日常のこととかオリジナル小説のこととか。
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ashita
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性別:
女性
職業:
地主(土地貸してます)
趣味:
漫画やアニメを見るのが好きです。最推しはフーディーニ ♡
自己紹介:
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
ブログ、もう書かないと思ってました。
けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。
ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。
小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。
よろしくお願い致します。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
お知らせ。
イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。
また、「カラクリよろずや」にて無料のフリーイラスト素材配布もはじめました✩.*˚
フリーイラスト素材も増やしていく予定です(*'ᴗ'*)
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。
ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
X @kigenzen1874
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ブログ、もう書かないと思ってました。
けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。
小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。
純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。
元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。
ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。
小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。
よろしくお願い致します。
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お知らせ。
イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。
また、「カラクリよろずや」にて無料のフリーイラスト素材配布もはじめました✩.*˚
フリーイラスト素材も増やしていく予定です(*'ᴗ'*)
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模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。
ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。
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〈資格履歴〉
2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
〈資格証明バナー〉

2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2010年02月10日
→セルフ・カウンセリング
ステップ2 合格
2011年05月28日
→セルフ・カウンセリング
指導講師資格審査 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格
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〈資格証明バナー〉














心からチームワーク 5話
《ハル》
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
登場人物
桐島梨花(18)
物語の主人公。琉未のことを思い、ハルに別れを切り出した。
月城ハル(18)
梨花に突然別れを告げられる。
東条琉未(18)
精神的にも肉体的にも病んで、未だに学校に行けず……。
源 冥 (29)
社会科の先生。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あらすじ。
梨花に別れ話を持ちかけられ、
あっさり、うなずいたハルだが、
心では納得いかず。
行動にでることに……。
今回は、初のハルサイドでございます。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
5.心で動く
□□□□□□□□□□□□□□□□□□
月城君へ
私はずっと前から
貴方のことが好きでした。
もし、良かったら
私と付き合って
もらえませんか?
東条琉未
□□□□□□□□□□□□□□□□□□
数週間前だろうか、朝自分の靴箱を開けると、
手紙が入っていた。
聴くところによると、昇降口付近に落ちてた手紙を通りかかった誰かが拾って、宛名を確認するなりオレの靴箱にいれたらしい。
手紙を見たオレは、「何ともシンプルな手紙だな~」と何よりも先に思ってはしまったが、彼女なりに勇気を振り絞って書いたのだろう。
しかし、オレが返事をする前に東条は学校を休むようになった。
手紙をもらった数週間前から数日は早退を繰り返しながらも登校していたが、最近では全く顔を出さなくなってしまった。
恐らく、いや確実に東条はオレと桐島の関係を知っている。
しかも、桐島と東条は友達だ。
最初は、たかがオレに失恋したからってそれくらいで学校休むかよ、と思っていた。
だけど、数日前桐島がオレに別れ話を切り出した。それもかなり思い詰めた様子だった。
手紙の件でオレは東条の気持ちを知ってはいたが、元々断るつもりではあったから、桐島に手紙のことを口に出すことはなかった。
しかし、別れ話を切り出したときの桐島を考えると、ここ数日で東条と何かあったに違いない。
けれど、何かあったからといってオレに別れ話をしたりするだうか。どうもオレはそこのとこが引っかかって離れないのである。
オレに相談なしで、勝手に事終わらせようとする桐島も桐島だし、オレに振られたからって登校拒否する東条も東条だし。
だいたいなんで、二人ともオレに黙って事運んでるんだよ。オレだって完全に関係してないわけじゃないし、少しは話してくれたって……。
とにかく、このままではオレだって納得いかない。オレばかり事の次第から外されていては気になって仕方ないではないか。
桐島とは形状は別れたことにはなっているが、
ここ数日オレの頭は桐島と東条の事で混乱していた。
そんなある日だった。
オレはデパートの中を歩いていたら、一人の女性に声をかけられた。
社会科の源先生だ。
「月城君」
「源先生!」
「どう? ちゃんと勉強してる?」
源先生は、うっすら微笑んだ。
「ええ、まぁ……それなりに」
「ふふっ、そう。まぁ月城君は成績優秀だからね」
成績か。そんなこと、どうでもいいってずっと思っていたけれど、この先、就職をする時に必要なのだろう。そんなこと、誰もが分かっているが、高校生という中途半端な時間を青春に費やしたい学生もいると思う。
「そんなこと……。先生は買い物ですか?」
「ええ、ちょっとお友達の誕生日プレゼントを買いに来たの」
誕生日プレゼントか。いくつになっても、そういうイベントはするものなのか。
「へぇ~、先生の歳でも友達にプレゼントするんだ」
「何言ってるの。私はまだ若いわよ」
29歳。若いと感じる時は必ずやって来る。けれど、学生のオレにとっては、十分大人に見える。
「へへっ、そうッスね」
少し間をおいて、先生が口を開いた。
「ねぇ、月城君」
「なんすか?」
「同じクラスに東条さんいるわよね」
いきなり東条の名前を持ち出されたオレは戸惑った。
「!!」
きっと、驚いた顔になっているだろう。
「こんなこと言うのもなんだけど」
拳を顎にあて、少し悩んだ様子だったけど、先生は続けた。
「東条さん、貴方のこと、ずっと好きだったのよ」
はたから見ても気付くほどのものだったのか。
「……」
「いつも、私の所に来ては楽しそうに貴方の話をしてくれたわ。だけど、どうしてか突然学校に来なくなったの」
「東条が俺の話を……」
全く知らなかった。
「ええ、貴方のこと話している時は東条さんとっても輝いていたわ」
「そう……なんですか。でも、どうして先生は東条とそんなに仲良いんですか?」
東条には桐島しかいないと思っていた。
「私も最初は不思議だったわ。あの子いつも先生方と話しているときは言葉に詰まってて、スムーズに話せなくて。
他の子は先生との会話もそれなりにあるけど、あの子はそういうの苦手なんだなぁって思ったの。
でもね、何故か私には色々話してくれたの。それが今では私も普通のように感じちゃってるけどね」
源先生は、元々穏やかな性格だから、東条も気を許したのかもしれない。
「そうだったんすか。全然知らなかった」
「ただ……あの子ね精神的障害を持ってるの。
そのことあって、自分を知らない人間と関わるのをすごく嫌ってた。
他の子は他人ともすぐにうち解けているのに対して、あの子はそれが全然できなくて、それがあの子にとってかなり苦痛だったのでしょうね」
オレの知らないことばかり。少し混乱しているかもしれない。
「そうだったのか」
話を聴いていると何となく納得できる部分もあった。
そういえば、東条が昼休みに薬を飲んでいたのを見たことはあるけど、風邪薬じゃなく安定剤だったんだな。
まぁ、だからといってオレは普通の人間だし、東条が抱えている精神的な問題はわからなないけれど。
だけど、普通のことを苦痛に感じる東条にとってはかなり悩んていたのだろう。
先生は少し考えたようだったけど、しばらくすると顔を上げ口を開いた。
「ねぇ、月城君」
「はい?」
「もし、どこかで東条さんに会ったら、声かけてあげてくれないかな」
今の状況下で、それをしてしまえば、余計に東条を追い詰める気もするが。
「オレがですか?」
「うん。少しでも貴方と接することができたらあの子も嬉しいだろうし。
挨拶でもいいからさっ」
オレは少しとまどいもあったが、先生の透き通るような眼差しにかなわなくて「わかりました」と返事をした。
すると、先生はニコッと微笑みを見せ、「よろしくね。長居は無用だから私そろそろ行くわ」
と言い残しその場を去っていった。
帰り道、ぶらっと歩いていたら、DC冬野公園のベンチで座っている東条を見つけた。
オレは、意識的に東条に歩み寄った。
オレに気づいたのか、東条は一瞬顔を上げたが、その次には目をそらし立ち上がってオレから離れる様子だった。
「待て、東条」
反射的にオレは後ろから声をかけてしまった。
すると、驚いたように東条が振り返った。
そのまま立ち止まる東条にオレは更に近づいた。
頭の中を邪魔する色んな事を掻き分け、オレはあることを決意し口を開いた。
「今週の土曜、10時にこのDC冬野公園へ来てほしい」
おおむね、来ないだろう。それでも言うしかなかった。
「え?」
「絶対に来い」
言うだけ言ってオレはその場を離れ家に戻っていった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あらすじ。
梨花ちゃんと琉未ちゃんが気になったのでしょうか、ついにハルが行動に出ました。
今回は、先生もご登場です。
というのも、話をどうやって繋げようか悩んでいて、ふと思いついただけなのですがね。
さて、ハルの決意とはなんなのでしょうかね~。
次回が見所! のつもりです。
今回も、ここまで読んでくださったお方、
どうもありがとうございます。
えっと、あとがきコメントは、当時のままにしてます。今更ですが。
次が書きにくいところなんだろうな。大幅に変えないといけないかもしれない。
本当、恋愛とはなんなんでしょうね。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
《ハル》
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
登場人物
桐島梨花(18)
物語の主人公。琉未のことを思い、ハルに別れを切り出した。
月城ハル(18)
梨花に突然別れを告げられる。
東条琉未(18)
精神的にも肉体的にも病んで、未だに学校に行けず……。
源 冥 (29)
社会科の先生。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あらすじ。
梨花に別れ話を持ちかけられ、
あっさり、うなずいたハルだが、
心では納得いかず。
行動にでることに……。
今回は、初のハルサイドでございます。
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5.心で動く
□□□□□□□□□□□□□□□□□□
月城君へ
私はずっと前から
貴方のことが好きでした。
もし、良かったら
私と付き合って
もらえませんか?
