日常のこととかオリジナル小説のこととか。
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ashita
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女性
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地主(土地貸してます)
趣味:
漫画やアニメを見るのが好きです。最推しはフーディーニ ♡
自己紹介:
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ブログ、もう書かないと思ってました。
けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。
ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。
小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。
よろしくお願い致します。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
お知らせ。
イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。
また、「カラクリよろずや」にてフリーイラスト素材について考えるブログはじめました✩.*˚
不定期に更新していく予定です。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。
ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。
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X @kigenzen1874
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ブログ、もう書かないと思ってました。
けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。
ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。
小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。
よろしくお願い致します。
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お知らせ。
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〈資格履歴〉
2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格
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〈資格証明バナー〉

2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格
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〈資格証明バナー〉

『和ごころ』
ナノハナ家の 茶道体験 君は 毎年
第四教室の 講師をしてた
茶道の歴史 思うより ふくざつで
君の作法の方が 優れていたね
時流れ 今では 着物は すっかり
押し入れで 眠っている
夜桜の並木道 人も集まり
歴史の一枚 刻もうとしたら
春一番の 風 吹いて
水面に映る 揺れた春化粧
キクリ家の イベント 毎年の恒例
古代から 続いてる 苦手意識
髪結んで ハチマキ巻く君に
胸が 高鳴る 目を離せない
時流れ 今では 着物は すっかり
押し入れで 眠っている
今年の流鏑馬 Fサラブラー
歴史の一枚 刻もうとしたら
120キロ ギャロップして
君は 全て 命中していた
嫌がる私を 無理矢理 馬に乗せ
歴史の一枚 刻まれていた
常歩で 弓引けども 的中なし
笑い声 飛び交い 恥かいて
夜桜の並木道 人も集まり
歴史の一枚 刻もうとしたら
春一番の 風 吹いて
水面に映る 揺れた春化粧
……
あとがき。
第一 ナクリ、第二 ナノハ、第三 ナナミ、第四 ナミネ。ちなみに第二が1番難易度高いです。
ナミネが受け持つ第四教室は初心者向けの娯楽的なもの。
コノハ家ほどではないもののキクリ家の武術に力入れていて毎年大会行われています。
オリジナル小説 純粋偏差値 詞
ナノハナ家の 茶道体験 君は 毎年
第四教室の 講師をしてた
茶道の歴史 思うより ふくざつで
君の作法の方が 優れていたね
時流れ 今では 着物は すっかり
押し入れで 眠っている
夜桜の並木道 人も集まり
歴史の一枚 刻もうとしたら
春一番の 風 吹いて
水面に映る 揺れた春化粧
キクリ家の イベント 毎年の恒例
古代から 続いてる 苦手意識
髪結んで ハチマキ巻く君に
胸が 高鳴る 目を離せない
時流れ 今では 着物は すっかり
押し入れで 眠っている
今年の流鏑馬 Fサラブラー
歴史の一枚 刻もうとしたら
120キロ ギャロップして
君は 全て 命中していた
嫌がる私を 無理矢理 馬に乗せ
歴史の一枚 刻まれていた
常歩で 弓引けども 的中なし
笑い声 飛び交い 恥かいて
夜桜の並木道 人も集まり
歴史の一枚 刻もうとしたら
春一番の 風 吹いて
水面に映る 揺れた春化粧
……
あとがき。
第一 ナクリ、第二 ナノハ、第三 ナナミ、第四 ナミネ。ちなみに第二が1番難易度高いです。
ナミネが受け持つ第四教室は初心者向けの娯楽的なもの。
コノハ家ほどではないもののキクリ家の武術に力入れていて毎年大会行われています。
オリジナル小説 純粋偏差値 詞
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『アドバルーン』
舞い上がる アドバルーン
この町に はじめての
デパートが できた あの頃は
みんな物珍しそうに していたね
10年 20年 少しずつセピアに
変わらないもの なんてない
けれど 本当は みんな切ないの
微笑み合った日 遠のかないで
懐かしい その言葉が 返って胸痛む
もう二度と 訪れない あの時だけの
消えゆく時間だったから
この町も かつては森だった
なにもない平穏に 僕ら いつも
当たり前のように 和まされ
たやすことない笑顔 溢れてた
今は見かけない アドバルーン
この町も 変わってく
デパートの 屋上の乗り物で
僕ら いつも はしゃいでた
懐かしい その言葉が 返って胸痛む
もう二度と 訪れない あの時だけの
消えゆく時間だったから
この町も かつては森だった
なにもない平穏に 僕ら いつも
