!」
委員長はそれだけ言うと他校生と去って行った。
僕はボロボロになった光野さんに駆け寄った。
「光野さん……」
「影村君……私の人生何だったのかな……委員長、私のこと恨んでた……どうしてなのかな……どうしてこうなったのかな……」
光野さんは、ボロボロのまま泣きながら仰向けの状態で呟いた。僕は何も答えないまま光野さんの制服を元に戻し、光野さんの家に届けた。

進路表を取りに戻るのを忘れた僕は家に帰ろうとしていた。しかし、何故か不思議屋にいたのである。
「影村さん、この前、私(わたくし)が申しあげたことを覚えていますか?」
「すみません……何一つ覚えてません……」
僕は、光野さんの身に起こったことばかりが頭の中を何度も駆け巡り、他のことなど考えられなかったのだ。
「記憶というのは時として恐ろしいものなのです。人は前世の記憶は転生した瞬間に忘れてしまうことが殆どです。しかし、6つ前の前世にて光野さんは高校時代に、今の神山さんの幼なじみである空川さんをクラスの男子に頼み屈辱させました。理由は神山さんのことが好きで彼女である空川さんのことが気に入らなかったからです。空川さんは転生しても前世の記憶を忘れられない体質で、現世まで光野さんからされたことを思い出しては苦しみ続けました。そして、現世で病院の屋上から飛び降りる前、空川さんは神山さんに『同じ苦しみを味わえばいい。もうこんな輪廻耐えられない!』と書き置きを病室に残しました。1時間後、神山さんは自殺した空川さんの亡骸を抱き締め光野さんへの復讐を決意したのです」
前世の記憶を覚えている?そんなことってあるのだろうか。とてもじゃないけれど、僕は信じられなかった。けれど、もし、菊助さんの言うことが本当なら、空川さんという人物は6つ分の人生を青春を奪われ、耐えきれないほどの苦しみを感じ続けていたのかもしれない。前世のことなのに、一方の記憶が残ることで、もう一方の人生も失われてしまうだなんて。僕は光野さんを不憫に思ったものの、空川さんが、前世を今のように覚えているのであれば、空川さんにとっての前世は現世となんら変わらないものになってくると思ったのである。
「そうですか……。信じ難い話ではありますが、復讐なんかして空川さんも委員長も幸せになれたのでしょうか。今の光野さんは、とても明るくていい子です。そんな子の人生を前世の記憶があるからと一方的に壊すことに何の意味があるのでしょう」
光野さんに味方をしているわけではない。けれど、ボロボロになった光野さんを思い出すと、一瞬、空川さんには運命を受け入れて、人に危害は加えないで欲しいと思ってしまったのだ。
「影村さん、人は耐えきれないことを体験し続けることによって、救いを求めます。でも、いつまでも救われないまま苦しみ続けると、性格までも変わってしまうこともあるのですよ。復讐したいわけでもなく、幸せになりたいわけでもなく、苦しみから逃れたいものなのです」
菊助さんの言葉を聞けば聞くほど残酷だった。苦しみから逃れたい……。それがために光野さんの人生を壊してしまえば、今度は、いつかの来世で光野さんが再び空川さんに同じことをしてしまうかもしれない。人の苦しみにはキリがない。けれど、他人の人生を僕が生きられるわけでもなく、光野さんの人生は、これからも光野さん自身が背負っていかないといけないのだと僕は思った。
「何となくは分かりますが、それでも分かりません」
僕は曖昧な言葉を言ってしまった。今の僕に僕の答えなどなかったのだ。
「影村さん、復讐も苦しみも幸せも紙一重です。全ては人の醜い感情が人の人生を左右させているものなのですよ。人生は現世のみではありません。初代前世からずっと繋がっているのです。光野さんの現世での人生は悲惨なものとなりましたが、影村さん、あなたは正しい道を歩んでください。どんなに理不尽でどんなに苦しくても道を外してはなりません」
光野さんは、いつかの前世で道を外してしまったことになるのだろうか。だとしたら、委員長だってそうだ。当人でないから憶測でしか考えられないけれど。それでも僕は前世を理由にして、現世の光野さんを傷つけることは決して正しいことだとは思えなかった。
「菊助さん、本当にこの町を出てしまうのですか?この店はどうなるのですか?」
「この店は元々あってないようなものです。見える人にしか見えませんし、時間と時代が重なった時にしか、この店は現れません。まあ、僕がいなくなっても、誰かが継ぐでしょう」
「そうですか……」
「影村さん、短い期間でしたが、お知り合いになれたことは1つの縁(えにし)であると思っています。どうかお幸せに」

