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日常のこととかオリジナル小説のこととか。
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HN:
ashita
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性別:
女性
職業:
地主(土地貸してます)
趣味:
漫画やアニメを見るのが好きです。最推しはフーディーニ ♡
自己紹介:
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ブログ、もう書かないと思ってました。

けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。

小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。

純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。

元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。

ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。

小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。

よろしくお願い致します。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

お知らせ。

イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。

また、「カラクリよろずや」にて無料のフリーイラスト素材配布もはじめました✩.*˚

フリーイラスト素材も増やしていく予定です(*'ᴗ'*)

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。

ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。

小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。

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X @kigenzen1874

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〈資格履歴〉

2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格

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〈資格証明バナー〉

鉛筆デッサンマスター®認定試験資格取得証明
絵画インストラクター資格資格認定証
宝石鑑定アドバイザー資格認定試験資格取得証明
鉱石セラピスト資格資格保持証明
茶道アドバイザー資格認定試験資格取得証明
お点前インストラクター資格資格認定証
着物マイスター®資格認定試験資格取得証明
着付け方インストラクター資格資格認定証
サイキックアドバイザー®資格資格証明
サイキックヒーラー資格資格保持証明
アンガーカウンセラー®資格資格保持証明
アンガーコントロール士資格資格認定証
漢方コーディネーター®資格認定試験資格保持証明
薬膳調整師®資格認定試験資格保持証明
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純愛偏差値 未来編 一人称版 141話