当たり前のように 和まされ
たやすことない笑顔 溢れてた
時流れ 森も町になったんだ
それはそれで 賑わっていて
多分 楽しいけれど 忘れないで
大切なのは いつも 君の中
……
あとがき。
ミナクが好きな古くからあるバンドのフェアリー地平線の曲♬.*゚
ちなみにミナクはフェアリー地平線のアルバム全て持ってます。
昔はね、しょっちゅうアドバルーン見てたのに今はすっかり見かけなくなりましたね。
それもまた切ないものです( ߹꒳߹ )
オリジナル小説 純粋偏差値 詞
舞い上がる アドバルーン
この町に はじめての
デパートが できた あの頃は
みんな物珍しそうに していたね
10年 20年 少しずつセピアに
変わらないもの なんてない
けれど 本当は みんな切ないの
微笑み合った日 遠のかないで
懐かしい その言葉が 返って胸痛む
もう二度と 訪れない あの時だけの
消えゆく時間だったから
この町も かつては森だった
なにもない平穏に 僕ら いつも
当たり前のように 和まされ
たやすことない笑顔 溢れてた
今は見かけない アドバルーン
この町も 変わってく
デパートの 屋上の乗り物で
僕ら いつも はしゃいでた
懐かしい その言葉が 返って胸痛む
もう二度と 訪れない あの時だけの
消えゆく時間だったから
この町も かつては森だった
なにもない平穏に 僕ら いつも
当たり前のように 和まされ
たやすことない笑顔 溢れてた
時流れ 森も町になったんだ
それはそれで 賑わっていて
多分 楽しいけれど 忘れないで
大切なのは いつも 君の中
……
あとがき。
ミナクが好きな古くからあるバンドのフェアリー地平線の曲♬.*゚
ちなみにミナクはフェアリー地平線のアルバム全て持ってます。
昔はね、しょっちゅうアドバルーン見てたのに今はすっかり見かけなくなりましたね。
それもまた切ないものです( ߹꒳߹ )
オリジナル小説 純粋偏差値 詞
『名もなき旅人』
古い夢 今頃になって 叶えたいと願う
あの頃は 青春の 誘惑に負けていた
遠い昔 桜木町で開いてた 小さなコンサート
気が付けば 遊楽に のみこまれていた
自分のしたいこと チャレンジすれば
いつの日か 花咲くと 思い込んでいた
僕が描いた夢は 遠い都の向こう
最終列車も 乗れないまま
帰れないよ このまま帰れない
名もない 夢追い人
あなたの 愛得られず 泣きながら歌った
あの頃は 欲しいもの 得られると思い込んでた
遠い昔 桜木町で開いてた 小さなコンサート
あなたはいつも バイト帰りに 来ていたね
自分のしたいこと チャレンジしても
時経てども 芽を出すことは なかった
僕が描いた夢は 遠い都の向こう
最終列車も 乗れないまま
帰れないよ このまま帰れない
名もない 夢追い人
今の桜木町 空き地になってる
あの場所で かつては賑わって
楽しすぎて 嬉しすぎて
僕の 思い出の空間(せかい)
僕が描いた夢は 遠い都の向こう
最終列車も 乗れないまま
帰れないよ このまま帰れない
はぐれた 夢追い人
……
あとがき。
そう遠くない昔にナミネが見ていた番組の主題歌♬
『夢の芽がでて花を咲かせるまでの道程は厳しく遠いけど複数ある道に惑わされず1つの道を歩み続けてほしい』
という事が詞に込められていたものの伝わらず視聴者から暗いと苦情が来て主題歌は変わってしまったのです。
オリジナル小説 純粋偏差値 詞
古い夢 今頃になって 叶えたいと願う
あの頃は 青春の 誘惑に負けていた
遠い昔 桜木町で開いてた 小さなコンサート
気が付けば 遊楽に のみこまれていた
自分のしたいこと チャレンジすれば
いつの日か 花咲くと 思い込んでいた
僕が描いた夢は 遠い都の向こう
最終列車も 乗れないまま
帰れないよ このまま帰れない
名もない 夢追い人
あなたの 愛得られず 泣きながら歌った
あの頃は 欲しいもの 得られると思い込んでた
遠い昔 桜木町で開いてた 小さなコンサート
あなたはいつも バイト帰りに 来ていたね
自分のしたいこと チャレンジしても
時経てども 芽を出すことは なかった
僕が描いた夢は 遠い都の向こう
最終列車も 乗れないまま
帰れないよ このまま帰れない
名もない 夢追い人
今の桜木町 空き地になってる
あの場所で かつては賑わって
楽しすぎて 嬉しすぎて
僕の 思い出の空間(せかい)
僕が描いた夢は 遠い都の向こう
最終列車も 乗れないまま
帰れないよ このまま帰れない
はぐれた 夢追い人
……
あとがき。
そう遠くない昔にナミネが見ていた番組の主題歌♬
『夢の芽がでて花を咲かせるまでの道程は厳しく遠いけど複数ある道に惑わされず1つの道を歩み続けてほしい』
という事が詞に込められていたものの伝わらず視聴者から暗いと苦情が来て主題歌は変わってしまったのです。
オリジナル小説 純粋偏差値 詞
『濡れた恋文』
カラクリ家で顔合わせ 刻まれているの
途中で降った大雨に 番傘貸して
あなたと手を繋ぎ 二人で抜け出した
桜道を踏みしめて 刹那に雨宿り
縁談弾いて 適当に 生きてみたいけど
私は一つの枠に はめられていた
ねえ あなたに逢いたい
涙するけど どこにもいないの探しても
番傘 貸したまま
花札つがいが滲んでく 古いものですね
あの時 走った桜道 今では一人きり
ひと言伝えていたけれど 大雨聞き取れず
あなたに伝わっていない 刹那の部屋で
このまま流され 縁談を 進めていいのかな
己で決められない 彷徨うこころ
ねえ あなたに逢いたい
涙するけど どこにもいないの探しても
番傘 貸したまま
まだ あなたを待ってる
気持ちは揺れず こちらに向かって走ってく
番傘 渡されて
ねえ 花涙あふれでる
髪から零れる 雫に美しさ感じ
濡れた 恋文
……
あとがき。
メロディーに合わせて詞を作っていたら思いっきり演歌になってしまった(笑)
詞にメロディー付けるのは本当久々。
イメージとしては、カラクリ家のお武家連盟で武士たちが集まるというだけで、これといったテーマはないです。
オリジナル小説 純愛偏差値 詞
カラクリ家で顔合わせ 刻まれているの
途中で降った大雨に 番傘貸して
あなたと手を繋ぎ 二人で抜け出した
桜道を踏みしめて 刹那に雨宿り
縁談弾いて 適当に 生きてみたいけど
私は一つの枠に はめられていた
ねえ あなたに逢いたい
涙するけど どこにもいないの探しても
番傘 貸したまま
花札つがいが滲んでく 古いものですね
あの時 走った桜道 今では一人きり
ひと言伝えていたけれど 大雨聞き取れず
あなたに伝わっていない 刹那の部屋で
このまま流され 縁談を 進めていいのかな
己で決められない 彷徨うこころ
ねえ あなたに逢いたい
涙するけど どこにもいないの探しても
番傘 貸したまま
まだ あなたを待ってる
気持ちは揺れず こちらに向かって走ってく
番傘 渡されて
ねえ 花涙あふれでる
髪から零れる 雫に美しさ感じ
濡れた 恋文
……
