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日常のこととかオリジナル小説のこととか。
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HN:
ashita
Webサイト:
性別:
女性
職業:
地主(土地貸してます)
趣味:
漫画やアニメを見るのが好きです。最推しはフーディーニ ♡
自己紹介:
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ブログ、もう書かないと思ってました。

けれど、去年から書き始めた小説によって、過去に書いてた小説も書き始め、ここに載せることにしたのです。

小説は、主に『時間と時間を繋ぐ恋の物語』と『妖精村と愉快な仲間たち』をメインに書いています。
現在は、中高生の武家・貴族・王族が過去を遡るジャンルはダークファンタジーの『純愛偏差値』という小説に力入れています。
純愛偏差値は私の人生を描いた自伝です。
終わることのない小説として書き続ける予定です。

純愛偏差値は今年100話を迎えました。
私にとって、はじめての長編です。キャラクターも気に入っています。
が、走り書きに走り書きしてしまったので、1話から書き直すことにしました。これまで書いたものは鍵付けて残しています。

元々このブログは病気の記録用として立ち上げたものですが、小説載せるようになってからは、ここは出来るだけ趣味的なことを綴りたいと思っております。
病気の記録や様々な思いを綴るブログは移転済みなのです。

ただ、今は日記は個人的な徒然、或いはお知らせとして綴ることが多いかと思います。

小説、ぼちぼちマイペースに書いてゆきます。

よろしくお願い致します。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

お知らせ。

イラストは現在「ナノハナ家の日常」に載せております。サイドバーにリンクあります。

また、「カラクリよろずや」にてフリーイラスト素材について考えるブログはじめました✩.*˚
不定期に更新していく予定です。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

模倣・無断転載などは、ご遠慮ください。

ブログの小説はフィクションであり、登場人物・団体名などは全て架空です。

小説・純愛偏差値に関しましては、武家名・貴族名(程度による) / 及び、武官の階級 / 扇子・羽子板・花札・百人一首・紙飛行機などのアイテム使用方法の模倣の一切を禁じております。

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X @kigenzen1874

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〈資格履歴〉

2008年09月09日
→さし絵ライター3級 合格
2012年10月25日
→環境カオリスタ検定 合格
2025年01月20日
→鉛筆デッサンマスター 合格
→絵画インストラクター 合格
2025年03月07日
→宝石鑑定アドバイザー 合格
→鉱石セラピスト 合格
2025年04月07日
→茶道アドバイザー 合格
→お点前インストラクター 合格
2025年04月17日
→着物マイスター 合格
→着付け方インストラクター 合格
2025年05月19日
→サイキックアドバイザー 合格
→サイキックヒーラー 合格
2025年07月01日
→アンガーカウンセラー 合格
→アンガーコントロール士 合格
2025年08月04日
→漢方コーディネーター 合格
→薬膳調整師 合格

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〈資格証明バナー〉

鉛筆デッサンマスター®認定試験資格取得証明
絵画インストラクター資格資格認定証
宝石鑑定アドバイザー資格認定試験資格取得証明
鉱石セラピスト資格資格保持証明
茶道アドバイザー資格認定試験資格取得証明
お点前インストラクター資格資格認定証
着物マイスター®資格認定試験資格取得証明
着付け方インストラクター資格資格認定証
サイキックアドバイザー®資格資格証明
サイキックヒーラー資格資格保持証明
アンガーカウンセラー®資格資格保持証明
アンガーコントロール士資格資格認定証
漢方コーディネーター®資格認定試験資格保持証明
薬膳調整師®資格認定試験資格保持証明
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『クレナイ』

物語の始まりを 私はまだ知らない
ここ100年で 変わってしまった
毎日 着物を着ていたあなたは
もう どこにもいない

紅葉神社で あなたが買ってくれた
黄色い みつえもみじ の 赤いお守り
今ではもう 売られていない
あの時だけの 遠い遠い昔の想い出

どんなにすれ違っても あなたの温度は
少しも変わらなかった そう今でも……

紙飛行機追いかけて 駆け出してく
季節流れながらも あなたを探し求めて
運命に頼らない 私が掴み取る
大晦日の夜 花火あがる 紅葉神社

どれだけ時間を 遡っても
変えてしまった歴史は 元に戻る
あなたを忘れてしまった 現代(いま)
どれだけ 泣かせてしまっただろう

私の心が あなたから離れた時
もう戻れないと 2人で泣いたよね……

たくさんの折り鶴が 窓をつつく
私宛の文 全てあなたの筆跡だった
まだ待っていて いますぐ行くから
真夏の夜 花火散っていった 紅葉橋

紙飛行機追い抜いて 振り向いた
何世紀も待たせて 本当にごめんね
私が作り上げたサダメ もう離さない
秋祭りの夜 紅花舞った 紅葉神社

……

あとがき。

森の湖でカナエが歴史を変えてしまい、ナミネの記憶が失われた時、ヨルクは交際していたことをナミネに忘れられてしまい心押し殺し悲しんだ。
けれど、ナミネが記憶を取り戻し、月日流れ、正月に紅葉神社にナミネとヨルクが仲良く初詣に行くイメージを浮かべながら書いた詞です。