5年後、僕は大学を卒業した後、普通のサラリーマンになっていた。光野さんは、あの後入院したものの、大学には通わず今は花屋でパートをしている。僕は光野さんの仕事先の花屋に度々寄っていた。
「影村君、今帰り?」
「うん」

〈完〉

……

あとがき。

Make Loveは偽り!?は、これで終わりとなります。

悲しいですね。ただただ悲しいです。
書き始め当初はこんな結末考えもしなかったのに、やはり純愛偏差値を書き始めたからでしょうか。
ちなみに、前世の記憶を持つ人は現実世界にもいるそうですよ。

この小説はハッピーエンドなのか、バッドエンドなのか、人によって思いは異なると思います。けれど、私はこの小説を通して『屈折したことはよくない』と伝えたかったのかもしれません。
今書いている純愛偏差値は屈折しまくりですが。
とにかく、このような終わり方ですが、私としては書き終えることが出来て一段落ついたかもしれません。
今後は純愛偏差値に集中します。
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Make Laveは偽り!? 5話

……

前回までのあらすじ

学校を休みすぎて来年の1月になってしまったひろし。周りが進路を決めている中、ひろしは失恋に落ち込んだまま。そんな時、菊助から、さゆりには既に好きな人がいたと、それはひろしのクラスの委員長であると聞かされる。更には、さゆりが惚れ薬と知ってひろしからもらった飲み物を飲んだことまで聞かされ、ひろしは慌ててさゆりに謝りに行った。

……

登場人物。

影村ひろし(18)…物語の主人公。さゆりに想いを寄せていた。

光野さゆり(18)…くらふに想いを寄せ続けている。いつも明るく可愛い少女。

雲風やまと(18)…さゆりと交際したが別れてしまった。

神山くらふ(18)…ひろしたちのクラスの委員長で、さゆりの想い人。

……

公園で光野さんと別れた後、偶然やまとと会った。正直、めちゃくちゃ気まずかった。光野さんはやまとのことが全く好きではなくて、それも今日別れたばかりだなんて。僕は、やまとになんて声をかけていいのか分からなかった。
「ひろし、見下してんだろ?」
「えっ、急にどうしたの?やまと」
僕は決して見下しているわけではない。寧ろ、既に光野さんに対しての恋愛感情はなくなっている。
「見下してんのかって聞いてんだよ!」
「見下してないよ。僕、もう光野さんのこと好きじゃないし」
「なんだよそれ」
やまとはため息をついた。
「さゆりちゃんには、マジでガッカリしたわ。騙されたってゆーか、ハッキリ言ってムカつく」
やまとの言葉からして、やまとも、光野さんが委員長を好きなことを知っているのだろうか。分からないけれど、そうだとしたら、やまとにとっては、かなり酷だと思う。
「なんて言ったらいいか分からないけど、少なくとも僕は光野さんを通して恋に恋をしてた。決して光野さんが好きというわけではなかったんだよね」
「俺はそんな恋もありだと思う。少しでも気持ちがあったなら、好きの親戚のようなもんだしさ。俺は、ゼロからさゆりちゃんと好き合いたかった。でも、さゆりちゃんは違った。やり切れねえ」
僕は、やまとのように好きだと感じた人とゼロから親睦を深めるだなんてハードルが高すぎる。けれど、少なくともやまとにとっては、光野さんのことは本気だったのだろう。でないと、こんなにも傷つかないと思う。
「辛いよな。人生なんで思い通りにいかないんだろうね」
今の僕にはこれくらいしか言うことが出来なかった。多分、今のやまとには何を言っても励みにさえならないと僕は思ったのである。それでも、僕が光野さんとやまとが付き合った時、やまとはあれだけ僕を見下したのに、いざ、自分が同じ立場になってみれば、悲劇を装うなんて、人はどうしてこうも自分の幸せのみしか考えられない生き物なのかと僕は思った。
「さゆりちゃんとは一緒の大学行こうって仲良く話してたのに……なんで……何でこうなるんだよ!!」
とてもじゃないけど、今の僕には気の利いた言葉なんて1つも思い浮かばなかった。終わったことはどうしようもない。もし、やまとが光野さんと交際したいなら、やまとの力で光野さんの気持ちを掴む他ないのだ。僕にはどうにも出来ない。そして、僕には何の関係もないのである。