あとがき。
メロディーに合わせて詞を作っていたら思いっきり演歌になってしまった(笑)
詞にメロディー付けるのは本当久々。
イメージとしては、カラクリ家のお武家連盟で武士たちが集まるというだけで、これといったテーマはないです。
オリジナル小説 純愛偏差値 詞
純愛偏差値 未来編 一人称版 104話
《ナミネ》
私は、デパートのレストランで突然の落ち武者さんの策略でヨルクさんとの仲を引き裂かれてしまった。
カンザシさん原因で、妖精村時代はずっとヨルクさんへの想いが封じ込められていただけに、やっとまたヨルクさんを愛せると思っていたのに。不本意な形でヨルクさんとの関係を壊された私は心が爆発し、エルナさんを遠い過去に飛ばしてしまった。
レストランは、みんなが出れないようテナロスさんにお願いしていたけれど、みんなはカラクリ家に来た。こんなことが出来るのは神様呼び出しカードを持っているヨルクさんだけだろう。
私は、カラクリ家で落ち武者さんに仕返しをした。それでも私の心は満たされることはなかった。
レストランでヨルクさんを引き止めても振り払われたゆえ、もうヨルクさんは私の元へは戻ってこないと恐怖さえ覚えた。だから、カラクリ家でヨルクさんに『別れるつもりはなかった』と言われても今更と感じ、ヨルクさんとは全く口を聞いていない。
カラクリ家に逃げ込んだ時に、エミリさんに協力するよう言われ、お武家連盟会議はすぐに開かれた。私はエミリさんに言われたように、エミリさんに有利になる発言をし、過半数の同意を得た。
そして、レイカさんとカナコさんが私に同意したのち、エミリさんとカナエさんはセレナールさんに扇子を突き付けたのである。
「会議で攻撃的な真似はやめてくれるかしら?」
レイカさんの指摘にエミリさんとカナエさんは扇子をしまった。
「私も記憶を失ってた!だから、わざと2人を苦しめてない!」
ここでセレナールさんお得意の白々しい嘘が出た。もう誰も信じないだろうに。
「じゃあ、セリルに真実を聞き出してもらいます」
「やめて!遠い昔、カナエにされたことがどうしても忘れられないのよ!挙句に皇太子様をエミリに取られて私は全てを失った!ハメたのはカナエとエミリなのに今になって言い逃れするなんて卑怯よ!」
ここまで来ると、もうどちらが悪い度高いのか分からなくなってくる。確かに、あの時の博物館でセレナールさんはカナエさんの結界に閉じ込められ、見知らぬ男に襲われた。唯一のパートナーにはエミリさんと交際することになったと言われ、セレナールさんは捨てられた。セレナールさんからしてみれば、許せず復讐をしたのだろう。私が、かつてのカンザシさんを許せないように。
お武家連盟会議はまだ終わっていない。私はどちらの味方に付けばいいのだろう。
咄嗟に現世のみを考えエミリさんの味方をしてしまったが、遠い昔も加わると、カナエさんやエミリさんもセレナールさんを傷付けている。
「ねえ、どうする?ラルク」
「エミリさんの味方するんじゃなかったのかよ」
「遠い昔のことまで持ち出されるとは思ってなかったよ」
「いわゆる因縁ってヤツだよ。あと、落ち武者さんは必要な人材だ。これ以上危害加えるのはやめろ!使用人にするのもな!」
ラルクは落ち武者さんの能力をやたら勝っている。そりゃ、落ち武者さんはセリルさんの弟だし、頭がよくって当たり前だろうけど。
「分かったよ、ラルク。ムカつくけど落ち武者さんのことは許すよ」
「アンタ、ラルクのことなら何でも聞くんだな。僕は使用人でいい」
落ち武者さんて、こう見えて頑固だ。
「いや、だから、使用人はしなくていいと言っているでしょう!これ以上、私をイラつかせないでください!やってることカンザシさんと同じです!セリルさんに似ず、その浴衣全然似合ってませんね!」
「アンタ、一言多いな。とにかく姉さんに服着せろ」
何なの。いつも上から目線の命令してばかり。とてもじゃないけどセリルさんの弟とは思えない。
私はテナロスさんに依頼し、無言でセレナールさんが服を着ることを許可してもらった。少しすると使用人が浴衣を持ってきた。
「ナミネ、とりあえず当時のことを語れ!」
「分かったよ、ラルク」
皇太子様が映像を見るところから話せばいいだろうか。
「では、確認します。
遠い昔、セレナールさんはカラクリ家にて仲睦まじかった皇太子様が、ある映像を見ているのを発見し、口論になりましたね。そのことをカラルリさんに相談しているうちに、カラルリさんに気持ちが向いていった。皇太子様との話し合いが上手くいかないうちに、どんどんカラルリさんのことを好きになりました。同時に皇太子様との関係は崩れていった。
皇太子様は、寂しさのあまりセレナールさんの同意で、エミリさんとの関係を持ちましたね?当時のセレナールさんにとって親友のエミリさんは、それだけ大きな存在だったとお見受けします。
けれど、カラルリさんを好きになるほどにセナ王女とは犬猿の仲になりましたよね?
更には皇太子様とは拗れたまま、あの時の博物館にてカナエさんに岩の結界をかけられ、トイレの外に出れなくなり武官であろう見知らぬ男に襲われ、皇太子様からはエミリさんと正式交際すると言われ捨てられた。
その時のトラウマが今になって耐えきれないものとなり、時を超えて仕返しをした。
セレナールさん視点では、だいたいこんな感じでいいですか?」
もう、昔のことなんて私が聞きたいくらい。そりゃ、私も何度もヨルクさんの映像壊したけどさ。セレナールさんには誰かを従わせる度胸なんてないのだろうし。過去だって変えられない。
遠い昔のことなんて、どうすればよかったレベルの問題ではないと思う。
「え、ええ。だいたいそんな感じよ。カナエには結界かけられ男に襲われ、信頼していたエミリには婚約者を取られた。こんなのあんまりだわ!」
セレナールさんは泣きはじめた。
もう、どっちが被害者でどっちが加害者か分からなくなってくる。結局、その時はいい気でいても、あとから復讐されることもあるんだ。今のエミリさんとカナエさんのように。
けれど、いくら復讐してもセレナールさんの気は晴れず。
「カナエは、わざと結界をかけたわけではありません!セレナールのことを救おうとしていました!」
もうこれでは水掛け論だ。会議は終わらなくなる。
その時、雷がなり大雨が降りはじめた。今日は止まないだろう。
「では、カナエさんの過去について確認します。
あの日の博物館のトイレにて、カナエさんは約50人くらいの男に襲われた。咄嗟にカナエさんは結界をかけたものの、そこにセレナールさんも入っていて、解くわけにもいかず、そのままトイレを出ました。そこに悪意はなかったのでしょう。
カラルリさんは、何度もカナエさんを説得し、カナエさんは結界を解いたもののセレナールさんは間に合いませんでした。
そして、その男たちを雇ったのはセレナールさんだった。
それでも、セレナールさんを救おうとしたで間違いないですね?」
私が同じ立場だったら、流石に味方ごとは閉じ込めないだろう。あとで責任取らされるのも面倒だし。