東条琉未
□□□□□□□□□□□□□□□□□□
数週間前だろうか、朝自分の靴箱を開けると、
手紙が入っていた。
聴くところによると、昇降口付近に落ちてた手紙を通りかかった誰かが拾って、宛名を確認するなりオレの靴箱にいれたらしい。
手紙を見たオレは、「何ともシンプルな手紙だな~」と何よりも先に思ってはしまったが、彼女なりに勇気を振り絞って書いたのだろう。
しかし、オレが返事をする前に東条は学校を休むようになった。
手紙をもらった数週間前から数日は早退を繰り返しながらも登校していたが、最近では全く顔を出さなくなってしまった。
恐らく、いや確実に東条はオレと桐島の関係を知っている。
しかも、桐島と東条は友達だ。
最初は、たかがオレに失恋したからってそれくらいで学校休むかよ、と思っていた。
だけど、数日前桐島がオレに別れ話を切り出した。それもかなり思い詰めた様子だった。
手紙の件でオレは東条の気持ちを知ってはいたが、元々断るつもりではあったから、桐島に手紙のことを口に出すことはなかった。
しかし、別れ話を切り出したときの桐島を考えると、ここ数日で東条と何かあったに違いない。
けれど、何かあったからといってオレに別れ話をしたりするだうか。どうもオレはそこのとこが引っかかって離れないのである。
オレに相談なしで、勝手に事終わらせようとする桐島も桐島だし、オレに振られたからって登校拒否する東条も東条だし。
だいたいなんで、二人ともオレに黙って事運んでるんだよ。オレだって完全に関係してないわけじゃないし、少しは話してくれたって……。
とにかく、このままではオレだって納得いかない。オレばかり事の次第から外されていては気になって仕方ないではないか。
桐島とは形状は別れたことにはなっているが、
ここ数日オレの頭は桐島と東条の事で混乱していた。
そんなある日だった。
オレはデパートの中を歩いていたら、一人の女性に声をかけられた。
社会科の源先生だ。
「月城君」
「源先生!」
「どう? ちゃんと勉強してる?」
源先生は、うっすら微笑んだ。
「ええ、まぁ……それなりに」
「ふふっ、そう。まぁ月城君は成績優秀だからね」
成績か。そんなこと、どうでもいいってずっと思っていたけれど、この先、就職をする時に必要なのだろう。そんなこと、誰もが分かっているが、高校生という中途半端な時間を青春に費やしたい学生もいると思う。
「そんなこと……。先生は買い物ですか?」
「ええ、ちょっとお友達の誕生日プレゼントを買いに来たの」
誕生日プレゼントか。いくつになっても、そういうイベントはするものなのか。
「へぇ~、先生の歳でも友達にプレゼントするんだ」
「何言ってるの。私はまだ若いわよ」
29歳。若いと感じる時は必ずやって来る。けれど、学生のオレにとっては、十分大人に見える。
「へへっ、そうッスね」
少し間をおいて、先生が口を開いた。
「ねぇ、月城君」
「なんすか?」
「同じクラスに東条さんいるわよね」
いきなり東条の名前を持ち出されたオレは戸惑った。
「!!」
きっと、驚いた顔になっているだろう。
「こんなこと言うのもなんだけど」
拳を顎にあて、少し悩んだ様子だったけど、先生は続けた。
「東条さん、貴方のこと、ずっと好きだったのよ」
はたから見ても気付くほどのものだったのか。
「……」
「いつも、私の所に来ては楽しそうに貴方の話をしてくれたわ。だけど、どうしてか突然学校に来なくなったの」
「東条が俺の話を……」
全く知らなかった。
「ええ、貴方のこと話している時は東条さんとっても輝いていたわ」
「そう……なんですか。でも、どうして先生は東条とそんなに仲良いんですか?」
東条には桐島しかいないと思っていた。
「私も最初は不思議だったわ。あの子いつも先生方と話しているときは言葉に詰まってて、スムーズに話せなくて。
他の子は先生との会話もそれなりにあるけど、あの子はそういうの苦手なんだなぁって思ったの。
でもね、何故か私には色々話してくれたの。それが今では私も普通のように感じちゃってるけどね」
源先生は、元々穏やかな性格だから、東条も気を許したのかもしれない。
「そうだったんすか。全然知らなかった」
「ただ……あの子ね精神的障害を持ってるの。
そのことあって、自分を知らない人間と関わるのをすごく嫌ってた。
他の子は他人ともすぐにうち解けているのに対して、あの子はそれが全然できなくて、それがあの子にとってかなり苦痛だったのでしょうね」
オレの知らないことばかり。少し混乱しているかもしれない。
「そうだったのか」
話を聴いていると何となく納得できる部分もあった。
そういえば、東条が昼休みに薬を飲んでいたのを見たことはあるけど、風邪薬じゃなく安定剤だったんだな。
まぁ、だからといってオレは普通の人間だし、東条が抱えている精神的な問題はわからなないけれど。
だけど、普通のことを苦痛に感じる東条にとってはかなり悩んていたのだろう。
先生は少し考えたようだったけど、しばらくすると顔を上げ口を開いた。
「ねぇ、月城君」
「はい?」
「もし、どこかで東条さんに会ったら、声かけてあげてくれないかな」
今の状況下で、それをしてしまえば、余計に東条を追い詰める気もするが。
「オレがですか?」
「うん。少しでも貴方と接することができたらあの子も嬉しいだろうし。
挨拶でもいいからさっ」
オレは少しとまどいもあったが、先生の透き通るような眼差しにかなわなくて「わかりました」と返事をした。
すると、先生はニコッと微笑みを見せ、「よろしくね。長居は無用だから私そろそろ行くわ」
と言い残しその場を去っていった。
帰り道、ぶらっと歩いていたら、DC冬野公園のベンチで座っている東条を見つけた。
オレは、意識的に東条に歩み寄った。
オレに気づいたのか、東条は一瞬顔を上げたが、その次には目をそらし立ち上がってオレから離れる様子だった。
「待て、東条」
反射的にオレは後ろから声をかけてしまった。
すると、驚いたように東条が振り返った。
そのまま立ち止まる東条にオレは更に近づいた。
頭の中を邪魔する色んな事を掻き分け、オレはあることを決意し口を開いた。
「今週の土曜、10時にこのDC冬野公園へ来てほしい」
おおむね、来ないだろう。それでも言うしかなかった。
「え?」
「絶対に来い」
言うだけ言ってオレはその場を離れ家に戻っていった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あらすじ。
梨花ちゃんと琉未ちゃんが気になったのでしょうか、ついにハルが行動に出ました。
今回は、先生もご登場です。
というのも、話をどうやって繋げようか悩んでいて、ふと思いついただけなのですがね。
さて、ハルの決意とはなんなのでしょうかね~。
次回が見所! のつもりです。
今回も、ここまで読んでくださったお方、
どうもありがとうございます。
えっと、あとがきコメントは、当時のままにしてます。今更ですが。
次が書きにくいところなんだろうな。大幅に変えないといけないかもしれない。
本当、恋愛とはなんなんでしょうね。
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この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
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心からチームワーク 4話
《梨花》
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
