日常のこととかオリジナル小説のこととか。
カレンダー
プロフィール
HN:
ashita
Webサイト:
性別:
女性
職業:
地主(土地貸してます)
趣味:
漫画やアニメを見るのが好きです。最推しはフーディーニ ♡
自己紹介:
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
ブログ、もう書かないと思ってました。
けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。
ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。
小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。
よろしくお願い致します。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
お知らせ。
イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。
また、「カラクリよろずや」にて無料のフリーイラスト素材配布もはじめました✩.*˚
フリーイラスト素材も増やしていく予定です(*'ᴗ'*)
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。
ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
X @kigenzen1874
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
ブログ、もう書かないと思ってました。
けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。
ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。
小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。
よろしくお願い致します。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
お知らせ。
イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。
また、「カラクリよろずや」にて無料のフリーイラスト素材配布もはじめました✩.*˚
フリーイラスト素材も増やしていく予定です(*'ᴗ'*)
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。
ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
X @kigenzen1874
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
カテゴリー
アーカイブ
最新記事
ブログ内検索
フリーエリア
〈資格履歴〉
2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
〈資格証明バナー〉

2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
〈資格証明バナー〉

純愛偏差値 未来編 一人称版 108話
《ヨルク》
氷河期町でのバイト初日。
ナミネとラルク、セナ王女のみしか頂上に辿り着けなかった。他のメンバーは、途中でパラシュートで下りて行ったのである。
踏み場がないのか、カナエさんなんか、途中で踏み場を外していた。こんなバイト、応募するんじゃなかった。私は、ナミネのことが心配で心配で仕方ない。けれど、私は崖には登れない約立たずで、それがまた私を苦しめる。
石は取れたけど、宝石の原石かどうかは分からない。チラシの原石でなくても、宝石なら、どこかのショップで買い取ってはもらえるかもしれないけど、とにかく我々は2億3000万円返さなくてはならないのだ。
「あ、ズルエヌ、シャムのとこ泊まるから、電動貴族カー乗ったら?アヤネ」
何だそれは。
見たところ、まるでご老人が乗るような乗り物だが。
「はい、そうさせてもらいます」
「世間では、シニア向けの出回ってるけど、これ、油断してたらスピード出るから気を付けて」
貴族向けということは、対象は貴族なのだろうか。
「はい、分かりました」
そもそも、テントの温もりにしても、全く電池も充電もいらないのに、どうしてあそこまで優れているのだろう。
「あの、恒星の光と言いましても、どうして充電とか必要ないのでしょうか?」
思わず聞いてしまった。
「テントも貴族カーも雲のマークあるよね?そのに恒星の光が最大に取り込むから、電池も充電もいらないんだよー!skyグループの若い社員が考えたの。恒星の光シリーズは」
やっぱり、ブランケット家は規模が違いすぎる。遠い未来で開発されているようなものが現代にあるだなんて想像もつかないことが起きている。
というか、日本村は太陽系で地球という惑星の中にあるが、妖精村は恒星も惑星も、まだ分かっていない。
けれど、恒星がなければ妖精村もないわけで……。つまり、未発見のものを取り込む商品を開発しているということか。最先端。だから、値段も庶民には手が出せない。
「そうだったんですね。何か想像もつかないです」
ただ、暮らしているレベルが違うことだけは明確だ。
「じゃ、帰る」
テント、もう畳んだのか。何か、ブランケット家とは住む世界が違いすぎて距離感を抱いてしまう。
「あの、アヤネさんだけ楽するのはどうかと思います。アヤネさん、何もしてませんよね?」