当時のカナエさんの力量は強いと言っても伝説レベルではなかったと解釈するべきだろうか。
「はい、カナエはセレナールのこともちゃんと考えていました。セレナールは、いつも優しくて純粋で皇室に行っても紀元前村でも助け合って来た仲です。
ですが、いつしか、お兄様を心の底から愛するセナさんと仲良くするようになっていたと思います。
セレナールが変わったからではありません。セリルがカナコお姉様と交際したあと、セナさんが現れ、お兄様とスピード交際をし、カナエは2人を応援することが楽しみになっていました」
カナエさんは、カナコさんとセリルさんが交際するまではセレナールさんとかなり仲良くしていた。でも、セナ王女が現れてからは変わったのだろう。
時の流れが人を変えたと言うべきか、それとも他に理由があるのか。
「皇帝陛下からの文が届いたわ!カナエは懲役5年、エミリは懲役3年よ!」
いったい何が起きたのだろう。セレナールさんは紙飛行機を飛ばせないはず。だったら、誰かが代わりに飛ばしたのだろうか。そもそも、どうしてカナエさんとエミリさんのみが罪に問われたのだろう。
この時の私は、ウルクさんの1つ前の番人であるヤマヨリさんがセレナールさんを主君として称えていることなど全く知らなかったのである。
「こんなの不公平だわ!セレナールだけが罪に問われないなんて!寧ろ私のほうが被害者なのに!!」
「カナエも納得いきません!こんな長期間刑務所で過ごしていては留年してしまいます!カナエの将来を奪わないでください!」
とは言っても皇帝陛下の決断は絶対だ。でも、エミリさんとカナエさんの青春が奪われてしまうのも、それはそれで確かに不公平ではある。だったらどうすればいいのだろう。
「結局、理不尽なことして、そのままにしていれば、あとから罰を受けることになるのよ。皇帝陛下の決断が出た以上、お武家連盟会議を終了します。今日はこの雨で帰れないでしょうからカラクリ家に泊まるように」
レイカさんは突然会議を終了した。
けれど、その後も3人は言い争いを続けている。
「私も、こんな馬鹿げた結果、納得いかないわ!一方的ね、セレナール」
レイナさんは、まだ会議を続けるつもりだ。けれど、正直疲れてきた。茶菓子も食べ終わったし、お腹がすいてきた。
その時、ヨルクさんが私にスコーンを渡した。
「い、いりません!」
私はスコーンだけ奪ってヨルクさんを突き飛ばした。
「ナミネ、ごめんね。ナミネが戻って来てくれるまでずっと待ってる」
今更何なの。人を振り回して楽しんでいるの?こういうのめちゃくちゃ腹が立つ。
「ハッキリ言います!あの時、私が引き止めたのを無視された時、どれだけ辛かったか!どれだけ苦しかったか!落ち武者さんが邪魔した程度の関係ならいりません!本当身勝手ですね!私はもう、新しい彼がいますし、これ以上私に付きまとえば、恥をかくことになりますよ!」
私は苛立ちのあまり、ヨルクさんから渡されたスコーンを一気に食べた。
「ナミネ、本当に悪かったと思ってる。あの時、逃げてしまったこと。もうナミネは大丈夫とナミネとちゃんと話し合わなかったこと後悔してる。ナミネが許してくれるまで、ずっと待ってる。何年でも待つ!」
「いい人振らないでください!」
私は扇子を使い、ヨルクさんにセレナールさんを襲わせた。セレナールさんの浴衣は一気にはだけ、セレナールさんが股を開いた瞬間、レイナさんとカナエさん、エミリさんは写真に収めた。すぐに写真が出てくるカメラ、今でも滞ってなかったんだ。
「今すぐ状況を変えないと、この写真、学園中にばら撒くわよ!」
レイナさんって、こんなに怒りっぽかったっけ。この時の私はレイナさんに遠い昔タリスタという恋人がいて、交際2年でセレナールさんに気を持ちはじめたことを全く知らなかったのである。
「こんなことだろうと思ったわ。レイナ、やめなさい!」
レイカさんは、再び会議室に入ってくるなり、レイナさんから写真を全て取り上げた。これではエスカレートする一方だ。
「あの、エミリさんは皇太子様に助けを求め、カナエさんはウルクさんに頼んでみるのはどうでしょうか?」
もう、あとのことは当人らでどうにかしてほしい。
なんだか、具合が悪くなってきた。めまいと胸やけがする。私はエミリさんとカナエさんが紙飛行機を飛ばしている間にトイレに駆け込んだ。
やはり、ここもボットン便所残ってたか。
私は、即嘔吐した。また吐血してる。
落ち武者さんへの苛立ち。私を置いていったヨルクさんへの不安と恐怖。今の私は大きなストレスに苛まれている。
トイレから出ると彼氏役のユラルさんがいた。
「あ、すみません。客室案内しますね」
私はユラルさんを連れ客室に案内しようとした時、吐血して倒れた。
「ナミネ!」
ヨルクさんの声が聞こえる……。
私は夢を見ていた。
『ナミネ、あんたが好きだ』
『お代官様は私のどこが好きなのですか?』
『綺麗だから』
『単純過ぎる理由ですね。でも、今はフリーですし、お代官様と交際します』
そして、私と落ち武者さんは付き合いはじめた。少しすると私は落ち武者さんのマンションに引越し同棲をした。落ち武者さんは在宅ワークをしていて、私は伝説武官をしていた。
私は帰る度に制服をリビングに脱ぎっぱなしにし、ルームウェアに着替えるとお菓子を食べながらテレビを見た。落ち武者さんは在宅ワークの合間に家事をし、毎日私に手料理を振舞った。
休みの日にはデートに行き、落ち武者さんはいつも高級レストランに私を連れて行った。美味しそうにハンバーグを食べる私の口元についたソースをセルファは布で拭き取った。すると私は落ち武者さんの分のハンバーグも食べてしまったのである。
落ち武者さんが襲われている時は、私は落ち武者さんを助け、落ち武者さんが高熱に魘されている時は私は落ち武者さんを背負って病院に連れて行ったのである。また、落ち武者さんが疲れている時は私はアロマで落ち武者さんを癒した。この時の落ち武者さんは身体が弱く私は落ち武者さんを背負い何度も病院に連れて行ったのである。
いつも落ち武者さんはエルナさんに浮気をされ別れた後、絶望的になっていたゆえ、一生懸命落ち武者さんを支える私を落ち武者さんは心から愛おしく感じ、一生私を手放さないと心に誓ったのだ。
『お代官様、私、あるコンサートによく行くんです。お代官様も一緒に行きませんか?』
『分かった。行く』
私と落ち武者さんがカンザシさんのコンサートに行くと、ズームさんもいた。私とズームさんは別れたばかり、いや、カンザシに無理矢理別れさせられたばかりだったのだ。
『ズームさん、元気でしたか?』
『ナミネさん、お久しぶりです。そちらの方は?』
『今お付き合いしている人です。ズームさんのマンションのように広いマンションに住んでいるんです!』
コンサートが終わるとカンザシさんが来た。
『カンザシさん〜!お久しぶりです〜!』
『ナミネさん、来てくれたんですか!』
『はい、今は新しい彼と同棲しています』
カンザシさんは落ち武者さんを見た瞬間、嫉妬を覚えていたことを私は気付けなかった。