数日後、やまとが先に帰った放課後の教室で、僕は光野さんといた。
「あのね、私、委員長と交際することになったの」
「おめでとう。でも、急にどうして?」
「委員長がずっと好きだった幼なじみがいるんだけど、その人入院中に亡くなったみたいで、委員長を励ましているうちに委員長も私を好きになってくれたみたいで、思い切って告白したらOKもらえたの」
この時、僕は妙な違和感を覚えた。委員長の大切な人が亡くなったというのに、光野さんは、まるでそれを喜んでいるかのような、間違った形で幸せを手に入れたような気がしてしまったのだ。僕の思い違いだったらいいのだけれど。
「そっか。その幼なじみのことは残念だけど、光野さんの想いが実ってよかったね」
僕は当たり障りのない言葉を返した。不幸と幸せが同時に舞い降りた時、人はどう感じどう行動に移すのだろう。少なくとも今の光野さんは僕が憧れていた頃の光野さんではなくなっていた。

光野さんと話した後、家に帰ったつもりが、何故か不思議屋にいた。
「影村さん、もうすぐお別れの日が近づいています」
「えっ、どういうことですか?」
僕は何を言われたのか分からなかった。菊助さんはずっとこの店の主を続けて、僕が大学を卒業して社会人になっても、いつもこの場所にいるものだと思い込んでいた。
「私(わたくし)はあまり内情をお話することはありませんが、1度死んだ身なのです。けれど、成仏は出来ず、この世に留まっています。しかし、妖精村の番人を任されました。桜が舞う頃までに、この町からいなくなっているでしょう」
1度死んでいる?妖精村?番人?それっていったいなんなんだ?もうここへは戻ってこないのだろうか。僕は何を言われたのか意味がさっぱり分からずにいた。
「どうしてですか?どうしてここからいなくなるのですか?妖精村ってどこですか?」
「影村さん、記憶というのは時として恐ろしいものなのです。自分が抱え込ませられたり、他者に記憶を植え付けたり。それって、1種のループとも言えます。少し話しすぎたようですね。では、これにて失礼」
菊助さん!そう呼ぼうとした時には僕は何もない空き地にいた。そして、僕は最後に菊助さんの言ったことの意味を何一つ把握出来ていなかったのである。

……

あとがき。

時を経て……時を経て……。
当初とは違うストーリーも出てきましたね。まさかの純愛偏差値とのコラボ!
菊助は行っちゃうのね……。
妖精村の番人は自殺した人しかなれない。純愛偏差値にそう書いたよね。

さて、次回がラストとなります!

ひろしの未来は?やまとの未来は?
そして、さゆりの幸せの行方は?

次回6話お楽しみに!
Make Laveは偽り!? 4話

……

前回までのあらすじ

さゆりとやまとが交際をしはじめ、かなりのダメージを受け、登校拒否をしだしたひろし。そんなひろしの家にやまとは毎日のようにノートのコピーを届けに来てひろしを励ますものの、ひろしにとっては、やまとから見下されているとしか思えないのである。それでも、ひろしはさゆりとやまとのことを辛いと苦しいと言うことが出来ない。
ただただ、涙を流すひろしであった。