オリジナル小説 純愛偏差値 詞
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未来望遠鏡(ボウカンシャ) 1話

……

登場人物

大温時 菊助23……雄作とさと子の大学の同期でさと子に片想いしている。普段は中小企業のサラリーマンをしている。

田辺 雄作23……菊助とさと子の大学の同期でさと子と交際している。さと子と同じ大企業のflowerグループに務めている。

山野 さと子23……菊助と雄作の大学の同期で雄作と交際している。雄作と同じ大企業のflowerグループに務めている。

……

『本日をもって僕は人間をやめます』
こんなのいつ書いた文章だっけ。まるで遺書みたいだが、全く思い出せなかった。

現代の僕は大学を卒業後、中小企業に務めている。残業は殆どないが、給料はそれなりに少ない。それに未だに上司に怒られてばかりで毎日疲れてしまう。
学生時代は楽しかったけれど、社会人になっては、毎日が同じことの繰り返しで、時折、何のために生きているのか分からなくなる。

仕事帰り、いつもの居酒屋に行った。
メニューを開くなりビールを注文した。ビールを半分飲み終えた頃、友達が来た。
「よお、菊助」
「菊助君、遅れちゃってごめん」
田辺と山野さんは大学で知り合った友達だ。2人とも僕と違って頭が良く、今は大企業のflowerグループに務めている。
「ううん、僕も今来たところだから」
田辺と山野さんは、重要なプロジェクトを任されていて、今は忙しいらしい。残業続きとも聞いている。
就職した頃は毎日のように3人で集まっていたが、今では週に2回会えたら良い方だ。
「菊助は彼女作らないのか?」
このわざとらしい質問は僕はあまり好きではない。僕は女ウケする田辺とは違って女ウケなんて夢のまた夢で、これまでに彼女が出来たことが一度もない。
「うん、今はね」
適当な相づち。虚しくなってくる。
田辺は大学時代から山野さんと交際している。そう、僕が片想いしている山野さんと。田辺は大学時代からモテていて、サッカー部に入っていて、山野さんはマネージャーをしていた。
山野さんは学年のマドンナ的存在で、誰もが山野さんとの交際を夢見ていた。
そんな山野さんを振り向かせたのが田辺だ。本音では羨ましくて仕方ない。
「さと子、今回のプロジェクト絶対成功させような」
「ええ、全力を尽くすわ」
「プロジェクトが終わったら温泉旅行に行こう」
「いいわね!」
僕がいるのに、田辺はいつも山野さんと2人で会話を楽しむ。2人にとって僕はまるで透明人間だ。
僕は孤独にタコ焼きを食べていた。
温泉旅行だなんて、本当見せ付けてくれるよな。
僕だって山野さんと交際したかった。でも、告白したところで断られる。気づいた時には、山野さんの隣には田辺がいた。
人生というものは親ガチャで決まると言うが、どうやら本当らしい。

居酒屋を出て田辺と山野さんと別れると、僕は実家に戻って行った。
夜になると僕はよく望遠鏡で月を眺めている。高校時代は天文部だった。その頃から、天体観測は僕にとっての習慣になっている。望遠鏡から夜空の星を眺めていると心が安らぐ。
月はあんなにも遠いのに、望遠鏡で見ればとても大きい。僕はSNSに撮影した月をよく投稿している。
アイピースを変えれば、月以外の惑星も見ることが出来るが、惑星の動きが早いため撮影は難しいし、かなりの倍率でなければ大きくは撮影が出来ない。だから僕はただただ月を眺めている。倍率はだいたい40くらい。この倍率が月を見る分に対しては丁度いいと思っている。
月の出は毎日1時間くらいズレている。だから、夜寝る時に出はじめる月は次の日が仕事のため、撮影することが出来ない。
けれど、月の満ち欠けは実に神秘的で、毎日少しずつ月の形が違うのだ。日によっては、昼と夜に月が出ていることもある。
昼間の月は白く映り、夜の月は灰色に映る。
今日は三日月だ。そろそろ新月に入ってゆく。