その夜、落ち武者さんは私を抱いた。
『あんた何で元カレと別れた』
『別れたのではありません。無理矢理別れさせられたんです』
『どういうことだ!』
『カンザシさんとズームさんの背中には勾玉のアザがあります。カンザシさんに危機が迫るとズームさんもこの世から消えてしまうんです。ズームさんは彼女をカンザシさんに取られたばかりだったのに、いざ私と付き合いはじめたら気に入らないのか、自殺未遂を何度も起こし、ズームさんと話し合った結果私たち別れたんです』
その後も私と落ち武者さんはカンザシさんのコンサートに行った。カンザシさんがコンサートを終えると落ち武者さんはカンザシさんに近づいた。
『あんた、随分卑怯な手使うんだな。僕とナミネのことも別れさせようとしてるだろ?』
『そんなことありません』
『けど、あんたは弱い。ツレの背中見せてもらうんだな』
落ち武者さんと私は何気ない幸せな日常を送っていた。カンザシさんは私と落ち武者さんを別れさせるつもりだったが、ズームさんの背中には勾玉のアザが消えていたのである。落ち武者さんが数式で割り出し、期間限定でアザを消したのだ。これで、カンザシさんはズームさんを巻き込むことが出来なくなってしまった。苛立ったカンザシさんは私に何度も自殺すると言った。
『じゃ、死ねば?』
『お代官様、それは言い過ぎです』
『だって、卑怯なやり方で別れさせられたんだろ?死にたいヤツはとっとと死ね!』
その後、カンザシさんはズームさんに何度も私と落ち武者さんを別れさせるようにお願いをした。ズームさんは断り続け、更にはカンザシさん1人で死ねばいいとも言ったものの、カンザシさんはミネスさんの初を奪うと言い、ズームさんはカンザシさんに従うしかなかったのである。ズームさんは落ち武者さんが私にプロポーズをするたび、時間を巻き戻した。しかし、落ち武者さんは敢えて時間を進ませ、私との結婚式の日になっていた。思い通りにならないカンザシさんは私と落ち武者さんの結婚式の真っ最中にミネスさんを中級武官にイジワルさせた。カンザシさんに裏切られたミネスさんはショックのあまりその日のうちに川に身を投げて死んだ。このことを知った皇帝陛下は私と落ち武者さんの婚姻を認めなかった。それでも私と落ち武者さんは籍を入れないまま一緒に暮らし続けていた。けれど、時は流れズームさんの勾玉が戻るとカンザシさんはまた自殺未遂を起こし、ズームさんは落ち武者さんが私にプロポーズする前に時間を戻し、ミネスさんを救った。落ち武者さんと私はこっそり婚姻届を出し、結婚式は取り止めにした。
『随分としつこいな』
『カンザシさんはどこまでも追ってきます』
そして、その日はやったきた。
落ち武者さんと私VSカンザシさんとズームさん。4人はあらゆる手で対戦をした。私がカンザシさんとズームさんを拘束してカンザシさんに何度も電流を流した。その間に落ち武者さんは数式を書いて私との未来を守ろうとした。
『ナミネ、番人呼び出せ!』
『はい、お代官様!』
私は、その時の番人を呼び出すと落ち武者さんと別れないようにお願いをした。
『残念ですが、ズームさんの予想未来により、セルファさんのみ古代に戻ってもらいます』
そして、落ち武者さんは古代に飛ばされ、私と永遠に引き離されてしまったのである。
『ナミネ……ナミネ!!!』
私は咄嗟に番人にセルファのところへ飛ばすように言った。私は落ち武者さんの元へ飛んで行った。
『そんな……ナミネさん……!ズーム、何とかしろ!』
『カンザシ、手遅れだ!』
私は倒れている落ち武者さんを見つけた。
『お代官様』
『ナミネ……』
私と落ち武者さんが飛ばされた場所は氷河期だった。私は落ち武者さんを抱き締めた。
『お代官様、いつか、いつか、また出逢いましょう』
『ナミネ、愛してる』
そして、2人は眠りにつきそのまま息を引き取った。2人が交際してから5年後のことだった。
夢はそこで途切れていた。
目を覚ますと私は布団の中にいて周りを見ると誰もいなかった。
あの夢は何だったのだろう。私は落ち武者さんとも交際をしていたのだろうか。そんなことどうでもいい。ヨルクさんに会いたい。私は布団から出た。
するとカナエさんが入ってきた。
「ナミネ、お粥置いておきます。主治医によると、軽いストレスだそうです。食後、薬を飲んでください。それと、人魚の湖の市場で絵を買いましたよね?あの絵を買った者が見た人魚の夢は近い未来で現実になるのです。キクリ家で供養しますので明日持ってきてください」
あの絵、気に入っていたけれど、まるで呪いの絵のようだったのか。別のものにすればよかった。
「はい、分かりました」
カナエさんは客間を出た。私は、あの後どうなったか聞きそびれてしまった。私はカナエさんが作ったお粥を食べはじめた。
その時、ヨルクさんが来た。私は泣きながらヨルクさんに抱き着いた。
「ナミネ、大丈夫?」
「はい、カナエさんによると軽いストレスだそうです。それと、人魚の絵、あれを持っている者が見た人魚の夢は近い未来に現実になるそうです。だから、カナエさんに供養してもらいます」
どうして市場に呪いのような絵が売っていたのだろう。
「うん、分かった。明日ナノハナ家に行って取ってくる」
「ヨルクさん、もう私を置いていかないでください」
「ナミネ、ごめん!二度とナミネを不安にさせない!ボディーシートとタライ、夜食のポトフ置いとくね」
ヨルクさんはポトフを机に置いた。
「はい」
私はまたヨルクさんに抱き着いた。
「ナミネ、ずっと傍にいるよ。今日は薬飲んで安静にしてようね」
「ヨルクさん、好き」
私はヨルクさんに抱き締められ緊張が解かれ安心に変わっていた。一応、落ち武者さんとも仲直りしたし、カナエさんもここにいるということはウルクさんがどうにかしてくれたのだろう。
私は薬を飲むとヨルクさんと同じ布団に入った。
けれど私は、あのデパートの時からカラルリさんが転生ローンを組んで1人悩んでいることを全く知らなかったのである。自分のことばかりで、カラルリさんとセナ王女のペアリングのことをすっかり忘れていたのだ。
嬉しそうな投稿をカップル日記に載せるセナ王女とはうらはらに833年ローンを契約したカラルリさんは9回分の来世を奪われたことに対して酷いノイローゼになっていたことを、あとで知ることになる。
もう少し周りをよく見るべきだった。あの時、カラルリさんとセナ王女が戻ってくるまでレストランにいるべきだった。
それでも、私はヨルクさんに捨てられた不安感から何も見えなくなっていた。
そして、誰もカラルリさんの異変に気付くものはいなかったのである。
明け方の4時頃、カラルリさんはカラクリ家の客間で首を吊った。
……
あとがき。
ショップの時にカラルリは、みんなに助けを求めていたのに。
今思うと『本人が決めること』と放置することは、時に残酷な自体を招くんですね。
人は助けてほしいから助けを求めるんです。
けれど、みんながそれを無視したら?
本人の問題だから何もしない。
本当にそれていいのでしょうか?