《ミナク》

虹色街にて、ナミネの映画撮影は無事に終わった。序盤でナミネが襲われかけたけれど、襲うだけ無駄だ。ナミネは強いが弱い武士でも一般人に負けるなんてことはない。
41%の華の涙のモデルになった事件は紅葉町 廃墟 集団事件で、今となっては誰もが忘れているだろう事件だと思っていた。それでも、最初に上映された『さよなら、ごめん、でも……』が、あまりにリアルだったため、あの時は高校生の同級生が盛り上がっていた。けれど私は、あの映画が女優の犠牲だということには気付いていた。実際に起きた事件を再現するなら手段を選ばないのかと恐ろしくもなった。
「あら、あなたの好きなサヤキよ。良いのかしら? カラルリと仲良さげだけど」
サヤキは高校生フラワー女優だ。フラワー女優にも関わらずキュート女優のような写真集も出していて、妖精村の男を魅了している。まだ芸能界デビューして浅いのに、ベテランのフラワー女優よりランキング上位にある。美人だし、キュート女優にはない色っぽさに私もサヤキの写真集やフェアスタ、フェアリーZ広場はチェックしている。学年の男子もダントツでサヤキ推しが多い。サヤキがキュート女優の真似事をしたことで、サヤキは他のフラワー女優を引き離した。写真集は2まで出ていて、大勢のファンが3待ちである。
「寧ろ、カラルリさんに付きまとわれなくていいんじゃないですか?」
サヤキにガチ恋する男は当然多い。けれど、ナミネじゃあるまいし、芸能人と交際とか夢のまた夢。そんな私は王女と交際している。
ふと見ると、確かにカラルリさんとサヤキは仲良さげに話している。私から見てスピード交際のパターンだ。にしては、少し不自然な気もする。さっき、落ち武者さんから、ラルクとシャナ、セレナールさんと皇太子様が交際したと聞いたけど、早すぎる。カラルリさんとサヤキにしてもだ。
「どうかしら。サイン、いいの?」
欲しいことには欲しいけど、セナ王女の前ではなんだか気が引ける。その時、カラルリさんとサヤキがこっちへ向かってきた。
「アンタって本当にスケベな女ったらしよね! サヤキさん、この男とだけは関わらない方がいいです」
何故ナナミにそこまで言われなければならない。だいたい、この場にいる男殆どがサヤキに釘付けだろう。
「ナナミ、お前さあ」
言いかけてサヤキが会話を遮った。
「いつも見てくれてるの?」
めちゃくちゃ見てるけど、セナ王女の前で言うのは気まずい。でも、サヤキに会えることなんて人生で一度でもあれば奇跡だろう。
「はい、大ファンです! 写真集も買ってますし、フェアスタやフェアリーZ広場もいつも見てます! 本当綺麗ですね! こんなに魅了された芸能人はサヤキだけです」
セナ王女、嫉妬してないだろうか。チラッとセナ王女を見た。めちゃくちゃ普通にしてる。それはそれで寂しい。
「嬉しい! これ、サイン。後、非売品のグッズよ」
え、めちゃくちゃ嬉しい。
「あ、ありがとうございます」
私は躊躇わずサヤキからグッズを受け取った。
「サヤキって彼氏とかいるんですか?」
なんとなく聞いてしまった。別に狙ってはいないが、これだけ美人だと彼氏いながら恋愛禁止のルールに乗っかって清純派を売りにしているのかとも思ってしまう。
「彼氏どころか異性を好きになったことさえないの」
普段なら疑うところだけど、サヤキの素振りからして本当だろう。明らか男を知らなさそうだ。セナ王女と出会っていなければ口説いていただろう。
「意外ですね。サヤキのような美人、男が放っておきませんよ。白咲は流石に済んでますよね?」
芸能人のプライベートって何気に気になってしまう。けれど、これだけ色々聞いてしまったらセナ王女の機嫌を悪くさせただろうか。
「まだなの。咲かせてくれる男の人、募集中かな」
サヤキってネットの姿とは違って、リアルはそれより純粋だったのか。けれど、あくまで写真だから、そこからリアルは想像しきれないか。
「セナさん、今夜はサヤキのマンション泊まるから」
……。マジか。カラルリさん、顔はイケてるほうだけど、この短時間でサヤキを口説き落とせたとは意外すぎて、ファンが知ったら悲しむだろうな。
「良かったわね、カラルリ」