登場人物
桐島梨花(18)
物語の主人公。琉未もハルが好きだと言うことがわかり……。
月城ハル(18)
梨花の恋人。だけど、未だに女の子からの人気も絶えず。
東条琉未(18)
悔しい感情を隠しきれず、梨花に当たりまくる。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あらすじ。
ひどいほどに仲が悪くなってしまった梨花と琉未。
しかし、梨花は琉未のことを心から心配して……。
前回が、琉未サイドだったのに続き、今回は梨花サイドでどうぞ。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
4.必死の思い
知らなかった。
琉未ちゃんも月城君が好きだったなんて。
私ばかり幸せな思いして、琉未ちゃんを傷付けてしまっていたなんて……。
私は、琉未ちゃんとの荒れた電話以来、月城君とのことについて考え始めるようになった。
私は月城君のことが好きだし、月城君も私を好いてくれている。これからも、そういう関係でいたいと思っている。
けれど、それでは琉未ちゃんを傷付けてしまうことになる。
でも、別れてといわれて、素直に別れますなんて言えるわけがないし。
だけど、今の関係を続けていると、琉未ちゃんの精神状態も悪化するだろう。
私は、以前から琉未ちゃんが精神的に病んでいることを知っていた。
本人から聴いていたのだ。
朝、昼、晩と欠かさず安定剤を飲んでいることを。だいたいの症状も知ってはいた。
私の場合からしたら考えられないことばかりではあったけれど、ちょっとしたことで感情が高ぶってしまう琉未ちゃんを見ているとかわいそうでしかたなかった。
ある待ち合わせの時だった。
部活が終わるのが遅かった私は、校門で琉未ちゃんを15分待たせてしまったことがある。
私にとっては15分なんてたいした時間ではない。
けれど、琉未ちゃんにとって15分という時間は耐え難いモノであった。
遅れた事を謝ろうと、琉未ちゃんにかけよったとき
「遅い!! いつまで待たせる気だよ!!」
と怒鳴り声をあげたのだ。
私は、たったの15分だよ? しかも、部活が遅くなっただけなのに、と心の中で思ったが、琉未ちゃんを見ると何故か、息を切らしていたのだ。
走ってたわけでもないのに、何故だろうと思ったけど、その時は、ちょっと腹が立っただけなのだろうと、そんなにも気にしていなかった。
後で知ったのだけど、琉未ちゃんは広い場所に一人でいると、パニックに陥って過呼吸が起こってしまうのである。
広場恐怖症というらしい。
最初のうちは、ちょっとしたことで腹を立てる琉未ちゃんが私からするとワガママにしか思えなかった。
けれど、接していくうちにそうでないことがわかったのだ。
精神が安定してない人は、時々感情のコントロールが聴かなくなる。思ってもないことを口にしたり、場違いな発言を連発したりするのだ。
時には、突然大声を上げてみたり、わざと人が傷つくようなことをしてみたり。
最初は戸惑ったけれど、琉未ちゃんにとっては苦しみの一つなんだなあって思った。それから、出来るだけ琉未ちゃんの近くにいて支えていこうとした。
けれど、今回琉未ちゃんと喧嘩してしまったことによって、私も琉未ちゃんも今までのように仲良くとはいかなくなった。
どんなに謝っても琉未ちゃんは許してはくれない。正直、琉未ちゃんの心の内がわからなかったりもする。
私だったら、好きな人が他の人と付き合っていたのを知ったとしても、現実がそうであるならば、諦めるしかない。
例え、相手が友達であっても。
そう割り切れるけど、琉未ちゃんはそうでないのだ。思い詰めて思い詰めて、もしかしたら今頃パニックに陥って腕を切ってるかもしれない。心の中で、私や月城君、そして自分さえをも殺してしまっているかもしれない。
そんなことを考えると、琉未ちゃんが心配でいてもたってもいられなかった。
私は、胸騒ぎが止まらず、思わず携帯を手に取ったが、琉未ちゃんの名前のところで指が止まって、いまかけたら余計にパニックに陥るだろうということが頭を過ぎり、私は携帯から手を放した。
そして、あることを決意し、月城君のいる体育館へ向かった。
丁度部活も終わったらしく、彼も待ち合わせの場所へ向かうところだったようだ。
「おっ、梨花じゃん。今終わったから」
「あ、うん……。あのね、月城君」
言いたくない。言いたくないよ。
「ん?」
「ちょっと話があるの」
もう既に涙が零れそうになっていた。
「ああ、わかった」
私は月城君を体育館の裏へ誘導した。
一瞬引き返すことが頭に過ぎったが、
ここまで来たからにはと思い、口を開いた。
「突然なんだけど」
私は続けた。
「別れてほしいの」
言ってしまった。琉未ちゃんの問題は琉未ちゃんの問題。それを、私が自分を傷つけたって琉未ちゃんの未来が変わるわけでもない。分かっているけれど、この時の私は琉未ちゃんとの友情を優先してしまっていた。
「……」
突然の別れ話に月城君もビックリしただろう。
「あ、月城君がいけないとかじゃなくて、なんていうか、私の方に問題があるの」
咄嗟に私は誤魔化した。
「ふ~ん、どういう?」
こんな状況なのに、月城君はやけに冷静だ。
「それは……」
人というのは、本心以外のことを言葉にすると、不自然になってしまうものだ。
「桐島、お前は今現在もオレを愛してる。
本当は別れたくない、違うか?」
わかれ……たくない……。でも……。
「え……」
「表面だけ別れ装っても
その問題とやらは解決するのか?」
ダメだ。拗れた琉未ちゃんとの関係を思うと頭がついていかない。
「つきし……」
「だけど、梨花別れないのなら、オレはそれに従う」
月城君は真剣な表情をしている。
「月城君……」
彼は私に背を向け歩き始めた。
「ごめんね」
私の声に足り止まり、月城君は
「梨花は間違ってるよ」
と一言言って帰っていった。
その瞬間、私は涙で溢れた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あとがき。
精神不安定な人って周りが居ると自分が見えなくなってしまうんですよね。
けれど、外からすればおかしな人と思われてしまうんですよ。
だけど、心の問題は本当は薬なんかではどうにもなりませんからねぇ。
梨花の普通視点からとらえた考えもわかるのですが、琉未のパニック視点からとらえた感情も痛いほどわかるんですよ~。
(まぁ、書いてるの私だからね)
けれど、恋人か友達かの選択肢で梨花は友達を選んだんですね~。
私だったら、そんな冷静にはなれないわ~。
さて、ハルは別れ話を持ちかけられたのにもかかわらず、どうして梨花がまだ自分のことを愛しているとわかったのでしょうか。
それは、次回のお楽しみです。
今回も、ここまで読んでくださったお方、
どうもありがとうございました。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
《梨花》
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
登場人物
桐島梨花(18)
物語の主人公。琉未もハルが好きだと言うことがわかり……。
月城ハル(18)
梨花の恋人。だけど、未だに女の子からの人気も絶えず。
東条琉未(18)
悔しい感情を隠しきれず、梨花に当たりまくる。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あらすじ。