……
この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
《ナミネ》
私は、デパートのレストランで突然の落ち武者さんの策略でヨルクさんとの仲を引き裂かれてしまった。
カンザシさん原因で、妖精村時代はずっとヨルクさんへの想いが封じ込められていただけに、やっとまたヨルクさんを愛せると思っていたのに。不本意な形でヨルクさんとの関係を壊された私は心が爆発し、エルナさんを遠い過去に飛ばしてしまった。
レストランは、みんなが出れないようテナロスさんにお願いしていたけれど、みんなはカラクリ家に来た。こんなことが出来るのは神様呼び出しカードを持っているヨルクさんだけだろう。
私は、カラクリ家で落ち武者さんに仕返しをした。それでも私の心は満たされることはなかった。
レストランでヨルクさんを引き止めても振り払われたゆえ、もうヨルクさんは私の元へは戻ってこないと恐怖さえ覚えた。だから、カラクリ家でヨルクさんに『別れるつもりはなかった』と言われても今更と感じ、ヨルクさんとは全く口を聞いていない。
カラクリ家に逃げ込んだ時に、エミリさんに協力するよう言われ、お武家連盟会議はすぐに開かれた。私はエミリさんに言われたように、エミリさんに有利になる発言をし、過半数の同意を得た。
そして、レイカさんとカナコさんが私に同意したのち、エミリさんとカナエさんはセレナールさんに扇子を突き付けたのである。
「会議で攻撃的な真似はやめてくれるかしら?」
レイカさんの指摘にエミリさんとカナエさんは扇子をしまった。
「私も記憶を失ってた!だから、わざと2人を苦しめてない!」
ここでセレナールさんお得意の白々しい嘘が出た。もう誰も信じないだろうに。
「じゃあ、セリルに真実を聞き出してもらいます」
「やめて!遠い昔、カナエにされたことがどうしても忘れられないのよ!挙句に皇太子様をエミリに取られて私は全てを失った!ハメたのはカナエとエミリなのに今になって言い逃れするなんて卑怯よ!」
ここまで来ると、もうどちらが悪い度高いのか分からなくなってくる。確かに、あの時の博物館でセレナールさんはカナエさんの結界に閉じ込められ、見知らぬ男に襲われた。唯一のパートナーにはエミリさんと交際することになったと言われ、セレナールさんは捨てられた。セレナールさんからしてみれば、許せず復讐をしたのだろう。私が、かつてのカンザシさんを許せないように。
お武家連盟会議はまだ終わっていない。私はどちらの味方に付けばいいのだろう。
咄嗟に現世のみを考えエミリさんの味方をしてしまったが、遠い昔も加わると、カナエさんやエミリさんもセレナールさんを傷付けている。
「ねえ、どうする?ラルク」
「エミリさんの味方するんじゃなかったのかよ」
「遠い昔のことまで持ち出されるとは思ってなかったよ」
「いわゆる因縁ってヤツだよ。あと、落ち武者さんは必要な人材だ。これ以上危害加えるのはやめろ!使用人にするのもな!」
ラルクは落ち武者さんの能力をやたら勝っている。そりゃ、落ち武者さんはセリルさんの弟だし、頭がよくって当たり前だろうけど。
「分かったよ、ラルク。ムカつくけど落ち武者さんのことは許すよ」
「アンタ、ラルクのことなら何でも聞くんだな。僕は使用人でいい」
落ち武者さんて、こう見えて頑固だ。
「いや、だから、使用人はしなくていいと言っているでしょう!これ以上、私をイラつかせないでください!やってることカンザシさんと同じです!セリルさんに似ず、その浴衣全然似合ってませんね!」
「アンタ、一言多いな。とにかく姉さんに服着せろ」
何なの。いつも上から目線の命令してばかり。とてもじゃないけどセリルさんの弟とは思えない。
私はテナロスさんに依頼し、無言でセレナールさんが服を着ることを許可してもらった。少しすると使用人が浴衣を持ってきた。
「ナミネ、とりあえず当時のことを語れ!」
「分かったよ、ラルク」
皇太子様が映像を見るところから話せばいいだろうか。
「では、確認します。
遠い昔、セレナールさんはカラクリ家にて仲睦まじかった皇太子様が、ある映像を見ているのを発見し、口論になりましたね。そのことをカラルリさんに相談しているうちに、カラルリさんに気持ちが向いていった。皇太子様との話し合いが上手くいかないうちに、どんどんカラルリさんのことを好きになりました。同時に皇太子様との関係は崩れていった。
皇太子様は、寂しさのあまりセレナールさんの同意で、エミリさんとの関係を持ちましたね?当時のセレナールさんにとって親友のエミリさんは、それだけ大きな存在だったとお見受けします。
けれど、カラルリさんを好きになるほどにセナ王女とは犬猿の仲になりましたよね?
更には皇太子様とは拗れたまま、あの時の博物館にてカナエさんに岩の結界をかけられ、トイレの外に出れなくなり武官であろう見知らぬ男に襲われ、皇太子様からはエミリさんと正式交際すると言われ捨てられた。
その時のトラウマが今になって耐えきれないものとなり、時を超えて仕返しをした。
セレナールさん視点では、だいたいこんな感じでいいですか?」
もう、昔のことなんて私が聞きたいくらい。そりゃ、私も何度もヨルクさんの映像壊したけどさ。セレナールさんには誰かを従わせる度胸なんてないのだろうし。過去だって変えられない。
遠い昔のことなんて、どうすればよかったレベルの問題ではないと思う。
「え、ええ。だいたいそんな感じよ。カナエには結界かけられ男に襲われ、信頼していたエミリには婚約者を取られた。こんなのあんまりだわ!」
セレナールさんは泣きはじめた。
もう、どっちが被害者でどっちが加害者か分からなくなってくる。結局、その時はいい気でいても、あとから復讐されることもあるんだ。今のエミリさんとカナエさんのように。
けれど、いくら復讐してもセレナールさんの気は晴れず。
「カナエは、わざと結界をかけたわけではありません!セレナールのことを救おうとしていました!」
もうこれでは水掛け論だ。会議は終わらなくなる。
その時、雷がなり大雨が降りはじめた。今日は止まないだろう。
「では、カナエさんの過去について確認します。
あの日の博物館のトイレにて、カナエさんは約50人くらいの男に襲われた。咄嗟にカナエさんは結界をかけたものの、そこにセレナールさんも入っていて、解くわけにもいかず、そのままトイレを出ました。そこに悪意はなかったのでしょう。
カラルリさんは、何度もカナエさんを説得し、カナエさんは結界を解いたもののセレナールさんは間に合いませんでした。
そして、その男たちを雇ったのはセレナールさんだった。
それでも、セレナールさんを救おうとしたで間違いないですね?」
私が同じ立場だったら、流石に味方ごとは閉じ込めないだろう。あとで責任取らされるのも面倒だし。
当時のカナエさんの力量は強いと言っても伝説レベルではなかったと解釈するべきだろうか。
「はい、カナエはセレナールのこともちゃんと考えていました。セレナールは、いつも優しくて純粋で皇室に行っても紀元前村でも助け合って来た仲です。