紀元前村から、ナミネとアヤネさんの仲は悪くなってしまった。
「すみません。歩きます」
アヤネさんは、貴族だし別荘もあるのに、どうしてナノハナ家に留まるのだろう。クレナイ家も、近々下宿をするが、ナノハナ家は既に、みんなの溜まり場になっている気がする。
「ナミネ、ミネスがいいって言ってるんだから、ナミネが決めることじゃないよね」
ナルホさんは昔から諍いを好まない人だ。
「はいはい、アヤネさんだけ楽してくださいー!」
ナミネはムスッとしてしまった。
「私も納得いかないわね。アヤネはヌクヌクしたテントにいただけなのに、数時間マイナス50度に晒されていた崖登り係を差し置いて、自分のことしか考えてないとしか思えないわ」
リリカお姉様まで、アヤネさんを悪くいう。
「どうして、そのような言い方をされるのですか。イジメですよ」
結局、ナミネとリリカお姉様の言葉でズルエヌさんが乗ってきた乗り物はミネスさんが乗っている。てか、スピード出すぎじゃないかな。
免許がいらないということは、事前に皇帝陛下の許可を得ているということか。
「リリカ、アヤネは自転車に乗れないと言ってる。明日は私も崖登り頑張るから、アヤネに電動貴族カーを乗せてあげてくれないか?」
そういえば、メンバーの中では武家の最年長はカラルリさんだ。
「分かりました。カラルリさんが、そう言うのでしたら、乗り物はアヤネに譲ります」
武家は昔から、どこか上下関係がある。リリカお姉様も、カラルリさんに言われたら引き下がるしかないか。
それにしても、この洞窟、歩きだと先が見えないな。私は、ずっとテントにいたからいいものの、崖登り係は、ずっとマイナス50度に晒されていた。何だか、私も申し訳ない気持ちになる。私も崖を登れたら……。
『宿に着いたよー!』
ミネスさんからの無線。てか、速すぎないか!?いったい、どれだけ飛ばしたのだろう。ズルエヌさんが途中参加出来たのも、あの乗り物があったからか。
けれど、武士たる者、楽を覚えればお終いだ。
「ミネス!飛ばすな!危ないだろ!」
ズームさんは、本当にミネスさんのこと常に心配してるんだな。ナルホさんや、ナヤセスさんもそうか。
「お子ちゃまミネス!露天風呂の下見でもしとけ!」
『はいなー!』
露天風呂は自然と湧き出ているのなら、沸かす必要もない。というか、基本、宿の温泉は湧き出てるものか。色んな町があるものだな。それでも、停電は早く終わってほしい。カラルリさんの転生ローンも。
「あの、お手洗いに行きたいです」
アヤネさん、トイレ用テント使ってなかったのか。
「それなら、そこですることね」
リリカお姉様はいつもこうだ。先に生まれた人というのは、何故こうも威張るのだろう。ミドリさんは、あんなにおっとりしているというのに。
「ラルク。アヤネさん、内官だね」
「ナミネ、もう放っておけ」
何故か、みんな止まった。
「あの、見ないでください」
これでは、帰りが遅くなりそうだ。
「1つ言っておくけど、そのまましたら、ここ汚れるから、持ってるサバイバルグッズですることね」
一昔前は、野原でしても誰も何も言わなかったが、今の時代は昔とは違う。昔も私は立ちションなど恥ずべきことはしていないが。
「分かりました!先に行っててください!」
あれ、ロリハー家の武官はどうしたのだろう。
「アヤネさん、武官はどうしたんですか?」
「寒さに耐え切れず春風町の宿にいます」
テントに入ればよかったのに。何のための武官だろう。
「じゃ、みんな走るぞ!」
落ち武者さんのかけ声で、みんな走り出した。
「ま、待ってください!1人はいやです!」
アヤネさんも走って来た。でも、アヤネさんの雪山登山服は濡れていた。
歩きだと45分前後の洞窟も走れば25分ほどで、私たちは春風町の宿に着いた。
「アヤネ!汚い格好で入って来ないでください!」
カナエさんまで非難するか。
「お風呂入ります」
けれど、汚した雪山登山服はどうするのだろう。
「待った!どうして、何もしてないアヤネが先に入るのかしら?普通は崖登り係が先に入るべきでしょ」
何故、リリカお姉様が仕切る。
「ここの露天風呂広いよー!いい湯だった」
ミネスさん、さっぱりしてる。ここは、浴衣が借りれるのか。
「じゃ、全員まとめて入る」
宿は思ったより借りている人が少ない。やはり、借りている人は氷河期町のバイトをする人だろうか。駐車場に自転車も置いてあった気がする。
私たちは部屋に荷物を置いたあと、露天風呂に向かった。
私が知らないだけで、この宿は有名らしい。昔はよくテレビで紹介されていたとか。
「ナミネ、こっちで服脱ごうね」
私は、ナミネがみんなから見えない位置に移動させた。
「アンタ、結界かけりゃいいだけだろ。誰も子供に興味ないからね?」
子供って。ナミネは立派な中学生だ。ナミネに結界をかけてもらおうと思ったら、ナミネは既に全て脱いで露天風呂に向かって行った。
「ナミネ、待って!」
私は慌ててナミネを追いかけた。
「ラルク、いい湯だね」
他の客もいるのに、ナミネはタオルも巻かないでいる。
「まあ、有名なとこみたいだからな」
「ナミネ、タオル巻いて」
私はナミネにタオルを巻いた。
「アンタ、過保護すぎだろ」
そんなこと言ったって、彼女のこういうの他の男に見られるのいやだし。
あれ、女子高生っぽい人が3人入ってきた。
「あの、氷河期町のバイトしに来たのでしょうか?」
興味本位で聞いてしまった。
「ううん、この町の住人よ。学校帰りによく来るの」
この町に学校があるのか。そうは見えないけれども。
「あの、学校があるんですか?」
すると、女子高生たちはクスクス笑った。
「他の町から来たのね。見た通り、この町はド田舎だから、学校と行っても普通の民家で学ぶだけだけどね」
そうだったのか。こういうのどかな町も悪くはないな。