……

登場人物。

影村ひろし(18)…物語の主人公。さゆりに想いを寄せている。

光野さゆり(18)…ひろしの想い人。いつも明るく可愛い少女。

雲風やまと(18)…ひろしと同じくさゆりに想いをよせている。

神山くらふ(18)…ひろしたちのクラスの委員長で、さゆりの想い人。

……

僕が学校を休みはじめて4ヶ月が経った。
2ヶ月前のあの日、何故、光野さんが僕の家に来ていたのか、今になって気になってしまっていた。ああ、居留守なんか使うんじゃなかった。けれど、今更後悔しても遅いのである。
年も開けて、もう1月。クラスメイトのみんなは、とっくに進路を決め始めている。それなのに僕は、光野さんとやまとのことで気を揉み続け、進路どころか勉強さえも放棄している。進学?就職?そんなの今の僕には分からない。けれど、後ひと月も経てば進路表は提出しなければならない。恋愛に躓いて泣き崩れ立ち往生していた僕を、世間は馬鹿だと思うだろうか。例えそうであったとしても、僕は僕以外の人生を歩むことは出来ないのだ。

気がつけば僕は、不思議屋にいた。
「ようこそ、不思議屋へ」
僕は何故ここに来たのか分からず黙っていた。
「影村さん、私(わたくし)が、このようなことを申し上げるのは異例ですが、それでも、今回はお伝えします。あなたが先代からもらった惚れ薬を飲ませた相手である光野さんには1年生の頃から片想いしている人がいるのです。それは、現在のあなたのクラスの委員長である神山さんです」
一瞬僕は何を言われたのか分からなかった。
「えっ!だったら、だったら、どうして今になって言うんですか!どうしてもっと早く言ってくれなかったんですか!」
「以前も申し上げたように、影村さんの生きている世界と、この店の世界では時空が異なります。時空というのは、いくつもの無数の線で絡まっています。それは、決して一定ではありません。最後にここに来てから影村さんにとって、どのくらい経ったのかは分かりませんが、少なくとも私にとっては3日しか経っていません」
「そんな……」
僕は言葉を失った。この店の主である菊助という人物が、何日過ごしたかは多分関係ない。僕が傷ついたのは光野さんに既に好きな人がいて、それが委員長だった。だから、僕が光野さんに飲ませた惚れ薬の効果はなかった。そういうことなのだろう。
けれど、だったらどうして?どうして光野さんは、やまとと付き合っているんだ?今の僕は確実に混乱していた。
「あの、だったらどうして光野さんはやまとと交際しているんですか?」
「それは、ご本人に聞いてください。しかしながら、風の噂というものは時として怖いもので、あの日、光野さんは影村さんが渡したのは惚れ薬だということを分かりながら飲んだのです」
「そんな……そんな……そんな……」
1番聞きたくないことを聞いてしまった。あの日、光野さんが、僕の家に来たのは、その話だったのだろうか。そもそも、今の僕には光野さんが分からない。それでも、惚れ薬を飲ませてしまったことは謝らなければならない。僕は店を出て学校へ走った。

学校へ走っている途中、公園のベンチに光野さんがいた。僕は公園に入り、恐る恐る光野さんに近づいた。
「光野さん、ごめん!ごめん……ごめん……」
僕は涙がポロポロ零れていた。
「久しぶりだね、影村君」
涙で視界がぼやけていたけれど、光野さんは落ち込んでいるようだった。
「久しぶり。やまととは上手くいってる?」
わざとでも、こんなこと言いたくなかった。でも、僕は真実を知りたかったのだ。
「今日、別れた」
「そっか」
僕を見下していたやまとを、こういう形で同情するとは思いもしなかった。けれど、僕は光野さんがやまとと別れても、少しも気持ちが軽くならなかった。だって、光野さんの本命は委員長なのだから。
「神山君のこと好きだった。でも、叶わぬ恋だったの。毎日が辛くてどうしようもなくて、忘れたいのに神山君を好きで好きでたまらなくて……。解放されたかった。だから、やまと君から告白された時、受け入れたけどダメだった。やまと君のこと少しも好きになれなかった」
光野さんの口から敢えて聞くと、僕は色んなことが分からなくなっていた。そもそも僕は光野さんのどこが好きだったのだろう。きっと、可愛らしい容姿だった。僕は光野さんの性格も悩みも何も知らない。何も知らなかったんだ。それなのに、惚れ薬など飲ませてしまった自分に腹が立った。
「大したこと言えないけど、やまとを好きになれないなら仕方ないし、そこまで委員長のこと好きなら、無理に諦めなくていいと思う。どれだけ辛くても苦しくても、必ず答えが出る日は来るから」
必ず答えが出る日は来る。まるで僕自身に言い聞かせているみたいだった。
「恋愛って、こんなにも上手くいかないものなんだね。両想いって、いくら願っても叶わないものだったんだな」
落ち込む光野さんに、僕はなんて言葉をかけていいのか迷った。
「そうだね。僕も上手くいかなかった。でも、光野さんなら、新しい出会いはあると思う」
こんな有り触れた言葉なんて届かないのに……。僕は落ち込んだ人の励まし方を知らない。こんなんじゃ、彼女出来てもきっと直ぐにフラれてしまうだろう。僕は光野さんの失恋話をひたすら聞いていた。
そして、気づいた。
僕の光野さんに対する恋愛感情は儚くも消えていた。