セナ王女は笑顔をカラルリさんに向けた。カラルリさんは、ちゃっかりサヤキの腰に腕を回した。セナ王女にとっては良かったかもしれないけど、交際出来たとして続くのだろうか。この時の私は、変な違和感を無意識に揉み消していた。
「あ、あの、サヤキはカラルリさんと交際するのですか?」
しまった。友人感覚で聞いてしまった。
「泊まりってことは、そういうことになるわよね」
マジか。けれど、相性は合ってそうだし、セナ王女が付きまとわれないなら私はそれに超したことはないと思う。どの道、サヤキは彼氏を作る。そういう年頃だし、恋愛だって直ぐにするだろう。それが今になったというだけかもしれない。
それにしても、顔が真っ赤になっているサヤキ色っぽいな。
「ミナクお兄様、そろそろコメントですよ」
はあ、兄弟と思われたくないのに。こんなダサイヤツと。
「えっ、弟さん? 似てないわね」
やっぱり思うことは皆同じ。
「はい、もう全然似てません」
似たくもない。けれど、小さい頃から、やたらヨルクに真似をされているようで鳥肌が立つ。
「それでは、今から41%の華の涙の主役を務めたラハルさんとヒロイン役のナミネさんに撮影の感想を語ってもらいましょう。まずは、ラハルさんからどうぞ」
はじまった。撮影時間が長かっただけに、2人とも疲れているだろう。ラハルさんはマイクを手に持った。
「映画をご覧になられた方々には心より感謝致します。恐らく皆様もお気付きになっているかと思いますが、41%の華の涙は妖精村で実際に起きた事件がモチーフとなっています。決してあってはならない事件を伝えるため、僕たちは精一杯演じました。少しでも伝わっていたら嬉しいです。僕は隠したり揉み消したり嘘を付くことが嫌いなので今ハッキリ言います。41%の華の涙の元の作品である『さよなら、ごめん、でも……』のヒロイン役は無理矢理でした。だから、あのようなリアリティな作品に仕上がったのでしょう。けれど、僕は誰かを犠牲にしてまで、まして大切な人を犠牲にしてまでリアリティを求めたいとは思いません。今回の撮影でも色々ありましたが、誰にも犠牲にならなかったことは幸いですし、忘れ去られたと思われている事件を再び皆様に知ってもらえる機会となり良かったと思っています。このような事件が少しでも減っていくよう僕は祈っています」
ナミネに本気なラハルさんは、あの時確かに降板しようとしていた。相手がナミネだったからだろう。決められた運命の中で、あそこまで本命を想えるのは正直尊敬に値する。
「ラハルさん、リアルなコメントをありがとうございます。続いてナミネさんの意見を伺いましょう」
ナミネはマイクを手に持った。
「私は、『さよなら、ごめん、でも……』という作品があったことは知っていたものの、実際に起きた事件だとか、当時の女優が犠牲となり自ら命を絶っていたことは全く知りませんでした。けれど、撮影の合間に知り、私はリアルを演じようと思えたのだと思います。ラハルさんの言うように、決してあってはならないことだと私も思っていますので、よりリアルを皆様にお伝えしたかったです。何より主役がラハルさんだったからこそ、ラハルさんと共演出来たからこそ、私は安心して最後まで演じ切ることが出来ました。作品を演じる役者はチームワークを持つ必要があると思います。そういう意味で、ラハルさんは場をまとめてくださったので、とても感謝しています。最後になりましたが、41%の華の涙をご覧になられた方には心より感謝致します。少しでも私たちの全力が伝わっていたら嬉しいです。ありがとうございました」
ナミネはマイクをスタッフに渡した。遠い昔から女優業やっていたせいか、慣れている。けれど、ミドリさんと違ってナミネは女優業は志望せず、どこまでも武士であることを選ぶだろう。
「サヤキ、来てたんだ」
そうか。芸能界ってことは知り合いか、それ以上なわけか。
「ええ、ラハル演技良かったよ! またマンション行っていい?」
幼なじみのようなやり取りだな。
「いーよ。サヤキも本当勉強苦手だよね」
めちゃくちゃ仲がいい。というか、こういった友達関係と恋人の境界線てどこにあるのだろう。
「だって両立って難しいもん」
そうだよな。まだ学生な中、仕事と勉強を両立させなきゃいけないわけなんだよな、芸能人って。