ひどいほどに仲が悪くなってしまった梨花と琉未。
しかし、梨花は琉未のことを心から心配して……。
前回が、琉未サイドだったのに続き、今回は梨花サイドでどうぞ。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
4.必死の思い
知らなかった。
琉未ちゃんも月城君が好きだったなんて。
私ばかり幸せな思いして、琉未ちゃんを傷付けてしまっていたなんて……。
私は、琉未ちゃんとの荒れた電話以来、月城君とのことについて考え始めるようになった。
私は月城君のことが好きだし、月城君も私を好いてくれている。これからも、そういう関係でいたいと思っている。
けれど、それでは琉未ちゃんを傷付けてしまうことになる。
でも、別れてといわれて、素直に別れますなんて言えるわけがないし。
だけど、今の関係を続けていると、琉未ちゃんの精神状態も悪化するだろう。
私は、以前から琉未ちゃんが精神的に病んでいることを知っていた。
本人から聴いていたのだ。
朝、昼、晩と欠かさず安定剤を飲んでいることを。だいたいの症状も知ってはいた。
私の場合からしたら考えられないことばかりではあったけれど、ちょっとしたことで感情が高ぶってしまう琉未ちゃんを見ているとかわいそうでしかたなかった。
ある待ち合わせの時だった。
部活が終わるのが遅かった私は、校門で琉未ちゃんを15分待たせてしまったことがある。
私にとっては15分なんてたいした時間ではない。
けれど、琉未ちゃんにとって15分という時間は耐え難いモノであった。
遅れた事を謝ろうと、琉未ちゃんにかけよったとき
「遅い!! いつまで待たせる気だよ!!」
と怒鳴り声をあげたのだ。
私は、たったの15分だよ? しかも、部活が遅くなっただけなのに、と心の中で思ったが、琉未ちゃんを見ると何故か、息を切らしていたのだ。
走ってたわけでもないのに、何故だろうと思ったけど、その時は、ちょっと腹が立っただけなのだろうと、そんなにも気にしていなかった。
後で知ったのだけど、琉未ちゃんは広い場所に一人でいると、パニックに陥って過呼吸が起こってしまうのである。
広場恐怖症というらしい。
最初のうちは、ちょっとしたことで腹を立てる琉未ちゃんが私からするとワガママにしか思えなかった。
けれど、接していくうちにそうでないことがわかったのだ。
精神が安定してない人は、時々感情のコントロールが聴かなくなる。思ってもないことを口にしたり、場違いな発言を連発したりするのだ。
時には、突然大声を上げてみたり、わざと人が傷つくようなことをしてみたり。
最初は戸惑ったけれど、琉未ちゃんにとっては苦しみの一つなんだなあって思った。それから、出来るだけ琉未ちゃんの近くにいて支えていこうとした。
けれど、今回琉未ちゃんと喧嘩してしまったことによって、私も琉未ちゃんも今までのように仲良くとはいかなくなった。
どんなに謝っても琉未ちゃんは許してはくれない。正直、琉未ちゃんの心の内がわからなかったりもする。
私だったら、好きな人が他の人と付き合っていたのを知ったとしても、現実がそうであるならば、諦めるしかない。
例え、相手が友達であっても。
そう割り切れるけど、琉未ちゃんはそうでないのだ。思い詰めて思い詰めて、もしかしたら今頃パニックに陥って腕を切ってるかもしれない。心の中で、私や月城君、そして自分さえをも殺してしまっているかもしれない。
そんなことを考えると、琉未ちゃんが心配でいてもたってもいられなかった。
私は、胸騒ぎが止まらず、思わず携帯を手に取ったが、琉未ちゃんの名前のところで指が止まって、いまかけたら余計にパニックに陥るだろうということが頭を過ぎり、私は携帯から手を放した。
そして、あることを決意し、月城君のいる体育館へ向かった。
丁度部活も終わったらしく、彼も待ち合わせの場所へ向かうところだったようだ。
「おっ、梨花じゃん。今終わったから」
「あ、うん……。あのね、月城君」
言いたくない。言いたくないよ。
「ん?」
「ちょっと話があるの」
もう既に涙が零れそうになっていた。
「ああ、わかった」
私は月城君を体育館の裏へ誘導した。
一瞬引き返すことが頭に過ぎったが、
ここまで来たからにはと思い、口を開いた。
「突然なんだけど」
私は続けた。
「別れてほしいの」
言ってしまった。琉未ちゃんの問題は琉未ちゃんの問題。それを、私が自分を傷つけたって琉未ちゃんの未来が変わるわけでもない。分かっているけれど、この時の私は琉未ちゃんとの友情を優先してしまっていた。
「……」
突然の別れ話に月城君もビックリしただろう。
「あ、月城君がいけないとかじゃなくて、なんていうか、私の方に問題があるの」
咄嗟に私は誤魔化した。
「ふ~ん、どういう?」
こんな状況なのに、月城君はやけに冷静だ。
「それは……」
人というのは、本心以外のことを言葉にすると、不自然になってしまうものだ。
「桐島、お前は今現在もオレを愛してる。
本当は別れたくない、違うか?」
わかれ……たくない……。でも……。
「え……」
「表面だけ別れ装っても
その問題とやらは解決するのか?」
ダメだ。拗れた琉未ちゃんとの関係を思うと頭がついていかない。
「つきし……」
「だけど、梨花別れないのなら、オレはそれに従う」
月城君は真剣な表情をしている。
「月城君……」
彼は私に背を向け歩き始めた。
「ごめんね」
私の声に足り止まり、月城君は
「梨花は間違ってるよ」
と一言言って帰っていった。
その瞬間、私は涙で溢れた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あとがき。
精神不安定な人って周りが居ると自分が見えなくなってしまうんですよね。
けれど、外からすればおかしな人と思われてしまうんですよ。
だけど、心の問題は本当は薬なんかではどうにもなりませんからねぇ。
梨花の普通視点からとらえた考えもわかるのですが、琉未のパニック視点からとらえた感情も痛いほどわかるんですよ~。
(まぁ、書いてるの私だからね)
けれど、恋人か友達かの選択肢で梨花は友達を選んだんですね~。
私だったら、そんな冷静にはなれないわ~。
さて、ハルは別れ話を持ちかけられたのにもかかわらず、どうして梨花がまだ自分のことを愛しているとわかったのでしょうか。
それは、次回のお楽しみです。
今回も、ここまで読んでくださったお方、
どうもありがとうございました。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
心からチームワーク 3話
《琉未》
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
登場人物
桐島梨花(18)
物語の主人公。同じクラスのハルと付き合っている。
月城ハル(18)
梨花の恋人。だけど、未だに女の子からの人気も絶えず。
東条琉未(18)
梨花とハルが付き合っていることを知り、梨花に絶好宣言を言い渡した。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あらすじ。
思い詰めすぎて体までもを壊してしまった琉未。
琉未が学校を行かなくなったのを心配し、
何度も連絡する梨花。
しかし、二人の中に新たなる大きな溝が。
前回が、梨花サイドだったのに続いて、
今回は琉未サイドでどうぞ。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
3.壊れた感情
どうして、どうして、どうして!!!!