朝起きると、またいつもの日常がはじまる。つまらないけれど、仕事に行くしかない。僕は会社に行く準備をした。

……

あとがき。

未来望遠鏡の復旧をしてみました。
が、ストーリーが浮かんで来ない。

最初はタイトルを変えようと思っていたのだけれど、タイトルは未来望遠鏡のまま、ボウカンシャを付け加えました。

菊助は、時間を急げ!や、トイレ代理人、Make Loveは偽り!?に出ています。また、菊助が登場する小説は純愛偏差値ではリアルに起きていることという設定にもなっております。

時間軸的には何世紀も前の菊助となります。
純愛偏差値 未来編 一人称版 66話

《ヨルク》

私は女神の湖でダンゴロさんに神様呼び出しカードをもらった。ナミネのために使おうと思う。それにしても、ミナクお兄様もアルフォンス王子もカラルリさんもやたら女神に話しかけていて、セナ王女とカナエさんはかなり機嫌を損ねている。

あれ、ナヤセスさんは何をしているのだろう。えっ、女神の血液を抜いている?
「女神の血液はヨウセイ型と特殊な血液型で、どんな病気でも治すことが出来るよ。けれど、ここにいる女神だけの血液だけで全人類を治すことは出来ないからね。これ以上の女神の血液採取は認めないよ」
ダンゴロさんの言葉にナヤセスさんは咄嗟に女神から離れた。
ヨウセイ型。聞いたことがない。けれど、ヨウセイ型の血液があればどんな病でも治せるだなんて、遠い昔に知っていたらナミネの病を治したかった。

あ、ナルホさんがミドリさんを連れて戻ってきた。私は2人の元に駆け寄った。
「ナルホさん!」
ミドリさん、全然変わってない。
「久しぶりね、ヨルク」
「お久しぶりです、ミドリさん」
もう3年は経つのか。ここを出たら大学生の姿になるのかな。あれ、ナミネはどうしたのだろう。
「ナルホさん、ナミネはどうしてるの?」
「旧友と話してると思うよ」
「そっか、私も天界に行ってくるね」
その時、ダンゴロさんが近付いてきた。
「本当は逆物質の持ち帰りは禁じてるけど、今日だけ特別に3つまで持ち帰っていいよ」
「本当ですか?ありがとうございます!」
もし、ナミネとの想い出のものがあれば入手したい。
私はナミネを探すため天界に続く通路を通った。

天界は古民家が並んでいて、とても賑わっている。みんなが幸せな暮らしをしていることが伝わってくる。ナミネはどこにいるのだろう。
「久しぶりだな、ヨルク」
えっと、この人誰だろう。
「あの、どなたでしょうか?」
「僕も忘れられたもんだな。妖精村半ば頃の学友のキザクだよ」
ダメだ、やっぱり思い出せない。
「そ、そうなんだ。あ、ナミネどこにいるか分かる?」
「ナミネなら道端で泣いてたぞ」
「え、どうして?何かあったの?」
「さあな。ここを真っ直ぐ行ったらいるから行ってやれよ」
私は急に不安になり走った。ナミネ、いったい何があったのだろう。私が走っていると前からナミネが泣きながら歩いて来た。
「ナミネ、どうしたの?何があったの?」
ナミネは何も言わず私に抱き着いた。
「ヨルクさん、ごめんなさい」
ごめんて何が?
「ねえ、ナミネ……」
「私、もうヨルクさんを待たせません!」
旧友に昔のことを聞いたのだろうか。
「ナミネ、歩ける?3つまでならここにあるの持って帰れるみたいだから、市場で何か見よう?」
「はい」
私とナミネは手を繋ぎながら市場に向かった。

天界の市場は天使村の市場とは違ってとても穏やかだ。それにものも豊富。
「ナミネ、どれが欲しい?天界限定品もあるよ」
ナミネはとても落ち込んだ様子だ。こういう時、彼氏として何をしてあげたらいいのだろう。
ふと見るとナミネは透明のモルモット女神のぬいぐるみを持っていた。
「それにする?」
「はい」
天界なだけあって、全てが変わったものばかりだ。ん?全てを治す薬?説明書きを見ると、どんな病でも治せる薬らしい。ただし、使えるのは一度だけ。何かあった時のために買っておこう。
「ナミネ、他に欲しいのある?」
「これだけでいいです」
あと1つなら全てを治す薬をもう1つ買おう。私は、透明のモルモット女神のぬいぐるみと全てを治す薬2つを購入した。