「そうなんですね。自転車屋さんはありますか?」
自転車は借りないと流石にキツイものがある。
「ここから歩いて15分くらいにあるわ。町の真ん中には市場もあるのよ」
何だか、蓮華町を思い出すな。けれど、のどかな町もそれはそれで、ちゃんとやっていけているのか。
「そうですか。明日、借りに行きます」
明日より、今日中のほうがいいかな。
「で?アンタら女子高生?原石バイトのヤツらも、ここ来るのかよ?」
落ち武者さん、ガッツリ女子高生見てる。本当に人は見かけによらない。学校では、あれほどにあどけなさ振りまいているのに……。
「ええ、高1よ。そうね、あまり言いたくないけど……頻繁に死者が出てるそうよ。氷河期町入った瞬間帰って行く人もいるみたいだけど」
本当に物騒な町だな。シャム軍医とか、あの町に生まれた人は、ずっとあの町にいなくてはいけないなんて、差別もまだまだなくならないものだと感じさせられる。
「ふぅん。僕らは3つ採取して来たけどね?」
別に落ち武者さんが採取したわけではないのに。
「え!凄い!プロなの?」
「まぁね」
プロはプロでも、原石採取に置いては素人のようなものだと思うが。
「ねえ、ラルク。ヨルクさん、ナンパしてるよ」
え、私でなく落ち武者さんだよね。って、ナミネが私のタオル引っ張ってる。
「ナミネ、やめて!私、ナンパしてないから!」
女子高生がクスクス笑ってる。何故いつも私が恥をかくのだろう。
「可愛い妹ね」
「あ、彼女なんです」
何か、このやり取り紀元前村でもしてたな。それも、公衆浴場で。
「え、そうなんだ」
「ねえ、この子もイケメンだけど、あっちの体型いいおっとりした男の人もいいよね」
ナヤセスさんかな。モテるんだなあ。
「あれは私の兄です。高校3年生で医者です」
「えー、若いのにもう就職決まってるの?ちなみに彼女は……」
クラスでもモテているのだろうか。
「残念ながらナヤセス殿には、運命の姫君がいます。でも、グルグル妖精のラハルさんと、ブランケット家のズームさんはフリーです!」
そういえば、ナヤセスさんとロナさんってスピード恋愛だったな。まるで、運命的なような。
「グルグル妖精?ブランケット家?何それ」
ここには、テレビがないのだろうか。
「あの、この町にはテレビはないのでしょうか?」
「あるけど、白黒だし、各家にあるわけではないわね。テレビのある家に集まる人はいるけど」
まるで、日本村の昭和時代中期だな。
知らなかっただけで、妖精村には、色んな町があるんだなって、しみじみ思わせられる。
「ラハルはダメよ。私と交際してるの」
何故に嘘をつく。
「あー、確かにイケメンね。もう1人のほうはタイプではないかな」
女子高生、苦笑してる。ズームさんも、どうしてお風呂の中までメガネかけているのだろう。
「ズームさんもイケメンですぞ」
「うーん……ナヤセスって人がいいかな」
ナヤセスさんはモテるなー。紅葉町に戻ってくるまで、恋愛経験全くなしというのが不思議で仕方ない。
「アンタ、フラれたな」
「私にはナミネがいるから!」
この町のこと聞いてただけじゃない。確かに、少し綺麗かもしれないけど、ナミネのほうが可愛いし。
「お姉さんたちは彼氏はいますか?」
今、ナヤセスさんがいいって言ってたばかりなのに、何故聞く。
「先月別れたばかり」
「出会いとかないからなあ」
「他に好きな人いるみたいで……」
このような田舎町でも、この人らは普通に青春を楽しんでいるのだな。
「ふむふむ、上手くいきませんな。でも、妥協してみるのもありかもしれませんぞ?私のように」
え、妥協って何?私のこと本気じゃないの?
「ねえ、ナミネ!妥協って何?私たち両想いだよね?」
私は、真剣にずっとナミネのこと待ってたのに。
「うーん、妥協はなしかな」
誰だってそうだろう。昔はともかく、現代はみんな好きな人と一緒になるのが当たり前のようなものだ。
「あ、この人もフリーですぞ」
ナミネは何故か落ち武者さんを差し出した。
「ちょっと幼いかな」
落ち武者さんやナルホさんって幼く見える。ナルホさんは大人になっても年齢確認されていたような。
「僕、貯金あるけど?」
確かに落ち武者さんは天の川村で稼いでいた。
「お金と言っても、この町は農家ばかりで職業なんてほとんどないし。都会に出る人もいるけど、学校出ても、8割はここに残ってるからなあ」
珍しいものだな。たいていは、田舎より都会がいいと故郷を捨てるものだろうに。春風町は、住人から好かれているんだな。
「うーん、この人とかどうですか?」
何故、一国の王子を差し出す。
「ちょっとイケメンだけど、いかにも都会っ子って感じで合わなさそう」
セナ王女、笑ってる。
「会わないって、王子様」
「え、王子なの?」
この人らも玉の輿とか狙っているのだろうか。
「ええ、アルフォンス王子よ。一緒になれば、将来は安泰ね」
「そう……ですか。王室も楽しそうかもしれませんが、やっぱり私たちは、この町が好きなので離れたくないです」
そんなに、この町は人気があるのか。しばらく、宿で過ごしてみたら私も、この町の良さが分かるだろうか。確かに、この町でナミネと2人生きていくのもいいかもしれないな。
「お姉さんたちは、どうして、この町がいいのですか?」
その時、エルナが私の肩を叩いた。
「落ち武者さん、どう思う?」
どうって……。いきなりどうして聞くのだろう。
「うーん、一言一言多いけど、でも、交際すれば幸せになれると思う」
そうなんじゃないの?落ち武者さんは、簡単に女子(おなご)に手を挙げたりしないし、料理も出来るし、エルナのこと特別扱いだし。
「人には表裏があるものよ。男ってワガママなものね。落ち武者さんは、私を好きと言いながら、最初はあれこれ尽くしてくれたのに、そのうちに風俗通いしはじめたのよ」
お疲れ様さんが!?