一体、私のこの3年間の想いはなんだったというんだ!!!
ラブレターまで書いて、青春だと浮かれていたのに、いつからか知らないけど、梨花と付き合ってたなんて……。これじゃあまるで、私は空気のような存在ではないか。
私は、あの日以来梨花を友達として見なくなり、それ以上に、梨花にきつく当たることしかできなかった。
わかってはいる、私が知らないだけだったと。
私が勝手に浮かれてただけなのだと。
わかってはいるけれど、やっぱり納得できない。
私自身ギリギリのとこまで感情を抑えていたけれど、保つことはできず、梨花に対して暴言以外でてこなかったのだ。
絶好宣言してから、梨花からのメールは何度もあったけれど、私は一切返信をしなかった。
梨花と月城君が恋人同士だと知ってから2週間は学校へ行ったけれど、思い詰めてか、最近、食べたものを吐くようになり、私はそれから学校へは行かなくなった。
私は、立ち直るどころか腕まで切るようになり、無意識に自殺までも考えるようになったのだ。普通からしたら、たかが失恋でそんなことはありえないだろう。
しかし、私の場合は違うのだ。
元々、精神的に障害のある私は少ししたことでもそれが気に障り、いつもいつも苦しい思いをしてきた。
今回もそうだ。
失恋てだけでダメージは大きいのに、好きな人の恋人が友達だった。それが、私をさらなるどん底へ突き落とす原因となってしまったのだ。
こういうとき、精神的な辛さが体に表れない人って羨ましいと思う。
だって、精神だけ。つまり、心だけで悩んでいればいいのだから。だけど、体にまで影響してしまったら悩むどころではなくなってしまう。
ただただ、痛みに耐えなければいけない。
しかも、一人でいればいるほど嫌な感情が膨れあがり、尖ったモノで更にダメージを受けると割れてしまうのだ。
まるで、風船のように。
今日もまだ、昼過ぎだっていうのに、私は自分で自分を押さえられなくなってしまった。
机の引き出しに閉まっておいたカッターを取り出すと同時に、携帯が鳴った。画面を開いてみると、表示されたのは梨花の名前。出るつもりなんてなかったけれど、私は無意識に出るボタンを押してしまっていた。
『あ、琉未ちゃん?』
「……」
私は何も言えなかった。
『あの、大丈夫? 最近学校来てないから心配になって』
どこが、心配だよ。
私は口に出さず心で思った。
『琉未ちゃん、今ちょっといい? 話したくて』
お前に話すことなんかねぇよ。
早よ切れ、馬鹿。
『私さ、琉未ちゃんに何かした?
何か気に障るようなこと。もしそうだとしたら私ちゃんと謝る。
謝るから』
謝って何になる。
人というのは、ひとたび誰かの逆鱗に触れたら、自分が楽になるために許しを乞う。
『ねぇ、琉未ちゃん。何か言ってもらえないかな』
ウザイ、ウザイ、ウザイ。
『琉未ちゃんてばっ!!』
「ウザイんだよ!!!!」
私は思わず声を張り上げてしまった。
『ご、ごめん。しつこかったよね。で、でもね、話してくれないと私もわからないよ』
「アンタに話すことは何もない!!」
そう、今の梨花に話したって私が惨めなだけでしかない。
『そんなこと言わないで。ね、琉未ちゃん、話してくれたら私も何か協力するから』
「協力?? アンタに何が出来るって言うんだよ!!!」
ダメだ。落ち着くことさえ出来ない。
『出来るよ。ちゃんと、話してくれさえすれば、私何でもする。
だから、お願い。話して』
「……」
『琉未ちゃん?』
「本当に何でもする? 嘘じゃないんだな?」
何でもする。人は息を吐くように嘘をつく。梨花もその汚い人間の一人だ。
『本当よ。何でもする。だから……』
「月城君と別れて」
『え? 今なんて……』
「だから、月城君と別れてって言ってるの」
ほら、別れる気なんて更々ないのに『何でもする』。そうやって矛盾を繰り返し、何かあれば、いいとこ取りの人生をおくってきたのだろう。
『ちょ、ちょっと待って、琉未ちゃん。なんでそうなるの?』
「何でもするって言っただろ!! さっさと、別れろよ!!」
『る、琉未ちゃん……、もしかして……』
流石の梨花も気付いたか。本音では知られたくなかった。でも、時間の問題だったと思う。
「そうだよ! 今まで知らなかった。何にも知らなかった!!
私、一人で浮かれてて馬鹿みたい!! どうせ、どうせ別れてなんてくれないくせに!!
私の気持ちなんて何にもわかってないくせに!!
いい加減なこと言うんじゃねぇよ!!」
『そんな……、私知らなかった。琉未ちゃんが月城君を好きだなんて。
琉未ちゃんがこんなに傷ついてるなんて知らなかった……。
ごめんね、本当にごめんね……。でも、私……』
人というのは、有利な立場にある者ほどずるがしこく、人を傷付ける。
「……」
一気に怒鳴ったせいか、私はもう何も言葉にはできなくなっていた。
電話の向こうでは、ひたすら申し訳なさそうに謝る梨花の声が聞こえてくる。
でも、次第にそれも私の耳からは遠のいていった。
私は何も考えられなくなり、気がつけば携帯の電源を切っていた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あとがき。
必死に謝る梨花ですが、琉未には届かず。
琉未も本当はわかってはいると思うのですが。
やっぱ、認めたくないですよね~。
なんか、純愛偏差値書いてるから、心からチームワークの一話一話が短く感じます。
今回も、ここまで読んでくださったお方、どうもありがとうございます。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
《琉未》
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登場人物
桐島梨花(18)
物語の主人公。同じクラスのハルと付き合っている。
月城ハル(18)
梨花の恋人。だけど、未だに女の子からの人気も絶えず。
東条琉未(18)
梨花とハルが付き合っていることを知り、梨花に絶好宣言を言い渡した。
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あらすじ。
思い詰めすぎて体までもを壊してしまった琉未。
琉未が学校を行かなくなったのを心配し、
何度も連絡する梨花。
しかし、二人の中に新たなる大きな溝が。
前回が、梨花サイドだったのに続いて、
今回は琉未サイドでどうぞ。
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3.壊れた感情
どうして、どうして、どうして!!!!
一体、私のこの3年間の想いはなんだったというんだ!!!