再び女神の湖に戻るとセナ王女がミナクお兄様の携帯を真っ二つに割っていた。その時、ナミネが湖に走って行った。慌てて私も追いかけた。
「ナミザお姉様、また会いに来ます」
「ナミネ、幸せになるのよ。カンザシも」
ナミネとカンザシさんだけの姉。何だか信じ難いけど、私にも知らない歴史がたくさんあるのだろう。
「姉さん、僕、今は芸能人なんです」
「ああ、カンザシはよく駆け出しミュージシャンやっていたわね。あの頃は売れていなかったけど、貴族だったから、一生続けてたわね」
カンザシさんが貴族って以外。ワンルームのアパートに暮らしているイメージが強いかもしれない。
「ナミザさん、お久しぶりです」
「久しぶり、ズーム」
ズームさんとも知り合いなのだろうか。
「2人は覚えているか分からないけど、私たちの家の近くにズームは住んでいたのよ」
「そうでしたか。大昔は私とズームさんは幼なじみだったのですね」
人の縁というのは分からないものだ。ナミネとズームさんは昔のカンザシさんのコンサートで知り合ったものだと思っていたけれど、大昔は幼なじみという近い存在でもあったのか。
「ナミネ、よく聞いて。人生に運命なんてないの。全て人の意思で作り上げたものなのよ。悪いことをしたら何らかの形でその人に返ってくる。人を恨んではダメよ。ヨルクと幸せになって」
運命なんてない。どうしてそう言い切れるのだろう。私とナミネはずっと運命だと信じてきたのに。それともナミネと私の意思が繋がりをもたらしているのだろうか。
「もう誰も恨みません!私、ヨルクさんと幸せになります!」
ナミネ……。
その時、セナ王女がミナクお兄様の話しかけた女神に攻撃しようとしたがダンゴロさんが止めた。
「ここにいる女神は全員僕の契約彼女だ。手を出すことは許さない」
「セナ王女、少し世間話をしていただけです。どうかお許しください」
虚しくもミナクお兄様の真っ二つに割られた携帯は湖にプカプカ浮かんでいる。私はミナクお兄様の携帯を拾った。この端末代は払わなければならないけど、新しい携帯にデータ移行は出来るだろう。
「そろそろ時間だ!ここを出るぞ!」
もうそんな時間か。セナ王女とカナエさん、怒ったままだけど、連れて帰らないと。あれ、ナミネ何持っているのだろう。
「ナミネ、それ何?」
「ヨルクさんが天界にいた時に友達の家に置いていったものです」
どうして私の下着持って来てるの!
「ナミネ、それここに置いていって!3つまでしか持って帰れないから!」
「1人3つまでです!ルール違反ではありません」
そうか。1人3つか。それなら惜しいことをしてしまった。けれど、人間あまり欲を出しすぎるのもよくない。
「いいから置いていって!」
私はナミネからパンツを取り上げ、ダンゴロさんに渡した。
「天界が夜になる時間だよ。みんな帰らないとね」
天界には朝昼晩とあるのに、女神の湖はずっと明るいのか。
「エロじじい、最後に聞く!妖精村の象徴は姉さんなはずなのに、どうして姉さんは幸せになれないんだ?」
「そんな都市伝説どこで聞いたか分からないけど、妖精村の象徴はミナコだよ」
どういうことだ?妖精村の象徴はセレナールさんではなかったのか?ミナコさんだなんてはじめて聞いた。けれど、ダンゴロさんは神様だ。ダンゴロさんの言っていることのほうが正しいのかもしれない。
「そっか……姉さんじゃなかったんだ」
「まあ、妖精村以外では女神候補だったかもしれないけど、少なくとも僕からしたらセレナールは女神候補失格だね。ミナコのほうがずっと魅力的だから」
その基準はいったい何なのだろう。私には綺麗の基準がイマイチよく分からなかった。
「あの、女神の湖にはまた来れるんですよね?あと、あの市場は天界に暮らす人にとってはあまり必要のないものな気がするのですが」
「来ることは出来るよ。僕も女神もずっとここにいる。でも、天界の人は転生しているかもしれないね。あの市場は遥か昔の神様が死者が転生する時に持って行けるものを買えるために作られたんだよ。でも、今では、天界の人の娯楽になってるけどね。さあ、そろそろみんな帰るんだ」
私たちは走って女神の湖に繋がる天使の湖の時と同じ理屈の途切れた橋に向かった。ダンゴロさんが時間を止めてくれていたおかげで、みんなは無事に途切れた橋を渡り終えた。
あ、ナミネの脱ぎ捨てたコート!私は咄嗟にナミネを見た。するとナミネはちゃっかりコートを着ていた。