ですが、いつしか、お兄様を心の底から愛するセナさんと仲良くするようになっていたと思います。
セレナールが変わったからではありません。セリルがカナコお姉様と交際したあと、セナさんが現れ、お兄様とスピード交際をし、カナエは2人を応援することが楽しみになっていました」
カナエさんは、カナコさんとセリルさんが交際するまではセレナールさんとかなり仲良くしていた。でも、セナ王女が現れてからは変わったのだろう。
時の流れが人を変えたと言うべきか、それとも他に理由があるのか。
「皇帝陛下からの文が届いたわ!カナエは懲役5年、エミリは懲役3年よ!」
いったい何が起きたのだろう。セレナールさんは紙飛行機を飛ばせないはず。だったら、誰かが代わりに飛ばしたのだろうか。そもそも、どうしてカナエさんとエミリさんのみが罪に問われたのだろう。
この時の私は、ウルクさんの1つ前の番人であるヤマヨリさんがセレナールさんを主君として称えていることなど全く知らなかったのである。
「こんなの不公平だわ!セレナールだけが罪に問われないなんて!寧ろ私のほうが被害者なのに!!」
「カナエも納得いきません!こんな長期間刑務所で過ごしていては留年してしまいます!カナエの将来を奪わないでください!」
とは言っても皇帝陛下の決断は絶対だ。でも、エミリさんとカナエさんの青春が奪われてしまうのも、それはそれで確かに不公平ではある。だったらどうすればいいのだろう。
「結局、理不尽なことして、そのままにしていれば、あとから罰を受けることになるのよ。皇帝陛下の決断が出た以上、お武家連盟会議を終了します。今日はこの雨で帰れないでしょうからカラクリ家に泊まるように」
レイカさんは突然会議を終了した。
けれど、その後も3人は言い争いを続けている。
「私も、こんな馬鹿げた結果、納得いかないわ!一方的ね、セレナール」
レイナさんは、まだ会議を続けるつもりだ。けれど、正直疲れてきた。茶菓子も食べ終わったし、お腹がすいてきた。
その時、ヨルクさんが私にスコーンを渡した。
「い、いりません!」
私はスコーンだけ奪ってヨルクさんを突き飛ばした。
「ナミネ、ごめんね。ナミネが戻って来てくれるまでずっと待ってる」
今更何なの。人を振り回して楽しんでいるの?こういうのめちゃくちゃ腹が立つ。
「ハッキリ言います!あの時、私が引き止めたのを無視された時、どれだけ辛かったか!どれだけ苦しかったか!落ち武者さんが邪魔した程度の関係ならいりません!本当身勝手ですね!私はもう、新しい彼がいますし、これ以上私に付きまとえば、恥をかくことになりますよ!」
私は苛立ちのあまり、ヨルクさんから渡されたスコーンを一気に食べた。
「ナミネ、本当に悪かったと思ってる。あの時、逃げてしまったこと。もうナミネは大丈夫とナミネとちゃんと話し合わなかったこと後悔してる。ナミネが許してくれるまで、ずっと待ってる。何年でも待つ!」
「いい人振らないでください!」
私は扇子を使い、ヨルクさんにセレナールさんを襲わせた。セレナールさんの浴衣は一気にはだけ、セレナールさんが股を開いた瞬間、レイナさんとカナエさん、エミリさんは写真に収めた。すぐに写真が出てくるカメラ、今でも滞ってなかったんだ。
「今すぐ状況を変えないと、この写真、学園中にばら撒くわよ!」
レイナさんって、こんなに怒りっぽかったっけ。この時の私はレイナさんに遠い昔タリスタという恋人がいて、交際2年でセレナールさんに気を持ちはじめたことを全く知らなかったのである。
「こんなことだろうと思ったわ。レイナ、やめなさい!」
レイカさんは、再び会議室に入ってくるなり、レイナさんから写真を全て取り上げた。これではエスカレートする一方だ。
「あの、エミリさんは皇太子様に助けを求め、カナエさんはウルクさんに頼んでみるのはどうでしょうか?」
もう、あとのことは当人らでどうにかしてほしい。
なんだか、具合が悪くなってきた。めまいと胸やけがする。私はエミリさんとカナエさんが紙飛行機を飛ばしている間にトイレに駆け込んだ。
やはり、ここもボットン便所残ってたか。
私は、即嘔吐した。また吐血してる。
落ち武者さんへの苛立ち。私を置いていったヨルクさんへの不安と恐怖。今の私は大きなストレスに苛まれている。
トイレから出ると彼氏役のユラルさんがいた。
「あ、すみません。客室案内しますね」
私はユラルさんを連れ客室に案内しようとした時、吐血して倒れた。
「ナミネ!」
ヨルクさんの声が聞こえる……。
私は夢を見ていた。
『ナミネ、あんたが好きだ』
『お代官様は私のどこが好きなのですか?』
『綺麗だから』
『単純過ぎる理由ですね。でも、今はフリーですし、お代官様と交際します』
そして、私と落ち武者さんは付き合いはじめた。少しすると私は落ち武者さんのマンションに引越し同棲をした。落ち武者さんは在宅ワークをしていて、私は伝説武官をしていた。
私は帰る度に制服をリビングに脱ぎっぱなしにし、ルームウェアに着替えるとお菓子を食べながらテレビを見た。落ち武者さんは在宅ワークの合間に家事をし、毎日私に手料理を振舞った。
休みの日にはデートに行き、落ち武者さんはいつも高級レストランに私を連れて行った。美味しそうにハンバーグを食べる私の口元についたソースをセルファは布で拭き取った。すると私は落ち武者さんの分のハンバーグも食べてしまったのである。
落ち武者さんが襲われている時は、私は落ち武者さんを助け、落ち武者さんが高熱に魘されている時は私は落ち武者さんを背負って病院に連れて行ったのである。また、落ち武者さんが疲れている時は私はアロマで落ち武者さんを癒した。この時の落ち武者さんは身体が弱く私は落ち武者さんを背負い何度も病院に連れて行ったのである。
いつも落ち武者さんはエルナさんに浮気をされ別れた後、絶望的になっていたゆえ、一生懸命落ち武者さんを支える私を落ち武者さんは心から愛おしく感じ、一生私を手放さないと心に誓ったのだ。
『お代官様、私、あるコンサートによく行くんです。お代官様も一緒に行きませんか?』
『分かった。行く』
私と落ち武者さんがカンザシさんのコンサートに行くと、ズームさんもいた。私とズームさんは別れたばかり、いや、カンザシに無理矢理別れさせられたばかりだったのだ。
『ズームさん、元気でしたか?』
『ナミネさん、お久しぶりです。そちらの方は?』
『今お付き合いしている人です。ズームさんのマンションのように広いマンションに住んでいるんです!』
コンサートが終わるとカンザシさんが来た。
『カンザシさん〜!お久しぶりです〜!』
『ナミネさん、来てくれたんですか!』
『はい、今は新しい彼と同棲しています』
カンザシさんは落ち武者さんを見た瞬間、嫉妬を覚えていたことを私は気付けなかった。
その夜、落ち武者さんは私を抱いた。
『あんた何で元カレと別れた』
『別れたのではありません。無理矢理別れさせられたんです』