ラブレターまで書いて、青春だと浮かれていたのに、いつからか知らないけど、梨花と付き合ってたなんて……。これじゃあまるで、私は空気のような存在ではないか。
私は、あの日以来梨花を友達として見なくなり、それ以上に、梨花にきつく当たることしかできなかった。
わかってはいる、私が知らないだけだったと。
私が勝手に浮かれてただけなのだと。
わかってはいるけれど、やっぱり納得できない。
私自身ギリギリのとこまで感情を抑えていたけれど、保つことはできず、梨花に対して暴言以外でてこなかったのだ。
絶好宣言してから、梨花からのメールは何度もあったけれど、私は一切返信をしなかった。
梨花と月城君が恋人同士だと知ってから2週間は学校へ行ったけれど、思い詰めてか、最近、食べたものを吐くようになり、私はそれから学校へは行かなくなった。
私は、立ち直るどころか腕まで切るようになり、無意識に自殺までも考えるようになったのだ。普通からしたら、たかが失恋でそんなことはありえないだろう。
しかし、私の場合は違うのだ。
元々、精神的に障害のある私は少ししたことでもそれが気に障り、いつもいつも苦しい思いをしてきた。
今回もそうだ。
失恋てだけでダメージは大きいのに、好きな人の恋人が友達だった。それが、私をさらなるどん底へ突き落とす原因となってしまったのだ。
こういうとき、精神的な辛さが体に表れない人って羨ましいと思う。
だって、精神だけ。つまり、心だけで悩んでいればいいのだから。だけど、体にまで影響してしまったら悩むどころではなくなってしまう。
ただただ、痛みに耐えなければいけない。
しかも、一人でいればいるほど嫌な感情が膨れあがり、尖ったモノで更にダメージを受けると割れてしまうのだ。
まるで、風船のように。
今日もまだ、昼過ぎだっていうのに、私は自分で自分を押さえられなくなってしまった。
机の引き出しに閉まっておいたカッターを取り出すと同時に、携帯が鳴った。画面を開いてみると、表示されたのは梨花の名前。出るつもりなんてなかったけれど、私は無意識に出るボタンを押してしまっていた。
『あ、琉未ちゃん?』
「……」
私は何も言えなかった。
『あの、大丈夫? 最近学校来てないから心配になって』
どこが、心配だよ。
私は口に出さず心で思った。
『琉未ちゃん、今ちょっといい? 話したくて』
お前に話すことなんかねぇよ。
早よ切れ、馬鹿。
『私さ、琉未ちゃんに何かした?
何か気に障るようなこと。もしそうだとしたら私ちゃんと謝る。
謝るから』
謝って何になる。
人というのは、ひとたび誰かの逆鱗に触れたら、自分が楽になるために許しを乞う。
『ねぇ、琉未ちゃん。何か言ってもらえないかな』
ウザイ、ウザイ、ウザイ。
『琉未ちゃんてばっ!!』
「ウザイんだよ!!!!」
私は思わず声を張り上げてしまった。
『ご、ごめん。しつこかったよね。で、でもね、話してくれないと私もわからないよ』
「アンタに話すことは何もない!!」
そう、今の梨花に話したって私が惨めなだけでしかない。
『そんなこと言わないで。ね、琉未ちゃん、話してくれたら私も何か協力するから』
「協力?? アンタに何が出来るって言うんだよ!!!」
ダメだ。落ち着くことさえ出来ない。
『出来るよ。ちゃんと、話してくれさえすれば、私何でもする。
だから、お願い。話して』
「……」
『琉未ちゃん?』
「本当に何でもする? 嘘じゃないんだな?」
何でもする。人は息を吐くように嘘をつく。梨花もその汚い人間の一人だ。
『本当よ。何でもする。だから……』
「月城君と別れて」
『え? 今なんて……』
「だから、月城君と別れてって言ってるの」
ほら、別れる気なんて更々ないのに『何でもする』。そうやって矛盾を繰り返し、何かあれば、いいとこ取りの人生をおくってきたのだろう。
『ちょ、ちょっと待って、琉未ちゃん。なんでそうなるの?』
「何でもするって言っただろ!! さっさと、別れろよ!!」
『る、琉未ちゃん……、もしかして……』
流石の梨花も気付いたか。本音では知られたくなかった。でも、時間の問題だったと思う。
「そうだよ! 今まで知らなかった。何にも知らなかった!!
私、一人で浮かれてて馬鹿みたい!! どうせ、どうせ別れてなんてくれないくせに!!
私の気持ちなんて何にもわかってないくせに!!
いい加減なこと言うんじゃねぇよ!!」
『そんな……、私知らなかった。琉未ちゃんが月城君を好きだなんて。
琉未ちゃんがこんなに傷ついてるなんて知らなかった……。
ごめんね、本当にごめんね……。でも、私……』
人というのは、有利な立場にある者ほどずるがしこく、人を傷付ける。
「……」
一気に怒鳴ったせいか、私はもう何も言葉にはできなくなっていた。
電話の向こうでは、ひたすら申し訳なさそうに謝る梨花の声が聞こえてくる。
でも、次第にそれも私の耳からは遠のいていった。
私は何も考えられなくなり、気がつけば携帯の電源を切っていた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あとがき。
必死に謝る梨花ですが、琉未には届かず。
琉未も本当はわかってはいると思うのですが。
やっぱ、認めたくないですよね~。
なんか、純愛偏差値書いてるから、心からチームワークの一話一話が短く感じます。
今回も、ここまで読んでくださったお方、どうもありがとうございます。
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この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
心からチームワーク 2話
《梨花》
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
登場人物
桐島梨花(18)
物語の主人公。同じクラスのハルと交際している。
月城ハル(18)
梨花の恋人。だけど、未だに女の子からの人気も絶えず。
東条琉未(18)
梨花の友達で、同じくハルに恋をしている。だが、梨花はそれを知らない。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
2.いきなり絶好宣言!?
今年の祭り以来、私の高校生活に花が咲いたのだ。
大好きな月城君と恋人同士になれて、もう他は何も望まないってほど今は幸せでいっぱい。
今日も月城君と仲良く登校。
だけど、全く問題がないわけでもないのだ。
月城君のことだ。
彼は元々女の子からかなりの人気があったわけで、実を言うと私たちが付き合っていることは
一部の人間しか知らないのである。
悪いことをしているわけではないけれど、月城君と話しているだけでも何となく罪悪感。
周りの視線が突き刺さるように痛い。
それを気にしながら歩いているのを気遣ってか
月城君は、校門付近からは別々に歩こう、という提案をしてくれたのだ。
月城君と一緒にいる時間が削られるのは
少し辛いモノがあるけれど、でも、私たちの心はどんな時も通じ合っている。
そう思うと、少しの辛抱だと心に言い聞かせることができた。
私は教室のドアを開け、中に入った。
と、ふとあることが頭の中を過ぎった。
数学の宿題だ。
昨日プリントを渡されたのは覚えているが、
それを一門でも埋めた記憶は頭の中のどこにもない。つまり、宿題をするのを忘れてしまったのだ。
数学の先生は厳しい先生で、宿題一つ忘れたなんて言ったら、さらに倍のプリントを渡されるに違いない。
そう思うといてもたってもいられなくなり、私は、プリントを見せてもらおうと琉未ちゃんの席へ向かった。
「おはよう、琉未ちゃん。実は、数学の宿題のことなんだけど、昨日やるの忘れちゃって。見せてくれないかな?」
「……」
あれ?
聞こえなかったのだろうか、琉未ちゃんは一言も返事を返さなかった。
私は、もう一度琉未ちゃんにお願いをした。
「あのね、琉未ちゃん。昨日、数学の宿題やるの忘れちゃって。見せてくれないかな?」
「……」
聞こえてはいるようにも思えるが、再び返事は返ってこなかった。
私は、少し不安になり何度か声をかけた。
「琉未ちゃん? どうかしたの? 調子でも悪いの?」
「……」
こちらを向いた。やっぱり聞こえていたんだ。
「琉未ちゃんてば、聞こえてるんでしょ。返事くらい……」
「プリント?」
やっと返事をしてくれた
「あ、うん。そうそう、プリント。数学のプリントね見せてほしいの」
「はぁ? なんで私があんたにそんなことしなきゃいけないわけ?」
機嫌でも悪いのだろうか。いつも優しい琉未ちゃんがムスッとしている。
「る、琉未ちゃん?」
予想外の返事に私は狼狽えた。
「ど、どうしたの、琉未ちゃん。何かあったの?」
「宿題とかさ、普通自分でやるもんでしょ。
自分で忘れてきて、それを私に見せろなんて、なんか都合良くない?」
筋は通っている。けれど、これまでがこれまでだっただけに、私は違和感を覚えた。
「そ、そうだけど」
琉未ちゃんは間違ってはいない。
「ただ胆に、先生に大目玉食らうのが嫌なわけでしょ?