「え、でも、エルナが浮気したんじゃないの?」
てか、あの浮気相手、どこかで見た気がするんだよな。
「落ち武者さんがそう言ったのね。確かに、私は裏切ったわ。耐え切れなかったの。落ち武者さんの風俗通いに浮気にね。挙句には、ナミネとも付き合いたいから手紙書いてほしいって何度も言ってきたのよ。あの頃の私は許せなかった。だから、私も他で心の拠り所をさがしたわ」
えええええ!落ち武者さんが本当に風俗通いしていたのか!?ますます、人は分からない。それに、前もナミネのこと好きって言ってたけど、本当だったのか。確かに、成長したナミネはかなりモテる。今とは比べものにならないくらいに。セレナールさんより魅力的にもなるし、ズームさんやラハルさんが、かつて一目惚れしたのも無理もないだろう。
「い、意外。じゃあ、エルナは、もう落ち武者さんのこと好きじゃないの?」
落ち武者さんが、そんなに女にだらしないなら、他の男探したほうがいいと思う。
「好きよ。だから転校したの」
好きなのか!しかも、転校してまで追ってくるなんて。落ち武者さんも明らかエルナのこと好きだし、復縁はないのだろうか。
「アンタら、何ヒソヒソ話してんのさ。そろそろ出るぞ!」
落ち武者さん、女子高生の腰抱いてる。
「ねえ、落ち武者さん!どうして他の女子(おなご)と仲良くするの?何故、エルナの気持ちを分かってあげない」
「男は、みんなそうよ」
エルナは割り切ってるかもしれないけど、私だったらいやだ。
「アンタ、何熱くなってんのさ。エルナとは終わった関係だ」
落ち武者さん何も分かってない。
「行こ、ラルク」
「ああ」
話してるうちに、ナミネとラルクが露天風呂を出て行った。
この町の宿には色んな浴衣がある。これも、客の1つの楽しみだろうか。ナミネは桜の浴衣を着ている。
あ、ナミネの髪を乾かさないと。って、思っていたらズームさんが、見たこともない何かでナミネの髪を乾かしている。あれも、skyグループの商品だろうか。
「はい、ナミネさん終わりましたよ」
「ありがとうございます、ズームさん。このドライヤー、コンパクトでデザインも可愛くて素敵ですね」
やっぱり商品なだけにデザインにも拘っているのか。
「これもコンセントに繋ぐ必要のない商品なんです。人気の商品で、直ぐに売れるんですよ」
貴族なら、直ぐに買うわけか。
「ナミネ、その浴衣似合ってる」
少し、髪伸びただろうか。
「ヨルクさんは、今日もダサイですね!」
「ナミネ、また髪伸ばしてるの?」
まさか、またセレナールさんのこと気にしているのかな。
「はい」
ナミネは、あまり髪長くないほうが似合うと思うんだけど。ずっと伸ばしていたな。小学生の頃から、常に腰まであったナミネの髪。けれど、私は幼稚園の頃のオカッパのナミネが可愛いと思っていた。
「ナミネ、オカッパにしてみたらどう?」
今のナミネもオカッパが似合うと思う。
「ねえ、ラルク。オカッパだって」
「まあ、ヨルクお兄様は時代に疎いからな」
何それ。オカッパはオカッパじゃない。
「ボブヘアーって言うんだよ。アンタ、本当古いな」
落ち武者さんまで。
「別に何でもいいでしょ、伝われば」
そういえば、ナナミさんやナクリさん意外は、みんな髪伸ばしているなあ。
「じゃ、自転車借りに行く」
そうだった。今のうちに借りておかないと。それにしても、時刻は18時を回っているのに、外は明るい。今の時期だけだろうか。
「私は何もしてないアヤネが行くべきだと思うわ」
またリリカお姉様が出しゃばる。
「えっ、でも1人で行くのは怖いです」
この町なら安全な気もするけど、どうなのだろう。
「エルナ、着いて行ってやれ」
「分かったわ」
それなら大丈夫か。
「あの、不公平じゃありませんか?ローカハリ、行ってきてください」
「かしこましました。アヤネお嬢様」
貴族というものは、直ぐに武官を動かすのか。カナエさんなんて、初級武官までしか呼べないのに。コノハ家は、伝説武官雇ったらしいけど、私情で動かしたりはしない。
「人見下しアヤネ。アンタもっと協調性持てないのか?」
「カナエも何もしていないアヤネが自転車を借りに行くべきだと思います」
「アヤネ、あなたグループから追い出すわよ」
これではまるで、かつてのセレナールさんの時と同じだ。
「やめてください!どうして私ばかりに言うんですか!」
その時、ナミネとラルクの顔色が変わった。
「ラルク、凄く眠い」
「ナミネ、今すぐ寝ろ」
ナミネとラルクは敷いてあった1つの布団に2人で入り、直ぐに眠りについた。よほど疲れていたんだな。無理もない。休憩なしの作業だったから。
「これで分かったでしょ?崖登り係は自転車借りに行く余裕なんてないの!」
確かに、崖に登れていないカラルリさんとアルフォンス王子も疲れている感じだ。誰が借りに行くのだろう。自転車がないと、洞窟を歩く時間がロスになってしまう。
「僕が行くよ」