その後、サヤキはカラルリさんと一緒にビジネスホテルに行き、私たちはグルグル妖精のマンションへ向かった。
カンザシさんがいないだけで、あの時と同じ部屋。懐かしいような切ないような、どうにもならない感情である。
夕ご飯は、ヨルクとカナエさんが作ることになった。ヨルクは本当に昔からカナエさんに懐いている。
「私も何かお手伝いしたいです」
ナミネは絶対にやらかす。
「ナミネは落ち武者さんたちと話してて」
ヨルクも何も突き放すことはないだろう。
「どうして、そういう言い方するのですか!」
案の定、ナミネはヨルクに扇子を突き付けた。
「ナミネ、ここはカナエとヨルクで足りますので楽にしていてください。撮影の後ですし」
やっぱりカナエさんは、昔から気遣い上手だ。
「あ、セナ王女。これでカラルリさんのこと解決しましたね」
あれ、セナ王女の顔色が曇っている。どうかしたのだろうか。
「うーん。サヤキは売れっ子だから、カラルリ1人ってわけにはいかないのよね。少なくとも後2人は……。女優目指してるみたいで演技作りをしなきゃいけないのよ」
演技作りって。なんだか、まるでさっきのナミネの撮影を思い出す。いくら芸能人とはいえ、そこまでしなければいけないのだろうか。だったらカラルリさんとの交際はなくなってしまうのだろうか。
「それって合意なのですか? カラルリさんとは交際しないのでしょうか?」
まだセナ王女のこと全然忘れてなさそうだけど、サヤキと交際すれば気持ちも紛れるだろうに。サヤキはいい人だし仮にも芸能人でいい女過ぎてカラルリさんには勿体ないくらいだ。
「今の職業続けるための証かしら。交際はすると思うわ。雰囲気も良かったし。でも、一般人と芸能人の交際。続くかは分からないわね」
身分差……というわけではないけれど、普通には交際出来ない。まるで私とセナ王女みたいだ。
「僕は胡散臭く感じるけど?」
胡散臭い? 何がだろう。
「まあ、芸能界ってそういうものですからね」
ズームさんまで。私には落ち武者さんとズームさんの言ってることが分からない。
「サヤキは稼いでいるし、そういうことはないんじゃない?」
セナ王女まで。なんだか蚊帳の外にいるようだ。
「難しいね。サヤキ、本命いるから」
ラハルさんまで入って来た。サヤキ、本命いたのか。どんな人だろう。
「サヤキさん、本命いるんだ。なんだかカラルリさんかわいそう」
かわいそうにはかわいそうだが、芸能人と付き合えるってだけでラッキーだと思うが。いや、そうでもないか。セナ王女に2人目作られたら私は正気ではいられないだろう。
「そうだね。本人目の前に言っちゃうのもなんだけど、サヤキは昔からズーム狙いなんだよね」
……。あまりに意外すぎて真実が分からない。まさか、財産狙いではないよな。けれど、カラルリさんと比較すればズームさんのほうが身分が上すぎて少しかわいそうな気もする。って、ズームさんてメガネ外せばかなりのイケメンだったんだ。今更思い出した。けれど、サヤキはそれを知っているのだろうか。
「サヤキはズームさんがイケメンなこと知ってるんですか?」
もし知らずに好きになったならカナエさんと同じだ。けれど、サヤキには申し訳ないが、私はカナエさんとズームさんに幸せになってほしい。
「知ってるよ。学校同じだし、そもそも幼馴染みだから、よくブランケット家行ってて、中学時代までお風呂一緒に入ってたらしいよ」
これを世の中の男性陣が聞いたらどれだけ羨ましがるだろう。サヤキと混浴だなんて少し前の私だったら、羨ましすぎて言葉を失っていただろう。それにしても現場での初恋はまだというのは、周りの目を気遣っていたところだろうか。今のサヤキは片想いでさえもファンが相当ガッカリしそうだからな。
「あの、サヤキって中学の時から胸デカかったですか?」
私は何を聞いているんだ。そもそもカナエさんほどではないだろうに。
「そういうのはあまり見ていなかったので分かりません。ただ、サヤキは小学校低学年までは兄のことが好きだったんです。でも、歳が同じで、たびたびブランケット家に遊びに来てくれていたので夜通し話し込んだりもしていました。そのうちに告白されるようになりましたが好きな人がいると、ずっと断り続けてきたのです。それでもサヤキは僕にアプローチし続けていたした。だからカラルリさんとのことは僕なりには喜ばしいです。僕はナミネさんのこと……」
ナミネか。私はナミネの兄のような存在だから恋愛感情なんて持ったこと一度もないけど、ナミネは高校生になれば見違えるほど美人になる。寄ってくる男は山ほどいたが、その中でナミネは玉の輿に乗り続けた。何だかんだでナミネも金持ち選んでんだなって、ずっと思い続けていたと思う。今はヨルク一筋に戻ったけれど。
「ナミネのほうが体型のバランスいいし美人だし、僕はナミネのほうが好きだけどな」
ナミネは整いすぎている。ミスコン銀賞のナハリさんの娘なだけに。もしかして、ラハルさんもサヤキと混浴したことあるのだろうか。
「ラハルさんもサヤキと混浴したことあるのですか?」