そうならないように、私にお願いしてるわけでしょ?」
ざっくり言うと、そうなのだろうか。
「え、そんなつもりは……」
と言うものの、私のミスに変わりはない。
「それって、なんかズルくない?」
狡いかそうでないかと言えば、狡いかもしれないけど、それよりも、琉未ちゃんが苛立っている訳が気になる。
「琉未ちゃん……、何でそんなに冷たく当たるの?」
「冷たいとかそんなの関係ないでしょ。
とにかく、私は見せたりしないから」
何があったかは知らない。でも、今は私と話したくないのだろう。
「そう」
これ以上何かを言っても仕方ないと思い、私は自分の席に戻ろうとした。
と、同時に琉未ちゃんが信じられない一言を口にした。
「私もう、アンタのこと友達とも何とも思ってないから」
「る、琉未ちゃん!?」
私は突然のことに驚いて振り返った。
「琉未ちゃん、どういうことなの? ね、何があったか話してよ」
「つうか、ウザイ。どっか行って」
ウザイ!? いったい何がどうなっているの?
「琉未ちゃん?」
「軽々しく下の名前呼ぶなよ。アンタはもう友達じゃないんだから」
もう何がなんだかわからなかった。
3日前までは、普通に話していたのに。なんで突然。
土日は連絡取ってなかったけど、私琉未ちゃんになにかした覚えなんて一ミリもない。
私が何か言おうとしたと同時に予鈴のチャイムがなり、私は仕方なく席に着いた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あとがき。
琉未ちゃん、急変しましたね。
何が何だかわけのわからない梨花ちゃんですが、まぁ3年間も想いつづけていたんだもんね。
せっかく、幸せいっぱいだった梨花ちゃんですが、恋愛を成就させたのとは裏腹に今回は友情にヒビが入っちゃいましたね。
次回どうなることやら。
今回は、梨花視点でした。
今回も、ここまで読んでくださったお方、
どうもありがとうございます。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
《梨花》
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
登場人物
桐島梨花(18)
物語の主人公。同じクラスのハルと交際している。
月城ハル(18)
梨花の恋人。だけど、未だに女の子からの人気も絶えず。
東条琉未(18)
梨花の友達で、同じくハルに恋をしている。だが、梨花はそれを知らない。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
2.いきなり絶好宣言!?
今年の祭り以来、私の高校生活に花が咲いたのだ。
大好きな月城君と恋人同士になれて、もう他は何も望まないってほど今は幸せでいっぱい。
今日も月城君と仲良く登校。
だけど、全く問題がないわけでもないのだ。
月城君のことだ。
彼は元々女の子からかなりの人気があったわけで、実を言うと私たちが付き合っていることは
一部の人間しか知らないのである。
悪いことをしているわけではないけれど、月城君と話しているだけでも何となく罪悪感。
周りの視線が突き刺さるように痛い。
それを気にしながら歩いているのを気遣ってか
月城君は、校門付近からは別々に歩こう、という提案をしてくれたのだ。
月城君と一緒にいる時間が削られるのは
少し辛いモノがあるけれど、でも、私たちの心はどんな時も通じ合っている。
そう思うと、少しの辛抱だと心に言い聞かせることができた。
私は教室のドアを開け、中に入った。
と、ふとあることが頭の中を過ぎった。
数学の宿題だ。
昨日プリントを渡されたのは覚えているが、
それを一門でも埋めた記憶は頭の中のどこにもない。つまり、宿題をするのを忘れてしまったのだ。
数学の先生は厳しい先生で、宿題一つ忘れたなんて言ったら、さらに倍のプリントを渡されるに違いない。
そう思うといてもたってもいられなくなり、私は、プリントを見せてもらおうと琉未ちゃんの席へ向かった。
「おはよう、琉未ちゃん。実は、数学の宿題のことなんだけど、昨日やるの忘れちゃって。見せてくれないかな?」
「……」
あれ?
聞こえなかったのだろうか、琉未ちゃんは一言も返事を返さなかった。
私は、もう一度琉未ちゃんにお願いをした。
「あのね、琉未ちゃん。昨日、数学の宿題やるの忘れちゃって。見せてくれないかな?」
「……」
聞こえてはいるようにも思えるが、再び返事は返ってこなかった。
私は、少し不安になり何度か声をかけた。
「琉未ちゃん? どうかしたの? 調子でも悪いの?」
「……」
こちらを向いた。やっぱり聞こえていたんだ。
「琉未ちゃんてば、聞こえてるんでしょ。返事くらい……」
「プリント?」
やっと返事をしてくれた
「あ、うん。そうそう、プリント。数学のプリントね見せてほしいの」
「はぁ? なんで私があんたにそんなことしなきゃいけないわけ?」
機嫌でも悪いのだろうか。いつも優しい琉未ちゃんがムスッとしている。
「る、琉未ちゃん?」
予想外の返事に私は狼狽えた。
「ど、どうしたの、琉未ちゃん。何かあったの?」
「宿題とかさ、普通自分でやるもんでしょ。
自分で忘れてきて、それを私に見せろなんて、なんか都合良くない?」
筋は通っている。けれど、これまでがこれまでだっただけに、私は違和感を覚えた。
「そ、そうだけど」
琉未ちゃんは間違ってはいない。
「ただ胆に、先生に大目玉食らうのが嫌なわけでしょ?
そうならないように、私にお願いしてるわけでしょ?」
ざっくり言うと、そうなのだろうか。
「え、そんなつもりは……」
と言うものの、私のミスに変わりはない。
「それって、なんかズルくない?」
狡いかそうでないかと言えば、狡いかもしれないけど、それよりも、琉未ちゃんが苛立っている訳が気になる。
「琉未ちゃん……、何でそんなに冷たく当たるの?」
「冷たいとかそんなの関係ないでしょ。
とにかく、私は見せたりしないから」
何があったかは知らない。でも、今は私と話したくないのだろう。
「そう」
これ以上何かを言っても仕方ないと思い、私は自分の席に戻ろうとした。
と、同時に琉未ちゃんが信じられない一言を口にした。
「私もう、アンタのこと友達とも何とも思ってないから」
「る、琉未ちゃん!?」
私は突然のことに驚いて振り返った。
「琉未ちゃん、どういうことなの? ね、何があったか話してよ」
「つうか、ウザイ。どっか行って」
ウザイ!? いったい何がどうなっているの?