帰りの電車の中は、かなり気まずい空気で、セナ王女は機嫌を損ねたままだった。帰ったら、みんなにお蕎麦とナミネに月見うどんを作らないと。
「あの、今日は皆さんそれぞれのお家に帰って明日の予定も一旦なしにしませんか?ナミネもこんな状態ですし」
今は少しでもナミネを休ませてあげないといけないと思う。
「ねえ、ラルク。ヨルクさん、私のせいにしてるよ」
「まあ、ナミネと2人きりで過ごしたいんじゃない?」
え、ナミネもう大丈夫になったの?あれだけワンワン泣いていたのに。
「ナミネ、もう大丈夫なの?」
「はい」
そっか。良かった。
「ヨルク、携帯ショップに行って、新しい携帯買っておいてくれないか?」
「何言ってるんですか!ご自分でしてください」
私はミナクお兄様に女神の湖で拾った真っ二つに割れた携帯を渡した。
「あんたらさ、何があったんだよ」
何だか聞くまでもない気がする。
「ミナクがいきなり女神に綺麗だとか今度ランチしようとか言い出したのよ!目の前で浮気されて黙っていられないわ!」
ミナクお兄様、セナ王女がいるのに何故……。
「アルフォンス王子様は今すぐホテルに行こうって女神の手をひっぱってました」
アルフォンス王子が分からない。何故カナエさんがいるのに堂々と浮気しようとする。
「セナ王女、私はただ天界での道を聞いていただけです」
よくぬけぬけと嘘が言えるよね。
セナ王女はミナクお兄様を引っぱたいた。
「カラン、ミナクの新しい携帯はあなたが代わりに買いなさい。後からミナクの名義にすればいいわ!もちろんデータ移行込みで。データ移行直後の携帯を私に見せてちょうだい」
「分かりました」
「セナ王女、お待ちください。数々のセナ王女との想い出が入っておりますゆえ、データ移行は長くなりますので私の時間が空いている時に行きます」
人というのは嘘をついても、その嘘をいつまでもはつき続けられないものなのである。いつかは人にバレてしまう。嘘をつく人は嘘に嘘を上塗りするけれど、結局は知られてしまうのだ。墓場まで持って行ける嘘などこの世には存在しない。
「ヨルクさん、明日のお節は母が用意して、もうナノハナ家に届いてますので、それを皆さんで分けてください」
えっ、ミミリ先生わざわざ作ってくれたんだ。
「あ、すみません。有り難くいただきます」
「あ、ズーム、私ロォハと付き合うことになったの」
こないだ出会ったばかりなのに、もう交際だなんて、これが現代でいうところのスピード恋愛なのか!?
「そうですか。お幸せになってください」
「ミネルナさん、交際相手ってお金持ちなんですか?」
あれ、急にカンザシさんが焦りだした。
「ううん、一般家庭の人よ。でも、医師を目指してるの」
あれから結局、医師を目指すことにしたのか。月城総合病院も心強いだろうな。
「そうですか。でも、そんな恋愛長くは持たないと思います」
どうしてカンザシさんは否定的なのだろう。この時の私はカンザシさんとミネルナさんが互いに互いが知らないまま、かつて両想いだったことを知らなかった。
「とても相性がいいの。カンザシも早く彼女見つけて幸せになって」
ミネルナさん幸せそう。
「私も報告があるの。皇太子様から復縁迫られて、もう一度交際することになったわ」
そうだったのか。けれど、カラルリさんはどうなるのだろう。
「セナさん、ミナクと上手くいってないなら私ともう一度交際して欲しい」
同情は出来ないけど、何故こうも未練たらしいのだ。
「中絶薬盛ったカラルリとは絶対に復縁しないわ!残念だったわね。エミリにフラれて」
カンザシさんは突然タバコを吸いはじめた。何故急にタバコなのだろう。ミネルナさんとロォハさんの交際を聞いてから何だかおかしいような。ミネルナさんに片想いでもしていたのだろうか。だったら、どうしてナミネに過度に迫るのだろう。
「で、男尽くしのカナエと平凡アルフォンス、甘えセナとミナクは今後どうすんのさ?」
「カナエはアルフォンス王子様に裏切られて、もう信じることが出来ません」
「私はカナエを裏切ったりなどしていない。ただ、ホテルのレストランで天界のこと聞こうと思っていただけだ。カナエを失いたくない」
ホテルに誘うことがもう裏切りだと思う。カナエさんならいくらでもいるし、早いうちにアルフォンス王子とは別れたほうがいい気がする。
「私はミナク次第かしら。他の女と話さないなら考えてもいいわ」
もう拷問だな。身勝手に人の心は縛れないのに。
「落ち武者さんなんか、女神のまとっている布捲ってたわよ」
いらぬ情報を聞いた気がする。落ち武者さんて、あどけない顔して変態だったのか。
「僕、そんなことしてないけど?」
「ねえ、ラルクは何買ったの?」
「女神の湖カード。これで購入すれば20%キャッシュバックなんだよな」
「えー、そんなのあったんだ。私も欲しかった!ヨルクさんて気が利かない」
何故私のせいにする。そういうのがあれば便利かもしれないけど、浪費しない人なら普通にクリスタルカードで十分な気もする。
結局、セナ王女とミナクお兄様、カナエさんとアルフォンス王子は仲違いしたまま電車を降りてナノハナ家に向かった。