……

あとがき。

うーむ。恋愛ってこんなにも上手くいかないものなのかな?また、ひろしの光野さんへの好きは、好きというより、クラスで1番可愛い女の子に対する憧れだったようにも思う。ひろし本人にしか本当のことは分からないけどさ。
さて、ひろしやさゆり、やまとの恋愛はこの先どうなってゆくのだろう。
次回、5話、お楽しみに!
Make Laveは偽り!? 3話

……

はじめに

偽りは、様々な感情とぶつかり合いながら、いずれ真実になることもありうる。
若き日の自分はそう思っていた。
けれど、人の心というものは時と共に流れていくものである。
この小説を書き始めたのは、10年以上前。
当時の作品を知ってる人からしてみたら、今更復活?と思われるかもしれないけれど、小説は、自分が成長していく過程で書いているのだ。
それは多分今後も変わらないと思う。

ちなみに、xxxHOLiCで、四月一日が向日葵ちゃんではなく、侑子さんを選んだことには心打たれた。
なんかね、ふと思い出したの。
あ、別にこの小説がxxxHOLiCを元にしているとかそういうわけではないのだけど。
この小説は、とある作品に影響されて書き始めたのかもしれない。

では、引き続きよろしくお願いします。

……

登場人物。

影村ひろし(18)…物語の主人公。さゆりに想いを寄せている。

光野さゆり(18)…ひろしの想い人。いつも明るく可愛い少女。

雲風やまと(18)…ひろしと同じくさゆりに想いをよせている。

……

「よお、ひろし、ノートのコピー持ってきた」
僕が、学校を休み始めてから二ヶ月が経っただろうか。やまとは、僕が学校に行かなくなってから、ほぼ毎日のように、ノートやプリントを持って来てくれている。けれど、僕は分かっていた。やまとは、落ち込んでいる僕を見て、心の底では嘲笑っているのだと。
「さゆりちゃんは心配してたけど、でも、俺は、ひろしが辛いなら、無理に学校行かなくてもいいと思ってる」
こういうの本当に鬱陶しい。如何にも友達装って、心配した振りをして、相手のこと分かったようなことを息を吐くかのように言う。そういった人種の脳内を開いて見てみたいと何度思ったことだろうか。
「学校には行っていないけど、僕は僕で何とかやってるから。やまとも僕なんか気にしないで、光野さんとデートしたり楽しんでよ」
多分、僕は、上手く笑えてはいなかった。
辛いと言えるなら苦しいと嘆くことが許されるなら、とっくにそうしている。けれど、心を分かち合えていない人間に対して、胸の内をさらけ出してしまうと、今の関係を保てなくなってしまう。上辺でしか築けない人間関係にも、不安定な世界というものが存在しているのだ。
「なあ、ひろし。俺には無理して笑ってなくていい。むしろ、俺にそんなふうに接するな。さゆりちゃんのことは確かに大切だ。でも、ひろしのことだって同じくらい大切に思ってる。俺ら、幼稚園の頃からずっと一緒だろ。仲間じゃないか」
陸にあげられて、息も吸えずピチピチもがいている魚を、自ら用意した水槽に入れて自己満足に浸っている人物は確かに存在する。それも、今、俺の目の前に。
ふざけるな! 心の中では何度も叫んでいる。けれど、実際に口に出すことは許されない。僕らのような人間関係は、誰の逆鱗にも触れてはいけない無人島に送られた集団サバイバルのようなものである。
「ありがとな、やまと。やまとが居てくれて助かってる」
また、上手く笑えていなかっただろう。それでも、言うしか無かった。
「ひろし……お前が、さゆりちゃんのこと好きなの知ってた。その上で、さゆりちゃんに告白した。でも、俺は後悔はしていない」
こうやって、開き直って、自分の気持ちのみを軽くして、恋人も友情も手に入れた気になっている人をどう呼ぶべきか。考えても思いつかなかった。
「また来る。それじゃ」
そう言い残し、やまとは出て行った。