「琉未ちゃん?」
「軽々しく下の名前呼ぶなよ。アンタはもう友達じゃないんだから」
もう何がなんだかわからなかった。
3日前までは、普通に話していたのに。なんで突然。
土日は連絡取ってなかったけど、私琉未ちゃんになにかした覚えなんて一ミリもない。
私が何か言おうとしたと同時に予鈴のチャイムがなり、私は仕方なく席に着いた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あとがき。
琉未ちゃん、急変しましたね。
何が何だかわけのわからない梨花ちゃんですが、まぁ3年間も想いつづけていたんだもんね。
せっかく、幸せいっぱいだった梨花ちゃんですが、恋愛を成就させたのとは裏腹に今回は友情にヒビが入っちゃいましたね。
次回どうなることやら。
今回は、梨花視点でした。
今回も、ここまで読んでくださったお方、
どうもありがとうございます。
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この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
心からチームワーク 1話
《琉未》
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
登場人物
桐島梨花(18)
物語の主人公。可愛らしく、クラスの男子に人気。
月城ハル(18)
梨花と同じクラス。女の子からかなりの人気。月城総合病院の御曹司。
東条琉未(18)
梨花の友達。ハルに想いを寄せている。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
1.まさかの光景
私は高校三年生。
卒業したら、もう制服は着られないけど、
私は進学する予定だから青春はまだまだこれからなのだ。
だけど、卒業する前にしなければいけないことがる。
それは、月城ハルへの告白。
私は、一年の時から月城君に想いをよせていた。
何度も告白しようと思ったけど、タイミングがつかめずで、今に至ってしまったわけだ。
だけど、今年以内に絶対告白してみせる!
そう胸に抱いていた。
月城君とは何度か話したことはあるが、残念ながら携帯のアドレスといったような個人情報は入手していない。
これも、何度も聞き出そうと思ったのだが、いつもいつも月城君の周りには女の子達でかこまれて、私の入るスキなんてこれっぽっちもなかったのだ。
私は教室に入り、机にカバンをおろした。
「おはよう、琉未ちゃん」
「おはよー、梨花。珍しく早いじゃん」
「えへへ、ちょっとね」
いつも、チャイムとほぼ同時に教室に入る梨花だが、何故か今日は20分も早く教室に入ってる。
まぁ、今はそんなことどうでもいいのだけど。
今はとにかく月城君にどうやって近づくかだ。
私はそんなことを、授業中ずっと考えていて、ノート、教科書は開いたままだけど、前で先生が話していることなんて一切耳に入らなかった。
それどころか、私はラブレターを書いていた。
本当は直接伝えることを前提としていたが、あまりグズグズしていると伝えるものも伝えられない。
そんな事思っていたら、私は無意識に机から便せんを取り出し、ラブレターを書いていたのである。
先生に見つからないように、ノートの白紙のページに便せんを重ね、その丁度上のあたりに筆箱を置いた。
日本史は先生が前に立って話しているだけで、
当たることはないからその心配はないけれど。
私は便せんに目を向けた。
ああ~、でもなんて書こうかな……。
頭の中で何度も試行錯誤を繰り返したが、文才のない私には良い文章は思いつかなかった。
相手に気持ちを伝えるときは、良い言葉より心、心だと思う。ということは頭では思うものの、私だって乙女心というものがある。
やっぱり、好きな人には少しでもよく思われたい。
しかし、どんなに考えても言葉が見つからない。
あ~、ダメだ。こうなったらもうこれしかない!
私は、必死の思いで便せんに手を滑らせた。
放課後のチャイムがなり、私は急いで下駄箱へ向かった。
月城君は部活があるからそんなに急がなくてもいいのだけど。私は一刻も早く月城君に気持ちを伝えたかったのだ。
偶然にも昇降口には人はほとんどいなかった。
恐らく他のクラスはまだHRが終わっていないのだろう。ラッキーと思いながら私は月城君の出席番号をさがした。
その時、私はあろう事か信じられないような光景を目にしてしまった。
梨花と月城君が手をつないで昇降口を出たのだ。
「どういうことなの……」
私は無意識にその場に崩れ落ちた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あとがき。
う~ん、なんともまぁ、ありがちな展開。
しかし、3年間も想い続けたのに、身近な友達が好きな人と付き合ってたなんて……。
青春まっただ中の琉未からしたら最悪の状況でしょうね~。
少々書き直し(殆どない)ありますが、これもひとつの作品なので、改めて書くことにしました。
心からチームワーク は、時間と時間を繋ぐ恋の物語の、梨花、ハル、琉未が繰り広げる世界です。
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この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。
《琉未》
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登場人物
桐島梨花(18)
物語の主人公。可愛らしく、クラスの男子に人気。
月城ハル(18)
梨花と同じクラス。女の子からかなりの人気。月城総合病院の御曹司。
東条琉未(18)
梨花の友達。ハルに想いを寄せている。
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1.まさかの光景
私は高校三年生。
卒業したら、もう制服は着られないけど、
私は進学する予定だから青春はまだまだこれからなのだ。
だけど、卒業する前にしなければいけないことがる。
それは、月城ハルへの告白。
私は、一年の時から月城君に想いをよせていた。
何度も告白しようと思ったけど、タイミングがつかめずで、今に至ってしまったわけだ。
だけど、今年以内に絶対告白してみせる!
そう胸に抱いていた。
月城君とは何度か話したことはあるが、残念ながら携帯のアドレスといったような個人情報は入手していない。
これも、何度も聞き出そうと思ったのだが、いつもいつも月城君の周りには女の子達でかこまれて、私の入るスキなんてこれっぽっちもなかったのだ。
私は教室に入り、机にカバンをおろした。
「おはよう、琉未ちゃん」
「おはよー、梨花。珍しく早いじゃん」
「えへへ、ちょっとね」
いつも、チャイムとほぼ同時に教室に入る梨花だが、何故か今日は20分も早く教室に入ってる。
まぁ、今はそんなことどうでもいいのだけど。
今はとにかく月城君にどうやって近づくかだ。
私はそんなことを、授業中ずっと考えていて、ノート、教科書は開いたままだけど、前で先生が話していることなんて一切耳に入らなかった。
それどころか、私はラブレターを書いていた。
本当は直接伝えることを前提としていたが、あまりグズグズしていると伝えるものも伝えられない。
そんな事思っていたら、私は無意識に机から便せんを取り出し、ラブレターを書いていたのである。
先生に見つからないように、ノートの白紙のページに便せんを重ね、その丁度上のあたりに筆箱を置いた。
日本史は先生が前に立って話しているだけで、
当たることはないからその心配はないけれど。
私は便せんに目を向けた。
ああ~、でもなんて書こうかな……。
頭の中で何度も試行錯誤を繰り返したが、文才のない私には良い文章は思いつかなかった。
相手に気持ちを伝えるときは、良い言葉より心、心だと思う。ということは頭では思うものの、私だって乙女心というものがある。
やっぱり、好きな人には少しでもよく思われたい。
しかし、どんなに考えても言葉が見つからない。
あ~、ダメだ。こうなったらもうこれしかない!
私は、必死の思いで便せんに手を滑らせた。
放課後のチャイムがなり、私は急いで下駄箱へ向かった。
月城君は部活があるからそんなに急がなくてもいいのだけど。私は一刻も早く月城君に気持ちを伝えたかったのだ。
偶然にも昇降口には人はほとんどいなかった。
恐らく他のクラスはまだHRが終わっていないのだろう。ラッキーと思いながら私は月城君の出席番号をさがした。
その時、私はあろう事か信じられないような光景を目にしてしまった。
梨花と月城君が手をつないで昇降口を出たのだ。
「どういうことなの……」
私は無意識にその場に崩れ落ちた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あとがき。
う~ん、なんともまぁ、ありがちな展開。
しかし、3年間も想い続けたのに、身近な友達が好きな人と付き合ってたなんて……。
青春まっただ中の琉未からしたら最悪の状況でしょうね~。
少々書き直し(殆どない)ありますが、これもひとつの作品なので、改めて書くことにしました。
心からチームワーク は、時間と時間を繋ぐ恋の物語の、梨花、ハル、琉未が繰り広げる世界です。
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この小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。