ナノハナ家に着くと、みんなお風呂に入り出した。私とカナエさんはお蕎麦を作りはじめた。
「私も手伝います」
「アヤネさん、お風呂で温まらなくていいんですか?」
「はい。まだわだかまり解けてませんし」
そっか。アヤネさんは遠い昔のカラルリさんとの浮気のことでみんなから白い目で見られていたんだっけ。
「そのうちみんなも理解してくれますよ」
結局、ニンジャ妖精さんもアパートに帰らずここに泊まるみたいだし、お風呂心配だな。その時、第1居間のほうから悲鳴が聞こえてきた。私は咄嗟に第1居間に走った。

第1居間の扉を開けると、ナクリさんが泣き崩れていた。
「嘘でしょ、ミドリ……」
まさか誰も死者が蘇るだなんて思わないだろう。
「ナクリ、私は一生ナクリを許さない。ナクリはピアニストになる資格なんかないよ。私がいなかった3年間どうだった?でもね、私、これから人生やり直すの。もちろんピアニストも目指す。それから、今後はカナコさんのグループに入れてもらうことになったから」
3年。ナノハナ家のみんなにとっては長くて苦痛な時間だった。でも、またミドリさんはこうやって戻って来れた。今度こそ幸せになって欲しい。
「ミドリ、許して……ただミドリが羨ましかった……死ぬなんて思ってなかった!」
「許さないよ。ただ、私からは何もしない。ナクリはナクリで幸せになればいいと思う。私は私で第2の人生送るから」
失われた3年間は戻らないが、ミドリさんは今、大学生となって二度目の人生を送ろうとしている。ミドリさんが戻ってきたことは今後のナクリさんの人生に何らかの支障をきたすかもしれない。それでも、ミドリさんいてこそのナノハナ家なのだ。
「ミドリお姉様……?」
振り向くとナミネが何も着ないで突っ立っていた。落ち武者さんやカンザシさんもいるし、私は慌ててナミネを抱きかかえ2階に走った。

2階の部屋に入ると私はナミネの身体を拭き、下着とルームウェアを着せるとナミネの髪を乾かした。
「ナミネ、今日は大晦日でみんないるんだから裸で家歩かないで」
「はい」
ナミネはいつも私に対しては簡易的な相づちしか打たない。ラルクにだったら突っ込むのに。そのナミネの態度がいつも私を不安にさせていた。
「ナミネ、私といても楽しくない?」
私はまた聞いてしまった。
「以前もその質問しましたよね。私たち交際してもう5ヶ月過ぎたんです!交際当初に比べ恋人らしくもなりました。私もヨルクさんも互いに愛し合っています。ヨルクさんが私に構ってくれるたび、私はヨルクさんの温かさに幸せを感じています。どうして疑うのですか?」
ナミネはそういうふうに思ってくれていたのか。言葉がなくても私といると幸せを感じてくれていたんだね。
「疑ってるわけじゃないよ。私といる時は口数少ないのに対してラルクとはいつまでも話してるから……でも、ナミネが私のこと好きでいてくれる気持ちが分かって安心したよ」
「ラルクは同い年ですし、ずっとクラスも同じで親友だからそれなりに話題もあるだけです!何も口数が少ないからと言って楽しくないわけではありません!ヨルクさんは恋人だから一緒にいて安心するんです!」
ナミネはとても真剣な表情をしている。不安になってしまった自分が情けなく感じてしまった。
「ナミネ、ごめんね。私は何も分かっていなかった。カナエさんに料理任せて出てきたから行かないと」
私が立ち上がろうとするとナミネは私に抱き着いた。ナミネの菜の花の香りが強くなる。私はナミネを強く抱き締めた。ナミネは何度も私のことを好きだと言った。
「あんたら何してんのさ。蕎麦出来たから早く来い!」
落ち武者さんが入って来て私は咄嗟にナミネから離れた。それでもナミネは私に抱き着いてきた。どうしたのだろう。いつものナミネと違う。天界でナミネを見付けてから様子がおかしい気がする。そんなナミネを落ち武者さんは抱きかかえた。
「ほら、行くぞ!」
私たちは第4居間に向かった。