もし、セナ王女と出会っていなければサヤキを口説いていたかもしれない。と、思うこともあった。
「うん、今でもね。毎回ズームの話されるけど」
今でも……か。ズームさんもモテるな。
「サヤキって、どうしてズームさんのこと好きなんですか?」
ちょっと聞きすぎているだろうか。私はセナ王女を見た。あまり動揺してなさそうだ。
「普通にイケメンだかららしい」
サヤキも結局イケメン好きか。女ってみんなこうなのだろうか。私よりヨルクのほうが何だかんだでモテるし。上には上がいるっていうの、私は昔から嫌いだった。
「でも、カラルリも許容範囲なの?」
興味ないかと思っていたけれど、黙って聞いていたのはセナ王女も興味あったからなのか。嫉妬されないのは寂しいけれどセナ王女が今この時を楽しめていることは私も嬉しい。
「うん、普通にイケメンだし『趣味がかなり合う』ってレイン来てたから、初カレとしてはいいほうだと思う」
趣味……か。私とセナ王女はどうだろう。趣味は合ってなかった気がする。けれど、セナ王女は私の好きなフェアリー地平線のアルバムを買って私を知ろうとしてくれていた。そんなセナ王女を私は裏切った。もう二度とあんな目には合わせたくない。
「私もラハルと混浴したい〜!」
ナナミもガッツク奴だな。
「ナナミ、お前みたいなブスがサヤキと比べもんになんねーんだよ」
とは言ったものの、ナナミはナナミの色っぽさもある。今はセナ王女しか見れないけど、2024年に飛ばされなければナナミと添い遂げていただろう。
「話遮るようで悪いのだけど、ラハル、ちょっといいかしら」
リリカお姉様の真剣な表情に立ち上がったナナミも再び座った。
「皆さん〜! 夕ご飯が出来ました〜!」
ラハルさんとリリカお姉様は別の部屋に行き、私たちはテーブルに向かった。このマンションは広くてリビングだけでも生活が成り立ちそうだ。
やっぱりカナエさんの料理は美味しい。
「私、ちょっとトイレ」
座ったばかりなのにセナ王女は立ち上がった。私はセナ王女が置いていったフェアホを手に取った。行きずりの女からフェアホ見られた時は殴り付けたのに、今は束縛したいくらいセナ王女のことが気になって仕方ない。幸い、ロックはかかってなかった。
私はすかさずレインを開きカラルリさんとの窓を開いた。案の定、カラルリさんからのレインは来ていた。
『サヤキと寝た。でも、ずっとセナさんのこと考えてた。忘れるに忘れられない』
『サヤキとは交際することになった。時期見てラハルとアパート借りて転校するらしい』
『遠恋にならなくて良かったというより、私は今でもセナさんが好きだ』
苛立つ内容だ。サヤキと交際しておきながら、サヤキの水花奪っておきながらセナ王女セナ王女って。こんな奴にサヤキを渡したくない。
その時、不意にフェアホを取り上げられた。振り向くとセナ王女がいた。
「私のこと気になるの?」
気になる。誤魔化せないくらいに素直に答えたい。
「束縛したいくらい気になると言ったらどうします?」
素直ではなかったかもしれない。
「あら、やれるもんならやってみなさいよ」
ほんのり頬を赤らめるセナ王女。今の私は本当にどうしようもないくらいセナ王女に夢中だ。
「アンタさ、本当に好きなら彼女のフェアホとか見ないだろ」
私は落ち武者さんみたいにハッキングは出来ない。落ち武者さんはエルナやナミネのフェアホは気にならないのだろうか。
「ミナク、冷めますよ」
カナエさんは、取り皿におかずを追加してくれた。
「あ、すみません」
せっかくのカナエさんの料理、冷めたら勿体ない。
「セナ王女は妬かないのですか? サヤキのこと」
セナ王女さえいなければ本気で狙っていたかもしれない。本気で愛することは出来ないだろうけど。
「うーん、なんとなくミナクとサヤキって合わない気がするのよね。でも、私は浮気は許さないわ」
合わないってどういう意味だろう。
「あの、合わないって。もう浮気なんてしません。そこは約束します」
セナ王女とは何もないというわけではないけれど、もう簡単に安易な行動はしようとは思わない。
「価値観かしら」
けれど、サヤキははじめて会ったカラルリさんに許した。十分合うと思うけど。
「でも、サヤキはカラルリさんと寝ましたよね。早すぎませんか?」
私は何を気にしているのだろう。カラルリさんがセナ王女に付きまとわないきっかけが出来たのなら、それに越したことはないだろうに。
「仕事だからよ。3人と寝ることが仕事を続ける条件だから。1人目は見た目マシなカラルリにしただけよ」
ということは、カラルリさんは弄ばれているかもしれないのか。ちょっと笑える。
「あの、私のこと体型いいとか言ってましたが、どうですか?」
ナミネは上を全て脱ぎ下まで脱ごうとした。しかも、何故話を遮った。
「ちょっとナミネ! こんなとこで脱がないで! 落ち武者さんいるんだし!」
ヨルクは慌ててナミネの服を元に戻した。
「アンタさ、何で僕だけなわけ? てか、今でも十分いい身体だけど、僕は高校時代からのアンタの身体の方が好きだけど?」