頭の中では、分かっていた。惚れ薬使ったって本当の愛を手に入れられるわけじゃない。そんなのいつだって分かっているつもりだ。けれど、どれだけ努力しても何の評価もされない落ちこぼれは現にここに存在する。そんな人間に何が出来る。ちょっと狡い事して、周りが持ってる当たり前の幸せを手に入れたっていいじゃないか。政治家とか、国を牛耳っている人間なんかもっと黒いことしてるじゃないか。だったら、やっても意味の無い努力なんかすっ飛ばして、ほんの少しの幸せくれたっていいじゃないか。不公平なんだよ、世の中は。
けれど、それは、高校生活をエンジョイしている延長線で何ら努力もせず、隣の席の子に話しかける勢いで光野さんと恋人になったやまとを妬む気持ちを正当化したかっただけかもしれない。
今の僕は、本当にどうすればいいのか分からない。

晩御飯を取りに行こうと1階へ行くとチャイムが鳴った。モニターを見ると、扉の向こう側には光野さんがいた。
僕は、居留守を使った。

……

あとがき

当初、書くはずだった内容とかけ離れていて、少し混乱している。
人の心の中は、写真には写せないから、あくまで相手が考えているだろうことを予測するしかない。良くも悪くも。
本当に大切なのは、心から必要としているのはなんなのか。
ひろしたちは見つけられるだろうか。

ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
Make Laveは偽り!? 2話

……

はじめに

Make Laveは偽り!? を、書き始めた時は、ほのぼの学園恋愛小説にするつもりだった。
昔は、今と違って、恋愛ものを書いていたからだ。
けれど、時は流れ、いつしか、ほのぼの学園恋愛小説は書けなくなっていた。
それが、この小説を中断する理由となってしまった。
更に、2話〜4話を紛失してしまっている。
当時は、主人公の視点だけでなく、複数の視点で書いていた。
しかし、今はそのような書き方はしていない。(トイレ代理人はまた別)
でも、1話だけで放置というのも、なんだかな……と思っていた。
だから、今の自分の文体で繋げていこうと思う。