第4居間では既にお蕎麦とナミネの月見うどんが並べられていた。
「すみません、カナエさん」
「いえ」
その時、テレビからナミネがミスコングランプリに選ばれた時の映像が流れた。ナミネは制服の上に赤いマントを羽織り、大きなトロフィーを持っていた。
感想を聞かれるとナミネはこう答えた。
『まだまだ未熟な私が、このようにグランプリに輝くことが出来たのも、心温かい皆々様の一つ一つの投票という愛情のおかげです。今回グランプリに輝けたことで、今後、更に精進することを決意しました。私の出演作品を見てくれている方々には日々感謝しています。春には写真集を出す予定なので、興味のある方は是非1度ご覧になってください。では、この辺で失礼します。皆様の今後の健闘を心よりお祈り申し上げます』
ナミネは一礼するととびきりの笑顔を見せた。
ナミネ、可愛すぎる。けれど、これでナミネはまた有名になってしまった。遠い存在になってしまわないか不安である。
ふと、ラハルさんのフェアリーZ広場を見るとミスコングランプリの時のナミネとのツーショットが投稿されていた。カンザシさんのフェアリーZ広場も同じだった。
「みんな、強気なナミネの今の映像欲しいならDVD持ってけ!」
私はすぐに手に取った。
「そういえば、セレナールはミスコンどうなったのよ」
セレナールさんも応募していたのだろうか。けれど、ナミネは応募は勝手に映画撮影した時の事務所がしていたそうだが。
「わ、私は応募してないわ」
「私、セレナールがミスコン応募用紙書いてるの見たわよ」
セナ王女、ミナクお兄様のことで機嫌悪いからセレナールさんに矛先が向いているのか。
「結局応募はしなかったのよ」
この時、本当は応募していたらしいが、ナミネがミスコングランプリに輝いてしまったことでセレナールさんが言い出せなかったことをみんなは知らなかったのである。

明日は初詣に行くから、カナエさんと机の片付けをした後、私はお風呂に入って部屋に戻った。

……

あとがき。

この時、めちゃくちゃ体調が悪くて、ところどころよく分からない内容で繋げてしまってる。

それにしても、もう大晦日。1話から書き始めた頃を思い出すと、もうこんなに進んだんだなって自分でもビックリ。

これからも、みんなが予定通りに過去を辿っていけますように。
未来望遠鏡 7話


「私、未来が見えるの」
山野さんは確かにそう言った。冗談を言っているようには思えなかった。多分山野さんは真剣だ。
「未来…?」
僕は聞いた。
「そう、未来」
今の真剣な山野さんに僕はどう反応していいのか分からなかった。
「どうして、それを僕に?」
僕は残りのコーヒーを一気に飲んだ。コーヒーは少し冷めていて温くて美味しくなかった。
「話すと長くなるわ」
山野さんはこれから僕に何かを話すのだろう。それも、かなり時間のかかる話を。
僕はその話を聞く意思を示すかのように、コーヒーをもう一杯注文した。
「わかった。聞くよ、山野さんさんの話」
山野さんの真剣さが移ったのか僕まで真剣になってきた。
「あれは大学生の時だった。私はある先輩と恋仲になってた。けれど、そんな時に圭吾はある提案をしたの。先輩も圭吾もサッカー部だった。圭吾はサッカーで先輩のチームと勝負して勝ったら私と付き合ってほしいとそう言ってきたの。私はすんなりOKしたわ。今思えばこの選択が間違っていた。でも、あの時は先輩が負けるはずないと確信していたの。そう、先輩が負けるはずなかった」
山野さんの話に田辺が出てきて僕は焦りを隠すかのようにコーヒーをひと口飲んだ。そして、山野さんは続けた。
「けれど、勝負は圭吾のチームが勝って先輩のチームが負けたの。私はこれは現実じゃないって何度も言い聞かせた。何より好きでもない圭吾と付き合うのは考えられなかった。でも、後には引けなかったの。私は嫌々圭吾と付き合ったわ。そして、先輩への思いは断ち切れないままだった。私と圭吾が付き合っているのを見かね先輩は自殺した」
「えっ!」
僕は思わず声を出してしまった。
「圭吾は細工していたの。試合当日に先輩の靴に細工していたのよ。その事を先輩は何一つ言わなかったわ」
山野さんが今でも辛い思いをしているのは痛いほど伝わってきた。そして、山野さんの目は涙ぐんでいた。
「細工? 田辺が? どうして?」
僕はただ聞くことしかできなかった。田辺のこと、山野さんのこと、山野さんが慕っていた先輩のこと何にも知らないから、慰めの言葉より現状を把握する事を選んでしまった。
「これよ」
山野さんは鞄の中から双眼鏡を取り出し僕に見せた。
「これって、双眼鏡?」
僕はますます分からなくなった。
「信じられないかもしれないけど、この双眼鏡を通して過去を見ることが出来るの」
僕は声が出なかった。その代わりに目をまん丸に開いて驚きを表明していた。
「この双眼鏡で、圭吾が先輩の靴に細工している姿が見えたわ。最初は幻覚でも見てるのかと思った。けれど、この双眼鏡を通して見えた事は全て過去に起きた出来事だと分かったの。だからね、辛かった。もし、過去じゃなく未来が見えたら全てが変わっていたのかもしれないと思うと今でも辛いの」
未来と過去。どちらが見えたら有利かなんて考えた事さえなかった。けれど、山野さんは過去ではなく未来を知りたかった。そうすることで先輩を救いたかったのだろう。
僕は望遠鏡を通して未来を見ることが出来る。
もし、僕が双眼鏡で山野さんが望遠鏡を持っていたなら全てが丸く収まっていたのだろうか。
考えると、もうキリがなかった。
「ごめんね。菊助君私に手紙渡そうとしてたでしょ? 手紙に書いていた内容もこの双眼鏡で分かっちゃった。告白受けてないのに勝手に気持ちを知っちゃってごめんね」
山野さんからは切なさしか伝わってこなかった。僕自身もただただ切なかった。
そして、頭は回らない。田辺と山野さんは愛し合っていると信じていたのが実はそうではなくて、山野さんは田辺を憎んでいる事を知って僕はどうしたらいいのか分からなかった。
「僕の事は大丈夫だから。そんな事より山野さんが心配だよ」
これは本心だった。
同時に山野さんを疑っていた自分自身を恥じていた。田辺にシクラメンを渡していたのは本当に田辺を許せなかったのだと思う。普通入院患者には植木鉢ごと花は渡さない。それは、寝付くと言われているからだ。これは、根付くという語源から来ているらしい。現代では、土によって感染してしまうことを防ぐために入院患者には土に触れさせないようにしているのだが、少なくとも山野さんにとっては田辺に寝付いてほしかったのだと思う。