みんなそうだ。そして、ズームさんは顔を真っ赤にしている。私としてはズームさんとロォラさんはお似合いだと思うのだが。
この時の私は知らなかった。かつて、大学時代になれば2人は交際し添い遂げていたことを。そんな前世を何度も繰り返していたことを知らなかったのである。
「もうはじまっていたのか」
え、委員長!? というか、これって思いっきりピッキングなのでは。
「待って! 私はラハルのこと本気なの! 2番でもいい! 私を……!」
やっぱりナナミとは違っていたか。リリカお姉様は推しとしてではなく、本気でラハルさんとの交際を求めている。
「今日はおアツいな」
委員長はチャッカリ取り皿におかずを入れて食べている。
「委員長はどう思う? サヤキのこと」
また聞いてしまった。
「少なくともズームのことだけは本気だろうな。でも、カラルリとも相性いいみたいだぞ。電気も付けずに、こちらもおアツいな」
どうして密閉した空間のことまで知っているのだろう。
「委員長、何でそういうの分かんの?」
何となく少し見てみたい気がする。相性いいってことは、カラルリさんとは上手くいったということか。
「1人目を確認しなきゃいけないのよ。映像ならここにあるけど」
セナ王女はフェアホを渡そうとした。
「あ、いえ。プライベートなことは見れません。それに今はセナ王女一筋なので」
気にはなるけど、SNS以上のことを知る、ましてやカラルリさんとの行為だなんてサヤキにも悪いし、セナ王女に誤解もされたくない。
「僕は見るけど? サヤキと恵まれズームが幼馴染みってのも前と変わってるし、少しでも今の手がかりになることは知っておきたい」
落ち武者さんはそうなるか。一理あるが、流石に見てはいけないような気がする。
「私も同感だな。ほぼ同じなのに少しだけ変に変えられているところが気になる。どの道、スタッフに提出するなら我々が見たとて同じだろう」
いや、全然同じじゃない。
「僕も見るべきだと思います。サヤキとはじゃれ合っては来ましたが、全然普通でした。カラルリさんとの相性がいいのも何となく作られた気がします」
いや、サヤキはズームさんの前では強がっていただけだろう。ズームさんて、恋愛に関しては随分と鈍いな。
「サヤキには悪いけど僕は見る。サヤキとは前も幼馴染みだったけど、前は駆け出し止まりで女優諦めたんだ。今回成功したのは何かしら意味があると思う」
ラハルさんまで。しかし、前も女優目指していたのか。前の世界で知っていてもファンになっていただろう。
そしてセナ王女が再生しようとした時、キクスケさんが現れた。
「残念ですが、この映像は削除済みです。映像を見れば裏番人が何かしら仕掛けます」
少し期待していたから気が抜けた。けれど、ズームさんで白咲は済んでいるのなら、カラルリさんとは全くはじめてとは言いきれない。
「カラルリとの映像は諦めてラハルかズームとの映像でも見たらどうだ?」
委員長にはプライベートとと言う概念が全くないのだろうか。
「悪いけど僕はパス」
そりゃそうだわな。その時、落ち武者さんがテレビを付けた。そこにはズームさんとサヤキが映っていた。
中学時代のサヤキはボブヘアーだったのか。サヤキのほうからズームさんにくっついている。スタイルもいい。この頃から女優目指していたのだろうか。
『ズームって鈍い。ロォラはいい子よ』
やはりサヤキから見てもズームさんは鈍いか。
『ああいうパパ活とかしている女は嫌いだ。それに僕は……』
またナミネか。ズームさんもラハルさんもナミネ一筋だな。
『あの写真の人? 前世よね? 今も知り合いなの?』
やっぱりナミネだ。
『知り合いではないけど忘れられない』
何世紀もずっと同じ人を好きになれるって何だか羨ましい。
『ゆっくりでいいから。好き……ズーム』
うわー、サヤキめちゃくちゃ可愛い。ズームさんも狡いな。でも、ロォラさんを応援してしまう。
『サヤキ、勉強しようか』
興味なしか。
その時、突然テレビが消えた。
「何かが邪魔しているな。我々には情報を与えたくない誰かが」
裏番人だろうか。まさか、シャナか!? ラルクは大丈夫なのだろうか。
その時、ナナミに引っぱたかれた。
「アンタって最低! こういうの見ていやらしい気持ちになってるんでしょ!」
何故、私だけ叩く。
「ナナミは分かりやすいな」
リリカお姉様はラハルさんにとって重たいだろうか。出来ればナミネのことは想い出としてリリカお姉様と新しい道を歩んでほしいのだが。
「ラハルさん、恋愛する気にはなれませんか?」
流石にリリカお姉様がかわいそうだ。
「恋愛ならしてるよ。でも、彼女は作るつもりはないな」
ラハルさんもラハルさんで頑固。けれど、こればかりはどうしようもない。
「話変えるようで悪いのだが、ズーム、サヤキは君のお金でデビューしたんだね?」
まさか、サヤキが! それってカンザシさんの時と同じだ。サヤキのことは信じたかったのに、少しショックかもしれない。けれど、理由はなんだろう。