え、ナヤセスさんが?ナヤセスさんだって、活動していたのに。その瞬間、リリカお姉様はアヤネさんを引っぱたいた。
「どこまでも図々しい女ね!行かないと、あなたのお姉様に紙飛行機飛ばすわよ!」
リリカお姉様は昔からこうだ。逆らえば無理矢理動かそうとする。けれど、ラルクには対等に接していた。
「い、行きます!」
結局、自転車はナヤセスさんとアヤネさん、ローカハリさん、エルナで借りに行くことになった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あとがき。
今更ながら、妖精村は太陽系ですらないんですよね。
惑星の名前も、衛生の名前も、恒星の名前も分からない。未知の村。太陽系の情報を得られるのは、衛生の通信のようです。
原石。チラシの値段通りに買い取ってくれるのでしょうか。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
《ヨルク》
氷河期町でのバイト初日。
ナミネとラルク、セナ王女のみしか頂上に辿り着けなかった。他のメンバーは、途中でパラシュートで下りて行ったのである。
踏み場がないのか、カナエさんなんか、途中で踏み場を外していた。こんなバイト、応募するんじゃなかった。私は、ナミネのことが心配で心配で仕方ない。けれど、私は崖には登れない約立たずで、それがまた私を苦しめる。
石は取れたけど、宝石の原石かどうかは分からない。チラシの原石でなくても、宝石なら、どこかのショップで買い取ってはもらえるかもしれないけど、とにかく我々は2億3000万円返さなくてはならないのだ。
「あ、ズルエヌ、シャムのとこ泊まるから、電動貴族カー乗ったら?アヤネ」
何だそれは。
見たところ、まるでご老人が乗るような乗り物だが。
「はい、そうさせてもらいます」
「世間では、シニア向けの出回ってるけど、これ、油断してたらスピード出るから気を付けて」
貴族向けということは、対象は貴族なのだろうか。
「はい、分かりました」
そもそも、テントの温もりにしても、全く電池も充電もいらないのに、どうしてあそこまで優れているのだろう。
「あの、恒星の光と言いましても、どうして充電とか必要ないのでしょうか?」
思わず聞いてしまった。
「テントも貴族カーも雲のマークあるよね?そのに恒星の光が最大に取り込むから、電池も充電もいらないんだよー!skyグループの若い社員が考えたの。恒星の光シリーズは」
やっぱり、ブランケット家は規模が違いすぎる。遠い未来で開発されているようなものが現代にあるだなんて想像もつかないことが起きている。
というか、日本村は太陽系で地球という惑星の中にあるが、妖精村は恒星も惑星も、まだ分かっていない。
けれど、恒星がなければ妖精村もないわけで……。つまり、未発見のものを取り込む商品を開発しているということか。最先端。だから、値段も庶民には手が出せない。
「そうだったんですね。何か想像もつかないです」
ただ、暮らしているレベルが違うことだけは明確だ。
「じゃ、帰る」
テント、もう畳んだのか。何か、ブランケット家とは住む世界が違いすぎて距離感を抱いてしまう。
「あの、アヤネさんだけ楽するのはどうかと思います。アヤネさん、何もしてませんよね?」
紀元前村から、ナミネとアヤネさんの仲は悪くなってしまった。
「すみません。歩きます」
アヤネさんは、貴族だし別荘もあるのに、どうしてナノハナ家に留まるのだろう。クレナイ家も、近々下宿をするが、ナノハナ家は既に、みんなの溜まり場になっている気がする。
「ナミネ、ミネスがいいって言ってるんだから、ナミネが決めることじゃないよね」
ナルホさんは昔から諍いを好まない人だ。
「はいはい、アヤネさんだけ楽してくださいー!」
ナミネはムスッとしてしまった。
「私も納得いかないわね。アヤネはヌクヌクしたテントにいただけなのに、数時間マイナス50度に晒されていた崖登り係を差し置いて、自分のことしか考えてないとしか思えないわ」
リリカお姉様まで、アヤネさんを悪くいう。
「どうして、そのような言い方をされるのですか。イジメですよ」
結局、ナミネとリリカお姉様の言葉でズルエヌさんが乗ってきた乗り物はミネスさんが乗っている。てか、スピード出すぎじゃないかな。
免許がいらないということは、事前に皇帝陛下の許可を得ているということか。
「リリカ、アヤネは自転車に乗れないと言ってる。明日は私も崖登り頑張るから、アヤネに電動貴族カーを乗せてあげてくれないか?」
そういえば、メンバーの中では武家の最年長はカラルリさんだ。
「分かりました。カラルリさんが、そう言うのでしたら、乗り物はアヤネに譲ります」
武家は昔から、どこか上下関係がある。リリカお姉様も、カラルリさんに言われたら引き下がるしかないか。
それにしても、この洞窟、歩きだと先が見えないな。私は、ずっとテントにいたからいいものの、崖登り係は、ずっとマイナス50度に晒されていた。何だか、私も申し訳ない気持ちになる。私も崖を登れたら……。