多分この時から僕は僕自身が分からなくなっていた。
未来望遠鏡 6話

「イエスかノーで答えて」
山野さんは言った。
「うん、わかった」
僕は何かの心理テストでもはじめるのかと気軽な気持ちでいた。
「私に対して疑問を抱いている」
あまりに唐突な質問に僕は一瞬何を言われたのかわからなかった。自分の中で言われた言葉を繋ぎ合わせてみたけれどやはりわからなかった。と言うより僕は混乱していた。
「イエスかノーで答えて」
山野さんは念を押すように言った。
確かに今の山野さんには疑問を抱いている。それは未来望遠鏡のせいでもあって、それを山野さんにそっくりそのまま言えるかといったらそうでもない。出来ることならば僕だって知りたい。田辺にシクラメンを持って行った訳を。
「何のこと言ってるのかわからないよ」
今抱いている本当の気持ちなど山野さんに言えるはずがなかった。信じてもらえるかどうかではなく、人として山野さんという人間を疑っている自分に少し腹が立っていたのかもしれない。
「イエスかノー」
山野さんの顔は真剣だった。僕は訳の分からない汗をかいていてそれを誤魔化すためにコーヒーをひと口飲んだ。
「僕が山野さんを疑う? そんなのあるわけないじゃないか。ノーだよ」
僕は顔が引きつっていた。きっとそうに違いない。
「菊助君は嘘が下手ね」
僕は俯いたまま山野さんの顔を見ることが出来なかった。山野さんは嘘をついた僕に対し怒っているのだろうか。それとも怒ってはいないだろうか。
「嘘なんかついてないよ! 山野さんこそ急にどうしたの?」
僕は俯いたままだった。空っぽになったコーヒーカップを見ていた。
「菊助君て私の事好きでしょ?」
僕はびっくりして顔を上げた。そこにはいつもと変わらない山野さんがいた。
「えっ? な、何急に!?」
僕はもう訳が分からなくなっていた。
「未来が見えたらどうする? 前に言った事あるよね?」
そういえば、この喫茶店でそんな事を言っていたような気がする。けれど、あの時はそんな事あるわけないと山野さんが冗談でも言っているのかと思っていた。けれど、今は違う。僕は未来望遠鏡を通して近未来を知る事が出来ると分かった。そんな今だから前みたいに笑い話には出来ない。
「もし、未来が見えたなら僕は救うべき人を救いたい」
山野さんは冗談と捉えただろうか。けれど、僕は本気だった。
「やっぱり、菊助君は変わらないわね。……私、未来が見えるの」
Copyright (C) 2009 雨の音を聴きながら, All right Resieved.
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