「そうですね。最初は実力を認められていましたが、契約前になり賄賂でデビューしたフラワー女優が原因でサヤキは契約出来ず、泣きじゃくるサヤキを放っておけず、デビューさせました」
サヤキより人気のあったフラワー女優なんていただろうか。
「賄賂があったとはいえ、どこの業界も実力社会だ。君はサヤキが孤児院で育ったから特別扱いしすぎているように見えるが」
孤児院!? サヤキが!? 人というのは分からない。私は、てっきりお金持ちのお嬢様かと思っていた。
「そうだね、サヤキは孤児院で酷いイジメにあっていて僕もどうにかしたかった。メナリのいうことも分かるけど、メナリは貧乏の辛さ知らないよね?」
話がむつかしくなってきた。この世はやはり縦社会なのだろうか。もしかして、サヤキがカラルリさんを選んだのも、そこそこな家柄だからだろうか。
「例えそうでも私は不正は好きではない。現にサヤキは実力以外の方法で役者にもなろうとしている。まるでカンザシの時のようだな」
セナ王女の少なくとも3人はというのは、そういう意味だったのか。芸能界のことはよく分からないけれど、少なくともサヤキのファンは大勢いる。私もファンであり続けたい。
「そうですね。僕もサヤキの気持ちに応えられない後ろめたさがあったかもしれません」
率直にズームさんが羨ましい。けれど、ロォラさんとはそこそこ距離感近いのに対してサヤキとはどうして距離を置いた感じに見えるのだろう。
「あの、サヤキのことは少しも好きじゃなかったんですか? 理由とかあるんですか?」
いくら好きな人がいたとしても、聞いている限りの距離感ではいつ恋愛関係になってもおかしくはない。
「サヤキは大切な友達です。でも、恋人となれば話は別というかサヤキとは続かない気がするんです。何より僕自身、サヤキに傾いたことは一度もありません」
続かない。セナ王女も私に対して似たようなことを言っていた。これ以上は掘り下げられないけれど、恋人としては成り立たない意味が私には分からなかったのである。
「確かに僕もサヤキとは半ば同情で付き合いしてたと思う。でも、もう1人の幼馴染みがズームで良かったとも思ってる」
ややこしいけれど、なんだかんだでサヤキは心配されている。両者共に恋愛感情までは持たれていないものの、ちゃんと人間としてサヤキを支えようとしている。少し羨ましいかもしれない。けれど、サヤキと同じ立場だったら、きっと私もナヤセスさんみたいに逃げ出していたかもしれない。
サヤキは事務所名義でアパートは契約しているものの、基本は孤児院で暮らしているらしい。これは委員長の情報だ。
「ラハル……」
リリカお姉様は泣き崩れた。前はここまでではなかったのに。恋愛感情だとハッキリ気付いたからだろうか。
「リリカのこともちゃんと構う。これでいい?」
ラハルさんもなんだかんだでお人好しだ。
「カナエからしたらリリカは羨ましいのです」
今のアルフォンス王子はともかくとして、カナエさんはセイさんといい、前のアルフォンス王子といい、恋愛は上手くいっていない。特にセイさんのセレナールさんへの感情は許し難いものがある。
「男尽くしカナエは僕と交際中だけど?」
落ち武者さんみたいに適当に生きてみたい。とはいえわ落ち武者さんもエルナのことでは随分と苦しんだだろう。私もアヤネさんに裏切られて変わってしまった。
「セレナールも皇太子様と交際しはじめましたし、時期を見てセルファさんとは終わりにしたいです」
そういえば、セレナールさんも玉の輿に乗ったな。あれだけの美人は男が放っておかないというわけか。
「姉さんはレナード拒んでるらしいけど?」
セレナールさんも乙女だな。
「やはりそうですか。私たちが飛ばされたのは真実を明らかにするためかもしれませんね」
ずっとテレビを見ていたナミネがいきなり話に加わって来た。やはりってなんだろう。
「ナミネ、お前何か知っているのか?」
とはいえ、ナミネのほうが覚えているのは確かだ。けれど、セレナールさんと皇太子様は仲が悪いようには見えないが。
「知らなかったのですか? 教科書の妖精村 初代皇太子が婚約者とその兄を死罪にしたの、あれセレナールさんとセリルさんのことです」
……。言葉が出てこない。教科書の内容は知っているが、それがセレナールさんとセリルさんだっただなんて、今の今まで全く知らなかった。そもそも、セレナールさんの本命はセリルさんだったのか!?
「今の姉さんはセリル好きじゃないけどね? 女遊びミナク気になってるらしいけど?」
わ、私? 何故だろう。そういう雰囲気は全くなかったし、セレナールさんとは弟同士が仲が良くって仲良くしていたイメージが強い。
「君も女を騙すのが上手くなったな」
委員長は相変わらずだ。私が口説いた時、アッサリ振られたのを今でも覚えている。
「セレナールって欲張り! いくら古代に因縁があっても今はレナードと交際してるんだから余所見だなんてありえないわ」
突然セナ王女にくっつかれた。今すぐ2人きりになれたらいいのに。もうセナ王女を傷付けないと決めたし、セナ王女から離れて欲しくもない。