『宿に着いたよー!』
ミネスさんからの無線。てか、速すぎないか!?いったい、どれだけ飛ばしたのだろう。ズルエヌさんが途中参加出来たのも、あの乗り物があったからか。
けれど、武士たる者、楽を覚えればお終いだ。
「ミネス!飛ばすな!危ないだろ!」
ズームさんは、本当にミネスさんのこと常に心配してるんだな。ナルホさんや、ナヤセスさんもそうか。
「お子ちゃまミネス!露天風呂の下見でもしとけ!」
『はいなー!』
露天風呂は自然と湧き出ているのなら、沸かす必要もない。というか、基本、宿の温泉は湧き出てるものか。色んな町があるものだな。それでも、停電は早く終わってほしい。カラルリさんの転生ローンも。
「あの、お手洗いに行きたいです」
アヤネさん、トイレ用テント使ってなかったのか。
「それなら、そこですることね」
リリカお姉様はいつもこうだ。先に生まれた人というのは、何故こうも威張るのだろう。ミドリさんは、あんなにおっとりしているというのに。
「ラルク。アヤネさん、内官だね」
「ナミネ、もう放っておけ」
何故か、みんな止まった。
「あの、見ないでください」
これでは、帰りが遅くなりそうだ。
「1つ言っておくけど、そのまましたら、ここ汚れるから、持ってるサバイバルグッズですることね」
一昔前は、野原でしても誰も何も言わなかったが、今の時代は昔とは違う。昔も私は立ちションなど恥ずべきことはしていないが。
「分かりました!先に行っててください!」
あれ、ロリハー家の武官はどうしたのだろう。
「アヤネさん、武官はどうしたんですか?」
「寒さに耐え切れず春風町の宿にいます」
テントに入ればよかったのに。何のための武官だろう。
「じゃ、みんな走るぞ!」
落ち武者さんのかけ声で、みんな走り出した。
「ま、待ってください!1人はいやです!」
アヤネさんも走って来た。でも、アヤネさんの雪山登山服は濡れていた。
歩きだと45分前後の洞窟も走れば25分ほどで、私たちは春風町の宿に着いた。
「アヤネ!汚い格好で入って来ないでください!」
カナエさんまで非難するか。
「お風呂入ります」
けれど、汚した雪山登山服はどうするのだろう。
「待った!どうして、何もしてないアヤネが先に入るのかしら?普通は崖登り係が先に入るべきでしょ」
何故、リリカお姉様が仕切る。
「ここの露天風呂広いよー!いい湯だった」
ミネスさん、さっぱりしてる。ここは、浴衣が借りれるのか。
「じゃ、全員まとめて入る」
宿は思ったより借りている人が少ない。やはり、借りている人は氷河期町のバイトをする人だろうか。駐車場に自転車も置いてあった気がする。
私たちは部屋に荷物を置いたあと、露天風呂に向かった。
私が知らないだけで、この宿は有名らしい。昔はよくテレビで紹介されていたとか。
「ナミネ、こっちで服脱ごうね」
私は、ナミネがみんなから見えない位置に移動させた。
「アンタ、結界かけりゃいいだけだろ。誰も子供に興味ないからね?」
子供って。ナミネは立派な中学生だ。ナミネに結界をかけてもらおうと思ったら、ナミネは既に全て脱いで露天風呂に向かって行った。
「ナミネ、待って!」
私は慌ててナミネを追いかけた。
「ラルク、いい湯だね」
他の客もいるのに、ナミネはタオルも巻かないでいる。
「まあ、有名なとこみたいだからな」
「ナミネ、タオル巻いて」
私はナミネにタオルを巻いた。
「アンタ、過保護すぎだろ」
そんなこと言ったって、彼女のこういうの他の男に見られるのいやだし。
あれ、女子高生っぽい人が3人入ってきた。
「あの、氷河期町のバイトしに来たのでしょうか?」
興味本位で聞いてしまった。
「ううん、この町の住人よ。学校帰りによく来るの」
この町に学校があるのか。そうは見えないけれども。
「あの、学校があるんですか?」
すると、女子高生たちはクスクス笑った。
「他の町から来たのね。見た通り、この町はド田舎だから、学校と行っても普通の民家で学ぶだけだけどね」
そうだったのか。こういうのどかな町も悪くはないな。
「そうなんですね。自転車屋さんはありますか?」
自転車は借りないと流石にキツイものがある。
「ここから歩いて15分くらいにあるわ。町の真ん中には市場もあるのよ」
何だか、蓮華町を思い出すな。けれど、のどかな町もそれはそれで、ちゃんとやっていけているのか。
「そうですか。明日、借りに行きます」
明日より、今日中のほうがいいかな。
「で?アンタら女子高生?原石バイトのヤツらも、ここ来るのかよ?」
落ち武者さん、ガッツリ女子高生見てる。本当に人は見かけによらない。学校では、あれほどにあどけなさ振りまいているのに……。
「ええ、高1よ。そうね、あまり言いたくないけど……頻繁に死者が出てるそうよ。氷河期町入った瞬間帰って行く人もいるみたいだけど」