『どういうことだ!』
『カンザシさんとズームさんの背中には勾玉のアザがあります。カンザシさんに危機が迫るとズームさんもこの世から消えてしまうんです。ズームさんは彼女をカンザシさんに取られたばかりだったのに、いざ私と付き合いはじめたら気に入らないのか、自殺未遂を何度も起こし、ズームさんと話し合った結果私たち別れたんです』
その後も私と落ち武者さんはカンザシさんのコンサートに行った。カンザシさんがコンサートを終えると落ち武者さんはカンザシさんに近づいた。
『あんた、随分卑怯な手使うんだな。僕とナミネのことも別れさせようとしてるだろ?』
『そんなことありません』
『けど、あんたは弱い。ツレの背中見せてもらうんだな』
落ち武者さんと私は何気ない幸せな日常を送っていた。カンザシさんは私と落ち武者さんを別れさせるつもりだったが、ズームさんの背中には勾玉のアザが消えていたのである。落ち武者さんが数式で割り出し、期間限定でアザを消したのだ。これで、カンザシさんはズームさんを巻き込むことが出来なくなってしまった。苛立ったカンザシさんは私に何度も自殺すると言った。
『じゃ、死ねば?』
『お代官様、それは言い過ぎです』
『だって、卑怯なやり方で別れさせられたんだろ?死にたいヤツはとっとと死ね!』
その後、カンザシさんはズームさんに何度も私と落ち武者さんを別れさせるようにお願いをした。ズームさんは断り続け、更にはカンザシさん1人で死ねばいいとも言ったものの、カンザシさんはミネスさんの初を奪うと言い、ズームさんはカンザシさんに従うしかなかったのである。ズームさんは落ち武者さんが私にプロポーズをするたび、時間を巻き戻した。しかし、落ち武者さんは敢えて時間を進ませ、私との結婚式の日になっていた。思い通りにならないカンザシさんは私と落ち武者さんの結婚式の真っ最中にミネスさんを中級武官にイジワルさせた。カンザシさんに裏切られたミネスさんはショックのあまりその日のうちに川に身を投げて死んだ。このことを知った皇帝陛下は私と落ち武者さんの婚姻を認めなかった。それでも私と落ち武者さんは籍を入れないまま一緒に暮らし続けていた。けれど、時は流れズームさんの勾玉が戻るとカンザシさんはまた自殺未遂を起こし、ズームさんは落ち武者さんが私にプロポーズする前に時間を戻し、ミネスさんを救った。落ち武者さんと私はこっそり婚姻届を出し、結婚式は取り止めにした。
『随分としつこいな』
『カンザシさんはどこまでも追ってきます』
そして、その日はやったきた。
落ち武者さんと私VSカンザシさんとズームさん。4人はあらゆる手で対戦をした。私がカンザシさんとズームさんを拘束してカンザシさんに何度も電流を流した。その間に落ち武者さんは数式を書いて私との未来を守ろうとした。
『ナミネ、番人呼び出せ!』
『はい、お代官様!』
私は、その時の番人を呼び出すと落ち武者さんと別れないようにお願いをした。
『残念ですが、ズームさんの予想未来により、セルファさんのみ古代に戻ってもらいます』
そして、落ち武者さんは古代に飛ばされ、私と永遠に引き離されてしまったのである。
『ナミネ……ナミネ!!!』
私は咄嗟に番人にセルファのところへ飛ばすように言った。私は落ち武者さんの元へ飛んで行った。
『そんな……ナミネさん……!ズーム、何とかしろ!』
『カンザシ、手遅れだ!』
私は倒れている落ち武者さんを見つけた。
『お代官様』
『ナミネ……』
私と落ち武者さんが飛ばされた場所は氷河期だった。私は落ち武者さんを抱き締めた。
『お代官様、いつか、いつか、また出逢いましょう』
『ナミネ、愛してる』
そして、2人は眠りにつきそのまま息を引き取った。2人が交際してから5年後のことだった。
夢はそこで途切れていた。
目を覚ますと私は布団の中にいて周りを見ると誰もいなかった。
あの夢は何だったのだろう。私は落ち武者さんとも交際をしていたのだろうか。そんなことどうでもいい。ヨルクさんに会いたい。私は布団から出た。
するとカナエさんが入ってきた。
「ナミネ、お粥置いておきます。主治医によると、軽いストレスだそうです。食後、薬を飲んでください。それと、人魚の湖の市場で絵を買いましたよね?あの絵を買った者が見た人魚の夢は近い未来で現実になるのです。キクリ家で供養しますので明日持ってきてください」
あの絵、気に入っていたけれど、まるで呪いの絵のようだったのか。別のものにすればよかった。
「はい、分かりました」
カナエさんは客間を出た。私は、あの後どうなったか聞きそびれてしまった。私はカナエさんが作ったお粥を食べはじめた。
その時、ヨルクさんが来た。私は泣きながらヨルクさんに抱き着いた。
「ナミネ、大丈夫?」
「はい、カナエさんによると軽いストレスだそうです。それと、人魚の絵、あれを持っている者が見た人魚の夢は近い未来に現実になるそうです。だから、カナエさんに供養してもらいます」
どうして市場に呪いのような絵が売っていたのだろう。
「うん、分かった。明日ナノハナ家に行って取ってくる」
「ヨルクさん、もう私を置いていかないでください」
「ナミネ、ごめん!二度とナミネを不安にさせない!ボディーシートとタライ、夜食のポトフ置いとくね」
ヨルクさんはポトフを机に置いた。
「はい」
私はまたヨルクさんに抱き着いた。
「ナミネ、ずっと傍にいるよ。今日は薬飲んで安静にしてようね」
「ヨルクさん、好き」
私はヨルクさんに抱き締められ緊張が解かれ安心に変わっていた。一応、落ち武者さんとも仲直りしたし、カナエさんもここにいるということはウルクさんがどうにかしてくれたのだろう。
私は薬を飲むとヨルクさんと同じ布団に入った。
けれど私は、あのデパートの時からカラルリさんが転生ローンを組んで1人悩んでいることを全く知らなかったのである。自分のことばかりで、カラルリさんとセナ王女のペアリングのことをすっかり忘れていたのだ。
嬉しそうな投稿をカップル日記に載せるセナ王女とはうらはらに833年ローンを契約したカラルリさんは9回分の来世を奪われたことに対して酷いノイローゼになっていたことを、あとで知ることになる。
もう少し周りをよく見るべきだった。あの時、カラルリさんとセナ王女が戻ってくるまでレストランにいるべきだった。
それでも、私はヨルクさんに捨てられた不安感から何も見えなくなっていた。
そして、誰もカラルリさんの異変に気付くものはいなかったのである。
明け方の4時頃、カラルリさんはカラクリ家の客間で首を吊った。
……
あとがき。
ショップの時にカラルリは、みんなに助けを求めていたのに。
今思うと『本人が決めること』と放置することは、時に残酷な自体を招くんですね。
人は助けてほしいから助けを求めるんです。
けれど、みんながそれを無視したら?
本人の問題だから何もしない。
本当にそれていいのでしょうか?
……
この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。