その夜中、セナ王女のフェアホが鳴り、私はまたセナ王女のフェアホを手に取った。ホーム画面に出ていたのはバッチリ、カラルリさんからのレインメッセージ。
『セナさん、今すぐ会いたい!』
『好きだよ』
『私は別にミナクのお古でも構わないから、セナさんを抱きたい』
『サヤキと交際すれば忘れられると思っていたけど、違った。サヤキのことは彼女だけど、心の中はセナさんで埋め尽くされてる』
なんだこれ。サヤキと交際しておきながらサヤキがいながら、セナ王女セナ王女って。やっぱりカラルリさんには渡せない。別れさせるしか……。
「前とは違って束縛するのね」
やっぱり起きていたか。
「会うんですか?」
会って欲しくない。もうセナ王女もカラルリさんも別の道を歩んでいる。付き合っていればカラルリさんだってサヤキを好きになる日が来ると思う。
「会わない。どのみちカラルリも思い出すわ。それに、サヤキとは私とミナクより進んでるし」
セナ王女……。私だって、セナ王女とは前みたいにラフな交際をしたい。それに、流石にカラルリさんとサヤキは早すぎる。
「カラルリさんとサヤキ、早すぎませんか? サヤキはここで水花失ってよかったのでしょうか?」
別の相手だったらと思ってしまう。カラルリさんがセナ王女に付きまとう限りサヤキがかわいそうだ。
「好きなことは好きなんじゃないかしら。あの2人、似ているようにも感じるし」
似ている……だろうか。サヤキはちゃんと自分を持っている。けれど、カラルリさんは心があやふやでふらつきまくりだ。けれど、サヤキがカラルリさんと交際して幸せならそれでいいかもしれない。
「そうですね。確かに好きなのでしょう。サヤキのこと羨ましいですか?」
何故か聞いてしまった。セナ王女の中にカラルリさんは元からいないのに。
「そうね。あなた、サヤキに口説かれたら交際してたでしょ」
私のこと? そうかもしれない。けれど、男としてサヤキに尽くせる自信はない。
「そうだったかもしれません。めちゃくちゃタイプですし、美人でセクシーですし」
結局見た目だ。私はサヤキのことを何も知らない。
「今度はミネスじゃなくてサヤキなのかしら?」
違う。付き合いたいと思うだけで、きっと夢で終わっている。
「そうじゃないです。ただの憧れです。二度とセナ王女を傷付けません」
もう手放さない。手放せば私が後悔する。
私はセナ王女を抱き締めた。今年の秋なら許されるだろうか。
私は今の時間がゆっくり進んでいくと思っていた。
けれど、翌朝、歴史は変わっていた。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

あとがき。

カラルリがサヤキと交際したのは良かったとは思います。でも、カラルリ未練タラタラすぎ。これは、前の世界と変わっていないような。
いつか、サヤキを本気で好きになれるのでしょうか。

ここに来てセレナールとレナードの因縁が明らかに。
セレナールのレナードへの好きは古代編でもレナードへの本人さえも自覚のない復讐心があるからなのかな。

飛ばされる前とは色々違って、みんなの感情が切ないです。

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この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。

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