本当に物騒な町だな。シャム軍医とか、あの町に生まれた人は、ずっとあの町にいなくてはいけないなんて、差別もまだまだなくならないものだと感じさせられる。
「ふぅん。僕らは3つ採取して来たけどね?」
別に落ち武者さんが採取したわけではないのに。
「え!凄い!プロなの?」
「まぁね」
プロはプロでも、原石採取に置いては素人のようなものだと思うが。
「ねえ、ラルク。ヨルクさん、ナンパしてるよ」
え、私でなく落ち武者さんだよね。って、ナミネが私のタオル引っ張ってる。
「ナミネ、やめて!私、ナンパしてないから!」
女子高生がクスクス笑ってる。何故いつも私が恥をかくのだろう。
「可愛い妹ね」
「あ、彼女なんです」
何か、このやり取り紀元前村でもしてたな。それも、公衆浴場で。
「え、そうなんだ」
「ねえ、この子もイケメンだけど、あっちの体型いいおっとりした男の人もいいよね」
ナヤセスさんかな。モテるんだなあ。
「あれは私の兄です。高校3年生で医者です」
「えー、若いのにもう就職決まってるの?ちなみに彼女は……」
クラスでもモテているのだろうか。
「残念ながらナヤセス殿には、運命の姫君がいます。でも、グルグル妖精のラハルさんと、ブランケット家のズームさんはフリーです!」
そういえば、ナヤセスさんとロナさんってスピード恋愛だったな。まるで、運命的なような。
「グルグル妖精?ブランケット家?何それ」
ここには、テレビがないのだろうか。
「あの、この町にはテレビはないのでしょうか?」
「あるけど、白黒だし、各家にあるわけではないわね。テレビのある家に集まる人はいるけど」
まるで、日本村の昭和時代中期だな。
知らなかっただけで、妖精村には、色んな町があるんだなって、しみじみ思わせられる。
「ラハルはダメよ。私と交際してるの」
何故に嘘をつく。
「あー、確かにイケメンね。もう1人のほうはタイプではないかな」
女子高生、苦笑してる。ズームさんも、どうしてお風呂の中までメガネかけているのだろう。
「ズームさんもイケメンですぞ」
「うーん……ナヤセスって人がいいかな」
ナヤセスさんはモテるなー。紅葉町に戻ってくるまで、恋愛経験全くなしというのが不思議で仕方ない。
「アンタ、フラれたな」
「私にはナミネがいるから!」
この町のこと聞いてただけじゃない。確かに、少し綺麗かもしれないけど、ナミネのほうが可愛いし。
「お姉さんたちは彼氏はいますか?」
今、ナヤセスさんがいいって言ってたばかりなのに、何故聞く。
「先月別れたばかり」
「出会いとかないからなあ」
「他に好きな人いるみたいで……」
このような田舎町でも、この人らは普通に青春を楽しんでいるのだな。
「ふむふむ、上手くいきませんな。でも、妥協してみるのもありかもしれませんぞ?私のように」
え、妥協って何?私のこと本気じゃないの?
「ねえ、ナミネ!妥協って何?私たち両想いだよね?」
私は、真剣にずっとナミネのこと待ってたのに。
「うーん、妥協はなしかな」
誰だってそうだろう。昔はともかく、現代はみんな好きな人と一緒になるのが当たり前のようなものだ。
「あ、この人もフリーですぞ」
ナミネは何故か落ち武者さんを差し出した。
「ちょっと幼いかな」
落ち武者さんやナルホさんって幼く見える。ナルホさんは大人になっても年齢確認されていたような。
「僕、貯金あるけど?」
確かに落ち武者さんは天の川村で稼いでいた。
「お金と言っても、この町は農家ばかりで職業なんてほとんどないし。都会に出る人もいるけど、学校出ても、8割はここに残ってるからなあ」
珍しいものだな。たいていは、田舎より都会がいいと故郷を捨てるものだろうに。春風町は、住人から好かれているんだな。
「うーん、この人とかどうですか?」
何故、一国の王子を差し出す。
「ちょっとイケメンだけど、いかにも都会っ子って感じで合わなさそう」
セナ王女、笑ってる。
「会わないって、王子様」
「え、王子なの?」
この人らも玉の輿とか狙っているのだろうか。
「ええ、アルフォンス王子よ。一緒になれば、将来は安泰ね」
「そう……ですか。王室も楽しそうかもしれませんが、やっぱり私たちは、この町が好きなので離れたくないです」
そんなに、この町は人気があるのか。しばらく、宿で過ごしてみたら私も、この町の良さが分かるだろうか。確かに、この町でナミネと2人生きていくのもいいかもしれないな。
「お姉さんたちは、どうして、この町がいいのですか?」
その時、エルナが私の肩を叩いた。
「落ち武者さん、どう思う?」
どうって……。いきなりどうして聞くのだろう。
「うーん、一言一言多いけど、でも、交際すれば幸せになれると思う」
そうなんじゃないの?落ち武者さんは、簡単に女子(おなご)に手を挙げたりしないし、料理も出来るし、エルナのこと特別扱いだし。
「人には表裏があるものよ。男ってワガママなものね。落ち武者さんは、私を好きと言いながら、最初はあれこれ尽くしてくれたのに、そのうちに風俗通いしはじめたのよ」
お疲れ様さんが!?