時間空いてしまいましたが、またよろしくお願いします。

……

登場人物。

影村ひろし(18)…物語の主人公。さゆりに想いを寄せている。

光野さゆり(18)…ひろしの想い人。いつも明るく可愛い少女。

雲風やまと(18)…ひろしと同じくさゆりに想いをよせている。

……

「俺、さゆりちゃんと付き合うことになった」
教室に入るなり、やまとが話しかけて来た。
僕は、考えて言葉を選ぶよりも先に、顔でリアクションしていただろう。いや、そうに違いない。
けれど、落ち着いて考えてみれば、それは有り得ないことだった。あの日、光野さんは確かに惚れ薬を飲んでいる。僕はこの目でそれを確認した。
「それっていつから……いつから光野さんと付き合い始めたの?」
ただし、光野さんに既に恋人がいる場合は、惚れ薬の効果は現れない。不思議屋のおばあさんが言っていた。
つまり、僕が光野さんに惚れ薬を渡す前に、光野さんがやまとと付き合っていたならば、惚れ薬の効果は全くないということだ。
「一昨日の放課後、告白したらOKもらえちゃった」
一昨日。おかしい。僕が、惚れ薬を渡したのは一週間前。だったら、光野さんは、どうして僕を好きにならならず、やまとを好きになったのだろう。
元々やまとに想いを寄せていたのか?
いや、不思議屋のおばあさんは、既に恋人がいる場合としか言ってはいなかった。
だったら、どうして……。
「さゆりちゃんに、告白した男子、結構いるらしいけど、全然振られてるらしいぜ。つまり、告白してOKもらえたのは俺がはじめてってわけ。俺とさゆりちゃん、結構前から相思相愛だったのかもな」
「僕、今日は早退する」
ちょっと待てよ。そういうやまとの声なんか耳には入らず、僕は教室を出ていた。
やまとの自慢話を聞くことに耐えられなかったし、何より、不思議屋で騙された苛立ちが僕の心の中で爆発していた。

学校を出た僕は、迷わず不思議屋へ向かった。
「いらっしゃいませ」
「あれ、いつものおばあさんは?」
「先代なら、去年亡くなられています」
「去年って……。僕は一週間前会って話したんですけど。それにまだ元気そうでしたし……」
「お客様の生きている世界と、この店の世界では時空が異なります。お客様が、一週間前に見た先代というのは、過去の先代なのだと思います。この店では、時々、時空の狭間というものが存在するのです。お客様は、一時的にその時空狭間に入り込んでいたのでしょう」
「言っている意味が分かりません。そもそも、あなた誰なんです?」
「申し遅れました。私(わたくし)は、菊助と申します。先代から、この店を引き継ぎました。以後、お見知り置きを」
「はあ……」
「で、本日来店されたご要件をお伺いいたしましょうか」
「あのですね、一週間前、おばあさんから、惚れ薬買って、好きな子に渡して、その子飲んだんですけど、今、他の人と付き合ってるんです! 効き目がなかったんです! 僕は不良品掴まされたんです!」
「そうですか。殆どの物事が、理想通りにはいかない。むしろ、理想とは真逆の道を歩んでしまう。人の世とはそういうものです」
「いや、あなたの説教を聞きに来たんじゃなくて、僕は今すぐどうにかしたいんですよ! 効き目のある何かを売ってください!」
「お気持ちは分かりますが、あなたは、既に先代から惚れ薬を買っています。先代が、効果の現れないものなど売ったりはしません」
「いや、でも、実際、全く効果なかったんで! お願いします! 僕、本当に必死なんです! お金ならいくらでもあるんで、とにかく効き目の出る何かを売ってください!」
「影村さん、お言葉を返すようで申し訳ないですが、先程も言ったように、先代は、効果の現れないものなど売ったりはしません。効果は既に現れていたのですよ。効果が現れないと思い込んでいるのは影村さんです。僕が言っている意味が分からないのでしたら、日を改めてお越しください。では」
「いや、ちょっと待っ……」

話している途中だった。
けれど、気づいたら僕は店にはいなく、自分の家の前にいた。何が起きたのか分からない。そして、何を言われたのかも分からなかった。
効果が出ている? おばあさんは確かなものを売っていた? 効き目がないと勘違いしているのは僕?
ふざけるな! 僕の心は、怒り狂っていた。けれど、この怒りをどこにぶつけたら良いのか分からなかった。この怒りをどう沈めたら良いのかその方法も見つからなかった。
僕は、家に入るなり、ベッドに潜り込んで泣いていた。

……

あとがき

この小説を読んでくれている人は、「菊助……?どこかで聞いたような」と思ったかもしれません。
そう、あの未来望遠鏡の菊助です!
「菊助は生きていたの? それとも昔の菊助?」と、疑問に持たれる方もいるかもしれませんが、それに関しては、お答えすることは出来ません。
菊助を登場させる。
未来望遠鏡とやんわりコラボする。
そうすることによって、Make Laveは偽り!? を再開することが出来たのだと思います。
最初に、描いていた内容とは多分異なりますが、今の書ける範囲で続けていこうと思います。
Copyright (C) 2009 雨の音を聴きながら, All right Resieved.
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