「え、でも、エルナが浮気したんじゃないの?」
てか、あの浮気相手、どこかで見た気がするんだよな。
「落ち武者さんがそう言ったのね。確かに、私は裏切ったわ。耐え切れなかったの。落ち武者さんの風俗通いに浮気にね。挙句には、ナミネとも付き合いたいから手紙書いてほしいって何度も言ってきたのよ。あの頃の私は許せなかった。だから、私も他で心の拠り所をさがしたわ」
えええええ!落ち武者さんが本当に風俗通いしていたのか!?ますます、人は分からない。それに、前もナミネのこと好きって言ってたけど、本当だったのか。確かに、成長したナミネはかなりモテる。今とは比べものにならないくらいに。セレナールさんより魅力的にもなるし、ズームさんやラハルさんが、かつて一目惚れしたのも無理もないだろう。
「い、意外。じゃあ、エルナは、もう落ち武者さんのこと好きじゃないの?」
落ち武者さんが、そんなに女にだらしないなら、他の男探したほうがいいと思う。
「好きよ。だから転校したの」
好きなのか!しかも、転校してまで追ってくるなんて。落ち武者さんも明らかエルナのこと好きだし、復縁はないのだろうか。
「アンタら、何ヒソヒソ話してんのさ。そろそろ出るぞ!」
落ち武者さん、女子高生の腰抱いてる。
「ねえ、落ち武者さん!どうして他の女子(おなご)と仲良くするの?何故、エルナの気持ちを分かってあげない」
「男は、みんなそうよ」
エルナは割り切ってるかもしれないけど、私だったらいやだ。
「アンタ、何熱くなってんのさ。エルナとは終わった関係だ」
落ち武者さん何も分かってない。
「行こ、ラルク」
「ああ」
話してるうちに、ナミネとラルクが露天風呂を出て行った。
この町の宿には色んな浴衣がある。これも、客の1つの楽しみだろうか。ナミネは桜の浴衣を着ている。
あ、ナミネの髪を乾かさないと。って、思っていたらズームさんが、見たこともない何かでナミネの髪を乾かしている。あれも、skyグループの商品だろうか。
「はい、ナミネさん終わりましたよ」
「ありがとうございます、ズームさん。このドライヤー、コンパクトでデザインも可愛くて素敵ですね」
やっぱり商品なだけにデザインにも拘っているのか。
「これもコンセントに繋ぐ必要のない商品なんです。人気の商品で、直ぐに売れるんですよ」
貴族なら、直ぐに買うわけか。
「ナミネ、その浴衣似合ってる」
少し、髪伸びただろうか。
「ヨルクさんは、今日もダサイですね!」
「ナミネ、また髪伸ばしてるの?」
まさか、またセレナールさんのこと気にしているのかな。
「はい」
ナミネは、あまり髪長くないほうが似合うと思うんだけど。ずっと伸ばしていたな。小学生の頃から、常に腰まであったナミネの髪。けれど、私は幼稚園の頃のオカッパのナミネが可愛いと思っていた。
「ナミネ、オカッパにしてみたらどう?」
今のナミネもオカッパが似合うと思う。
「ねえ、ラルク。オカッパだって」
「まあ、ヨルクお兄様は時代に疎いからな」
何それ。オカッパはオカッパじゃない。
「ボブヘアーって言うんだよ。アンタ、本当古いな」
落ち武者さんまで。
「別に何でもいいでしょ、伝われば」
そういえば、ナナミさんやナクリさん意外は、みんな髪伸ばしているなあ。
「じゃ、自転車借りに行く」
そうだった。今のうちに借りておかないと。それにしても、時刻は18時を回っているのに、外は明るい。今の時期だけだろうか。
「私は何もしてないアヤネが行くべきだと思うわ」
またリリカお姉様が出しゃばる。
「えっ、でも1人で行くのは怖いです」
この町なら安全な気もするけど、どうなのだろう。
「エルナ、着いて行ってやれ」
「分かったわ」
それなら大丈夫か。
「あの、不公平じゃありませんか?ローカハリ、行ってきてください」
「かしこましました。アヤネお嬢様」
貴族というものは、直ぐに武官を動かすのか。カナエさんなんて、初級武官までしか呼べないのに。コノハ家は、伝説武官雇ったらしいけど、私情で動かしたりはしない。
「人見下しアヤネ。アンタもっと協調性持てないのか?」
「カナエも何もしていないアヤネが自転車を借りに行くべきだと思います」
「アヤネ、あなたグループから追い出すわよ」
これではまるで、かつてのセレナールさんの時と同じだ。
「やめてください!どうして私ばかりに言うんですか!」
その時、ナミネとラルクの顔色が変わった。
「ラルク、凄く眠い」
「ナミネ、今すぐ寝ろ」
ナミネとラルクは敷いてあった1つの布団に2人で入り、直ぐに眠りについた。よほど疲れていたんだな。無理もない。休憩なしの作業だったから。
「これで分かったでしょ?崖登り係は自転車借りに行く余裕なんてないの!」
確かに、崖に登れていないカラルリさんとアルフォンス王子も疲れている感じだ。誰が借りに行くのだろう。自転車がないと、洞窟を歩く時間がロスになってしまう。
「僕が行くよ」
え、ナヤセスさんが?ナヤセスさんだって、活動していたのに。その瞬間、リリカお姉様はアヤネさんを引っぱたいた。
「どこまでも図々しい女ね!行かないと、あなたのお姉様に紙飛行機飛ばすわよ!」
リリカお姉様は昔からこうだ。逆らえば無理矢理動かそうとする。けれど、ラルクには対等に接していた。
「い、行きます!」
結局、自転車はナヤセスさんとアヤネさん、ローカハリさん、エルナで借りに行くことになった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あとがき。
今更ながら、妖精村は太陽系ですらないんですよね。
惑星の名前も、衛生の名前も、恒星の名前も分からない。未知の村。太陽系の情報を得られるのは、衛生の通信のようです。
原石。チラシの値段通りに買い取ってくれるのでしょうか。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
PR